JP7069809B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂を含むトナー粒子を有し、
前記トナー粒子の表面の酸価が前記ポリエステル樹脂の酸価の0.3%以上1.7%以下の範囲であり、
100℃における前記トナー粒子の溶融粘度が1800Pa・s以上3800Pa・s以下である静電荷像現像用トナー。
<2>
酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂を含むトナー粒子を有し、
前記トナー粒子の表面の酸価が前記ポリエステル樹脂の酸価の0.3%以上1.7%の範囲であり、
前記トナー粒子のガラス転移温度が30℃以上55℃以下である静電荷像現像用トナー。
<3>
前記トナー粒子がNaを含有し、前記トナー粒子に対する前記Naの量が0.05質量%以上0.25質量%以下である<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用トナー。
<4>
前記トナー粒子に対する前記Naの量が0.10質量%以上0.20質量%以下である<3>に記載の静電荷像現像用トナー。
<5>
前記トナー粒子がSを含有し、前記トナー粒子に対する前記Sの量が0.06質量%以上0.15質量%以下である<1>~<4>のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー。
<6>
前記トナー粒子がAlを含有し、前記トナー粒子に対する前記Alの量が0.01質量%以上0.03質量%以下である<1>~<5>のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー。
<7>
<1>~<6>のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
<8>
<1>~<6>のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
<9>
<7>に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
<10>
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
<7>に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
<11>
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
<7>に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
<2>に係る発明によれば、酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂を含むトナー粒子を有する静電荷像現像用トナーにおいて、トナー粒子の表面の酸価がポリエステル樹脂の酸価の0.3%未満若しくは1.7%超えである場合、又はトナー粒子のガラス転移温度が30℃未満である場合に比べ、高温高湿環境下での帯電安定性の低下、及び定着画像強度の低下が抑制された静電荷像現像用トナーが提供される。
<3>、又は<4>に係る発明によれば、トナー粒子に対するNaの量が0.05質量%未満又は0.25質量%超えである場合に比べ、高温高湿環境下での帯電安定性の低下、及び定着画像強度の低下が抑制された静電荷像現像用トナーが提供される。
<5>に係る発明によれば、トナー粒子に対するSの量が0.06質量%未満又は0.15質量%超えである場合に比べ、高温高湿環境下での帯電安定性の低下、及び定着画像強度の低下が共に優れ抑制された静電荷像現像用トナーが提供される。
<6>に係る発明によれば、ナー粒子に対するAlの量が0.01質量%未満又は0.03質量%超えである場合に比べ、高温高湿環境下での帯電安定性の低下、及び定着画像強度の低下が抑制された静電荷像現像用トナーが提供される。
<7>、<8>、<9>、<10>又は<11>に係る発明によれば、酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂を含むトナー粒子を有し、する静電荷像現像用トナーにおいて、トナー粒子の表面の酸価がポリエステル樹脂の酸価の0.3%未満若しくは1.7%超えである静電荷像現像用トナーを適用した場合、100℃におけるトナー粒子の溶融粘度が1800Pa・s未満である静電荷像現像用トナーを適用した場合、又はトナー粒子のガラス転移温度が30℃未満である静電荷像現像用トナーを適用した場合に比べ、高温高湿環境下でのトナー帯電安定性に起因する画像欠陥を抑制しつつ、保管性の低下が抑制された画像を形成する静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、又は画像形成方法が提供される。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」と称する)は、酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂を含むトナー粒子を有し、トナー粒子の表面の酸価がポリエステル樹脂の酸価の0.3%以上1.7%以下の範囲である。
そして、本実施形態に係るトナーは、100℃におけるトナー粒子の溶融粘度が1800Pa・s以上3800Pa・s以下である、又はトナー粒子のガラス転移温度が30℃以上55℃以下である。
ただし、本実施形態に係るトナーは、100℃におけるトナー粒子の溶融粘度が1800Pa・s以上3800Pa・s以下であり、かつトナー粒子のガラス転移温度が30℃以上55℃以下であってもよい。
それに加え、酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂を含むトナー粒子において、トナー粒子の表面の酸価を上記範囲とした上で、100℃におけるトナー粒子の溶融粘度が1800Pa・s以上3800Pa・s以下、又はトナー粒子のガラス転移温度が30℃以上55℃以下とする。それにより、トナー粒子の強度が上がり、得られる定着画像強度も高まる。
特に、本実施形態に係るトナーは、酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂をトナー粒子に含んでも、高温高湿環境下での帯電安定性が高く、トナー粒子の強度も高いため、1)高温高湿環境下でのクリーニング性の向上、2)記録媒体の非画像部にトナー粒子が付着する現象(以下「かぶり」とも称するの抑制、3)高温高湿環境下での転写効率の安定性、4)画像濃度ムラの抑制、5)トナーが過剰に加熱されて定着部材に付着する現象(以下「ホットオフセット」とも称する)の抑制等にも寄与する。
トナー粒子は、結着樹脂としてポリエステル樹脂を含む。トナー粒子は、着色剤、離型剤、その他の添加剤を含んでもよい。
トナー粒子の表面の酸価はポリエステル樹脂の酸価の0.3%以上1.7%以下の範囲であるが、高温高湿環境下での帯電安定性の観点から、好ましくは0.4%以上1.5%以下の範囲であり、より好ましくは0.5%以上1.0%以下の範囲である。
トナーの溶融粘度には、フローテスター(島津製作所製 CFT-500)を用い、トナー1.2gをサンプラーにて円柱状にし、以下の条件で測定する。そして、各温度での流出量を1℃刻みで測定し、100℃での粘度(Pa・s)を得る。なお、測定環境は、20℃、湿度50%RHとする。
・ダイ(ノズル)の直径0.5mm、厚み1.0mm
・押し出し荷重10kgf/cm2
・プランジャー断面積1.0cm2
・初期設定温度50℃
・プレヒートタイム300sec
・昇温速度1℃/minで等速昇温
1)酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂で構成された樹脂粒子であって、表面の酸価がポリエステル樹脂の酸価の0.3%以上1.7%以下の範囲である樹脂粒子を含む分散液を用いた凝集合一法により、トナー粒子を作製する方法。なお、この樹脂粒子の製法については、後述する。
2)芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成されたコア・シェル構造のトナー粒子を凝集合一法で作製するとき、コア粒子形成用のポリエステル樹脂粒子と、シェル層形成用(追加用)のポリエステル樹脂粒子との量を調整する方法。具体的には、コア粒子形成用のポリエステル樹脂粒子量を減じ、シェル層形成用のポリエステル樹脂粒子を増加させると、トナー粒子の表面の酸価は増加する傾向がある。一方。ポリエステル粒子量を逆にすると、トナー粒子の表面の酸価は低減する傾向がある。
Naは、トナー粒子中のポリエステル樹脂のカルボキシ基と配位結合することにより、トナー粒子の溶融粘度及びトナー硬度を高める機能を有する。
Sは、界面活性剤成分であるスルホン酸塩としてスルホン酸のカウンターイオンとして陽イオンに有し、トナー粒子中のポリエステル樹脂のカルボキシル基と配位結合することにより、トナー粒子の溶融粘度及びトナー硬度を高める機能を有する。
Alは、トナー粒子中のポリエステル樹脂のカルボキシ基とイオン結合することにより、トナー粒子の溶融粘度及びトナー硬度を高める機能を有する。
そのため、トナー粒子は、Na、S、及びAlの少なくとも1種を含むことにより、定着画像強度が共に向上しやすくなる。
界面活性剤としては、例えば、凝集合一法によってトナー粒子を作製する場合に、各種の粒子を分散液中に分散させる目的で用いられる界面活性剤が挙げられる。具体的には、界面活性剤としては、硫酸エステル系、スルホン酸系、ポリアクリル酸系、リン酸エステル系、せっけん系のナトリウム塩等のアニオン性界面活性剤等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、凝集合一法によってトナー粒子を作製する場合に、凝集粒子を形成するときの分散液中のpHを調整する目的で添加されるpH調整剤が挙げられる。具体的には、pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム等が挙げられる。
凝集剤としては、例えば、凝集合一法によってトナー粒子を作製する場合に、各種の粒子を凝集させる目的で用いられる凝集剤が挙げられる。具体的には、凝集剤としては、硫硫酸ナトリウム等が挙げられる。
その他、Naの供給源となる添加剤としては、水酸化ナトリウム(NaOH)、塩化ナトリウム(NaCl)等も挙げられる。
これら添加剤量により、Na量が調整できる。また、Na量は、凝集剤を除去するためのキレート剤量、トナー粒子の洗浄度合いによっても調整できる。
界面活性剤としては、例えば、凝集合一法によってトナー粒子を作製する場合に、各種の粒子を分散液中に分散させる目的で用いられる界面活性剤が挙げられる。具体的には、界面活性剤としては、硫酸エステル系、スルホン酸系等のアニオン性界面活性剤(例えば、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等)等が挙げられる。
凝集剤としては、例えば、凝集合一法によってトナー粒子を作製する場合に、各種の粒子を凝集させる目的で用いられる凝集剤が挙げられる。具体的には、凝集剤としては、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛等が挙げられる。
これら添加剤量により、S量が調整できる。また、S量は、凝集剤を除去するためのキレート剤量、トナー粒子の洗浄度合いによっても調整できる。
凝集剤としては、例えば、凝集合一法によってトナー粒子を作製する場合に、各種の粒子を凝集させる目的で用いられる凝集剤が挙げられる。具体的には、凝集剤としては、
アルミニウム塩(例えば硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等)、アルミニウム塩重合体(例えばポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム等)が挙げられる。
これら添加剤量により、Al量が調整できる。また、Al量は、凝集剤を除去するためのキレート剤量、トナー粒子の洗浄度合い等によっても調整できる。
Na、S、及びAlの量の測定に用いる蛍光X線装置は、(株)島津製作所の蛍光X線(XRF-1500)を用い、測定条件は、管電圧40KV、管電流70mAとする。
蛍光X線強度を定量分析する試料は、対象物0.12gを加圧成型器で6t、1分間の加圧条件下で圧縮成型して得る。
そして、例えば、Na量は、ナトリウム塩(硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等)由来のNa量であることがよい。S量は、硫酸塩由来(硫酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸金属塩、硫化金属塩等)及びスルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸金属塩、ドデシル硫酸金属塩由来のS量であることがよい。Alは、アルミニウム塩(硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、水酸化アルミニウム等)由来のAl量であることがよい。
結着樹脂としては、酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満(好ましくは11mgKOH/g以上14mgKOH/g未満)のポリエステル樹脂が適用される。
ポリエステル樹脂の酸価は、JIS K0070(1992)に定める中和滴定法により測定される値である。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC-8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM-M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
他の結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α-メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2-エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
他の結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの他の結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA-3000)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理をおこなって外添剤を除去したトナー粒子を得る。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
ただし、結着樹脂として、酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂を適用する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
1)ポリエステル樹脂を熱で溶融せしめ、塩基、界面活性剤を加え、混合したのち、水媒体を投入する方法。
2)ポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解せしめ、塩基を加え中和したのち、水媒体を投入する方法。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA-700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、気流乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が-600V乃至-800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10-6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
<ポリエステル樹脂粒子分散液(A1)の調製>
ポリエステル樹脂(PE樹脂、酸価:14.9mgKOH/g)200部、水酸化カリウム20質量%水溶液10部を、二軸押出機(商品名:TEM26SS、東芝機械(株)製)の原料投入口に投入した。また、二軸押出機の4バレル目から、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15質量%水溶液(花王(株)製、ネオペレックスG-15)50部を投入した。そして、二軸押出機内で、バレル温度90℃、スクリュー回転数200rpmで溶融し、油性混合物とした。
その後、二軸押出機の5バレル目から90℃に調整した純水を100部、7バレル目から90℃に調整した純水を100部、9バレル目から90℃に調整した純水を100部添加し、油性混合物を乳化してポリエステル樹脂粒子分散液(A1)を得た。
・離型剤(日本精鑞(株)製、商品名:FNP0090、融点Tw89.7℃):270部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、有効成分量:60質量%):13.5部(有効成分として、離型剤に対して3.0質量%)
・イオン交換水:721.6部
上記の成分を混合し、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製、ゴーリンホモジナイザー)で、内液温度120℃にて、離型剤を溶解した後、分散圧力5MPaで120分間、つづいて、40MPaで360分間分散処理し、冷却して、分散液を得た。この分散液中の離型剤粒子の体積平均粒径D50vは230nmであった。その後、イオン交換水を加えて固形分濃度を20.0質量%に調整し、離型剤粒子分散液を得た。
・シアン顔料(大日精化(株)製:ECB 301):200部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンSC、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム):33部(有効成分60質量%。着色剤に対して10質量%)
・イオン交換水:750部
上記成分をすべて投入した際に液面の高さが容器の高さの1/3程度になる大きさのステンレス容器に、イオン交換水を280部とアニオン性界面活性剤33部とを入れ、充分に界面活性剤を溶解させた後、前記シアン顔料すべてを投入し、撹拌機を用いて濡れていない顔料がなくなるまで撹拌するとともに、充分に脱泡させた。
次に、脱泡後に残りのイオン交換水を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、5,000回転で10分間分散した。その後、撹拌器で1昼夜撹拌させて脱泡した。
次に、脱泡後、再度ホモジナイザーを用いて、6,000回転で10分間分散した後、撹拌器で1昼夜攪拌させて脱泡した。続けて、分散液を高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて、圧力240MPaで分散した。分散は、トータル仕込み量と装置の処理能力とから換算して10パス相当行った。
得られた分散液を72時間放置して沈殿物を除去し、イオン交換水を加えて、固形分濃度を15質量%に調整し、着色剤粒子分散液を得た。
得られた着色剤粒子分散液中の粒子の体積平均粒径D50vは115nmであった。なお、該体積平均粒径D50vはマイクロトラックにて5回測定した内の、最大値と最小値を除いた3回の測定値の平均値を用いた。
・硫酸アルミニウム粉末(浅田化学工業(株)製:17質量%硫酸アルミニウム):35部
・イオン交換水:1,965部
上記成分を容器へ投入し、30℃にて、沈殿物が消失するまで撹拌混合して凝集剤である硫酸アルミニウム水溶液を調製した。
下記の各成分を、温度計、pH計、撹拌機、ジャケットを具備した撹拌槽に入れ、10分間撹拌した。
・ポリエステル樹脂分散液(A1):635部
・着色剤粒子分散液:100部
・離型剤粒子分散液:115部
・イオン交換水:200部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム):7.0部
その後、追加用のポリエステル樹脂粒子の分散液(A1)312部を投入し、30分間保持した。その後、撹拌槽に4質量%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを9.5にした後、ジャケットの温度を上げて90℃まで昇温し、保持した。30分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE SEM)にて凝集粒子の形状及び表面性を観察したところ、4時間目で粒子の合一が確認されたので、得られたスラリーを40℃まで冷却した。冷却後のスラリーを目開き15μmの振動篩(KGC800:(株)興和工業所製)で篩分処理した後、フィルタプレス(東京エンジニアリング社製)でろ過した。その後、トナー粒子量の10倍のイオン交換水をフィルタプレス装置内のトナー粒子に通過させ、トナー粒子を洗浄した。
洗浄したトナー粒子はループ型気流式乾燥機((株)セイシン企業製 フラッシュジェットドライヤーFJD-2)を用いてサイクロン捕集で乾燥を行い、トナー粒子を得た。
・Mn-Mg-Sr系フェライト粒子(平均粒径40μm):100部
・トルエン:14部
・シクロヘキシルメタアクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(共重合質量比99:1、重量平均分子量Mw8万):2.0部
・カーボンブラック(VXC72:キャボット社製):0.12部
フェライト粒子を除く上記成分及びガラスビーズ(φ1mm、トルエンと同量)を、関西ペイント(株)製サンドミルを用いて1,200ppmで30分間撹拌し、樹脂被覆層形成用溶液とした。更に、この樹脂被覆層形成用溶液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れ減圧し、トルエンを留去/乾燥することによりキャリアを形成した。
キャリア500部に対してトナー40部を加え、V型ブレンダーで20分間ブレンドした後、目開き212μmの振動ふるいにより凝集体を除去して、現像剤を得た。
トナー粒子の表面酸価、溶融粘度、ガラス転移温度、各元素量、
トナー粒子の表面の酸価は、JIS K0070(1992年)に定められた「電位差滴定法」で測定した。
各例の現像剤(そのトナー)について、既述の方法に従って、トナー粒子の酸価、トナー粒子の溶融粘度、トナー粒子のガラス転移温度、トナー粒子の各元素量(Na量、S量、Al量)を測定した。
測定の結果を表1に示す。
各例の現像剤について、次の評価を実施した。その結果を表1に示す。
帯電安定性評価は、次の通り実施した。
高温高湿:28℃、90%RH、低温低湿:10℃、115%RHの各雰囲気下に、現像剤作製前のトナーおよびキャリアの双方をそれぞれ24時間放置した。その後、蓋付きガラスビンに、トナー濃度が6%になるように、トナーおよびキャリアを採取し、それぞれの雰囲気下でターブラ攪拌を行って、現像剤を得た。攪拌された現像剤を25℃、55%RHの条件下で、東芝社製TB200によりトナーの帯電量を測定した。そして、高温高湿環境下と低温低湿環境下とのトナーの帯電量差を調べて、下記基準で評価した。
A:トナーの帯電量差が5μC/g未満である。
B:トナーの帯電量差が5μC/g以上10μC/g未満の範囲である。
C:トナーの帯電量差が10μC/g以上である。
なお、許容できるのはBまでである。
定着画像強度評価は、次の通り実施した。
各現像剤を、富士ゼロックス社製DocuCentreColor500改造機(定着温度が可変な外部定着機で定着を行うように改造したもの)の現像器に充填した。この画像形成装置を用いて、富士ゼロックス社製カラーペーパー(J紙)に、トナー載り量13.5g/m2に調整して、ベタ画像の形成を行った。トナー画像出しした後、外部定着機を用い、ニップ幅6.5mm下、定着速度180mm/secにて定着した。
ただし、定着温度を130℃と固定してトナー画像を定着し、用紙の定着画像のソリッド部のほぼ中央に、内側に折り目を入れ、定着画像が破壊された部分をティッシュペーパーで拭い取り、白抜けした線幅を測定し、以下の評価基準で評価した。
A:白抜けした線幅が0.1mm未満のもの
B:白抜けした線幅が0.1mm以上0.2mm未満のもの
C:白抜けした線幅が0.2mm以上0.3mm以下のもの
D:白抜けした線幅が0.3mm以上0.4mm以下のもの
E:白抜けした線幅が0.4mm以上0.8mm以下のもの
F:白抜けした線幅が0.8mmを超えるもの
実施例2~9、比較例1~16におけるポリエステル樹脂粒子分散液およびトナーの製造条件を表2に示す。表2に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にして現像剤を得た。
なお、表2中、pH調整の欄は、トナーの製造において、水酸化ナトリウム水溶液を添加して調整するpHである。
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
118 露光のための開口部
117 筐体
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)
Claims (8)
- 結着樹脂に占めるポリエステル樹脂の割合が60質量%以上のトナー粒子であって、酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂を含むトナー粒子を有し、
前記トナー粒子の表面の酸価が前記ポリエステル樹脂の酸価の0.3%以上1.7%以下の範囲であり、
100℃における前記トナー粒子の溶融粘度が1800Pa・s以上3800Pa・s以下であり、
前記トナー粒子のガラス転移温度(Tg)が30℃以上55℃以下であり、
下記条件(1)~(3)のいずれか一つを満たす静電荷像現像用トナー。
条件(1) 前記トナー粒子がNaを含有し、前記トナー粒子に対する前記Naの量が0.05質量%以上0.25質量%以下である。
条件(2) 前記トナー粒子がSを含有し、前記トナー粒子に対する前記Sの量が0.06質量%以上0.15質量%以下である。
条件(3) 前記トナー粒子がAlを含有し、前記トナー粒子に対する前記Alの量が0.01質量%以上0.03質量%以下である。 - 結着樹脂に占めるポリエステル樹脂の割合が60質量%以上のトナー粒子であって、酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂を含むトナー粒子を有し、
前記トナー粒子の表面の酸価が前記ポリエステル樹脂の酸価の0.3%以上1.7%の範囲であり、
前記トナー粒子のガラス転移温度(Tg)が30℃以上55℃以下であり、
下記条件(1)~(3)のいずれか一つを満たす静電荷像現像用トナー。
条件(1) 前記トナー粒子がNaを含有し、前記トナー粒子に対する前記Naの量が0.05質量%以上0.25質量%以下である。
条件(2) 前記トナー粒子がSを含有し、前記トナー粒子に対する前記Sの量が0.06質量%以上0.15質量%以下である。
条件(3) 前記トナー粒子がAlを含有し、前記トナー粒子に対する前記Alの量が0.01質量%以上0.03質量%以下である。 - 前記トナー粒子に対する前記Naの量が0.10質量%以上0.20質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
- 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。 - 請求項4に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項4に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。 - 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項4に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
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