JP7261318B2 - 電気分解用電極 - Google Patents

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Description

本出願は、2019年9月26日付けの韓国特許出願第10-2019-0119113号に基づく優先権の利益を主張し、該当韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
本発明は、過電圧を改善することができる電気分解用電極およびその製造方法に関する。
海水などの低価の塩水(Brine)を電気分解して水酸化物、水素、および塩素を生産する技術が広く知られている。このような電気分解工程は、通常、クロル-アルカリ(chlor-alkali)工程とも呼ばれており、既に、数十年間における商業運転によりその性能および技術の信頼性が立証された工程であるといえる。
かかる塩水の電気分解は、電解槽の内部にイオン交換膜を設けて電解槽内を陽イオン室と陰イオン室に仕切り、電解質として塩水を用いて陽極で塩素ガスを、陰極で水素および苛性ソーダを得るイオン交換膜法が、現在最も広く用いられている方法である。
一方、塩水の電気分解工程は、下記の電気化学反応式で示したような反応を経て行われる。
陽極(anode)反応:2Cl-→Cl2+2e-(E0=+1.36V)
陰極(cathode)反応:2H2O+2e-→2OH-+H2(E0=-0.83V)
全体反応:2Cl-+2H2O→2OH-+Cl2+H2(E0=-2.19V)
塩水の電気分解を行うに際し、電解電圧は、理論的な塩水の電気分解に必要な電圧に加えて、陽極の過電圧、陰極の過電圧、イオン交換膜の抵抗による電圧、および陽極と陰極との間の距離による電圧を何れも考慮しなければならず、これらの電圧の中でも、電極による過電圧が重要な変数として作用している。
そこで、電極の過電圧を減少させることができる方法が研究されている。例えば、陽極としては、DSA(Dimensionally Stable Anode)と呼ばれる貴金属系電極が開発されて用いられており、陰極においても、過電圧が低く、且つ耐久性を有する優れた素材の開発が求められている。
かかる陰極としては、ステンレス鋼またはニッケルが主に用いられており、近年、過電圧を減少させるために、ステンレス鋼またはニッケルの表面を酸化ニッケル、ニッケルとスズの合金、活性炭と酸化物の組み合わせ、酸化ルテニウム、白金などで被覆して用いる方法が研究されている。
また、活性物質の組成を調節して陰極の活性を高めるために、ルテニウムのような白金族元素と、セリウムのようなランタン族元素を用いて組成を調節する方法も研究されている。しかし、過電圧現象が発生し、逆電流による劣化が起こるという問題が発生した。
JP2003-2977967A
本発明の目的は、電極の表面コーティング層の電気的特性を改善することで、過電圧を減少させることができる電気分解用電極を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、金属基材層と、ルテニウム酸化物、白金族酸化物、およびマンガン酸化物を含むコーティング層と、を含み、前記コーティング層は、前記基材層の少なくとも一つの面上に形成される、電気分解用電極を提供する。
また、本発明は、金属基材の少なくとも一つの面上にコーティング組成物を塗布するステップと、コーティング組成物が塗布された金属基材を乾燥および熱処理してコーティングするステップと、を含み、前記コーティング組成物は、ルテニウム前駆体、白金族前駆体、およびマンガン前駆体を含む、電気分解用電極の製造方法を提供する。
本発明の電気分解用電極は、コーティング層中に含まれるスズ酸化物が、ともに含まれるルテニウム酸化物および白金族酸化物と相互作用し、電気伝導性を改善することにより、優れた過電圧を示し、基本的な耐久性にも優れる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本明細書および請求の範囲で用いられている用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者らは、自分の発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に合致する意味と概念で解釈すべきである。
[電気分解用電極]
本発明は、金属基材層と、ルテニウム酸化物、白金族酸化物、およびマンガン酸化物を含むコーティング層と、を含み、前記コーティング層は、前記基材層の少なくとも一つの面上に形成される、電気分解用電極を提供する。
前記金属基材は、ニッケル、チタン、タンタル、アルミニウム、ハフニウム、ジルコニウム、モリブデン、タングステン、ステンレス鋼、またはこれらの合金であってもよく、中でも、ニッケルであることが好ましい。本発明の電気分解用電極において、このような種類の金属基材を用いる場合、優れた電極の耐久性および機械的強度を電極に提供することができる。
本発明の電気分解用電極において、コーティング層はルテニウム酸化物を含む。前記ルテニウム酸化物は活性物質であり、コーティング層にルテニウム元素を提供する役割を果たす。ルテニウム酸化物を電気分解用電極のコーティング層に用いる場合、過電圧現象を改善させるとともに、電極性能の経時変化が少なく、後続の別の活性化工程を最小化することができる。前記ルテニウム酸化物は、ルテニウム元素と酸素原子が結合した全ての種類の酸化物形態を含み、特に、二酸化物または四酸化物であってもよい。
本発明の電気分解用電極において、コーティング層は白金族酸化物を含む。前記白金族酸化物は、白金族元素のうち前述のルテニウムを除いたそれ以外の元素の酸化物のことを指し、具体的には、ロジウム酸化物、パラジウム酸化物、オスミウム酸化物、イリジウム酸化物、または白金酸化物であってもよい。前記白金族酸化物により提供される白金族元素は、ルテニウム元素とともに活性物質として働くことができ、白金族酸化物とルテニウム酸化物をともにコーティング層に含ませる場合、電極の耐久性および過電圧の点から、より優れた効果を奏することができる。前記白金族酸化物は、白金族元素と酸素原子が結合した全ての種類の酸化物形態を含み、特に、二酸化物または四酸化物であってもよく、前記白金族酸化物は、白金酸化物またはイリジウム酸化物であることが好ましい。
本発明の電気分解用電極において、コーティング層はマンガン酸化物を含む。前記マンガン酸化物は、前述のルテニウム酸化物および白金族酸化物と相互作用し、コーティング層の電気伝導性を改善することにより、最終的な電気分解用電極の過電圧を改善することができる。前記マンガン酸化物は、ルテニウム元素と酸素原子が結合した全ての種類の酸化物形態を含み、特に、マンガン(II、III)酸化物(Mn34)またはマンガン(III)酸化物(Mn23)であってもよい。
前記コーティング層に含まれるルテニウム元素および白金族元素の重量比は、100:40~100:70、好ましくは100:50~100:65であってもよい。コーティング層に含まれるルテニウム元素と白金族元素の重量比が上述の範囲内である場合、耐久性および過電圧改善の点から好ましい。白金族元素がこれより少なく含まれる場合には、耐久性と過電圧が悪化する恐れがあり、これより多く含まれる場合には、経済性の点から不利である。
前記コーティング層に含まれるルテニウム元素およびマンガン元素の重量比は、100:5~100:30、好ましくは100:10~100:25であってもよい。コーティング層に含まれるルテニウム元素とマンガン元素の重量比が上述の範囲内である場合、コーティング層の電気伝導性の改善効果が極大化されることができる。
本発明の電気分解用電極において、コーティング層はセリウム酸化物をさらに含んでもよく、前記セリウム酸化物は、電気分解用電極の触媒層にランタン族元素を提供する役割を果たす。セリウム酸化物により提供されるセリウム元素は、電気分解用電極の耐久性を改善させ、活性化または電気分解時に、電気分解用電極の触媒層中にける活性物質であるルテニウム元素の損失を最小化することができる。
具体的に説明すると、電気分解用電極の活性化または電気分解時に、触媒層中のルテニウム元素を含む粒子は、構造が変わらずに金属性元素になるか、部分的に水和されて活性種(active species)に還元される。そして、触媒層中のランタン族元素を含む粒子は、その構造が針状に代わり、触媒層中のルテニウム元素を含む粒子の物理的脱落を防止する保護物質として働き、結果として、電気分解用電極の耐久性を改善させ、触媒層中のルテニウム元素の損失を防止することができる。前記セリウム酸化物は、セリウム元素と酸素原子が結合した全ての種類の酸化物形態を含み、特に、(II)、(III)、または(IV)の酸化物であってもよい。
前記コーティング層に含まれるルテニウム元素およびセリウム元素の重量比は、100:40~100:90、好ましくは100:45~100:85であってもよい。コーティング層に含まれるルテニウム元素およびセリウム元素の重量比が上述の範囲内である場合、電気分解用電極の耐久性と電気伝導性のバランスに優れることができる。
[電気分解用電極の製造方法]
本発明は、金属基材の少なくとも一つの面上にコーティング組成物を塗布するステップと、
コーティング組成物が塗布された金属基材を乾燥および熱処理してコーティングするステップと、を含み、
前記コーティング組成物は、ルテニウム前駆体、白金族前駆体、およびマンガン前駆体を含む、電気分解用電極の製造方法を提供する。
本発明の電気分解用電極の製造方法において、前記金属基材は、前述の電気分解用電極の金属基材と同一のものであることができる。
本発明の電気分解用電極の製造方法において、前記コーティング組成物は、ルテニウム前駆体、白金族前駆体、およびマンガン前駆体を含んでもよい。前記ルテニウム前駆体、白金族前駆体、およびマンガン前駆体は、コーティング後の熱処理ステップで酸化され、酸化物に転換される。
前記ルテニウム前駆体としては、ルテニウム酸化物を形成できる化合物であれば特に制限されずに使用可能であり、例えば、ルテニウムの水和物、水酸化物、ハロゲン化物、または酸化物であってもよく、具体的には、ルテニウムヘキサフルオリド(RuF6)、ルテニウム(III)クロリド(RuCl3)、ルテニウム(III)クロリド水和物(RuCl3・xH2O)、ルテニウム(III)ブロミド(RuBr3)、ルテニウム(III)ブロミド水和物(RuBr3・xH2O)、ルテニウムヨージド(RuI3)、および酢酸ルテニウム塩からなる群から選択される1種以上であってもよい。前記挙げられたルテニウム前駆体を用いる場合、ルテニウム酸化物を容易に形成することができる。
前記白金族前駆体としては、白金族酸化物を形成できる化合物であれば特に制限されずに使用可能であり、例えば、白金族元素の水和物、水酸化物、ハロゲン化物、または酸化物であってもよく、具体的には、クロロ白金酸六水和物(H2PtCl6・6H2O)、ジアミンジニトロ白金(Pt(NH32(NO)2)、白金(IV)クロリド(PtCl4)、白金(II)クロリド(PtCl2)、カリウムテトラクロロプラチネート(K2PtCl4)、およびカリウムヘキサクロロプラチネート(K2PtCl6)からなる群から選択される1種以上の白金前駆体であるか、塩化イリジウムまたは塩化イリジウム水和物(IrCl3・xH2O)のようなイリジウム前駆体であってもよい。前記挙げられた白金族前駆体を用いる場合、白金族酸化物を容易に形成することができる。
前記マンガン前駆体としては、マンガン酸化物を形成できる化合物であれば特に制限されずに使用可能であり、例えば、マンガン元素の水和物、水酸化物、ハロゲン化物、または酸化物であってもよく、具体的には、マンガンクロリドまたはマンガンクロリド水和物、マンガン(II)ニトレート水和物、マンガン(II)ニトレート四水和物、およびマンガン(II)ニトレートのようなマンガン前駆体であってもよい。前記挙げられたマンガン前駆体を用いる場合、マンガン酸化物を容易に形成することができる。
前記コーティング組成物は、コーティング層にセリウム酸化物を形成するためのセリウム前駆体をさらに含んでもよい。前記セリウム前駆体としては、セリウム酸化物を形成できる化合物であれば特に制限されずに使用可能であり、例えば、セリウム元素の水和物、水酸化物、ハロゲン化物、または酸化物であってもよく、具体的には、セリウム(III)ニトレート六水和物(Ce(NO33・6H2O)、セリウム(IV)サルフェート四水和物(Ce(SO42・4H2O)、およびセリウム(III)クロリド七水和物(CeCl3・7H2O)からなる群から選択される1種以上のセリウム前駆体であってもよい。前記挙げられたセリウム前駆体を用いる場合、セリウム酸化物を容易に形成することができる。
本発明の電気分解用電極の製造方法において、コーティング組成物は、コーティング層と金属基材との間の強い接着力を付与するためのアミン系添加剤をさらに含んでもよい。特に、前記アミン系添加剤は、コーティング層中に含まれるルテニウム元素、白金族元素、およびマンガン元素の間の結合力を改善し、ルテニウム元素を含む粒子の酸化状態を調節することで、より反応に適した形態で電極を製作することができる。
本発明で用いられるアミン系添加剤は、アミン基を有し、かつ、水に対する溶解性が大きいため、コーティング層の形成に特に好適に用いられることができる。本発明において使用可能なアミン系添加剤としては、メラミン、アンモニア、尿素、1-プロピルアミン、1-ブチルアミン、1-ペンチルアミン、1-ヘプチルアミン、1-オクチルアミン、1-ノニルアミン、1-ドデシルアミンなどが挙げられ、これらからなる群から選択される1種以上が使用できる。
本発明の電気分解用電極において、前記コーティング層のルテニウム元素とアミン系添加剤は、100:10~100:50、好ましくは100:25~100:35のモル比で含まれてもよい。アミン系添加剤がこれより少なく含まれる場合には、添加剤による結合力改善の効果が微小であり、これより多く含まれる場合には、コーティング液中に沈殿物が生じやすいため、コーティングの均一性が低下するだけでなく、ルテニウム酸化物の機能を妨げる恐れがある。
本発明の電気分解用電極の製造方法において、コーティング組成物の溶媒としてはアルコール系溶媒を用いてもよい。アルコール系溶媒を用いる場合、上述の成分を容易に溶解でき、コーティング組成物の塗布後にコーティング層が形成されるステップでも各成分の結合力を維持することができる。好ましくは、前記溶媒としてイソプロピルアルコールとブトキシエタノールのうち少なくとも1種が使用でき、イソプロピルアルコールとブトキシエタノールの混合物を用いることがより好ましい。イソプロピルアルコールとブトキシエタノールを混合して用いる場合、単独で用いる場合に比べて均一なコーティングを行うことができる。
本発明の製造方法において、前記コーティングステップを行う前に、前記金属基材を前処理するステップを含んでもよい。
前記前処理は、金属基材を化学的エッチング、ブラスト、または熱溶射して前記金属基材の表面に凹凸を形成させることであってもよい。
前記前処理は、金属基材の表面をサンドブラストして微細凹凸を形成し、塩または酸で処理して行うことができる。例えば、金属基材の表面をアルミナでサンドブラストして凹凸を形成し、硫酸水溶液に浸漬させ、洗浄および乾燥することで、金属基材の表面に微細な凹凸が形成されるように前処理することができる。
前記塗布は、前記触媒組成物が金属基材上に均一に塗布されることができれば特に制限されず、当業界で公知の方法により行うことができる。
前記塗布は、ドクターブレード、ダイキャスト、コンマコーティング、スクリーン印刷、スプレー噴射、エレクトロスピニング、ロールコーティング、およびブラッシングからなる群から選択される何れか一つの方法により行うことができる。
前記乾燥は、50~300℃で5~60分間行ってもよく、50~200℃で5~20分間行うことが好ましい。
上述の条件を満たすと、溶媒が十分に除去されながらも、エネルギー消費は最小化することができる。
前記熱処理は、400~600℃で1時間以下行ってもよく、450~550℃で5~30分間行うことが好ましい。
上述の条件を満たすと、触媒層中の不純物が容易に除去されながらも、金属基材の強度には影響しないことができる。
一方、前記コーティングは、金属基材の単位面積(m2)当たりにルテニウム酸化物を基準として10g以上になるように、塗布、乾燥、および熱処理を順に繰り返して行うことができる。すなわち、本発明の他の実施形態に係る製造方法は、金属基材の少なくとも一つの面上に前記触媒組成物を塗布、乾燥、および熱処理した後、第1の触媒組成物を塗布した金属基材の一面上に、触媒組成物をさらに塗布、乾燥、および熱処理するコーティングを繰り返して行うことができる。
以下、本発明を具体的に説明するために実施例および実験例を挙げてより詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例および実験例によって制限されるものではない。本発明による実施例は、様々な他の形態に変形可能であり、本発明の範囲が下記で詳述する実施例に限定されると解釈されてはならない。本発明の実施例は、当業界において平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
[材料]
本実施例では、金属基材として、日東金網社製のニッケルメッシュ基材(Ni純度99%以上、200μm)を使用し、ルテニウム前駆体としてはルテニウム(III)クロリド水和物(RuCl3・nH2O)、白金族前駆体としては白金(IV)クロリド、セリウム前駆体としてはセリウム(III)ニトレート六水和物(Ce(NO33・6H2O)、マンガン前駆体としてはマンガン(II)クロリド四水和物(MnCl2・4H2O)を使用した。アミン系添加剤としては尿素を使用した。
また、コーティング組成物のための溶媒としては、2.375mlのイソプロピルアルコールと2.375mlの2-ブトキシエタノールの混合物を使用した。
[金属基材の前処理]
金属基材にコーティング層を形成する前に、基材の表面を、アルミニウムオキシド(White alumina、F120)で0.4MPaの条件でサンドブラストした後、80℃に加熱された5MのH2SO4水溶液に入れて3分間処理した後、蒸留水で洗浄して前処理を完了した。
[実施例1]
前記材料の混合溶媒に、2.41mmolのルテニウム(III)クロリド水和物、0.1928mmolの白金(IV)クロリド、0.482mmolのマンガン(II)クロリド四水和物を1時間十分に溶解させ、尿素0.045gを投入し混合してコーティング組成物を製造した。前記コーティング組成物を、前述の前処理した金属基材にブラッシュを用いてコーティングし、対流式乾燥オーブンに入れて180℃で10分間乾燥させた。その後、500℃の電気加熱炉に入れて10分間さらに熱処理した。このようなコーティング、乾燥、および熱処理過程を9回さらに繰り返した後、最終的に500℃で1時間最終熱処理することで、電気分解用電極を製造した。
[実施例2]
前記実施例1において、コーティング組成物にセリウム(III)ニトレート六水和物0.241mmolをさらに追加し、マンガン(II)クロリド四水和物を0.241mmol投入したことを除き、同様に行って電気分解用電極を製造した。
[比較例1]
前記実施例1において、コーティング組成物に白金(IV)クロリドを投入しなかったことを除き、同様に行って電気分解用電極を製造した。
[比較例2]
前記実施例2において、コーティング組成物に白金(IV)クロリドを投入しなかったことを除き、同様に行って電気分解用電極を製造した。
[比較例3]
前記実施例2において、マンガン(II)クロリド四水和物を投入せず、セリウム(III)ニトレート六水和物を0.482mmol投入したことを除き、同様に行って電気分解用電極を製造した。
[比較例4]
比較例1において、コーティング組成物に白金(IV)クロリドを投入しなかったことを除き、同様に行って電気分解用電極を製造した。
前記実施例1および2、並びに比較例1~4で使用されたコーティング組成物中の各前駆体のモル比を下記表1にまとめた。
Figure 0007261318000001
<実験例1.製造された電気分解用電極の性能の確認>
前記実施例1および2、並びに比較例1~4で製造した電極の性能を確認するために、塩水電気分解(Chlor-Alkali Electrolysis)におけるハーフセルを用いた陰極電圧測定実験を行った。電解液としては32%のNaOH水溶液を使用し、対電極としてはPtワイヤ、基準電極としてはHg/HgO電極を使用した。製造した電極を前記電解液に浸した後、-0.62A/cm2の定電流密度条件下で1時間活性化させた後、1時間目の電位値から各電極の性能を比較した。その結果を下記表2にまとめた。
Figure 0007261318000002
前記結果から、コーティング層にマンガン酸化物をさらに含ませる場合、過電圧を改善する効果が奏されることを確認した。
<実験例2.電極のコーティング層の質量分析>
XRFにより、前記実施例および比較例で製造した電極表面コーティング層の各金属成分毎の重量比(%)を分析した。その結果を下記表3に示した。
Figure 0007261318000003
前記表3の結果から、コーティング層にマンガン酸化物が含まれても、他の金属成分の組成比に影響することなく酸化物を形成できることを確認した。

Claims (10)

  1. 金属基材層と、
    ルテニウム酸化物、白金族酸化物、およびマンガン酸化物を含むコーティング層と、を含み、
    前記コーティング層は、前記基材層の少なくとも一つの面上に形成され、
    前記コーティング層に含まれるルテニウム元素および白金族元素の重量比が100:50~100:65である
    電気分解用電極。
  2. 前記コーティング層に含まれるルテニウム元素およびマンガン元素の重量比が100:5~100:30である、請求項1に記載の電気分解用電極。
  3. 前記コーティング層はセリウム酸化物をさらに含む、請求項1または2に記載の電気分解用電極。
  4. 前記コーティング層に含まれるルテニウム元素およびセリウム元素の重量比が100:40~100:90である、請求項3に記載の電気分解用電極。
  5. 金属基材の少なくとも一つの面上にコーティング組成物を塗布するステップと、
    コーティング組成物が塗布された金属基材を乾燥および熱処理してコーティングするステップと、を含み、
    前記コーティング組成物は、ルテニウム前駆体、白金族前駆体、およびマンガン前駆体を含み、
    前記コーティング組成物は、メラミン、アンモニア、尿素、1-プロピルアミン、1-ブチルアミン、1-ペンチルアミン、1-ヘプチルアミン、1-オクチルアミン、1-ノニルアミン、および1-ドデシルアミンからなる群から選択される1つ以上のアミン系添加剤をさらに含み、
    前記コーティング組成物に含まれるルテニウム前駆体のルテニウム元素とアミン系添加剤は、100:10~100:50のモル比で含まれる
    電気分解用電極の製造方法。
  6. 前記コーティング組成物はセリウム前駆体をさらに含む、請求項5に記載の電気分解用電極の製造方法。
  7. 前記セリウム前駆体は、セリウム(III)ニトレート六水和物(Ce(NO33・6H2O)、セリウム(IV)サルフェート四水和物(Ce(SO42・4H2O)、およびセリウム(III)クロリド七水和物(CeCl3・7H2O)からなる群から選択される1つ以上である、請求項6に記載の電気分解用電極の製造方法。
  8. 前記ルテニウム前駆体は、ルテニウムヘキサフルオリド(RuF6)、ルテニウム(III)クロリド(RuCl3)、ルテニウム(III)クロリド水和物(RuCl3・xH2O)、ルテニウム(III)ブロミド(RuBr3)、ルテニウム(III)ブロミド水和物(RuBr3・xH2O)、ルテニウムヨージド(RuI3)、および酢酸ルテニウム塩からなる群から選択される1つ以上である、請求項5~7のいずれか一項に記載の電気分解用電極の製造方法。
  9. 前記マンガン前駆体は、マンガンクロリド、マンガンクロリド水和物、マンガン(II)ニトレート水和物、マンガン(II)ニトレート四水和物、およびマンガン(II)ニトレートからなる群から選択される1つ以上である、請求項5~8のいずれか一項に記載の電気分解用電極の製造方法。
  10. 前記白金族前駆体は、クロロ白金酸六水和物(H2PtCl6・6H2O)、ジアミンジニトロ白金(Pt(NH32(NO)2)、白金(IV)クロリド(PtCl4)、白金(II)クロリド(PtCl2)、カリウムテトラクロロプラチネート(K2PtCl4)、およびカリウムヘキサクロロプラチネート(K2PtCl6)からなる群から選択される1つ以上である、請求項5~9のいずれか一項に記載の電気分解用電極の製造方法。
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