JP2010216410A - エンジンの油温制御装置 - Google Patents

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Hironori Nakao
裕典 中尾
Hideo Hosoya
英生 細谷
Tetsuya Tateishi
哲也 立石
Katsuaki Yasutomi
克晶 安富
Kazuo Ichikawa
和男 市川
Yusuke Koike
祐輔 小池
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Abstract

【課題】オイル油温制御装置において、エンジン暖機中においてオイル熱交換器に供給されるオイルの量を増加してオイルをオイル熱交換器において冷却水と高効率で熱交換させることにより、エンジン暖機を促進する。
【解決手段】オイルクーラ30内を流通したオイルパン32からのオイルのうちオイルパン32に戻すオイルの量を調整することでエンジン本体部10に供給されるオイルの量を調整可能なオイル調量手段31aを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、オイルポンプによりオイルパンからエンジン本体部に供給されるオイルを、ウォータポンプにより上記エンジン本体部とラジエータとの間で又は該ラジエータを迂回して該エンジン本体部との間で循環される冷却液と熱交換させるオイル熱交換器を備えているエンジンの油温制御装置に関するものである。
従来より一般に、エンジンの油温制御装置においては、オイルポンプによりオイルパンから吸い上げたエンジン潤滑用のオイルのうちオイル調量手段(例えばリリーフ弁)によりオイルパンに戻すオイルの量を調整することでエンジン本体部に供給されるオイルの量を調整した後に、その調量されたオイルをオイル熱交換器において冷却液と熱交換してエンジン本体部に供給するようにしている(例えば特許文献1を参照)。そして、エンジン始動後の冷機時に、上記のようにオイルをオイル熱交換器において冷却液と熱交換することにより、オイルは加熱されてその温度が上昇し、エンジンの暖機を促進するようになり、その結果としてエンジンの機械抵抗が低くなり、エンジン燃費が向上する。
特開2005−299592号公報
オイルをオイル熱交換器において冷却液と高効率で熱交換させるためには、オイル熱交換器に供給されるオイルの量を増加すればよい。
しかしながら、特許文献1のものでは、上記のように、オイルパンからのオイルのうちオイルパンに戻すオイルの量を調整することでエンジン本体部に供給されるオイルの量を調整した後に、その調量されたオイルをオイル熱交換器において冷却液と熱交換することから、オイル熱交換器に供給されるオイルの量を十分に増加したものとはいえず、その増量について改善の余地が残るものであった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、オイルポンプによりオイルパンからエンジン本体部に供給されるオイルを、ウォータポンプにより上記エンジン本体部とラジエータとの間で又は該ラジエータを迂回して該エンジン本体部との間で循環される冷却液と熱交換させるオイル熱交換器を備えているオイル油温制御装置において、エンジン暖機中においてオイル熱交換器に供給されるオイルの量を増加してオイルをオイル熱交換器において冷却液と高効率で熱交換させることにより、エンジン暖機を促進することにある。
第1の発明は、オイルポンプによりオイルパンからエンジン本体部に供給されるオイルを、ウォータポンプにより上記エンジン本体部とラジエータとの間で又は該ラジエータを迂回して該エンジン本体部との間で循環される冷却液と熱交換させるオイル熱交換器を備えているエンジンの油温制御装置であって、上記オイル熱交換器内を流通した上記オイルパンからのオイルのうち上記オイルパンに戻すオイルの量を調整することで上記エンジン本体部に供給されるオイルの量を調整可能なオイル調量手段を備えていることを特徴とするものである。
これにより、オイル調量手段により、オイル熱交換器内を流通したオイルパンからのオイルのうちオイルパンに戻すオイルの量を調整することでエンジン本体部に供給されるオイルの量を調整するので、従来のように、オイルパンからのオイルのうちオイルパンに戻すオイルの量を調整することでエンジン本体部に供給されるオイルの量を調整した後に、その調量されたオイルをオイル熱交換器内を流通させる場合と比較して、オイル熱交換器に供給されるオイルの量を増加させることができる。このため、オイルをオイル熱交換器において冷却液と高効率で熱交換させることができ、オイル全体の温度を上昇させることができる。よって、エンジン暖機を促進することができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記オイルパンからのオイルを上記エンジン本体部に供給するためのオイル通路には、上記オイル熱交換器の下流側に、上記オイル調量手段としてのリリーフ弁を有するオイルポンプが配設されていることを特徴とするものである。
これにより、本発明の最良の実施形態を実現することができる。
また、上記のように、オイル全体の温度を上昇させることができるので、オイルの粘度を低減することができ、作動油圧を低下させることができる。このため、オイル熱交換器内を流通したオイルパンからのオイルのうちオイルパンに戻すオイルの量を低減させることができる。よって、リリーフ損失を低減することができ、エンジン暖機をより一層促進することができる。
第3の発明は、上記第1又は2の発明において、上記ウォータポンプは電動ウォータポンプであり、エンジン暖機中であって、エンジン冷間始動から設定時間が経過するまで、上記エンジン本体部との間で冷却液を循環させるための冷却液回路において冷却液の流通状態が流通停止状態になるように上記電動ウォータポンプを作動させる一方、エンジン暖機中であって、上記設定時間が経過した後、上記冷却液回路において冷却液の流通状態がエンジン暖機完了後の流通状態よりも冷却液の流通量が少ない流通状態になるように上記電動ウォータポンプを作動させるポンプ制御手段をさらに備えていることを特徴とするものである。
これにより、ポンプ制御手段により、エンジン暖機中であって、エンジン冷間始動から設定時間が経過するまで、エンジン本体部との間で冷却液を循環させるための冷却液回路において冷却液の流通状態が流通停止状態になるように電動ウォータポンプを作動させる一方、エンジン暖機中であって、エンジン冷間始動から設定時間が経過した後、冷却液回路において冷却液の流通状態がエンジン暖機後の流通状態よりも冷却液の流通量が少ない流通状態になるように電動ウォータポンプを作動させるので、エンジンの放熱を極小化することができ、エンジン暖機中においてオイル熱交換器に供給されるオイルと冷却液との温度差を大きくすることができる。このため、オイルをオイル熱交換器において冷却液とより一層高効率で熱交換させることができ、オイル全体の温度をより一層上昇させることができる。よって、エンジン暖機をより一層促進することができる。
本発明によれば、オイル調量手段により、オイル熱交換器内を流通したオイルパンからのオイルのうちオイルパンに戻すオイルの量を調整することでエンジン本体部に供給されるオイルの量を調整するので、従来のように、オイルパンからのオイルのうちオイルパンに戻すオイルの量を調整することでエンジン本体部に供給されるオイルの量を調整した後に、その調量されたオイルをオイル熱交換器内を流通させる場合と比較して、オイル熱交換器に供給されるオイルの量を増加させることができ、このため、オイルをオイル熱交換器において冷却液と高効率で熱交換させることができ、オイル全体の温度を上昇させることができ、よって、エンジン暖機を促進することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
−エンジン冷却装置の構成−
図1は、本発明の実施形態に係るエンジン冷却装置A及びエンジン油温制御装置Bの構成を模式的に示す。このエンジン冷却装置Aは、エンジン(例えば直列4気筒エンジン)の本体部10を構成するシリンダブロック11及びシリンダヘッド12にそれぞれ形成されたウォータジャケット13,14と、外気によって冷却水(冷却液)を冷やすために車両の前部等に配設されたラジエータ15と、このラジエータ15及びエンジン本体部10の間で冷却水を循環させるための第1及び第2通路16,17と、ラジエータ15を迂回してエンジン本体部10との間で冷却水を循環させるためのバイパス通路18と、シリンダブロック11のウォータジャケット13に冷却水を送給する電動ウォータポンプ(以下、単に電動ポンプといい、W/Pともいう)19とを備えている。
尚、シリンダブロック11のウォータジャケット13、シリンダヘッド12のウォータジャケット14、第1及び第2通路16,17、後述の導入路20、並びに後述の導出路21がメイン回路を構成している。また、シリンダブロック11のウォータジャケット13、シリンダヘッド12のウォータジャケット14、第1通路16、バイパス通路18、導入路20、及び導出路21がサブ回路を構成している。そして、これらのメイン回路及びサブ回路が冷却水回路(冷却液回路)を構成している。
シリンダブロック11のウォータジャケット13は、4つのシリンダ(図示せず)の外周を囲むようにしてシリンダブロック11の長手方向(シリンダ列方向であり、以下、エンジン前後方向ともいう)全体に亘って形成され、その前端部に開口する導入路20を介して電動ポンプ19の吐出側に連通している。
また、シリンダブロック11のウォータジャケット13は、シリンダブロック11のトップデッキの前端側に形成された主要な孔部(図示せず)と、シリンダヘッド12のボトムデッキの前端側に形成された主要な孔部(図示せず)とを介して、シリンダヘッド12のウォータジャケット14にも連通しており、これにより、上記のようにシリンダブロック11のウォータジャケット13を流れる冷却水は、順次、シリンダヘッド12のウォータジャケット14に流通するようになっている。
シリンダヘッド12のウォータジャケット14は、各シリンダの吸排気ポートやプラグホール(図示せず)の外周を包み込むようにしてシリンダヘッド12の長手方向全体に亘って形成され、その後端部に開口する導出路21を介してオイルクーラ30の冷却水入口に連通している。第1通路16の上流端部は、オイルクーラ30の冷却水出口に連通している。以上により、シリンダヘッド12のウォータジャケット14を流通した比較的高温の冷却水は、導出路21からオイルクーラ30内に流入し、オイルクーラ30においてオイルと熱交換した後に、第1通路16に流出するようになる。
第1通路16の下流端部はラジエータ15のアッパタンクに接続されており、第1通路16内を流通した比較的高温の冷却水は、ラジエータ15において外気と熱交換して冷却された後に、ラジエータ15のロワタンクに接続されている第2通路17に流出し、この第2通路17内を流通して電動ポンプ19の吸入側に戻される。
バイパス通路18は、第1通路16の途中で分岐している。
電動ポンプ19は、例えばインペラの回転によって冷却水を送り出す従来周知の遠心式のものであり、そのインペラのシャフトに接続された電動モータの作動が、エンジンコントロールユニット24(以下、ECUという)のポンプ制御手段としてのポンプ制御部24aによって制御されるようになっている。言い換えると、電動ポンプ19は、ECU24のポンプ制御部24aによりその作動状態を制御され、エンジン本体部10との間で冷却水を循環させるための冷却水回路における冷却水の流通状態を変更可能なウォータポンプを構成している。
この実施形態では、電動ポンプ19の吸入側に隣接して、外部駆動式のサーモスタット(以下、単にサーモスタットという)25が設けられていて、このサーモスタット25に第2通路17及びバイパス通路18の各下流端部がそれぞれ接続されている。そして、第2通路17及びバイパス通路18がサーモスタット25を介して、電動ポンプ19の吸入口に開閉可能に連通されている。
すなわち、サーモスタット25が全閉しているときには、第2通路17を閉じてバイパス通路18を開く一方、サーモスタット25が開き始めると、バイパス通路18からの冷却水の流れを絞り、サーモスタット25が全開になれば、第2通路17を開いてバイパス通路18を閉じるようになっている。
サーモスタット25は、例えばワックスによって開閉する従来周知のものであり、そのワックスを加熱するコイルの作動が、ECU24の冷却液回路制御手段としての冷却水回路制御部24bによって制御されるようになっている。言い換えると、サーモスタット25は、ECU24の冷却水回路制御部24bによりその作動状態を制御され、冷却水を循環させる回路をメイン回路とサブ回路とに変更可能な冷却液回路可変手段を構成している
ECU24は、周知の如くCPUやメモリ、I/Oインターフェース回路、ドライバ回路等を備えて、エンジンの運転制御のために各シリンダ毎の燃料噴射制御や点火時期制御を行うものであるが、これに加えて、この実施形態では、主にエンジンの温度及び負荷状態、或いは回転数等に応じて、電動ポンプ19やサーモスタット25の作動を制御するようになっている。
すなわち、この実施形態では、ECU24は、少なくとも、エンジンの負荷状態を検出するためのセンサ26(例えば車両のアクセル開度センサやエアフローセンサ等であり、以下、負荷状態センサと呼ぶ)からの信号と、エンジン回転数センサ27からの信号と、例えばシリンダヘッド12の導出路21に配設された水温センサ28からの信号とを入力して、これによりエンジンの状態を判定し、これに応じて電動ポンプ19やサーモスタット25への出力電圧を制御するようになっている。
後述の如く、例えば冷間始動直後にエンジンの暖機を促進すべく電動ポンプ19を停止させたり、W/Pパルス制御モードで運転したりするときには、ウォータジャケット13において冷却水の流通が殆ど停止に近い状態になり、シリンダブロック11やシリンダヘッド12の部位毎の温度差がそのまま冷却水温度に反映されるようになるが、このときに冷却水温度は、シリンダヘッド12の排気側で最も高くなる一方、シリンダブロック11の吸気側で最も低くなり、シリンダブロック11の排気側では平均的な温度状態になる。
また、W/P停止時間縮小制御モードやW/P停止時間拡大制御モード、W/P連続運転制御モード、W/P通常制御モードのようにウォータジャケット13,14を冷却水がシリンダ列方向に流れる場合は、この方向の中央寄りの部位の冷却水温度が両端部に比べて安定する。
以上のように構成されたエンジン冷却装置Aにおける冷却水の全体的な流れは、図2に模式的に示すようになる。同図は、サーモスタット25が閉じているときの流れを矢印で示し、電動ポンプ19によってシリンダブロック11のウォータジャケット13に送られた冷却水は、シリンダヘッド12のウォータジャケット14にも流れた後に、第1通路16及びバイパス通路18を流通し、その後、電動ポンプ19の吸入側に戻される。このとき、サーモスタット25が閉じていることから、ラジエータ15との間では冷却水は流れない。尚、当然ながら、電動ポンプ19が作動しなければ、上記のような冷却水の流れは起きず、対流による流れを除いて冷却水は略停止することになる。
一方、サーモスタット25が開いているときには、電動ポンプ19からの冷却水は、図3に矢印で示すようにシリンダブロック11及びシリンダヘッド12のウォータジャケット13,14を流通した後に、第1及び第2通路16,17を流通し、その後、電動ポンプ19の吸入側に戻されるようになる。このとき、サーモスタット25が開いていることから、ラジエータ15との間で冷却水は流れる。
−エンジン油温制御装置の構成−
エンジン油温制御装置Bは、図1に示すように、エンジン潤滑用のオイルを冷却水と熱交換するオイルクーラ30と、オイルをエンジン本体部10の各部へ圧送するオイルポンプ31と、オイルパン32からのオイルをエンジン本体部10に供給するためのオイル通路を構成する第1〜第3オイル通路33〜35とを備えている。
第1オイル通路33の上流端部は、オイルポンプ31へ侵入する異物を取り除くオイルストレーナー36に連通している一方、その下流端部は、オイルクーラ30のオイル入口に連通している。
オイルクーラ30は、高温になり過ぎたオイルを冷やして温度を下げる従来周知のものであるが、その一方で、低温のオイルをその温度より高い冷却水と熱交換して、オイル温度を高くする、オイルウォーマの機能を有する。そして、第1オイル通路33内を流通したオイルは、オイルクーラ30において冷却水と熱交換した後に、オイルクーラ30のオイル出口に接続されている第2オイル通路34に流出する。
第2オイル通路34の下流端部は、オイルポンプ31の吸入側に連通している。言い換えると、上記オイル通路には、オイルクーラ30の下流側にオイルポンプ31が配設されている。
オイルポンプ31は、例えばエンジン本体部10のクランク軸の回転によってオイルパン32内のオイルを吸い上げてエンジン本体部10に送り出す従来周知のものである。オイルポンプ31には、リリーフ孔(図示せず)と、このリリーフ孔を開閉するリリーフ弁31aとが設けられており、エンジン回転数が高くなったときに、リリーフ弁31aによりリリーフ孔を開放して、第2オイル通路34内を流通したオイルの一部をリリーフ孔から吐出させてオイルパン32にオイルリリーフ通路37を介して戻すことにより、エンジン本体部10に供給されるオイルの圧力ないし量の安定化を図るようになっている。言い換えると、リリーフ弁31aは、オイルクーラ30内を流通したオイルのうちオイルパン32に戻すオイルの量を調整することでエンジン本体部10に供給されるオイルの量を調整可能なオイル調量手段を構成している。
第3オイル通路35の上流端部は、オイルポンプ31の吐出側に連通している一方、その下流端部は、エンジン本体部10に連通している。そして、第3オイル通路35内を流通したオイルは、エンジン本体部10の回転系の要潤滑部位や要冷却部位などの各部に供給され、その後、オイルパン32にオイル戻り通路38を介して戻される。
上記のようにオイルクーラ30の下流側にオイルポンプ31を配設すると、オイルポンプ31のリリーフ弁31aにより、オイルクーラ30内を流通したオイルパン32からのオイルのうちオイルパン32に戻すオイルの量が調整されることでエンジン本体部10に供給されるオイルの量が調整されるようになり、このことによって、従来のようにオイルパンからのオイルのうちオイルパンに戻すオイルの量が調整されることでエンジン本体部に供給されるオイルの量が調整された後に、その調量されたオイルがオイルクーラ内を流通する場合と比較して、オイルクーラ30に供給されるオイルの量が増加する。これにより、オイルがオイルクーラ30において冷却水と高効率で熱交換して、オイル全体の温度が上昇し、このことによって、エンジン暖機が促進される。
また、上記のようにオイル全体の温度が上昇すると、オイルの粘度が低減して、作動油圧が低下するようになり、このことによって、オイルクーラ30内を流通したオイルパン32からのオイルのうちオイルパン32に戻すオイルの量が低減する。これにより、リリーフ損失が低減して、エンジン暖機がより一層促進される。
−電動ポンプの作動制御−
次に、ECU24のポンプ制御部24aによる電動ポンプ19の作動制御について説明する。この電動ポンプ19への出力電圧の制御は、デューティ比の変更によって出力電圧の大きさを調整する所謂デューティ制御であり、制御デューティ比を0〜100%の範囲で変更することにより、出力電圧を例えば0.5〜12Vくらいの所定範囲内において略リニアに変更して、電動ポンプ19の回転数をきめ細かく且つ高精度に制御することができる。
また、ポンプ制御部24aは、制御デューティ比を予め設定した時間間隔で切り替えて、電動ポンプ19にパルス状に電圧を供給することにより、電動ポンプ19を一定の周期で間欠的に作動させることができるようになっている。そして、そのように電動ポンプ19を作動させるパルス制御モードと、上記のように、電動ポンプ19を連続的に作動させながら、その回転数をエンジンの状態に応じて変更する通常制御モードとに切り替えて、電動ポンプ19の作動状態を制御する。
より具体的に、上記通常制御モードは、制御マップ(図示せず)に基づいて電動ポンプ19の回転数を制御する。この制御マップは、電動ポンプ19の基本的な制御回転数をエンジンの負荷及び回転数に応じて予め設定した3次元のものであり、相対的に高負荷乃至高回転側ではポンプ回転数を高くして、エンジンの多量の発熱に対応した冷却水の流量を確保する一方、相対的に低負荷乃至低回転側ではポンプ回転数を低くして、エンジンの過冷却を防止することにより、燃費を低減するようになっている。
すなわち、通常制御モードは、エンジン暖機中であって、エンジン水温thが後述の目標上限水温th2以上になったときに行われるW/P連続運転制御モードと、エンジン暖機中であって、エンジンの負荷状態が全負荷を含む高負荷状態のときや、エンジン暖機完了後に行われるW/P通常制御モードとからなり、W/P連続運転制御モードでは、図4(d)、(e)に示すように、電動ポンプ19を、その吐出量がW/P通常制御モードよりも少なくなる(冷却水の流量がW/P通常制御モードよりも少なくなる)ように連続作動させる。
これに対し、上記パルス制御モードは、電動ポンプ19を間欠的に作動させることにより、エンジン本体部10内のウォータジャケット13,14における冷却水の流通量が上記通常制御モードに比べて少なくなるようにしたものである。
すなわち、パルス制御モードは、エンジン暖機中であって、エンジン始動後に後述の設定時間t1が経過したときに行われるW/Pパルス制御モードと、エンジン暖機中であって、エンジン水温thが目標下限水温th1以上になったときに行われるW/P停止時間縮小制御モードと、このW/P停止時間縮小制御モードでの運転後であって、エンジン水温thが目標下限水温th1よりも低くなったときに行われるW/P停止時間拡大制御モードとからなり、W/Pパルス制御モード、W/P停止時間縮小制御モード、及びW/P停止時間拡大制御モードでは、図4(a)〜(c)に示すように、電動ポンプ19を、その吐出量が互いに同一になる(冷却水の流量が互いに同一になる)ように間欠作動させる。
W/Pパルス制御モードでは、図4(a)に示すように、電動ポンプ19を、その1作動周期当たりの作動時間が停止時間(非作動時間)よりも短くなるように間欠作動させる。こうすると、エンジン本体部10内のウォータジャケット13,14における冷却水の流通は平均的には殆ど停止に近い状態になり、暖機が促進されるとともに、電動ポンプ19の瞬間的な作動時にはウォータジャケット13,14内の冷却水全体が揺れて、僅かに攪拌されるようになり、これによりシリンダ周辺の局所的な温度上昇を抑制することができる。
一方、W/P停止時間縮小制御モードでは、図4(b)に示すように、電動ポンプ19を、その1作動周期(この1作動周期はW/Pパルス制御モードでの1作動周期と同じ時間)当たりの作動時間が時間の経過とともに長くなる(停止時間が時間の経過とともに短くなる)ように間欠作動させる。この結果、エンジン本体部10内のウォータジャケット13,14において冷却水は、極く僅かながら連続的に流通するようになり、その流通量は、時間の経過とともに多くなるが、通常制御モードにおいて電動ポンプ19を連続して作動させたときの最小の流量よりも少ない。言い換えると、W/P停止時間縮小制御モードでは、ウォータジャケット13,14における冷却水の流通状態は、上記W/Pパルス制御モードと通常制御モードの中間的なものとなる。
また、W/P停止時間拡大制御モードでは、図4(c)に示すように、電動ポンプ19を、その1作動周期(この1作動周期はW/Pパルス制御モードでの1作動周期と同じ時間)当たりの作動時間が時間の経過とともに短くなる(停止時間が時間の経過とともに長くなる)ように間欠作動させる。この結果、エンジン本体部10内のウォータジャケット13,14において冷却水は、極く僅かながら連続的に流通して、その流通量は、時間の経過とともに少なくなるとともに、通常制御モードにおいて電動ポンプ19を連続して作動させたときの最小の流量よりも少ない。言い換えると、W/P停止時間拡大制御モードでは、ウォータジャケット13,14における冷却水の流通状態は、上記W/Pパルス制御モードと通常制御モードの中間的なものとなる。
−サーモスタットの作動制御−
次に、ECU24の冷却水回路制御部24bによるサーモスタット25の作動制御について説明する。このサーモスタット25への出力電圧の制御は、デューティ比の変更によって出力電圧の大きさを調整する所謂デューティ制御であり、制御デューティ比を0〜100%の範囲で変更することにより、サーモスタット25の開度をきめ細かく且つ高精度に制御することができる。
また、冷却水回路制御部24bは、制御デューティ比を予め設定した時間間隔で切り替えて、サーモスタット25にパルス状に電圧を供給することにより、サーモスタット25を一定の周期で間欠的に開弁(全開)させることができるようになっている。そして、そのようにサーモスタット25を作動させるパルス制御モードと、サーモスタット25を連続的に開弁(全開)させるETS開弁制御モードと、サーモスタット25を連続的に閉弁(全閉)させるETS閉弁制御モードに切り替えて、サーモスタット25の作動状態を制御する。
より具体的に、上記ETS開弁制御モードは、エンジン暖機完了後に行われ、サーモスタット25を連続開弁させる。この結果、ラジエータ15からの冷却水は、エンジン本体部10内のウォータジャケット13,14に連続的に流入するようになる。
また、上記ETS閉弁制御モードは、エンジン暖機中であって、エンジン水温thが目標上限水温th2以上になるまで行われ、サーモスタット25を連続閉弁させる。この結果、ラジエータ15からの冷却水は、エンジン本体部10内のウォータジャケット13,14に流入しない。
これに対し、上記パルス制御モードは、サーモスタット25を間欠的に開弁させることにより、ラジエータ15からのエンジン本体部10内のウォータジャケット13,14への冷却水の流入量が上記ETS開弁制御モードに比べて少なくなるようにしたものである。
すなわち、パルス制御モードは、エンジン暖機中であって、エンジン水温thが目標上限水温th2以上になったときに行われるETSパルス開弁制御モードと、このETSパルス開弁制御モードでの運転後であって、エンジン水温thが目標下限水温th1よりも低くなったときに行われるETS開弁時間縮小制御モードと、ETSパルス開弁制御モードでの運転後であって、エンジン水温thが目標上限水温th2以上になったときに行われるETS開弁時間拡大制御モードとからなる。
ETSパルス開弁制御モードでは、図5(a)に示すように、サーモスタット25を、その1作動周期当たりの開弁時間が閉弁時間よりも短くなるように間欠開弁させる。こうすると、ラジエータ15からの冷却水は、エンジン本体部10内のウォータジャケット13,14に間欠的に流入するようになる。
一方、ETS開弁時間縮小制御モードでは、図5(b)に示すように、サーモスタット25を、その1作動周期(この1作動周期はETSパルス開弁制御モードでの1作動周期と同じ時間)当たりの開弁時間が時間の経過とともに短くなる(閉弁時間が時間の経過とともに長くなる)ように間欠開弁させる。この結果、ラジエータ15からの冷却水は、エンジン本体部10内のウォータジャケット13,14に間欠的に流入するが、その流入量は、時間の経過とともに少なくなり、このことによって、冷却水温度は、時間の経過とともに高くなる。
また、ETS開弁時間拡大制御モードでは、図5(c)に示すように、サーモスタット25を、その1作動周期(この1作動周期はETSパルス制御モードでの1作動周期と同じ時間)当たりの開弁時間が時間の経過とともに長くなる(閉弁時間が時間の経過とともに短くなる)ように間欠開弁させる。この結果、ラジエータ15からの冷却水は、エンジン本体部10内のウォータジャケット13,14に間欠的に流入するが、その流入量は、時間の経過とともに多くなり、このことによって、冷却水温度は、時間の経過とともに低くなる。
−エンジン冷機時の制御手順−
以下に、エンジンの始動後にECU24によって行われる電動ポンプ19やサーモスタット25の具体的な制御手順を、主に図6、図7のフローチャート図に基づき、図1〜図5を参照して説明する。この実施形態では、冷却水のLLC(ロングライフクーラント)濃度は、通常濃度(例えば50%)となっており、冷却水の目標水温は、通常水温(例えば90℃)となっている。
<冷間始動制御>
まず、エンジン始動に応じてスタートした図6、図7の冷間始動制御フローにおいてステップS1では、電動ポンプ19を停止状態とし、サーモスタット25を閉弁状態とする。このように電動ポンプ19を停止状態とすると、冷却水回路において冷却水の流通状態が流通停止状態になる。
また、上記のようにサーモスタット25を連続的に全閉させると、電動ポンプ19を作動状態にしても、ラジエータ15からの冷却水は、ウォータジャケット13,14に流入しない。
続くステップS2において、水温センサ28により検出した始動時のエンジン水温thから冷間始動かどうか判定する。
その判定がNOで温間始動であれば、後述のステップS17に進む一方、判定がYESで冷間始動であれば、ステップS3に進み、エンジン始動後に電動ポンプ19の運転を開始するまでの設定時間t1が経過したかどうか判定する。この設定時間t1は、始動時のエンジン水温に対応する適値を予め実験等により決定して、例えばテーブルに設定しておき、このテーブルから読み込むようにすればよい。この例では、始動時のエンジン水温が低いほどエンジン暖機に時間がかかると推定して、設定時間t1を長くするようにしている。
上記ステップS3において判定がNO、即ち設定時間t1が経過していないならば、時間の経過を待つ間、電動ポンプ19を停止状態に維持する。これにより、エンジン本体部10内のウォータジャケット13,14における冷却水の流通を停止して、その暖機を最大限に促進することができる。そして、冷間始動から設定時間t1が経過すれば(ステップS3でYES)ステップS4に進んで、電動ポンプ19をW/Pパルス制御モードで運転する。
すなわち、まず、W/Pパルス制御モードにおける電動ポンプ19の間欠作動の周期及びその作動時の制御デューティ比をそれぞれ予め設定したテーブルから読み込む。このテーブルは、例えば、エンジン水温に応じて電動ポンプ19の作動周期及びデューティ比の適値をそれぞれ実験等に基づいて決定したものであり、この例では作動周期やデューティ比は変化しないように設定されている。
そして、上記作動周期及びデューティ比に対応する制御信号により電動ポンプ19のモータにパルス状に出力電圧を印加して、これを間欠的に作動させる。そうして電動ポンプ19を間欠的に作動させると、シリンダブロック11やシリンダヘッド12のウォータジャケット13,14における冷却水は、電動ポンプ19の連続的な作動時のように入口側から出口側に向かって連続的に移動するのではなく、瞬間的なポンプ作動によって小さく移動した後に直ちに停止することを繰り返すようになり、冷却水回路において冷却水の流通状態が第1流通状態になる。
言い換えると、上記W/Pパルス制御モードでは、電動ポンプ19の間欠作動によって、ウォータジャケット13,14の冷却水全体が周期的に揺れて、僅かに攪拌されるように間欠的に流通することになり、このことによって、エンジンの各シリンダ周辺の局所的な温度上昇が抑制されるとともに、冷却水を停止させているときと同じようにエンジンの放熱量が少なくなって、エンジンの暖機が十分に促進されることになる。
また、ウォータジャケット13,14からの冷却水は、オイルクーラ30を流通するようになり、このことによって、オイルがオイルクーラ30において比較的高温の冷却水と熱交換して加熱されて、その温度が上昇する。
さらに、上記のように電動ポンプ19を間欠作動させると、エンジンの放熱が極小化して、エンジン暖機中においてオイルクーラ30に供給されるオイルと冷却水との温度差が大きくなるようになり、このことによって、オイルがオイルクーラ30において冷却水とより一層高効率で熱交換して、その温度がより一層上昇する。
ここで、上記のような冷間始動後の電動ポンプ19の作動状態とエンジン水温(シリンダヘッド後端の導出路21付近における出口水温)の上昇とエンジン油温の上昇の関係を図8のタイムチャートに示すと、まず、冷間始動後に設定時間t1が経過するまでの間(t=0〜t1)は、電動ポンプ19の制御デューティ比が0%とされて、ポンプが停止状態に維持され(ステップS3で待機)、これによりエンジンからの放熱が極小化される。このときに、図に細い実線で示すようにエンジン出口水温の上昇が見かけ上、遅れているのは、電動ポンプ19が停止していてウォータジャケット13,14の冷却水が殆ど移動しないことから、シリンダの周りの暖められた冷却水がウォータジャケット14の出口にまで到達しないことによる。
そして、上記のように暖められた冷却水が対流によりウォータジャケット14の出口に到達するようになると、図示の如く水温は上昇して、従来一般的な機械式ウォータポンプの場合(一点鎖線で示す)を追い越すが、始動から設定時間t1が経過すると(時刻t1)、W/Pパルス制御モードでの運転が開始されて(ステップS4)、電動ポンプ19は上記の如く間欠的に作動するようになる。この電動ポンプ19の間欠作動によって、ウォータジャケット13,14の冷却水が間欠的に流通し、それが僅かに攪拌されることになるため、各シリンダ周辺等での局所的な温度上昇は抑制される。
また、上記のようにエンジンが冷間始動すると、図に太い実線で示すように油温は上昇して、ウォータジャケット13,14の冷却水が間欠的に流通するようになった直後に、従来一般的な機械式ウォータポンプの場合(二点鎖線で示す)を追い越し、オイルの温度上昇は早くなる。
上記図6、図7に示す冷間始動制御フローのステップS4に続いて、ステップS5では水温センサ28による冷却水温度の検出値thが目標下限水温th1(この例では例えば85℃)以上かどうか判定する。この判定がNOであれば、上記ステップS4にリターンしてW/Pパルス制御モードでの運転を継続する一方、判定がYESで検出水温th≧th1であれば、ステップS6に進んで、電動ポンプ19をW/P停止時間縮小制御モードで運転する。すなわち、上記W/Pパルス制御モードと同様に電動ポンプ19の間欠作動の周期及びそのデューティ比を制御して、電動ポンプ19を間欠的に作動させる。このように電動ポンプ19を間欠的に作動させると、冷却水回路において冷却水の流通状態が第1流通状態になる。
このW/P停止時間縮小制御モードでは、初期はウォータジャケット13,14において冷却水が小さく移動した後に直ちに停止することを繰り返すが、時間の経過とともに少量であっても連続的に流れるようになり、ウォータジャケット13,14の冷却水が入れ替わる。
続くステップS7では水温センサ28による冷却水温度の検出値thが目標下限水温th1以上かどうか判定する。この判定がNOであれば、後述のステップS8に進む一方、判定がYESで検出水温th≧th1であれば、後述のステップS9に進む。
ステップS8では電動ポンプ19をW/P停止時間拡大制御モードで運転して上記ステップS7にリターンする。すなわち、上記W/Pパルス制御モードと同様に電動ポンプ19の間欠作動の周期及びそのデューティ比を制御して、電動ポンプ19を間欠的に作動させる。このように電動ポンプ19を間欠的に作動させると、冷却水回路において冷却水の流通状態が第1流通状態になる。
このW/P停止時間拡大制御モードでは、初期はウォータジャケット13,14において冷却水が少量であっても連続的に流れるが、時間の経過とともに小さく移動した後に直ちに停止することを繰り返すようになる。
ステップS9では、今度は検出水温thが、目標下限水温th1よりも高い目標上限水温th2(この例では例えば95℃)以上かどうか判定し、YESでth≧th2であれば、後述のステップS10に進む一方、判定がNOでth<th2であれば、上記ステップS6にリターンしてW/P停止時間縮小制御モードでの運転を行う。
ステップS10では電動ポンプ19をW/P連続運転制御モードで運転する。すなわち、上記W/Pパルス制御モードと同様に電動ポンプ19の連続作動の周期及びそのデューティ比を制御して、電動ポンプ19を連続的に作動させる。このように電動ポンプ19を連続的に作動させると、冷却水回路において冷却水の流通状態が上記第1流通状態よりも冷却水の流通量が多い第2流通状態になる。
このW/P連続運転制御モードでは、ウォータジャケット13,14において冷却水が連続的に流れるようになる。
続くステップS11では、サーモスタット25をETSパルス開弁制御モードで運転する。
すなわち、まず、ETSパルス開弁制御モードにおけるサーモスタット25の間欠開弁の周期及びその開弁時の制御デューティ比をそれぞれを予め設定したテーブルから読み込む。このテーブルは、例えば、エンジン水温に応じてサーモスタット25の作動周期及びデューティ比の適値をそれぞれ実験等に基づいて決定したものであり、この例では作動周期やデューティ比は変化しないように設定されている。
そして、上記作動周期に対応する制御信号によりサーモスタット25にパルス状に出力電圧を印加して、これを間欠的に開弁させる。そうしてサーモスタット25を間欠的に開弁させると、ラジエータ15からの冷却水は、サーモスタット25の連続的な開弁時のようにウォータジャケット13,14に連続的に流入するのではなく、間欠的な開弁によってウォータジャケット13,14に間欠的に流入するようになる。
続くステップS12では水温センサ28による冷却水温度の検出値thが目標上限水温th2以上かどうか判定する。この判定がNOであれば、後述のステップS13に進む一方、判定がYESで検出水温th≧th2であれば、後述のステップS15に進む。
ステップS13では水温センサ28による冷却水温度の検出値thが目標下限水温th1以上かどうか判定する。この判定がNOであれば、後述のステップS14に進む一方、判定がYESで検出水温th≧th1であれば、上記ステップS11にリターンしてETSパルス開弁制御モードでの運転を継続する。
ステップS14では、サーモスタット25をETS開弁時間縮小制御モードで運転して上記ステップS13にリターンする。すなわち、上記ETSパルス開弁制御モードと同様にサーモスタット25の間欠開弁の周期及びそのデューティ比を制御して、サーモスタット25を間欠的に開弁させる。
このETS開弁時間縮小制御モードでは、ラジエータ15からの冷却水は、ウォータジャケット13,14に間欠的に流入するが、その流入量は、時間の経過とともに少なくなり、このことによって、冷却水温度は、時間の経過とともに高くなる。
ステップS15ではサーモスタット25をETS開弁時間拡大制御モードで運転する。すなわち、上記ETSパルス開弁制御モードと同様にサーモスタット25の間欠開弁の周期及びそのデューティ比を制御して、サーモスタット25を間欠的に開弁させる。
このETS開弁時間拡大制御モードでは、ラジエータ15からの冷却水は、ウォータジャケット13,14に間欠的に流入するが、その流入量は、時間の経過とともに多くなり、このことによって、冷却水温度は、時間の経過とともに低くなる。
続くステップS16ではサーモスタット25の作動周期がサーモスタット25の1作動周期当たりのサーモスタット25の開弁時間に等しい、即ち収束したかどうか判定する。この判定がYESで作動周期=開弁時間であれば、後述のステップS17に進む一方、判定がNOで作動周期≠開弁時間であれば、上記ステップS12にリターンしてETS開弁時間拡大制御モードでの運転を継続する。
ステップS17ではサーモスタット25をETS開弁制御モードで運転する。すなわち、サーモスタット25を連続的に開弁させる。
このETS開弁制御モードでは、ラジエータ15からの冷却水は、ウォータジャケット13,14に連続的に流入するようになる。
続くステップS18では暖機完了と判定し、電動ポンプ19をW/P通常制御モードに切り替えて、冷機時の制御は終了となる(エンド)。すなわち、上記W/P連続運転制御モードと同様に電動ポンプ19のデューティ比を制御して、電動ポンプ19を連続的に作動させる。
このW/P通常制御モードでは、ウォータジャケット13,14において冷却水が連続的に流れるようになる。
以上のようにして従来一般的な機械式ウォータポンプの場合(図8の二点鎖線のグラフ)よりも格段に早く暖機が完了する。
つまり、この実施形態では、冷間始動後のエンジン暖機を促進するために、W/Pパルス制御モードで電動ポンプ19を運転し、局所的な温度上昇を抑制しながら、ポンプ停止時と同様にエンジンからの放熱を非常に少なくするとともに、W/P停止時間縮小制御モードでの運転に切り替えて、冷却水の循環量を増やすことにより、エンジン本体部10のウォータジャケット13,14の冷却水を入れ替えるようにしている。
−効果−
以上により、本実施形態によれば、オイルポンプ31のリリーフ弁31aにより、オイルクーラ30内を流通したオイルパン32からのオイルのうちオイルパン32に戻すオイルの量を調整することでエンジン本体部10に供給されるオイルの量を調整するので、従来のように、オイルパンからのオイルのうちオイルパンに戻すオイルの量を調整することでエンジン本体部に供給されるオイルの量を調整した後に、その調量されたオイルをオイルクーラ内を流通させる場合と比較して、オイルクーラ30に供給されるオイルの量を増加させることができる。このため、オイルをオイルクーラ30において冷却水と高効率で熱交換させることができ、オイル全体の温度を上昇させることができる。よって、エンジン暖機を促進することができる。
また、上記のように、オイル全体の温度を上昇させることができるので、オイルの粘度を低減することができ、作動油圧を低下させることができる。このため、オイルクーラ30内を流通したオイルパン32からのオイルのうちオイルパン32に戻すオイルの量を低減させることができる。よって、リリーフ損失を低減することができ、エンジン暖機をより一層促進することができる。
さらに、ECU24のポンプ制御部24aにより、エンジン暖機中であって、エンジン冷間始動から設定時間t1が経過するまで、エンジン本体部10との間で冷却水を循環させるための冷却水回路において冷却水の流通状態が流通停止状態になるように電動ポンプ19を作動させる一方、エンジン暖機中であって、エンジン冷間始動から設定時間t1が経過した後、冷却水回路において冷却水の流通状態がエンジン暖機後の流通状態よりも冷却水の流通量が少ない流通状態になるように電動ポンプ19を作動させるので、エンジンの放熱を極小化することができ、エンジン暖機中においてオイルクーラ30に供給されるオイルと冷却水との温度差を大きくすることができる。このため、オイルをオイルクーラ30において冷却水とより一層高効率で熱交換させることができ、オイル全体の温度をより一層上昇させることができる。よって、エンジン暖機をより一層促進することができる。
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、冷却水のLLC濃度を通常濃度とし、冷却水の目標水温を通常水温としているが、これに限らず、例えば、冷却水のLLC濃度を上記通常濃度よりも高濃度(例えば90〜95%)とし、冷却水の目標水温を上記通常水温よりも高温(例えば120℃)としてもよい。この場合、目標下限水温th1を例えば115℃とし、目標上限水温th2を例えば125℃とする。電動ポンプ19やサーモスタット25の制御手順は、上記各実施形態とほぼ同様の制御手順である。図9のタイムチャートに、冷間始動後の電動ポンプ19の作動状態とエンジン水温の上昇とエンジン油温の上昇の関係を示す。同図の短い破線は、エンジン水温を示し、長い破線は、エンジン油温を示している。その他の線は、図8の線と同様である。
また、上記各実施形態では、電動ポンプ19やサーモスタット25を一定の周期で制御しているが、電動ポンプ19の停止時間やサーモスタット25の開弁時間を変えることができる限り、これに限定されない。例えば、それらを可変周期で制御してもよい。
さらに、上記各実施形態では、オイル調量手段をオイルポンプ31のリリーフ弁31aで構成しているが、オイルクーラ30内を流通したオイルパン32からのオイルのうちオイルパン32に戻すオイルの量を調整することでエンジン本体部10に供給されるオイルの量を調整可能なものである限り、これに限定されない。
さらにまた、上記各実施形態では、ウォータポンプを電動ポンプ19で構成しているが、従来一般的な機械式ウォータポンプで構成してもよい。
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明は、エンジン暖機中においてオイル熱交換器に供給されるオイルの量を増加してオイルをオイル熱交換器において冷却水と高効率で熱交換させることにより、エンジン暖機を促進する用途等に適用できる。
本発明の実施形態に係るエンジン冷却装置及びエンジン油温制御装置の概略構成を示す模式図である。 サーモスタットが閉じているときの冷却水の流れを示す模式図である。 サーモスタットが開いているときの冷却水の流れを示す模式図である。 電動ポンプの流量状態を示すタイムチャート図であり、(a)は、W/Pパルス制御モードでの流量状態を示す図であり、(b)は、W/P停止時間縮小制御モードでの流量状態を示す図であり、(c)は、W/P停止時間拡大制御モードでの流量状態を示す図であり、(d)は、W/P連続運転制御モードでの流量状態を示す図であり、(e)は、W/P通常制御モードでの流量状態を示す図である。 実施形態1に係るサーモスタットの開弁状態を示すタイムチャート図であり、(a)は、ETSパルス開弁制御モードでの開弁状態を示す図であり、(b)は、ETS開弁時間縮小制御モードでの開弁状態を示す図であり、(c)は、ETS開弁時間拡大制御モードでの開弁状態を示す図である。 冷間始動制御フローの一部を示すフローチャート図である。 冷間始動制御フローの一部を示すフローチャート図である。 冷間始動後の電動ポンプの運転によって、エンジン水温やエンジン油温が上昇する様子を示すタイムチャート図である。 その他の実施形態における冷間始動後の電動ポンプの運転によって、エンジン水温やエンジン油温が上昇する様子を示すタイムチャート図である。
10 エンジン本体部
11 シリンダブロック
12 シリンダヘッド
13 ウォータジャケット(冷却液回路)
14 ウォータジャケット(冷却液回路)
15 ラジエータ
16 第1通路(冷却液回路)
17 第2通路(冷却液回路)
18 バイパス通路(冷却液回路)
19 電動ポンプ
20 導入路(冷却液回路)
21 導出路(冷却液回路)
24 ECU
24a ポンプ制御部(ポンプ制御手段)
30 オイルクーラ(オイル熱交換器)
31 オイルポンプ
31a リリーフ弁(オイル調量手段)
32 オイルパン
33 第1オイル通路
34 第2オイル通路
35 第3オイル通路
B エンジン油温制御装置

Claims (3)

  1. オイルポンプによりオイルパンからエンジン本体部に供給されるオイルを、ウォータポンプにより上記エンジン本体部とラジエータとの間で又は該ラジエータを迂回して該エンジン本体部との間で循環される冷却液と熱交換させるオイル熱交換器を備えているエンジンの油温制御装置であって、
    上記オイル熱交換器内を流通した上記オイルパンからのオイルのうち上記オイルパンに戻すオイルの量を調整することで上記エンジン本体部に供給されるオイルの量を調整可能なオイル調量手段を備えていることを特徴とするエンジンの油温制御装置。
  2. 請求項1記載のエンジンの油温制御装置において、
    上記オイルパンからのオイルを上記エンジン本体部に供給するためのオイル通路には、上記オイル熱交換器の下流側に、上記オイル調量手段としてのリリーフ弁を有するオイルポンプが配設されていることを特徴とするエンジンの油温制御装置。
  3. 請求項1又は2記載のエンジンの油温制御装置において、
    上記ウォータポンプは電動ウォータポンプであり、
    エンジン暖機中であって、エンジン冷間始動から設定時間が経過するまで、上記エンジン本体部との間で冷却液を循環させるための冷却液回路において冷却液の流通状態が流通停止状態になるように上記電動ウォータポンプを作動させる一方、エンジン暖機中であって、上記設定時間が経過した後、上記冷却液回路において冷却液の流通状態がエンジン暖機完了後の流通状態よりも冷却液の流通量が少ない流通状態になるように上記電動ウォータポンプを作動させるポンプ制御手段をさらに備えていることを特徴とするエンジンの油温制御装置。
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