JP7192417B2 - 車両の冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ラジエータを備える車両の冷却装置に関する。
特許文献1には、内燃機関のシリンダブロック内及びシリンダヘッド内を流れる冷却水の循環回路に、冷却水ポンプと、ラジエータとが設けられている冷却装置の一例が記載されている。この冷却装置は、ラジエータを通過する冷却水量であるラジエータ流量を調整するサーモスタットを有している。また、このような冷却装置の循環回路に、オイルを冷却する水冷式のオイルクーラがラジエータに対して直列に配置されていることがある。内燃機関が高負荷運転を行うなどして冷却水の温度が高くなっているときにはサーモスタットによってラジエータ流量が増大される。サーモスタットの作動によってラジエータ流量が増大されると、冷却装置の通水抵抗が小さくなってオイルクーラを通過する冷却水量が増大されるとともに、オイルクーラに流入する冷却水の温度が低くなる。その結果、オイルクーラでは、オイルを効率よく冷却することができる。
一方、内燃機関が低負荷運転を行うなどして冷却水の水温が低くなっているときにはサーモスタットによってラジエータ流量が減少される。サーモスタットの作動によってラジエータ流量が減少されると、冷却装置の通水抵抗が大きくなって循環回路を流れる冷却水量が減少される。これにより、循環回路を循環する冷却水の水温が低くなることを抑制できる。
特開2006-90226号公報
近年では、ラジエータ流量を調整するための装置として、サーモスタットの代わりに電子制御式の制御弁が採用されることがある。制御弁を循環回路に設けた場合、機関運転の態様の変化を契機に制御弁を作動させることにより、冷却装置の通水抵抗、すなわち循環回路における冷却水の流れを速やかに変更することができる。例えば、高負荷運転から低負荷運転に切り替わった場合には、機関運転の状態の変化を契機に制御弁を作動させることにより、機関負荷率の低下に伴って冷却水の温度が変化する前に、上記通水抵抗を大きくすること、すなわち循環回路における冷却水の流量を減少させることができる。
しかしながら、高負荷運転から低負荷運転に切り替わった直後では、オイルクーラ内に流入するオイルの温度が未だ高いことがある。高負荷運転から低負荷噴転に切り替わったと判定された時点で制御弁の作動によって上記通水抵抗を大きくすると、オイルクーラ内に流入するオイルの温度が未だ高いにも拘わらず、ラジエータ流量が減少されるとともに循環回路を循環する冷却水量が減少される。すると、オイルクーラを通過する冷却水量が少なくなるとともに、オイルクーラに供給される冷却水の温度が比較的高くなる。その結果、オイルクーラでのオイルからの受熱によって、冷却水の温度が過剰に高くなり、当該冷却水が沸騰するおそれがある。
上記課題を解決するための車両の冷却装置は、内燃機関のシリンダブロック内及びシリンダヘッド内を流れる冷却水の循環回路に、オイルと冷却水との間で熱交換を行わせるオイルクーラと、ラジエータと、前記ラジエータを通過する冷却水の流量であるラジエータ流量を調整する制御弁とが設けられた装置である。この冷却装置では、前記ラジエータを冷却水が流れる場合には当該ラジエータを通過した冷却水が前記オイルクーラに流入し、前記制御弁の作動によって前記ラジエータ流量を減少させると、前記オイルクーラを通過する冷却水量が少なくなる。この冷却装置は、前記内燃機関で高負荷運転が行われているか否かを判定する判定部と、高負荷運転が行われているとの判定がなされている状態から当該判定がなされていない状態に移行した場合、その移行時点以前よりも前記ラジエータ流量が少なくなるように前記制御弁を作動させる制御を、当該移行時点から規定の期間が経過したときに開始する弁制御部と、を備える。
制御弁の作動によってラジエータ流量を少なくすると、循環回路を循環する冷却水の温度、すなわちオイルクーラに流入する冷却水の温度が高くなる。また、制御弁の作動によってラジエータ流量を少なくすると、オイルクーラを通過する冷却水量が少なくなる。
また、内燃機関で高負荷運転が行われている場合、オイルクーラ内に流入するオイルの温度は、内燃機関で高負荷運転が行われていない場合よりも高くなりやすい。
上記構成によれば、高負荷運転が行われているとの判定がなされている状態から当該判定がなされていない状態に移行した場合、移行時点から規定の期間が経過するまでは、ラジエータ流量が減少されないため、オイルクーラを通過する冷却水量の減少が抑制される。これにより、高負荷運転が行われているとの判定がなされなくなってもオイルクーラに流入するオイルの温度が未だ高いときには、オイルクーラを通過する冷却水量が減少されにくくなるとともに、オイルクーラに流入する冷却水の温度が上昇しにくくなる。そのため、高負荷運転が終了した後で、オイルクーラでのオイルからの受熱によって冷却水の温度が沸点まで上昇することを抑制できる。そして、オイルクーラに流入するオイルの温度がある程度低くなってから、制御弁の作動によってラジエータ流量を減少させることができる。
したがって、高負荷運転から低負荷運転に切り替わった際に、オイルクーラを通過した冷却水が沸騰することを抑制できるようになる。
実施形態の車両の冷却装置の概略を示す構成図。 同冷却装置の制御弁において、弁体の位置と各ポートの開口率との関係を示すグラフ。 同冷却装置の制御装置が実行する処理ルーチンを説明するフローチャート。 高負荷運転から低負荷運転に切り替わった際のタイミングチャート。 変更例の冷却装置の概略を示す構成図。 変更例の冷却装置の概略を示す構成図。 変更例の冷却装置の概略を示す構成図。
以下、車両の冷却装置の一実施形態を図1~図4に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の冷却装置20は、内燃機関10内を流れる冷却水の循環回路21を備えている。循環回路21には、シリンダブロック11内のウォータジャケット11aと、シリンダヘッド12内のウォータジャケット12aとが設けられている。図1に示す例では、シリンダブロック11内のウォータジャケット11aを流れた冷却水が、シリンダヘッド12内のウォータジャケット12aに流入する。また、循環回路21には、内燃機関10を循環するオイルを冷却する水冷式のオイルクーラ31が設けられている。オイルクーラ31には、シリンダブロック11内のウォータジャケット11aを流れる冷却水の一部が流入する。そして、オイルクーラ31内でオイルと熱交換を行った冷却水は、シリンダヘッド12内のウォータジャケット12aに流入する。すなわち、オイルクーラ31は、シリンダブロック11及びシリンダヘッド12に対して並列に配置されている。
循環回路21には、シリンダヘッド12内のウォータジャケット12aを流れた冷却水が流入する制御弁32が設けられている。この制御弁32は、複数(図1に示す例では3つ)のポートP1,P2,P3を有している。詳しくは後述するが、制御弁32では、弁体の位置を調整することにより、各ポートP1,P2,P3の開口率が調整される。
循環回路21は、制御弁32の第1のポートP1に接続されているラジエータ用通路22と、第2のポートP2に接続されているデバイス用通路23と、第3のポートP3に接続されているヒータ用通路24とを有している。ラジエータ用通路22には、流入した冷却水を冷却するラジエータ33が設けられているとともに、ラジエータ用通路22の下流端は機関駆動式の冷却水ポンプ34に接続されている。そのため、ラジエータ33を通過した冷却水は、機関駆動式の冷却水ポンプ34に供給される。そして、冷却水ポンプ34から吐出された冷却水が、シリンダブロック11のウォータジャケット11aに流入する。
デバイス用通路23には、デバイス35が設けられている。デバイス35としては、例えば、内燃機関の出力トルクが入力される変速機内で循環するオイルを冷却する冷却デバイスを挙げることができる。ヒータ用通路24には、廃熱回収装置36が設けられている。デバイス用通路23の下流端及びヒータ用通路24の下流端は、バイパス通路25に接続されている。バイパス通路25は、ラジエータ33をバイパスする冷却水通路である。そのため、デバイス35及び廃熱回収装置36を通過した冷却水は、ラジエータ33によって冷却されることなく、冷却水ポンプ34に供給される。したがって、デバイス35及び廃熱回収装置36を通過して冷却水ポンプ34に供給される冷却水の温度は、ラジエータ33を通過して冷却水ポンプ34に供給される冷却水の温度よりも高い。
次に、図2を参照し、制御弁32において、弁体の位置と各ポートP1,P2,P3の開口率との関係について説明する。
制御弁32では、弁体を変位させることにより、図2に示すように各ポートP1,P2,P3の開口率を調整することができる。例えば、第1の位置α1から第2の位置α2の範囲内で弁体を変位させることにより、第2のポートP2の開口率及び第3のポートP3の開口率の双方を変更することなく、第1のポートP1の開口率を変更することができる。すなわち、弁体の位置を第1の位置α1とすることにより、第1のポートP1の開口率を「100%」とすることができる。また、弁体の位置を第2の位置α2とすることにより、第1のポートP1の開口率をほぼ「0%」若しくは「0%」とすることができる。そして、第1のポートP1の開口率が低いほど、ラジエータ流量QRが少なくなる。つまり、弁体の位置を第1の位置α1から離間させて第2の位置α2に接近させるほど、第1のポートP1の開口率を低くできるため、ラジエータ流量QRが少なくなる。
次に、図1を参照し、冷却装置20の制御構成について説明する。
冷却装置20の制御装置50には、油温センサ101及びクランク角センサ102などの各種のセンサの出力信号が入力される。油温センサ101は、内燃機関10内を循環するオイルの温度である油温Toilを検出し、検出した油温Toilに応じた信号を出力する。クランク角センサ102は、内燃機関10のクランク軸の回転速度である機関回転速度NEに応じた信号を出力する。そして、制御装置50は、各種のセンサ101,102の出力信号を基に、制御弁32を制御する。
制御装置50は、機能部として、制御弁32を制御する弁制御部51と、内燃機関10で高負荷運転が行われているか否かを判定する判定部52とを有している。
弁制御部51は、判定部52による判定結果を基に、制御弁32の制御を通じて冷却装置20の通水抵抗RWを調整する。冷却装置20の通水抵抗RWとは、冷却水ポンプ34から吐出された冷却水が冷却水ポンプ34に戻るまでの抵抗のことである。通水抵抗RWが大きいほど循環回路21内を冷却水が流れにくくなる一方、通水抵抗RWが小さいほど循環回路21内を冷却水が流れやすくなる。弁制御部51は、ラジエータ流量QRが変わるように制御弁32を制御することにより、冷却装置20の通水抵抗RWを調整する。具体的には、弁制御部51は、図2に示した第1の位置α1から第2の位置α2の範囲内で、制御弁32における弁体の位置を調整することにより、ラジエータ流量QRを変えて冷却装置20の通水抵抗RWを調整する。
判定部52は、内燃機関10の吸気通路を介して気筒内に導入される吸入空気量GAと、内燃機関10のクランク軸の回転速度である機関回転速度NEとを基に機関負荷率KLを算出する。そして、判定部52は、算出した機関負荷率KLが判定負荷率以上であり、且つ、機関回転速度NEが判定回転速度NETh以上であるときには、内燃機関10で高負荷運転が行われているとの判定をなす。一方、判定部52は、機関負荷率KLが判定負荷率以上であること、及び、機関回転速度NEが判定回転速度NETh以上であることの少なくとも一方が成立していないときには、内燃機関10で高負荷運転が行われているとの判定をなさない。
次に、図3を参照し、機関運転の態様を基に循環回路21の通水抵抗RWを調整すべく制御装置50が実行する処理ルーチンについて説明する。なお、この処理ルーチンは、機関運転中では繰り返し実行される。
本処理ルーチンにおいて、はじめのステップS11では、判定部52によって、内燃機関10で高負荷運転が行われているか否かの判定が行われる。高負荷運転が内燃機関10で行われている場合、高負荷運転が行われていない場合よりも内燃機関10内での発熱量が多くなりやすい。この場合、内燃機関10内を循環するオイルの温度、すなわちオイルクーラ31に流入するオイルの温度が高くなりやすい。そこで、高負荷運転が行われているとの判定がなされている場合(S11:YES)、処理が次のステップS12に移行される。
ステップS12では、弁制御部51によって、低水温制御が実行される。低水温制御とは、低水温制御が実行されない場合よりも制御弁32の第1のポートP1の開口率を大きくし、ラジエータ流量QRを多くする制御である。すなわち、弁制御部51は、低水温制御では、後述する高水温制御の実行時よりも第1のポートP1の開口率が大きくなるように制御弁32を制御する。例えば、弁制御部51は、低水温制御では、制御弁32の弁体の位置を第1の位置α1とすることによって第1のポートP1の開口率を「100%」とする。低水温制御が実行されると、処理が次のステップS13に移行される。ステップS13において、後述するディレイフラグFLGにオフがセットされる。その後、本処理ルーチンが一旦終了される。
その一方で、ステップS11において、高負荷運転が行われているとの判定がなされていない場合(NO)、処理が次のステップS14に移行される。ステップS14において、弁制御部51によって、油温Toilが判定温度ToilThよりも高いか否かの判定が行われる。判定温度ToilThは、オイルクーラ31に流入するオイルの温度が高いか否かを判断するための値である。油温Toilが判定温度ToilThよりも高い状態で低水温制御の実行が終了されて後述する高水温制御が実行されると、オイルクーラ31でのオイルと冷却水との熱交換によって、冷却水の温度が沸点まで上昇する可能性がある。そのため、油温Toilが判定温度ToilThよりも高い場合(S14:YES)、処理が前述したステップS12に移行される。すなわち、低水温制御の実行が継続される。
一方、油温Toilが判定温度ToilTh以下である場合(S14:NO)、処理が次のステップS15に移行される。ステップS15において、弁制御部51によって、油温Toilが判定温度ToilThと同じであるか否かの判定が行われる。油温Toilが判定温度ToilThと同じである場合(S15:YES)、処理が次のステップS16に移行される。一方、油温Toilが判定温度ToilTh未満である場合(S15:NO)、処理が後述するステップS21に移行される。
ステップS16において、弁制御部51によって、ディレイフラグFLGにオンがセットされているか否かの判定が行われる。ディレイフラグFLGにオフがセットされている場合(S16:NO)、処理が次のステップS17に移行される。一方、ディレイフラグFLGにオンがセットされている場合(S16:YES)、処理が後述するステップS21に移行される。
ステップS17において、弁制御部51によって、油温Toilが判定温度ToilThと同じになった時点からの経過時間である計測時間TMが更新される。そして、次のステップS18では、弁制御部51によって、計測時間TMがディレイ時間TMTh以上であるか否かの判定が行われる。ディレイ時間TMThは、油温Toilが判定温度ToilThと同じの状態から油温Toilが判定温度ToilTh未満の状態に移行するのに要する時間の予測値であり、実験やシミュレーションなどによって予め設定されている。そのため、計測時間TMがディレイ時間TMTh未満である場合は、油温Toilが判定温度ToilTh未満になっていない可能性があると予測される。一方、計測時間TMがディレイ時間TMTh以上である場合は、油温Toilが判定温度ToilTh未満になっていると予測される。
したがって、計測時間TMがディレイ時間TMTh未満である場合(S18:NO)、処理が前述したステップS17に戻される。すなわち、計測時間TMの更新が継続される。一方、計測時間TMがディレイ時間TMTh以上である場合(S18:YES)、処理が次のステップS19に移行される。ステップS19において、弁制御部51によって、ディレイフラグFLGにオンがセットされる。続いて、ステップS20において、弁制御部51によって、計測時間TMが「0」にリセットされる。そして、処理が次のステップS21に移行される。
ステップS21において、弁制御部51によって、高水温制御が実行される。高水温制御とは、低水温制御の実行時よりも制御弁32の第1のポートP1の開口率を小さくし、ラジエータ流量QRを少なくする制御である。例えば、弁制御部51は、高水温制御では、制御弁32の弁体の位置を第2の位置α2とすることによって第1のポートP1の開口率をほぼ「0%」とする。そして、高水温制御が実行されると、本処理ルーチンが一旦終了される。
高水温制御を実行することによって、高水温制御の実行前よりもラジエータ流量QRを少なくするとともに、冷却装置20の通水抵抗RWを大きくすることができる。また、高負荷運転が行われているとの判定がなされている状態から高負荷運転が行われているとの判定がなされていない状態への移行時点で油温Toilが判定温度ToilTh以上であった場合、移行時点から計測時間TMがディレイ時間TMThに達するまでの期間が、「規定の期間」に相当する。すなわち、本実施形態では、高負荷運転が行われているとの判定がなされている状態から当該判定がなされていない状態に移行した場合、その移行時点以前よりもラジエータ流量QRが少なくなるように制御弁32を作動させる制御である高水温制御が、移行時点から規定の期間が経過したときに開始される。ただし、移行時点で油温Toilが既に判定温度ToilTh未満であるときには、規定の期間の経過を待たず、移行時点から高水温制御が開始される。
次に、図4を参照し、本実施形態の作用及び効果について説明する。図4には、高負荷運転が行われる状態から低負荷運転が行われる状態に移行する場合の例が図示されている。図4におけるオイルクーラ後水温Twaは、オイルクーラ31を通過した直後における冷却水の温度のことである。オイルクーラ流量QOCは、オイルクーラ31を通過する冷却水量のことである。また、図4では、本実施形態における油温Toil、オイルクーラ後水温Twa、制御弁32の第1のポートP1の開口率、冷却装置20の通水抵抗RW及びオイルクーラ流量QOCの推移が実線で示されている。また、比較例における油温Toil、オイルクーラ後水温Twa、第1のポートP1の開口率、冷却装置20の通水抵抗RW及びオイルクーラ流量QOCの推移が破線で示されている。ここでいう比較例とは、高負荷運転が行われているとの判定がなされている状態から当該判定がなされない状態への移行時点から高水温制御を開始する場合のことである。
内燃機関10が高負荷運転を行っている場合、内燃機関10の各気筒内に供給される燃料噴射量が多いため、内燃機関10での発熱量が多い。そのため、油温Toilが上昇する。つまり、オイルクーラ31には高温のオイルが流入する。この場合、低水温制御が実行されるため、制御弁32の第1のポートP1の開口率が大きい。よって、ラジエータ流量QRが多く、冷却装置20の通水抵抗RWが小さい。その結果、オイルクーラ流量QOCが多いとともに、オイルクーラ31に流入する冷却水の温度が低い。そのため、オイルクーラ31では、高温のオイルを適切に冷却することができる。しかも、オイルクーラ31でオイルから受熱しても、オイルクーラ後水温Twaが沸点TwThまで上昇しない。
図4に示す例では、タイミングt11から、運転者によるアクセル操作量が減少されるなどして機関回転速度NEが減少し始める。すると、冷却水ポンプ34から吐出される冷却水量が減少し始めるため、オイルクーラ流量QOCが減少し始める。そして、タイミングt12で、機関回転速度NEが判定回転速度NETh未満になり、高負荷運転が行われているとの判定がなされなくなる。
ここで、比較例の場合について説明する。図4に示すように、比較例では、タイミングt12で、高水温制御の実行が開始される。高水温制御が実行されると、制御弁32の第1のポートP1の開口率が、低水温制御の実行時よりも小さくなる。すると、第1のポートP1の開口率の低下によって、ラジエータ流量QRが少なくなるとともに、循環回路21内を冷却水が流れにくくなる。この場合、図4に破線で示すように、冷却装置20の通水抵抗RWが大きくなるため、オイルクーラ流量QOCが大幅に低下する。さらに、ラジエータ流量QRが減少されているため、オイルクーラ31に流入する冷却水の温度も高くなる。したがって、オイルクーラ31でのオイルと冷却水との間での熱交換によって、冷却水の温度が高くなりやすい。その結果、オイルクーラ後水温Twaが沸点TwThまで上昇し、オイルクーラ31を通過した冷却水が沸騰してしまう。
これに対し、本実施形態では、図4に実線で示すように、タイミングt12では、油温Toilが判定温度ToilThよりも高いため、高水温制御が未だ実行されず、低水温制御の実行が継続される。すなわち、高負荷運転が行われているとの判定がなされなくなった以降でも、油温Toilが未だ高いときには、制御弁32の第1のポートP1の開口率が減少されない。すなわち、冷却装置20の通水抵抗RWの上昇が抑制され、循環回路21内を冷却水が流れやすい状態が継続される。その結果、比較例の場合と比較し、オイルクーラ流量QOCの減少が抑制されるとともに、オイルクーラ31に流入する冷却水の温度が高温になりにくい。そのため、タイミングt12以降において、オイルクーラ後水温Twaの上昇を抑制することができる。すなわち、高負荷運転から低負荷運転に切り替わった際に、オイルクーラ31を通過した冷却水が沸騰することを抑制できる。
図4に示す例では、タイミングt13で、油温Toilが判定温度ToilThと同じになる。すると、計測時間TMの更新が開始される。計測時間TMがディレイ時間TMThに達するタイミングt14までは、高水温制御が開始されない。すなわち、制御弁32の第1のポートP1の開口率は、タイミングt13での開口率で保持される。そのため、比較例の場合よりも早期に油温Toilが低下するとともに、オイルクーラ後水温Twaの上昇が抑制される。そして、タイミングt14で計測時間TMがディレイ時間TMThに達するため、高水温制御の実行が開始される。
すると、制御弁32の第1のポートP1の開口率が、低水温制御の実行時よりも小さくなる。その結果、冷却装置20の通水抵抗RWが上昇し、ラジエータ流量QRが減少される。これにより、低水温制御の実行が継続される場合と比較し、循環回路21を流れる冷却水の温度の低下が抑制される。
なお、高負荷運転の継続時間が短い場合には、高負荷運転が行われているとの判定がなされなくなった時点で、油温Toilが判定温度ToilTh未満であることがある。この場合、当該時点から高水温制御を実行しても、オイルクーラ後水温Twaが沸点TwThまで上昇することはないと推測することができる。そのため、本実施形態では、高負荷運転が行われているとの判定がなされなくなった時点で油温Toilが判定温度ToilTh未満であるときには、規定の期間を設けることなく、当該時点で高水温制御が開始される。したがって、高水温制御を速やかに開始させることにより、循環回路21を流れる冷却水の温度の低下を抑制することができる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、高負荷運転が行われているとの判定がなされなくなった時点で油温Toilが判定温度ToilTh未満であるときには、規定の期間を設けることなく、当該時点から高水温制御の実行を開始させるようにしている。しかし、高負荷運転が行われているとの判定がなされなくなった時点で油温Toilが判定温度ToilTh未満であっても、当該時点から規定の期間が経過してから高水温制御を開始するようにしてもよい。
・計測時間TMがディレイ時間TMThに達する以前に油温Toilが判定温度ToilTh未満になった際には、計測時間TMがディレイ時間TMThに達していなくても、高水温制御の実行を開始させるようにしてもよい。
・上記実施形態では、シリンダブロック11及びシリンダヘッド12に対して並列に配置されているオイルクーラは、内燃機関10内を循環するオイルを冷却するものである。しかし、当該オイルクーラは、車両で使用されるオイルであれば、内燃機関10内を循環するオイル以外の他のオイルを冷却するものであってもよい。内燃機関10内を循環するオイル以外の他のオイルとしては、例えば、変速機内を循環するオイルを挙げることができる。
・制御弁は、ラジエータ流量QRの調整を通じて冷却装置20の通水抵抗RWを変更できるものであれば、上記実施形態で採用される制御弁32以外の他のものであってもよい。例えば、図5に示す冷却装置20Aは、ラジエータ用通路22においてラジエータ33よりも冷却水ポンプ34側に制御弁32Aが配置されている。この制御弁32Aの開度を調整することにより、ラジエータ流量QRを調整することができる。すなわち、制御弁32Aの開度の調整を通じてラジエータ流量QRを減少させることにより、冷却装置20の通水抵抗RWを大きくすることができる。このような制御弁32Aとしては、例えば、バタフライ式のバルブを備えるものを挙げることができる。
なお、制御弁32Aを、ラジエータ用通路22においてラジエータ33を挟んで冷却水ポンプ34の反対側に配置してもよい。
・循環回路21は、制御弁32によってラジエータ33の通水が許容されている場合、ラジエータ33を通過した冷却水をオイルクーラに流入させることができるのであれば、図1に示した回路とは別の構成の回路であってもよい。例えば図6に示すように、ラジエータ33の中途部位に接続される分岐通路41を循環回路21に設けるとともに、分岐通路41にオイルクーラ31Aを設けるようにしてもよい。そして、分岐通路41を流れた冷却水は冷却水ポンプ34に向かって流れる。このような構成であっても、ラジエータ流量QRを増大させることにより、オイルクーラ31Aに流入する冷却水量を増大させることができる。したがって、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、例えば図7に示すように、循環回路21においてラジエータ33と冷却水ポンプ34との間にオイルクーラ31Bを配置してもよい。この構成であっても、ラジエータ流量QRを増大させることにより、オイルクーラ31Bに流入する冷却水量を増大させることができる。したがって、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。ちなみに、図7に示す例では、オイルクーラ31Bをバイパスするクーラバイパス通路42を循環回路21に設けてもよい。
また、図7に示すようにラジエータ用通路22にオイルクーラ31Bを設ける場合、ラジエータ33よりも上流側にオイルクーラ31Bを配置してもよい。
ちなみに、オイルクーラ31A,31Bの冷却対象となるオイルは、車両で使用されるオイルであればどのようなオイルであってもよく、例えば、内燃機関10内を循環するオイルであってもよいし、変速機内を循環するオイルであってもよい。
・低水温制御の実行中における制御弁32の第1のポートP1の開口率は、高水温制御の実行中における開口率よりも大きいのであれば、「100%」以外の率(例えば、90%)であってもよい。
・高水温制御の実行中における制御弁32の第1のポートP1の開口率は、低水温制御の実行中における開口率よりも小さいのであれば、「0%」以外の率(例えば、10%)であってもよい。
・ディレイ時間TMThを、予め設定されている規定値で固定してもよいし、可変させるようにしてもよい。ディレイ時間TMThを、例えば、高負荷運転が行われているとの判定がなされなくなった以降における低水温制御の実行中の油温Toilの低下速度を基に可変させるようにしてもよい。この場合、油温Toilの低下速度が小さいほど、油温Toilを判定温度ToilTh未満にするのに要する時間が長くなりやすい。そのため、油温Toilの低下速度が小さいほど、ディレイ時間TMThを長くするようにしてもよい。
10…内燃機関、11…シリンダブロック、12…シリンダヘッド、20,20A…冷却装置、21…循環回路、31,31A,31B…オイルクーラ、32,32A…制御弁、33…ラジエータ、51…弁制御部、52…判定部。

Claims (1)

  1. 内燃機関のシリンダブロック内及びシリンダヘッド内を流れる冷却水の循環回路に、オイルと冷却水との間で熱交換を行わせるオイルクーラと、ラジエータと、前記ラジエータを通過する冷却水の流量であるラジエータ流量を調整する制御弁とが設けられ、
    前記ラジエータを冷却水が流れる場合には当該ラジエータを通過した冷却水が前記オイルクーラに流入し、前記制御弁の作動によって前記ラジエータ流量を減少させると、前記オイルクーラを通過する冷却水量が少なくなる車両の冷却装置において、
    前記内燃機関で高負荷運転が行われているか否かを判定する判定部と、
    高負荷運転が行われているとの判定がなされている状態から当該判定がなされていない状態に移行した場合、その移行時点以前よりも前記ラジエータ流量が少なくなるように前記制御弁を作動させる制御を、当該移行時点から規定の期間が経過したときに開始する弁制御部と、を備える
    ことを特徴とする車両の冷却装置。
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