用語「アルキル(基)」とは、炭素原子及び水素原子からなる直鎖又は分岐鎖の飽和脂肪族炭化水素基を意味し、それらは単結合により分子の残りの部分に接続する。アルキル基の非制限的な例は、メチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はtert−ブチル基などが挙げられるが、これらに限らない。
用語「薬学的に許容される」とは、それらの化合物、材料、組成物及び/又は剤形に対して安全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応又は他の問題や合併症を伴わずに、ヒト及び動物の組織と接触させて使用することに適しており、合理的な利点/危険の比と釣り合うことを意味する。
本発明の薬学的に許容される塩は、酸性基又は塩基を含有する親化合物から通常の化学的方法で合成することができる。一般的には、このような塩の調製方法は、水や有機溶媒又は両者の混合物に、遊離塩基の形態のこれらの化合物と適当の化学量論の酸とを反応させて調製することである。
本発明に係るいくつかの化合物は、水和物形態を含む、非溶媒和形態又は溶媒和形態で存在することができる。一般的に言えば、溶媒和形態と非溶媒和形態とが相当し、いずれも本発明の範囲に含まれる。本発明に係るいくつかの化合物は、多結晶形態又は非結晶形態で存在することができる。
本発明に係るいくつかの化合物は、不斉炭素原子(光心)又は二重結合を有することができる。ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体、及び単一の異性体のいずれも本発明の範囲に含まれる。
本明細書に記載のラセミ体、アンビスケールミック(ambiscalemic)及びスケールミック(scalemic)又は鏡像異性体として純粋な化合物の図式的表示法は、Maehr, J. Chem. Ed. 1985, 62:114−120からとったものである。特に断りのない限り、1つの立体中心の絶対立体配置は、楔形結合及び点線結合で表される。本明細書に記載の前記化合物にオレフィン二重結合又は他の幾不斉中心を含む場合、特に断りのない限り、それらはE、Z幾何異性体を含む。類似的に、全ての互変異性形態は、いずれも本発明の範囲に含まれる。
本発明に係る化合物は、特定の幾何異性体又は立体異性体の形態で存在してもよい。本発明に想定された全ての化合物は、シス及びトランス異性体、(−)−及び(+)−鏡像異性体、(R)−及び(S)−鏡像異性体、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体と、それらのラセミ体混合物及び他の混合物とを含み、例えば、鏡像異性体又はジアステレオマーに富む混合物である。これらの混合物は、いずれも本発明の範囲に含まれる。アルキル基などの置換基に他の不斉炭素原子が存在してもよい。これらの異性体の全て及びそれらの混合物は、いずれも本発明の範囲に含まれる。
キラル合成又はキラル試薬、あるいは他の通常の技術により、光学活性の(R)−及び(S)−異性体、並びにD及びL異性体を調製することができる。本発明のある化合物の1種の鏡像異性体を取得しようとする場合、不斉合成、又はキラル補助剤を有する誘導作用により調製することができ、取得されたジアステレオマー混合物を分離し、補助基を切断させて所望の純粋な鏡像異性体を提供する。あるいは、分子に塩基性官能基(例えば、アミノ基)又は酸性官能基(例えば、カルボキシル基)を含む場合、適当な光学活性の酸又は塩基とジアステレオマー塩を形成し、次に本分野に周知の分別結晶法又はクロマトグラフィーによりジアステレオマーを分割し、その後、回収して純粋な鏡像異性体を得る。なお、鏡像異性体とジアステレオマーとの分離は、通常、クロマトグラフィーにより完成され、前記クロマトグラフィーは、キラル固定相を採用し、且つ必要に応じて化学誘導体化とを組み合わせる(例えば、アミンによりカルバミン酸塩を生成する)。
用語「薬学的に許容される担体(キャリア)」とは、生体に対して顕著な刺激作用がなく、且つ活性化合物の生物学的活性や性能を損なうことのない担体を意味する。また、「医薬的に許容され得る担体」とは、活性成分と一緒に投与される、活性成分の投薬に有利な不活性物質を意味し、中国国家食品薬品監督管理局に許可されてヒトや動物(例えば、家畜)に用いられる任意の許容された流動促進剤、甘味剤、希釈剤、防食剤、染料/着色剤、矯味補強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、崩壊剤、懸濁剤、安定化剤、等張化剤、溶剤、又は乳化剤が挙げられるが、これらに限定されない。前記担体の非制限的な例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、各種類の糖及び各種類の澱粉、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、並びにポリグリコールなどが挙げられる。担体の他の情報は、「Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Ed., Lippincott, Williams & Wilkins (2005)」を参考することができ、当該文献の内容は、援用により本明細書に組み込まれる。
薬物又は薬理活性剤について、用語「有効量」又は「治療有効量」は、無毒なのに望ましい効果を達成可能な薬物・薬剤の十分な投与量を意味する。本発明に係る経口剤形について、組成物における1種の活性物質の「有効量」とは、当該組成物におけるその他の活性物質と併用する際に望ましい効果を達成するために必要な用量を意味する。有効量の決定は、個人差があり、受験者の年齢及び一般的な状況に依存し、具体的な活性物質にも依存して変化し、個別のケースに適合な有効量は、当業者により通常の実験に基づいて決定される。
用語「活性成分」、「治療剤」、「活性物質」又は「活性剤」は、標的の不調(障害)、病気又は病症を効果的に治療可能な化学実体(chemical entity)を意味する。
用語「患者」、又は「対象(個体)」には、ヒトや動物、例えば哺乳類(例えば、霊長類、牛、馬、豚、犬、猫、マウス、ラット、兔、山羊、綿羊及び禽類など)を含む。
本発明の別の態様では、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、及び1種以上の薬学的に許可される担体又は賦形剤を含有する医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物は、1種以上の付加的な治療剤をさらに含有してもよい。
本発明の別の態様では、本発明に記載の式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩或いはそれらの医薬組成物を必要のある対象に投与することを含むEGFR媒介性疾患の治療方法を提供する。
本発明の他の態様では、本発明に記載の式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩或いはそれらの医薬組成物の、EGFR媒介性疾患を治療するための医薬の製造における使用を提供する。
本発明のいくつかの実施形態において、前記EGFR媒介性疾患はEGFR−L858RとEGFR−T790Mとの活性化二重突然変異媒介性疾患からなる群より選ばれる。
本発明のいくつかの実施形態において、前記EGFR媒介性疾患は癌であり、前記癌は、卵巣癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、乳癌、膵臓癌、神経膠腫、膠芽細胞腫、悪性黒色腫、前立腺癌、白血病、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胃癌、肺癌、肝細胞癌、胃癌、消化管間質腫瘍、甲状腺癌、胆管癌、子宮内膜癌、腎癌、未分化大細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫癌、悪性黒色腫、及び中皮腫からなる群より選ばれ、その中で、前記肺癌は非小細胞肺癌、小細胞肺癌、肺腺癌、及び肺扁平上皮癌からなる群より選ばれてよい。
本発明の医薬組成物は、本発明に係る化合物又はその塩と、適当な薬学的に許容される担体とを組み合わせて製造でき、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、粉剤、顆粒剤、クリーム剤、乳剤、懸濁剤、液剤、座薬、注射剤、吸入剤、ゲル剤、マイクロスフェア又はエアゾールなどのような固体、半固体、液体又は気体の製剤として調製できる。
本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩或いはそれらの医薬組成物の典型的な投与経路は、経口投与、直腸投与、経粘膜投与、経腸投与、又は局所投与、経皮投与、吸入投与、腸管外投与、舌下投与、膣内投与、鼻内投与、眼内投与、腹膜内投与、筋肉内投与、皮下投与、又は静脈内投与を含むが、これらに限らない。
経口投与については、活性化合物と当該技術分野で周知の医薬的に許容され得る担体とを混合して当該医薬組成物を調製してもよい。これらの担体は、本発明の化合物を、錠剤、丸剤、トローチ剤、糖衣剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、懸濁剤等として調製されて患者の経口投与に用いられてもよい。
例えば、下記の方法により得ることができ、すなわち、前記活性化合物と固体賦形剤とを混合し、必要に応じて、得られた混合物をパンミリングし、必要とすれば他の適当な助剤を加え、そして当該混合物を顆粒に加工して錠剤や糖衣剤のコアを得る。適当な助剤は、粘着剤、希釈剤、崩壊剤、滑沢剤、流動促進剤、甘味剤、及び/又は矯味剤等が挙げられれるが、これらに限定されない。例えば、微結晶性セルロース、グルコース溶液、アラビアゴム粘液、ゼラチン溶液、スクロース、及び/又はデンプンペースト;タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、及び/又はステアリン酸;ラクトース、スクロース、デンプン、マンニトール、ソルビトール、及び/又はリン酸二カルシウム;シリカ;クロスカルメロースナトリウム、アルファ化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、メチルセルロース、寒天、カルボキシメチルセルロース、及び/又は架橋ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。薬務において周知の方法により、必要に応じて糖衣錠のコアに対して、特に腸溶コーティングを用いてコーティングしてもよい。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩は、例えば、経口又は非経口(例えば、静脈内)のような任意の適用的な経路及び方法によって投与することができる。式(I)で表される化合物の治療有効量は、約0.0001〜20mg/Kg体重/日、例えば0.001〜10mg/Kg体重/日である。
いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物の投与量(用量)頻度は、患者個体のニーズによって決定され、例えば、1日1回又は2回、或いは1日複数回である。投与は間欠的であってもよく、例えば、そのうち、数日の期間にわたって患者が式(I)で表される化合物の日用量を受けており、そして数日の期間にわたって患者が式(I)で表される化合物の日用量を受けていない。
本発明の化合物は、下記に記載の具体的な実施形態、及びそれと他の化学合成方法との組合せでなる実施形態、並びに当業者に周知の均等な形態を含む、当業者に周知の多種類の合成方法により調製することができる。具体的な実施形態には本発明の実施例を含むが、これらに限定されるものではない。
本発明の具体的実施形態の化学反応は、適当な溶剤において達成され、当該溶剤は、本発明の化学変化とその所望の試薬及び材料に適合させなければならない。当業者は、本発明の化合物を得るために、既存の実施形態に基づいて合成ステップや反応スキームを変更したり選択したりする必要となる場合がある。
式(II)で表される化合物及び式(III)で表される化合物を始めて、まず、式(II)で表される化合物のベンゼン環におけるアミノ基と、式(III)で表される化合物のピリミジンにおける塩素原子との置換反応を発生し、次に、式(IV)で表される化合物がカルボニル基を構築し且つ環構造を形成して式(V)で表される化合物を得、式(V)で表される化合物がR6と連続して式(VI)で表される化合物を得、式(VI)で表される化合物のピリミジン環における塩素原子と、式(VII)で表される化合物のベンゼン環におけるアミノ基とを反応して式(VIII)で表される化合物を得、式(VIII)で表される化合物と側鎖R4とを連続して式(IX)で表される化合物を得、式(IX)化合物のニトロ基が還元されてアミノ基を得、その後、式(XI)で表される化合物とがアミド結合を形成して最終生成物である式(I−a)で表される化合物を得る。
式(XII)で表される化合物及び式(III)で表される化合物を始めて、まず、式(XII)で表される化合物のベンゼン環におけるアミノ基と、式(III)で表される化合物のピリミジンにおける塩素原子との置換反応を発生し、次に、式(XIII)で表される化合物がメチル基を脱離して式(XIV)で表される化合物を得、式(XIV)で表される化合物がカルボニル基を構築し且つ環構造を形成して式(XV)で表される化合物を得、式(XV)で表される化合物のピリミジン環における塩素原子と、式(VII)で表される化合物のベンゼン環におけるアミノ基とを置換反応して式(XVI)で表される化合物を得、式(XVI)で表される化合物と側鎖R4とを連続して式(XVII)で表される化合物を得、式(XVII)化合物のニトロ基が還元されてアミノ基を得、その後、式(XI)で表される化合物とがアミド結合を形成して最終生成物である式(I−b)で表される化合物を得る。
本発明の一部の実施形態において、当業者は、スキーム1やスキーム2におけるステップに従い、それらに厳密に従わなくてもよく調製することができる。最終生成物の構造に基づいて、スキーム1やスキーム2に対してステップを追加したり削除したりしてもよく、各ステップの順序をも変更してもよく、いずれも本発明の範囲に該当している。
本発明に使用された全ての溶媒は、市販品であり、さらなる精製の必要がないままで使用することができる。水及び/又は酸素に敏感な実験に関する全ての操作は、いずれも予め乾燥されたガラス装置において窒素雰囲気下で行われる。他に断らない限り、全ての原料はいずれも市販されているものであり、且つ使用前にさらなる精製を行わない。本発明に用いられるカラムクロマトグラフィは、青島海洋化工所製のシリコーンゲル(200〜300メッシュ)を用いた。薄層クロマトグラフィは、E.Merck社製の塗装済みクロマトグラフィ板(シリコーンゲル60PF254、0.25mm)を用いた。核磁気共鳴分析はVarian VNMRS−400核磁気共鳴分光計を用い、化学シフトはテトラメチルシラン(TMS=δ 0.00)を内部標準とし、H-NMRスペクトルデータの記録形式は、陽子数、ピークパターン(s:シングレット、d:ダブレット、t:トリプレット、q:カルテット、m:マルチプレット)、結合定数(Hzを単位とする)である。
本発明は、次の略語を用いる。すなわち、DMFはN,N−ジメチルホルムアミドを示し、NMPはN−メチルピロリドンを示し、DCMはジクロロメタンを示し、PEは石油エーテルを示し、EAは酢酸エチルを示し、MeOHはメタノールを示し、Pd2(dba)3はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを示し、TsOHはp−トルエンスルホン酸を示し、BINAPは(±)−2,2’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルを示す。
以下、具体的な実施例に基づいて、当業者に本発明をより明確に理解させて実施することを目的とする。これらは、本発明の範囲に対して制限するものではなく、本発明の例示的な説明及び典型的な代表に過ぎないと理解されるべきである。
実施例1
N−(2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシ−5−(4−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド塩酸塩
ステップ1: N
1−(2−クロロピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン
オルトフェニレンジアミン(3.24g、30mmol)と2,4−ジクロロピリミジン(4.47g、30mmol)とを、無水エタノール(60mL)に分散し、ジイソプピルエチルアミン(7.74g、60mmol)を加え、得られた混合物を3時間加熱還流した。得られた混合物に対して減圧濃縮により溶剤を除去し、残留物をジクロロメタン(100mL)に溶解し、水で洗浄し、そして飽和食塩水で洗浄し、そして減圧濃縮により溶剤を除去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィ(EA:PE=1:2)により分離して表題化合物(5.32g、80%)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 8.08 (1H, d, J = 5.6 Hz ), 7.20−7.12 (2H, m), 6.85−6.78 (2H, m), 6.74 (1H, s), 6.24 (1H, d, J = 5.6 Hz ), 3.82 (2H, br)。
ステップ2: 1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
N
1−(2−クロロピリミジン−4−イル)フェニル−1,2−ジアミン(2.21g、10mmol)をDMF(15mL)に溶解し、カルボニルジイミダゾール(2.43g、15mmol)を加え、室温で1時間撹拌し、水(50mL)に注入し、10分間撹拌して続けた。得られた混合物を吸引ろ過し、ろ過ケーキを水(30mL×3)で洗浄し、乾燥して表題化合物(2.23g、90%)を得た。
1H NMR (DMSO−d6): δ 11.64 (1H, br), 8.78 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.43 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.26 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.22−7.10 (3H, m)。
ステップ3: 1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン(600mg、2.43mmol)を無水DMF(10mL)に分散し、氷水浴中で冷却した。水素化ナトリウム(116mg、60%、2.90mmol)を加え、1時間撹拌し、ヨードメタン(345mg、2.43mmol)を滴下し、1時間撹拌して続けた。反応液を水(50mL)に注入し、得られた混合物を30分間撹拌して吸引ろ過し、ろ過ケーキを水(30mL×3)で洗浄し、乾燥して表題化合物(459mg、72%)を得た。
1H NMR (DMSO−d6): δ 8.79 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.44 (1H, d, J = 6.0 Hz), 8.29 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.30−7.28 (2H, m), 7.24−7.19 (1H, m), 3.39 (3H, s)。
ステップ4: 1−(2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンp−トルエンスルホン酸塩
1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン(459mg、1.76mmol)、4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロアニリン(360mg、1.93mmol)、及びp−トルエンスルホン酸一水合物(551mg、2.89mmol)を、2−ペンタノール(10mL)に分散し、反応混合物を105℃で一晩撹拌した。冷却後、該混合物を吸引ろ過し、ろ過ケーキを少量の2−ペンタノールで3回洗浄し、乾燥して表題化合物(440mg、43%)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 10.95 (1H, br), 8.49 (1H, d, J = 7.6 Hz), 8.39 (1H, d, J = 7.2 Hz), 8.21 (1H, d, J = 7.2 Hz), 7.87 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.68 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.28−7.23 (2H, m), 7.04 (2H, d, J = 7.6 Hz), 6.91−6.85 (2H, m), 3.92(3H, s), 3.46(3H, s), 2.38(3H, s)。
ステップ5: 1−(2−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
1−(2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンp−トルエンスルホン酸塩(440mg、0.76mmol)を、NMP(5mL)に溶解し、ジイソプピルエチルアミン(206mg、1.59mmol)及びN
1,N
1,N
2−トリメチルエタン−1,2−ジアミン(116mg、1.14mmol)を加え、反応混合物を85℃で一晩撹拌した。反応液を冷却した後、水(50mL)に注入し、得られた混合物を吸引ろ過し、ろ過ケーキを少量のメタノールで濯ぎ洗い、乾燥して表題化合物(326mg、88%)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 8.92 (1H, s), 8.51 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.27 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.82 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.47 (1H, s), 7.29−7.19 (1H, m), 7.17−7.13 (1H, m), 7.04 (1H, d, J = 7.6 Hz), 6.69 (1H, s), 3.98(3H, s), 3.47(3H, s), 3.27 (2H, t, J = 7.2Hz), 2.89 (3H, s), 2.88 (2H, t, J = 7.2Hz), 2.26 (6H, s)。
ステップ6: 1−(2−(5−アミノ−4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
1−(2−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン(326mg、0.66mmol)をメタノール(10mL)に溶解し、Pd/C(10%、30mg)を加え、水素ガスで空気雰囲気を3回置換し、この反応系を水素雰囲気下で一晩撹拌し、吸引ろ過し、生成物が酸化されやすいため、得られたろ液を急速に減圧濃縮し、次ステップの反応に直接に投入した。
ステップ7: N−(2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシ−5−(4−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド塩酸塩
上記ステップの反応で得られた1−(2−(5−アミノ−4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンを無水ジクロロメタン(10mL)に溶解し、ジイソプピルエチルアミン(129mg、1.00mmol)を加え、氷水浴中で冷却した。アクリロイルクロリド(60mg、0.66mmol)を溶解した無水ジクロロメタン(2mL)溶液を、15分間かかって反応系にゆっくりと滴下した。15分間撹拌して続けた後、反応液を石油エーテル(50mL)に注入し、10分間撹拌した。得られた混合物を吸引ろ過し、石油エーテルでろ過ケーキを濯ぎ洗った。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィ(DCM:MeOH=20:1)により分離して表題化合物(164mg、2つのステップの合わせた収率45%)を得た。
1H NMR (DMSO−d6): δ 10.15 (1H, br), 9.72 (1H, br), 8.70 (1H, s), 8.41 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.16−8.12 (2H, m), 7.67 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.22−712 (2H, m), 6.99−6.92 (3H, m), 6.19 (1H, dd, J = 2.0 Hz, 17.2 Hz), 5.68 (1H, dd, J = 2.0Hz, 10.4 Hz), 3.77 (3H, s), 3.34 (3H, s), 3. 28 (4H, br), 2.72 (6H, s), 2.60 (3H, s)。
実施例2
N−(2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシ−5−(4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド塩酸塩
ステップ1: 1−(2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンp−トルエンスルホン酸塩
実施例1のステップ4に記載のと類似の方法を用いて、1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン、及び4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロアニリンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (DMSO−d6): δ 11.47 (1H, s), 9.12 (1H, s), 8.62 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.50 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.16−8.14 (1H, m), 7.82 (1H, d, J =5.6 Hz), 7.47−7.40 (3H, m), 7.15−7.09 (3H, m), 7.04 (1H, d, J = 7.6 Hz), 6.95−6.91 (1H, m), 3.96 (3H, s), 2.27 (3H, s)。
ステップ2: 1−(2−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
実施例1のステップ5に記載のと類似の方法を用いて、1−(2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンp−トルエンスルホン酸塩により表題化合物を合成した。
1H NMR (DMSO−d6): δ 11.39 (1H, s), 8.72 (1H, s), 8.42 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.12−8.03 (2H, m), 7.68 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.11−7.07 (1H, m), 7.02−7.00 (1H, m), 6.88−6.84 (1H, m), 6.81 (1H, s), 3.87 (3H, s), 3.28 (2H, t, J = 6.8 Hz), 2.85 (3H, s), 2.46 (2H, t, J = 6.8 Hz), 2.15 (6H, s)。
ステップ3: N−(2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシ−5−(4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド塩酸塩
実施例1のステップ6、7に記載のと類似の方法を用いて、1−(2−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (MeOD): δ 8.46 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.28 (1H, s), 8.14 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.70 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.12−7.06 (2H, m), 7.03−7.99 (1H, m), 6.97 (1H, s), 6.51−6.38 (2H, m), 5.83−5.80 (1H, m), 3.97 (3H, s), 3.45 (2H, br), 3.21 (2H, br), 2.81 (6H, s), 2.71 (3H, s)。
実施例3
N−(5−(5−クロロ−4−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)アクリルアミド塩酸塩
ステップ1: N
1−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン
実施例1のステップ1に記載のと類似の方法を用いて、2,4,5−トリクロロピリミジン及びオルトフェニレンジアミンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 8.18 (1H, s), 7.46 (1H, dd, J = 1.6 Hz, 7.2Hz), 7.15−7.11 (2H, m), 6.91−6.86 (2H, m), 3.67 (2H, br)。
ステップ2: 1−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
N
1−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン(100mg、0.39mmol)を酢酸エチル(5mL)に溶解し、ジイソプピルエチルアミン(151mg、1.17mmol)を加え、氷水浴中で冷却した。トリホスゲン(71mg、0.24mmol)をバッチで加え、室温まで自然昇温し、1時間撹拌して続けた。飽和炭酸水素ナトリウム溶液(10mL)を加え、10分間撹拌して続け、酢酸エチル(20mL×2)で抽出し、有機相を合わせた。有機相を飽和食塩水で洗浄し、減圧濃縮により溶剤を除去し、表題化合物(105mg、95%)を得た。
1H NMR (DMSO−d6): δ 11.44 (1H, br), 9.16 (1H, s), 7.20−7.04 (4H, m)。
ステップ3: 1−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
実施例1のステップ3に記載のと類似の方法を用いて、1−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 8.80 (1H, s), 7.27−7.23 (2H, m), 7.18−7.16 (1H, m), 7.06 (1H, d, J = 8.0Hz), 3.48 (3H, s )。
ステップ4: 1−(5−クロロ−2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
1−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン(50mg、0.17mmol)、4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロアニリン(63mg、0.34mmol)、BINAP(11mg、0.017mmol)、及び炭酸セシウム(110mg、0.34mmol)を、無水トルエン(5mL)に分散し、窒素ガスを20分間バブリングした後Pd
2(dba)
3(8mg、0.008mmol)を加えた。マイクロ波反応器(100W、100℃)において、反応系を1時間反応させ、減圧濃縮により溶剤を除去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィ(DCM to DCM:EA=20:1)により分離して表題化合物(54mg、72%)を得た。
1H NMR (CDCl3): 9.31 (1H, s), 8.02 (1H, s), 8.55 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.33 (1H, d, J = 13.6 Hz), 7.25 (1H, d, J = 7.2 Hz), 7.21−7.16 (2H, m), 6.78 (1H, d, J = 12.0 Hz), 3.97 (3H, s), 3.43 (3H, s)。
ステップ5: 1−(5−クロロ−2−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
実施例1のステップ5に記載のと類似の方法を用いて、1−(5−クロロ−2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 8.88 (1H, s), 8.59 (1H, s), 7.69 (1H, s), 7.25−7.19 (2H, m), 7.16−7.14 (1H, m), 7.05 (1H, d, J = 7.2 Hz), 6.65 (1H, s), 3.95 (3H, s), 3.49 (3H, s) 3.25 (2H, t, J = 7.2 Hz ), 2.56 (3H, s ), 2.54 (2H, t, J = 7.2 Hz ), 2.25 (6H, s )。
ステップ6: 1−(2−(5−アミノ−4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシフェニルアミノ)−5−クロロピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
1−(5−クロロ−2−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン(320mg、0.61mmol)、鉄粉末(139mg、2.48mmol)、及び塩化アンモニウム(50mg、0.93mmol)を、エタノール/水(8mL/4mL)の混合溶液に分散した。反応系を80℃で3時間激しく撹拌し、冷却した後、ろ過し、有機溶剤を真空下で除去した。得られたものに水(20mL)、酢酸エチル(20mL×3)を加えて抽出した。得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、減圧濃縮により溶剤を除去して表題化合物を得、直接に次ステップの反応に用いた。
ステップ7: N−(5−(5−クロロ−4−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)アクリルアミド塩酸塩
実施例1のステップ7に記載のと類似の方法を用いて、1−(5−クロロ−2−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (DMSO−d6): δ 10.15 (1H, br), 9.68 (1H, br), 9.05 (1H, s), 8.66 (1H, s), 8.11 (1H, s), 7.23−7.20 (1H, m), 7.15−7.09 (2H, m), 7.05−6.99 (2H, m), 6.89 (1H, s), 6.41 (1H, dd, J = 2.0 Hz, 16.8 Hz), 5.70 (1H, dd, J = 2.0 Hz, 10.0 Hz), 3.79 (3H, s), 3.35 (3H, s), 3.28 (2H, br), 2.65 (6H, s), 2.55(5H, s)。
実施例4
N−(5−(5−クロロ−4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)アクリルアミド塩酸塩
ステップ1: 1−(5−クロロ−2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
実施例3ステップ4に記載のと類似の方法を用いて、1−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン及び4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロアニリンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3): 9.24 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.68 (1H, s), 8.45 (1H, s), 7.83 (1H, s), 7.34 (1H, s), 7.22−7.10 (3H, m), 6.78 (1H, d, J = 12.0 Hz), 4.02 (3H, s)。
ステップ2: 1−(5−クロロ−2−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
1H NMR (CDCl
3): δ 8.94 (1H, s), 8.66 (1H, s), 8.38 (1H, br), 7.84 (1H, s), 7.23−7.13 (4H, m), 4.05 (3H, s), 3.56 (2H, br), 3.08 (2H, br), 2.89 (3H, s) 2.69 (6H, s)。
実施例1のステップ5に記載のと類似の方法を用いて、1−(5−クロロ−2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンにより表題化合物を合成した。
ステップ3: N−(5−(5−クロロ−4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)アクリルアミド塩酸塩
実施例3のステップ6、7に記載のと類似の方法を用いて、1−(5−クロロ−2−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 12.20 (1H, br), 9.35 (1H, br), 9.17 (1H, br), 8.64 (1H, s), 8.41 (1H, br), 7.69 (1H, s), 7.21−7.16 (1H, m), 7.13−7.07 (3H, m), 6.67 (1H, s), 6.42 (1H, dd, J = 1.6 Hz, 16.8 Hz), 5.71 (1H, d, J = 11.6 Hz), 3.84 (3H, s), 3.24 (2H, br), 3.08 (2H, br), 2.72 (9H, br)。
実施例5
N−(2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシ−5−(4−(2−オキソベンゾ[d]オキサゾール−3(2H)−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド塩酸塩
ステップ1: 2−クロロ−N−(2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミン
実施例1のステップ1に記載のと類似の方法を用いて、オルソメトキシアニリン及び2,4−ジクロロピリミジンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 8.14 (1H, d, J = 5.6 Hz ), 7.83 (1H, br), 7.27 (1H, m), 7.17−7.13 (1H, m), 7.04−6.99 (1H, m), 6.96−6.94(1H, m), 6.63−6.62 (1H, d, J = 6.0 Hz ), 3.89 (3H, s)。
ステップ2: 2−(2−クロロピリミジン−4−イルアミノ)フェノール
2−クロロ−N−(2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミン(100mg、0.42mmol)を無水ジクロロメタン(3mL)に溶解し、氷水浴中で冷却した。三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(2.5mL、2.12mmol)をゆっくりと滴下し、室温まで自然昇温し、2時間撹拌して続けた。飽和塩化アンモニウム溶液を加えて反応をクエンチし、ジクロロメタン(20mL×3)で抽出し、有機相を合わせて飽和食塩水で洗浄し、溶剤を真空下で除去して表題化合物(84mg、89%)を得た。
1H NMR (DMSO−d6): δ 9.85 (1H, s ), 9.31 (1H, s), 8.07 (1H, d, J = 6.0 Hz), 7.57 (1H, br), 7.05−7.01 (1H, m), 6.93(1H, d, J = 8.0 Hz), 6.84−6.80 (1H, m), 6.66 (1H, br)。
ステップ3: 3−(2−クロロピリミジン−4−イル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
実施例3ステップ2に記載のと類似の方法を用いて、2−(2−クロロピリミジン−4−イルアミノ)フェノールにより表題化合物を合成した。
1H NMR (DMSO−d6): δ 8.87 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.25−8.19 (2H, m), 7.49(1H, d, J = 7.6 Hz), 7.39−7.30 (2H, m )。
ステップ4: 3−(2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンp−トルエンスルホン酸塩
実施例1のステップ4に記載のと類似の方法を用いて、3−(2−クロロピリミジン−4−イル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (DMSO−d6): δ 10.83 (1H, br), 9.23 (1H, s), 8.59 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.24 (1H, br), 7.64 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.47−7.43 (4H, m), 7.31−7.24 (1H, m), 7.19−7.14 (1H, m), 7.11(2H, d, J = 8.0 Hz), 3.97 (3H, s ), 2.28 (3H, s )。
ステップ5: 3−(2−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
実施例1のステップ5に記載のと類似の方法を用いて、3−(2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンp−トルエンスルホン酸塩により表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 8.86 (1H, s), 9.23 (1H, s), 8.57 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.24−8.22 (1H, m), 7.74 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.48 (1H, s), 7.29−7.25 (2H, m), 6.72 (1H, s), 4.01 (3H, s ), 3.29 (2H, t, J = 7.2 Hz ), 2.89 (3H, s ), 2.57 (2H, t, J = 7.2 Hz ), 2.27 (6H, s )。
ステップ6: N−(2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシ−5−(4−(2−オキソベンゾ[d]オキサゾール−3(2H)−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド塩酸塩
実施例1のステップ6、7に記載のと類似の方法を用いて、3−(2−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 12.21 (1H, br), 9.51 (1H, br), 9.22 (1H, s), 8.55 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.25 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.51 (1H, s), 7.26 (1H, s), 7.23−7.16 (4H, m), 6.72 (1H, s), 6.31 (1H, dd, J = 2.0 Hz, 16.8 Hz), 5.67 (1H, dd, J = 2.0 Hz, 10.4 Hz,), 3.90 (3H, s), 3.29 (2H, br), 3.13 (2H, br), 2.76 (9H, br)。
実施例6
N−(2−((2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシ−5−(4−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド
ステップ1: 1−(2−(4−((2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
実施例1のステップ5に記載のと類似の方法を用いて、2−(メチルアミノ)エタノールにより表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 8.97 (1H, s), 8.52 (1H, d, J = 6.0 Hz), 8.26 (1H, J = 7.2Hz), 7.83 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.56 (1H, s), 7.27−7.23 (1H, m), 7.18−7.16 (1H, m), 7.04 (1H, J = 7.2Hz), 6.70 (1H, s), 4.00 (3H, s ), 3.79−3.76 (2H, m), 3.48 (3H, s), 3.40 (2H, t, J = 7.2 Hz ), 2.84 (3H, s )。
ステップ2: N−(2−((2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシ−5−(4−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド
実施例1のステップ6、7に記載のと類似の方法を用いて、1−(2−(4−((2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 9.30 (1H, s), 9.03 (1H, s), 8.52 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.32 (1H, d, J = 8.0Hz), 7.80 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.46 (1H, s), 7.18−7.14 (1H, m), 7.08−7.03 (1H, m), 7.01−6.95 (1H, m), 6.77 (1H, s), 6.34−6.32 (2H, m), 5.65−5.63 (1H, m), 3.87 (3H, s), 3.77−3.74 (2H, m), 3.45 (3H, s), 2.99 (2H, t, J = 4.8 Hz), 3.75 (3H, s)。
実施例7
(E)−N−(2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシ−5−(4−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)−4−メトキシブタ−2−エンアミド
実施例1のステップ7に記載のと類似の方法を用いて、1−(2−(5−アミノ−4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン及び(E)−4−メトキシブタ−2−エノイルクロリドにより表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 12.32 (1H, br), 9.24 (1H, br), 9.17 (1H, br), 8.52 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.31 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.80 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.49 (1H, br), 7.19−7.10 (2H, m), 6.99−6.96 (2H, m), 6.90−6.84 (1H, m), 6.72 (1H, s), 4.14 (2H, d, J = 3.2 Hz), 3.90 (3H, s), 3.45 (3H, s), 3.40 (3H, s), 3.38−3.35 (2H, m), 3.12−3.08 (2H, m), 2.80 (6H, s), 2.74 (3H, s)。
実施例8
N−(4−メトキシ−5−(4−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−モルフォリノフェニル)アクリルアミド
ステップ1: 1−(2−(2−メトキシ−4−モルホリン−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
実施例1のステップ5に記載のと類似の方法を用いて、1−(2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンp−トルエンスルホン酸塩及びモルホリンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 9.10 (1H, s), 8.54 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.27 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.85 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.59 (1H, s), 7.27−7.24 (1H, m), 7.19−7.17 (1H, m), 7.05 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.65 (1H, s), 4.04 (3H, s), 3.91−3.89 (4H, m), 3.49 (3H, s), 3.10−3.08 (4H, m)。
ステップ2: N−(4−メトキシ−5−(4−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−モルフォリノフェニル)アクリルアミド
実施例1のステップ6、7に記載のと類似の方法を用いて、1−(2−(2−メトキシ−4−モルホリン−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 9.37 (1H, s), 8.55 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.48 (1H, s), 8.34 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.81 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.46 (1H, s), 7.20−7.16 (1H, m), 7.10−7.06 (1H, m), 7.01−6.99 (1H, m), 6.79 (1H, s), 6.36−6.22 (2H, m), 5.75−5.72 (1H, m), 3.91−3.88 (7H, m), 3.46 (3H, s), 2.90 (4H, t, J = 4.8 Hz)。
実施例9
N−(2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシ−5−(4−(5−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド塩酸塩
ステップ1: N
1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−4−メチルベンゼン−1,2−ジアミン
実施例1のステップ1に記載のと類似の方法を用いて、4−メチルベンゼン−1,2−ジアミン及び2,4−ジクロロピリミジンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 8.06 (1H, d, J = 6.0 Hz), 7.00 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.77 (1H, s), 6.66 (1H, s), 6.62 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.21 (1H, d, J = 6.0 Hz), 3.79 (2H, br), 2.31 (3H, s)。
ステップ2: 1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−5−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
実施例1のステップ2に記載のと類似の方法を用いて、N
1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−4メチルベンゼン−1,2−ジアミン及びカルボニルジイミダゾールにより表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 8.62 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.47 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.34 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.97 (1H, s), 7.03 (1H, d, J = 8.4 Hz), 6.91 (1H, s), 2.42 (3H, s)。
ステップ3: 1−(2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−5−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンp−トルエンスルホン酸塩
実施例1のステップ4に記載のと類似の方法を用いて、1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−5−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン及び4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロアニリンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (DMSO−d6): δ 11.39 (1H, s), 9.04 (1H, s), 8.61 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.49 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.04−8.02 (1H, m), 7.82 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.49−7.41 (3H, m), 7.11 (2H, d, J = 8.0 Hz), 6.93 (1H, s), 6.87 (1H, s), 6.76−6.74 (1H, m), 3.97 (3H, s), 2.33 (3H, s), 2.29 (3H, s)。
ステップ4: 1−(2−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−5−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
実施例1のステップ5に記載のと類似の方法を用いて、1−(2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−5−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンp−トルエンスルホン酸塩及びジイソプピルエチルアミンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 8.92 (1H, s), 8.50 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.30 (1H, br), 8.11 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.78 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.45 (1H, s), 6.94 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.89 (1H, s), 6.70 (1H, s), 3.98 (3H, s), 3.31 (2H, t, J = 6.8 Hz), 2.88 (3H, s), 2.61 (2H, t, J = 6.8 Hz), 2.40 (3H, s), 2.31 (6H, s)。
ステップ5: N−(2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシ−5−(4−(5−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド塩酸塩
実施例1のステップ6、7に記載のと類似の方法を用いて、1−(2−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−5−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (MeOD): δ 8.32 (1H, d, J = 6.0 Hz), 7.91 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.61 (1H, d, J = 5.6 Hz), 6.87−6.84 (2H, m), 6.78 (1H, s), 6.70 (1H, d, J =8.0 Hz), 6.40−6.26 (2H, m), 5.73−5.70 (1H, m), 3.86 (3H, s), 3.26 (2H, br), 2.93 (2H, br), 2.61 (3H, s), 2.59 (6H, s), 2.22 (3H, s)。
実施例10
N−(2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−5−(4−(5−フルオロ−3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−4−メトキシフェニル)アクリルアミド塩酸塩
ステップ1: N
1−(2−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロベンゼン−1,2−ジアミン
実施例1のステップ1に記載のと類似の方法を用いて、2,4−ジクロロピリミジン及び4−フルオロベンゼン−1,2−ジアミンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 8.06 (1H, d, J = 6.0 Hz), 7.06−7.03 (1H, m), 6.71 (1H, s), 6.52−6.44 (2H, m), 6.14 (1H, d, J = 6.0 Hz), 3.94 (2H, br)。
ステップ2: 1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
実施例1のステップ2に記載のと類似の方法を用いて、N
1−(2−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロベンゼン−1,2−ジアミン及びカルボニルジイミダゾールにより表題化合物を合成した。
1H NMR (DMSO−d6): δ 11.81 (1H, s), 8.77 (1H, d, J = 6.0 Hz), 8.40 (1H, d, J = 6.0 Hz), 8.24−8.21 (1H, m), 7.03−6.96 (2H, m)。
ステップ3: 1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
実施例1のステップ3に記載のと類似の方法を用いて、1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (DMSO−d6): δ 8.77 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.38 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.23−8.19 (1H, m), 7.29 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.04−7.00 (1H, m), 3.36 (3H, s)。
ステップ4:5−フルオロ−1−(2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンp−トルエンスルホン酸塩
実施例1のステップ4に記載のと類似の方法を用いて、1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン及び4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロアニリンにより表題化合物を合成し、直接に次ステップの反応に用いた。
ステップ5: 1−(2−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
実施例1のステップ5に記載のと類似の方法を用いて、5−フルオロ−1−(2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンp−トルエンスルホン酸塩により表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 8.86 (1H, s), 8.50 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.24−8.21 (1H, m), 7.81 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.42 (1H, s), 6.86−6.81 (1H, m), 6.76 (1H, dd, J = 2.8 Hz, 8.0 Hz), 6.69 (1H, s), 3.98 (3H, s), 3.44 (3 H, s), 3.29 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.89 (3H, s), 2.57 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.27 (6H, s)。
ステップ6: N−(2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−5−(4−(5−フルオロ−3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−4−メトキシフェニル)アクリルアミド塩酸塩
実施例1のステップ6、7に記載のと類似の方法を用いて、1−(2−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (DMSO−d6): δ 10.26 (1H, s), 9.78 (1H, s), 8.74 (1H, s), 8.43 (1H, d, J = 6.0 Hz), 8.17 (2H, s), 7.70 (1H, d, J = 6.0 Hz), 7.22 (1H, dd, J = 2.4 Hz, 8.8 Hz), 7.06−6.99 (1H, m), 6.97 (1H, s), 6.79−6.75 (1H, m), 6.21 (1H, dd, J = 2.0 Hz, 16.8 Hz), 5.71−5.68 (1H, m), 3.80 (3H, s), 3.63−3.57 (2H, m), 3.34 (3H, s), 3.16−3.09 (2H, m), 2.75 (6H, s), 2.63 (3H, s)。
実施例11
N−(2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−5−(4−(5−フルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−4−メトキシフェニル)アクリルアミド塩酸塩
ステップ1: 5−フルオロ−1−(2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンp−トルエンスルホン酸塩
実施例1のステップ4に記載のと類似の方法を用いて、1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン及び4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロアニリンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (DMSO−d6): δ 11.68 (1H, s), 9.24 (1H, s), 8.64 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.51 (1H, d, J = 6.0 Hz), 8.23 (1H, br), 7.83 (1H, d, J = 6.0 Hz), 7.48 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.43 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.12 (2H, d, J = 8.0 Hz), 6.94−6.91 (1H, m), 6.80−6.75 (1H, m ), 3.98 (3H, s), 2.29 (3H, s)。
ステップ2: 1−(2−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
実施例1のステップ5に記載のと類似の方法を用いて、5−フルオロ−1−(2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンp−トルエンスルホン酸塩により表題化合物を合成した。
1H NMR (DMSO−d6): δ 8.83 (1H, s), 8.47 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.26 (1H, s), 8.23−8.17 (1H, m), 7.77−7.68 (2H, m), 6.99−6.94 (2H, m), 6.77−6.72 (1H, m), 3.99 (3H, s), 3.63 (2H, m), 3.19−3.15 (2H, m), 2.88 (3H, s), 2.66 (6H, s)。
ステップ3: N−(2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−5−(4−(5−フルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−4−メトキシフェニル)アクリルアミド塩酸塩
実施例1のステップ6、7に記載のと類似の方法を用いて、1−(2−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−5−フルオロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (CD3OD): δ 8.45 (1H, dd, J = 2.4 Hz, 5.6 Hz), 8.17−8.12 (1H, m), 7.73−7.69 (2H, m), 7.22 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.95 (1H, d, J = 3.6 Hz), 6.88−6.83 (1H, m), 6.77−6.71 (1H, m), 6.44−6.42 (1H,m), 5.84−5.81 (1H, m), 3.97 (3H, s), 3.49−3.46 (2H, m), 3.23 (2H, m), 2.84 (6H, s), 2.71 (3H, s)。
実施例12
N−(4−メトキシ−2−(メチル(2−(メチルアミノ)エチル)アミノ)−5−(4−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド塩酸塩
ステップ1: tert−ブチル2−((5−メトキシ−4−(4−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−2ニトロフェニル)(メチル)アミノ)エチル(メチル)カルバメート
実施例1のステップ5に記載のと類似の方法を用いて、1−(2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンp−トルエンスルホン酸塩及び2−(メチルアミノ)エチルアミノカルボン酸tert−ブチルにより表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 8.94 (1H, s), 8.51 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.26 (1H, d, J = 7.2 Hz), 7.80 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.48 (1H, s), 7.24−7.22 (1H, m), 7.17−7.15 (1H, m), 7.03 (1H, d, J = 7.2 Hz), 6.76 (1H, s), 4.01 (3H, s), 3.47−3.37 (5H, m), 3.31−3.23 (2H, m), 2.91 (3H, s), 2.83 (3H, s), 1.44 (9H, s)。
ステップ2: tert−ブチル2−((2−アクリルアミド−5−メトキシ−4−(4−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)(メチル)アミノ)エチル(メチル)カルバメート
実施例1のステップ6、7に記載のと類似の方法を用いて、tert−ブチル2−((5−メトキシ−4−(4−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−2ニトロフェニル)(メチル)アミノ)エチル(メチル)カルバメートにより表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 9.37 (1H, br), 8.67 (1H, br), 8.54 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.34 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.79 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.43 (1H, s), 7.19−7.15 (1H, m), 7.08−7.04 (1H, m), 6.98 (1H, d, J = 7.6 Hz), 6.79 (1H, s), 6.35 (2H, d, J = 2.4 Hz), 5.69−5.72 (1H, m), 3.89 (3H, s), 3.45 (3H, s), 3.40−3.37 (2H, m), 3.00−2.85 (2H, m), 2.85 (3H, s), 2.70 (3H, s), 1.47 (9H, s)。
ステップ3: N−(4−メトキシ−2−(メチル(2−(メチルアミノ)エチル)アミノ)−5−(4−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド塩酸塩
塩化アセチル(0.3mL、1.7mmol)を、外付けの氷水浴中で冷却している無水メタノール(3mL)にゆっくりと滴下し、1時間撹拌して続けた。tert−ブチル2−((2−アクリルアミド−5−メトキシ−4−(4−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)(メチル)アミノ)エチル(メチル)カルバメート(100mg、0.166mmol)を無水メタノール(2mL)に分散し、そして前記のような塩化水素のメタノール溶液を加えた。反応系を室温まで自然昇温して一晩撹拌し、減圧濃縮により溶剤を除去し、シリコーンゲルカラムクロマトグラフィ(DCM:MeOH=20:1)により表題化合物(78mg、93%)を得た。
1H NMR (CD3OD): δ 8.45 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.19 (2H, d, J = 6.0 Hz), 7.77 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.21−7.16 (2H, m), 7.09−7.05 (1H, m), 6.95 (1H, s), 6.50−6.36 (2H, m), 5.80 (1H, dd, J = 2.0 Hz, 6.0 Hz), 3.96 (3H, s), 3.45 (3H, s), 3.35 (4H, br), 2.73 (3H, s), 2.72 (3H, s)。
実施例13
N−(2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシ−5−(4−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド
実施例1のステップ6で得られた1−(2−(5−アミノ−4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン(82g)をTHF(800mL)及び水(80mL)に加え、撹拌溶解し、3−クロロプロピオン酸クロライド(24.8g)を滴下した。TLCにより原料の消失を示した後、トリエチルアミン(358.2g)を加え、65℃まで昇温して反応させた。反応終了後、反応液を濃縮乾固し、ジクロロメタン1Lを加えて溶解させ、水(500mL)で2回分液させ、有機相を収集して濃縮し、粗生成物88gを得た。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィ(DCM:MeOH=20:1)により分離して表題化合物62.5gを得た。
ESI−MS [M+H]+: 517.2677。
1H NMR (DMSO−d6): δ 10.05 (1H, s), 8.67 (1H, s), 8.5 (1H, s), 8.44 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.12 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.13 (2H, m), 6.9 (1H, t, J = 6.4 Hz), 7.7 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.05 (1H, s), 6.4 (1H, dd, J = 10.15Hz, 16.9 Hz), 6.21 (1H, dd, J = 1.6Hz, 16.9 Hz),5.72 (1H, brd, J = 11.50 Hz), 3.77 (3H, s),3.35 (3H, s), 2.91 (2H, t, J = 5.65 Hz), 2.75 (3H, s), 2.34 (2H, t, J = 5.7 Hz), 2.21 (6H, s)。
実施例14
N−(5−(4−(5−クロロ−3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)アクリルアミド塩酸塩
ステップ1: 4−クロロ−N
1−(2−クロロピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン
実施例1のステップ1に記載のと類似の方法を用いて、2,4−ジクロロピリミジン及び4−クロロ−1,2−フェニレンジアミンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (DMSO−d6): δ 9.14 (1H, s), 8.05 (1H, d, J = 6.0 Hz), 7.06 (1H, d, J = 8.4 Hz), 6.80 (1H, s), 6.56 (1H, dd, J = 2.8 Hz, 8.0 Hz), 6.35 (1H, s), 5.32 (2H, br s)。
ステップ2: 5−クロロ−1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
実施例1のステップ2に記載のと類似の方法を用いて、4−クロロ−N
1−(2−クロロピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン及びN,N’−カルボニルジイミダゾールにより表題化合物を合成した。
1H NMR (DMSO−d6): δ 11.79 (1H, br s), 8.79 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.39 (1H, d, J = 6.0 Hz), 8.21 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.23 (1H, dd, J = 2.0 Hz, 8.4 Hz), 7.12 (1H, s)。
ステップ3: 5−クロロ−1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
実施例1のステップ3に記載のと類似の方法を用いて、5−クロロ−1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (DMSO−d6): δ 8.78 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.38 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.19 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.45 (1H, s), 7.23 (1H, d, J = 8.8 Hz), 3.36 (3H, s)。
ステップ4: 5−クロロ−1−(2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
実施例1のステップ4に記載のと類似の方法を用いて、5−クロロ−1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン及び4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロアニリンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (DMSO−d
6): 9.23 (1H, s), 8.61 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.54 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.22 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.82 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.44−7.41 (2H, m), 7.02 (1H, dd, J = 2.0 Hz, 8.4 Hz), 3.97 (3H, s), 3.37 (3H, s)。
ステップ5: 5−クロロ−1−(2−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
実施例1のステップ5に記載のと類似の方法を用いて、5−クロロ−1−(2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 8.84 (1H, s), 8.49 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.19 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.79 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.42 (1H, s), 7.09 (1H, dd, J = 2.4 Hz, 8.8 Hz), 7.00 (1H, s), 6.69 (1H, s), 3.98 (3H, s), 3.43 (3H, s) 3.29 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.89 (3H, s), 2.56 (2H, t, J = 7.2 Hz ), 2.27 (6H, s)。
ステップ6: 1−(2−(5−アミノ−4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−5−クロロ−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
5−クロロ−1−(2−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン(1.00g)及び亜鉛粉末(1.24g、18.97mmol)をジクロロメタン/メタノール(15mL/15mL)の混合溶液に分散し、室温で飽和塩化アンモニウム溶液20mLを滴下し、10分間撹拌した後、ろ過し、ろ液に水(30mL)を加え、ジクロロメタン(30mL×3)で抽出した。得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、減圧濃縮により溶剤を除去して表題化合物を得、直接に次ステップの反応に用いた。
ステップ7: N−(5−(4−(5−クロロ−3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)アクリルアミド塩酸塩
実施例1のステップ7に記載のと類似の方法を用いて、1−(2−(5−アミノ−4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−5−クロロ−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (DMSO−d6): δ 10.42 (1H, br s), 9.82 (1H, s), 8.78 (1H, s), 8.44 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.18 (1H, s), 8.13 (1H, s), 7.66 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.38 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.13−7.06 (1H, m), 6.99−6.96 (2H, m), 6.20 (1H, dd, J = 2.0 Hz, 16.8 Hz), 5.69 (1H, dd, J = 2.0 Hz, 10.0 Hz), 3.80 (3H, s), 3.36−3.30 (7H, m), 2.75 (6H, s), 2.63 (3H, s)。
実施例15
N−(5−(4−(5−ブロモ−3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)アクリルアミド塩酸塩
ステップ1: 4−ブロモ−N
1−(2−クロロピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン
実施例1のステップ1に記載のと類似の方法を用いて、2,4−ジクロロピリミジン及び4−ブロモ−1,2−フェニレンジアミンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (DMSO−d6): δ 9.13 (1H, s), 8.05 (1H, d, J = 6.0 Hz), 7.01 (1H, d, J = 8.8 Hz), 6.94 (1H, d, J = 2.4 Hz), 6.69 (1H, dd, J = 2.0 Hz, 8.4 Hz), 6.38 (1H, s), 5.31 (2H, br s)。
ステップ2: 5−ブロモ−1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
実施例1のステップ2に記載のと類似の方法を用いて、4−ブロモ−N
1−(2−クロロピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン及びN,N’−カルボニルジイミダゾールにより表題化合物を合成した。
1H NMR (DMSO−d6): δ 11.81 (1H, br s), 8.79 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.40 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.17 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.37 (1H, dd, J = 2.0 Hz, 8.8 Hz), 7.26 (1H, d, J = 2.0 Hz)。
ステップ3: 5−ブロモ−1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
実施例1のステップ3に記載のと類似の方法を用いて、5−ブロモ−1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (DMSO−d6): δ 8.81 (1H, d, J = 6.0 Hz), 8.42 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.19 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.60 (1H, d, J = 2.0 Hz), 7.41 (1H, dd, J = 2.0 Hz, 8.4 Hz), 3.40 (3H, s)。
ステップ4: 5−ブロモ−1−(2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
実施例1のステップ4に記載のと類似の方法を用いて、5−ブロモ−1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン及び4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロアニリンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (DMSO−d
6): 9.22 (1H, s), 8.61 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.54 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.17 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.82 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.53 (1H, d, J = 2.0 Hz), 7.43 (1H, d, J = 13.2 Hz), 7.44−7.41 (2H, m), 7.14 (1H, dd, J = 2.0 Hz, 13.2 Hz), 3.97 (3H, s), 3.37 (3H, s)。
ステップ5: 5−ブロモ−1−(2−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
実施例1のステップ5に記載のと類似の方法を用いて、5−ブロモ−1−(2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3): δ 8.85 (1H, s), 8.50 (1H, d, J = 5.6 Hz), 8.15 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.79 (1H, d, J = 6.0 Hz), 7.42 (1H, s), 7.24 (1H, dd, J = 2.0 Hz, 8.4 Hz), 7.15 (1H, d, J = 2.0 Hz), 6.69 (1H, s), 3.98 (3H, s), 3.44 (3H, s) 3.30 (2H, t, J = 6.8 Hz), 2.90 (3H, s), 2.58 (2H, t, J = 7.2 Hz ), 2.28 (6H, s)。
ステップ6: 1−(2−(5−アミノ−4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−5−ブロモ−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
5−ブロモ−1−(2−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン(1.00g)和亜鉛粉末(1.24g、18.97mmol)をジクロロメタン/メタノール(15mL/15mL)の混合溶液に分散し、室温で飽和塩化アンモニウム溶液20mLを滴下し、10分間撹拌した後、ろ過し、ろ液に水(30mL)を加え、ジクロロメタン(30mL×3)で抽出した。得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、減圧濃縮により溶剤を除去して表題化合物を得、直接に次ステップの反応に用いた。
ステップ7: N−(5−(4−(5−ブロモ−3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)アクリルアミド塩酸塩
実施例1のステップ7に記載のと類似の方法を用いて、1−(2−(5−アミノ−4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−5−ブロモ−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンにより表題化合物を合成した。
1H NMR (DMSO−d6): δ 10.23 (1H, br s), 9.82 (1H, br s), 8.75 (1H, s), 8.44 (1H, d, J = 5.2 Hz), 8.20 (1H, s), 8.05 (1H, s), 7.65 (1H, d, J = 5.2 Hz), 7.49 (1H, d, J = 2.0 Hz), 7.08 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.00−6.96 (2H, m), 6.21 (1H, dd, J = 2.0 Hz, 17.2 Hz), 5.71 (1H, dd, J = 1.6 Hz, 10.4 Hz), 3.80 (3H, s), 3.36 (3H, s), 3.29−3.24 (2H, m), 3.16 (3H, s), 2.76−3.68 (2H, m), 2.65 (6H, s)。
インビトロ活性試験
1. インビトロ酵素学的検出方法
EGFR、EGFR(T790M,L858R)キナーゼは、昆虫細胞発現系で発現させて精製して得られ、または市販品として購入して得られた。
Cisbio社の均一時間分解蛍光(HTRF)方法を用いてEGFR又はEGFR(T790M、L858R)キナーゼ活性を検出するためのプラットフォームを構築して化合物活性を検出した。化合物を100% DMSOで初期濃度1μMから10倍段階希釈し、各濃度を4μL取って反応緩衝液(50mM HEPES(pH7.0)、0.02% NaN3、0.01% BSA、0.1mM Orthovanadate、5mM MgCl2、50nM SEB、1mM DTT)96μLに加え、2.5μLを取って384ウェルプレート(OptiPlate−384、PerkinElmer)に加え、そしてキナーゼ2.5μLを加えて遠心分離して均一混合し、さらに5μLのATP及びTK Substrate−biotinを加えて反応を開始した。384ウェルプレートをインキュベータに入れて23℃で一定時間反応させた後、Eu3+−Cryptateで標識されたTK−Antibody 5μL及びstreptavidin(ストレプトアビジン)−XL665 5μLを加えて反応を停止させた。インキュベータに入れて1時間インキュベートした後、Envision(PerkinElmer)から蛍光値を読み取った。化合物のIC50値は、GraphPad Prism 5.0ソフトウェアで計算して得られた。
2.細胞増殖試験
ヒト非小細胞肺癌NCI−H1975は、細胞インキュベータ(37℃、5%CO2)においてRPMI−1640培地(10%ウシ胎児血清及び1%マイシリンを加えた)で培養された。ウェルごとに2000個の細胞(体積:195μL)で96ウェルプレートに細胞を播種して一晩培養した。翌日、化合物を加え、そして化合物を10mMから3倍段階希釈し、その各濃度の液4μLを取って培地96μLに加え、そして得られた混合物5μLを取って細胞培養液に加え(DMSO最終濃度:0.1%、v/v)、72時間処理した後、培地を吸引除去してCellTiter−Glo(登録商標)(Promega)試薬30μLを加え、Envison (Perkin Elmer)により蛍光信号を読み取り、化合物による細胞増殖阻害のIC50値をGraphPad Prism 5.0で計算した。
ヒト皮膚扁平上皮細胞癌細胞系A431は、細胞インキュベータ(37℃、5%CO2)において、10%ウシ胎児血清及び1%マイシリンを加えたDMEMで培養された。化合物の検出において、底層基質濃度を0.6%とし、細胞を0.3%低融点寒天で再懸濁した後、ウェルごとに2000個の細胞(100μL)で96ウェルプレートに細胞を播種した。化合物を初期濃度10mMから3倍段階希釈し、その各濃度2μLを取って培地98μLに加え、そして得られた混合物5.3μLを取って細胞培養液に加え(DMSO最終濃度:0.1%、v/v)、1週間(7日間)処理した後、CellTiter−Blue(登録商標)(Promega)試薬20μLを加え、37℃で4時間インキュベートし、Envison(Perkin Elmer)により蛍光信号を読み取り、GraphPad Prism 5.0により化合物による細胞増殖阻害のIC50値を計算した。
NTは検出されなかったことを意味し、AZD9291はWO2013014448に記載の実施例28に基づいて調製されたものである。
上記実験結果により分かるように、酵素活性の点で、本発明に係る化合物は、EGFR、特にEGFR−L858R/T790M二重変異体に対して優れた阻害効果が示され、且つWT/DMデータによれば、本発明に係る化合物は優れた選択性が示されている。細胞活性の点で、本発明に係る化合物は、ヒト非小細胞肺癌NCI−H1975及びヒト皮膚扁平上皮細胞癌細胞系A431に対する実験結果によれば、優れた阻害効果が示されている。
薬物動態学評価
被験化合物は、健康な成熟雄ラットに対して単回胃内投与され、助剤(賦形剤など)は20%のスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンであり、用量が10mg/kgである。実験前に、胃内投与される動物を一晩絶食させ、絶食時間は投与前10時間から投与後4時間までであり、胃内投与後0.25、0.5、1、2、4、6、8、及び24時間で採血した。眼窩静脈叢から全血を約0.3mL取り、ヘパリン抗凝固管に入れ、サンプルを4℃、4000rpmで5分間遠心し、血漿を遠心管に移動し、且つ−80℃に置いて分析まで保存した。血漿サンプルにおける被験品の濃度は、検証されていない液体クロマトグラフ/タンデム型質量分析法(LC−MS/MS)により分析された。各動物の血漿濃度−時間データは、WinNonlin(プロフェッショナル版、バージョン6.3、Pharsight社)ソフトウェアで分析された。ノンコンパートメントモデルは、濃度分析に用いられた。被験化合物の薬物動態学的パラメータが計算された。