JP6940973B2 - 澱粉含有食品及び澱粉含有食品用の改質剤 - Google Patents
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(1)7≦x;但し、xは、グルコース重合度(DP)が8〜9である分岐鎖の澱粉分解物中の含有量(質量%)である。
(2)31≦y≦60;但し、yは、分子量が14000〜80000である画分の澱粉分解物中の含有量(質量%)である。
本発明に係る澱粉含有食品において、前記xは、下記(1’)を満たしていてもよい。
(1’)8≦x
本発明に係る澱粉含有食品において、前記yは、下記(2’)を満たしていてもよい。
(2’)35≦y≦60
本発明に係る澱粉含有食品に用いる前記澱粉分解物において、分子量が14000〜80000である画分には、グルコース重合度(DP)が8〜9である分岐鎖を有する分岐糖質の少なくとも一部が含まれていてもよい。
(1)7≦x;但し、xは、グルコース重合度(DP)が8〜9である分岐鎖の澱粉分解物中の含有量(質量%)である。
(2)31≦y≦60;但し、yは、分子量が14000〜80000である画分の澱粉分解物中の含有量(質量%)である。
本発明において、「澱粉含有食品」とは、澱粉を含有する麺類、麺皮類及び和菓子類を含む概念であり、パン等のベーカリー製品は含まない概念である。
本発明において、「麺類」とは、小麦粉又は小麦粉以外の穀粉、澱粉、及び他の原材料を加水混練して製麺したものを指し、特定の麺類に限定するものではない。例えば、うどん、中華麺、そば、そうめん、ひやむぎ、きしめん、パスタ類、冷麺、ビーフン、フォー等が挙げられる。また、麺類の形態も特に限定されるものでなく、例えば、生麺、茹で麺、蒸し麺、乾麺、即席麺、調理麺(チルド麺、冷凍麺、LL麺(ロングライフ麺)等)等が挙げられる。
本発明において、「麺皮類」とは、小麦粉又は小麦粉以外の穀粉、澱粉、及び他の原材料を加水混練してシート状に伸ばしたものを指し、特定の麺皮類に限定するものではない。例えば、餃子の皮、焼売の皮、小龍包の皮、ワンタンの皮、ラビオリ等のフィリング入りパスタの皮等が挙げられる。
本発明において、「和菓子類」とは、穀粉、澱粉、及び他の原材料を加水混練して所望の形態に成形した日本の伝統的な菓子を指し、特定の和菓子類に限定するものではない。例えば、団子類、わらび餅、くず餅、饅頭、水饅頭、求肥、餅類、大福、ういろう等が挙げられる。
まず、本発明に用いる澱粉分解物について説明する。本発明に係る澱粉含有食品は、以下に説明する澱粉分解物を少なくとも含有する。また、本発明に係る澱粉含有食品用改質剤は、以下に説明する澱粉分解物を、有効成分とする。
(1)7≦x
(2)31≦y≦60
(1’)8≦x
(2’)35≦y≦60
(3)z≦15
本発明で用いる澱粉分解物は、その組成自体が新規であって、その収得の方法については特に限定されることはない。例えば、澱粉原料を、一般的な酸や酵素を用いた処理や、各種クロマトグラフィー、膜分離、エタノール沈殿等の所定操作を適宜、組み合わせて行うことによって得ることができる。
本発明に係る澱粉含有食品用改質剤は、前述した澱粉分解物を有効成分とすることを特徴とする。そのため、当該澱粉含有食品用改質剤を利用することで、澱粉含有食品に対して、外観や美味しさといった基本的品質を維持しつつ、新たな柔らかい食感を付与することができる。
本発明に係る澱粉含有食品は、前述した澱粉分解物を含有することを特徴とする。前述した澱粉分解物を含有することで、当該澱粉含有食品は、外観や美味しさといった基本的品質を維持しつつ、新たな柔らかい食感が付与される。前述した澱粉分解物は、公知の澱粉含有食品に添加することもできるし、澱粉含有食品の原料の一つとして利用して澱粉含有食品を製造することもできる。
実験例1では、澱粉分解物の具体的な糖組成が、糊化後の小麦澱粉の物性にどのように影響するかを検討した。
[枝作り酵素]
本実験例では、枝作り酵素の一例として、WO00/58445の方法に則って、精製したRhodothermus obamensis由来の酵素(以下「枝作り酵素」とする)を用いた。
基質溶液として、0.1M酢酸 緩衝液(pH5.2)にアミロース(Sigma社製,A0512)を0.1質量%溶解したアミロース溶液を用いた。
50μLの基質液に50μLの酵素液を添加し、30℃で30分間反応させた後、ヨウ素-ヨウ化カリウム溶液(0.39mMヨウ素−6mMヨウ化カリウム−3.8mM塩酸混合用液)を2mL加え反応を停止させた。ブランク溶液として、酵素液の代わりに水を添加したものを調製した。反応停止から15分後に660nmの吸光度を測定した。枝作り酵素の酵素活性量1単位は、上記の条件で試験する時、660nmの吸光度を1分間に1%低下させる酵素活性量とした。
「澱粉糖関連工業分析法」(澱粉糖技術部会編)のレインエイノン法に従って算出した。
下記の表1に示す条件で、ゲルろ過クロマトグラフィーにて分析を行った。分子量スタンダードとして、ShodexスタンダードGFC(水系GPC)カラム用Standard P-82(昭和電工株式会社製)を使用し、分子量スタンダードの溶出時間と分子量の相関から算出される検量線に基づいて、澱粉分解物中の分子量14000〜80000の画分の含有量を算出した。
a.未処理の澱粉分解物中のDP8〜9又はDP3〜7である糖鎖の含有量の測定
Brix1%に調整した澱粉分解物溶液について、下記表2に示す条件で液体クロマトグラフィーにて分析を行い、保持時間に基づいて、DP8〜9又はDP3〜7の含量を測定した。
Brix5%に調整した澱粉分解物溶液200μLに、1M酢酸緩衝液(pH5.0)を2μL、イソアミラーゼ(Pseudomonas sp.由来、Megazyme製)を固形分(g)当たり125ユニット、プルラナーゼ(Klebsiella planticola由来、Megazyme製)を固形分(g)当たり800ユニット添加し、水で全量400μLになるように調整した。これを40℃で24時間酵素反応させた後、煮沸により反応を停止した。これに600μLの水を加え、12000rpmにて5分間遠心分離を行った。上清900μLを脱塩、フィルター処理後、表2に示す条件で液体クロマトグラフィーにて分析を行い、保持時間に基づいて、DP8〜9又はDP3〜7の含量を測定した。
前記bで求めたDP8〜9の含量から、前記aで求めたDP8〜9の含量を引くことにより、澱粉分解物中のDP8〜9である分岐鎖の含有量を算出した。同様に、前記bで求めたDP3〜7の含量から、前記aで求めたDP3〜7の含量を引くことにより、澱粉分解物中のDP3〜7である分岐鎖の含有量を算出した。
(a)RVAによる最終粘度測定
澱粉分解物の食感改良効果の簡易的な評価方法として、澱粉分解物のRVA最終粘度による評価を行った。具体的には、水に、小麦澱粉を6質量%、及び下記表3に示す各澱粉分解物を5質量%(固形分として)で懸濁させ、RVA(ラピッド・ビスコ・アナライザー)を用いて、図1に示す条件で処理して、最終粘度(900sec経過後粘度)を測定し、コントロール(澱粉分解物が無添加の小麦澱粉懸濁液(6質量%))と比較することで、澱粉分解物の食感改良効果を評価した。
なお、RVAの最終粘度の測定値と、澱粉含有食品の食感との関係については、例えば、日作四国支報40:30−31,2003に、最終粘度と麺の硬さには、相関関係があることが報告されており、RVA最終粘度が低いほど、柔らかい食感となることを示唆している。
[実施例1]
10質量%消石灰にてpH5.8に調整した30質量%のコーンスターチスラリーに、αアミラーゼ(ターマミルSC、ノボザイムズ ジャパン株式会社製)を、固形分(g)当たり0.2質量%添加し、ジェットクッカー(温度110℃)で液化して、この液化液を95℃で保温して、継時的にDEを測定して、DE12になった時点で、10%塩酸でpH4.0に調整し、煮沸により反応を停止した。反応を停止した糖液のpHを6.0に調整した後、枝作り酵素を固形分(g)当たり600ユニット添加し、65℃で40時間反応させた。この澱粉分解物の溶液を、活性炭脱色、イオン精製し、固形分濃度50質量%に濃縮した。更に濃縮液をスプレードライヤーで粉末化し、実施例1の澱粉分解物を得た。
10%塩酸にてpH2.5に調整した30質量%のコーンスターチスラリーを、140℃の温度条件でDE5まで分解した。常圧に戻した後、10質量%消石灰を用いて中和することにより反応を停止した糖液のpHを5.8に調整した後、αアミラーゼ(クライスターゼT10S、天野エンザイム株式会社製)を、固形分(g)当たり0.02質量%添加し、95℃で反応を行い、経時的にDEを測定して、DEが9になった時点で、10%塩酸でpH4.0に調整し、煮沸により反応を停止した。反応を停止した糖液のpHを6.0に調整した後、枝作り酵素を固形分(g)当たり1100ユニット添加し、65℃で40時間反応させた。更にαアミラーゼ(クライスターゼT10S、天野エンザイム株式会社製)を、固形分(g)当たり0.02質量%添加し、80℃で反応を行い、経時的にDEを測定して、DEが15になった時点で、10%塩酸でpH4.0に調整し、煮沸により反応を停止した。この澱粉分解物の溶液を、活性炭脱色、イオン精製し、固形分濃度60質量%に濃縮した。更に濃縮液をスプレードライヤーで粉末化し、実施例2の澱粉分解物を得た。
10質量%消石灰にてpH5.8に調整した20質量%のワキシーコーンスターチスラリーに、αアミラーゼ(リコザイムスープラ、ノボザイムズ ジャパン株式会社製)を、固形分(g)当たり0.2質量%添加し、ジェットクッカー(温度110℃)で液化した。この液化液を95℃で保温して、継時的にDEを測定して、DE6になった時点で、10%塩酸でpH4.0に調整し、煮沸により反応を停止した。反応を停止した糖液のpHを6.0に調整した後、枝作り酵素を固形分(g)当たり500ユニット添加し、65℃で20時間反応させた。この澱粉分解物の溶液を、活性炭脱色、イオン精製し、固形分濃度40質量%に濃縮した。更に濃縮液をスプレードライヤーで粉末化し、実施例3の澱粉分解物を得た。
10質量%消石灰にてpH5.8に調整した30質量%のコーンスターチスラリーに、αアミラーゼ(リコザイムスープラ、ノボザイムズ ジャパン株式会社製)を、固形分(g)当たり0.2質量%添加し、ジェットクッカー(温度110℃)で液化した。この液化液を95℃で保温して、継時的にDEを測定して、DE7になった時点で、10%塩酸でpH4.0に調整し、煮沸により反応を停止した。反応を停止した糖液のpHを6.0に調整した後、枝作り酵素を固形分(g)当たり500ユニット添加し、65℃で50時間反応させた。更にαアミラーゼ(リコザイムスープラ、ノボザイムズ ジャパン株式会社製)を、固形分(g)当たり0.02質量%添加し、80℃で反応を行い、経時的にDEを測定して、DEが10になった時点で、10%塩酸でpH4.0に調整し、煮沸により反応を停止した。この澱粉分解物の溶液を、活性炭脱色、イオン精製し、固形分濃度50質量%に濃縮した。更に濃縮液をスプレードライヤーで粉末化し、実施例4の澱粉分解物を得た。
10質量%消石灰にてpH5.8に調整した30質量%のコーンスターチスラリーに、αアミラーゼ(クライスターゼT10S、天野エンザイム株式会社製)を、固形分(g)当たり0.2質量%添加し、ジェットクッカー(温度110℃)で液化した。この液化液を95℃で保温して、継時的にDEを測定して、DE6になった時点で、10%塩酸でpH4.0に調整し、煮沸により反応を停止した。反応を停止した糖液のpHを6.0に調整した後、枝作り酵素を固形分(g)当たり700ユニット添加し、65℃で30時間反応させた。更にαアミラーゼ(クライスターゼT10S、天野エンザイム株式会社製)を、固形分(g)当たり0.02質量%添加し、80℃で反応を行い、経時的にDEを測定して、DEが8になった時点で、10%塩酸でpH4.0に調整し、煮沸により反応を停止した。この澱粉分解物の溶液を、活性炭脱色、イオン精製、濃縮(固形分濃度50質量%)して、実施例5の澱粉分解物を得た。
10質量%消石灰にてpH5.8に調整した30質量%のコーンスターチスラリーに、αアミラーゼ(リコザイムスープラ、ノボザイムズ ジャパン株式会社製)を、固形分(g)当たり0.2質量%添加し、ジェットクッカー(温度110℃)で液化した。この液化液を95℃で保温して、継時的にDEを測定して、DE8になった時点で、10%塩酸でpH4.0に調整し、煮沸により反応を停止した。反応を停止した糖液のpHを6.0に調整した後、枝作り酵素を固形分(g)当たり500ユニット添加し、65℃で50時間反応させた。更にαアミラーゼ(リコザイムスープラ、ノボザイムズ ジャパン株式会社製)を、固形分(g)当たり0.02質量%添加し、80℃で反応を行い、経時的にDEを測定して、DEが11になった時点で、10%塩酸でpH4.0に調整し、煮沸により反応を停止した。この澱粉分解物の溶液を、活性炭脱色、イオン精製し、固形分濃度50質量%に濃縮した。更に濃縮液をスプレードライヤーで粉末化し、実施例6の澱粉分解物を得た。
10%塩酸にてpH2.5に調整した30質量%のコーンスターチスラリーを、140℃の温度条件でDE4まで分解した。常圧に戻した後、10質量%消石灰を用いて中和することにより反応を停止した糖液のpHを5.8に調整した後、αアミラーゼ(リコザイムスープラ、ノボザイムズ ジャパン株式会社製)を、固形分(g)当たり0.02質量%添加し、95℃で反応を行い、経時的にDEを測定して、DEが8になった時点で、10%塩酸でpH4.0に調整し、煮沸により反応を停止した。反応を停止した糖液のpHを6.0に調整した後、枝作り酵素を固形分(g)当たり500ユニット添加し、65℃で45時間反応させた。更にαアミラーゼ(リコザイムスープラ、ノボザイムズ ジャパン株式会社製)を、固形分(g)当たり0.02質量%添加し、80℃で反応を行い、経時的にDEを測定して、DEが9になった時点で、10%塩酸でpH4.0に調整し、煮沸により反応を停止した。この澱粉分解物の溶液を、活性炭脱色、イオン精製し、固形分濃度50質量%に濃縮した。更に濃縮液をスプレードライヤーで粉末化し、実施例7の澱粉分解物を得た。
パインデックス#1(松谷化学工業株式会社製)を使用した。
パインデックス#2(松谷化学工業株式会社製)を使用した。
BLD−8(参松工業株式会社製)を使用した。
10質量%消石灰にてpH5.8に調整した30質量%のコーンスターチスラリーに、αアミラーゼ(ターマミルSC、ノボザイムズ ジャパン株式会社製)を、固形分(g)当たり0.2質量%添加し、ジェットクッカー(温度110℃)で液化した。この液化液を95℃で保温して、継時的にDEを測定して、DE17になった時点で、10%塩酸でpH4.0に調整し、煮沸により反応を停止した。この澱粉分解物の溶液を、活性炭脱色、イオン精製し、固形分濃度60質量%に濃縮した。更に濃縮液をスプレードライヤーで粉末化し、比較例4の澱粉分解物を得た。
10%塩酸にてpH2.5に調整した30質量%のタピオカスターチスラリーを、140℃の温度条件でDE3まで分解した。常圧に戻した後、10質量%消石灰を用いて中和することにより反応を停止した糖液のpHを5.8に調整した後、αアミラーゼ(クライスターゼT10S、天野エンザイム株式会社製)を、固形分(g)当たり0.02質量%添加し、95℃で反応を行い、経時的にDEを測定して、DEが14になった時点で、10%塩酸でpH4.0に調整し、煮沸により反応を停止した。反応を停止した糖液のpHを6.0に調整した後、枝作り酵素を固形分(g)当たり700ユニット添加し、65℃で40時間反応させた。この澱粉分解物の溶液を、活性炭脱色、イオン精製し、固形分濃度50質量%に濃縮した。更に濃縮液をスプレードライヤーで粉末化し、比較例5の澱粉分解物を得た。
前記実施例7の澱粉分解物を30質量%に調整し、pHを6.0に調整した後、αアミラーゼ(リコザイムスープラ、ノボザイムズ ジャパン株式会社製)を、固形分(g)当たり0.02質量%添加し、80℃で反応を行い、経時的にDEを測定して、DEが19になった時点で、10%塩酸でpH4.0に調整し、煮沸により反応を停止した。この澱粉分解物の溶液を、活性炭脱色、イオン精製し、固形分濃度60質量%に濃縮した。更に濃縮液をスプレードライヤーで粉末化し、比較例6の澱粉分解物を得た。
前記で得られた実施例1〜7及び比較例1〜6について、それぞれ、澱粉分解物中のDE、DP8〜9である分岐鎖の含有量、分子量14000〜80000の画分の含有量を、前述した方法で測定した。また、RVAによる最終粘度について、前述した方法で評価した。結果を下記の表3に示す。
実験例2では、前記実験例1で製造した澱粉分解物を、実際の澱粉含有食品に適用した場合の食感改良効果について、検証した。
A.団子の製造
上新粉100重量部、実施例1,4,7、比較例1,3,7(L−SPD(昭和産業株式会社製)を使用),8(SPD(昭和産業株式会社製)を使用)の澱粉分解物20重量部、水100重量部をミキサーで混合した後、蒸籠で20分間蒸し、蒸した生地をミキサーに入れて混捏した後、15gずつに分割し球形に成形した。
(a)硬さ測定
テクスチャーアナライザー「TA.XTPlus」(Stable Micro Systems社製)を用い、団子を直径5mmの円筒型プランジャー、プランジャースピード1mm/sの条件で50%圧縮した時の応力(g)を測定した。なお、応力の測定値が小さいほど、「硬さ」が柔らかいことを示す。
澱粉分解物を添加しないものを基準品とした上で、10名の専門パネルが、下記の評価基準に基づいて食感を評価し、その平均点を評価点とした。
5点:基準品と比較して非常に柔らかい
4点:基準品と比較して柔らかい
3点:基準品と同等
2点:基準品と比較して硬い
1点:基準品と比較して非常に硬い
A.うどんの製造
中力粉55重量部、加工タピオカ澱粉40重量部、粉末グルテン5重量部に、塩5重量部、実施例2,5,7、比較例1,4の澱粉分解物5重量部(固形分)を水43重量部(澱粉分解物が液状品である実施例5については、澱粉分解物中の水分相当量を差し引いた38重量部)に溶解したものを加え、ミキサーにて混合した後、ロール式製麺機で圧延、麺線厚3.15mmで、切刃角9番を用いて切り出しを行い、生うどんを製造した。製造したうどんを、11分茹でた後、水洗いして冷却し、下記の評価を行った。
(a)硬さ測定
テクスチャーアナライザー「TA.XTPlus」(Stable Micro Systems社製)を用い、麺をプランジャーA/LKB−F、プランジャースピード0.17mm/sの条件で2mm切断した時の応力(g)を測定した。なお、応力の測定値が小さいほど、「硬さ」が柔らかいことを示す。
澱粉分解物を添加しないものを基準品とした上で、前記団子と同様の評価基準・方法にて、官能評価を行った。
A.うどんの製造
中力粉を100重量部、実施例1,3,6、比較例1,2,5の澱粉分解物1重量部に、水33重量部に塩5重量部溶解したものを加え、ミキサーにて混合した後、ロール式製麺機で圧延、麺線厚1.7mmで、切刃角10番を用いて切り出した生うどんを乾燥条件30℃にて24時間乾燥し、乾麺を製造した。製造したうどん(乾麺)は、15分茹でた後、水洗いして冷却し、下記の評価を行った。
(a)官能評価
澱粉分解物を添加しないものを基準品とした上で、前記団子と同様の評価基準・方法にて、官能評価を行った。
A.餃子の製造
準中力粉100重量部に、塩1重量部、実施例2,5,7、比較例3,4,6の澱粉分解物3重量部(固形分)を水38重量部(澱粉分解物が液状品である実施例5については、澱粉分解物中の水分相当量を差し引いた35重量部)に溶解したものを加え、ミキサーにて混合した後、ロール式製麺機で圧延して得られた麺帯を型抜きして、餃子の皮(直径90mm、皮厚み1mm)を調製した。豚挽き肉28質量部、野菜(キャベツ、にら、ニンニク)64質量部、醤油2質量部、粒状植物性たん白2質量部、みりん1質量部、ごま油1質量部、ラード1質量部、調味料類1質量部を混合し、ペースト状にして餡を調製した。上記餃子の皮で上記餡(15g)を包み、約23gの生餃子を調製した。調製した生餃子を、フライパンで7分間焼き調理し、餃子を製造した。
(a)官能評価
澱粉分解物を添加しないものを基準品とした上で、前記団子と同様の評価基準・方法にて、官能評価を行った。
A.わらび餅の製造
加工タピオカ澱粉50重量部、砂糖100重量部、水200重量部、わらび粉3.5重量部、実施例3,4,6、比較例2,5,6の澱粉分解物17.5重量部をあらかじめフライパンに移してよくかき混ぜ、次いで撹拌しながら加熱し、澱粉が糊化し透明になるまで混練し、型に入れ、冷やし固めてから切り分け、わらび餅を製造した。
(a)官能評価
澱粉分解物を添加しないものを基準品とした上で、前記団子と同様の評価基準・方法にて、官能評価を行った。
Claims (5)
- 下記(1)及び(2)を満たす主鎖と分岐鎖とからなる分岐糖質を含む澱粉分解物を含み、
該澱粉分解物は、酸又はαアミラーゼで液化された、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米澱粉、小麦澱粉、及び、馬鈴薯、キャッサバ、又は甘藷由来の澱粉から選ばれる1種又は2種以上の澱粉原料を、酸および/又はαアミラーゼによりDEを6〜15に調整し、α−1,4−グルコシド結合を切断してα−1,6−グルコシド結合による枝分かれを形成させる枝作り酵素により処理することで得られる、澱粉含有食品。
(1)7≦x;但し、xは、グルコース重合度(DP)が8〜9である分岐鎖の澱粉分解物中の含有量(質量%)である。
(2)31≦y≦60;但し、yは、分子量が14000〜80000である画分の澱粉分解物中の含有量(質量%)である。 - 前記xが、下記(1’)を満たす請求項1に記載の澱粉含有食品。
(1’)8≦x - 前記yが、下記(2’)を満たす請求項1又は2に記載の澱粉含有食品。
(2’)35≦y≦60 - 前記澱粉分解物の分子量が14000〜80000である画分に、グルコース重合度(DP)が8〜9である分岐鎖を有する分岐糖質の少なくとも一部が含まれる請求項1から3のいずれか一項に記載の澱粉含有食品。
- 下記(1)及び(2)を満たす主鎖と分岐鎖とからなる分岐糖質を含む澱粉分解物を有効成分とし、
該澱粉分解物は、酸又はαアミラーゼで液化された、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米澱粉、小麦澱粉、及び、馬鈴薯、キャッサバ、又は甘藷由来の澱粉から選ばれる1種又は2種以上の澱粉原料を、酸および/又はαアミラーゼによりDEを6〜15に調整し、α−1,4−グルコシド結合を切断してα−1,6−グルコシド結合による枝分かれを形成させる枝作り酵素により処理することで得られる、澱粉含有食品用改質剤。
(1)7≦x;但し、xは、グルコース重合度(DP)が8〜9である分岐鎖の澱粉分解物中の含有量(質量%)である。
(2)31≦y≦60;但し、yは、分子量が14000〜80000である画分の澱粉分解物中の含有量(質量%)である。
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