JP6895032B1 - 液晶性樹脂組成物、及び当該液晶性樹脂組成物の成形品を含むコネクター - Google Patents

液晶性樹脂組成物、及び当該液晶性樹脂組成物の成形品を含むコネクター Download PDF

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Abstract

耐熱性及び機械的性質に優れ、そり変形及びブリスター発生が抑制されたコネクターの製造を実現できる、流動性が良好な液晶性樹脂組成物、及び当該液晶性樹脂組成物の成形品を含むコネクターを提供する。本発明に係る液晶性樹脂組成物は、(A)液晶性樹脂、(B)繊維状ウォラストナイト、及び(C)マイカを含有する液晶性樹脂組成物であって、前記繊維状ウォラストナイトにおいて、Al2O3の含有量は、0.05〜0.65質量%、Fe2O3の含有量は、0.05〜1.0質量%であり、前記液晶性樹脂組成物全体に対して、前記(B)繊維状ウォラストナイトの含有量は、2.5〜15質量%、前記(C)マイカの含有量は、17.5〜27.5質量%、前記(B)繊維状ウォラストナイトと前記(C)マイカとの合計の含有量は、20〜37.5質量%である。

Description

本発明は、液晶性樹脂組成物、及び当該液晶性樹脂組成物の成形品を含むコネクターに関する。
液晶性樹脂は、寸法精度、流動性等に優れる熱可塑性樹脂である。このような特徴を有するため、液晶性樹脂は、従来より各種電子部品の材料として採用されてきた。
特に、近年のエレクトロニクス機器の小型化及び薄型化に伴い、エレクトロニクス機器を構成する電子部品(コネクター等)の低背化及び狭ピッチ化に対するニーズがある。例えば、特許文献1には、マイカ及びガラス繊維で強化された液晶性樹脂組成物から成形されたコネクターが開示されている。このようなコネクターは、耐熱性、そり変形の抑制、流動性、寸法安定性等が要求される、基板対基板コネクターや、フレキシブルプリント基板(FPC)とフレキシブルフラットケーブル(FFC)とを接続するために使用されるフレキシブルプリント基板用コネクター等として採用されている。
特開2006−37061号公報
しかし、従来の液晶性樹脂組成物から、コネクターを成形しようとすると、組成物の耐熱性、機械的性質の維持、そり変形の抑制、及び流動性が十分ではなく加工性に劣るため、低背化及び狭ピッチ化に対するニーズに対応した低背狭ピッチコネクターの製造が困難であった。
また、液晶性樹脂組成物には、ブリスター発生の問題が生じ得る。即ち、液晶性ポリエステル、液晶性ポリエステルアミド等の液晶性樹脂は、高温熱安定性が良いため、高温での熱処理を要する材料に使用される場合が多い。しかし、成形品を高温の空気中及び液体中に長時間放置すると、表面にブリスターと呼ばれる細かい膨れが生じるという問題が起こる。
この現象の一原因は、液晶性樹脂が溶融状態にある時に発生する分解ガス等が成形品内部に持ち込まれ、その後、高温の熱処理を行う際にそのガスが膨張し、加熱で軟化した成形品表面を押し上げ、押し上げられた部分がブリスターとして現れることである。ブリスターの発生は、材料の溶融押出し時にベント孔から充分脱気することや成形する際に成形機内に長く滞留させないこと等によって、少なくすることもできる。しかし、非常に条件範囲が狭く、ブリスターの発生を抑えた成形品、即ち、耐ブリスター性を有する成形品を得るには充分ではない。ブリスター発生の根本的な解決には、液晶性樹脂そのものの品質の向上を要し、公知の液晶性樹脂やそれを用いた方法では、ブリスター発生の問題を解決するには不充分である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、耐熱性及び機械的性質に優れ、そり変形及びブリスター発生が抑制されたコネクターの製造を実現できる、流動性が良好な液晶性樹脂組成物、及び当該液晶性樹脂組成物の成形品を含むコネクターを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、液晶性樹脂と特定の組成を有する繊維状ウォラストナイトとマイカとを含有し、繊維状ウォラストナイト、マイカ、及びこれらの合計の各々の含有量が所定の範囲である液晶性樹脂組成物を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には本発明は以下のものを提供する。
(1) (A)液晶性樹脂、(B)繊維状ウォラストナイト、及び(C)マイカを含有する液晶性樹脂組成物であって、前記繊維状ウォラストナイトにおいて、Alの含有量は、0.05〜0.65質量%、Feの含有量は、0.05〜1.0質量%であり、前記液晶性樹脂組成物全体に対して、前記(B)繊維状ウォラストナイトの含有量は、2.5〜15質量%、前記(C)マイカの含有量は、17.5〜27.5質量%、前記(B)繊維状ウォラストナイトと前記(C)マイカとの合計の含有量は、20〜37.5質量%である液晶性樹脂組成物。
(2) 製品全長が30mm未満であり、製品高さが5mm未満であるコネクター用である(1)に記載の液晶性樹脂組成物。
(3) (1)又は(2)に記載の液晶性樹脂組成物の成形品を含み、製品全長が30mm未満であり、製品高さが5mm未満であるコネクター。
(4) 低背狭ピッチコネクターである(3)に記載のコネクター。
(5) ピッチ間距離が0.5mm以下であり、
製品全長が3.5mm以上30mm未満であり、
製品高さが1.5mm以下であり、
基板対基板コネクター又はフレキシブルプリント基板用コネクターである低背狭ピッチコネクターである(3)又は(4)に記載のコネクター。
本発明によれば、耐熱性及び機械的性質に優れ、そり変形及びブリスター発生が抑制されたコネクターの製造を実現できる、流動性が良好な液晶性樹脂組成物、及び当該液晶性樹脂組成物の成形品を含むコネクターを提供することができる。
実施例で成形したFPCコネクターを示す図である。なお、図中の数値の単位はmmである。 実施例で行ったFPCコネクターのそりの測定における測定箇所を示す図である。
<液晶性樹脂組成物>
本発明に係る液晶性樹脂組成物は、(A)液晶性樹脂、(B)繊維状ウォラストナイト、及び(C)マイカを含有する液晶性樹脂組成物であって、前記繊維状ウォラストナイトにおいて、Alの含有量は、0.05〜0.65質量%、Feの含有量は、0.05〜1.0質量%であり、前記液晶性樹脂組成物全体に対して、前記(B)繊維状ウォラストナイトの含有量は、2.5〜15質量%、前記(C)マイカの含有量は、17.5〜27.5質量%、前記(B)繊維状ウォラストナイトと前記(C)マイカとの合計の含有量は、20〜37.5質量%である。
[(A)液晶性樹脂]
本発明で使用する(A)液晶性樹脂とは、光学異方性溶融相を形成し得る性質を有する溶融加工性ポリマーを指す。異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利用した慣用の偏光検査法により確認することが出来る。より具体的には、異方性溶融相の確認は、Leitz偏光顕微鏡を使用し、Leitzホットステージに載せた溶融試料を窒素雰囲気下で40倍の倍率で観察することにより実施できる。本発明に適用できる液晶性樹脂は直交偏光子の間で検査したときに、たとえ溶融静止状態であっても偏光は通常透過し、光学的に異方性を示す。
上記のような(A)液晶性樹脂の種類としては特に限定されず、芳香族ポリエステル及び/又は芳香族ポリエステルアミドであることが好ましい。(A)液晶性樹脂は、全芳香族ポリエステル及び/又は全芳香族ポリエステルアミドでも、全芳香族ポリエステル及び/又は芳香族ポリエステルアミドを同一分子鎖中に部分的に含む液晶性樹脂でもよく、耐熱性等の観点から、全芳香族ポリエステル及び/又は全芳香族ポリエステルアミドが好ましい。(A)液晶性樹脂としては、60℃でペンタフルオロフェノールに濃度0.1質量%で溶解したときに、好ましくは少なくとも約2.0dl/g、更に好ましくは2.0〜10.0dl/gの対数粘度(I.V.)を有する、芳香族ポリエステル及び/又は芳香族ポリエステルアミド等の液晶性樹脂も好ましく使用される。
本発明に適用できる(A)液晶性樹脂としての芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドは、特に好ましくは、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ヒドロキシアミン、及び芳香族ジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物に由来する繰り返し単位を構成成分として有する芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドである。
より具体的には、
(1)主として芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上に由来する繰り返し単位からなるポリエステル;
(2)主として(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上に由来する繰り返し単位と、(b)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、及びそれらの誘導体の1種又は2種以上に由来する繰り返し単位とからなるポリエステル;
(3)主として(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上に由来する繰り返し単位と、(b)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、及びそれらの誘導体の1種又は2種以上に由来する繰り返し単位と、(c)芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオール、及びそれらの誘導体の少なくとも1種又は2種以上に由来する繰り返し単位、とからなるポリエステル;
(4)主として(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上に由来する繰り返し単位と、(b)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン、及びそれらの誘導体の1種又は2種以上に由来する繰り返し単位と、(c)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、及びそれらの誘導体の1種又は2種以上に由来する繰り返し単位、とからなるポリエステルアミド;
(5)主として(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上に由来する繰り返し単位と、(b)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン、及びそれらの誘導体の1種又は2種以上に由来する繰り返し単位と、(c)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、及びそれらの誘導体の1種又は2種以上に由来する繰り返し単位と、(d)芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオール、及びそれらの誘導体の少なくとも1種又は2種以上に由来する繰り返し単位、とからなるポリエステルアミド等が挙げられる。更に上記の構成成分に必要に応じ分子量調整剤を併用してもよい。
本発明に適用できる(A)液晶性樹脂を構成する具体的化合物の好ましい例としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸;2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン、下記一般式(I)で表される化合物、及び下記一般式(II)で表される化合物等の芳香族ジオール;テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、及び下記一般式(III)で表される化合物等の芳香族ジカルボン酸;p−アミノフェノール、p−フェニレンジアミン等の芳香族アミン類が挙げられる。
Figure 0006895032
(X:アルキレン(C〜C)、アルキリデン、−O−、−SO−、−SO−、−S−、及び−CO−より選ばれる基である)
Figure 0006895032
Figure 0006895032
(Y:−(CH−(n=1〜4)及び−O(CHO−(n=1〜4)より選ばれる基である。)
本発明に用いられる(A)液晶性樹脂の調製は、上記のモノマー化合物(又はモノマーの混合物)から直接重合法やエステル交換法を用いて公知の方法で行うことができ、通常は溶融重合法、溶液重合法、スラリー重合法、固相重合法等、又はこれらの2種以上の組み合わせが用いられ、溶融重合法、又は溶融重合法と固相重合法との組み合わせが好ましく用いられる。エステル形成能を有する上記化合物類はそのままの形で重合に用いてもよく、また、重合の前段階でアシル化剤等を用いて前駆体から該エステル形成能を有する誘導体に変性されたものでもよい。アシル化剤としては、無水酢酸等の無水カルボン酸等を挙げることができる。
重合に際しては、種々の触媒の使用が可能である。使用可能な触媒の代表的なものとしては、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、トリス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(III)等の金属塩系触媒、N−メチルイミダゾール、4−ジメチルアミノピリジン等の有機化合物系触媒を挙げることができる。触媒の使用量は、一般には、モノマーの全重量に対して、約0.001〜1質量%であることが好ましく、約0.01〜0.2質量%であることが特に好ましい。
上記のような方法で得られた(A)液晶性樹脂の溶融粘度は特に限定されない。一般には成形温度での溶融粘度が剪断速度1000sec−1で10Pa・s以上600Pa・s以下のものが使用可能である。しかし、それ自体あまり高粘度のものは流動性が非常に悪化するため好ましくない。なお、上記(A)液晶性樹脂は2種以上の液晶性樹脂の混合物であってもよい。
(A)液晶性樹脂の融点(以下、「Tm」ともいう。)及び結晶化温度(以下、「Tc」ともいう。)は特に限定されない。TmとTcとの差Tm−Tcは、ブリスター発生を抑制しやすく、機械的強度を維持しやすい点で、45℃以下が好ましく、42℃以下がより好ましく、40℃以下が更により好ましい。Tm−Tcの下限は、特に限定されず、0℃、1℃、5℃、10℃、20℃、30℃、及び37℃のいずれでもよい。
本発明の液晶性樹脂組成物において、(A)液晶性樹脂の好ましい含有量は、62.5〜80質量%である。(A)成分の含有量が上記範囲内であると、組成物は、流動性を維持しつつ、ブリスター発生を抑制しやすい。(A)成分の含有量は、より好ましくは63.5〜75質量%、更により好ましくは65〜70質量%である。
[(B)繊維状ウォラストナイト]
(B)成分は繊維状ウォラストナイトであり、(B)成分において、Alの含有量は、0.05〜0.65質量%、Feの含有量は、0.05〜1.0質量%である。即ち、(B)成分は、その主成分たるSiO及びCaOの他に、Al及びFeを上記範囲の量で含有するものである。(B)成分にAl及びFeが含まれることにより、組成物は、溶融粘度が低くなり、流動性を維持しやすくなるが、(B)成分におけるAl及びFeの各含有量が多すぎると、ブリスター発生の問題が生じ得る。(B)成分にAl及びFeが上記範囲の量で含まれることにより、組成物は、流動性を維持しつつ、ブリスター発生を抑制しやすい。なお、本明細書において、(B)成分におけるAl及びFeの各含有量としては、JIS K 0119に準拠して分析した値を採用する。
(B)成分において、Alの含有量は、好ましくは0.08〜0.45質量%、より好ましくは0.11〜0.30質量%であり、Feの含有量は、好ましくは0.1〜0.5質量%、より好ましくは0.18〜0.23質量%である。Alの含有量及びFeの含有量が上記範囲内であると、組成物は、ブリスター発生をより抑制しやすい。
(B)成分の平均繊維長は、好ましくは50〜200μmであり、より好ましくは70〜180μmであり、更により好ましくは90〜160μmである。上記平均繊維長が上記範囲内であると、組成物は、ブリスター発生をより抑制しやすい。なお、本明細書において、平均繊維長としては、繊維状ウォラストナイトの実体顕微鏡画像10枚をCCDカメラからPCに取り込み、画像測定機によって画像処理手法により、実体顕微鏡画像1枚ごとに100本の繊維状ウォラストナイト、即ち、合計1000本の繊維状ウォラストナイトについて繊維長を測定した値の平均を採用する。なお、液晶性樹脂組成物中の(B)成分は、液晶性樹脂組成物を600℃で2時間加熱して灰化することで得られる。
(B)成分の好ましい平均繊維径は1〜20μm以下であり、より好ましい平均繊維径は5〜16μmである。上記平均繊維径が上記範囲内であると、組成物は、ブリスター発生をより抑制しやすい。なお、本明細書において、平均繊維径としては、繊維状ウォラストナイトを走査型電子顕微鏡で観察し、100本の繊維状ウォラストナイトについて繊維径を測定した値の平均を採用する。
本発明の液晶性樹脂組成物において、(B)成分の含有量は、2.5〜15質量%である。(B)成分の含有量が上記範囲内であると、組成物は、機械的性質を維持しつつ、流動性に優れるため、成形時の最小充填圧力が過度になりにくく、更に、ブリスター発生を抑制しやすい。(B)成分の含有量は、より好ましくは3.5〜12.5質量%、更により好ましくは5〜10質量%である。(B)成分は、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
[(C)マイカ]
(C)成分はマイカである。本発明に係る液晶性樹脂組成物に(C)成分が含まれることにより、そり変形が抑制された成形品を得やすい。(C)成分は、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明の液晶性樹脂組成物において、(C)成分の含有量は、17.5〜27.5質量%である。(C)成分の含有量が上記範囲内であると、組成物からは、そり変形が抑制された成形品をより得やすい。(C)成分の含有量は、より好ましくは18.5〜26.5質量%、更により好ましくは20〜25質量%である。
〔マイカ〕
マイカとは、アルミニウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、鉄等を含んだケイ酸塩鉱物の粉砕物である。本発明において使用できるマイカとしては、白雲母、金雲母、黒雲母、人造雲母等が挙げられるが、これらのうち色相が良好であり、低価格であるという点で白雲母が好ましい。
また、マイカの製造において、鉱物を粉砕する方法としては、湿式粉砕法及び乾式粉砕法が知られている。湿式粉砕法とは、マイカ原石を乾式粉砕機にて粗粉砕した後、水を加えてスラリー状態にて湿式粉砕で本粉砕し、その後、脱水、乾燥を行う方法である。湿式粉砕法と比較して、乾式粉砕法は低コストで一般的な方法であるが、湿式粉砕法を用いると、鉱物を薄く細かく粉砕することがより容易である。後述する好ましい平均粒子径及び厚みを有するマイカが得られるという理由で、本発明においては薄く細かい粉砕物を使用することが好ましい。したがって、本発明においては、湿式粉砕法により製造されたマイカを使用するのが好ましい。
また、湿式粉砕法においては、被粉砕物を水に分散させる工程が必要であるため、被粉砕物の分散効率を高めるために、被粉砕物に凝集沈降剤及び/又は沈降助剤を加えることが一般的である。本発明において使用できる凝集沈降剤及び沈降助剤としては、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化コッパラス、ポリ硫酸鉄、ポリ塩化第二鉄、鉄−シリカ無機高分子凝集剤、塩化第二鉄−シリカ無機高分子凝集剤、消石灰(Ca(OH))、苛性ソーダ(NaOH)、ソーダ灰(NaCO)等が挙げられる。これらの凝集沈降剤及び沈降助剤は、pHがアルカリ性又は酸性である。本発明で使用するマイカは、湿式粉砕する際に凝集沈降剤及び/又は沈降助剤を使用していないものが好ましい。凝集沈降剤及び/又は沈降助剤で処理されていないマイカを使用すると、液晶性樹脂組成物中のポリマーの分解が生じにくく、多量のガス発生やポリマーの分子量低下等が起きにくいため、コネクター等の成形品の性能をより良好に維持するのが容易である。
本発明において使用できるマイカは、マイクロトラックレーザー回折法により測定した平均粒子径が10〜100μmであるものが好ましく、平均粒子径が20〜80μmであるものが特に好ましい。マイカの平均粒子径が10μm以上であると、成形品の剛性に対する改良効果が十分となりやすいため好ましい。マイカの平均粒子径が100μm以下であると、成形品の剛性の向上が十分となりやすく、ウェルド強度も十分となりやすいため好ましい。更に、マイカの平均粒子径が100μm以下であると、本発明のコネクター等を成形するのに十分な流動性を確保しやすい。
本発明において使用できるマイカの厚みは、電子顕微鏡の観察により実測した厚みが0.01〜1μmであることが好ましく、0.03〜0.3μmであることが特に好ましい。マイカの厚みが0.01μm以上であると、液晶性樹脂組成物の溶融加工の際にマイカが割れにくくなるため、成形品の剛性が向上しやすい可能性があるため好ましい。マイカの厚みが1μm以下であると、成形品の剛性に対する改良効果が十分となりやすいため好ましい。
本発明において使用できるマイカは、シランカップリング剤等で表面処理されていてもよく、かつ/又は、結合剤で造粒し顆粒状とされていてもよい。
更に、(B)成分と(C)成分との合計の含有量は、本発明の液晶性樹脂組成物において、20〜37.5質量%であり、好ましくは25〜36.5質量%であり、より好ましくは30〜35質量%である。上記合計の含有量が20質量%以上であると、そり変形が抑制された成形品を得やすい。上記合計の含有量が37.5質量%以下であると、組成物は、機械的性質を維持しつつ、流動性に優れるため、成形時の最小充填圧力が過度になりにくく、更に、ブリスター発生を抑制しやすい。
[その他の成分]
本発明に係る液晶性樹脂組成物には、本発明の効果を害さない範囲で、その他の重合体、その他の充填剤、一般に合成樹脂に添加される公知の物質、即ち、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止剤、難燃剤、染料や顔料等の着色剤、潤滑剤、離型剤、結晶化促進剤、結晶核剤等のその他の成分も要求性能に応じ適宜添加することができる。その他の成分は1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。その他の充填剤とは、(B)繊維状ウォラストナイト及び(C)マイカ以外の充填剤をいい、例えば、(C)マイカ以外の板状充填剤;シリカ等の粒状充填剤が挙げられる。(C)マイカ以外の板状充填剤としては、例えば、タルク等が挙げられる。但し、成形品のそり変形の抑制等の観点から、本発明の液晶性樹脂組成物は、タルク等の、(C)マイカ以外の板状充填剤を含有しないことが好ましい。
[液晶性樹脂組成物の調製方法]
本発明の液晶性樹脂組成物の調製方法は特に限定されない。例えば、上記(A)〜(C)成分、及び、任意に、その他の成分を配合して、これらを1軸又は2軸押出機を用いて溶融混練処理することで、液晶性樹脂組成物の調製が行われる。
本発明に係る液晶性樹脂組成物は流動性に優れるため、成形時の最小充填圧力が過度になりにくく、コネクター、特に、低背狭ピッチコネクター等のような小型で複雑な形状を有する部品等を好ましく成形できる。流動性の程度は、コネクターの最小充填圧力により判断する。即ち、図1に示すFPCコネクターを射出成形する際に良好な成形体を得られる最小の射出充填圧力を最小充填圧力として特定する。最小充填圧力が低いほど、流動性が優れていると評価される。
液晶性樹脂の融点より10〜30℃高い温度で、剪断速度1000/秒で、ISO11443に準拠して測定した液晶性樹脂組成物の溶融粘度は、好ましくは1×10Pa・s以下、より好ましくは5Pa・s以上1×10Pa・s以下である。上記溶融粘度が1×10Pa・s以下であると、コネクター、特に、低背狭ピッチコネクターの成形時において、液晶性樹脂組成物の流動性を確保しやすく、充填圧力が過度になりにくい。
<コネクター>
本発明に係る液晶性樹脂組成物を成形することにより、本発明のコネクターを得ることができる。本発明のコネクターとしては、特に限定されず、例えば、製品全長が30mm未満、製品高さが5mm未満であるコネクターが挙げられる。製品全長が30mm未満、製品高さが5mm未満であるコネクターとしては、特に限定されず、例えば、低背狭ピッチコネクター、同軸コネクター、マイクロSIMコネクター、マイクロSDコネクター等が挙げられる。中でも、低背狭ピッチコネクターが好適である。低背狭ピッチコネクターとしては、特に限定されず、例えば、基板対基板コネクター(「BtoBコネクター」としても知られる)、フレキシブルプリント基板用コネクター(フレキシブルプリント基板(FPC)とフレキシブルフラットケーブル(FFC)とを接続するために使用され、「FPCコネクター」としても知られる)等が挙げられる。中でも、ピッチ間距離が0.5mm以下、製品全長が3.5mm以上30mm未満、製品高さが1.5mm以下であり、基板対基板コネクター又はフレキシブルプリント基板用コネクターである低背狭ピッチコネクターが好適である。
本発明のコネクターを得る成形方法としては特に限定されず、コネクターの変形等を防ぐために、残留内部応力のない成形条件を選ぶことが好ましい。充填圧力を低くし、コネクターの残留内部応力を低下させるために、成形機のシリンダー温度は、液晶性樹脂の融点以上の温度が好ましい。
また、金型温度は70〜100℃が好ましい。金型温度が低いと、金型に充填された液晶性樹脂組成物が流動不良を起こす可能性があるため好ましくない。金型温度が高いと、バリ発生等の問題が生じる可能性があるため好ましくない。射出速度については、150mm/秒以上で成形することが好ましい。射出速度が低いと、未充填成形体しか得られない可能性があり、完全に充填した成形体が得られたとしても、充填圧力が高く残留内部応力の大きい成形体となり、平面度が劣るコネクターしか得られない可能性がある。
本発明のコネクターは、そり変形が抑制されている。コネクターのそりの程度は、以下の通りにして判断する。即ち、図1に示すFPCコネクターにて、図2において黒丸で示す複数の位置で高さを測定し、最小二乗平面からの最大高さと最小高さとの差をそりとする。本発明のコネクターは、IRリフローを行う前後において、そりの変化が抑制されている。
また、本発明のコネクターは、ブリスター発生が抑制されている。ブリスター発生の程度は、ブリスター温度により判断する。即ち、所定温度のシリコーンオイルに浸漬した成形品の表面におけるブリスター発生の有無を目視にて観察し、成形品30個中、ブリスターの発生個数がゼロとなる最高温度をブリスター温度とする。ブリスター温度が高いほど、ブリスター発生が抑制されていると評価される。
また、本発明のコネクターは、耐熱性、例えば、高温剛性により評価されるような耐熱性に優れる。高温剛性は、ISO75−1,2に準拠して荷重たわみ温度を測定することで評価する。
本発明のコネクターは、機械的強度に優れる。機械的強度は、ASTM D790に準拠した曲げ試験により、曲げ強度、破断歪、及び曲げ弾性率を測定することで評価する。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
(A)液晶性樹脂
(液晶性樹脂1の製造方法)
撹拌機、還流カラム、モノマー投入口、窒素導入口、減圧/流出ラインを備えた重合容器に、以下の原料モノマー、脂肪酸金属塩触媒、アシル化剤を仕込み、窒素置換を開始した。
(I)4−ヒドロキシ安息香酸1385g(60モル%)(HBA)
(II)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸88g(2.8モル%)(HNA)
(III)テレフタル酸504g(18.15モル%)(TA)
(IV)イソフタル酸19g(0.7モル%)(IA)
(V)4,4’−ジヒドロキシビフェニル415g(13.35モル%)(BP)
(VI)N−アセチル−p−アミノフェノール126g(5モル%)(APAP)
酢酸カリウム触媒120mg
無水酢酸1662g
重合容器に原料を仕込んだ後、反応系の温度を140℃に上げ、140℃で1時間反応させた。その後、更に360℃まで5.5時間かけて昇温し、そこから20分かけて10Torr(即ち1330Pa)まで減圧にして、酢酸、過剰の無水酢酸、その他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部からポリマーを排出し、ストランドをペレタイズしてペレット化した。得られたペレットの融点は345℃、融点と結晶化温度との差Tm−Tcは37℃、溶融粘度は10Pa・sであった。
(液晶性樹脂2の製造方法)
撹拌機、還流カラム、モノマー投入口、窒素導入口、減圧/流出ラインを備えた重合容器に、以下の原料モノマー、金属触媒、アシル化剤を仕込み、窒素置換を開始した。
(I)4−ヒドロキシ安息香酸:1380g(60モル%)(HBA)
(II)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸:157g(5モル%)(HNA)
(III)テレフタル酸:484g(17.5モル%)(TA)
(IV)4,4’−ジヒドロキシビフェニル:388g(12.5モル%)(BP)
(V)4−アセトキシアミノフェノール:17.2g(5モル%)(APAP)
酢酸カリウム触媒:110mg
無水酢酸:1659g
重合容器に原料を仕込んだ後、反応系の温度を140℃に上げ、140℃で1時間反応させた。その後、更に340℃まで4.5時間かけて昇温し、そこから15分かけて10Torr(即ち、1330Pa)まで減圧して、酢酸、過剰の無水酢酸、その他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部からポリマーを排出し、ストランドをペレタイズしてペレット化した。得られたペレットの融点は336℃、Tm−Tcは40℃、溶融粘度は20Pa・sであった。
(液晶性樹脂3の製造方法)
撹拌機、還流カラム、モノマー投入口、窒素導入口、減圧/流出ラインを備えた重合容器に、以下の原料モノマー、金属触媒、アシル化剤を仕込み、窒素置換を開始した。
(I)2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸166g(48モル%)(HNA)
(II)テレフタル酸76g(25モル%)(TA)
(III)4,4’−ジヒドロキシビフェニル86g(25モル%)(BP)
(IV)4−ヒドロキシ安息香酸5g(2モル%)(HBA)
酢酸カリウム触媒22.5mg
無水酢酸191g
重合容器に原料を仕込んだ後、反応系の温度を140℃に上げ、140℃で1時間反応させた。その後、更に360℃まで5.5時間かけて昇温し、そこから30分かけて5Torr(即ち、667Pa)まで減圧して、酢酸、過剰の無水酢酸、その他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部からポリマーを排出し、ストランドをペレタイズしてペレット化した。得られたペレットについて、窒素気流下、300℃で8時間の熱処理を行った。ペレットの融点は352℃、Tm−Tcは25℃、溶融粘度は23Pa・sであった。
なお、液晶性樹脂1〜3の溶融粘度は、後述する液晶性樹脂組成物の溶融粘度の測定方法と同様にして測定した。
(充填剤)
(B)繊維状ウォラストナイト
繊維状ウォラストナイト1:キンセイマテック(株)製SH−1250BJ
繊維状ウォラストナイト2:NYCO Materials社製NYGLOS 8
繊維状ウォラストナイト3:キンセイマテック(株)製FPW#150
繊維状ウォラストナイト4:キンセイマテック(株)製SH−800
繊維状ウォラストナイト1〜4の組成、平均繊維長、及び平均繊維径は、表1に示す通りである。なお、繊維状ウォラストナイトにおけるSiO、CaO、Al、及びFeの各含有量は、繊維状ウォラストナイト約3gとセルロースパウダー(GEヘルスケア バイオサイエンス(株)製、Whatman CC31)約3gとを混合し、プレスして得たタブレット状試料について、全自動蛍光X線分析装置(スペクトリス(株)製、MagiX Pro Pw2540/00)を用いて、JIS K 0119に準拠して、ファンダメンタルパラメーター(FP)法にて定量分析を行い、算出した。
Figure 0006895032
(C)板状充填剤
マイカ:(株)ヤマグチマイカ製AB−25S、平均粒子径25.0μm
タルク:松村産業(株)製クラウンタルクPP、平均粒子径12.8μm
[液晶性樹脂組成物の製造]
上記成分を、表2又は表3に示す割合(単位:質量%)で二軸押出機((株)日本製鋼所製TEX30α型)を用いて、下記シリンダー温度にて溶融混練し、液晶性樹脂組成物ペレットを得た。その際、上記押出機のメインフィード口から液晶性樹脂を供給し、上記メインフィード口より押出方向後方に設けられたサイドフィード口から充填剤を供給した。
シリンダー温度:
360℃(実施例1〜4、7、及び8、比較例1〜7)
350℃(実施例5)
370℃(実施例6)
[融点の測定]
TAインスツルメント社製DSCにて、液晶性樹脂を室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、(Tm1+40)℃の温度で2分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度、20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピークの温度を測定した。
[結晶化温度の測定]
TAインスツルメント社製DSCにて、液晶性樹脂を室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、(Tm1+40)℃の温度で2分間保持した後、20℃/分の降温条件で測定した際に観測される発熱ピーク温度を測定した。
[液晶性樹脂組成物の溶融粘度の測定]
(株)東洋精機製作所製キャピログラフ1B型を使用し、液晶性樹脂の融点よりも10〜30℃高い温度で、内径1mm、長さ20mmのオリフィスを用いて、剪断速度1000/秒で、ISO11443に準拠して、液晶性樹脂組成物の溶融粘度を測定した。なお、測定温度は、液晶性樹脂1を使用した液晶性樹脂組成物については350℃、液晶性樹脂2を使用した液晶性樹脂組成物については360℃、液晶性樹脂3を使用した液晶性樹脂組成物については380℃であった。結果を表2及び3に示す。
[曲げ試験]
下記成形条件で、液晶性樹脂組成物を射出成形して0.8mm厚の成形品を得、ASTM D790に準拠し、曲げ強度、破断歪、及び曲げ弾性率を測定した。結果を表2及び3に示す。
[荷重たわみ温度]
下記成形条件で、液晶性樹脂組成物を射出成形して成形品を得、ISO75−1,2に準拠して荷重たわみ温度を測定した。なお、曲げ応力としては、1.8MPaを用いた。結果を表2及び3に示す。
[FPCコネクターそり]
下記成形条件で、液晶性樹脂組成物を射出成形し(ゲート:トンネルゲート、ゲートサイズ:φ0.4mm)、図1に示すような、全体の大きさ17.6mm×4.00mm×1.16mm、ピッチ間距離0.5mm、ピン孔数30×2ピン、最小肉厚:0.12mmのFPCコネクターを得た。
得られたコネクターを水平な机の上に静置し、コネクターの高さをミツトヨ製クイックビジョン404PROCNC画像測定機により測定した。その際、図2において黒丸で示す複数の位置で高さを測定し、最小二乗平面からの最大高さと最小高さとの差をFPCコネクターのそりとした。なお、そりは、下記条件で行ったIRリフローの前後で測定した。結果を表2及び3に示す。
(IRリフロー条件)
測定機:日本パルス技術研究所製大型卓上リフローハンダ付け装置RF−300(遠赤外線ヒーター使用)
試料送り速度:140mm/sec
リフロー炉通過時間:5分
プレヒートゾーンの温度条件:150℃
リフローゾーンの温度条件:190℃
ピーク温度:251℃
[FPCコネクター最小充填圧力]
図1のFPCコネクターを射出成形する際に良好な成形品を得られる最小の射出充填圧力を最小充填圧力として測定した。結果を表2及び3に示す。
[ブリスター温度]
下記成形条件で、液晶性樹脂組成物を射出成形して12.5mm×120mm×0.8mmの成形品を得、この成形品30個を所定温度のシリコーンオイルに浸漬して、洗剤で洗浄後、自然乾燥し、目視にて表面にブリスターが発生しているかどうかを調べた。ブリスター温度は、成形品30個中、ブリスターの発生個数がゼロとなる最高温度とし、以下の基準に従って評価した。結果を表2及び3に示す。
○(良好):上記ブリスター温度が260℃以上であった。
×(不良):上記ブリスター温度が260℃未満であった。
[成形条件]
成形機:
住友重機械工業(株)製SE100DU(曲げ試験、荷重たわみ温度、ブリスター温度の場合)
住友重機械工業(株)製SE30DUZ(FPCコネクターそりの場合)
シリンダー温度:
360℃(実施例1〜4、7、及び8、比較例1〜7)
350℃(実施例5)
370℃(実施例6)
金型温度:90℃
射出速度:33mm/sec
Figure 0006895032
Figure 0006895032
表2及び表3から分かる通り、実施例において、溶融粘度は35Pa・s以下、曲げ強度は140MPa以上、曲げ弾性率は10000MPa超、破断歪は2.0%超、荷重たわみ温度は230℃以上、リフロー前のFPCコネクターそりは0.030mm未満、リフロー後のFPCコネクターそりは0.090mm未満、FPCコネクター最小充填圧力は75MPa未満であり、ブリスター温度の評価は良好であった。よって、本発明に係る液晶性樹脂組成物は、流動性に優れ、この液晶性樹脂組成物の成形品を含むコネクターは、耐熱性及び機械的性質に優れ、そり変形及びブリスター発生が抑制されていることが確認された。

Claims (5)

  1. (A)液晶性樹脂、
    (B)繊維状ウォラストナイト、及び
    (C)マイカ
    を含有する液晶性樹脂組成物であって、
    前記(A)液晶性樹脂は、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し単位を構成成分として有する芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドであり、
    前記繊維状ウォラストナイトにおいて、Alの含有量は、0.05〜0.65質量%、Feの含有量は、0.05〜1.0質量%であり、
    前記液晶性樹脂組成物全体に対して、
    前記(B)繊維状ウォラストナイトの含有量は、2.5〜15質量%、
    前記(C)マイカの含有量は、17.5〜27.5質量%、
    前記(B)繊維状ウォラストナイトと前記(C)マイカとの合計の含有量は、20〜37.5質量%
    である液晶性樹脂組成物。
  2. 製品全長が30mm未満であり、製品高さが5mm未満であるコネクター用である請求項1に記載の液晶性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の液晶性樹脂組成物の成形品を含み、製品全長が30mm未満であり、製品高さが5mm未満であるコネクター。
  4. 低背狭ピッチコネクターである請求項3に記載のコネクター。
  5. ピッチ間距離が0.5mm以下であり、
    製品全長が3.5mm以上30mm未満であり、
    製品高さが1.5mm以下であり、
    基板対基板コネクター又はフレキシブルプリント基板用コネクターである低背狭ピッチコネクターである請求項3又は4に記載のコネクター。
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