JP6897658B2 - 歩行者保護デバイスの制御方法および保護制御装置 - Google Patents

歩行者保護デバイスの制御方法および保護制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、歩行者保護デバイスの作動を制御するように構成された保護制御装置、および、歩行者保護デバイスの作動を制御する方法に関する。
車両に、乗員保護デバイスと歩行者保護デバイスとが搭載されることがある。乗員保護デバイスは、他車両等の障害物との衝突を検知するための、障害物用の衝突検知センサの出力に基づいて、作動が制御される。歩行者保護デバイスは、歩行者等との衝突を検知するための、歩行者用の衝突検知センサの出力に基づいて、作動が制御される。「歩行者等」には、乗員付き二輪車が含まれる。「二輪車」は、典型的には、例えば、自転車である。この種の構成を開示する従来技術として、例えば、特許文献1等が知られている。
特開2009−12549号公報
上記のように、乗員保護デバイスと歩行者保護デバイスとが車両に搭載される場合、それぞれを衝突形態に応じて適切に起動することが必要である。本発明は、上記に例示した事情等に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、乗員保護デバイスと歩行者保護デバイスとが車両に搭載される場合の、歩行者保護デバイスの作動制御を最適化することを目的とする。
請求項1に記載の保護制御装置(23)は、歩行者保護デバイス(21)の作動を制御するように構成されている。歩行者保護デバイスは、歩行者および乗員付き二輪車を含む特定物体が車両(1)と衝突した場合に、前記歩行者または前記乗員である保護対象を、車体(10)との衝突による衝撃から保護するように設けられている。
この保護制御装置は、
前記特定物体と前記車両との衝突であって前記歩行者保護デバイスの起動が必要な第一種衝突の発生を判定するように設けられた、第一衝突判定部(301)と、
前記特定物体とは異なる障害物と前記車両との衝突であって乗員保護デバイス(22)の起動が必要な第二種衝突の発生を判定するように設けられた、第二衝突判定部(302)と、
前記第一衝突判定部が前記第一種衝突の発生を判定した時点から所定の遅延時間が経過するまでの間に、前記第二衝突判定部が前記第二種衝突の発生を判定しなかったことを条件として、前記歩行者保護デバイスを起動する起動信号を発生するように設けられた、起動信号発生部(303)と、
備え、
前記第二衝突判定部は、前記車両の走行速度が低速域にある場合に、高速域にある場合とは異なる判定ロジックで前記第二種衝突の発生を判定するように構成されている。
請求項8に記載の制御方法は、以下の手順を有する。
前記特定物体と前記車両との衝突であって前記歩行者保護デバイスの起動が必要な前記第一種衝突の発生の有無を判定し、
前記特定物体とは異なる前記障害物と前記車両との衝突であって前記乗員保護デバイスの起動が必要な前記第二種衝突の発生の有無を判定し、
前記第一種衝突の発生を判定した時点から前記遅延時間が経過するまでの間に、前記第二種衝突の発生を判定しなかったことを条件として、前記起動信号を発生し、
前記車両の走行速度が低速域にある場合に、高速域にある場合とは異なる判定ロジックで前記第二種衝突の発生を判定する
なお、出願書類中の各欄において、各要素に括弧付きの参照符号が付されている場合、かかる参照符号は、単に、同要素と後述する実施形態に記載の具体的構成との対応関係の一例を示すものである。よって、本発明は、かかる参照符号の記載によって、何ら限定されるものではない。
乗員保護デバイスと歩行者保護デバイスとを搭載した車両の概略構成を示す平面図である。 図1に示された保護制御ECUの機能構成の第一実施形態を示すブロック図である。 図2に示された機能構成の動作説明のためのグラフである。 図1に示された保護制御ECUの機能構成の第二実施形態を示すブロック図である。 図1に示された保護制御ECUの機能構成の第三実施形態を示すブロック図である。 図1に示された保護制御ECUの機能構成の第四実施形態を示すブロック図である。 図6に示された機能構成の動作説明のためのグラフである。 図6に示された機能構成の動作説明のためのグラフである。 図1に示された保護制御ECUの機能構成の第五実施形態を示すフローチャートである。 図1に示された保護制御ECUの機能構成の第六実施形態を示すブロック図である。 図1に示された保護制御ECUの機能構成の第七実施形態を示すブロック図である。
(実施形態)
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、一つの実施形態に対して適用可能な各種の変形例については、当該実施形態に関する一連の説明の途中に挿入されると当該実施形態の理解が妨げられるおそれがあるため、当該実施形態の説明の後にまとめて記載する。
(車両の概略構成)
まず、図1を用いて、車両1の概略構成について説明する。なお、説明の便宜上、車両1における、「前」、「後」、「左」、および「右」の概念を、図1にて矢印で示した通りに定義する。また、以下の説明において、前後方向を「車両全長方向」を称し、左右方向を「車幅方向」と称することがある。
図1を参照すると、車両1は、いわゆる自動車であって、箱状の車体10を有している。車両1の前面11には、車体10の一部を構成するフロントバンパ12が設けられている。フロントバンパ12は、バンパカバー13と、バンパ補強部材14と、バンパアブソーバ16とを備えている。
フロントバンパ12の最外殻を構成するバンパカバー13は、ポリプロピレン等の合成樹脂によって形成されている。バンパ補強部材14およびバンパアブソーバ16は、バンパカバー13の内側に設けられている。
「バンパーリインフォースメント」と称されるバンパ補強部材14は、棒状の剛性部材であって、車幅方向を長手方向として配設されている。具体的には、バンパ補強部材14は、アルミニウム合金等の金属材料によって形成されている。バンパ補強部材14は、車両全長方向に沿って延設された一対のサイドメンバ15の前端部に固定されている。
バンパアブソーバ16は、バンパカバー13とバンパ補強部材14との間に配置されている。具体的には、バンパアブソーバ16は、バンパ補強部材14の前側表面、すなわち、バンパカバー13の裏面と対向するバンパ補強部材14の表面に固定されている。衝撃吸収部材であるバンパアブソーバ16は、発泡ポリプロピレン等の、発泡性の合成樹脂によって形成されている。
車体10の前部であって且つフロントバンパ12よりも後方には、フロントフード17と、フロントウィンドゥ18と、フロントピラー19とが設けられている。フロントフード17は、鋼板等の金属板材によって形成されている。
フロントウィンドゥ18は、ガラス等によって形成された透明な板材であって、フロントフード17よりも後方に配置されている。フロントピラー19は、鋼板等の金属板材によって形成された棒状部材であって、車幅方向におけるフロントウィンドゥ18の両側に設けられている。すなわち、フロントピラー19は、フロントウィンドゥ18の車幅方向における両端部を支持しつつ、後方且つ上方に延設されている。
(保護システムの構成)
車両1には、保護システム20が搭載されている。保護システム20は、車両1と衝突した人間を保護するように構成されている。
「車両1と衝突した人間」には、例えば、車両1と直接的に衝突した歩行者の他に、車両1と衝突した二輪車、車椅子等の乗員が含まれる。二輪車には、自転車および自動二輪車が含まれる。例えば、車両1と乗員付き二輪車との衝突においては、車両1と直接的に衝突した物体は、乗員ではなく二輪車である場合がある。但し、この場合であっても、二輪車の乗員は、車両1と「間接的」に衝突したということが可能である。車椅子等の乗員についても同様である。
すなわち、保護システム20は、車両1と特定物体とが衝突した場合に、保護対象を車体10との衝突による衝撃から保護するように構成されている。「特定物体」には、歩行者、乗員付き二輪車、乗員付き車椅子、等が含まれる。「保護対象」には、乗員付き二輪車等における乗員の他に、歩行者が含まれる。「保護対象」は、「交通弱者」とも称され得る。
また、保護システム20は、車両1が特定物体とは異なる「障害物」と衝突した場合に、車両1の乗員を保護するように構成されている。「障害物」には、壁、柱、他車両、等が含まれる。
具体的には、保護システム20は、歩行者保護デバイス21と、乗員保護デバイス22と、保護制御装置23とを備えている。
歩行者保護デバイス21は、特定物体が車両1と衝突した場合に、保護対象を、車体10との衝突による衝撃から保護するように設けられている。具体的には、歩行者保護デバイス21は、二次衝突による衝撃から、保護対象を保護するように構成されている。「二次衝突」とは、「一次衝突」の後に、二輪車等の乗員または歩行者である保護対象が、車体10に衝突することをいう。「一次衝突」とは、特定物体が、最初に車体10すなわちフロントバンパ12と衝突することをいう。
本実施形態においては、歩行者保護デバイス21として、フードポップアップ装置24と、歩行者エアバッグ装置25とが設けられている。フードポップアップ装置24は、一次衝突発生後且つ二次衝突発生前に、フロントフード17を上昇させるように構成されている。具体的には、フードポップアップ装置24は、作動時にフロントフード17の後端部を上方に押し上げるように構成されている。歩行者エアバッグ装置25は、一次衝突発生後且つ二次衝突発生前に、車体10上にて展開することで、保護対象を保護するように構成されている。フードポップアップ装置24および歩行者エアバッグ装置25の具体的な構成については、本願の出願時点ですでに公知あるいは周知であるので、これ以上の説明は省略する。
乗員保護デバイス22は、少なくとも前席エアバッグ26を備えている。前席エアバッグ26は、車両1が障害物と前面衝突した場合に前席乗員の前方にて展開することで、前席乗員を保護するように構成されている。乗員保護デバイス22の具体的な構成については、本願の出願時点ですでに公知あるいは周知であるので、これ以上の説明は省略する。
(保護制御装置の構成)
保護制御装置23は、歩行者保護デバイス21および乗員保護デバイス22の作動を制御するように構成されている。すなわち、保護制御装置23は、特定物体が車両1の前面11と衝突した否かを検知するとともに、特定物体の衝突を検知した場合に歩行者保護デバイス21を起動するように構成されている。また、保護制御装置23は、障害物が車両1の前面11と衝突した否かを検知するとともに、障害物の衝突を検知した場合に乗員保護デバイス22を起動するように構成されている。以下、保護制御装置23を構成する各部について説明する。
保護制御装置23の主要部を構成する保護制御ECU30は、各種センサ等から受信した各種信号に基づいて、保護システム20の全体の作動を制御するように構成されている。ECUはElectronic Control Unitの略である。
保護制御ECU30は、いわゆる車載マイクロコンピュータであって、不図示のCPU、ROM、RAM、および不揮発性RAMを備えている。不揮発性RAMは、例えば、フラッシュROM等である。保護制御ECU30のCPU、ROM、RAMおよび不揮発性RAMを、以下単に「CPU」、「ROM」、「RAM」および「不揮発性RAM」と略称する。
保護制御ECU30は、CPUがROMまたは不揮発性RAMからプログラムを読み出して実行することで、各種の制御動作を実現可能に構成されている。このプログラムには、後述のルーチンに対応するものが含まれている。また、ROMまたは不揮発性RAMには、プログラムの実行の際に用いられる各種のデータが、あらかじめ格納されている。各種のデータには、例えば、初期値、ルックアップテーブル、マップ、等が含まれている。保護制御ECU30の機能構成の詳細については後述する。
保護制御ECU30は、フロントバンパ12よりも後方に設けられている。具体的には、例えば、保護制御ECU30は、フロントフード17の後端部の下方、あるいは、車室内に配置されている。保護制御ECU30には、フロアGセンサ31が搭載されている。フロアGセンサ31は、加速度センサであって、前後方向の加速度に対応した出力(例えば電圧)を発生するように構成されている。フロアGセンサ31を構成する加速度センサは「減速度センサ」とも称され得る。
一対のサイドメンバ15のそれぞれにおける先端側の位置には、サテライトGセンサ32が装着されている。サテライトGセンサ32は、加速度センサであって、前後方向および/または左右方向の加速度に対応した出力(例えば電圧)を発生するように構成されている。
フロントバンパ12には、衝突センサ33が設けられている。衝突センサ33は、物体と車両1の前面11との衝突によりフロントバンパ12に印加された衝撃に応じた出力(例えば電圧)を発生するように構成されている。
本実施形態においては、衝突センサ33は、車幅方向に沿った長手方向を有する長尺状に形成された圧力チューブ式センサであって、バンパ補強部材14に沿って車幅方向に延設されている。本実施形態においては、衝突センサ33は、チューブ部材33aと、一対の圧力センサ33bとを有している。
チューブ部材33aは、車幅方向に沿って延設された管状部材であって、合成ゴム等の合成樹脂によって形成されている。チューブ部材33aの、車幅方向における、両端部を除く大部分は、バンパアブソーバ16に埋設されている。
チューブ部材33aの車幅方向における両端部には、圧力センサ33bが装着されている。圧力センサ33bは、チューブ部材33a内の圧力に対応する出力(例えば電圧)を発生するように構成されている。このような、圧力チューブ式センサである衝突センサ33の具体的な構成および配置については、本願の出願時点ですでに公知あるいは周知であるので、これ以上の説明は省略する。
衝突予知部34は、車両1の周囲に存在する物標を検知するように設けられている。すなわち、衝突予知部34は、車両1の前方に存在する物標の種別と、車両1の物標との衝突可能性を取得するように構成されている。具体的には、衝突予知部34は、フロントバンパ12に対する物体の衝突前に、当該物体の種別を認識可能に検知するとともに、当該物体までの距離等の各種パラメータを取得するように構成されている。衝突予知部34は、「予防センサ」とも称され得る。
より詳細には、例えば、衝突予知部34は、二個のカメラセンサを備えた、いわゆるステレオカメラとして構成され得る。あるいは、衝突予知部34は、カメラセンサとミリ波レーダセンサとを備えた、いわゆるフュージョンセンサとして構成され得る。このような衝突予知部34の具体的な構成および配置については、本願の出願時点ですでに公知あるいは周知であるので、本明細書においてはこれ以上の説明は省略する。
車速センサ35は、車両1の走行速度に対応する出力(例えば電圧)を発生するように構成されている。車両1の走行速度を、以下単に「車速」と称する。
保護制御ECU30は、Safe-by-Wire等の車載LAN規格に対応した車載通信回線を介して、歩行者保護デバイス21、乗員保護デバイス22、サテライトGセンサ32、および衝突センサ33と電気接続されている。また、保護制御ECU30は、CAN等の車載LAN規格に対応した車載通信回線を介して、衝突予知部34および車速センサ35と電気接続されている。CANは、Controller Area Networkの略であって、登録商標である。
(第一実施形態)
以下、保護制御ECU30の機能構成の第一実施形態について、図2を参照しつつ説明する。すなわち、図2は、保護制御ECU30のうちの、歩行者保護デバイス21を起動するための機能構成部分を示す。よって、図2においては、乗員保護デバイス22を起動するための機能構成部分は、図示が省略されている。後述する第二実施形態以降についても同様である。図2を参照すると、保護制御ECU30は、CPUにて実現される機能上の構成として、第一衝突判定部301と、第二衝突判定部302と、起動信号発生部303とを有している。
第一衝突判定部301は、衝突センサ33の出力に基づいて、第一種衝突の発生を判定するように設けられている。「第一種衝突」とは、車両1の前面11すなわちフロントバンパ12と特定物体との衝突であって、歩行者保護デバイス21の起動が必要な衝突である。すなわち、第一衝突判定部301は、第一種衝突発生の判定条件が不成立中は論理値「0」を出力する一方、かかる判定条件の成立中は論理値「1」を出力するようになっている。
第二衝突判定部302は、フロアGセンサ31の出力に基づいて、第二種衝突の発生を判定するように設けられている。「第二種衝突」とは、車両1の前面11と壁等の障害物との衝突であって、乗員保護デバイス22の起動が必要な衝突である。すなわち、第二衝突判定部302は、第二種衝突発生の判定条件が不成立中は論理値「0」を出力する一方、かかる判定条件の成立中は論理値「1」を出力するようになっている。
起動信号発生部303は、第一衝突判定部301が第一種衝突の発生を判定し、且つ、所定条件が成立した場合に、歩行者保護デバイス21を起動する起動信号を発生するように設けられている。「所定条件」とは、判定時点から所定の遅延時間が経過するまでの間に、第二衝突判定部302が第二種衝突の発生を判定しなかったことである。判定時点とは、第一衝突判定部301が第一種衝突の発生を判定した時点である。
具体的には、本実施形態においては、起動信号発生部303は、遅延部304と、信号保持部305と、信号反転部306と、演算出力部307とを有している。
遅延部304は、第一衝突判定部301の出力に対して遅延処理を実行するように設けられている。すなわち、遅延部304は、第一衝突判定部301が第一種衝突の発生を判定して論理値「1」を出力して、かかる出力を受信した場合に、判定時点から遅延時間経過後に論理値「1」を出力するようになっている。遅延部304は、例えば、周知のデジタル遅延回路等によって構成され得る。
信号保持部305は、第二衝突判定部302の出力に対して保持処理を実行するように設けられている。すなわち、信号保持部305は、第二衝突判定部302が第二種衝突の発生を判定して論理値「1」を出力して、かかる出力を受信した場合に、論理値「1」の出力を所定期間保持するようになっている。信号保持部305は、例えば、周知のラッチ回路等によって構成され得る。
信号反転部306は、信号保持部305の出力を反転するように設けられている。すなわち、信号反転部306は、信号保持部305の出力が論理値「0」の場合に論理値「1」を出力するようになっている。また、信号反転部306は、信号保持部305の出力が論理値「1」の場合に論理値「0」を出力するようになっている。信号反転部306は、周知のNOTゲートすなわちインバータ等によって構成され得る。
演算出力部307は、遅延部304の出力と信号反転部306の出力とに基づいて、起動信号を発生するように設けられている。具体的には、演算出力部307は、いわゆる二入力ANDゲートであって、一対の入力端子のうちの一方が遅延部304の出力と接続されるとともに他方が信号反転部306の出力と接続されている。すなわち、演算出力部307は、遅延部304の出力と信号反転部306の出力とがともに「1」の場合に起動信号を発生する一方、それ以外の場合には起動信号を発生しないように構成されている。
(動作概要)
以下、本実施形態の構成による動作、すなわち、本実施形態における歩行者保護デバイス21の制御方法の概要について、同構成および方法により奏される効果とともに説明する。
第一衝突判定部301は、衝突センサ33の出力に基づいて、特定物体と車両1との衝突であって歩行者保護デバイス21の起動が必要な第一種衝突の発生の有無を判定する。第二衝突判定部302は、フロアGセンサ31の出力に基づいて、特定物体とは異なる障害物と車両1との衝突であって乗員保護デバイス22の起動が必要な第二種衝突の発生の有無を判定する。
図3は、第一種衝突が発生した場合と、第二種衝突が発生した場合との、センサ出力の時間経過を比較したグラフである。図3において、t0は衝突開始時点を示し、破線はフロアGセンサ31の出力を示し、実線は衝突センサ33の出力を示す。また、説明の都合上、第一種衝突の判定閾値と第二種衝突の判定閾値とがともにE0となるように標準化した縦軸Eを用いることで、フロアGセンサ31の出力と、衝突センサ33の出力との図示が共通化されている。
フロアGセンサ31は、比較的大きな衝撃値が発生する第二種衝突、すなわち、車両1と壁あるいは他車両等との衝突を検知する。また、フロアGセンサ31は、衝突センサ33よりも後方に配置されている。一方、衝突センサ33は、歩行者等の比較的軽量な特定物体による衝突時の衝撃を検知する。このため、衝突センサ33は、高い感度を有している。また、衝突センサ33は、車体10の前面11すなわちフロントバンパ12に装着されている。
このため、第一種衝突が発生した場合、衝突センサ33の出力は、比較的早期に立ち上がり、時刻t1にて閾値に達する。したがって、時刻t1にて、第一種衝突の発生が判定される。時刻t1は、上記の「判定時点」に相当する。但し、第一種衝突による衝撃では、フロアGセンサ31の出力は閾値には達しない。
第二種衝突が発生した場合も、第一種衝突が発生した場合と同様に、衝突センサ33に衝撃が印加される。このため、第二種衝突が発生した場合も、衝突センサ33の出力は、比較的早期に立ち上がり、時刻t1にて閾値に達する。一方、フロアGセンサ31の出力は、衝突センサ33の出力よりも立ち上がりが遅く、時刻t1よりも後の時刻t2にて閾値に達する。
上記の通り、第一種衝突が発生した場合も、第二種衝突が発生した場合も、衝突センサ33の出力は、比較的早期に立ち上がり、時刻t1にて閾値に達する。したがって、衝突センサ33の出力が、図3におけるE0に対応する所定の閾値を超えたか否かのみでは、第一種衝突と第二種衝突とのうちのいずれが発生したかを正確に判定することは困難である。このため、従来技術においては、例えば、衝突センサ33の出力波形を詳細に解析することで、第一種衝突と第二種衝突とのうちのいずれが発生したかを正確に判定していた。
また、第二種衝突が発生した場合、車体10の前部のクラッシャブルゾーンにおける剛性確保等の観点から、歩行者保護デバイス21の起動を禁止する必要がある。このため、第二種衝突発生の判定の方が、第一種衝突発生の判定よりも先に成立することが、理想的である。しかしながら、上記の通り、フロアGセンサ31の出力よりも衝突センサ33の出力の方が早期に立ち上がる。したがって、実際には、第一種衝突発生の判定の方が、第二種衝突発生の判定よりも、先に成立する。
この点、本実施形態の構成は、上記の事情を考慮し、起動信号発生部303に遅延部304を設けて、第一衝突判定部301による第一種衝突発生の判定の効果発生を遅延させる。すなわち、起動信号発生部303は、第一衝突判定部301が第一種衝突の発生を判定した判定時点t1から、所定の遅延時間が経過するまでの間、起動信号の発生を待機する。そして、起動信号発生部303は、第二衝突判定部302が第二種衝突の発生を判定しなかったことを条件として、歩行者保護デバイス21を起動する起動信号を発生する。
上記のように、本実施形態によれば、衝突センサ33の出力が図3におけるE0に対応する所定の閾値を超えたか否かという単純な判定により、第一種衝突と第二種衝突とのうちのいずれが発生したかを正確に判定することが可能となる。また、第二種衝突が発生した場合の歩行者保護デバイス21の起動禁止を、簡略なロジック構成および処理手順により実現することが可能となる。したがって、かかる構成によれば、歩行者保護デバイス21と乗員保護デバイス22とが車両1に搭載される場合の、歩行者保護デバイス21の作動制御を、最適化することが可能となる。
(第二実施形態)
以下、保護制御ECU30の機能構成の第二実施形態について、図1および図4を参照しつつ説明する。以下の第二実施形態の説明においては、上記の第一実施形態と異なる部分についてのみ説明する。また、第一実施形態と第二実施形態とにおいて、互いに同一または均等である部分には、同一符号が付されている。後述する第三実施形態、第四実施形態、および変形例についても同様である。
したがって、以下の第二実施形態の説明において、第一実施形態と同一の符号を有する構成要素に関しては、技術的矛盾または特段の追加説明なき限り、第一実施形態における説明が適宜援用され得る。後述する第三実施形態、第四実施形態、および変形例についても同様である。
車両1と衝突対象物との相対速度が大きい場合、第一種衝突と第二種衝突とのうちのいずれが発生したかを、より早期且つ正確に判定することが求められる。この点、車両1と障害物との相対速度が増加した場合、フロアGセンサ31の出力は、より早期に立ち上がる。よって、この場合、図3における時刻t2が、より早期に到来する。
そこで、本実施形態においては、起動信号発生部303に設けられた遅延部304は、遅延時間設定部308を備えている。遅延時間設定部308は、車両1の走行状態を含む走行状況に応じて遅延時間を設定するように設けられている。具体的には、本実施形態においては、遅延時間設定部308は、車速センサ35によって検知された、車両1の走行状態としての車速に応じて、遅延時間を設定するようになっている。
かかる構成によれば、車両1の走行状態に応じて、遅延時間が適切に設定され得る。すなわち、例えば、高速走行中は、低速走行中よりも、遅延時間が短く設定される。したがって、かかる構成によれば、第一種衝突と第二種衝突とのうちのいずれが発生したかを、より早期且つ正確に判定することが可能となる。
(第三実施形態)
以下、保護制御ECU30の機能構成の第三実施形態について、図1および図5を参照しつつ説明する。本実施形態は、上記の第二実施形態を一部変容したものである。
すなわち、図5に示されているように、本実施形態においても、遅延部304は、遅延時間設定部308を備えている。但し、本実施形態においては、遅延時間設定部308は、衝突予知部34によって検知された相対速度に応じて、遅延時間を設定するように設けられている。具体的には、遅延時間設定部308は、車両1と衝突対象物との相対速度が小さい場合よりも、相対速度が大きい場合の方が、遅延時間を短く設定する。すなわち、遅延時間設定部308は、車両1と衝突対象物との相対速度が大きい場合、遅延時間を短縮する。
また、衝突予知部34は、車両1と衝突する直前にて、物標すなわち衝突対象物の種別を検知している。このため、衝突対象物の種別が特定物体である場合、特定物体と車両1との衝突が確実である。このため、この場合、歩行者保護デバイス21を確実に作動させる必要がある。
一方、衝突対象物の種別が他車両等の障害物である場合、障害物と車両1との衝突が確実である。このため、この場合、乗員保護デバイス22を確実に作動させるとともに、歩行者保護デバイス21の起動を確実に禁止する必要がある。
そこで、本実施形態においては、遅延時間設定部308は、衝突予知部34による取得結果すなわち予知結果に応じて、遅延時間を設定する。具体的には、例えば、遅延時間設定部308は、衝突対象物の種別が特定物体である場合よりも、障害物である場合の方が、遅延時間を長く設定する。すなわち、遅延時間設定部308は、衝突対象物の種別が特定物体である場合、遅延時間を短縮する。
かかる構成によれば、車両1の走行状況に応じて、遅延時間が適切に設定され得る。「走行状況」には、車両1の走行状態の他に、車両1の周囲の物体と車両1との衝突可能性が含まれ得る。したがって、かかる構成によれば、第一種衝突と第二種衝突とのうちのいずれが発生したかを、より早期且つ正確に判定することが可能となる。
ところで、特定物体と車両1との第一種衝突の発生が確実な場合があり得る。この場合、第二衝突判定部302による判定結果に基づいて歩行者保護デバイス21の起動を禁止する必要はない。すなわち、歩行者保護デバイス21の起動判定に際して、第二衝突判定部302による判定結果の確定を待機することは不要である。
そこで、起動信号発生部303は、衝突予知部34が第一種衝突の発生を予知した場合に、第二衝突判定部302の判定を無効化するように構成されていてもよい。具体的には、図5に示されているように、起動信号発生部303は、禁止解除部309をさらに備えていてもよい。
禁止解除部309は、二入力ORゲートであって、信号反転部306と演算出力部307との間に設けられている。禁止解除部309における一対の入力端子のうちの一方は、衝突予知部34による取得結果が入力されるようになっている。禁止解除部309における一対の入力端子のうちの他方は、信号反転部306の出力が入力されるようになっている。すなわち、禁止解除部309は、衝突予知部34が第一種衝突の発生を予知することで一対の入力端子のうちの一方に論理値「1」が入力された場合に、他方の入力にかかわらず、論理値「1」を出力するようになっている。
上記の各実施形態と同様に、演算出力部307における一対の入力端子のうちの一方は、遅延部304の出力が入力されるようになっている。これに対し、本実施形態においては、演算出力部307における一対の入力端子のうちの他方は、禁止解除部309の出力が入力されるようになっている。すなわち、本実施形態においては、演算出力部307は、遅延部304の出力と禁止解除部309の出力とがともに「1」の場合に起動信号を発生する一方、それ以外の場合には起動信号を発生しないようになっている。
かかる構成においては、衝突予知部34が第一種衝突の発生を予知した場合、禁止解除部309における一対の入力端子のうちの一方に、論理値「1」が入力される。この場合、禁止解除部309は、信号反転部306の出力すなわち第二衝突判定部302による判定結果にかかわらず、論理値「1」を出力する。したがって、衝突予知部34が第一種衝突の発生を予知した場合、演算出力部307は、第二衝突判定部302による判定結果にかかわらず、遅延部304による論理値「1」の出力に伴って、起動信号を出力する。
かかる構成によれば、衝突予知部34が特定物体と車両1との第一種衝突の発生を予知した場合、第二衝突判定部302の判定が無効化される。すなわち、第二衝突判定部302の判定による、歩行者保護デバイス21の起動禁止が、解除される。したがって、車両1と特定物体との衝突リスクが高い走行状況下において、実際に特定物体との衝突が発生した場合に、歩行者保護デバイス21をよりいっそう迅速且つ確実に作動させることが可能となる。
(第四実施形態)
以下、保護制御ECU30の機能構成の第四実施形態について、図1および図6〜図8を参照しつつ説明する。本実施形態は、上記の第一実施形態を一部変容したものである。
すなわち、図6に示されているように、本実施形態においては、第二衝突判定部302は、衝突センサ33の出力に基づいて、第二種衝突の発生を判定するように設けられている。具体的には、第二衝突判定部302は、衝突センサ33の出力が所定値に達している状態が所定時間継続した場合に、第二種衝突の発生を判定するようになっている。より詳細には、第二衝突判定部302は、衝突センサ33の出力の積分値が閾値を超えた場合に、第二種衝突の発生を判定するようになっている。
図7は、第一種衝突が発生した場合と、第二種衝突が発生した場合との、衝突センサ33の出力の時間経過を比較したグラフである。図7において、縦軸Pは、衝突センサ33の出力に対応した圧力値を示し、実線は第一種衝突の場合を示し、破線は第二種衝突の場合を示す。
図8は、第一種衝突が発生した場合と、第二種衝突が発生した場合との、衝突センサ33の出力の積分値の時間経過を比較したグラフである。図8において、縦軸SPは、衝突センサ33の出力に対応した圧力値の積分値を示し、実線は第一種衝突の場合を示し、破線は第二種衝突の場合を示す。なお、参考までに、図3に示されていた時刻t2も、図7および図8中に示されている。
上記の通り、第二種衝突が発生した場合も、第一種衝突が発生した場合と同様に、衝突センサ33に衝撃が印加される。このため、第二種衝突が発生した場合も、衝突センサ33の出力は、比較的早期に立ち上がり、時刻t1にて閾値Pthに達する。したがって、衝突センサ33の出力が閾値Pthに達したか否かに関しては、第一種衝突が発生した場合と、第二種衝突が発生した場合とで、差異が生じない。
また、上記の通り、衝突センサ33は、歩行者等の比較的軽量な特定物体による衝突時の衝撃を検知するため、高い感度を有している。このため、第二種衝突が発生した場合も、第一種衝突が発生した場合と同様に、衝突センサ33の出力は、閾値Pthに達した後、ピーク値Pmaxに達する。ピーク値Pmaxは、衝突センサ33の出力のダイナミックレンジにおける最大値に相当する。したがって、衝突センサ33の出力がピーク値Pmaxに達したか否かに関しても、第一種衝突が発生した場合と、第二種衝突が発生した場合とで、差異が生じない。
しかしながら、第二種衝突が発生した場合は、第一種衝突が発生した場合よりも、衝突センサ33の出力がピーク値Pmaxに達している時間が長く継続する。具体的には、第一種衝突が発生した場合、衝突センサ33の出力は、ピーク値Pmaxに達した直後に低下する。このため、ピーク値Pmaxに達している状態は、ほぼ一瞬である。これに対し、第二種衝突が発生した場合、衝突センサ33の出力は、ピーク値Pmaxに達している状態が所定時間継続する。このため、図8に示されているように、第二種衝突が発生した場合は、積分値SPは、時刻t2近辺にて所定値SPthを超える。一方、第一種衝突が発生した場合は、積分値SPは、所定値SPth未満となる。このように、積分値SPに関しては、第一種衝突が発生した場合と、第二種衝突が発生した場合とで、差異が生じる。
そこで、本実施形態においては、第二衝突判定部302は、積分値算出部321と、判定出力部322とを有している。積分値算出部321は、衝突センサ33の出力の積分値を算出するように設けられている。具体的には、積分値算出部321は、所定時間区間での、区間積分値を算出するようになっている。所定時間区間は、例えば、衝突センサ33の出力が、閾値Pthに達した時点から、ピーク値Pmaxから低下し始めた時点までの時間区間である。判定出力部322は、積分値が閾値SPthを超えたか否かを判定して、判定結果を信号保持部305に出力するように設けられている。
かかる構成によれば、そもそも乗員保護デバイス22の起動の有無を判定するためのフロアGセンサ31の出力を、歩行者保護デバイス21の起動の有無を判定するロジック構成に用いる必要がなくなる。すなわち、歩行者保護デバイス21の起動の有無を判定するロジック構成と、乗員保護デバイス22の起動の有無を判定するロジック構成とを、峻別することが可能となる。したがって、保護制御装置23におけるロジック構成の複雑化が、良好に回避され得る。
(第五実施形態)
例えば、実際の車両1の事故発生状況に関する情報を多数取得して解析することで、保護システム20の構造あるいは機能を改善する試みがなされることがあり得る。特に、例えば、車両1が、電柱等の障害物に衝突した後に、歩行者等の特定物体と衝突する場合があり得る。かかる態様の衝突は、「複合衝突」と称される。このような複合衝突の発生状況に関する情報は、保護システム20の構造あるいは機能を改善するために、きわめて有用である。また、第二衝突判定部302の判定により歩行者保護デバイス21の起動が禁止された場合の、衝突発生状況に関する情報も、保護システム20の構造あるいは機能を改善するために、きわめて有用である。
上記の事情等に鑑み、保護制御ECU30は、所定の場合に情報保持動作を実行するようになっている。「所定の場合」は、第二衝突判定部302の判定により歩行者保護デバイス21の起動が禁止された場合、または、歩行者保護デバイス21および乗員保護デバイス22の双方が起動された場合である。
情報保持動作とは、衝突前後における走行環境情報を保持する動作である。走行環境情報とは、車両1の走行環境に対応する情報である。「走行環境」には、少なくとも、車両1の走行状態、すなわち、車速、操舵角等が含まれる。操舵角等については、保護制御ECU30は、車載通信回線を介して取得可能である。また、「走行環境」には、車両1の周囲の環境、具体的には、車両1の周囲における物標の存在状態等が含まれる。車両1の周囲の環境に対応する情報は、例えば、衝突予知部34により取得された、車両1の周囲の画像情報等である。
具体的には、保護制御ECU30は、上記のような所定の場合に、衝突前後における、車速等の走行状態情報と車両1の周囲の画像情報とを保持する。すなわち、保護制御ECU30は、歩行者保護デバイス21の起動制御のために、衝突発生前から、車速および画像情報等の走行環境情報を取得している。取得した走行環境情報は、車両1の前方に存在する物標の種別と、車両1の物標との衝突可能性を取得するために、不揮発性RAMに時系列で最新のものから所定量格納される。そこで、保護制御ECU30は、上記の所定の場合に、衝突発生前から衝突発生後に至る所定時間分の走行環境情報を、不揮発性RAMに保持する。
図9は、上記の動作を説明するフローチャートである。なお、図9において、「ステップ」を「S」と略記している。
保護制御ECU30のCPUは、車両1のイグニッションスイッチがオンされると、図9に示されているルーチンを所定間隔で繰り返し起動する。かかるルーチンが起動されると、まず、ステップ901にて、CPUは、車両1が何らかの物体と衝突したか否かを判定する。具体的には、例えば、CPUは、フロアGセンサ31の出力が所定値を超えたか否かを判定する。この場合の「所定値」は、例えば、図3における衝突判定閾値E0よりも若干小さな値である。
車両1が何らの物体とも衝突していない場合(すなわちステップ901=NO)、CPUは、ステップ902以降のすべての処理をスキップして、本ルーチンを一旦終了する。したがって、以下、車両1が何らかの物体と衝突したものとして(すなわちステップ901=YES)、本ルーチンの説明を続行する。
ステップ901の判定が「YES」である場合、CPUは、処理をステップ902に進行させる。ステップ902にて、CPUは、第二衝突判定部302の判定により歩行者保護デバイス21の起動が禁止されたか否かを判定する。具体的には、上記の第一実施形態等において、第二衝突判定部302が第二種衝突の発生を判定すると、歩行者保護デバイス21の起動が禁止される。この場合、ステップ902の判定が「YES」となる。
ステップ902の判定が「YES」である場合、CPUは、処理をステップ903に進行させた後、本ルーチンを終了する。ステップ903にて、CPUは、情報保持動作を実行する。すなわち、CPUは、衝突発生前から衝突発生後に至る所定時間分の走行環境情報を、保護制御ECU30の不揮発性RAMに保持する。
ステップ902の判定が「NO」である場合、CPUは、処理をステップ904に進行させる。ステップ904にて、CPUは、今回の衝突にて歩行者保護デバイス21が起動されたか否かを判定する。
今回の衝突にて歩行者保護デバイス21が起動されなかった場合(すなわちステップ904=NO)、CPUは、ステップ905の処理をスキップして、本ルーチンを終了する。一方、今回の衝突にて歩行者保護デバイス21が起動された場合(すなわちステップ904=YES)、CPUは、処理をステップ905に進行させる。
ステップ905にて、CPUは、今回の衝突にて乗員保護デバイス22が起動されたか否かを判定する。今回の衝突にて乗員保護デバイス22が起動されなかった場合(すなわちステップ905=NO)、CPUは、本ルーチンを終了する。一方、今回の衝突にて乗員保護デバイス22が起動された場合(すなわちステップ905=YES)、CPUは、処理をステップ903に進行させた後、本ルーチンを終了する。
(第六実施形態)
以下、保護制御ECU30の機能構成の第六実施形態について、図1および図10を参照しつつ説明する。図10に示されているように、本実施形態においても、遅延部304は、遅延時間設定部308を備えている。遅延時間設定部308は、衝突予知部34によって検知された相対速度に応じて、遅延時間を設定する。また、遅延時間設定部308は、衝突予知部34による取得結果すなわち予知結果に応じて、遅延時間を設定する。
本実施形態は、上記の第三実施形態を一部変容したものである。本実施形態と上記の第三実施形態とでは、衝突予知部34による衝突対象物の種別判定結果の利用態様が異なる。すなわち、本実施形態と上記の第三実施形態とでは、衝突予知部34による衝突対象物の種別判定結果と第二衝突判定部302の判定出力との関係が異なる。
第三実施形態においては、図5に示されているように、起動信号発生部303は、衝突予知部34が第一種衝突の発生を予知した場合に第二衝突判定部302の判定を無効化するように、禁止解除部309を備えている。二入力ORゲートである禁止解除部309における一対の入力端子のうちの一方は、衝突予知部34による取得結果が入力される。禁止解除部309における一対の入力端子のうちの他方は、信号反転部306の出力が入力される。
これに対し、本実施形態においては、起動信号発生部303は、図5に示された禁止解除部309に代えて、図10に示されているように禁止設定部323を有している。禁止設定部323は、二入力ORゲートであって、第二衝突判定部302と信号保持部305との間に設けられている。禁止設定部323における出力端子は、信号保持部305に信号を出力するようになっている。
禁止設定部323における一対の入力端子のうちの一方は、衝突予知部34による取得結果が入力されるようになっている。禁止設定部323における一対の入力端子のうちの他方は、第二衝突判定部302の出力が入力されるようになっている。すなわち、禁止設定部323は、衝突予知部34が第二種衝突の発生を予知することで一対の入力端子のうちの一方に論理値「1」が入力された場合に、他方の入力にかかわらず、論理値「1」を信号保持部305に出力するようになっている。
かかる構成においては、衝突予知部34が前突等の第二種衝突の発生を予知した場合、歩行者保護デバイス21の起動が禁止される。すなわち、起動信号発生部303は、衝突予知部34が第二種衝突の発生を予知した場合に、第一衝突判定部301の判定を無効化する。これにより、第二種衝突が発生した場合の、車体10の前部のクラッシャブルゾーンにおける剛性確保等の効果が、良好に奏され得る。
(第七実施形態)
以下、保護制御ECU30の機能構成の第六実施形態について、主として図11を参照しつつ説明する。本実施形態は、上記の各実施形態における第二衝突判定部302の機能構成を具体化あるいは変容したものである。したがって、本実施形態における第二衝突判定部302の機能構成は、技術的に矛盾しない限りにおいて、図2等に示された他の実施形態にも良好に適用され得る。
上記の第一〜第三実施形態においては、第二衝突判定部302による第二種衝突の発生の判定は、フロアGセンサ31の出力に基づいて行われている。なお、後述する通り、第二衝突判定部302による第二種衝突の発生の判定は、サテライトGセンサ32の出力を用いて行うことも可能である。フロアGセンサ31およびサテライトGセンサ32の出力は、車速が低くなるほど、立ち上がりにくい。このため、フロアGセンサ31および/またはサテライトGセンサ32の出力に基づく第二種衝突の発生の判定は、車速が低くなるほど遅れる。
一方、図2等に対応する他の実施形態にて説明した通り、起動信号発生部303は、歩行者保護デバイス21の起動判定に際して、第二衝突判定部302による判定結果の確定を待機する。このため、車速が低速域にある場合、フロアGセンサ31および/またはサテライトGセンサ32の出力に基づく第二種衝突の発生の判定の遅さが問題となり得る。
この点、衝突センサ33は、フロントバンパ12に設けられている。このため、対人衝突等の第一種衝突か前突等の第二種衝突かという衝突種別にかかわらず、衝突センサ33の出力は、車速が低速域にあっても早期に立ち上がる。一方、低速域においては、第一種衝突の場合と第二種衝突の場合とで、衝突センサ33の出力に大きな差が生じる。
そこで、本実施形態においては、第二衝突判定部302は、車速が低速域にある場合に、高速域にある場合とは異なる判定ロジックで第二種衝突の発生を判定するように構成されている。具体的には、第二衝突判定部302は、高速時判定部324と、低速時判定部325と、第一統合部326と、第二統合部327と、判定結果出力部328とを有している。
高速時判定部324は、車速が高速域にある場合に、車両1に作用する加速度すなわちフロアGセンサ31の出力に基づいて第二種衝突の発生を判定するように設けられている。一方、低速時判定部325は、車速が低速域にある場合に、衝突センサ33の出力に基づいて第二種衝突の発生を判定するように設けられている。なお、制御のハンチングを防止するため、低速域の上限域と高速域の下限域とが互いにオーバーラップするように、高速域および低速域が設定されている。
本実施形態においては、高速時判定部324は、上記の第四実施形態と同様に、衝突センサ33の出力が所定値に達している状態が所定時間継続したことを第二種衝突の発生の判定条件としている。すなわち、本実施形態においては、高速時判定部324は、以下の条件H1,H2,およびH3を、第二種衝突の発生の判定条件としている。
条件H1:車速が所定の高速域にあること。
条件H2:フロアGセンサ31の出力および/またはその積分値が所定の閾値に達したこと。
条件H3:衝突センサ33の出力が所定値に達している状態が所定時間継続したこと。
本実施形態においては、低速時判定部325は、衝突センサ33の出力が所定値に達している状態が所定時間継続したことを第二種衝突の発生の判定条件としている。すなわち、本実施形態においては、低速時判定部325は、以下の条件L1,L2,およびL3を、第二種衝突の発生の判定条件としている。
条件L1:車速が所定の低速域にあること。
条件L2:衝突センサ33の出力および/またはその積分値が所定の閾値に達したこと。
条件L3:衝突センサ33の出力が所定値に達している状態が所定時間継続したこと。
したがって、高速時判定部324および低速時判定部325は、それぞれ、フロアGセンサ31、衝突センサ33、および車速センサ35の出力が入力されるように設けられている。また、高速時判定部324と低速時判定部325とは、並列に設けられている。高速時判定部324の出力と、低速時判定部325の出力とは、それぞれ、二入力ORゲートである第一統合部326における異なる入力端子に入力されるようになっている。すなわち、第一統合部326における一対の入力端子のうちの一方は、高速時判定部324の出力が入力されるようになっている。また、第一統合部326における一対の入力端子のうちの他方は、低速時判定部325の出力が入力されるようになっている。
第二統合部327は、二入力ORゲートであって、第一統合部326と判定結果出力部328との間に設けられている。第二統合部327における一対の入力端子のうちの一方は、第一統合部326の出力が入力されるようになっている。また、第二統合部327における一対の入力端子のうちの他方は、乗員保護デバイス22の作動状態が入力されるようになっている。すなわち、本実施形態においては、第二衝突判定部302は、乗員保護デバイス22が起動される場合に、第一統合部326の出力にかかわらず、第二種衝突の発生を判定する。
判定結果出力部328は、第二統合部327の出力に基づいて、第二衝突判定部302の出力を生成するように設けられている。具体的には、判定結果出力部328は、二入力ANDゲートであって、一対の入力端子を有している。判定結果出力部328における一対の入力端子のうちの一方は、第二統合部327の出力が入力されるようになっている。判定結果出力部328における一対の入力端子のうちの他方は、乗員保護デバイス22の診断結果が入力されるようになっている。すなわち、本実施形態においては、第二衝突判定部302は、乗員保護デバイス22が正常であることを、第二種衝突の発生の判定条件としている。
かかる構成においては、第二衝突判定部302は、車速が低速域にある場合に、高速域にある場合とは異なる判定ロジックで第二種衝突の発生を判定する。具体的には、第二衝突判定部302は、車速が高速域にある場合、高速時判定部324を用いて第二種衝突の発生を判定する。一方、第二衝突判定部302は、車速が低速域にある場合、低速時判定部325を用いて第二種衝突の発生を判定する。
車速が高速域にある場合、第二衝突判定部302は、フロアGセンサ31の出力を用いて、第二種衝突の発生を判定する。また、第二衝突判定部302は、第二種衝突の発生の判定に際して、衝突センサ33の出力状態を考慮する。すなわち、高速時判定部324は、上記の条件H1,H2,およびH3が成立する場合に、論理値「1」を出力する。
一方、車速が低速域にある場合、第二衝突判定部302は、フロアGセンサ31の出力の代わりに衝突センサ33の出力を用いて、第二種衝突の発生を判定する。上記の通り、衝突センサ33の出力は、衝突種別にかかわらず早期に立ち上がる。また、低速域においては、対人衝突等の第一種衝突の場合と、前突等の第二種衝突の場合とで、衝突センサ33の出力に大きな差が生じる。そこで、低速時判定部325は、上記の条件L1,L2,およびL3が成立する場合に、論理値「1」を出力する。
高速時判定部324と低速時判定部325とのうちの一方が論理値「1」を出力した場合、乗員保護デバイス22に異常が発生していない限り、判定結果出力部328は、論理値「1」を出力する。すなわち、第二衝突判定部302は、第二種衝突の発生を判定する。
また、乗員保護デバイス22が起動される場合、乗員保護デバイス22に異常が発生していない限り、判定結果出力部328は、高速時判定部324および低速時判定部325の出力にかかわらず、論理値「1」を出力する。すなわち、第二衝突判定部302は、第二種衝突の発生を判定する。
本実施形態の構成においては、低速域においても、第二種衝突の発生の判定が早期に行われる。したがって、本実施形態によれば、車速域にかかわらず、歩行者保護デバイス21の作動制御を、より最適化することが可能となる。
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。故に、上記実施形態に対しては、適宜変更が可能である。以下、代表的な変形例について説明する。以下の変形例の説明においては、上記実施形態との相違点を主として説明する。
本発明は、上記実施形態にて示された具体的な装置構成に限定されない。具体的には、例えば、歩行者保護デバイス21および乗員保護デバイス22の構成は、図1に示された具体例に限定されない。すなわち、例えば、歩行者保護デバイス21として、フードポップアップ装置24と、歩行者エアバッグ装置25とのうちのいずれか一方のみが設けられていてもよい。
保護制御ECU30は、いわゆるASICとして構成されていてもよい。ASICはApplication Specific Integrated Circuitの略である。
サテライトGセンサ32の個数および配置は、図1に示された具体例に限定されない。
衝突センサ33の構成は、上記の具体例に限定されない。すなわち、例えば、衝突センサ33は、圧力チャンバ式センサに代えて、光ファイバ式センサであってもよいし、圧電フィルム式センサであってもよい。圧電フィルム式センサは、圧電性高分子フィルム素子によって形成されていて、印加された応力に対応する出力(例えば電圧)を発生するように構成されている。圧電フィルム式の衝突センサ33の具体的な構成および配置については、本願の出願時点ですでに公知あるいは周知であるので、これ以上の説明は省略する。
衝突予知部34の構成は、上記の具体例に限定されない。すなわち、衝突予知部34は、カメラセンサ、レーザレーダセンサ、ミリ波レーダセンサ、および超音波センサ等の中から選択される周知のセンサを、一種以上または一個以上備えることで構成され得る。
衝突予知部34がカメラセンサのみを有している場合があり得る。この場合、フロントバンパ12には、測距センサが設けられ得る。測距センサは、レーザレーダセンサ、ミリ波レーダセンサ、および超音波センサ等の中から選択される周知のセンサであって、物標との距離に対応する出力を発生するように構成されている。
車両1には、車速センサ35以外の他のセンサ、例えば、外気温センサ、雨滴センサ、ヨーレートセンサ、等が、通常搭載されている。よって、保護制御装置23は、これらの他のセンサの出力を用いて、歩行者保護デバイス21等の作動を制御するように構成され得る。
本発明は、上記実施形態にて示された、具体的な機能構成、動作例および処理態様に限定されない。例えば、図2において、第一衝突判定部301は、衝突センサ33の出力と、衝突予知部34による取得結果とに基づいて、第一種衝突の発生を判定するようになっていてもよい。図4〜図6においても同様である。
衝突予知部34による取得結果には、例えば、車両1の前面11に衝突することが予測される衝突対象物の種別と、衝突可能性とが含まれ得る。衝突可能性には、例えば、衝突余裕時間TTCが所定値未満か否かに関する情報が含まれ得る。TTCはTime To Collisionの略である。衝突余裕時間TTCに代えて、あるいは,これとともに、衝突余裕距離が用いられ得る。衝突余裕時間TTCおよび衝突余裕距離は、衝突予知部34によって取得される上記の各種パラメータに含まれる。
図2において、第二衝突判定部302は、フロアGセンサ31の出力に代えて、あるいはこれとともに、サテライトGセンサ32の出力に基づいて、第二種衝突の発生を判定してもよい。図4〜図6,図10,および図11においても同様である。あるいは、第二衝突判定部302は、フロアGセンサ31,サテライトGセンサ32,および衝突センサ33とは異なるセンサの出力に基づいて、第二種衝突の発生を判定してもよい。
図2において、第二衝突判定部302における第二種衝突発生の判定には、衝突予知部34による取得結果が用いられてもよい。具体的には、例えば、第二衝突判定部302は、衝突余裕時間TTCが所定値未満となったか否かに基づいて、第二種衝突の発生を判定してもよい。図4〜図6,図10,および図11においても同様である。
図5において、衝突予知部34が第一種衝突の発生を予知した結果は、遅延時間設定部308と禁止解除部309との双方に入力されていたが、一方のみに入力されてもよい。すなわち、図5において、遅延時間設定部308と禁止解除部309とのうちのいずれか一方は、省略され得る。
図5において、禁止解除部309は、ANDゲートであってもよい。かかる構成においては、衝突予知部34が第一種衝突の発生を予知しない場合、歩行者保護デバイス21の起動が禁止される。これにより、悪路走行中の誤作動等の不具合の発生が、良好に抑制され得る。
図6において、積分値算出部321は、省略され得る。この場合、第二衝突判定部302は、衝突センサ33の出力が所定値すなわちピーク値Pmaxに達している状態が、所定時間継続した場合に、第二種衝突の発生を判定する。「所定時間継続」は、タイマあるいはカウンタを用いて判定され得る。
図9におけるステップ901にて、CPUは、衝突余裕時間TTCが所定値未満か否かを判定してもよい。
図9において、ステップ901は、省略され得る。
図9におけるステップ903にて、CPUは、車両1の外部に設けられた外部装置、例えば、車両1と無線通信接続された外部サーバ等に、走行環境情報を送信してもよい。
図11を参照すると、高速時判定部324の判定条件における条件H3は、省略され得る。すなわち、第二衝突判定部302は、第二種衝突の発生の判定に用いるセンサを、速度域に応じて切り替えるように構成されていてもよい。具体的には、第二衝突判定部302は、高速域にてフロアGセンサ31および/またはサテライトGセンサ32の出力を用いる一方、低速域にて衝突センサ33の出力を用いるようになっていてもよい。
低速時判定部325の判定条件における条件L2およびL3のうちの一方は、省略され得る。
第二統合部327および/または判定結果出力部328は、省略され得る。すなわち、例えば、第一統合部326の出力が第二衝突判定部302の出力とされてもよい。あるいは、例えば、第二統合部327の出力が第二衝突判定部302の出力とされてもよい。あるいは、例えば、第一統合部326の出力と乗員保護デバイス22の診断結果とのAND条件が第二衝突判定部302の出力とされてもよい。
車両1の周囲の画像情報の取得は、衝突予知部34による態様に限定されない。すなわち、車体10に装着され得る他のカメラ、例えば、フロントビューカメラ、サイドビューカメラ、リヤビューカメラ、等も用いられ得る。
第一衝突判定部301による第一種衝突の有無の判定手法、すなわち、歩行者保護デバイス21の起動が必要な衝突の発生の有無の判定手法については、本願の出願時点において、多数の周知あるいは公知技術が存在する。例えば、米国特許第7,541,917号明細書、同7,721,838号明細書、同8,935,087号明細書、等参照。よって、第一衝突判定部301による第一種衝突の有無の判定に関する構成および方法については、これらの周知あるいは公知技術が適宜用いられ得る。第一種衝突発生の判定条件についても同様である。
第二衝突判定部302による第二種衝突の有無の判定手法、すなわち、乗員保護デバイス22の起動が必要な衝突の発生の有無の判定手法については、本願の出願時点において、多数の周知あるいは公知技術が存在する。例えば、米国特許第6,167,335号明細書、同7,092,806号明細書、同7,286,920号明細書、同7,930,080号明細書、米国特許出願公開第2003/0114972号明細書、等参照。よって、第二衝突判定部302による第二種衝突の有無の判定に関する構成および方法については、これらの周知あるいは公知技術が適宜用いられ得る。第二種衝突発生の判定条件についても同様である。
図4等において、遅延時間設定部308は、遅延部304の外部に設けられていてもよい。
各要素における、デジタル回路によって構成された部分は、アナログ回路によって置き換えられ得る。
「取得」という表現は、内容に応じて、すなわち、技術的に矛盾しない範囲内において、「推定」「検出」「検知」「算出」「生成」「受信」等の他の用語に置換され得る。
各判定処理における不等号は、等号付きであってもよいし、等号無しであってもよい。すなわち、「閾値以上」と「閾値を超える」とは、相互に置換され得る。同様に、「閾値未満」と「閾値以下」とは、相互に置換され得る。
上記実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に本発明が限定されることはない。同様に、構成要素等の形状、方向、位置関係等が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に特定の形状、方向、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、方向、位置関係等に本発明が限定されることはない。
変形例も、上記の例示に限定されない。例えば、複数の実施形態が、互いに組み合わされ得る。また、複数の変形例が、互いに組み合わされ得る。さらに、上記実施形態の全部または一部と、変形例の全部または一部とが、互いに組み合わされ得る。
1 車両
10 車体
21 歩行者保護デバイス
22 乗員保護デバイス
23 保護制御装置
33 衝突センサ
34 衝突予知部
301 第一衝突判定部
302 第二衝突判定部
303 起動信号発生部

Claims (14)

  1. 歩行者および乗員付き二輪車を含む特定物体が車両(1)と衝突した場合に前記歩行者または前記乗員である保護対象を車体(10)との衝突による衝撃から保護するように設けられた歩行者保護デバイス(21)の、作動を制御するように構成された、保護制御装置(23)であって、
    前記特定物体と前記車両との衝突であって前記歩行者保護デバイスの起動が必要な第一種衝突の発生を判定するように設けられた、第一衝突判定部(301)と、
    前記特定物体とは異なる障害物と前記車両との衝突であって乗員保護デバイス(22)の起動が必要な第二種衝突の発生を判定するように設けられた、第二衝突判定部(302)と、
    前記第一衝突判定部が前記第一種衝突の発生を判定した時点から所定の遅延時間が経過するまでの間に、前記第二衝突判定部が前記第二種衝突の発生を判定しなかったことを条件として、前記歩行者保護デバイスを起動する起動信号を発生するように設けられた、起動信号発生部(303)と、
    備え、
    前記第二衝突判定部は、前記車両の走行速度が低速域にある場合に、高速域にある場合とは異なる判定ロジックで前記第二種衝突の発生を判定するように構成された、
    護制御装置。
  2. 前記起動信号発生部は、前記車両の走行状態を含む走行状況に応じて前記遅延時間を設定するように設けられた遅延時間設定部(308)を備えた、
    請求項1に記載の保護制御装置。
  3. 前記遅延時間設定部は、前記車両の走行速度または前記車両と衝突対象物との相対速度に応じて、前記遅延時間を設定するように設けられた、
    請求項2に記載の保護制御装置。
  4. 前記遅延時間設定部は、前記車両の前方に存在する物標の種別と前記車両の前記物標との衝突可能性とを取得する衝突予知部(34)による取得結果に応じて、前記遅延時間を設定するように設けられた、
    請求項2または3に記載の保護制御装置。
  5. 前記起動信号発生部は、前記車両の前方に存在する物標の種別と前記車両の前記物標との衝突可能性とを取得する衝突予知部(34)が前記第一種衝突の発生を予知した場合に、前記第二衝突判定部の判定を無効化するように構成された、
    請求項1〜4のいずれか1つに記載の保護制御装置。
  6. 前記第一衝突判定部は、前記車体の一部を構成するフロントバンパ(12)に設けられていて物体と前記車両との衝突により前記フロントバンパに印加された衝撃に応じた出力を発生する衝突センサ(33)の前記出力に基づいて、前記第一種衝突の発生を判定するように設けられ、
    前記第二衝突判定部は、
    前記走行速度が前記高速域にある場合に、前記車両に作用する加速度に基づいて前記第二種衝突の発生を判定するように設けられた、高速時判定部(324)と、
    前記走行速度が前記低速域にある場合に、前記衝突センサの前記出力に基づいて前記第二種衝突の発生を判定するように設けられた、低速時判定部(325)と、
    を有する、
    請求項1〜5のいずれか1つに記載の保護制御装置。
  7. 前記歩行者保護デバイスの起動が禁止された場合、または、前記歩行者保護デバイスおよび前記乗員保護デバイスの双方が起動された場合に、衝突前後における前記車両の走行状態を含む走行環境に対応する情報を保持する情報保持動作を実行するように設けられた、情報保持動作部(30)をさらに備えた、
    請求項1〜6のいずれか1つに記載の保護制御装置。
  8. 歩行者および乗員付き二輪車を含む特定物体が車両(1)と衝突した場合に前記歩行者または前記乗員である保護対象を車体(10)との衝突による衝撃から保護するように設けられた歩行者保護デバイス(21)の、作動を制御する方法であって、
    前記特定物体と前記車両との衝突であって前記歩行者保護デバイスの起動が必要な第一種衝突の発生の有無を判定し、
    前記特定物体とは異なる障害物と前記車両との衝突であって乗員保護デバイス(22)の起動が必要な第二種衝突の発生の有無を判定し、
    前記第一種衝突の発生を判定した時点から所定の遅延時間が経過するまでの間に、前記第二種衝突の発生を判定しなかったことを条件として、前記歩行者保護デバイスを起動する起動信号を発生し、
    前記車両の走行速度が低速域にある場合に、高速域にある場合とは異なる判定ロジックで前記第二種衝突の発生を判定する、
    歩行者保護デバイスの制御方法。
  9. 前記車両の走行状態を含む走行状況に応じて前記遅延時間を設定する、
    請求項8に記載の歩行者保護デバイスの制御方法。
  10. 前記車両の走行速度または前記車両と衝突対象物との相対速度に応じて、前記遅延時間を設定する、
    請求項9に記載の歩行者保護デバイスの制御方法。
  11. 前記車両の前方に存在する物標の種別と前記車両の前記物標との衝突可能性とを取得する衝突予知部(34)による取得結果に応じて、前記遅延時間を設定する、
    請求項9または10に記載の歩行者保護デバイスの制御方法。
  12. 前記車両の前方に存在する物標の種別と前記車両の前記物標との衝突可能性とを取得する衝突予知部(34)が前記第一種衝突の発生を予知した場合に、前記第二種衝突の判定を無効化する、
    請求項8〜11のいずれか1つに記載の歩行者保護デバイスの制御方法。
  13. 前記車体の一部を構成するフロントバンパ(12)に設けられていて物体と前記車両との衝突により前記フロントバンパに印加された衝撃に応じた出力を発生する衝突センサ(33)の前記出力に基づいて、前記第一種衝突の発生を判定し、
    前記走行速度が前記高速域にある場合に、前記車両に作用する加速度に基づいて前記第二種衝突の発生を判定し、
    前記走行速度が前記低速域にある場合に、前記衝突センサの前記出力に基づいて前記第二種衝突の発生を判定する、
    請求項8〜12のいずれか1つに記載の歩行者保護デバイスの制御方法。
  14. 前記歩行者保護デバイスの起動が禁止された場合、または、前記歩行者保護デバイスおよび前記乗員保護デバイスの双方が起動された場合に、衝突前後における前記車両の走行状態を含む走行環境に対応する情報を保持する情報保持動作を実行する、
    請求項8〜13のいずれか1つに記載の歩行者保護デバイスの制御方法。
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