JP3848493B2 - X線診断システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、造影剤を用いたX線撮影システムの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
血管造影法は、血管内に直接的・間接的に造影剤を投与してX線撮影を行う検査法であり、心臓、動脈、静脈などの循環器系自体の病変や血行動態のみならず、全身各臓器の病変の存在診断、質的診断に関する情報を得ることができる検査方法である。
【0003】
心臓、脳、四肢の循環障害、悪性腫瘍では、これらの病変に特有な形態を示す微小な血管が新生する(新生血管)。従って、これら病変の診断・治療においては、新生血管を含む微小血管の観察と評価が重要な意義を持つ。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来、病院などの一般の医療施設が保有するX線診断装置では、X線撮影システム自体の感度や解像度の限界、造影剤投与量の人体に対する限界などの点から、動脈では内径0.2mm程度よりも太い血管が、また静脈では内径1mm程度よりも太い血管が検出の限界とされ、血管病変を評価するに至っては、各々、その3〜4倍の太さを有する血管が限界とされていた。従って、一般の医療施設では、前記内径以下の微小血管については、そもそもX線診断による観察の対象とされていないのが現状である。
【0005】
一方、シンクロトロン放射光装置(施設)を用い、一般のX線診断装置では発生し得ない高強度なX線を照射することで、微小血管の造影を行い得ることは知られている。しかしながら、臨床X線診断に用いられるシンクロトロン放射光装置は、周長が約40mから時に1km以上にも達する長大な円環状あるいは楕円状の建造物であり、総工費も巨額であることから、一般の医療施設が個々に保有し得るものではない。
【0006】
本発明の目的は、上記問題を解決し、比較的低コストの構成でありながらも、従来の一般の医療施設ではできなかった微小血管の造影が可能なX線診断システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、比較的低コストのX線診断装置によって微小血管の造影を行うことに着目し、血管造影の撮影限界を改善することについて研究したところ、X線の波長を、造影剤に含まれるX線吸収用の元素の検出のために最適化し、X線撮影装置の感度と解像度を同時に改善することによって、比較的低コストなX線診断システムでありながら、従来よりも微細な血管を造影し得ることを見出し、本発明を完成させた。本発明のX線診断システムは、次の特徴を有するものである。
【0008】
(1)(i) X線管球またはプラズマX線源を用いて構成されたX線照射装置であって、X線スペクトルにおいてヨウ素のK吸収端直上のエネルギー域に強度のピークを有する実質的に単色のX線を、毎秒7.7×10-4〔C/kg〕以上の照射線量にて少なくとも照射し得るものであるか、または、X線スペクトルにおいてガドリニウムのK吸収端直上に強度のピークを有する実質的に単色のX線を、毎秒7.7×10-5〔C/kg〕以上の照射線量にて少なくとも照射し得るものである、X線照射装置と、
(ii)前記X線照射装置から発せられ被検体を通過したX線を、直接または蛍光板装置を介して、サチコン管の8倍以上の感度を有しかつ6〔lp/mm〕以上の解像度の画像として撮像し得るX線撮像装置と、
(iii)前記X線撮像装置によって撮像された画像を、前記解像度にて表示し得る画像表示装置とを、
少なくとも有するものであるX線診断システム。
(2)上記X線照射装置が、X線スペクトルにおいてヨウ素のK吸収端直上のエネルギー域に強度のピークを有するX線を照射し得るものであって、当該X線診断システムが、ヨード造影剤を用いて行なう血管造影に用いられるものである上記(1)記載のX線診断システム。
(3)上記X線照射装置が、原子番号57〜69の金属を陽極に使用したプラズマX線源を用いて構成されたものである、上記(2)記載のX線診断システム。
(4)上記X線照射装置が、セリウムを陽極に使用したプラズマX線源を用いて構成されたものである、上記(2)記載のX線診断システム。
(5)上記X線照射装置が、上記X線に加えてさらに、ヨウ素のK吸収端直下のエネルギー域に強度のピークを有するX線を照射し得るものであり、当該X線診断システムが、これらX線を用いてK吸収端サブトラクション法による画像処理を行い得るものである上記(2)〜(4)のいずれかに記載のX線診断システム。
(6)上記X線照射装置が、X線スペクトルにおいてガドリニウムのK吸収端直上のエネルギー域に強度のピークを有するX線を照射し得るものであって、当該X線診断システムが、ガドリニウム造影剤を用いて行なう血管造影に用いられるものである上記(1)記載のX線診断システム。
(7)上記X線照射装置が、原子番号57〜68の金属を陽極に使用したプラズマX線源を用いて構成されたものである、上記(6)記載のX線診断システム。
(8)上記X線照射装置が、上記X線に加えてさらに、ガドリニウムのK吸収端直下のエネルギー域に強度のピークを有するX線を照射し得るものであり、当該X線診断システムが、これらX線を用いてK吸収端サブトラクション法による画像処理を行い得るものである上記(6)または(7)記載のX線診断システム。
(9)上記X線撮像装置が、被検体を通過したX線を直接または蛍光板装置を介して撮像する、高感度・高解像度テレビジョンカメラである上記(1)記載のX線診断システム。
(10)上記高感度・高解像度テレビジョンカメラの感度が、サチコン管の600倍である上記(9)記載のX線診断システム。
(11)上記X線撮像装置によって得られた画像がデジタルデータとして処理されるものである上記(1)記載のX線診断システム。
(12)上記X線照射装置から上記X線撮像装置に至る光路上のいずれかの位置に、該光路上を進むX線または蛍光板装置にて波長変換された光線を、間欠化するX線撮像用シャッター装置がさらに設けられたものである上記(1)記載のX線診断システム。
(13)上記X線撮像用シャッター装置が、上記X線撮像装置の撮像動作と連動して開閉動作を行うものである上記(12)記載のX線診断システム。
(14)上記血管造影が、内径0.2mm〜0.05mmの微小血管を含む動脈、または内径1mm〜0.2mmの微小血管を含む静脈を、造影の対象とするものである上記(2)または(6)記載のX線診断システム。
【0022】
【発明の実施の形態】
本明細書では、波長の異なるX線を示す際に、波長の代わりにX線エネルギーを用いて示す。X線エネルギーEは、X線の波長λに応じて定められる値であって、X線の振動数ν、プランクの定数h、光の速度cとして、E〔eV〕=hν=hc/λである。
また、〔lp/mm〕は、解像度の単位であり、〔 line pair/mm〕の略であって、画像を構成する1つの線(走査線または1行の画素)と、その線の片側に隣接する線間の間隙とを1対として、その1対が1mmの幅内に何対あるかを示すものである。
以下、X線照射装置から被検体を通ってX線撮像装置に至る経路において、X線照射装置側を「前側」、X線撮像装置側を「後側」と呼んで、経路上の位置関係の説明に用いる。
【0023】
本発明によるX線診断システムは、図1に示すように、X線照射装置1、X線撮像装置2、画像表示装置4を少なくとも有するものである。以下に示すように、各部の能力および互いの能力の最適化によって、一般のX線診断システムでは従来撮像できなかった微小血管を撮像し観察することが可能となる。また、X線診断システムの撮像能力をこのように改善することによって、逆に、従来よりも少ない造影剤投与量で従来と同等以上の解像度での血管造影が可能となる。これらを次に説明する。
【0024】
図1に示すX線照射装置1は、次に示す(A)、(B)のX線のいずれかを少なくとも照射し得る装置である。
(A)のX線;X線スペクトルにおいてヨウ素のK吸収端直上のエネルギー域に強度のピークを有するX線。これは、ヨード造影剤を投与して行なう血管造影のためのX線である。ヨウ素のK吸収端のエネルギーは33.17〔keV〕である。ここでいう「直上」とは、X線スペクトルのX線エネルギー軸において、ヨウ素のK吸収端よりも高エネルギー側の近傍、即ち、K吸収端エネルギーよりも高く、本発明の目的を達成し得る吸収係数が確保できる上限までの範囲を意味する。このエネルギー域の範囲に強度のピーク中心を有するX線が、当該(A)のX線である。実使用上有用な範囲としては、33.2〔keV〕〜50.0〔keV〕程度が挙げられ、特に、33.2〔keV〕〜40.0〔keV〕がより好ましい範囲として挙げられる。
【0025】
上記(A)のX線は、強度のピークが上記エネルギー域の範囲内にあればよいが、ピークを中心に緩やかにすそ野が拡がるスペクトルの分布よりも、鋭い分布の実質的に単色(即ち、単色または擬似単色)のX線が好ましい。ここでいう実質的に単色とは、X線スペクトルにおいて半値幅15〔keV〕程度以内の狭いエネルギー範囲に強度の分布を持つものをいう。以下、単色または擬似単色のX線を含む実質的に単色のX線を「単色X線」とも呼ぶ。X線の単色化は、例えばシリコン等の結晶を用いてブラッグ回折を生じさせるモノクロメータの使用、反射鏡、X線吸収体(フィルター)の使用等により行い得るが、特に好ましいX線源としてプラズマX線源が挙げられる。
上記(A)のX線を得る場合、プラズマX線源は、陽極にLa(原子番号57)からTm(原子番号69)までの範囲の重元素を用いることが好ましく、これによって、X線のピークが33.2〔keV〕〜50.0〔keV〕の間にある、擬似単色のX線を得ることができる。
【0026】
単色X線を用いることによって、広いスペクトルを有するX線の使用で問題となっていたビーム硬化作用(高エネルギー側の成分が減衰し難いために、被検体透過後には高エネルギー側の成分に偏ったスペクトルになること)や、バックグラウンドノイズの増加等を回避することができ、また、少ない照射線量で鋭敏なコントラスト効果が得られる。
【0027】
(B)のX線;X線スペクトルにおいてガドリニウムのK吸収端直上のエネルギー域に強度のピークを有するX線。これは、ガドリニウム造影剤を投与して行なう血管造影のためのX線である。ガドリニウムのK吸収端のエネルギーは50.23〔keV〕である。「直上」の意味や、単色X線が好ましいことなどについては、上記(A)のX線と同様である。ガドリニウムのK吸収端直上の実使用上有用な範囲は、50.3〔keV〕〜67.0〔keV〕程度であり、この範囲内にX線の強度のピークがあればよい。この場合、プラズマX線源の陽極に用いる金属としては、Tm(原子番号69)からAu(原子番号79)までの範囲のものが適当である。
【0028】
照射線量は、上記(A)のX線を用いる場合には、毎秒7.7×10-4〔C/kg〕以上、特に、0.05mmにも達する微細な血管を鮮明に造影するには、毎秒1.3×10-3〔C/kg〕以上とするのが好ましい。また、上記(B)のX線を用いる場合には、毎秒7.7×10-5〔C/kg〕以上、特に、毎秒1.3×10-4〔C/kg〕以上とするのが好ましい。
【0029】
本発明に用いられるX線照射装置は、用いる造影剤に応じて、少なくとも上記(A)または(B)のX線を、上記照射線量にて照射し得る装置であればよい。そのようなX線を発生させ得るX線源としては、上記プラズマX線源が好ましいものとして挙げられる他、上記限定に能力的に応じ得るものならば、X線管球であってもよい。そのようなX線管球としては、例えば、フィリプス社製MRS−200、バリアン社製6.5MHUCT用X線管などが挙げられる。シンクロトロン放射光装置は、上記のように低コストの構成を達成できないために除く。
【0030】
(実験例1)
ここで、プラズマX線源による単色X線(擬似単色のX線)のコントラスト増強効果を明らかにするために行った実験(比較用の実験を含む)を示す。この実験は、同じ仕様の2つの容器の一方にインジウム(In、原子番号49、K吸収端エネルギー27.9〔keV〕)粒子を入れ、他方にセリウム(Ce、原子番号58、K吸収端エネルギー40.4〔keV〕)粒子を入れ、これらを被写体として、セリウムを陽極に使用したプラズマX線(X線強度のピーク34.6〔keV〕)を照射し撮影したものである。X線撮像装置には、高輝度蛍光体(FOS、浜松ホトニクス)と超高感度ハイビジョンカメラ(New Super HARP)とを組み合わせたもの(いずれも後述)を用いた。図3は、撮影結果を静止画像として出力したものであって、同図の左側がセリウムを収容した容器、右側がインジウムを収容した容器である。
【0031】
同図の画像から判るように、K吸収端が40.4〔keV〕であるセリウム粒子よりも、K吸収端が27.9〔keV〕であるインジウムの方がより白く写っている。即ち、X線吸収度(コントラスト効果)が顕著である。これは、用いた本プラズマX線のスペクトルが、In、Ce両者のK吸収端にまたがる分布を有するものではないこと、即ち、擬似単色のX線として機能することを示すものである。このことから、K吸収端のエネルギーが33.17〔keV〕であるヨード造影剤の検出にも、本実験で用いたX線が高いコントラスト増強効果を示すことが示唆された。以上が実験例1である。
【0032】
X線源に加えて、該X線源と被検体の間に光学系が必要な場合には、該光学系をさらにX線照射装置に含めてよい。そのような光学系としては、X線フィルターやX線コリメーターなどが挙げられる。
【0033】
本発明のシステムは、経時的サブトラクション法(Ratib and Rutishauser, Int. J. Cardiac Imaging 1:29 )や、K吸収端サブトラクション法(Rubenstein E. R. et al.,Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:9724、K. Ueda and Umetani et al., Rev. Sci. Instrum 60:2272 (1989))を実施し得る構成としてもよい。これらの方法は、読影の妨げになるような他の組織に起因するバックグラウンドの低減に効果がある。これらサブトラクション法など、より高解像で鮮明な画像を得る公知の手法を実施するために、必要な装置等は自由に追加してよい。
【0034】
K吸収端サブトラクション法は、K吸収端の直上のエネルギー域と直下のエネルギー域のX線を照射し撮影して差分処理するものである。これら2種類のX線の照射は同時であっても経時的であってもよいが、同時の照射は、時間のずれにより撮影対象が動くことで生じる画像の乱れを受けないので、一層鮮明な像が得られる。
【0035】
本発明のシステムを用いて、ヨウ素のK吸収端のサブトラクション法を行うためには、X線照射装置が、上記(A)のX線に加えてさらに、ヨウ素のK吸収端直下のエネルギー域に強度のピークを有するX線(以下、これを「(a)のX線」ともよぶ)を照射し得る様に構成する。「直下」とは、X線スペクトルのX線エネルギー軸において、ヨウ素のK吸収端よりも低エネルギー側の近傍、即ち、K吸収端エネルギーよりも低く、有効な差分処理を確保できる下限までの範囲を意味する。実使用上有用な範囲としては、16.0〔keV〕〜33.0〔keV〕程度であり、この範囲内にX線の強度のピークがあればよい。照射線量や、単色X線が好ましいことは上記(A)と同様である。この場合、プラズマX線源の陽極に用いる金属としては、Zr(原子番号40)からBa(原子番号56)までの範囲のものが適当である。
【0036】
また、ガドリニウムのK吸収端のサブトラクション法を行うためには、X線照射装置が、上記(B)のX線に加えてさらに、ガドリニウムのK吸収端直下のエネルギー域に強度のピークを有するX線を照射し得る構成とする。ガドリニウムのK吸収端に対する「直下」の意味は、上記(a)のX線と同様、K吸収端エネルギーよりも低く、有効な差分処理を確保できる下限までの範囲を意味する。単色X線が好ましいことや、照射線量などについては、上記(A)のX線と同様である。ガドリニウムのK吸収端直下の実使用上有用な範囲は、33.0〔keV〕〜50.0〔keV〕程度であり、この範囲内にX線の強度のピークがあればよい。この場合、プラズマX線源の陽極に用いる金属としては、La(原子番号57)からEr(原子番号68)が適当である。
【0037】
本発明に用いられるX線照射装置は、ただ1種類(1ピーク)のX線を照射する1つの装置を意味するだけでなく、複数の種類のX線を照射し得るよう構成された1つの装置であっても、1種類のエネルギーのX線を照射する1つの装置が照射に必要な種類の数だけ集められた複数の装置であってもよく、態様は限定されない。図2の例は、K吸収端のサブトラクション法を行なうための構成例であり、K吸収端直上・直下のX線を各々同時照射し得るよう、X線照射装置1a、1bが設けられている。また、X線照射装置1a、1bから照射される各X線L1、L2を、各々撮像するためのX線撮像装置2a、2bが設けられている。
【0038】
また、梅谷らが提唱したように、単一のX線照射装置から照射されるX線を、ヨウ素またはガドリニウムのフィルターを介してK吸収端の直上・直下に振り分ける方法・システム構成であってもよい。ヨウ素についての例を用いて簡単に説明すると、X線照射装置と被写体間にヨウ素フィルターを置き、単色X線(中心ピークエネルギー33.2〔keV〕)の照射を行うに際して、1コマ目(通常33msec)ではX線はヨウ素フィルターを通過せず、2コマ目(通常33msec)ではX線はヨウ素フィルターを通過するよう、前記フィルターを速やかに動かす。ヨウ素フィルターを通過しない場合に得られるX線(ヨウ素のK吸収端以上のエネルギーを有する単色X線)を照射して撮影した画像と、その直後にヨウ素フィルターを通過させて得られるX線(ヨウ素のK吸収端よりも下側のエネルギーを有する単色X線)を照射して得た画像とを、デジタル画像処理することにより両画像の差分処理を行う。これにより、より画質の高い血管の映像を得ることができる。
【0039】
本発明によるシステムの用途は限定されないが、従来の技術における問題として挙げたように、内径0.2mm以下の微細な動脈、内径1mm以下の微細な静脈は、一般の医療施設では造影困難とされている。従って、従来より造影可能な太い血管は勿論のこと、既存の一般システムでは造影困難のために対象外とされていた微細な血管を造影し、定量または半定量的評価の対象とするときに本発明の有用性は特に顕著となる。本発明のシステムでは、造影剤の静脈内投与と撮像によっても内径0.2mm程度の微細な動脈を明確にすることができる。また、目標とする微小動脈の上流部の動脈内に造影剤を選択的に投与することによって、0.05mmにも達する微小動脈を明確に造影し観察することが可能となる。微小静脈を観察する場合も同様に、目標とする微小静脈の上流部の動脈内に造影剤を選択的に投与することによって、内径1mm以下、特に0.2mmにも達する微小静脈を明確に造影し観察することが可能となる。
【0040】
本発明のシステムを用いて血管造影を行うに際しては、照射するX線が上記(A)のX線の場合には、ヨード造影剤を用いる。本発明において使用し得るヨード造影剤は特に限定されず、ヨウ素をX線吸収用の物質として有するものであれば、公知のものでも、新たに開発されるものでもよい。公知のヨード造影剤のなかでも好ましいものとしては、少なくとも1個のヨウ素置換芳香族炭化水素を含む化合物を含有するヨード造影剤が挙げられる。なかでも前記ヨウ素置換芳香族炭化水素が三ヨウ素置換芳香族炭化水素であるものは、少ない投与量であっても高いX線吸収量を示すので、特に好ましい。
【0041】
本発明において使用し得るヨード造影剤は、通常、X線造影に使用される各種ヨード造影剤、例えば水溶性ヨード造影剤が用いられ、非イオン性またはイオン性造影剤、モノマー型またはダイマー型のものが挙げられる。好ましくは尿路血管用の造影剤として公知の(商業的に入手可能)非イオン性モノマー型であるイオパミドール(商品名:イオパミロン(日本シエーリング))、イオヘキソール(商品名:オムニパーク(第一製薬))、イオベルゾール(商品名:オプチレイ(山之内製薬))およびイオメプロール(商品名:イオメロン(エーザイ))、イオン性ダイマー型のイオキサグル酸(商品名:ヘキサブリックス320 (栄研化学−田辺))等である。
【0042】
また、照射するX線が上記(B)のX線の場合には、ガドリニウム造影剤を用いる。ガドリニウム造影剤は限定されず、ガドリニウムをX線吸収用の物質として有するものであれば、公知のものでも、新たに開発されるものでもよく、従来核磁気共鳴イメージング検査(MRI)に使用されているGd−DTPA、Gd−HP−DO3A、Gd−DTPA−BMA、Gd−DOTA等が挙げられる。より具体的には日本シエーリング社のマグネビスト等が用いられる。
【0043】
本発明のシステムを用いて血管造影を行なうに際し用いられるヨード造影剤またはガドリニウム造影剤の種類、投与経路、注入量、注入速度等は造影の対象となる部位、該造影剤を投与する対象の年齢や身体の大きさ等によって適宜増減できるが、通常、ヨード造影剤を成体に対して静脈内投与(IV−DSA)する場合には、造影剤1mlあたり、30〜40mgのヨウ素を含有する造影剤を、体重1kgあたり0.2〜1.0mlで注入する。一方、動脈内に選択的に投与する場合には、同濃度のヨウ素を含有する造影剤を、体重1kgあたり0.1〜1.0mlで、数秒以内に注入する。
【0044】
また、ガドリニウム造影剤を成体に対して静脈内投与する場合には、0.5〜1.0Mのガドリニウム含有量の造影剤を、体重1kgあたり0.1〜0.5mlの用量で注入する。一方、動脈内に選択的に投与する場合には、0.5〜1.0Mのガドリニウム含有量の造影剤を、体重1kgあたり0.1〜0.5mlで、数秒以内に急速注入する。
【0045】
一般に造影の対象となる血管が比較的太いものであって、静脈内造影剤投与によるDSA(digital subtraction angiography )撮影などの場合、本発明のX線診断システムを使用すれば当該造影剤の投与量をより低減することが可能となる。
【0046】
本発明のシステムを用いて血管造影を行なう場合の、造影剤の投与と、X線の照射・撮像との時間的な関係は、投与対象、投与経路等によって適宜変更しうるが、例えばウサギに造影剤を選択的に動脈内投与する場合であれば、X線の照射・撮像は、上述の造影剤を動脈内投与した直後に行う。静脈内投与によるDSAの場合、投与部位の静脈から目標とする動脈までの循環時間の算出を行い、造影剤注入と撮影開始とのタイムラグを決める。
【0047】
本発明に用いられるX線撮像装置は、被検体を通過したX線を、直接的に撮像するか、または、X線をいったん該蛍光板装置で受けて波長変換し、蛍光板装置上の画像を撮影する装置である。即ち、蛍光板装置を介して撮像する場合には、X線撮像装置は、蛍光板装置と撮像装置とを含む。いずれの態様であっても、結果として、サチコン管の8倍以上の感度として撮像でき、かつ6〔lp/mm〕以上の解像度の画像として撮像し得るものであればよい。
ここでいうサチコン管の感度とは、光源の色温度が2856〔ケルビン〕のとき350〔μA/ルーメン〕となる感度である。
【0048】
X線撮像装置の撮像方式は、テレビジョン撮像方式だけに限定されるものではなく、スチルカメラによる撮像のように静止画像だけの撮像であってもよい。しかし、テレビジョン撮像を行うことによって、微小血管を静止画像だけでなく動画として観察できるようになり、これによって当該血管を動的に把握することが可能となり、より詳細に病変を認識し得る。図1に示す構成例では、被検体Hを通過した上記のX線Lを、蛍光板装置21で受けて波長変換し、該蛍光板上に蛍光による画像を現し、これをテレビジョンカメラ22によって撮像している。上記のように、X線撮像装置は、テレビジョンカメラ22だけではなく、X線をテレビジョン撮像し得るようその前段に必要に応じて設けられる蛍光板装置や光学系をも含むものである。
【0049】
X線撮像装置は、上記図2で説明したように、K吸収端サブトラクション法などにおいて、同時に照射される2種類のX線を受像する場合など、必要に応じて複数系統設けてよい。
【0050】
X線撮像装置が蛍光板装置と撮像装置とを含む態様である場合、蛍光板装置は、上記感度と解像度に大きく関与する。蛍光板装置は、被検体を通過したX線を、撮影可能な波長の蛍光(通常は可視光)に変換し映像として現すものである。蛍光板装置は、当該システムの感度と解像度を損なわない能力(例えば、X線/可視光の変換能力、解像度など)を有するものであればよい。X線/可視光の変換能力の点では、例えば、後述の撮像装置の能力に対してどれだけの光を供給すれば撮像可能となるかという観点から規定すると、X線の照射線量や被検体透過後の線量の値にもよるが、該蛍光板装置の両面のうち撮像装置側の蛍光面から発せられる光の照度が、該蛍光面から8mmの距離において0.005ルクス以上となるような発光能力を確保し得るものであればよい。この発光能力は、高い値であるほど好ましいが、撮像装置として後述の超高感度ハイビジョンカメラを用いる場合には、0.3ルクス程度の低い値であっても、実際の診断に十分に好ましい撮像が可能となる。また、蛍光板装置の解像度の点では、6〔lp/mm〕以上、好ましくは10〔lp/mm〕以上の高解像度のものが適当である。
以上のような蛍光板装置としては、例えば、蛍光スクリーンでは、フジフィルム社製、HR mammo Fine(解像度16〜20〔lp/mm〕)が挙げられる。X線蛍光増倍管は解像度が低いものが殆どであるが、上記条件を満たすものがあれば用いてよい。また、X線用蛍光体では、浜松ホトニクス社製、CsI(TI)、Gd2 3 S、FOS(Fiber Optic Plate with X-ray scintillator)が挙げられる。
【0051】
上記テレビジョン撮像するためのテレビジョンカメラとしては、▲1▼感度が、サチコン管の8倍以上、であり、かつ▲2▼解像度が6〔lp/mm〕以上、好ましくは10〔lp/mm〕以上を有するもの、即ち、高解像度テレビジョン方式による撮像カメラのなかでも高感度のものが用い得ることになる。具体的には、「ハイビジョン(Hi-vision, high definition television)」として知られる高解像度テレビジョン方式に用いられるテレビジョンカメラのなかでも、さらにサチコン管の8倍以上を達成し得るもの、即ち、超高感度ハイビジョンカメラ(NewSuper HARP、日本放送協会(NHK))が、本発明における最適化に応じ得る好ましいものとして挙げられる。前記超高感度ハイビジョンカメラは、最も優れた性能のものでは、感度がサチコン管の600倍程度にも達し、かつ、解像度は139〔lp/mm〕に達するものがあるが、放送用として用いられており、一般のX線診断システムとしては用いられていない。
【0052】
ハイビジョンカメラの高解像度については、日本科学技術振興財団、科学技術館「日本の科学と技術」1988年10月〜12月合併号(vol.29、No.252)、または、日本放送出版協会「ハイビジョン」1987年、日本放送協会編著、p.125などに詳細に記載されている。また、ハイビジョンカメラが高感度となるための主なメカニズムは、撮像管の非結晶セレン層内で、高電圧下でアバランシェ現象と呼ばれる増幅機構が作動することである。
超高感度ハイビジョンカメラ「New Super HARP」の作用については、特公平6−87404号公報にも詳しく記載されている。
ハイビジョン方式のアスペクト比は、放送用では16:9であるが、本発明においては、X線診断に好ましいように自由に変更してよい。
【0053】
ここで、超高感度ハイビジョンカメラの有用性を明らかにするために行った実験(実験例2〜4)を示す。各々の実験には、従来技術との比較のための実験も含まれている。
(実験例2)
この実験は、33.3〔keV〕の単色X線で、MTFチャートと、イヌの小腸の小動脈を撮影し、従来の撮像装置と比較したものである。
この実験に用いたシステム(「実験用システム1」と呼ぶ)の構成は次のとおりである。
▲1▼X線照射装置;33.3〔keV〕の単色X線を、毎秒1.3×10-3〔C/kg〕の照射線量にて照射し得るシンクロトロン放射光装置。
▲2▼X線撮像装置;高輝度蛍光体(FOS、浜松ホトニクス)と超高感度ハイビジョンカメラ(New Super HARP)とを組み合わせたもの。
▲3▼画像表示装置;ハイビジョン対応のCRTディスプレイをモニターとして用いたもの。
【0054】
図4は、この実験においてMTFチャートを撮影した結果を静止画像として出力したものである。MTFチャートは、5本の鉛線からなる縞状パターンを1組として、縞状パターンの細密度を各組毎に変化させたものであって、同図の画像から判るように、下側の第1組から上側の第7組に向かうに従って疎から密へと段階的に変化させたものである。撮影結果では、縞状パターンは白い影として写し出されている。
【0055】
図4に示した撮影結果から明らかなとおり、最上側の第7組の縞状パターンの5本線が互いに分離した線として識別可能となっている。第7組の縞状パターンの仕様は、鉛線の幅25μm、線間の隙間の幅25μmであって、20〔lp/mm〕である。このことから、実験用システム1のX線撮像装置は、20〔lp/mm〕の解像度を少なくとも有することが示された。
【0056】
図5は、上記実験用システム1を用いて、同じ撮影条件のもと、イヌの小腸の小動脈を撮影した結果を静止画像として出力したものである。同図に矢印のサイズを変えて示すように、小腸壁上の小血管が分岐する度に、血管径が減少していく明確な画像が得られている。
【0057】
上記実験用システム1のX線撮像装置の能力を従来のものと比較するために、該システム1のX線撮像装置だけを既存の撮像装置(イメージ増強管とテレビジョンカメラとからなる撮像装置:解像度3〔lp/mm〕)に変え、比較用システム1を構成した。この比較用システム1を用い、上記と同じイヌの小腸を被検体として撮影した。図6は、その撮影結果を静止画像として出力したものであるが、同図の画像から明らかなとおり、血管の分岐に伴う血管径の減少が不明瞭である。この結果からも、超高感度ハイビジョンカメラのX線診断への有用性が明らかとなっている。以上が実験例2である。
【0058】
(実験例3)
この実験では、上記の実験用システム1を用い、マウスの癌の新生血管を撮影し、超高感度ハイビジョンカメラの有用性を示した。マウスの右腋下の皮下に癌細胞を移植して直径2cmに成長したところで、ヨード造影剤の上行大動脈注入により血管造影を行った。ヨード造影剤としては、イオパミロン370、0.1mlを用いた。図7〜図10は、その撮影結果を静止画像として出力したものである。
【0059】
図7は、移植後1週での撮影結果を示す画像である。同図から判るとおり、腫瘍も小さくほとんど皮膚の盛り上がりが認められない程度であるが、矢印のように微小ながら異常な形態の新生血管が観察できた。
図8は、移植後4週での撮影結果を示す画像である。矢印は最大4次分岐まで癌を栄養する血管(栄養血管)が観察できることを示す。同図中、近接した2つの矢印は、癌の新生血管に特有の形態(枝分かれせず、蛇行する形態)を示す。矢じり印は、異常な造影剤による染まり(tumor stain )を示し、癌に特徴的なものである。
【0060】
図9は、肺動脈から派生した栄養血管を撮影した画像である。同図に矢じり印で示されているのは右心室であって、その背後に腫瘍を貫く低コントラストで血管径が大である血管像が確認されている。
図10は、血管新生阻害剤(VEGF中和抗体)により新生血管の発達が抑制された状態を撮影した画像である。腫瘍の発育と比して血管網の発達が乏しいことが確認できる画像である。
【0061】
既存の血管造影装置(既存のX線源と既存の撮影装置とを組合せた比較用システム2)を用いて同じ被検体を撮影したところ、一次分岐ですら観察できなかった。
これらの実験結果から、超高感度ハイビジョンカメラを用いたシステムが、新生血管形成の動態の観察に有用なことが確認された。以上が実験例3である。
【0062】
(実施例4)
この実験では、実験用システム1を用い、犬における虚血心筋の微小血管の発達を、ヨード造影剤の冠動脈内注入により撮影した。図11は、その撮影結果を示す画像である。図11(b)は、微小冠血管の新生を促すことを目的としてレーザー刺激を加えて1か月後に撮影した結果を示す画像である。同図に示すように、レーザー刺激を加えた部分には、心筋内の微小血管の増加(矢じり印)が顕著であることが画像から判別できた。一方、図11(a)は、レーザー刺激を加えなかった対象領域を撮影した結果であり、血管密度が明らかに少ないことが画像から判別できた。以上が実験例4である。
【0063】
撮像対象とする部位が、例えば、心臓あるいは心臓近傍の臓器血管のように、動きの激しいものである場合、その動きによって撮像映像がボケ(ブレ)たり、微小血管の場合には読影できない場合がある。特に、X線撮像装置として、上記の超高感度ハイビジョンカメラなどのテレビジョンカメラを用いる場合には、テレビジョン撮影の1フィールド時間は約16.7ms(1/60秒)であるから、撮像対象が心臓などのように自体が動くものである場合には、画像、特に静止画像における撮像対象のボケは顕著となる。これを解決するために、本発明では、次に説明するX線撮像用シャッター装置を加えることを提案する。
【0064】
X線源から発せられたX線は、蛍光板装置によって波長変換される場合があるので、ここでは説明のために、X線および蛍光板装置にて波長変換された光線を含めて「照射線」と総称する。X線撮像用シャッター装置は、X線照射装置からX線撮像装置に至る光路(照射線が進む経路)上のいずれかの位置に配置され、照射線を短い時間だけ通過させるように、開閉を行うシャッター機能を有するものである。その結果、下記のように、X線撮像装置内の撮像素子面上には、画像を形成する照射線が短い時間だけ単発的にまたは繰り返して投影され、撮像対象のボケは抑制される。
【0065】
X線撮像用シャッター装置の配置位置は、X線照射装置から被検体を経てX線撮像装置に至る光路で、シャッター機能を示し得る位置であればよく、被検体の前側、後側のいずれであってもよい。また、被検体の後側とする場合でも、蛍光板装置を用いる構成ならば、蛍光板装置の前側、後側のいずれに配置してもよい。しかし、被検体の前側に配置することによって、画質向上のためのシャッター機能が、被検体の被爆量を低減させるという作用をも同時に示すので、この観点からは被検体の前側に配置することが好ましい。
【0066】
X線撮像用シャッター装置のシャッター動作、即ち、開閉動作は、ただ1度だけの単発的な開閉であっても、テレビジョン撮影の動画等に対応すべく連続的に繰り返される開閉であってもよい。開閉動作は、照射線を通過させる状態と通過させない状態とになる動作であればよく、「開閉」が動作の種類を限定するものではない。開口を開始するタイミング、開口時間、連続的に繰り返される開閉の場合の間欠周期など、開閉動作を決定する要素は、用いられるX線撮像装置に応じて適宜決定してよい。例えば、テレビカメラの場合、間欠周期を、フィールド周期またはフレーム周期と同期させた周期とし、開口時間は1フィールド時間(約16.7ms)の数分の1〜数十分の1に設定することにより、ボケやブレのない鮮明な動画として捉えることができる。当該シャッター装置の開閉動作は、前記のようにX線撮像装置の撮像動作と連動(同期)させるのが好ましい態様であるが、必ずしも連動(同期)させなくても、鮮明な画像を得るという目的は達成できる。
【0067】
X線撮像用シャッター装置の1つの実施例を図12に示す。同図の例では、X線を遮蔽し得る鉛製の円板Pを円周方向に回転可能に保持し、該円板Pの板面には円周方向に沿って1個または複数個の透過用窓(図では説明のため2個)Wを設けている。この装置をX線Lの光路上に配置し、円板PにてX線を遮った状態(閉の状態)とし、円板Pを回転させれば、図のように透過用窓Wが光路を横切るときだけX線Lが透過用窓から通過し得る状態(開の状態)となり、開閉動作が達成される。当該シャッター装置の上記開口時間は、透過用窓の開口角度θと円板Pの回転速度とによって設定すればよく、また上記間欠周期は、円周上の透過用窓の数と円板Pの回転速度とによって設定すればよい。透過用窓の開口形状は限定されない。
【0068】
以上のようにX線撮像用シャッター装置を設けることによって、心臓周辺などの動きの速い微小血管を撮像する場合であっても、その瞬時の映像を鮮明に捉えることが可能となり、本発明のシステムの能力を格段に向上させることができる。
このX線撮像用シャッター装置は、X線源がシンクロトロン放射光装置のような場合にも有用であり、被検体を通過したX線を、直接または蛍光板装置を介してテレビジョン撮像し得るX線撮像装置のために好ましい装置となる。また、当該シャッター装置を設けて開口時間を短くすると、X線撮像装置の高感度化が要求されるが、本発明においてX線撮像装置の感度をサチコン管の8倍以上の感度と限定した効果がここにも顕著に生かされるのである。
【0069】
本発明のシステムには、図1に示すように、X線撮影装置によって得られた画像や、後述の画像データ処理装置によって処理された画像を、リアルタイムに、および/または、録画と再生を経て、表示する画像表示装置4が設けられる。ここでいう画像の表示は、X線撮影装置によって得られた画像を表示するテレビジョン装置(ハイビジョン対応のCRTディスプレイ等)であってもよいし、画像を紙や樹脂フィルム上にプリントアウトし得る装置であってもよい。いずれの態様であっても、当該システムのX線照射装置とX線撮影装置とで達成した感度と解像度とを生かすことができる表示能力を有するものを用いる。X線撮影装置に対して、画像表示装置をどの部分に接続するかは限定されず、X線撮影装置の後段直後、後述の画像データ処理装置の後段直後など、必要な種類の装置を必要な数だけどのように専属的に設けてもよい。
【0070】
本発明のシステムには、図1に示すように、種々の画像処理(図2ではK吸収端サブトラクション法など)を行うための画像データ処理装置3を設けることが好ましい。該画像データ処理装置としてはコンピュータが最適である。
また、X線撮影装置から出力される画像信号や、前記画像データ処理装置によって処理された画像データを、デジタルデータとしてまたはアナログデータとして記録(録画)・読み出し(再生)する手段は適宜設けてよい。記録は、磁気的な記録やICメモリーへの記録であってよい。
【0071】
データの授受や保存において、ノイズの混入やデータの劣化を防止する点などから、X線撮像装置によって得られる画像をデジタルデータとして扱うシステムとするのが好ましい。例えば、X線撮像装置の後段(該撮像装置内に一体的に設けられる場合を含む)に、X線撮像装置からの画像信号をデジタルデータに変換するA/D変換装置を設け、それ以降に設けられる上記の画像データ処理装置や、上記の記録・読み出しする手段を、全てデジタルデータを扱う装置とする態様が挙げられる。画像信号のデジタルデータ化は、当該システムのX線照射装置とX線撮影装置とで獲得した画像の解像度を損なわない変換であればよい。
【0072】
【実施例】
以下に、本発明によるX線診断システムの具体的な構成例を、ヨード造影剤の投与を前提としたシステムについて示す。システム全体の構成は、図1に概略的に示すとおり、X線照射装置1からX線Lを被検体Hに照射し、被検体を通過したX線をX線撮像装置2で撮像し、画像データ処理装置3によって必要な画像処理を施し、画像表示装置4で診断すべき画像を表示するという構成である。細部の仕様を以下に示す。
【0073】
〔X線照射装置〕
プラズマX線装置をX線源とし、そこからのX線をX線コリメータを通して被検体に照射する構成である。
X線源:陽極にCe(原子番号58)を用いたプラズマX線装置。X線は、X線スペクトルにおいてエネルギー34.6〔keV〕を中心とする単色X線(擬似単色)であって、照射線量はおよそ1マイクロ秒の照射で約2×10-5〔C/kg〕である。また、このX線をコリメータを通して被検体に対して照射したときの照射面積は、25cm2 である。
【0074】
〔X線撮像装置〕
蛍光板装置21で受けて波長変換し、該蛍光板上に現れた画像を、テレビジョンカメラ22によって撮像する構成である。
▲1▼蛍光板装置:浜松ホトニクス社製FOS(X線シンチレータ付きファイバオプティクプレート、型名J6144、シンチレータ種類Gd2 3 S(Tb)、相対光出力120%、解像度14〔lm/mm〕)。
▲2▼テレビジョンカメラ:超高感度ハイビジョンカメラ(New Super HARP、NHK)。感度はサチコン管の600倍(光源の色温度が2856〔ケルビン〕のときに210〔mA/ルーメン〕となる感度)であって、解像度は139〔lp/mm〕である。
上記ハイビジョンカメラから出力される映像信号は、下記画像データ処理装置で処理すると共に、処理前の映像信号を磁気記録装置(VTR装置)によって磁気テープに記録する構成とする。
【0075】
〔画像データ処理装置〕
上記New Super HARPからの映像信号を、デジタルデータに変換し、撮像結果の画像にサブトラクション法に基づくデジタル画像処理を施す装置であって、基本構成は、アナログの映像信号を、640Mb(メガバイト)のフレームメモリー(内田計測技研)によりデジタルデータに変換し、ワークステーションであるコンピュータ(Sun、Station5、2Gb)による制御下で、デジタル画像処理を行い、ハードディスク(Computer Dynamics、10Gb)に記録する構成とする。
【0076】
〔画像表示装置〕
ハイビジョン対応のCRTディスプレイを、画像処理を施した画像の動画観察用モニターとした。上記画像データ処理装置には、静止画像をその解像度のままにアウトプットするために、上記画像データ処理装置にビデオプリンター(精巧舎、VP−4500)を接続する構成とする。
以上の構成によって、微小血管の撮像および表示が可能な診断システムが得られる。
【0077】
【発明の効果】
本発明のX線診断システムは、ヨード造影剤またはガドリニウム造影剤の使用に対して、X線照射装置の照射能力、X線撮像装置の撮像能力を、個々にまた互いを関連づけて最適化することによって、X線診断システム全体の撮像能力を向上させたものである。これによって、従来の一般医療施設が保有し得るX線撮像装置では撮像できなかった微小血管が撮像可能となる。また、この撮像能力の向上によって、従来よりも少ない造影剤投与量で従来と同等以上の解像度での血管造影が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線診断システムの一構成例を示す模式図である。
【図2】本発明のX線診断システムの他の構成例を示す模式図である。
【図3】プラズマX線源によるX線のコントラスト増強効果を説明するために行った実験(実験例1)において、インジウム粒子を収容した容器と、セリウム粒子を収容した容器を被写体として、セリウムを陽極に使用したプラズマX線を照射し撮影した結果の静止画像(X線写真)である。
【図4】超高感度ハイビジョンカメラの有用性を明らかにするために行った実験(実験例2)において、MTFチャートを撮影した結果の静止画像(X線写真)である。
【図5】実験例2において、イヌの小腸の小動脈を撮影した結果を静止画像(X線写真)である。
【図6】実験例2において、比較のために従来のX線撮像装置を用いて、イヌの小腸の小動脈を撮影した結果の静止画像(X線写真)である。
【図7】実験例3の撮影結果の静止画像(X線写真)である。
【図8】実験例3の撮影結果の静止画像(X線写真)である。図中の矢じり印とは、同図の欄外に示した三角印であって、図9、図11においても同様である。
【図9】実験例3の撮影結果の静止画像(X線写真)である。
【図10】実験例3の撮影結果の静止画像(X線写真)である。
【図11】実験例4の撮影結果の静止画像(X線写真)である。
【図12】本発明のシステムに用いられるX線撮像用シャッター装置の一構成例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 X線照射装置
2 X線撮像装置
21 蛍光板装置
22 テレビジョンカメラ
3 画像データ処理装置
4 画像表示装置

Claims (14)

  1. (i) X線管球またはプラズマX線源を用いて構成されたX線照射装置であって、X線スペクトルにおいてヨウ素のK吸収端直上のエネルギー域に強度のピークを有する実質的に単色のX線を、毎秒7.7×10-4〔C/kg〕以上の照射線量にて少なくとも照射し得るものであるか、または、X線スペクトルにおいてガドリニウムのK吸収端直上に強度のピークを有する実質的に単色のX線を、毎秒7.7×10-5〔C/kg〕以上の照射線量にて少なくとも照射し得るものである、X線照射装置と、
    (ii)前記X線照射装置から発せられ被検体を通過したX線を、直接または蛍光板装置を介して、サチコン管の8倍以上の感度を有しかつ6〔lp/mm〕以上の解像度の画像として撮像し得るX線撮像装置と、
    (iii)前記X線撮像装置によって撮像された画像を、前記解像度にて表示し得る画像表示装置とを、
    少なくとも有するものであるX線診断システム。
  2. 上記X線照射装置が、X線スペクトルにおいてヨウ素のK吸収端直上のエネルギー域に強度のピークを有するX線を照射し得るものであって、当該X線診断システムが、ヨード造影剤を用いて行なう血管造影に用いられるものである請求項1記載のX線診断システム。
  3. 上記X線照射装置が、原子番号57〜69の金属を陽極に使用したプラズマX線源を用いて構成されたものである、請求項2記載のX線診断システム。
  4. 上記X線照射装置が、セリウムを陽極に使用したプラズマX線源を用いて構成されたものである、請求項2記載のX線診断システム。
  5. 上記X線照射装置が、上記X線に加えてさらに、ヨウ素のK吸収端直下のエネルギー域に強度のピークを有するX線を照射し得るものであり、当該X線診断システムが、これらX線を用いてK吸収端サブトラクション法による画像処理を行い得るものである請求項2〜4のいずれかに記載のX線診断システム。
  6. 上記X線照射装置が、X線スペクトルにおいてガドリニウムのK吸収端直上のエネルギー域に強度のピークを有するX線を照射し得るものであって、当該X線診断システムが、ガドリニウム造影剤を用いて行なう血管造影に用いられるものである請求項1記載のX線診断システム。
  7. 上記X線照射装置が、原子番号69〜79の金属を陽極に使用したプラズマX線源を用いて構成されたものである、請求項6記載のX線診断システム。
  8. 上記X線照射装置が、上記X線に加えてさらに、ガドリニウムのK吸収端直下のエネルギー域に強度のピークを有するX線を照射し得るものであり、当該X線診断システムが、これらX線を用いてK吸収端サブトラクション法による画像処理を行い得るものである請求項6または7記載のX線診断システム。
  9. 上記X線撮像装置が、被検体を通過したX線を直接または蛍光板装置を介して撮像する、高感度・高解像度テレビジョンカメラである請求項1記載のX線診断システム。
  10. 上記高感度・高解像度テレビジョンカメラの感度が、サチコン管の600倍である請求項9記載のX線診断システム。
  11. 上記X線撮像装置によって得られた画像がデジタルデータとして処理されるものである請求項1記載のX線診断システム。
  12. 上記X線照射装置から上記X線撮像装置に至る光路上のいずれかの位置に、該光路上を進むX線または蛍光板装置にて波長変換された光線を、間欠化するX線撮像用シャッター装置がさらに設けられたものである請求項1記載のX線診断システム。
  13. 上記X線撮像用シャッター装置が、上記X線撮像装置の撮像動作と連動して開閉動作を行うものである請求項12記載のX線診断システム。
  14. 上記血管造影が、内径0.2mm〜0.05mmの微小血管を含む動脈、または内径1mm〜0.2mmの微小血管を含む静脈を、造影の対象とするものである請求項または記載のX線診断システム。
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