JP6458422B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
近年、電子写真プロセスは、情報化社会における機器の発達や通信網の充実により、複写機のみならず、オフィスのネットワークプリンター、パソコンのプリンター、オンデマンド印刷のプリンター等にも広く利用され、白黒、カラーを問わず、高画質、高速化、高信頼性、小型化、軽量化、省エネルギー性能がますます強く要求されてきている。
電子写真プロセスは、通常、光導電性物質を利用した感光体(像保持体)上に種々の手段により電気的に静電荷像を形成し、この静電荷像をトナーを用いて現像し、感光体上のトナー画像を中間転写体を介して又は直接紙等の記録媒体に転写した後、この転写画像を記録媒体に定着する、という複数の工程を経て、定着画像を形成している。
ここで、画像ノイズの発生を抑制し、画像強度が強く高画質の画像を得ることができ、且つ、消費エネルギーが少ない画像形成方法を提供するため、静電潜像担持体表面を帯電する帯電工程と、画像情報に応じた光情報を用いて、帯電された該静電潜像担持体表面を露光し潜像を形成する露光工程と、該静電潜像担持体表面に形成された潜像を、電子写真用トナーを含む電子写真用現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像工程と、該静電潜像担持体表面のトナー像を記録媒体表面に熱転写する転写工程と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着する工程と、を含む画像形成方法であって、該電子写真用トナーが、角周波数1rad/sec、30℃における貯蔵弾性率G'(30)が1×105Pa以上、損失弾性率G"(30)が1×105Pa以上であり、温度領域45〜110℃の間に融点を有し、貯蔵弾性率G'及び損失弾性率G"が、それぞれ10℃の温度範囲における変化量が2桁以上変化する区間をもち、かつ、貯蔵弾性率の常用対数を温度に対してプロットした時に、融点+20℃における貯蔵弾性率をG'(Tm+20)、融点+50℃に於ける貯蔵弾性率をG'(Tm+50)とした場合、下記式(1)を満たし、損失弾性率の常用対数を温度に対してプロットした時に、融点+20℃における損失弾性率をG"(Tm+20)、融点+50℃に於ける損失弾性率をG"(Tm+50)とした場合、下記式(2)を満たすことを特徴とする画像形成方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
式(1)|logG'(Tm+20)−logG'(Tm+50)|≦1.5
式(2)|logG"(Tm+20)−logG"(Tm+50)|≦1.5
特開2001−117260号公報
本発明は、低温定着性に優れ、画質欠陥の発生が抑制される静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
即ち、請求項1に係る発明は、
非晶性ポリエステル樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂と、スチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂と、を結着樹脂として少なくとも含有し、
前記非晶性ポリエステル樹脂と前記結晶性ポリエステル樹脂との合計に占める前記結晶性ポリエステル樹脂の割合が、12質量%以上40質量%以下であり、
貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなる温度が、30℃以上45℃以下であり、
30℃で2時間保管した後の温度X℃における貯蔵弾性率G’(熱保管前)と、温度X℃で2時間保管した後の温度X℃における貯蔵弾性率G’(熱保管後)と、の比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]が最大となる温度X’℃における、前記比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]が、3以上50以下であり、
前記非晶性ポリエステル樹脂のSP値と前記結晶性ポリエステル樹脂のSP値との差の絶対値が、0.15以上0.30以下である静電荷像現像用トナー。
請求項2に係る発明は、
前記結着樹脂に占める前記スチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂の割合が、5質量%以上25質量%以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項に係る発明は、
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
請求項に係る発明は、
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
請求項に係る発明は、
請求項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
請求項に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
請求項に係る発明は、
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
請求項1に係る発明によれば、貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなる温度が30℃以上45℃以下の範囲外であるか、又は温度X’℃における比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]が3以上50以下の範囲外である場合に比較して、低温定着性に優れ、画質欠陥の発生が抑制される静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項2に係る発明によれば、結着樹脂に占めるスチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂の割合が5質量%以上25質量%以下の範囲外である場合に比較して、低温定着性がより向上し、且つ熱保管性が向上する
請求項に係る発明によれば、貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなる温度が30℃以上45℃以下の範囲外であるか、又は温度X’℃における比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]が3以上50以下の範囲外である場合に比較して、低温定着性に優れ、画質欠陥の発生が抑制される静電荷像現像剤が提供される。
請求項に係る発明によれば、貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなる温度が30℃以上45℃以下の範囲外であるか、又は温度X’℃における比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]が3以上50以下の範囲外である場合に比較して、低温定着性に優れ、画質欠陥の発生が抑制される静電荷像現像用トナーを収容するトナーカートリッジが提供される。
請求項に係る発明によれば、貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなる温度が30℃以上45℃以下の範囲外であるか、又は温度X’℃における比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]が3以上50以下の範囲外である場合に比較して、低温定着性に優れ、画質欠陥の発生が抑制される静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジが提供される。
請求項に係る発明によれば、貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなる温度が30℃以上45℃以下の範囲外であるか、又は温度X’℃における比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]が3以上50以下の範囲外である場合に比較して、低温定着性に優れ、画質欠陥の発生が抑制される静電荷像現像剤を用いる画像形成装置が提供される。
請求項に係る発明によれば、貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなる温度が30℃以上45℃以下の範囲外であるか、又は温度X’℃における比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]が3以上50以下の範囲外である場合に比較して、低温定着性に優れ、画質欠陥の発生が抑制される静電荷像現像剤を用いる画像形成方法が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下、本発明に係る静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法の実施形態について詳細に説明する。
<静電荷像現像用トナー>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下、トナーと称することがある)は、非晶性ポリエステル樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂と、スチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂と、を結着樹脂として少なくとも含有し、前記非晶性ポリエステル樹脂と前記結晶性ポリエステル樹脂との合計に占める前記結晶性ポリエステル樹脂の割合が、12質量%以上40質量%以下であり、貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなる温度が、30℃以上45℃以下であり、温度X℃で保管する前の温度X℃における貯蔵弾性率G’(熱保管前)と、温度X℃で2時間保管した後の温度X℃における貯蔵弾性率G’(熱保管後)と、の比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]が最大となる温度X’℃における、前記比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]が、3以上50以下であるトナーである。
本実施形態に係るトナーは、低温定着性に優れ、画質欠陥の発生が抑制される。その理由は明確ではないが、以下のように推察される。
本実施形態に係るトナーは、結着樹脂として非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを含有し、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂との相溶性を調整することにより、可塑化が進みやすくなる。そのため、本実施形態に係るトナーは低温定着性に優れる。
しかし、一般に低温定着性に優れるトナーは可塑化が進んでいるため、耐熱性が悪化する傾向にあり、例えば現像器中での熱保管時にトナーが凝集し、凝集したトナーで静電荷像が現像された箇所に、白点などの画像欠陥が生ずることがある。そのため、低温定着性と画像欠陥の発生の抑制とを両立することは困難な場合がある。白点などの画像欠陥は、トナー製造時及びトナーの熱保管の際における凝集トナーの発生を抑制することで抑制されると推察される。
本実施形態では、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂との相溶性を最適化することで、トナーの軟化温度以下の条件下でトナーを熱保管した場合にトナーの貯蔵弾性率G’がより高くなる。トナーの貯蔵弾性率G’を高くすることでトナー同士の付着が抑制され、熱保管時などでのトナーの凝集体が生じにくくなる。温度X℃で保管する前の温度X℃における貯蔵弾性率G’(熱保管前)と、温度X℃で2時間保管した後の温度X℃における貯蔵弾性率G’(熱保管後)と、の比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]が最大となる温度X’℃における、前記比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]を3以上50以下となるように、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂を調整することで、両者の相溶性が最適化され、結果として、低温定着性と画像欠陥の両立が可能となると推定している。
一方、スチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂はポリエステル樹脂と相溶しにくく、トナー軟化温度以下で熱保管した場合においては、フィラーとしての機能を発現し、貯蔵弾性率G’を大きくする傾向にあり、その結果、トナー同士の融着が抑制され、耐熱性向上に効果を有する一方で、定着温度近傍などの温度領域、即ち、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とが相溶して可塑化した状態においては、スチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂はトナー中で微分散状態を取ると考えられ、スチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂がトナーの貯蔵弾性率G’に与える影響は少ない。その結果、スチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂がトナー中に存在していても、トナーの定着温度は上昇せず、低温定着を確保可能となる。
以上のことから、本実施形態に係るトナーは、低温定着性に優れ、画質欠陥の発生が抑制されるものと推察される。
本実施形態において、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂との合計に占める結晶性ポリエステル樹脂の割合は12質量%以上40質量%以下とされる。非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂との合計に占める結晶性ポリエステル樹脂の割合が12質量%未満であると、貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなる温度が高くなり、低温定着性の悪化することがある。非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂との合計に占める結晶性ポリエステル樹脂の割合が40質量%を超えると、トナーの帯電性の悪化することがある。
本実施形態において、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂との合計に占める結晶性ポリエステル樹脂の割合は、13質量%以上40質量%以下が好ましく、14質量%以上30質量%以下がより好ましく、15質量%以上25質量%以下が更に好ましい。
本実施形態において、貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなる温度は、30℃以上45℃以下とされる。貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなる温度が30℃未満であると、熱保管性が悪化することがある。トナーの熱保管性が悪化することでトナーが凝集しやすくなり、画像欠陥が生じやすくなることがある。貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなる温度が45℃を超えると、低温定着性の悪化することがある。貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなる温度は、30℃以上40℃以下が好ましい。
なお、本実施形態において貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなる温度に着目したのは、トナーの定着温度と貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなる温度との間で相関があり、貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなる温度を規定することで間接的にトナーの定着温度が規定されるためである。
本実施形態において、貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなる温度を30℃以上45℃以下の範囲内とするには、例えば、以下の方法が挙げられる。
非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂との相溶性を調整することが重要であり、非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂それぞれのモノマー構成、比率などを調整することで上記範囲内に調整が可能である。相溶性の調整において、例えばSP値などの指標を用いることも有効である。更には、非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂を複数種用いることも有効な手段である。
本実施形態において、貯蔵弾性率G’の測定はTAインスツルメンツ(株)社製レオメーター(ARES)を用いて行った。測定は試料をサンプルホルダーにセッティングし、昇温速度1℃/min、周波数1Hz、ひずみ1%以下、検出トルクを測定保証値の範囲内で行った。必要に応じて、サンプルホルダーを8mmと20mmに使い分けた。温度変化に対する貯蔵弾性率G’の変化を得た。なお解析は前記粘弾性測定装置の標準であるソフトを用いて行った。
本実施形態において、比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]が最大となる温度X’℃における前記比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]は、3以上50以下とされる。温度X’℃における比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]が3未満であると、熱保管性が悪化することがある。トナーの熱保管性が悪化することでトナーが凝集しやすくなり、画像欠陥が生じやすくなることがある。比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]が50を超えると、低温定着性の悪化することがある。温度X’℃における比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]は、3以上40以下が好ましく、5以上30以下がより好ましい。
本実施形態において、温度X℃で保管する前の温度X℃における貯蔵弾性率G’(熱保管前)、及び温度X℃で2時間保管した後の温度X℃における貯蔵弾性率G’(熱保管後)の測定は、下記方法により実施される。
温度X℃を、30℃から2.5℃刻みで60℃まで変化させ、温度X℃をX軸とし、比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]の値をY軸とするプロットを求める。当該プロットから温度X’℃を求め、温度X’℃における比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]を特定する。
本実施形態においては、比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]が最大となる温度X’℃は、50℃以上60℃以下が好ましく、53℃以上57℃以下がより好ましい。比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]が最大となる温度X’℃が50℃以上であれば、トナーの耐熱性がより向上する利点がある。
なお、本実施形態において、温度X’℃における比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]の値に着目したのは、耐熱性と低温定着性との両立が可能であることを見出したためである。
本実施形態において、温度X’℃における比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]を3以上50以下の範囲内とするには、例えば、以下の方法が挙げられる。
非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂との相溶性を調整することが重要であり、非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂それぞれのモノマー構成、比率などを調整することで上記範囲内に調整が可能である。相溶性の調整において、例えばSP値などの指標を用いることも有効である。更には、非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂を複数種用いることも有効な手段である。
本実施形態においては、貯蔵弾性率G’(熱保管後)が1.0×10Pa以上となる温度X℃は、50℃以上60℃以下が好ましく、55℃以上60℃以下がより好ましい。貯蔵弾性率G’(熱保管後)が1.0×10Pa以上となる温度X℃が50℃以上であれば、熱保管性がより向上する。トナーの熱保管性が向上することでトナーが凝集しにくくなり、画像欠陥が生じにくくなることがある。
本実施形態においては、非晶性ポリエステル樹脂のSP値と結晶性ポリエステル樹脂のSP値との差の絶対値は、0.15以上0.30以下であることが好ましく、0.20以上0.30以下であることがより好ましい。非晶性ポリエステル樹脂のSP値と結晶性ポリエステル樹脂のSP値との差の絶対値が0.15以上であることで、熱保管性がより向上する。非晶性ポリエステル樹脂のSP値と結晶性ポリエステル樹脂のSP値との差の絶対値が0.30以下であることで、低温定着がより向上する。
本実施形態において、非晶性ポリエステル樹脂として2種以上の非晶性ポリエステル樹脂が併用された場合の非晶性ポリエステル樹脂のSP値は、各非晶性ポリエステル樹脂の含有率で重み付けしたSP値の加重平均をいう。結晶性ポリエステル樹脂として2種以上の結晶性ポリエステル樹脂が併用された場合の結晶性ポリエステル樹脂のSP値は、各結晶性ポリエステル樹脂の含有率で重み付けしたSP値の加重平均をいう。
SP値(溶解性パラメーター)は、Smallの方法、Fedorsの方法など求める方法は種々あるが、本実施形態においてはFedorsの方法により求めた。この場合のSP値は下式(1)で定義される。
但し、式(1)において、SPは溶解性パラメーターを表し、△Eは凝集エネルギー(cal/mol)を表し、Vはモル体積(cm3/mol)を表し、△eiはi番目の原子又は原子団の蒸発エネルギー(cal/原子又は原子団)を表し、△viはi番目の原子又は原子団のモル体積(cm3/原子又は原子団)を表し、iは1以上の整数を表す。
なお、式(1)で表されるSP値は、慣行としてその単位がcal1/2/cm3/2となるように求められ、且つ、無次元で表記されるものである。これに加えて、本実施形態においては、2つの化合物間におけるSP値の相対的な差が意義を持つため、本実施形態においては、上記した慣行に従い求められた値を用い、無次元で表記することとした。
なお、参考までに、式(1)で示されるSP値をSI単位(J1/2/m3/2)に換算する場合には、2046を乗ずればよい。
以下、本実施形態に係るトナーの詳細について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子と、必要に応じて、外添剤と、を含んで構成される。
(トナー粒子)
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。
−結着樹脂−
本実施形態に係るトナーは、結着樹脂として非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とスチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂とを少なくとも含有する。
非晶性ポリエステル樹脂は、全結着樹脂に対して、含有量が50質量%以上88質量%以下(好ましくは60質量%以上80質量%以下)の範囲で用いることがよい。
なお、樹脂の「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを指し、具体的には、昇温速度10(℃/min)で測定した際の吸熱ピークの半値幅が10℃以内であることを指す。
一方、樹脂の「非晶性」とは、半値幅が10℃を超えること、階段状の吸熱量変化を示すこと、又は明確な吸熱ピークが認められないことを指す。
・非晶性ポリエステル樹脂
非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K−7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下がより好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
本実施形態においては、2種以上の非晶性ポリエステル樹脂を併用してもよい。この場合、最も大きなSP値を示す非晶性ポリエステル樹脂と、最も小さなSP値を示す非晶性ポリエステル樹脂との間のSP値の差の絶対値は、0.25以下が好ましく、0.01以上0.25以下がより好ましい。SP値の差の絶対値が0.25以下であれば、1種類の非晶性ポリエステル樹脂が優先的に可塑化されることが抑制され、熱保管性がより向上する。トナーの熱保管性が向上することでトナーが凝集しにくくなり、画像欠陥が生じにくくなることがある。
非晶性ポリエステル樹脂は、周知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
本実施形態において、非晶性ポリエステル樹脂のSP値の調整方法としては、非晶性ポリエステル樹脂のSP値が望ましい値となるように、非晶性ポリエステル樹脂を構成する多価カルボン酸及び多価アルコールの種類を選択する方法が挙げられる。
・結晶性ポリエステル樹脂
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。なお、結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶構造を容易に形成するため、芳香族を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族を有する重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等の二塩基酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えば主鎖部分の炭素数が7以上20以下である直鎖型脂肪族ジオール)が挙げられる。脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、脂肪族ジオールとしては、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、多価アルコールは、脂肪族ジオールの含有量を80モル%以上とすることがよく、好ましくは90モル%以上である。
結晶性ポリエステル樹脂の融解温度は、72℃以上80℃以下が好ましく、72℃以上78℃以下がより好ましく、72℃以上76℃以下がさらに好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の融解温度が72℃以上であれば、熱保管性がより向上する。トナーの熱保管性が向上することでトナーが凝集しにくくなり、画像欠陥が生じにくくなることがある。結晶性ポリエステル樹脂の融解温度が80℃以下であれば、低温定着がより向上する。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、6,000以上35,000以下が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、非晶性ポリエステル樹脂と同様に、周知の製造方法により得られる。
本実施形態において、結晶性ポリエステル樹脂のSP値の調整方法としては、結晶性ポリエステル樹脂のSP値が望ましい値となるように、結晶性ポリエステル樹脂を構成する多価カルボン酸及び多価アルコールの種類を選択する方法が挙げられる。
・スチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂
スチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂としては、スチレン系化合物由来の構造単位を含むものであれば特に限定されるものではない。スチレン系化合物由来の構造単位の元となるスチレン系化合物としては、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。スチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂は、スチレン系化合物由来の構造単位以外のその他の構造単位を含んでいてもよい。当該その他の構造単位の元となる化合物としては、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)が挙げられる。
本実施形態において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
スチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂に占めるスチレン系化合物由来の構造単位の割合は、85モル%以上100モル%以下が好ましく、85モル%以上95モル%以下がより好ましく、90モル%以上95モル%以下が更に好ましい。スチレン系化合物由来の構造単位の割合が85モル%以上であれば、樹脂のTgを高く保つことが出来、耐熱性改善の観点で利点がある。
スチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂としては、例えば、スチレン−(メタ)アクリル共重合樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂とのSP値差の観点からスチレン−(メタ)アクリル共重合樹脂が好ましい。スチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂は、一種単独でも二種以上を併用して用いてもよい。
結着樹脂に占めるスチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂の割合は、5質量%以上25質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましく、5質量%以上15質量%以下が更に好ましい。結着樹脂に占めるスチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂の割合が5質量%以上であれば、ホットオフセット等の定着特性が向上する。また、結着樹脂に占めるスチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂の割合が5質量%以上であれば、トナーの弾性が向上しやすく、熱保管性がより向上する。トナーの熱保管性が向上することでトナーが凝集しにくくなり、画像欠陥が生じにくくなることがある。結着樹脂に占めるスチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂の割合が25質量%以下であれば、低温定着性が向上する。
スチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂のガラス転移温度(Tg)は、55℃以上65℃以下が好ましく、57℃以上62℃以下がより好ましい。スチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂のガラス転移温度が55℃以上であれば、ホットオフセット等の定着特性が向上する。また、スチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂のガラス転移温度が55℃以上であれば、トナーの弾性が向上しやすく、熱保管性がより向上する。トナーの熱保管性が向上することでトナーが凝集しにくくなり、画像欠陥が生じにくくなることがある。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K−7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
スチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂の重量平均分子量(Mw)は、15,000以上35,000以下が好ましく、18,000以上28,000以下がより好ましい。
スチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂の数平均分子量(Mn)は、5,000以上15,000以下が好ましい。
スチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂の分子量分布Mw/Mnは、2.0以上4.0以下が好ましく、2.0以上3.0以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により非晶性ポリエステル樹脂の場合と同様にして測定する。
トナー粒子中に含まれるスチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂がドメインを形成している場合、スチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂により形成されるドメインの粒子径は、50nm以上150nm以下が好ましく、75nm以上120nm以下がより好ましく、90nm以上110nm以下が更に好ましい。ドメインの粒子径が50nm以上であれば、低温定着性の利点がある。ドメインの粒子径が150nm以下であれば、トナー耐熱性の利点がある。
ドメインの粒子径は、以下の方法により測定される。
トナーをエポキシ樹脂で包埋し、ミクロトームを用いて超薄切片を作製する。得られたサンプルをルテニウムまたはオスミウムなどで染色を行い、TEMにて観察することで、スチレン系化合物由来の樹脂によるドメインを観察することが可能である。
スチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂は、種々の重合方法、例えば溶液重合、沈殿重合、懸濁重合、沈殿重合、塊状重合、乳化重合により合成することができる。また重合反応は回分式、半連続式、連続式等の公知の操作で行うことができる。
結着樹脂の含有量としては、例えば,トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。
−着色剤−
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
着色剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−離型剤−
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K−7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−その他の添加剤−
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
−トナー粒子の特性等−
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)としては、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
なお、トナー粒子の各種平均粒径、及び各種粒度分布指標は、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小粒径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
トナー粒子の形状係数SF1としては、110以上150以下が好ましく、120以上140以下がより好ましい。
なお、形状係数SF1は、下記式により求められる。
式:SF1=(ML/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
(外添剤)
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
(トナーの製造方法)
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。トナー粒子の製法は、これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
具体的には、例えば、トナー粒子を凝集合一法により製造する場合、
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
以下、各工程の詳細について説明する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
−樹脂粒子分散液準備工程−
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
ここで、樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子分散液において、樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル等の一般的な分散方法が挙げられる。また、樹脂粒子の種類によっては、例えば転相乳化法を用いて樹脂粒子分散液中に樹脂粒子を分散させてもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば0.01μm以上1μm以下が好ましく、0.08μm以上0.8μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.6μm以下がさらに好ましい。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量としては、例えば、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。
なお、樹脂粒子分散液と同様にして、例えば、着色剤粒子分散液、離型剤粒子分散液も調製される。つまり、樹脂粒子分散液における粒子の体積平均粒径、分散媒、分散方法、及び粒子の含有量に関しては、着色剤粒子分散液中に分散する着色剤粒子、及び離型剤粒子分散液中に分散する離型剤粒子についても同様である。
−凝集粒子形成工程−
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度(具体的には、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度−30℃以上ガラス転移温度−10℃以下)の温度に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで撹拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤としては、例えば、混合分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、例えば無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。特に、凝集剤として金属錯体を用いた場合には、界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体等が挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
−融合・合一工程−
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
以上の工程を経て、トナー粒子が得られる。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
ここで、融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
本実施形態においては、トナー粒子の作製後、予め定められた温度条件及び加熱時間条件でトナー粒子にアニール処理を施してもよい。これにより、温度X’℃における比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]が3以上50以下となるようにトナー粒子の物性を調整してもよい。
そして、本実施形態に係るトナーは、例えば、得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えばVブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディーゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動師分機、風力師分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
被覆樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電材料等、その他添加剤を含ませてもよい。
ここで、芯材の表面に被覆樹脂を被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
<画像形成装置/画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、本実施形態に係る静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容した現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ロール22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ロール24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。なお、支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。なお、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yによって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール5Y(一次転写手段の一例)、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)6Yが順に配置されている。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で撹拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体の一例)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー画像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー画像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー画像が一次転写へ搬送されると、一次転写ロール5Yに一次転写バイアスが印加され、感光体1Yから一次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー画像に作用され、感光体1Y上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μAに制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2のユニット10M以降の一次転写ロール5M、5C、5Kに印加される一次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト内面に接する支持ロール24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された二次転写ロール(二次転写手段の一例)26とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。なお、この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれトナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。
トナー画像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。記録媒体は記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
<プロセスカートリッジ/トナーカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
なお、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、上記構成に限られず、現像装置と、その他、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される少なくとも一つと、を備える構成であってもよい。
以下、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
以下、実施例および比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」および「%」は質量基準である。
(重量平均分子量)
結着樹脂等の分子量は以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel SuperHM−M(東ソー(株)社製、15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、RI検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
(ガラス転移温度及び融解温度)
ガラス転移温度及び融解温度は、JIS K7121−1987に準拠した示差走査熱量測定により行った。この測定は、以下のように行った。
すなわち、まず自動接線処理システムを備えた島津製作所社製の示差走査熱量計(装置名:DSC−50型)に測定対象となる物質をセットし、冷却媒体として液体窒素をセットし、10℃/分の昇温速度で0℃から150℃まで加熱して(1回目の昇温過程)温度(℃)と熱量(mW)との関係を求め、次に、−10℃/分の降温速度で0℃まで冷却し、再度これを10℃/分の昇温速度で150℃まで加熱して(2回目の昇温過程)データを採取した。なお、0℃及び150℃にてそれぞれ10分間ずつ保持した。
測定装置の検出部の温度補正にはインジウムと亜鉛との混合物の融解温度を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いた。試料はアルミニウム製パンに入れ、サンプルの入ったアルミニウム製パンと対照用の空のアルミニウム製パンとをセットした。
非晶性ポリエステル樹脂及びスチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂のガラス転移温度は、2回目の昇温過程で得られたDSC曲線の吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度をもってガラス転移温度とした。
結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤の融解温度については、2回目の昇温過程で得られたDSC曲線において、吸熱量が25J/g以上であるピークのうち、最大のピーク温度を融解温度とした。
(酸価)
酸価(AV)は以下のようにして測定した。基本操作はJIS K−0070−1992に準ずる。
試料は予め樹脂のTHF不溶成分を除去して使用するか、ソックスレー抽出器によるTHF溶媒によって抽出された可溶成分を試料として使用した。試料の粉砕品1.5gを精秤し、300mlのビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合液100mlを加え溶解させた。自動滴定装置GT−100(ダイアインスツルメンツ社製)を用いて、0.1mol/lのKOHのエタノール溶液により電位差滴定を行った。この時のKOH溶液の使用量をA(ml)とし、ブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(ml)とする。これらの値から、下記式(A)により酸価を計算した。式(A)中、wは精秤した試料量、fはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)={(A−B)×f×5.61}/w ・・・ 式(A)
(非晶性ポリエステル樹脂1(Amo−1)の合成)
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物:150部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:250部
・テレフタル酸:100部
・テトラプロペニルこはく酸無水物:130部
・トリメリット酸:15部
攪拌器、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、上記モノマー成分を投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、ジオクタン酸スズを前記モノマー成分の合計量に対して0.3%投入した。窒素ガス気流下温度を235℃まで1時間かけて昇温し、3時間反応させ、反応容器内を10.0mmHgまで減圧し、攪拌反応させ、求められる分子量になった時点で反応を終了した。
得られた非晶性ポリエステル樹脂1のガラス転移温度は61℃、重量平均分子量は42,000、酸価は13mgKOH/gであった。また、SP値は9.47であった。
(非晶性ポリエステル樹脂分散液1の調製)
・Amo−1:100部
・メチルエチルケトン:60部
・イソプロピルアルコール:10部
撹拌機を備えた反応容器中に、上記成分を投入し、60℃にて溶解させた。溶解を確認した後、反応容器を35℃に冷却した後、10%アンモニア水溶液3.5部を添加した。次いで、イオン交換水300部を3時間掛けて反応容器中に滴下し、ポリエステル樹脂分散液を作成した。次いで、エバポレーターにてメチルエチルケトン、並びに、イソプロピルアルコールを除去し、非晶性ポリエステル樹脂分散液1を得た。
(非晶性ポリエステル樹脂2(Amo−2)の合成)
モノマー成分を、
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物:30部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:270部
・テレフタル酸:60部
・フマル酸:40部
・テトラプロペニルこはく酸無水物:40部
とした以外は、非晶性ポリエステル樹脂1と同様にして非晶性ポリエステル樹脂2を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂2のガラス転移温度は63℃、重量平均分子量は24,000、酸価は11mgKOH/gであった。また、SP値は9.57であった。
(非晶性ポリエステル樹脂分散液2の調製)
使用する非晶性ポリエステル樹脂をAmo-2とした以外は、非晶性ポリエステル樹脂分散液1と同様にして、非晶性ポリエステル分散液2を調液した。
(非晶性ポリエステル樹脂3(Amo−3)の合成)
モノマー成分を、
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物:240部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:260部
・テレフタル酸:150部
・トリメリット酸:15部
・テトラプロペニルこはく酸無水物:120部
とした以外は、非晶性ポリエステル樹脂1と同様にして非晶性ポリエステル樹脂3を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂3のガラス転移温度は59℃、重量平均分子量は28,000、酸価は10mgKOH/gであった。また、SP値は9.55であった。
(非晶性ポリエステル樹脂分散液3の調製)
使用する非晶性ポリエステル樹脂をAmo-3とした以外は、非晶性ポリエステル樹脂分散液1と同様にして、非晶性ポリエステル分散液3を調液した。
(非晶性ポリエステル樹脂4(Amo−4)の合成)
モノマー成分を、
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物:210部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:230部
・テレフタル酸:30部
・フマル酸:135部
とした以外は、非晶性ポリエステル樹脂1と同様にして非晶性ポリエステル樹脂4を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂4のガラス転移温度は62℃、重量平均分子量は21,000、酸価は13mgKOH/gであった。また、SP値は9.72であった。
(非晶性ポリエステル樹脂分散液4の調製)
使用する非晶性ポリエステル樹脂をAmo-4とした以外は、非晶性ポリエステル樹脂分散液1と同様にして、非晶性ポリエステル分散液4を調液した。
(非晶性ポリエステル樹脂5(Amo−5)の合成)
モノマー成分を、
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:350部
・テレフタル酸:35部
・フマル酸:90部
・テトラプロペニルこはく酸無水物:13部
とした以外は、非晶性ポリエステル樹脂1と同様にして非晶性ポリエステル樹脂5を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂5のガラス転移温度は58℃、重量平均分子量は22,000、酸価は12mgKOH/gであった。また、SP値は9.70であった。
(非晶性ポリエステル樹脂分散液5の調製)
使用する非晶性ポリエステル樹脂をAmo-5とした以外は、非晶性ポリエステル樹脂分散液1と同様にして、非晶性ポリエステル分散液5を調液した。
(非晶性ポリエステル樹脂6(Amo−6)の合成)
モノマー成分を、
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:350部
・テレフタル酸:155部
・フマル酸:6部
・テトラプロペニルこはく酸無水物:13部
とした以外は、非晶性ポリエステル樹脂1と同様にして非晶性ポリエステル樹脂6を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂6のガラス転移温度は60℃、重量平均分子量は17,000、酸価は16mgKOH/gであった。また、SP値は9.89であった。
(非晶性ポリエステル樹脂分散液6の調製)
使用する非晶性ポリエステル樹脂をAmo-6とした以外は、非晶性ポリエステル樹脂分散液1と同様にして、非晶性ポリエステル分散液6を調液した。
(結晶性ポリエステル樹脂1(Cry−1)の合成)
モノマー成分を
・1,10−デカンジカルボン酸:350部
・1,6−ヘキサンジオール:170部
撹拌器、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、上記モノマー成分を投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、ジオクタン酸スズを、前記モノマー成分100部に対して0.3部投入した。窒素ガス気流下、160℃で3時間撹拌反応させた後、温度を更に180℃まで1.5時間かけて昇温し、反応容器内を3kPaまで減圧し、所望の分子量になった時点で反応を終了して結晶性ポリエステル樹脂1を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂1の融解温度は73℃、重量平均分子量は28,000、酸価は7.5mgKOH/gであった。また、SP値は9.3であった。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液1の調製)
・Cry−1:100部
・メチルエチルケトン:60部
・イソプロピルアルコール:15部
撹拌機を備えた反応容器中に、上記成分を投入し、65℃にて溶解させた。溶解を確認した後、反応容器を60℃に冷却した後、10%アンモニア水溶液5部を添加した。次いで、イオン交換水300部を3時間掛けて反応容器中に滴下し、ポリエステル樹脂分散液を作成した。次いで、エバポレーターにてメチルエチルケトン、並びに、イソプロピルアルコールを除去し、結晶性ポリエステル樹脂分散液1を得た。
(結晶性ポリエステル樹脂2(Cry−2)の合成)
モノマー成分を、
・1,10−デカンジカルボン酸:350部
・1,9−ノナンジオール:240部
とした以外は、結晶性ポリエステル樹脂1と同様にして結晶性ポリエステル樹脂2を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂2の融解温度は78℃、重量平均分子量は33,000、酸価は6.2mgKOH/gであった。また、SP値は9.25であった。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液2の調製)
使用する結晶性ポリエステル樹脂をCry-2とした以外は、結晶性ポリエステル樹脂分散液1と同様にして、結晶性ポリエステル分散液2を調液した。
(結晶性ポリエステル樹脂3(Cry−3)の合成)
モノマー成分を、
・アジピン酸:220部
・1,10−デカンジオール:260部
とした以外は、結晶性ポリエステル樹脂1と同様にして結晶性ポリエステル樹脂3を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂3の融解温度は76℃、重量平均分子量は28,000、酸価は11.2mgKOH/gであった。また、SP値は9.4であった。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液3の調製)
使用する結晶性ポリエステル樹脂をCry-3とした以外は、結晶性ポリエステル樹脂分散液1と同様にして、結晶性ポリエステル分散液3を調液した。
(結晶性ポリエステル樹脂4(Cry−4)の合成)
モノマー成分を、
・1,10−デカンジカルボン酸:350部
・1,4−ブタンジオール:130部
とした以外は、結晶性ポリエステル樹脂1と同様にして結晶性ポリエステル樹脂4を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂4の融解温度は68℃、重量平均分子量は24,000、酸価は9.6mgKOH/gであった。また、SP値は9.4であった。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液4の調製)
使用する結晶性ポリエステル樹脂をCry-4とした以外は、結晶性ポリエステル樹脂分散液1と同様にして、結晶性ポリエステル分散液4を調液した。
(結晶性ポリエステル樹脂5(Cry−5)の合成)
モノマー成分を、
・セバシン酸:300部
・1,6−ヘキサンジオール:170部
とした以外は、結晶性ポリエステル1と同様にして結晶性ポリエステル樹脂5を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂5の融解温度は72℃、重量平均分子量は26,000、酸価は8.6mgKOH/gであった。また、SP値は9.4であった。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液5の調製)
使用する結晶性ポリエステル樹脂をCry-5とした以外は、結晶性ポリエステル樹脂分散液1と同様にして、結晶性ポリエステル分散液5を調液した。
(結晶性ポリエステル樹脂6(Cry−6)の合成)
モノマー成分を、
・1,10−デカンジカルボン酸:300部
・エチレングリコール:100部
とした以外は、結晶性ポリエステル樹脂1と同様にして結晶性ポリエステル樹脂6を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂6の融解温度は77℃、重量平均分子量は31,000、酸価は6.1mgKOH/gであった。また、SP値は9.5であった。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液6の調製)
使用する結晶性ポリエステル樹脂をCry-6とした以外は、結晶性ポリエステル樹脂分散液1と同様にして、結晶性ポリエステル分散液6を調液した。
(スチレン−アクリル共重合樹脂(St/Ac)分散液の調製)
・スチレン: 119部
・n−ブチルアクリレート : 21部
・ドデカンチオール : 2.1部
・イソプロピルアルコール : 0.88部
・アニオン界面活性剤(ダウケミカル社製、Dowfax) : 4部
・イオン交換水 : 59.2部
上記成分を容器中に投入し、ホモジナイザーを用いて乳化した(単量体乳化液A)を作製した。
一方、重合用反応容器に
・イオン交換水 : 133部
・アニオン界面活性剤(ダウケミカル社製、Dowfax) : 0.6部
上記成分を投入し、還流管を設置し、窒素を注入しながらゆっくりと撹拌し、75℃まで重合用フラスコをウォーターバスで加熱し、保持した。
この容器中に、上記単量体乳化液A10部を定量ポンプを用いて、10分間掛けて滴下した。
次いで、過硫酸アンモニウム1.05部をイオン交換水10部に溶解し、重合用フラスコ中に定量ポンプを用いて10分間掛けて滴下した。この状態で、1時間撹拌を続けた。更に、残りの単量体乳化液Aを定量ポンプを用いて、2時間掛けて滴下した。
全ての加え終わったのち、更に3時間撹拌を続け、スチレン−アクリル共重合樹脂分散液を得た。
(離型剤分散液の調製)
・炭化水素系ワックス(日本精鑞(株)社製、商品名:FNP0090、融解温度Tw=90.2℃):270部
・アニオン界面活性剤(テイカ(株)社製、テイカパワーBN2060、有効成分量:60%):13.5部(有効成分として、離型剤に対して3.0%)
・イオン交換水:700部
上記成分を混合し、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製、ゴーリンホモジナイザ)で、内液温度120℃にて離型剤を溶解した後、分散圧力5MPaで120分間、続いて40MPaで360分間分散処理し、冷却して、離型剤分散液を得た。この離型剤分散液中の粒子の体積平均粒径D50vは220nmであった。その後、イオン交換水を加えて固形分濃度が20.0%になるように調製した。
(黒着色剤(Black)分散液の調製)
・カーボンブラック(キャボットジャパン(株)製、REGAL330):200部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンSC):33部
(有効成分60%、着色剤に対して10%)
・イオン交換水:750部
上記成分をすべて投入した際に液面の高さが容器の高さの1/3になる大きさのステンレス容器に、上記成分を投入し、イオン交換水280部とアニオン界面活性剤を入れ、充分に界面活性剤を溶解させた後、前記顔料すべてを投入し、撹拌機を用いて濡れていない顔料がなくなるまで撹拌した後、残りのイオン交換水を加え、更に撹拌して充分に脱泡させた。
脱泡後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、5,000rpmで10分間分散した後、撹拌器で1昼夜撹拌させて脱泡した。脱泡後、再度ホモジナイザーを用いて、6,000rpmで10分間分散した後、撹拌器で1昼夜撹拌させて脱泡した。
脱泡後、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて、圧力240MPaで分散した。分散は、トータル仕込み量と装置の処理能力とから換算して25パス相当行った。
得られた分散液を72時間放置して沈殿物を除去し、イオン交換水を加えて、固形分濃度を15%に調整し、黒着色剤分散液を得た。この着色剤分散液中の粒子の体積平均粒径D50vは、110nmであった。
(シアン着色剤(Cyan)分散液の調製)
・シアン顔料(大日精化工業(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)) 45部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) 2部
・イオン交換水 250部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて1時間ほど分散して、シアン着色剤分散液を得た。この着色剤分散液中の粒子の体積平均粒径D50vは、150nmであった。
(マゼンタ着色剤(Magenta)分散液の調製)
・マゼンタ顔料(大日精化工業(株)製、Pigment Red 122(キナクリドン顔料)) 45部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) 5部
・イオン交換水 200部
以上を混合し、溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)により10分間分散し、マゼンタ着色剤分散液を得た。この着色剤分散液中の粒子の体積平均粒径D50vは、160nmであった。
(イエロー着色剤(Yellow)分散液の調製)
・イエロー顔料(クラリアント社製、HansaYellow2GX70) 45部
・アニオン界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 5部
・イオン交換水 180部
上記成分を混合し、溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)により10分間分散し、イエロー着色剤分散液を得た。この着色剤分散液中の粒子の体積平均粒径D50vは、130nmであった。
[実施例1]
(トナー粒子1の調製)
トナーコア成分として
・Amo−1:45.8部
・Cry−1:15.9部
・St/Ac:4部
・着色剤:11部
・離型剤:1.5部
となるように、各分散液を秤量した。各分散液を、丸型ステンレス製フラスコに投入後、固形分濃度が12.5%となるようにイオン交換水を加え、更に、硫酸アルミニウム10%水溶液6.3部を投入した。次いで、ホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で5000rpmで10分間混合及び分散した後、フラスコ内の内容物を攪拌しながら40℃まで加熱攪拌し、以降、毎分0.5℃で昇温しながら、粒径が4.5μmになったところで温度を保持した。
次いで、トナーシェル成分として
・Amo−1: 17.8部
・離型剤:3部
となるように各分散液を秤量、混合した分散液を投入し60分保持した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、凝集粒子が生成していることが確認された。エチレンジアミン四酢酸(EDTA)四ナトリウム塩(キレスト(株)製、キレスト40)を11部加えた後、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8に調整し、その後、温度を上げて82.5℃にしたのち、10分毎に硝酸でpHを0.05ずつ下げ、45分間撹拌を続けた。冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥してトナー粒子1を得た。
(トナー1の調製)
上記より得たトナー粒子1の100部に対して、疎水性シリカ(日本アエロジル株式会社製、RY50)1.5部を加え、サンプルミルを用いて13000rpmで30秒間混合した。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してトナー1を調製した。
得られたトナー1の物性等をまとめて表1及び表2に示す。
<樹脂被覆キャリアの調製>
・Mn−Mg−Sr系フェライト粒子(平均粒径40μm):100部
・トルエン:14部
・シクロヘキシルメタクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(質量比99:1、Mw80000):2.0部
・カーボンブラック(VXC72:キャボット製):0.12部
フェライト粒子を除く上記成分及びガラスビーズ(φ1mm、トルエンと同量)を、関西ペイント株式会社製サンドミルを用いて1200rpmで30分間撹拌し、樹脂被覆層形成用溶液を得た。更に、この樹脂被覆層形成用溶液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、減圧し、トルエンを留去して乾燥することにより、樹脂被覆キャリア(C)を調製した。
<現像剤の作製>
得られたトナー1の36部とキャリア414部とを、2リットルのVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、その後212μmで篩分して、現像剤1を作製した。
〔評価1:画像欠陥の評価〕
この現像剤1を富士ゼロックス社製DocuCentre Color 400 CP用の現像機中に充填した。一方、駆動用モーターを取り付けた空回し冶具を用意し、この現像機を240rpmで3時間空回しを行った。空回しを行った現像機をDocuCentre Color 400 CPにセットし、200mm×250mmのベタ画像を出力した。得られた画像の均一性を目視で判断し、画像欠陥(トナー濃度が低下している箇所/トナー濃度が高い箇所)の個数をカウントした。
評価基準は以下の通りである。結果を表2に示す。
・A:画像欠陥の個数が3個以下
・B:画像欠陥の個数が4個以上6個以下
・C:画像欠陥の個数が7個以上9個以下
・D:画像欠陥の個数が10個以上
なお、上記AからCまでで実用上の問題がないものとする。
〔評価2:低温定着性の評価〕
本実施形態の画像形成装置として富士ゼロックス社製DocuCentre Color 400 CPを用意し、該装置に搭載されている定着装置を改造し、定着温度を制御するようにした。
別途、画像形成装置として富士ゼロックス社製DocuCentre Color 400 CPを用い、記録媒体として富士ゼロックス社製J紙を用い、トナー載り量が13.5g/mになるように調整して画像形成を行い、未定着のソリッド画像(25mm×25mm)を用意した。
DocuCentre Color 400 CP改造機を用い、定着温度を100℃から200℃まで5℃きざみで昇温させ、温度ごとに搬送速度175mm/秒で未定着のソリッド画像(25mm×25mm)の定着を行った。
各温度の定着画像の画像面を谷折りして折れ目部の画像のはがれ度合いを観察し、画像がはがれた結果として折れ目部に現れる用紙の幅を測定した。該幅が0.5mm以下になった定着温度をもってMFT(最低定着温度、℃)とした。
評価基準は以下の通りである。結果を表2に示す。
・A:MFTが120℃以下となり、低温定着性を発揮する。
・B:MFTが135℃以下となり、Aより僅かに低温定着性に劣る。
・C:MFTが150℃以下となり、Aより低温定着性に乏しい。
・D:MFTが150℃以上であり、低温定着性を有さない。
なお、上記AからCまでで実用上の問題がないものとする。
[実施例2]
トナーコア成分として、
・Amo−2: 19.8部
・Amo−3: 19.8部
・Cry−2:19.9部
・St/Ac粒子: 9部
・着色剤:6部
・離型剤:1.5部
一方、トナーシェル成分として
・Amo−2: 10部
・Amo−3: 10部
・離型剤:3部
となるようにした以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子2を作製した。
得られたトナー粒子2を用いて、実施例1と同様にしてトナー2及び現像剤2を得た。トナー2及び現像剤2を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果をトナー2の物性等と共にまとめて表1及び表2に示す。
[実施例3]
トナーコア成分として、
・Amo−1: 22.1部
・Amo−4: 22.1部
・Cry−2:11.7部
・St/Ac粒子: 15部
・着色剤:7.5部
・離型剤:1.5部
一方、トナーシェル成分として
・Amo−1:8.6部
・Amo−4:8.6部
・離型剤:3部
となるようにした以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子3を作製した。
得られたトナー粒子3を用いて、実施例1と同様にしてトナー3及び現像剤3を得た。トナー3及び現像剤3を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果をトナー3の物性等と共にまとめて表1及び表2に示す。
[実施例4]
トナーコア成分として、
・Amo−1: 28.0部
・Amo−5: 28.0部
・Cry−3:17.7部
・St/Ac粒子: 5部
・着色剤:10部
・離型剤:1.5部
一方、トナーシェル成分として
・Amo−1:8.8部
・Amo−5:8.8部
・離型剤:3部
となるようにした以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子4を作製した。
得られたトナー粒子4を用いて、実施例1と同様にしてトナー4及び現像剤4を得た。トナー4及び現像剤4を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果をトナー4の物性等と共にまとめて表1及び表2に示す。
[実施例5]
トナーコア成分として、
・Amo−1:20.4部
・Amo−6:20.4部
・Cry−4:17.9部
・St/Ac粒子: 10部
・着色剤:11部
・離型剤:1.5部
一方、トナーシェル成分として
・Amo−1:7.9部
・Amo−6:7.9部
・離型剤:3部
となるようにした以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子5を作製した。
得られたトナー粒子5を用いて、実施例1と同様にしてトナー5及び現像剤5を得た。トナー5及び現像剤5を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果をトナー5の物性等と共にまとめて表1及び表2に示す。
[実施例6]
トナーコア成分として、
・Amo−1:24.5部
・Amo−2:24.5部
・Cry−1:14.9部
・St/Ac粒子: 5部
・着色剤:7.5部
・離型剤:1.5部
一方、トナーシェル成分として
・Amo−1:9.5部
・Amo−2:9.5部
・離型剤:3部
となるようにした以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子6を作製した。
得られたトナー粒子6を用いて、実施例1と同様にしてトナー6及び現像剤6を得た。トナー6及び現像剤6を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果をトナー6の物性等と共にまとめて表1及び表2に示す。
[実施例7]
トナーコア成分として、
・Amo−1:21.5部
・Amo−2:21.5部
・Cry−2:14.9部
・St/Ac粒子: 10部
・着色剤:11部
・離型剤:1.5部
一方、トナーシェル成分として
・Amo−1:8.3部
・Amo−2:8.3部
・離型剤:3部
となるようにした以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子7を作製した。
得られたトナー粒子7を用いて、実施例1と同様にしてトナー7及び現像剤7を得た。トナー7及び現像剤7を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果をトナー7の物性等と共にまとめて表1及び表2に示す。
[実施例8]
トナーコア成分として、
・Amo−3:19.8部
・Amo−2:19.8部
・Cry−2:15.5部
・St/Ac粒子: 15部
・着色剤:10部
・離型剤:1.5部
一方、トナーシェル成分として
・Amo−3:7.7部
・Amo−2:7.7部
・離型剤:3部
となるようにした以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子8を作製した。
得られたトナー粒子8を用いて、実施例1と同様にしてトナー8及び現像剤8を得た。トナー8及び現像剤8を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果をトナー8の物性等と共にまとめて表1及び表2に示す。
[実施例9]
トナーコア成分として、
・Amo−3:21.2部
・Amo−2:21.2部
・Cry−4:20.7部
・St/Ac粒子: 10部
・着色剤:6部
・離型剤:1.5部
一方、トナーシェル成分として
・Amo−3:8.2部
・Amo−2:8.2部
・離型剤:3部
となるようにした以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子9を作製した。
得られたトナー粒子9を用いて、実施例1と同様にしてトナー9及び現像剤9を得た。トナー9及び現像剤9を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果をトナー9の物性等と共にまとめて表1及び表2に示す。
[実施例10]
トナーコア成分として、
・Amo−1:23.5部
・Amo−4:23.5部
・Cry−2:14.3部
・St/Ac粒子: 10部
・着色剤:6部
・離型剤:1.5部
一方、トナーシェル成分として
・Amo−1:9.1部
・Amo−4:9.1部
・離型剤:3部
となるようにした以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子10を作製した。
得られたトナー粒子10を用いて、実施例1と同様にしてトナー10及び現像剤10を得た。トナー10及び現像剤10を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果をトナー10の物性等と共にまとめて表1及び表2に示す。
[実施例11]
トナーコア成分として、
・Amo−1:21.3部
・Amo−2:21.3部
・Cry−2:18.7部
・St/Ac粒子: 10部
・着色剤:7.5部
・離型剤:1.5部
一方、トナーシェル成分として
・Amo−1:8.3部
・Amo−2:8.3部
・離型剤:3部
となるようにした以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子11を作製した。
得られたトナー粒子11を用いて、実施例1と同様にしてトナー11及び現像剤11を得た。トナー11及び現像剤11を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果をトナー11の物性等と共にまとめて表1及び表2に示す。
[実施例12]
トナーコア成分として、
・Amo−1:21.5部
・Amo−6:21.5部
・Cry−4:14.9部
・St/Ac粒子: 15部
・着色剤:6部
・離型剤:1.5部
一方、トナーシェル成分として
・Amo−1:8.3部
・Amo−6:8.3部
・離型剤:3部
となるようにした以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子12を作製した。
得られたトナー粒子12を用いて、実施例1と同様にしてトナー12及び現像剤12を得た。トナー12及び現像剤12を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果をトナー12の物性等と共にまとめて表1及び表2に示す。
[実施例13]
トナーコア成分として、
・Amo−2:44.6部
・Cry−2:13.6部
・St/Ac粒子: 10部
・着色剤:10部
・離型剤:1.5部
一方、トナーシェル成分として
・Amo−2:17.3部
・離型剤:3部
となるようにした以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子13を作製した。
得られたトナー粒子13を用いて、実施例1と同様にしてトナー13及び現像剤13を得た。トナー13及び現像剤13を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果をトナー13の物性等と共にまとめて表1及び表2に示す。
[実施例14]
トナーコア成分として、
・Amo−1:22.3部
・Amo−5:22.3部
・Cry−2:17.5部
・St/Ac粒子: 5部
・着色剤:11部
・離型剤:1.5部
一方、トナーシェル成分として
・Amo−1:8.7部
・Amo−5:8.7部
・離型剤:3部
となるようにした以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子14を作製した。
得られたトナー粒子14を用いて、実施例1と同様にしてトナー14及び現像剤14を得た。トナー14及び現像剤14を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果をトナー14の物性等と共にまとめて表1及び表2に示す。
[実施例15]
トナーコア成分として、
・Amo−1:22.5部
・Amo−4:22.5部
・Cry−4:15.6部
・St/Ac粒子: 10部
・着色剤:7.5部
・離型剤:1.5部
一方、トナーシェル成分として
・Amo−1:8.7部
・Amo−4:8.7部
・離型剤:3部
となるようにした以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子15を作製した。
得られたトナー粒子15を用いて、実施例1と同様にしてトナー15及び現像剤15を得た。トナー15及び現像剤15を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果をトナー15の物性等と共にまとめて表1及び表2に示す。
[実施例16]
トナーコア成分として、
・Amo−1:23.1部
・Amo−5:23.1部
・Cry−2:20.3部
・St/Ac粒子: 5部
・着色剤:6部
・離型剤:1.5部
一方、トナーシェル成分として
・Amo−1:9.0部
・Amo−5:9.0部
・離型剤:3部
となるようにした以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子16を作製した。
得られたトナー粒子16を用いて、実施例1と同様にしてトナー16及び現像剤16を得た。トナー16及び現像剤16を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果をトナー16の物性等と共にまとめて表1及び表2に示す。
[比較例1]
トナーコア成分として、
・Amo−1:28.5部
・Amo−4:28.5部
・Cry−2:8.8部
・St/Ac粒子: 0部
・着色剤:7.5部
・離型剤:1.5部
一方、トナーシェル成分として
・Amo−1:11.1部
・Amo−4:11.1部
・離型剤:3部
となるようにした以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子17を作製した。
得られたトナー粒子17を用いて、実施例1と同様にしてトナー17及び現像剤17を得た。トナー17及び現像剤17を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果をトナー17の物性等と共にまとめて表1及び表2に示す。
[比較例2]
トナーコア成分として、
・Amo−1:24.1部
・Amo−4:24.1部
・Cry−2:7.5部
・St/Ac粒子: 10部
・着色剤:11部
・離型剤:1.5部
一方、トナーシェル成分として
・Amo−1:9.4部
・Amo−4:9.4部
・離型剤:3部
となるようにした以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子18を作製した。
得られたトナー粒子18を用いて、実施例1と同様にしてトナー18及び現像剤18を得た。トナー18及び現像剤18を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果をトナー18の物性等と共にまとめて表1及び表2に示す。
[比較例3]
トナーコア成分として、
・Amo−1:24.3部
・Amo−4:24.3部
・Cry−5:16.9部
・St/Ac粒子: 5部
・着色剤:6部
・離型剤:1.5部
一方、トナーシェル成分として
・Amo−1:9.5部
・Amo−4:9.5部
・離型剤:3部
となるようにした以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子19を作製した。
得られたトナー粒子19を用いて、実施例1と同様にしてトナー19及び現像剤19を得た。トナー19及び現像剤19を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果をトナー19の物性等と共にまとめて表1及び表2に示す。
[比較例4]
トナーコア成分として、
・Amo−1:23.6部
・Amo−6:23.6部
・Cry−2:9.8部
・St/Ac粒子: 10部
・着色剤:10部
・離型剤:1.5部
一方、トナーシェル成分として
・Amo−1:9.2部
・Amo−6:9.2部
・離型剤:3部
となるようにした以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子20を作製した。
得られたトナー粒子20を用いて、実施例1と同様にしてトナー20及び現像剤20を得た。トナー20及び現像剤20を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果をトナー20の物性等と共にまとめて表1及び表2に示す。
[比較例5]
トナーコア成分として、
・Amo−3:23.0部
・Amo−2:23.0部
・Cry−4:14.0部
・St/Ac粒子: 10部
・着色剤:7.5部
・離型剤:1.5部
一方、トナーシェル成分として
・Amo−3:9.0部
・Amo−2:9.0部
・離型剤:3部
となるようにした以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子21を作製した。
得られたトナー粒子21を用いて、実施例1と同様にしてトナー21及び現像剤21を得た。トナー21及び現像剤21を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果をトナー21の物性等と共にまとめて表1及び表2に示す。
[比較例6]
トナーコア成分として、
・Amo−1:21.5部
・Amo−2:21.5部
・Cry−6:14.9部
・St/Ac粒子: 10部
・着色剤:11部
・離型剤:1.5部
一方、トナーシェル成分として
・Amo−1:8.3部
・Amo−2:8.3部
・離型剤:3部
となるようにした以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子22を作製した。
得られたトナー粒子22を用いて、実施例1と同様にしてトナー22及び現像剤22を得た。トナー22及び現像剤22を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果をトナー22の物性等と共にまとめて表1及び表2に示す。
表1及び表2において、「St/Ac比率」は結着樹脂に占めるスチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂の割合を意味し、「Cry比率」は非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂との合計に占める結晶性ポリエステル樹脂の割合を意味し、「G’=1.0×10Pa温度」は貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなる温度を意味し、「G’後/G’前」は温度X’℃における、比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]の値を意味し、「熱保管温度」はX’℃の値を意味し、「Amo/Cry SP値差」は非晶性ポリエステル樹脂のSP値と結晶性ポリエステル樹脂のSP値との差の絶対値を意味し、「Amo SP値」は二種類の非晶性ポリエステル樹脂のSP値の差の絶対値を意味する。
1Y、1M、1C、1K、感光体(像保持体の一例)
2Y、2M、2C、2K、帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)

Claims (7)

  1. 非晶性ポリエステル樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂と、スチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂と、を結着樹脂として少なくとも含有し、
    前記非晶性ポリエステル樹脂と前記結晶性ポリエステル樹脂との合計に占める前記結晶性ポリエステル樹脂の割合が、12質量%以上40質量%以下であり、
    貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなる温度が、30℃以上45℃以下であり、
    30℃で2時間保管した後の温度X℃における貯蔵弾性率G’(熱保管前)と、温度X℃で2時間保管した後の温度X℃における貯蔵弾性率G’(熱保管後)と、の比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]が最大となる温度X’℃における、前記比[貯蔵弾性率G’(熱保管後)/貯蔵弾性率G’(熱保管前)]が、3以上50以下であり、
    前記非晶性ポリエステル樹脂のSP値と前記結晶性ポリエステル樹脂のSP値との差の絶対値が、0.15以上0.30以下である静電荷像現像用トナー。
  2. 前記結着樹脂に占める前記スチレン系化合物由来の構造単位を含む樹脂の割合が、5質量%以上25質量%以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
    画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
  5. 請求項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  6. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    請求項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
    を備える画像形成装置。
  7. 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
    請求項に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
    を有する画像形成方法。
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