JP6944616B1 - 樹脂組成物及び平面状コネクター - Google Patents

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Abstract

【課題】異物の混入が少なく、かつ平面度、ウェルド強度及び耐クラック性に優れる平面状コネクターが得られる樹脂組成物、並びに、当該樹脂組成物を用いた平面状コネクターを提供する。【解決手段】(A)全芳香族ポリエステル、(B)繊維状充填剤、(C)板状充填剤とを含み、(A)は必須の構成成分として構成単位(I)〜(IV)を含有し、構成単位(I)、(II),(III)及び(IV)の含有量が全構成単位に対してそれぞれ所定のモル%範囲であり、構成単位(III)の含有量と構成単位(IV)の含有量との差が0.150モル%以下であり、(A)全芳香族ポリエステルの含有量が50〜62.5質量%であり、(B)の含有量が樹脂組成物全体に対して10〜25質量%であり、(C)の含有量が樹脂組成物全体に対して25〜40質量%であり、(B)及び(C)の総量が樹脂組成物全体に対して37.5〜50質量%であり、(B)の重量平均繊維長が、200〜500μmである、樹脂組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂組成物及び平面状コネクターに関する。
全芳香族ポリエステルなどの液晶性ポリマーは、寸法精度、流動性等に優れる熱可塑性樹脂である。このような特徴を有するため、液晶性ポリマーは、各種電子部品の材料として採用されてきた。
特に、近年のエレクトロニクス機器の高性能化に伴い、微細な構造等を有する電子部品(コネクター等)に対するニーズがある。このようなニーズに応えるために、例えば、特許文献1には、所定の液晶性ポリマー、ガラス繊維及び板状充填剤を含む樹脂組成物から成形され、平面度、ウェルド強度及び耐クラック性に優れる平面状コネクターが得られる樹脂組成物が開示されている。
特開2014−237740号公報
全芳香族ポリエステルは、重合反応時に昇華物が発生することがある。そのような昇華物は、重合容器の内壁等に析出堆積し、そこで重縮合したり、劣化したり、あるいは炭化したりしたものが、異物としてポリマーに混入する場合がある。異物がポリマーに混入すると、射出成形時のゲート詰まりの原因となる。また、異物が炭化物である場合は、樹脂組成物から成形される電子部品の導通不良の原因となる可能性がある。さらに、CPUソケットに代表される外枠内部に格子構造を有する平面状コネクター等の微細な構造等を有する電子部品においては、異物が起点となり、クラックが発生してしまう可能性がある。
本発明は、異物の混入が少なく、かつ平面度、ウェルド強度及び耐クラック性に優れる平面状コネクターが得られる樹脂組成物、並びに、当該樹脂組成物を用いた平面状コネクターを提供することを課題とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1](A)全芳香族ポリエステルと、(B)繊維状充填剤と、(C)板状充填剤と、を含み、(A)全芳香族ポリエステルは、必須の構成成分として下記構成単位(I)〜(IV)を含有し、全構成単位に対して、構成単位(I)の含有量が40〜75モル%であり、構成単位(II)の含有量が0.5〜7.5モル%であり、構成単位(III)の含有量が8.5〜30モル%であり、及び構成単位(IV)の含有量が8.5〜30モル%であり、かつ、構成単位(III)の含有量と構成単位(IV)の含有量との差が0.150モル%以下であり、
(A)全芳香族ポリエステルの含有量が樹脂組成物全体に対して50〜62.5質量%であり、(B)繊維状充填剤の含有量が樹脂組成物全体に対して10〜25質量%であり、(C)板状充填剤の含有量が樹脂組成物全体に対して25〜40質量%であり、(B)繊維状充填剤及び(C)板状充填剤の総量が樹脂組成物全体に対して37.5〜50質量%であり、(B)繊維状充填剤の重量平均繊維長が、200〜500μmである、樹脂組成物。
Figure 0006944616

[2]構成単位(I)、(II)、(III)及び(IV)の合計の含有量が、(A)全芳香族ポリエステルの全構成単位に対して100モル%である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記(B)繊維状充填剤がガラス繊維を含む、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]前記(C)板状充填剤が、タルク及びマイカからなる群より選ばれる1以上を含む、[1]から[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]前記(C)板状充填剤が、タルクを含む、[1]から[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6]コネクター製造用である、[1]から[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7]コネクターを製造するための、[1]から[5]のいずれかに記載の樹脂組成物の使用。
[8][1]から[5]のいずれかに記載の樹脂組成物を含む、成形品。
[9][1]から[5]のいずれかに記載の樹脂組成物を含み、外枠部と外枠部の内側に形成された格子構造を有し、前記格子構造における格子部のピッチが1.5mm以下である、平面状コネクター。
本発明によれば、異物の混入が少なく、かつ平面度、ウェルド強度及び耐クラック性に優れる平面状コネクターが得られる樹脂組成物、並びに、当該樹脂組成物からを用いた平面状コネクターを提供することができる。
実施例で成形した平面状コネクターを示す図である。(a)は平面状コネクターの平面図である。(b)は(a)中のA部の詳細である。なお、図中の数値の単位はmmである。 実施例において成形安定性を評価するために用いた金型の形状を示す説明図であり、(a)は全体の平面図であり、(b)は金型の寸法を示す平面図であり、(c)は金型の寸法を示す側面図であり、(d)は金型の構成を示す側面図である。なお、図中の数値の単位はmmである。「PL」はパーティングラインを表す。「トンネルゲート」は、金型が有するトンネル型のゲートを表す。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜変更を加えて実施することができる。
[樹脂組成物]
樹脂組成物は、(A)全芳香族ポリエステルと、(B)繊維状充填剤と、(C)板状充填剤と、を含む。
((A)全芳香族ポリエステル)
全芳香族ポリエステルは、必須の構成成分として下記構成単位(I)〜(IV)を含有する。必須の構成成分として下記構成単位(I)〜(IV)を含有するので、電子部品に求められる優れた耐熱性及び機械的強度(特に高温環境下での機械強度)を有する成形品を与えることができるとともに、汎用の溶融加工機器で加工できる程度の融点に融点を下げることができるので微細な構造を有する電子部品を成形する場合も優れた成形性を実現できる。
Figure 0006944616
構成単位(I)は、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(以下、「HNA」ともいう。)から誘導される。全芳香族ポリエステルは、全構成単位に対して構成単位(I)を40〜75モル%含む。構成単位(I)の含有量が40モル%未満であると、融点が過度に低下し、耐熱性が不足する。構成単位(I)の含有量が75モル%を超えると、重合時に固化が発生し、ポリマーが得られない。耐熱性と重合性の観点から、構成単位(I)の含有量は、好ましくは40〜70モル%であり、より好ましくは40〜65モル%であり、更に好ましくは40〜63モル%であり、より更に好ましくは40〜62モル%であり、特に好ましくは40〜60モル%である。
構成単位(II)は、4−ヒドロキシ安息香酸(以下、「HBA」ともいう。)から誘導される。全芳香族ポリエステルは、全構成単位に対して構成単位(II)を0.5〜7.5モル%含む。構成単位(II)の含有量が0.5モル%未満であると、平面状コネクター等の成形品の重合時に固化が発生し、ポリマーを排出できない。構成単位(II)の含有量が7.5モル%を超えると、融点が過度に低下し、耐熱性が不足する。耐熱性と重合性の観点から、構成単位(II)の含有量は、好ましくは0.5〜7.0モル%であり、より好ましくは1.0〜7.0モル%であり、更に好ましくは1.2〜7.0モル%であり、より更に好ましくは1.5〜6.5モル%であり、特に好ましくは2.0〜6.0モル%である。
構成単位(III)は、1,4−フェニレンジカルボン酸(以下、「TA」ともいう。)から誘導される。全芳香族ポリエステルは、全構成単位に対して構成単位(III)を8.5〜30モル%含む。構成単位(III)の含有量が8.5モル%未満、または30モル%を超えると、汎用の溶融加工機器で加工できる温度まで融点を下げるための低融点化、及び耐熱性の少なくとも一方が不十分となりやすい。低融点化と耐熱性との両立の観点から、構成単位(III)の含有量は、好ましくは10〜30モル%であり、より好ましくは12〜28モル%であり、更に好ましくは14〜28モル%であり、より更に好ましくは15〜28モル%であり、特に好ましくは17〜27モル%である。
構成単位(IV)は、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(以下、「BP」ともいう。)から誘導される。全芳香族ポリエステルは、全構成単位に対して構成単位(IV)を8.5〜30モル%含む。構成単位(IV)の含有量が8.5モル%未満、または30モル%を超えると、低融点化及び耐熱性の少なくとも一方が不十分となりやすい。低融点化と耐熱性との両立の観点から、構成単位(IV)の含有量は、好ましくは10〜30モル%であり、より好ましくは12〜28モル%であり、更に好ましくは14〜28モル%であり、より更に好ましくは15〜28モル%であり、特に好ましくは17〜27モル%である。
全芳香族ポリエステルは、構成単位(I)、(II)、(III)及び(IV)の合計の含有量が、全芳香族ポリエステルの全構成単位に対して95モル%以上であることが好ましい。構成単位(I)、(II)、(III)及び(IV)の合計の含有量を、95モル%以上にすることで、優れた耐熱性、機械的強度及び成形性を容易に維持することができる。構成単位(I)、(II)、(III)及び(IV)の合計の含有量は、より好ましくは、全芳香族ポリエステルの全構成単位に対して100モル%である。
全芳香族ポリエステルは、構成単位(III)の含有量と構成単位(IV)の含有量との差が0.150モル%以下である。構成単位(III)の含有量と構成単位(IV)の含有量との差を0.150モル%以下にすることで、重合反応時の昇華物の発生を抑制することができ、それにより射出成形時のゲート詰まりを低減することができる。また、樹脂組成物への異物の混入を低減することができ、得られる平面状コネクター等の成形品が導通不良を起こすことを防ぐことができる。
全芳香族ポリエステルは、構成単位(III)の含有量と構成単位(IV)の含有量との差が0.145モル%以下であることが好ましく、0.140モル%以下であることがより好ましく、0.135モル%以下であることが更に好ましく、0.130モル%以下であることがより更に好ましく、0.125モル%以下であることが特に好ましい。
構成単位(III)の含有量と構成単位(IV)の含有量との差を0.150モル%以下にする方法としては、モノマーの配合量によって調整することの他、例えば、重合反応時の温度を段階的に分けて昇温すること(例えば、昇温速度を段階的に変更すること)によっても行うことができる。
例えば、一実施形態において、構成単位(III)の含有量と構成単位(IV)の含有量との差を0.150モル%以下にするために、重合反応時の温度を140℃から360℃まで段階的に分けて昇温させることができる。例えば、重合反応時の温度を、140℃から360℃までを2段階以上、又は3段階以上に分けて昇温させることができる。
一実施形態において、140℃から200℃、200℃から270℃、270℃から360℃に分けて昇温速度を変更して(例えば、昇温速度を段階的に大きくして)昇温させることができる。
一実施形態において、140℃から200℃への昇温速度を、0.4℃/分以上0.8℃/分未満にすることができる。200℃から270℃への昇温速度を、0.8℃/分以上1.2℃/分以下にすることができる。270℃から360℃への昇温速度を、0.4℃/分以上1.2℃/分以下にすることができる。
次いで、全芳香族ポリエステルの性質について説明する。全芳香族ポリエステルは、溶融時に光学的異方性を示す。溶融時に光学的異方性を示すことは、全芳香族ポリエステルが液晶性ポリマーであることを意味する。
本実施形態において、全芳香族ポリエステルが液晶性ポリマーであることは、全芳香族ポリエステルが熱安定性と易加工性を併せ持つ上で不可欠な要素である。上記構成単位(I)〜(IV)から構成される全芳香族ポリエステルは、構成成分及びポリマー中のシーケンス分布によっては、異方性溶融相を形成しないものも存在するが、本実施形態で用いるポリマーは、溶融時に光学的異方性を示す全芳香族ポリエステルに限られる。
溶融異方性の性質は直交偏光子を利用した慣用の偏光検査方法により確認することができる。より具体的には溶融異方性の確認は、オリンパス社製偏光顕微鏡を使用しリンカム社製ホットステージにのせた試料を溶融し、窒素雰囲気下で150倍の倍率で観察することにより実施できる。液晶性ポリマーは光学的に異方性であり、直交偏光子間に挿入したとき光を透過させる。試料が光学的に異方性であると、例えば溶融静止液状態であっても偏光は透過する。
ネマチックな液晶性ポリマーは融点以上で著しく粘性低下を生じるので、一般的に融点又はそれ以上の温度で液晶性を示すことが加工性の指標となる。融点は、でき得る限り高い方が耐熱性の観点からは好ましいが、ポリマーの溶融加工時の熱劣化や成形機の加熱能力等を考慮すると、380℃以下であることが好ましい目安となる。なお、より好ましくは260〜370℃であり、更により好ましくは270〜370℃であり、特に好ましくは280〜360℃である。
全芳香族ポリエステルの融点より10〜40℃高い温度、かつ、剪断速度1000/秒における全芳香族ポリエステルの溶融粘度は、好ましくは1000Pa・s以下である。上記溶融粘度が1000Pa・s以下であると、全芳香族ポリエステルそのもの、又は、全芳香族ポリエステルを含有する組成物は、その成形時において、流動性が確保されやすく、充填圧力が過度になりにくい。全芳香族ポリエステルの上記溶融粘度は、より好ましくは4〜500Pa・sであり、更により好ましくは4〜250Pa・sであり、特に好ましくは5〜100Pa・sである。なお、本明細書において、溶融粘度とは、ISO11443に準拠して測定した溶融粘度をいう。
上記全芳香族ポリエステルは、溶融重合時の昇華物の発生が少ないので、樹脂組成物に混入する異物を少なくすることができる。溶融重合時の昇華物量は、溶融重合で用いる還流カラム及びリアクター上部の質量変化から測定することができる。全芳香族ポリエステルは、溶融重合時の昇華物量が、2.3%以下であることが好ましい。溶融重合時の昇華物量が、2.3%以下であると、ポリマーに混入する異物をより少なくすることができる。溶融重合時の昇華物量は、より好ましくは2.0%以下であり、更に好ましくは1.9%以下である。
次いで、全芳香族ポリエステルの製造方法について説明する。本実施形態で用いる全芳香族ポリエステルは、直接重合法やエステル交換法等を用いて重合される。重合に際しては、溶融重合法、溶液重合法、スラリー重合法、固相重合法等、又はこれらの2種以上の組み合わせが用いられ、溶融重合法、又は溶融重合法と固相重合法との組み合わせが好ましく用いられる。
重合反応の条件としては、上記の構成単位の重合が進行する条件であれば特に限定されず、例えば、反応温度200〜380℃、最終到達圧力0.1〜760Torr(すなわち、13〜101,080Pa)であってもよい。
一実施形態において、重合反応時の温度を140℃から360℃まで段階的に分けて(2段階以上、又は3段階以上に分けて)昇温させることができる。重合反応時の温度を140℃から360℃まで段階的に分けて昇温させることで、得られる全芳香族ポリエステル中の構成単位(III)の含有量と構成単位(IV)の含有量との差を容易に0.150モル%以下にすることができる。
一実施形態において、140℃から200℃、200℃から270℃、270℃から360℃に分けて昇温速度を変更して昇温させることができる。
一実施形態において、140℃から200℃への昇温速度を、0.4℃/分以上0.8℃/分未満にすることができる。200℃から270℃への昇温速度を、0.8℃/分以上1.2℃/分以下にすることができる。270℃から360℃への昇温速度を、0.4℃/分以上1.2℃/分以下にすることができる。
本実施形態の全芳香族ポリエステルの製造方法は、高分子量化の観点から、1,4−フェニレンジカルボン酸の使用量(モル%)と4,4’−ジヒドロキシビフェニルの使用量(モル%)が等しいことが好ましい。なお、本実施形態の全芳香族ポリエステルの製造中に昇華物が発生することで、これらの含有量に差が生じる。
本実施形態では、重合に際し、重合モノマーに対するアシル化剤や、酸塩化物誘導体として末端を活性化したモノマーを使用できる。アシル化剤としては、無水酢酸等の脂肪酸無水物等が挙げられる。
これらの重合に際しては種々の触媒の使用が可能であり、代表的なものとしては、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、トリス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(III)等の金属塩系触媒、1−メチルイミダゾール、4−ジメチルアミノピリジン等の有機化合物系触媒を挙げることができる。
反応は、全原料モノマー(6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ安息香酸、1,4−フェニレンジカルボン酸、及び4,4’−ジヒドロキシビフェニル)、アシル化剤、及び触媒を同一反応容器に仕込んで反応を開始させることもできるし(一段方式)、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ安息香酸、及び4,4’−ジヒドロキシビフェニルの水酸基をアシル化剤によりアシル化させた後、1,4−フェニレンジカルボン酸のカルボキシル基と反応させることもできる(二段方式)。
溶融重合は、反応系内が所定温度に達した後、減圧を開始して所定の減圧度にして行う。撹拌機のトルクが所定値に達した後、不活性ガスを導入し、減圧状態から常圧を経て、所定の加圧状態にして反応系から全芳香族ポリエステルを排出する。
上記重合方法により製造された全芳香族ポリエステルは、更に常圧又は減圧、不活性ガス中で加熱する固相重合により分子量の増加を図ることができる。
全芳香族ポリエステルの含有量は、全樹脂組成物中に50〜62.5質量%である。全芳香族ポリエステルの含有量を50〜62.5質量%の範囲内にすることで、液晶性樹脂が有する優れた流動性、剛性、機械強度、耐熱性、耐薬品性、電気的性質等を十分に発現させることができる。樹脂組成物中の全芳香族ポリエステルの含有量は、耐熱性、高剛性、高流動性の観点から、好ましくは50〜60質量%であり、より好ましくは52.5〜60質量%であり、特に好ましくは54.3〜59.7質量%である。
((B)繊維状充填剤)
樹脂組成物は、繊維状充填剤を含む。繊維状充填剤を含むことで、成形体のウェルド強度を向上させることができるとともに、クラック数を低減させることができる。繊維状充填剤としては、特に限定されず、ガラス繊維、カーボン繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維等が挙げられる。繊維状充填剤は、樹脂組成物から得られる平面状コネクター等の成形品の耐熱性、ウェルド強度及び耐クラック性が向上しやすい点で、ガラス繊維が好ましい。
繊維状充填剤の重量平均繊維長は、200〜500μmである。重量平均繊維長が200〜500μmの繊維状充填剤を用いることで、樹脂組成物の流動性を維持しつつ、脂組成物から得られる平面状コネクター等の成形品の耐クラック性高めることができる。
繊維状充填剤の重量平均繊維長は、好ましくは300〜500μmであり、より好ましくは350〜480μmであり、更に好ましくは400〜480μmである。
なお、本明細書において、繊維状充填剤の重量平均繊維長とは、樹脂組成物を600℃で2時間加熱し灰化して灰化残渣を得て、この灰化残渣の繊維状充填剤約100本が撮影された実体顕微鏡画像をCCDカメラからPCに取り込み、画像測定機によって画像処理手法により測定する。これを10回繰り返し、繊維状充填剤の本数が約1000本となったときの測定値の平均値をいう。
繊維状充填剤の繊維径は、特に制限されず、一般的に5〜15μm程度のものが使用される。繊維状充填剤は、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。繊維径は、繊維状充填剤を走査型電子顕微鏡で観察し、100本の繊維状充填剤について繊維径を測定した値の平均値とする。
繊維状充填剤の含有量は、樹脂組成物全体に対して10〜25質量%である。繊維状充填剤の含有量が、樹脂組成物全体に対して10質量%未満であると、樹脂組成物から得られる成形品のウェルド強度が低く、成形品が平面状コネクター等である場合には、その格子部等にクラックが発生しやすい。繊維状充填剤の含有量が、樹脂組成物全体に対して25質量%超であると、組成物の流動性を悪くするとともに、得られる成形品は平面度が劣り、歪みを有し得る。
繊維状充填剤の含有量は、好ましくは樹脂組成物全体に対して10〜23質量%であり、より好ましくは10〜22質量%であり、更に好ましくは10〜20質量%である。
((C)板状充填剤)
樹脂組成物は、板状充填剤を含む。該板状無機充填剤が上記した繊維状充填剤とともに樹脂組成物に含まれることにより、樹脂組成物の流動性を悪化させることなく、平面度、耐クラック性及びウェルド強度に優れる成形体を成形できる樹脂組成物が得られる。
板状充填剤としては、タルク、マイカ、ガラスフレーク、各種の金属箔等が挙げられる。樹脂組成物の流動性を悪化させることなく、樹脂組成物から得られる成形品のそり変形を抑制させるという点でタルク及びマイカから選択される1種以上を含むことが好ましく、タルクを含むことがより好ましい。
板状充填剤の平均粒径については特に限定されず、薄肉部における流動性を考慮すると小さい方が望ましい。一方、樹脂組成物から得られるコネクター等の成形品のそり変形を小さくするためには一定の大きさを維持している必要がある。具体的には、1〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。平均粒径は、レーザー回折法で測定した体積基準の累積平均粒子径(D50)を意味する。
板状充填剤は、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
(タルク)
タルクとしては、当該タルクの全固形分量に対して、Fe、Al及びCaOの合計含有量が2.5質量%以下であり、Fe及びAlの合計含有量が1.0質量%超2.0質量%以下であり、かつCaOの含有量が0.5質量%未満であるものが好ましい。即ち、タルクは、その主成分たるSiO及びMgOの他、Fe、Al及びCaOのうちの少なくとも1種を含有し、各成分を上記の含有量範囲で含有するものであってもよい。
上記タルクにおいて、Fe、Al及びCaOの合計含有量が2.5質量%以下であると、樹脂組成物の成形加工性及び当該樹脂組成物から成形されたコネクター等の成形品の耐熱性が悪化しにくい。Fe、Al及びCaOの合計含有量は、1.0質量%以上2.0質量%以下が好ましい。
上記タルクのうち、Fe及びAlの合計含有量が1.0質量%超のタルクは入手しやすい。また、上記タルクにおいて、Fe及びAlの合計含有量が2.0質量%以下であると、樹脂組成物の成形加工性及び当該樹脂組成物から成形されたコネクター等の成形品の耐熱性が悪化しにくい。Fe及びAlの合計含有量は、1.0質量%超1.7質量%以下が好ましい。
上記タルクにおいて、CaOの含有量が0.5質量%未満であると、樹脂組成物の成形加工性及び当該樹脂組成物から成形されたコネクター等の成形品の耐熱性が悪化しにくい。CaOの含有量は、0.01質量%以上0.4質量%以下が好ましい。
タルクの、レーザー回折法で測定した体積基準の累積平均粒子径(D50)は、成形品のそり変形の防止及び樹脂組成物の流動性の維持という観点から、4.0〜20.0μmであることが好ましく、10〜18μmであることがより好ましい。
(マイカ)
マイカとは、アルミニウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、鉄等を含んだケイ酸塩鉱物の粉砕物である。マイカとしては、白雲母、金雲母、黒雲母、人造雲母等が挙げられるが、これらのうち色相が良好であり、低価格であるという点で白雲母が好ましい。
マイカの製造において、鉱物を粉砕する方法としては、湿式粉砕法及び乾式粉砕法が知られている。湿式粉砕法とは、マイカ原石を乾式粉砕機にて粗粉砕した後、水を加えてスラリー状態にて湿式粉砕で本粉砕し、その後、脱水、乾燥を行う方法である。湿式粉砕法と比較して、乾式粉砕法は低コストで一般的な方法であるが、湿式粉砕法を用いると、鉱物を薄く細かく粉砕することがより容易である。後述する好ましい平均粒径及び厚みを有するマイカが得られるという理由で、薄く細かい粉砕物を使用することが好ましい。したがって、湿式粉砕法により製造されたマイカを使用するのが好ましい。
湿式粉砕法においては、被粉砕物を水に分散させる工程が必要であるため、被粉砕物の分散効率を高めるために、被粉砕物に凝集沈降剤及び/又は沈降助剤を加えることが一般的である。凝集沈降剤及び沈降助剤としては、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化コッパラス、ポリ硫酸鉄、ポリ塩化第二鉄、鉄−シリカ無機高分子凝集剤、塩化第二鉄−シリカ無機高分子凝集剤、消石灰(Ca(OH))、苛性ソーダ(NaOH)、ソーダ灰(NaCO)等が挙げられる。これらの凝集沈降剤及び沈降助剤は、pHがアルカリ性又は酸性である。
マイカは、湿式粉砕する際に凝集沈降剤及び/又は沈降助剤を使用していないものが好ましい。凝集沈降剤及び/又は沈降助剤で処理されていないマイカを使用すると、樹脂組成物中のポリマーの分解が生じにくく、多量のガス発生やポリマーの分子量低下等が起きにくいため、得られるコネクター等の成形品の性能をより良好に維持するのが容易である。
マイカは、マイクロトラックレーザー回折法により測定した平均粒径が10〜100μmであるものが好ましく、平均粒径が20〜80μmであるものが特に好ましい。マイカの平均粒径が10μm以上であると、成形品の剛性に対する改良効果が十分となりやすいため好ましい。マイカの平均粒径が100μm以下であると、成形品の剛性の向上が十分となりやすく、ウェルド強度も十分となりやすいため好ましい。更に、マイカの平均粒径が100μm以下であると、コネクター等を成形するのに十分な流動性を確保しやすい。
マイカの厚みは、電子顕微鏡の観察により100個について実測した平均厚みが0.01〜1μmであることが好ましく、0.03〜0.3μmであることが特に好ましい。マイカの平均厚みが0.01μm以上であると、樹脂組成物の溶融加工の際にマイカが割れにくくなるため、成形品の剛性が向上しやすい可能性があるため好ましい。マイカの厚みが1μm以下であると、成形品の剛性に対する改良効果が十分となりやすいため好ましい。
マイカは、シランカップリング剤等で表面処理されていてもよく、かつ/又は、結合剤で造粒し顆粒状とされていてもよい。
板状充填剤の含有量は、樹脂組成物全体に対して25〜40質量%である。板状充填剤の含有量が、樹脂組成物全体に対して25質量%未満であると、樹脂組成物から得られる平面状コネクター等の成形品の平面度が十分ではないため好ましくない。板状充填剤の含有量が、樹脂組成物全体に対して40質量%超であると、樹脂組成物の流動性が悪化し、樹脂組成物の成形が困難になる可能性があるため好ましくない。
板状充填剤の含有量は、好ましくは樹脂組成物全体に対して25〜38質量%であり、より好ましくは25〜37質量%であり、更に好ましくは25〜35質量%である。
(繊維状充填剤及び板状充填剤の総量)
樹脂組成物において、繊維状充填剤及び板状充填剤の総量は、樹脂組成物全体に対して37.5〜50質量%である。上記総量が、樹脂組成物全体に対して37.5質量%未満であると、樹脂組成物から得られる平面状コネクター等の成形品は、荷重たわみ温度が低く、高温剛性が十分ではなく、また、平面度が不十分になる恐れがあるため好ましくない。上記総量が、樹脂組成物全体に対して50質量%超であると、樹脂組成物の流動性が悪化し、平面状コネクターなどの小型及び薄型の成形品を製造する際の成形性が劣るため好ましくない。上記総量は、樹脂組成物全体に対して、好ましくは40〜50質量%であり、より好ましくは40〜47.5質量%であり、更に好ましくは40〜45質量%である。
(離型剤)
樹脂組成物には、離型剤を配合することが好ましい。離型剤としては、一般的に入手可能なものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、脂肪酸エステル類、脂肪酸金属塩類、脂肪酸アミド類、低分子量ポリオレフィン等が挙げられ、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル(例えば、ペンタエリスリトールテトラステアレート)が好ましい。
離型剤の配合量としては、樹脂組成物において、0.1〜3質量%の範囲が好ましい。離型剤の配合量が0.1質量%以上であると、成形時の離型性が向上する。離型剤の配合量が3質量%以下であるとモールドデポジット(即ち、成形における金型への付着物をいう。以下、「MD」ともいう。)が低減しやすいとともに耐クラック性に優れる平面状コネクターを得やすい。離型剤の配合量は、より好ましくは0.1〜1質量%であり、更に好ましくは0.1〜0.5質量%である。
(その他の成分)
樹脂組成物には、上記の成分の他に、核剤、カーボンブラック、無機焼成顔料等の顔料、酸化防止剤、安定剤、可塑剤、難燃剤、及び上記成分(B)及び(C)以外の公知の無機充填剤のうちの1種以上を、5質量%以下配合してもよい。
また、樹脂組成物には、上記全芳香族ポリエステル以外の液晶性樹脂や、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリアミノビスマレイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等の他の熱可塑性樹脂を、樹脂組成物全体に対して、7質量%以下、又は5質量%以下配合してもよい。
(樹脂組成物)
上記した本実施形態に係る樹脂組成物は、ポリマー重合時の昇華物に由来する異物の混入が少ない。樹脂組成物中への異物混入の有無は、樹脂組成物をホットプレスで作製したフィルム(0.5g/枚、膜厚100μm)に白色のバックライトを当て、ルーペを用いて異物の個数を確認することで評価することができる。異物の混入が抑制された樹脂組成物は、射出成形時のゲート詰まりを抑制することができるとともに、得られる成形品への異物の混入の抑制することができる。その結果、樹脂組成物から形成された電子部品の導通不良を抑制することができる。
上記した本実施形態に係る樹脂組成物は、流動性に優れるため、成形時の最小充填圧力が過度になりにくく、コネクター、特に、平面状コネクター等のような小型で微細な格子構造を有する部品等を好ましく成形できる。流動性の程度は、コネクターの最小充填圧力により判断する。即ち、図1に示す平面状コネクターを射出成形する際に良好な成形品を得られる最小の射出充填圧力を最小充填圧力として特定する。最小充填圧力が低いほど、流動性が優れていると評価される。
樹脂組成物は、全芳香族ポリエステルの融点より10〜30℃高い温度で、剪断速度1000/秒で、ISO11443に準拠して測定した樹脂組成物の溶融粘度が1×105Pa・s以下(より好ましくは、5Pa・s以上1×102Pa・s以下)であることが、コネクター、特に、平面状コネクターの成形時において、樹脂組成物の流動性を確保し、充填圧力が過度にならない点で好ましい。
上記した本実施形態に係る樹脂組成物は、全芳香族ポリエステルを含有するので、耐熱性に優れている。樹脂組成物の耐熱性を表す指標として、荷重たわみ温度(以下、「DTUL」ともいう。)が挙げられる。DTULが、260℃以上であると耐熱性が高くなる傾向にあり好ましい。DTULは、ISO75−1,2に準拠して測定することができる。低融点化と耐熱性との両立の観点から、樹脂組成物のDTULは、好ましくは265℃以上310℃以下、より好ましくは267℃以上300℃以下である。
(樹脂組成物の製造方法)
樹脂組成物の製造方法は、樹脂組成物中の成分を均一に混合できれば特に限定されず、従来知られる樹脂組成物の製造方法から適宜選択することができる。例えば、1軸又は2軸押出機等の溶融混練装置を用いて、各成分を溶融混練して押出した後、得られた樹脂組成物を粉末、フレーク、ペレット等の所望の形態に加工する方法が挙げられる。
(用途)
本実施形態に係る樹脂組成物は、流動性に優れるとともに、耐熱性に優れる成形品を製造することができるので、コネクター、CPUソケット、リレースイッチ部品、ボビン、アクチュエータ、ノイズ低減フィルターケース、電子回路基板又はOA機器の加熱定着ロール等の製造に好ましく用いることができる。特に、平面度、ウェルド強度及び耐クラック性に優れる成形品を製造することができるので、平面状コネクター等の微細な構造を有するコネクターの製造に好ましく用いることができる。
[成形品]
本実施形態に係る成形品は、上記本実施形態に係る樹脂組成物から成形され、上記樹脂組成物を含む。樹脂組成物から形成されるので、平面度、ウェルド強度及び耐クラック性に優れる成形品にすることができる。
[平面状コネクター]
本実施形態に係る平面状コネクターは、上記本実施形態に係る樹脂組成物から成形され、上記樹脂組成物を含む。樹脂組成物から形成されるので、平面度、ウェルド強度及び耐クラック性に優れる平面状コネクターにすることができる。また、異物の混入が少ないので、導通不良や異物を起点とするクラックの発生を防ぐことができる。
平面状コネクターの形状としては、特に限定されないが、外枠部の内部に格子構造を有し、当該格子構造における格子部のピッチ間隔が1.5mm以下である平面状コネクターであってもよい。
一実施形態において、平面状コネクターは、外枠部と外枠部の(板面方向の)内側に形成された格子構造とを有し、格子構造における格子部のピッチが1.5mm以下であり、好ましくは1.3mm以下であり、さらに好ましくは1.2mm以下である。
「格子構造」は、平面状コネクターの板面の縦方向及び横方向にそれぞれ延びる複数の樹脂部分によって、縦方向と横方向に所定の間隔で複数の貫通孔(ピン挿入穴)が形成されている構造を意味する。
「格子部」は、一つの貫通孔と、その貫通孔と隣の貫通孔との間の樹脂部分と、を含む部分を意味する。
「ピッチ」は、格子構造を構成する格子部の樹脂部分の幅と貫通孔の幅との合計である。貫通孔の幅は、隣り合う樹脂部分の最長の直線距離(間隔)とする。
また、平面状コネクターにおける端子を保持する格子部の樹脂部分の幅が好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.3mm以下、さらに好ましくは0.2mm以下であり、製品全体の高さ(厚さ)が好ましくは5.0mm以下、より好ましくは3.0mm以下、さらに好ましくは2.0mm以下、特に好ましくは1.0mm以下という非常に薄肉の平面状コネクターであってもよい。
平面状コネクターの具体的な形状としては、例えば、図1に示すようなものが挙げられる。
図1に示す平面状コネクター10は、39.82mm×39.82mm×高さ(厚さ)1.0mmの板状であり、外枠部1の上下端部からそれぞれ5.0mm、左右端部からそれぞれ2.0mmの位置から内部(内側)に、格子構造3を有している。格子構造3は、導電性の材料で形成されている樹脂部分とピン挿入穴からなる格子部2を含んでおり、外枠部1の内側に、ピッチ間隔1.2mmで、30列×25行(合計750個)の格子部2が形成されている。格子部2の数は、必要に応じて選択することができ、例えば、500〜1000とすることができる。
平面状コネクターの格子部におけるピン挿入穴の形状は特に限定されず、角形、丸形、異形穴等であってもよい。
平面状コネクターを得るための成形方法としては特に限定されないが、得られる平面状コネクターの変形を防ぎ、良好な平面度を有する平面状コネクターを得るために、残留内部応力が少ない成形条件を選ぶことが好ましい。充填圧力を低くし、得られる平面状コネクターの残留内部応力を低下させるために、成形機のシリンダー温度は、液晶性ポリマーの融点以上の温度が好ましい。
金型温度は70〜100℃が好ましい。金型温度が70〜100℃であると、金型に充填された樹脂組成物が流動不良を起こすことを防ぐことができるとともに、バリ発生を防ぐこともできる。射出速度については、150mm/秒以上で成形することが好ましい。射出速度が150mm/秒以上であると、未充填成形品の発生を防ぐことができるとともに、充填圧力が高くなりすぎることによる残留内部応力の増大を防ぎ、平面度が良いコネクターにすることができる。
平面状コネクターは、異物の混入が抑制されている。異物の混入の程度は、以下のとおりにして判断する。即ち、平面状コネクターの成形時のゲートが詰まる回数にて、混入の程度を判断することができる。ゲート詰まりは成形時に異物が発生することにより生じるので、ゲート詰まりが発生しない場合に、異物の混入が抑制されていると評価することができる。
平面状コネクターは、ブリスター発生が抑制されている。ブリスターは、成形品を高温の空気中及び液体中に長時間放置した場合に、表面に生じる細かい膨れのことである。ブリスター発生の程度は、ブリスター温度により判断する。即ち、所定温度のホットプレスに5分間挟んだ成形品の表面におけるブリスター発生の有無を目視にて観察し、ブリスターの発生個数がゼロとなる最高温度をブリスター温度とする。ブリスター温度が高いほど、ブリスター発生が抑制されていると評価される。
平面状コネクターは、変形やそりが抑制され、平面度に優れる。コネクターの平面度は、コネクターを水平な机の上に静置し、平面状コネクターの高さを画像測定器により測定し、コネクター端面より、0.5mmの位置を10mm間隔で測定し、最大高さと最小高さの差として特定される。
平面状コネクターは、ウェルド強度及び耐クラック性に優れる。成形品のウェルド強度と耐クラック性とは相関するが、ウェルド強度及び耐クラック性のいずれもが良好な平面状コネクターが得られる。
コネクターは、耐熱性、例えば、高温剛性により評価されるような耐熱性に優れる。高温剛性は、ISO75−1,2に準拠して荷重たわみ温度を測定することで評価する。
以下に実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、これらの実施例により本発明の解釈が限定されるものではない。
[合成例1]
撹拌機、還流カラム、モノマー投入口、窒素導入口、減圧/流出ラインを備えた重合容器に、以下の原料モノマー、脂肪酸金属塩触媒、アシル化剤を仕込み、窒素置換を開始した。
(I)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸 0.883モル(48モル%)(HNA)
(II)4−ヒドロキシ安息香酸 0.037モル(2モル%)(HBA)
(III)1,4−フェニレンジカルボン酸 0.46モル(25モル%)(TA)
(IV)4,4’−ジヒドロキシビフェニル 0.46モル(25モル%)(BP)
酢酸カリウム触媒 150ppm
トリス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(III)触媒 150ppm
無水酢酸 1.91モル(HBAとBPとの合計の水酸基当量の1.04倍)
原料を仕込んだ後、反応系の温度を140℃に上げ、140℃で1時間反応させた。その後、更に表1に示す速度条件で昇温し(つまり、昇温速度0.6℃/分で140℃から200℃まで昇温し、次いで昇温速度1℃/分で270℃まで昇温し、次いで昇温速度0.5℃/分で360℃まで昇温し)、そこから20分かけて10Torr(すなわち1330Pa)まで減圧にして、酢酸、過剰の無水酢酸、その他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部から生成物を排出し、ペレタイズしてペレット状のプレポリマーを得た。得られたプレポリマーを、窒素気流下、300℃で3時間、熱処理(固相重合)を行い、目的とするポリマーを得た。
[合成例2〜8]
原料モノマーの種類、使用量(モル%)、及び/又は昇温速度を表1に示すとおりとした以外は、実施例1と同様にしてポリマーを得た。
[合成例9〜14]
原料モノマーの種類、使用量(モル%)、及び/又は昇温速度を表2に示すとおりとした以外は、実施例1と同様にしてポリマーを得た。
[昇華物量]
合成例1〜14における溶融重合において、還流カラム及びリアクター上部の質量変化から、昇華物量を測定した。評価結果を表1,2に示す。
[測定]
合成例1〜14の全芳香族ポリエステルについて、融点、溶融粘度、末端基量を以下の方法で測定した。結果を表1,2に示す。
(融点)
示差走査熱量計(DSC、パーキンエルマー社製)にて、全芳香族ポリエステルを室温から20℃/分の昇温条件で加熱した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の測定後、(Tm1+40)℃の温度で2分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度、20℃/分の昇温条件で加熱した際に観測される吸熱ピークの温度を測定した。
(溶融粘度)
キャピログラフ((株)東洋精機製作所製)を使用し、温度380℃で、内径0.5mm、長さ30mmのオリフィスを用いて、剪断速度1000/秒で、ISO11443に準拠して、全芳香族ポリエステルの溶融粘度を測定した(合成例4、8の溶融粘度は温度350℃で測定した)。
(モノマー組成(含有量))
Polymer Degradation and Stability 76(2002)85−94に記載される、熱分解ガスクロマトグラフィー法によってモノマー組成を算出した。具体的には、熱分解装置(フロンティア・ラボ(株)製「PY2020iD」)を用いて、全芳香族ポリエステルを水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)共存下で加熱し、熱分解/メチル化によりガスを発生させた。このガスをガスクロマトグラフィー(アジレント・テクノロジー(株)製「GC−6890N」)を用いて分析し、1,4−フェニレンジカルボン酸に由来するピーク面積と4,4’−ジヒドロキシビフェニルに由来するピーク面積との比から、1,4−フェニレンジカルボン酸から誘導される構成単位の含有量と4,4’−ジヒドロキシビフェニルから誘導される構成単位の含有量との差を算出した。
[実施例1]
合成例1で得られた全芳香族ポリエステルと、表1に示す成分とを二軸押出機を使用して混合し、樹脂組成物を得た。押出条件は以下のとおりである。各成分の配合量は表1に示したとおりである。
なお、実施例及び比較例で用いた充填剤は、以下のとおりである。
繊維状充填剤
ガラス繊維:日本電気硝子(株)製、「ECS03T−786」、繊維径10μm、平均繊維長3mm(メーカー公称値)
ミルドガラスファイバー(ミルドファイバー):日本電気硝子(株)製「EPH−80M」、繊維径10.5μm、平均繊維長80μm(メーカー公称値)
なお、上記のメーカー公称値は、組成物中での実測値(重量平均繊維長)とは異なっている。重量平均繊維長については、後述する。
板状充填剤
タルク:松村産業(株)製「クラウンタルクPP」、平均粒径10μm
マイカ:(株)山口雲母工業製「AB−25S」、平均粒径25μm
離型剤:ペンタエリスリトールテトラステアレート(エメリーオレオケミカルズジャパン(株)製)
(押出条件)
メインフィード口に設けられたシリンダーの温度を250℃とし、他のシリンダーの温度はすべて360℃とした。全芳香族ポリエステルはすべてをメインフィード口から供給した。また、充填剤はサイドフィード口から供給した。
[実施例2〜9、比較例1〜8]
各成分の配合量を表1に示すとおりとした以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
[比較例9〜18]
各成分の配合量を表2に示すとおりとした以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
[測定及び評価]
樹脂組成物中の繊維状充填剤の重量平均繊維長、及び樹脂組成物の各種物性等を下記の方法で測定した。結果を表1,2に示す。
(繊維状充填剤の重量平均繊維長)
樹脂組成物ペレット5gを600℃で2時間加熱し灰化した。灰化残渣を5質量%ポリエチレングリコール水溶液に十分分散させた後、スポイトでシャーレに移し、顕微鏡で繊維状充填剤を観察した。同時に画像測定器((株)ニレコ製LUZEXFS)を用いて繊維状充填剤の重量平均繊維長を測定した。すなわち、灰化残渣の繊維状充填剤約100本が撮影された実体顕微鏡画像をCCDカメラからPCに取り込み、画像測定機によって画像処理手法により測定した。これを10回繰り返し、繊維状充填剤の本数が約1000本となったときの測定値の平均値を重量平均繊維長とした。結果を表1,2に「重量平均繊維長」として示した。
(樹脂組成物の溶融粘度)
(株)東洋精機製作所製キャピログラフ1B型を使用し、全芳香族ポリエステルの融点よりも10〜30℃高い温度で、内径1mm、長さ20mmのオリフィスを用いて、剪断速度1000/秒で、ISO11443に準拠して、樹脂組成物の溶融粘度を測定した。
以下の基準に従って評価した。
2(良好):溶融粘度が50Pa・s以下であった。
1(不良):溶融粘度が50Pa・s超であった。
なお、測定温度は、以下のとおりである。
合成例1〜3、5〜7、9〜14の全芳香族ポリエステルを使用した樹脂組成物:380℃
合成例4、8の全芳香族ポリエステルを使用した樹脂組成物:350℃
(異物)
高温対応ホットプレス機((株)東洋精機製作所製「NP−SNH」)を用いて樹脂組成物をフィルム化(0.5g/枚、膜厚100μm)した。フィルムに白色のバックライトを当て、ルーペを用いて、0.3mm以上の異物の個数を確認した。この異物の個数の確認をフィルム5枚(2.5g)に対して行い、単位重量あたりの異物の個数を求めた。
以下の基準に従って評価した。
2(良好):異物の個数が0個/gであった。
1(不良):1個/g以上であった。
(ウェルド強度)
樹脂組成物を、測定用試験片(125mm×13mm×0.4mm、2点フィルムゲート)に下記成形条件で射出成形した。得られた試験片のウェルド強度を下記測定条件で測定した。
<成形条件>
成形機;住友重機械工業SE100DU
シリンダー温度;
370℃(実施例1〜7、実施例9、比較例1〜7、比較例9〜18)
340℃(実施例8、比較例8)
金型温度;90℃
射出速度;200mm/sec
保圧;70MPa
<測定条件>
測定機;オリエンテック社テンシロン万能試験機製RTM−100
ロードセル;100kg
チャック間距離;2.5mm
チャック力;2.0kgf/cm2
引張り速度;0.5mm/min
以下の基準に従って評価した。
3(優):上記ウェルド強度が8.0MPa以上であった。
2(良):上記ウェルド強度が6.0MPa以上8.0MPa未満であった。
1(不良):上記ウェルド強度が6.0MPa未満であった。
(耐クラック性)
図1の平面状コネクターに対して、下記条件でIRリフローを行い、格子部を光学顕微鏡にて観察し、クラック数を計測した。クラック数が少ないほど、耐クラック性が高いことを示す。
<IRリフロー条件>
測定機;日本パルス技術研究所製大型卓上リフローハンダ付け装置RF−300(遠赤外線ヒーター使用)
試料送り速度;140mm/sec
リフロー炉通過時間;5min
温度条件;
プレヒートゾーン;150℃
リフローゾーン;240℃
ピーク温度;260℃
以下の基準に従って評価した。
3(優):製品1つ中に発生したクラック数が4未満。
2(良):製品1つ中に発生したクラック数が4以上8未満。
1(不良):製品1つ中に発生したクラック数が8以上。
(荷重たわみ温度)
下記成形条件で、樹脂組成物を射出成形して4mm×10mm×80mmの成形品を得、ISO75−1,2に準拠して荷重たわみ温度を測定した。
<成形条件>
成形機:住友重機械工業、SE100DU
シリンダー温度:
370℃(実施例1〜7、実施例9、比較例1〜7、比較例9〜18)
340℃(実施例8、比較例8)
金型温度:80℃
射出速度:33mm/sec
以下の基準に従って評価した。
2(良好):上記荷重たわみ温度が260℃以上であった。
1(不良):上記荷重たわみ温度が260℃未満であった。
(ブリスター温度)
下記成形条件で、樹脂組成物を射出成形して12.5mm×120mm×0.8mmの成形品を得、この成形品30個を所定温度のシリコーンオイルに浸漬して、洗剤で洗浄後、自然乾燥し、目視にて表面にブリスターが発生しているかどうかを調べた。ブリスター温度は、成形品30個中、ブリスターの発生個数がゼロとなる最低温度とした。
<成形条件>
成形機:住友重機械工業、SE100DU
シリンダー温度:
370℃(実施例1〜7、実施例9、比較例1〜7、比較例9〜18)
340℃(実施例8、比較例8)
金型温度:90℃
射出速度:33mm/sec
以下の基準に従って評価した。
2(良好):上記ブリスター温度が260℃以上であった。
1(不良):上記ブリスター温度が260℃未満であった。
(コネクター平面度)
樹脂組成物を、図1に示す形状を有し、全体の大きさは39.82mm×39.82mm×1mmtであり、格子部ピッチ間隔は1.2mmである平面状コネクター(ピン孔数750ピン)に下記成形条件で射出成形した。なお、ゲートは、格子部の長さの長い辺からのフィルムゲートを使用し、ゲート厚みは0.3mmにした。
<成形条件>
成形機;住友重機械工業SE100DUZ
シリンダー温度;
370℃(実施例1〜7、実施例9、比較例1〜7、比較例9〜18)
340℃(実施例8、比較例8)
金型温度;80℃
射出速度;200mm/sec
保圧力;50MPa
得られたコネクターを水平な机の上に静置し、コネクターの高さを、ミツトヨ製クイックビジョン404PROCNC画像測定器により測定した。その際、コネクター端面より、0.5mmの位置を10mm間隔で測定し、最大高さと最小高さの差を平面度として特定した。平面度の値が低い程、コネクターが平面であることを示す。
なお、平面度は、下記条件で行ったIRリフローの前後で測定し、以下の基準に従って評価した。
<IRリフロー条件>
測定機:日本パルス技術研究所製大型卓上リフローハンダ付け装置RF−300(遠赤外線ヒーター使用)
試料送り速度:140mm/sec
リフロー炉通過時間:5min
プレヒートゾーンの温度条件:150℃
リフローゾーンの温度条件:240℃
ピーク温度:260℃
(リフロー前のコネクター平面度)
2(良好):上記最大高さと最小高さの差が0.12mm以下であった。
1(不良):上記最大高さと最小高さの差が0.12mm超であった。
(リフロー前後のコネクター平面度の差)
2(良好):リフロー前後の上記平面度の差が0.06mm以下であった。
1(不良):リフロー前後の上記平面度の差が0.06mm超であった。
(平面状コネクター最小充填圧力)
図1の平面状コネクターを365℃で射出成形する際に良好な成形品を得られる最小の射出充填圧力を最小充填圧力として測定した。以下の基準に従って評価した。
2(良好):上記最小充填圧力が110MPa以下であった。
1(不良):上記最小充填圧力が110MPa超であった。
(成形安定性及び成形品への異物混入:ゲート詰まり)
図2に記載の金型を用いて、以下の条件で成形評価を行った。
<成形条件>
金型:トンネルゲート型、ゲート直径0.1mm、2個取り(同じ形状の金型2個に同時に射出する)
シリンダー温度:
370℃(実施例1〜7、実施例9、比較例1〜7、比較例9〜18)
340℃(実施例8、比較例8)
金型温度:80℃
射出速度:33mm/sec
保圧:50MPa
ショット数:360ショット
成形安定性及び成形品への異物混入の有無を、以下の基準で評価した。
2(成形安定性に優れ、異物が少ない):ゲート詰まりが発生しなかった。
1(成形安定性が劣り、異物が多い):ゲート詰まりが1回以上発生した。
Figure 0006944616


Figure 0006944616

表1,2に示すように、実施例で得られる樹脂組成物は、流動性に優れるとともに異物の混入が少なく、かつそり及び/又は変形が少ない平面状コネクターを製造することができる。この樹脂組成物から成形されたコネクターは、平面度、ウェルド強度及び耐クラック性に優れ、ブリスター発生も抑制されていた。
10 平面状コネクター
1 外枠部
2 格子部
3 格子構造

Claims (9)

  1. (A)全芳香族ポリエステルと、(B)繊維状充填剤と、(C)板状充填剤と、を含み、
    (A)全芳香族ポリエステルは、必須の構成成分として下記構成単位(I)〜(IV)を含有し、全構成単位に対して、構成単位(I)の含有量が40〜75モル%であり、構成単位(II)の含有量が0.5〜7.5モル%であり、構成単位(III)の含有量が8.5〜30モル%であり、及び構成単位(IV)の含有量が8.5〜30モル%であり、かつ、構成単位(III)の含有量と構成単位(IV)の含有量との差が0.150モル%以下であり、
    (A)全芳香族ポリエステルの含有量が樹脂組成物全体に対して50〜62.5質量%であり、
    (B)繊維状充填剤の含有量が樹脂組成物全体に対して10〜25質量%であり、
    (C)板状充填剤の含有量が樹脂組成物全体に対して25〜40質量%であり、
    (B)繊維状充填剤及び(C)板状充填剤の総量は、樹脂組成物全体に対して37.5〜50質量%であり、
    (B)繊維状充填剤の重量平均繊維長が、200〜500μmである、樹脂組成物。
    Figure 0006944616
  2. 構成単位(I)、(II)、(III)及び(IV)の合計の含有量が、(A)全芳香族ポリエステルの全構成単位に対して100モル%である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記(B)繊維状充填剤がガラス繊維を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記(C)板状充填剤が、タルク及びマイカからなる群より選ばれる1以上を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記(C)板状充填剤が、タルクを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. コネクター製造用である、請求項1から5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  7. コネクターを製造するための、請求項1から5のいずれか一項に記載の樹脂組成物の使用。
  8. 請求項1から5のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含む、成形品。
  9. 請求項1から5のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含み、外枠部と外枠部の内側に形成された格子構造とを有し、
    前記格子構造における格子部のピッチが1.5mm以下である、平面状コネクター。
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