JP2007302173A - 車両衝突装置、車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両側方からの車外衝突物の衝突に対処するのに有効な車両構築技術を提供する。
【解決手段】 本発明に係る車両衝突装置100は、車両側方からの車外衝突物の衝突を予知した場合には、車両衝突前に受衝部材111を受衝待機位置から受衝位置へと移動させて衝突に備える一方、その後に車両衝突が回避されたと判定した場合には、受衝部材111を受衝位置から受衝待機位置へと移動させるように構成される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動車等の車両に装着される車両衝突装置に係り、詳しくは車両の側方からの車外衝突物に備える構成の車両衝突装置に関するものである。
従来、車両の側面衝突時のような車両事故に備える技術が種々提案されている。例えば、下記特許文献1には、乗員の衝突による影響を低減させる車両側部のエネルギー吸収構造が開示されている。この特許文献1に記載のエネルギー吸収構造では、車両ドアと車両乗員との間にエネルギー吸収部分を設けることによって車両乗員の保護を図る可能性が提示されているが、この種のエネルギー吸収構造においては、車両乗員の更なる保護性能向上を図る技術が要請される。
特開平7−25300号公報
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、車両側方からの車外衝突物の衝突に対処するのに有効な車両構築技術を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明が構成される。なお、本発明は、自動車をはじめ、バス、電車、トラック、船舶等の各種の車両に搭載される車両衝突装置の構成に適用可能な技術である。
(本発明の第1発明)
本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの車両衝突装置である。
請求項1に記載のこの車両衝突装置は、車両に装着される装置であって、検出部、受衝部、駆動部及び制御部を少なくとも備える。
本発明の検出部は、車両の衝突に関する情報を検出する機能を有する。この検出部によって検出される情報としては、自車両が他車両や障害物等の車外衝突物に衝突するか否かを予知(判定)するための情報、典型的には車外衝突物との間の距離、相対速度などが用いられる。この検出部の具体例として、車外衝突物に向けて波長数ミリメートルの電波(ミリ波またはレーザー光)を発生させ、当該車外衝突物からの反射波を測定することによって、当該車外衝突物との間の距離、相対速度等を検出(計測)可能な構成のレーダー、いわゆる「ミリ波レーダー」又は「レーザーレーダー」、また3D式の複眼カメラ或いは単眼カメラ、2D式のカメラなどの撮像手段を用いることができる。
本発明の受衝部は、車両事故の際、車両側方の車外衝突物からの衝撃を受ける機能を有する。ここでいう「車外衝突物」には、自車両の車外に存在して自車両に衝突可能な各種の衝突対象物が包含され、具体的には自車両の車外を走行する他車両、歩行者、自転車に乗車した乗員、柱やガードレールといった障害物などが挙げられる。この受衝部によって、車外衝突物からの衝撃が受衝されるため、衝突時の衝撃吸収性能を向上させることができ、自車両の車両乗員の保護向上を図ることが可能となる。この受衝部を装着する箇所として、車両ドア、サイドドアトリム、サイドルーフレール、ピラーなどの車両構成部分を用いることができる。なお、本発明において、この受衝部を発泡材のような衝撃吸収機能を有する材料やエアバッグ体などによって構成することによって、歩行者、自転車やオートバイに乗車した乗員といった交通弱者の保護向上をも図ることが可能となる。
本発明の駆動部は、受衝待機位置と受衝位置との間で受衝部を可逆的に駆動可能な機能を有する。この受衝位置は、車両側壁と車外衝突物との間であって受衝待機位置よりも車両外方の位置とされる。なお、受衝待機位置に関しては、車両側壁と車外衝突物との間に形成されてもよいし、車両側壁よりも車内側に形成されてもよい。受衝部の可逆的な駆動態様によって、この受衝部は受衝待機位置から受衝位置まで一旦駆動されたのち、必要に応じて受衝待機位置まで復帰することが可能とされる。
本発明の制御部は、検出部によって検出された情報に基づいて駆動部を制御する機能を有し、第1の制御モード及び第2の制御モードを少なくとも備える。第1の制御モードは、検出部の検出情報に基づき車両衝突を予知した場合に、車両衝突前に駆動部を制御して受衝部を受衝待機位置から受衝位置へと移動させる制御モードとされる。第2の制御モードは、検出部の検出情報に基づき第1の制御モード設定後に車両衝突が回避されたと判定した場合に、駆動部を制御して受衝部を受衝位置から受衝待機位置へと移動させる制御モードとされる。なお、本発明において受衝待機位置及び受衝位置は、所定の固定点としてのみ規定されるものではなく、受衝部の移動方向に関しある程度の幅をもった領域としても規定される。また、この制御部は、受衝部のみの制御を行う構成であってもよいし、或いは受衝部に加え、当該受衝部以外の車両構成部材の制御、例えばエンジン走行系統や電装系統の制御をあわせて行う構成であってもよい。
請求項1に記載の車両衝突装置のこのような構成によれば、車両側壁に向かう車外衝突物の衝突を予知した場合には、受衝部を受衝待機位置から受衝位置へと予め動作させておき、その後に発生する可能性がある衝突事故に備えることが可能となる。これにより、予め車外衝突物に近接する方向に移動させた受衝部を用いて、事故発生の際の衝突時の衝撃吸収を行うことができるため、受衝部が事故発生直後に動作する構成に比して衝撃吸収性能を向上させることができ、自車両の車両乗員の保護向上を図ることが可能となる。また、受衝部を衝突発生に備えて車外衝突物により近接させることができるため、受衝開始までに要する時間を短縮することができる。また、車両本体が受衝する衝突エネルギーを受衝部によって緩和することができ、車両ドア本体に及ぼすダメージを抑えることが可能となる。また、車両衝突時、車両本体よりも先に受衝部が受衝位置にて車外衝突物に接触するため、実際の車両衝突の発生をより早く検出することができる。従って、車両内に装着されたエアバッグやシートベルトなどの乗員拘束装置を余裕をもって作動させて、乗員を確実に拘束することができるため、乗員拘束性能が向上する。一方、車両衝突が予知された後に実際に衝突が発生しなかった場合には、受衝部を受衝位置から受衝待機位置へと復帰させて次回の衝突予知に備えることが可能となる。
なお、第1の制御モード及び第2の制御モードにおいて、受衝部が受衝位置と受衝待機位置との間を移動する動作に関しては、受衝位置と受衝待機位置との間を1ステップ(1段階)にて移動してもよいし、或いは複数ステップ(多段階)にて移動してもよい。
(本発明の第2発明)
本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりの車両衝突装置である。
請求項2に記載のこの車両衝突装置では、請求項1に記載の受衝部は、車両の車両ドアに装着され当該車両ドアの側壁に沿って車両前後方向に長手状に延在する受衝部材によって構成される。本発明において、受衝部材は、車両ドアの側壁自体を構成してもよいし、或いは車両ドアの側壁の被着される部材であってもよい。
請求項2に記載の車両衝突装置のこのような構成によれば、車両前後方向に長手状に延在する受衝部材を用いることによって、車外衝突物に対応した広範囲における受衝を行うのに有効とされる。
(本発明の第3発明)
本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりの車両衝突装置である。
請求項3に記載のこの車両衝突装置では、請求項2に記載の受衝部は、車両ドアのインナパネルとアウタパネルとの間にて車両前後方向に長手状に延在するドアビームを受衝部材として用いる構成とされる。すなわち、本発明では、車両ドア本来の補強のための装着されるドアビームを、駆動部によって駆動される受衝部として兼用する。
請求項3に記載の車両衝突装置のこのような構成によれば、車両ドアのドアビームを受衝部(受衝部材)として兼用化した合理的な構造が提供される。
(本発明の第4発明)
本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりの車両である。
請求項4に記載のこの車両は、エンジン走行系統と、電装系統と、これらエンジン走行系統及び電装系統の駆動制御を行う車両制御装置と、乗員乗降用の車両ドアを備える車両であって、更に検出部、受衝部、駆動部及び制御部を備える構成とされる。エンジン走行系統は、エンジン及び車両の走行に関与する系統として構成される。電装系統は、車両に使われる電機部品に関与する系統として構成される。
本発明における検出部、受衝部、駆動部及び制御部に関しては、請求項1に記載の車両衝突装置における検出部、受衝部、駆動部及び制御部と実質的に同様の構成とされる。
従って、請求項4に記載の車両のこのような構成によれば、車両側壁に向かう車外衝突物の衝突を予知した場合には、受衝部を受衝待機位置から受衝位置へと予め動作させておき、その後に発生する可能性がある衝突事故に備えることが可能となる。これにより、予め車外衝突物に近接する方向に移動させた受衝部を用いて、事故発生の際の衝突時の衝撃吸収を行うことができるため、受衝部が事故発生直後に動作する構成に比して衝撃吸収性能を向上させることができ、自車両の車両乗員の保護向上を図ることが可能となる。また、受衝部を衝突発生に備えて車外衝突物により近接させることができるため、受衝開始までに要する時間を短縮することができる。また、車両本体が受衝する衝突エネルギーを受衝部によって緩和することができ、車両ドア本体に及ぼすダメージを抑えることが可能となる。一方、車両衝突が予知された後に実際に衝突が発生しなかった場合には、受衝部を受衝位置から受衝待機位置へと復帰させて次回の衝突予知に備えることが可能となる。
なお、第1の制御モード及び第2の制御モードにおいて、受衝部が受衝位置と受衝待機位置との間を移動する動作に関しては、受衝位置と受衝待機位置との間を1ステップ(1段階)にて移動してもよいし、或いは複数ステップ(多段階)にて移動してもよい。
(本発明の第5発明)
本発明の第5発明は、請求項5に記載されたとおりの車両である。
請求項5に記載のこの車両では、請求項4に記載の受衝部は、車両ドアの側壁に沿って車両前後方向に長手状に延在する受衝部材によって構成される。この受衝部に関しては、請求項2に記載の車両衝突装置における受衝部と実質的に同様の構成とされる。
従って、請求項5に記載の車両のこのような構成によれば、車両前後方向に長手状に延在する受衝部材を用いることによって、車外衝突物に対応した広範囲における受衝を行うのに有効とされる。
(本発明の第6発明)
本発明の第6発明は、請求項6に記載されたとおりの車両である。
請求項6に記載のこの車両は、請求項5に記載の構成において、車両ドアのインナパネルとアウタパネルとの間にて車両前後方向に長手状に延在するドアビームを備える。そして、このドアビームを用いて受衝部材が構成される。この受衝部材に関しては、請求項3に記載の車両衝突装置における受衝部材と実質的に同様の構成とされる。
従って、請求項6に記載の車両のこのような構成によれば、車両ドアのドアビームを受衝部(受衝部材)として兼用化した合理的な構造が提供される。
以上のように、本発明によれば、車両側方からの車外衝突物の衝突を予知した場合には、車両衝突前に受衝部を受衝待機位置から前記受衝位置へと移動させる一方、その後に車両衝突が回避されたと判定した場合には、受衝部を受衝位置から受衝待機位置へと移動させる制御システムを構築することによって、車両側方からの車外衝突物の衝突に対処するのに有効な技術を提供することが可能となった。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、図1〜図3を参照しながら本発明における「車両衝突装置」の一実施形態である車両衝突装置100について説明する。ここで、図1には、本実施の形態の車両衝突装置100の構成が模式的に示される。
図1に示すように、本実施の形態の車両衝突装置100は、車両10(「自車両」ともいう)に装着される。なお、この車両10には、特に図示しないものの、エンジン走行系統、電装系統、またこれらエンジン走行系統及び電装系統の駆動制御を行う車両制御装置(ECU)が搭載されている。特に、本実施の形態の車両衝突装置100は、車両20(「側方車両」ともいう)の側面衝突時や横転時のような車両事故に備える装置として構成される。この車両衝突装置100は、車両10の車両ドア11(本発明の「車両ドア」に相当する)に装着される受衝装置110、検出センサ130、制御ユニット140を主体に構成されている。
検出センサ130は、自車両10に対する車外衝突物である側方車両(図1では車両20)ないし側方障害物の衝突の予知を行うのに用いられる。具体的には、常時又は所定時間毎に車外衝突物に向けて波長数ミリメートルの電波(ミリ波又はレーザー光)を発生させ、当該車外衝突物からの反射波を測定することによって、当該車外衝突物との間の距離、相対速度等の検出情報(検出信号)を検出(計測)可能な構成のレーダーを、検出センサ130として用いる。この種のレーダーは、「ミリ波レーダー」又は「レーザーレーダー」と称呼される。なお、このレーダーにかえて或いは加えて、3D式の複眼カメラ或いは単眼カメラ、2D式のカメラなどの撮像手段を用いることによって、検出センサ130を構成することもできる。この検出センサ130が、本発明における「検出部」を構成している。
制御ユニット140は、特に図示しないものの、CPU(演算処理装置)、入出力装置、記憶装置、周辺装置等によって構成されている。本実施の形態では、この制御ユニット140が、受衝装置110及び検出センサ130と電気的に接続されており、これら各構成部材との間で検出信号および制御信号のやりとりを行う構成になっている。具体的には、制御ユニット140には、検出センサ130によって検出された検出情報(検出信号)が入力信号として入力されるようになっている。そして、この制御ユニット140は、検出センサ130からの入力信号に基づいて、受衝装置110を制御するようになっている。この制御ユニット140が本発明における「制御部」に対応している。
なお、この制御ユニット140は、受衝装置110のみの制御を行う構成であってもよいし、或いは受衝装置110に加え、当該受衝装置110以外の車両構成部材の制御をあわせて行う構成であってもよい。また、前述のようにエンジン走行系統や電装系統の駆動制御を行う車両制御装置(ECU)が、この制御ユニット140を兼用としてもよい。
また、本実施の形態では、特に図示しないものの、車両10には、当該車両10が衝突や転倒のような事故発生に至ったか否かを判定する検出装置が設けられており、この検出装置によって検出された検出情報(検出信号)は、制御ユニット140へ入力信号として入力される。この検出装置としては、自車両に作用する3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向の加速度等の検出情報(検出信号)を検出(計測)可能な機能を有するセンサ、いわゆる「加速度センサ」と称呼されるセンサを用いることができる。車両10が実際に事故発生に至ったと判定した場合には、車両10内に装着されたエアバッグやシートベルトなどの乗員拘束装置(図示省略)を適宜作動させて乗員拘束を行う。
ここで、上記受衝装置110の具体的な構成を、図2及び図3を参照しながら説明する。図2には、図1中の車両ドア11のA−A線における断面構造が示され、図3には、図1中の車両ドア11のB−B線における断面構造が示される。
図2及び図3に示すように、受衝装置110は、車両側方の車外衝突物からの衝撃を受ける機能を有し、受衝部材111及び駆動機構120を少なくとも備える。この受衝装置110が、本発明における「受衝部」及び「受衝部材」を構成する。なお、図2及び図3に示す例では、この受衝装置110は、助手席に対応した車両ドア11に装着されているが、運転席や後部席に対応した車両ドアにおいても同様にこの受衝装置110を装着可能である。
受衝部材111は、第1構成部111a及び第2構成部111bを有する。第1構成部111aは、受衝部材111の各部位のうち、車両ドア11のドア表面(「車両側壁」ともいう)に露出するとともに、このドア表面に沿って車両前後方向に長手状に延在する部位として構成される。この第1構成部111aは、車両側方の車外衝突物からの実質的な衝撃を受ける部材として構成される。第2構成部111bは、受衝部材111の各部位のうち、アウタパネル13とインナパネル15との間の空間17を車両前後方向に長手状に延在する部位として構成される。この第2構成部111bは、車両ドア11の補強を行うためのドアビーム本来の機能を有する。また、本実施の形態において、この第2構成部111bは、アウタパネル13に形成された開口部13aを車両左右方向へとスライド可能とされている。
駆動機構120は、制御ユニット140からの制御信号に基づいて、受衝部材111を駆動する機能を有し、リンクアーム122、回転モータ124、ボールねじ部材125を主体に構成されている。この駆動機構120が、本発明における「駆動部」を構成する。この駆動機構120は、受衝装置110(受衝部材111)のための「アクチュエータ」とも称呼される。
リンクアーム122は、受衝部材111側の前後一対の取付け片121,121と、インナパネル15側の前後一対の取付け片123,123との間に延在するアーム部材であり、いわゆる「リンク式」の機構を構成する。具体的には、各リンクアーム122の一端は、受衝部材111に対し車両前後方向へとスライド可能な各取付け片121に回動軸122aを介して取り付けられており、またこの各リンクアーム122の他端は、インナパネル15に固定された各取付け片123に回動軸122bを介して取り付けられている。
回転モータ124は、ボールねじ部材125をその軸まわりに回転動作可能とするモータとして構成される。この回転モータ124は、制御ユニット140からの制御信号に基づいて、回転モータ124自体及びボールねじ部材125の回転方向や回転速度が制御される。
ボールねじ部材125は、車両前後方向に長手状に延在する軸状のボールねじ部材であり、取付け片121に形成されたねじ溝に対応して螺合するねじ山を有する部材として構成される。このボールねじ部材125が、「送りねじ部材」とも称呼される。
ここで、上記構成の車両衝突装置100の動作を図1〜図3に加え、更に図4〜図6を参照しながら説明する。図4は、図1中の受衝装置110の作動時の状態を示す斜視図である。また、図5には、図4中の車両ドア11のC−C線における断面構造が示され、図6には、図4中の車両ドア11のD−D線における断面構造が示される。
車両衝突装置100の図1〜図3に示す状態は、検出センサ130によって衝突が予知される前であって受衝装置110が受衝前の受衝待機位置に設定された状態とされる。一方、車両衝突装置100の図4〜図6に示す状態は、検出センサ130によって衝突が予知された直後であって受衝装置110が受衝位置に設定された状態とされる。
制御ユニット140は、検出センサ130による衝突予知に基づいて受衝装置110を受衝待機位置から受衝位置に制御する場合には、以下の第1の制御モードに設定される。一方、第1の制御モードの後に、検出センサ130による衝突予知に基づいて受衝装置110を受衝位置から再び受衝待機位置へと制御する場合には、以下の第2の制御モードに設定される。
(第1の制御モード)
第1の制御モードでは、制御ユニット140からの制御信号によって回転モータ124が駆動され、前後一対の取付け片121,121が車両前後方向に関し互いに離間する方向へと移動するようにボールねじ部材125の回転方向が制御される。これによって、受衝部材111は車両外方へと移動し、この受衝部材111と車両ドア11との相対的な位置が、図1〜図3に示す状態から図4〜図6に示す状態へと切り換る。具体的には、受衝部材111の第1構成部111aが車両ドア11のドア表面から離間し、またこの受衝部材111の第2構成部111bがアウタパネル13の開口部13aを車両外方へスライドする。この第1の制御モードにて駆動制御された受衝部材111によって、車外衝突物からの衝撃が受衝されることとなる。この第1の制御モードは、制御ユニット140が、検出センサ130の検知情報に基づき車両10の衝突を予知した場合に、車両衝突前に駆動機構120を制御して受衝部材111を受衝待機位置から受衝位置へと移動させる制御モードであり、この第1の制御モードが、本発明における「第1の制御モード」に相当する。
また、本実施の形態の受衝部材111の構成に関し、少なくとも第1構成部111aの表面部分を、発泡材のような衝撃吸収機能を有する材料やエアバッグ体などによって構成するのが好ましい。このような構成によれば、車外衝突物が歩行者や自転車やオートバイに乗車した乗員といった交通弱者である場合に、当該歩行者や乗員の保護向上を図る機能を付与することが可能となる。
(第2の制御モード)
第2の制御モードでは、制御ユニット140からの制御信号によって回転モータ124が駆動され、前後一対の取付け片121,121が車両前後方向に関し互いに近接する方向へと移動するようにボールねじ部材125の回転方向が制御される。これによって、受衝部材111は車両内方へと移動し、この受衝部材111と車両ドア11との相対的な位置が、図4〜図6に示す状態から図1〜図3に示す状態へと復帰する。具体的には、受衝部材111の第1構成部111aが車両ドア11のドア表面に近接して被着し、またこの受衝部材111の第2構成部111bがアウタパネル13の開口部13aを車両内方へスライドする。この第2の制御モードは、制御ユニット140が、検出センサ130の検知情報に基づき第1の制御モード設定後に車両10の衝突が回避されたと判定した場合に、駆動機構120を制御して受衝部材111を受衝位置から受衝待機位置へと移動させる制御モードであり、この第2の制御モードが、本発明における「第2の制御モード」に相当する。
受衝部材111がこの第2の制御モードに駆動制御されることによって、一旦は衝突予知がなされたが、その後の自車両10の運転者や車外衝突物側の対応によって衝突が回避された場合に、この受衝部材111を速やかに受衝待機位置(初期設定)へと復帰させることができる。このように、本実施の形態の受衝部材111は、受衝待機位置と受衝位置との間を可逆的に移動可能な駆動態様を有する。なお、この第2の制御モード及び前述の第1の制御モードにおいて、受衝部材111が受衝位置と受衝待機位置との間を移動する動作に関しては、受衝位置と受衝待機位置との間を1ステップ(1段階)にて移動してもよいし、或いは複数ステップ(多段階)にて移動してもよい。また、制御ユニット140における制御モードに関しては、これら第1の制御モード及び第2の制御モードに加えて、更なる別の制御モードが設定されてもよい。
以上のように、本実施の形態の車両衝突装置100及び当該車両衝突装置100を搭載した車両10によれば、車両側壁に向かう車外衝突物の衝突を予知した場合には、受衝部材111を受衝待機位置から受衝位置へと予め動作させておき、その後に発生する可能性がある衝突事故に備えることが可能となる。これにより、予め車外衝突物に近接する方向に移動させた受衝部材111を用いて、事故発生の際の衝突時の衝撃吸収を行うことができるため、受衝部材111のような受衝部が事故発生直後に動作する構成に比して衝撃吸収性能を向上させることができ、自車両10の車両乗員の保護向上を図ることが可能となる。また、受衝部材111を衝突発生に備えて車外衝突物により近接させることができるため、受衝開始までに要する時間を短縮することができる。また、車両本体が受衝する衝突エネルギーを受衝部によって緩和することができ、車両ドア11本体に及ぼすダメージを抑えることが可能となる。
また、本実施の形態によれば、車両衝突時、車両本体よりも先に受衝部材111が受衝位置にて車外衝突物に接触するため、実際の車両衝突の発生をより早く検出することができる。従って、車両内に装着されたエアバッグやシートベルトなどの乗員拘束装置を余裕をもって作動させて、乗員を確実に拘束することができるため、乗員拘束性能が向上する。
また、本実施の形態によれば、車両前後方向に長手状に延在する受衝部材111を用いることによって、車外衝突物に対応した広範囲における受衝を行うのに有効とされる。
また、本実施の形態によれば、第1構成部111a及び第2構成部111bからなる受衝部材111を用いるため、車両ドア11のドアビームを受衝部(受衝部材)として兼用化した合理的な構造が提供される。
(他の実施の形態)
本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上記実施の形態では、車両ドア11に装着される受衝装置110について記載したが、本発明の車両衝突装置における受衝機能は、車両側方の車外衝突物からの衝撃に対し発揮されればよく、受衝機能が搭載される部位は車両ドア以外の箇所、例えばサイドドアトリム、サイドルーフレール、ピラーなどの車両構成部分であってもよい。
また、上記実施の形態では、車両ドア11のドアビームを受衝部材として兼用化する場合について記載したが、本発明では、受衝部材111のような部材を受衝専用として設置してもよいし、或いは車両構成部材の他の機能と兼用化された部材として設置してもよい。
また、上記実施の形態では、自動車に装着される車両衝突装置の構成について記載したが、本発明は、自動車以外の車両、例えばバス、トラック、電車、船舶等の各種の車両に装着される車両衝突装置の構成に適用可能である。
本実施の形態の車両衝突装置100の構成を模式的に示す図である。 図1中の車両ドア11のA−A線における断面構造である。 図1中の車両ドア11のB−B線における断面構造である。 図1中の受衝装置110の作動時の状態を示す斜視図である。 図4中の車両ドア11のC−C線における断面構造である。 図4中の車両ドア11のD−D線における断面構造である。
符号の説明
10,20…車両
11…車両ドア
13…アウタパネル
13a…開口部
15…インナパネル
17…空間
100…車両衝突装置
110…受衝装置
111…受衝部材
111a…第1構成部
111b…第2構成部
120…駆動機構
121,123…取付け片
122…リンクアーム
122a,122b…回動軸
124…回転モータ
125ボールねじ部材
130…検出センサ
140…制御ユニット

Claims (6)

  1. 車両に装着される車両衝突装置であって、
    前記車両の衝突に関する情報を検出する検出部と、
    車両事故の際、車両側方の車外衝突物からの衝撃を受ける受衝部と、
    受衝待機位置と、車両側壁と前記車外衝突物との間であって前記受衝待機位置よりも車両外方の受衝位置との間で、前記受衝部を可逆的に駆動可能な駆動部と、
    前記検出部の検出情報に基づき車両衝突を予知した場合に、車両衝突前に前記駆動部を制御して前記受衝部を前記受衝待機位置から前記受衝位置へと移動させる第1の制御モードと、前記検出部の検出情報に基づき前記第1の制御モード設定後に車両衝突が回避されたと判定した場合に、前記駆動部を制御して前記受衝部を前記受衝位置から前記受衝待機位置へと移動させる第2の制御モードとに設定する制御部と、
    を備える構成であることを特徴とする車両衝突装置。
  2. 請求項1に記載の車両衝突装置であって、
    前記受衝部は、前記車両の車両ドアに装着され当該車両ドアの側壁に沿って車両前後方向に長手状に延在する受衝部材によって構成されることを特徴とする車両衝突装置。
  3. 請求項2に記載の車両衝突装置であって、
    前記受衝部は、前記車両ドアのインナパネルとアウタパネルとの間にて車両前後方向に長手状に延在するドアビームを前記受衝部材として用いる構成であることを特徴とする車両衝突装置。
  4. エンジン走行系統と、電装系統と、前記エンジン走行系統及び電装系統の駆動制御を行う車両制御装置と、乗員乗降用の車両ドアを備える車両であって、
    当該車両の衝突に関する情報を検出する検出部と、
    前記車両ドアに装着され、車両事故の際、車両側方の車外衝突物からの衝撃を受ける受衝部と、
    受衝待機位置と、車両側壁と前記車外衝突物との間であって前記受衝待機位置よりも車両外方の受衝位置との間で、前記受衝部を可逆的に駆動可能な駆動部と、
    前記検出部の検出情報に基づき車両衝突を予知した場合に、車両衝突前に前記駆動部を制御して前記受衝部を前記受衝待機位置から前記受衝位置へと移動させる第1の制御モードと、前記検出部の検出情報に基づき前記第1の制御モード設定後に車両衝突が回避されたと判定した場合に、前記駆動部を制御して前記受衝部を前記受衝位置から前記受衝待機位置へと移動させる第2の制御モードとに設定する制御部と、
    を備える構成であることを特徴とする車両。
  5. 請求項4に記載の車両であって、
    前記受衝部は、前記車両ドアの側壁に沿って車両前後方向に長手状に延在する受衝部材によって構成されることを特徴とする車両。
  6. 請求項5に記載の車両であって、
    前記車両ドアのインナパネルとアウタパネルとの間にて車両前後方向に長手状に延在するドアビームを備え、当該ドアビームを用いて前記受衝部材が構成されることを特徴とする車両。
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