JPH06103941A - Ｘ線装置 - Google Patents
Ｘ線装置Info
- Publication number
- JPH06103941A JPH06103941A JP27351792A JP27351792A JPH06103941A JP H06103941 A JPH06103941 A JP H06103941A JP 27351792 A JP27351792 A JP 27351792A JP 27351792 A JP27351792 A JP 27351792A JP H06103941 A JPH06103941 A JP H06103941A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ray
- transmission window
- ray transmission
- case
- present
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- Pending
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- Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】梁やメッシュなどの補強を用いなくとも大きな
強度を有し、かつ高い透過率で測定能の向上を図ること
ができ、しかも毒性のない材料で安全性を確保したＸ線
透過窓を備えるＸ線装置を提供する。 【構成】Ｘ線透過窓を、原子番号の小さな炭素質材料に
よって形成する。炭素質材料としては、例えば、市販の
炭素繊維線を螺旋状に巻回し、これを幾重にも繰り返し
て所定の厚さ、例えば０．１〜０．５ｍｍの円筒体に形
成したものを使用する。ここで、巻回した炭素繊維は、
適宜接着剤を用いて緊密に接合しておく。
強度を有し、かつ高い透過率で測定能の向上を図ること
ができ、しかも毒性のない材料で安全性を確保したＸ線
透過窓を備えるＸ線装置を提供する。 【構成】Ｘ線透過窓を、原子番号の小さな炭素質材料に
よって形成する。炭素質材料としては、例えば、市販の
炭素繊維線を螺旋状に巻回し、これを幾重にも繰り返し
て所定の厚さ、例えば０．１〜０．５ｍｍの円筒体に形
成したものを使用する。ここで、巻回した炭素繊維は、
適宜接着剤を用いて緊密に接合しておく。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、Ｘ線発生管やＸ線回折
装置等のＸ線装置に関し、特に、Ｘ線の透過窓部材を改
良したＸ線装置に関する。
装置等のＸ線装置に関し、特に、Ｘ線の透過窓部材を改
良したＸ線装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】Ｘ線発生管やＸ線回折装置等のＸ線装置
においては、Ｘ線の利用目的に応じて所定箇所にＸ線の
出射または入射用にＸ線透過窓が形成されている。この
Ｘ線透過窓は、Ｘ線を吸収することなく回折測定に十分
なＸ線量を透過する材質で構成する必要がある。そのた
め、従来からＸ線透過窓は、金属ベリリウム、カプト
ン、アルミニウム蒸着マイラー等の原子番号の小さな材
料を用いて形成されていた。
においては、Ｘ線の利用目的に応じて所定箇所にＸ線の
出射または入射用にＸ線透過窓が形成されている。この
Ｘ線透過窓は、Ｘ線を吸収することなく回折測定に十分
なＸ線量を透過する材質で構成する必要がある。そのた
め、従来からＸ線透過窓は、金属ベリリウム、カプト
ン、アルミニウム蒸着マイラー等の原子番号の小さな材
料を用いて形成されていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
Ｘ線用透過窓に用いられている上記材質にはそれぞれ問
題があり、他の材料への変換が望まれる。例えば、ベリ
リウムは、その粉末が毒性であるため使用が規制される
方向にあり、また、ベリリウムの成形時に用いる成形凝
固材に不純物が含まれるため、微量測定においてＳ／Ｎ
比が悪く分析精度が低くなり好ましくない。カプトン及
びアルミニウム蒸着マイラーは、Ｘ線透過率を高めるた
め薄膜にして用いた場合、強度が低下するため補強材が
必要となり、従来、Ｘ線透過窓に梁を設けたり、金属メ
ッシュを組み込んだりしている。しかし、梁を設けた場
合は測定域にデッドアングルが生じ、また、金属メッシ
ュを用いた場合はメッシュによりＸ線が散乱するため好
ましくない。本発明は上述した事情にもとづいてなされ
たものであり、従来のＸ線透過窓に比し、梁やメッシュ
等の補強を用いる必要がなく、透過率が高く測定能の向
上を図れるとともに、粉末ベリリウムのように毒性もな
く安全性の高いＸ線透過窓を備えたＸ線装置の提供を目
的とする。
Ｘ線用透過窓に用いられている上記材質にはそれぞれ問
題があり、他の材料への変換が望まれる。例えば、ベリ
リウムは、その粉末が毒性であるため使用が規制される
方向にあり、また、ベリリウムの成形時に用いる成形凝
固材に不純物が含まれるため、微量測定においてＳ／Ｎ
比が悪く分析精度が低くなり好ましくない。カプトン及
びアルミニウム蒸着マイラーは、Ｘ線透過率を高めるた
め薄膜にして用いた場合、強度が低下するため補強材が
必要となり、従来、Ｘ線透過窓に梁を設けたり、金属メ
ッシュを組み込んだりしている。しかし、梁を設けた場
合は測定域にデッドアングルが生じ、また、金属メッシ
ュを用いた場合はメッシュによりＸ線が散乱するため好
ましくない。本発明は上述した事情にもとづいてなされ
たものであり、従来のＸ線透過窓に比し、梁やメッシュ
等の補強を用いる必要がなく、透過率が高く測定能の向
上を図れるとともに、粉末ベリリウムのように毒性もな
く安全性の高いＸ線透過窓を備えたＸ線装置の提供を目
的とする。
【０００３】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、Ｘ線透過窓を炭素質材料により形成した
ことを特徴とする。
に、本発明は、Ｘ線透過窓を炭素質材料により形成した
ことを特徴とする。
【０００４】
【作用】本発明は、上記のようにＸ線透過窓が原子番号
の小さな炭素質材料で形成されるため、Ｘ線の透過率が
高く、また、補強材を用いることなく十分な機械的強度
を備えることができ、軽く、しかも毒性が無く人体に安
全である。
の小さな炭素質材料で形成されるため、Ｘ線の透過率が
高く、また、補強材を用いることなく十分な機械的強度
を備えることができ、軽く、しかも毒性が無く人体に安
全である。
【０００５】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例に
より制限されるものでない。図１は、本発明の一実施例
に係るＸ線装置（試料高温装置）を一部切欠いて示す正
面図である。図２は、本発明の他の実施例に係るＸ線装
置（試料高温装置）の断面図である。図１において、Ｘ
線回折用の試料高温装置１は、外側が気密ケースであっ
て、上部気密ケース２、下部気密ケース３及びベース板
４により構成される。上部気密ケース２及び下部気密ケ
ース３は、その接合部で嵌合するように形成され、且
つ、Ｏ−リングを介して、金具等により緊密に接合しケ
ース内部を気密に保持する。ベース板４は、本発明の装
置全体を支持すると同時にＸ線回折装置におけるゴニオ
メータに装着することができる。また、上部気密ケース
２の上端には、クイッククランプ口５（真空引用接続
口）が取り付けられ、必要に応じ雰囲気ガスを供給する
ことができる。また、気密ケース内を真空状態とする時
には、ガス送入管に気密蓋を配置して対応することがで
きる。
しながら詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例に
より制限されるものでない。図１は、本発明の一実施例
に係るＸ線装置（試料高温装置）を一部切欠いて示す正
面図である。図２は、本発明の他の実施例に係るＸ線装
置（試料高温装置）の断面図である。図１において、Ｘ
線回折用の試料高温装置１は、外側が気密ケースであっ
て、上部気密ケース２、下部気密ケース３及びベース板
４により構成される。上部気密ケース２及び下部気密ケ
ース３は、その接合部で嵌合するように形成され、且
つ、Ｏ−リングを介して、金具等により緊密に接合しケ
ース内部を気密に保持する。ベース板４は、本発明の装
置全体を支持すると同時にＸ線回折装置におけるゴニオ
メータに装着することができる。また、上部気密ケース
２の上端には、クイッククランプ口５（真空引用接続
口）が取り付けられ、必要に応じ雰囲気ガスを供給する
ことができる。また、気密ケース内を真空状態とする時
には、ガス送入管に気密蓋を配置して対応することがで
きる。
【０００６】更に、上部気密ケース２の周壁には、Ｘ線
透過窓用の円弧状の切欠き７を形成する。この切欠き７
は、Ｘ線の入射と回折Ｘ線の検出を確保するため、少な
くとも１８０度の角度範囲にわたり形成するのが好まし
い。但し、上部気密ケースを構成する材料によって
は、強度保持のため１８０度全域を切欠きとすることな
く、一部に梁等の補強体を設置してもよい。なお、気密
ケース１の内部には、ラジエーションシールドや断熱体
等（図示せず。）を、必要に応じて配置する。また、Ｘ
線回折用試料が装着でき、Ｘ線入反射空間部及び試料加
熱用手段を有する炉体８が下部気密ケース３の底部上に
設置される。この場合、炉体８のＸ線入反射空間部は、
上部気密ケース２に形成された切欠き７に合わせて配置
し、Ｘ線回折測定を円滑に行うことができるようにす
る。
透過窓用の円弧状の切欠き７を形成する。この切欠き７
は、Ｘ線の入射と回折Ｘ線の検出を確保するため、少な
くとも１８０度の角度範囲にわたり形成するのが好まし
い。但し、上部気密ケースを構成する材料によって
は、強度保持のため１８０度全域を切欠きとすることな
く、一部に梁等の補強体を設置してもよい。なお、気密
ケース１の内部には、ラジエーションシールドや断熱体
等（図示せず。）を、必要に応じて配置する。また、Ｘ
線回折用試料が装着でき、Ｘ線入反射空間部及び試料加
熱用手段を有する炉体８が下部気密ケース３の底部上に
設置される。この場合、炉体８のＸ線入反射空間部は、
上部気密ケース２に形成された切欠き７に合わせて配置
し、Ｘ線回折測定を円滑に行うことができるようにす
る。
【０００７】本発明の装置において、切欠き７の外部に
は、炭素質材料で円筒状に形成されたＸ線透過窓１０を
Ｏ−リング１１を介して配設してあり、ケース１内部の
気密性を保持しつつＸ線の透過を可能としている。この
場合、炭素質材料で形成したＸ線透過窓１０の強度によ
っては、上記した補強体を設置する必要がなく、Ｘ線透
過窓用に切削した切欠き７を、このＸ線透過窓１０よっ
て支持することができる。更にまた、図２に示した本発
明に係る他の実施例のように、Ｘ線透過窓１０を上部気
密ケース２の全周域でなくＸ線透過窓部分にのみＯ−リ
ングを介して配設させてもよい。なお、図２において、
図１と同一の符号番号は同一の部材を示している。
は、炭素質材料で円筒状に形成されたＸ線透過窓１０を
Ｏ−リング１１を介して配設してあり、ケース１内部の
気密性を保持しつつＸ線の透過を可能としている。この
場合、炭素質材料で形成したＸ線透過窓１０の強度によ
っては、上記した補強体を設置する必要がなく、Ｘ線透
過窓用に切削した切欠き７を、このＸ線透過窓１０よっ
て支持することができる。更にまた、図２に示した本発
明に係る他の実施例のように、Ｘ線透過窓１０を上部気
密ケース２の全周域でなくＸ線透過窓部分にのみＯ−リ
ングを介して配設させてもよい。なお、図２において、
図１と同一の符号番号は同一の部材を示している。
【０００８】上述したＸ線透過窓１０を形成する炭素質
材料としては、例えば、市販の炭素繊維線を螺旋状に巻
回し、これを幾重にも繰り返して所定の厚さ、例えば、
０．１〜０．５ｍｍの円筒体を形成する。また、巻回し
た炭素繊維は、適宜接着剤を用いて緊密に接合する。こ
の場合、巻回時に炭素繊維に接合剤を予め塗布して行っ
てもよいし、巻回後に接着剤液中に浸漬させる方法、ま
た、炭素繊維間にカーボンを分散配置して、高温加熱し
てカーボンを接合剤とする方法等適宜選択することがで
きる。また、炭素繊維により織布または不織布を形成
し、上記と同様に円筒状に、また、切欠き７に合致さ
せ、所望の形状に合わせて接着剤等により固形化して用
いることもできる。更にまた、各種薄膜形成方法により
得られる炭素質材料を、Ｘ線透過部材として適宜使用す
ることもできる。
材料としては、例えば、市販の炭素繊維線を螺旋状に巻
回し、これを幾重にも繰り返して所定の厚さ、例えば、
０．１〜０．５ｍｍの円筒体を形成する。また、巻回し
た炭素繊維は、適宜接着剤を用いて緊密に接合する。こ
の場合、巻回時に炭素繊維に接合剤を予め塗布して行っ
てもよいし、巻回後に接着剤液中に浸漬させる方法、ま
た、炭素繊維間にカーボンを分散配置して、高温加熱し
てカーボンを接合剤とする方法等適宜選択することがで
きる。また、炭素繊維により織布または不織布を形成
し、上記と同様に円筒状に、また、切欠き７に合致さ
せ、所望の形状に合わせて接着剤等により固形化して用
いることもできる。更にまた、各種薄膜形成方法により
得られる炭素質材料を、Ｘ線透過部材として適宜使用す
ることもできる。
【０００９】本発明のＸ線装置は、Ｘ線発生管やＸ線回
折装置等、Ｘ線透過窓が配備される装置であればいかな
るＸ線装置にも適用でき、上記した炉体を内部に設置す
る高温試料装置に限られるものでない。例えば、試料と
冷媒との熱伝導により試料を冷却する試料低温装置にも
好適であり、Ｘ線回折測定用試料低温装置のＸ線透過窓
に同様に炭素質材料を適用して構成することができる。
折装置等、Ｘ線透過窓が配備される装置であればいかな
るＸ線装置にも適用でき、上記した炉体を内部に設置す
る高温試料装置に限られるものでない。例えば、試料と
冷媒との熱伝導により試料を冷却する試料低温装置にも
好適であり、Ｘ線回折測定用試料低温装置のＸ線透過窓
に同様に炭素質材料を適用して構成することができる。
【００１０】
【発明の効果】本発明のＸ線装置は、従来のＸ線透過窓
に比し、梁やメッシュ等の補強を用いる必要がなく、透
過率が高く測定能の向上が図れる。また、粉末ベリリウ
ムのように毒性もなく、安全性が高い。
に比し、梁やメッシュ等の補強を用いる必要がなく、透
過率が高く測定能の向上が図れる。また、粉末ベリリウ
ムのように毒性もなく、安全性が高い。
【図１】本発明の一実施例に係るＸ線装置を一部切り欠
いて示す正面図である。
いて示す正面図である。
【図２】本発明の他の実施例に係るＸ線装置の断面図で
ある。
ある。
１ 試料装置 ２ 気密ケース上部 ３ 気密ケース下部 ４ ベース板 ５ クイッククランプ口 ７ Ｘ線透過窓 ８ 炉体 １０ Ｘ線透過部材
Claims (2)
- 【請求項１】 Ｘ線を入射または出射するＸ線透過窓を
備えたＸ線装置において、 前記Ｘ線用透過窓を炭素質材料により形成したことを特
徴とするＸ線装置。 - 【請求項２】 該炭素質材料が炭素繊維であり、所定の
形状に集合形成されてなる請求項１記載のＸ線装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27351792A JPH06103941A (ja) | 1992-09-18 | 1992-09-18 | Ｘ線装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27351792A JPH06103941A (ja) | 1992-09-18 | 1992-09-18 | Ｘ線装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06103941A true JPH06103941A (ja) | 1994-04-15 |
Family
ID=17528965
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27351792A Pending JPH06103941A (ja) | 1992-09-18 | 1992-09-18 | Ｘ線装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06103941A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2020521303A (ja) * | 2017-05-19 | 2020-07-16 | イマジン サイエンティフィック，インコーポレイテッド | 単色ｘ線撮像システム及び方法 |
| US11744536B2 (en) | 2018-02-09 | 2023-09-05 | Imagine Scientific, Inc. | Monochromatic x-ray imaging systems and methods |
| US11903754B2 (en) | 2009-04-16 | 2024-02-20 | Imagine Scientific, Inc. | Monochromatic X-ray methods and apparatus |
-
1992
- 1992-09-18 JP JP27351792A patent/JPH06103941A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US11903754B2 (en) | 2009-04-16 | 2024-02-20 | Imagine Scientific, Inc. | Monochromatic X-ray methods and apparatus |
| JP2020521303A (ja) * | 2017-05-19 | 2020-07-16 | イマジン サイエンティフィック，インコーポレイテッド | 単色ｘ線撮像システム及び方法 |
| US11833369B2 (en) | 2017-05-19 | 2023-12-05 | Imagine Scientific, Inc. | Monochromatic x-ray imaging systems and methods |
| US11744536B2 (en) | 2018-02-09 | 2023-09-05 | Imagine Scientific, Inc. | Monochromatic x-ray imaging systems and methods |
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