JP6894917B2 - ピリジニルアミノピリミジン誘導体のメシル酸塩の結晶形、その製造方法及びその使用 - Google Patents

ピリジニルアミノピリミジン誘導体のメシル酸塩の結晶形、その製造方法及びその使用 Download PDF

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Description

本発明はピリジニルアミノピリミジン誘導体のメシル酸塩の結晶形(crystal form)に関し、具体的に、本発明は、N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミドのメシル酸塩の結晶形、その製造方法、当該結晶形を含む薬物組成物、及び、EGFRの活性型又は薬剤耐性型突然変異体に起因する哺乳動物、特にヒトの疾病、とりわけ癌治療における当該結晶形の使用に関する。
上皮成長因子受容体(EGFR)は、細胞の成長及び増殖過程における極めて重要な駆動因子であることが確認されている。上皮成長因子受容体のファミリーは、EGFR(Erb−B1)、Erb−B2(HER−2/neu)、Erb−B3及びErb−B4からなる。上皮成長因子受容体は、肺癌、結腸癌、乳癌といった大部分の癌の疾患進行に関連している。EGFRの過剰発現と突然変異が予後不良の乳癌にとって主要な危険因子であることが、すでに明確に実証されている。
現在、研究の最前線とされているのは不可逆的な第三世代EGFR阻害薬である。中国特許出願第CN201410365911.4号は下記式(I)の構成の化合物を開示している。当該化合物は、EGFRの活性型突然変異(例えば、エクソン19の欠失による活性型突然変異や、L858Rの活性型突然変異)、及びT790Mの薬剤耐性型突然変異に対する活性阻害力が野生型EGFR(WT EGFR)に対する活性阻害力よりも明らかに高く、良好な選択性を有している。且つ、毒性及び副作用が少なく、安全性に優れている。
Figure 0006894917
結晶形態(crystalline form)は化合物の物理的性質に所定の影響を及ぼす。複数の結晶形態を有する薬用化合物においては、結晶格子構造の違いによって外観(例えば、色、形状等)が異なる可能性があるだけでなく、物理的性質(例えば、融点、溶解性、密度、安定性、吸湿性等)に違いが出ることもある。その結果、体内において異なる溶出及び吸収挙動を示すことになり、臨床における薬用化合物の治療効果と安全性に所定の影響が生じる。
特定の結晶形態は、無定形物質或いは他の結晶形態とは異なる熱力学挙動を示し得る。実験室において、融点計、熱重量分析(TGA)又は示差走査熱量測定(DSC)等の技術により熱特性を測定することで、ある特定の結晶形態を無定形或いは他の結晶形態と区別することができる。そして、特定の結晶形態は特定のスペクトル特性を示し、例えば、粉末X線回折チャートデータ及び赤外線スペクトルデータは、特定の結晶形態を表すために用いられる。
本発明が解決しようとする技術的課題は、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形、その製造方法、当該結晶形を含む薬物組成物、及び、EGFRの活性型又は薬剤耐性型突然変異体に起因する哺乳動物、特にヒトの疾病、とりわけ癌治療における当該結晶形の使用を提供することである。
本発明は、式(I)に示すN−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミドのメシル酸塩の結晶形Iを提供し、本発明では結晶形態Iと命名する。
Figure 0006894917
本発明で提供する結晶形態Iは、その粉末X線回折チャートでは、回折角2θの値が4.58°±0.2°、14.08°±0.2°、15.00°±0.2°、16.40°±0.2°、17.84°±0.2°、18.30°±0.2°、20.26°±0.2°、21.10°±0.2°、21.88°±0.2°、22.66°±0.2°、25.58°±0.2°、26.78°±0.2°において特徴ピークを有する。
更に、本発明で提供する結晶形態Iにおいて、その粉末X線回折チャート(XRPD)を図1に示す。
更に、本発明で提供する結晶形態Iは、212.6℃まで加熱すると吸熱ピークが出現し、その示差走査熱量測定分析チャート(DSC)を図3に示す。
更に、本発明で提供する結晶形態Iは、230℃まで加熱した場合の重量ロスが約1%であり、その熱重量分析チャート(TGA)を図5に示す。
本発明は、化合物(I)のメシル酸塩の結晶形態Iの製造方法であって、
a)式(I)化合物を第1溶剤中に懸濁させることと、
b)20〜70℃まで昇温させてから、第2溶剤に予め溶解させたメシル酸溶液を滴下することと、
c)結晶を析出させ、濾過して結晶形態Iを得ることとを備える、製造方法を提供する。
更に、前記第1溶剤は、水、ケトン系、環状エーテル系若しくはニトリル系溶剤、又はこれらの混合溶剤であり、前記第2溶剤は、水、ケトン系、環状エーテル系若しくはニトリル系溶剤、又はこれらの混合溶剤である。更に、前記第1溶剤は、水と、ケトン系、環状エーテル系又はニトリル系溶剤との混合溶剤であり、前記第2溶剤は、ケトン系、環状エーテル系若しくはニトリル系溶剤、又は、水と、ケトン系、環状エーテル系若しくはニトリル系溶剤との混合溶剤である。更に、前記ケトン系溶剤はアセトンを含むがこれに限らず、前記環状エーテル系溶剤はテトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサンを含むがこれらに限らず、ニトリル系溶剤はアセトニトリルを含むがこれに限らない。
更に、前記ケトン系、環状エーテル系又はニトリル系溶剤と水との混合溶剤において、ケトン系、環状エーテル系又はニトリル系溶剤と水との体積比は10:1〜25:1であり、更に、ケトン系、環状エーテル系又はニトリル系溶剤と水との体積比は15:1〜19:1である。
更に、ステップb)において、35〜55℃まで昇温する。
本発明は、化合物(I)のメシル酸塩の結晶形態Iの製造方法であって、
a)式(I)化合物を第1溶剤中に懸濁させることと、
b)20〜70℃まで昇温させてから、第2溶剤に予め溶解させたメシル酸溶液を滴下することと、
c)第3溶剤を滴下することと、
d)結晶を析出させ、濾過して結晶形態Iを得ることとを備える、製造方法を提供する。
更に、前記第1溶剤は、水、ケトン系、環状エーテル系若しくはニトリル系溶剤、又はこれらの混合溶剤であり、前記第2溶剤は、水、ケトン系、環状エーテル系若しくはニトリル系溶剤、又はこれらの混合溶剤である。更に、前記第1溶剤は、水と、ケトン系、環状エーテル系又はニトリル系溶剤との混合溶剤であり、前記第2溶剤は、ケトン系、環状エーテル系若しくはニトリル系溶剤、又は、水と、ケトン系、環状エーテル系若しくはニトリル系溶剤との混合溶剤である。更に、前記ケトン系溶剤はアセトンを含むがこれに限らず、前記環状エーテル系溶剤はテトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサンを含むがこれらに限らず、ニトリル系溶剤はアセトニトリルを含むがこれに限らない。
更に、前記ケトン系、環状エーテル系又はニトリル系溶剤と水との混合溶剤において、ケトン系、環状エーテル系又はニトリル系溶剤と水との体積比は10:1〜25:1であり、更に、ケトン系、環状エーテル系又はニトリル系溶剤と水との体積比は15:1〜19:1である。
更に、ステップb)において、35〜55℃まで昇温する。
更に、前記第3溶剤は、C6〜7のアルカン系、エーテル系又はエステル系溶剤である。更に、前記C6〜7のアルカン系溶剤はn−ヘプタンを含むがこれに限らず、前記エーテル系溶剤はメチルtert−ブチルエーテルを含むがこれに限らず、前記エステル系溶剤は、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸プロピル又は酢酸ブチルを含むがこれらに限らない。
本発明は、式(I)に示すN−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミドのメシル酸塩の結晶形IIを提供し、本発明では結晶形態IIと命名する。
Figure 0006894917
本発明で提供する結晶形態IIは、その粉末X線回折チャートでは、回折角2θの値が6.94°±0.2°、11.24°±0.2°、11.94°±0.2°、14.72°±0.2°、18.74°±0.2°、19.38°±0.2°、20.22°±0.2°、22.10°±0.2°、22.92°±0.2°、24.48°±0.2°、25.14°±0.2°、26.42°±0.2°において特徴ピークを有する。
更に、本発明で提供する結晶形態IIにおいて、その粉末X線回折チャート(XRPD)を図2に示す。
更に、本発明で提供する結晶形態IIは、206.8℃まで加熱すると吸熱ピークが出現し、その示差走査熱量測定分析のチャート(DSC)を図4に示す。
更に、本発明で提供する結晶形態IIは、220℃まで加熱した場合の重量ロスが0.95%であり、その熱重量分析チャート(TGA)を図6に示す。
本発明は、化合物()のメシル酸塩の結晶形態IIの製造方法であって、
式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形態Iを、加熱条件下においてアルコール系溶剤中に溶解させ、冷却させて結晶を析出させ、濾過して結晶形態IIを得ることを備える、製造方法を提供する。
更に、前記アルコール系溶剤は、メタノール又はエタノールを含むがこれらに限らない。
本発明で提供する式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形において、式(I)化合物とメシル酸のモル比は1:1である。
本発明は、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形Iを含む薬物組成物を提供する。
本発明は、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形IIを含む薬物組成物を提供する。
本発明は、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形Iと結晶形IIの混合物を含む薬物組成物を提供する。
本発明は、更に、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形Iと、薬学的に許容可能な担体、賦形剤又は希釈剤とを含む薬物組成物を提供する。
本発明は、更に、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形IIと、薬学的に許容可能な担体、賦形剤又は希釈剤とを含む薬物組成物を提供する。
本発明は、更に、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形I及び結晶形IIの混合物と、薬学的に許容可能な担体、賦形剤又は希釈剤とを含む薬物組成物を提供する。
本発明は、更に、薬物組成物の、癌治療の薬物の製造における使用を提供し、前記薬物組成物は、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形I、結晶形II、又は結晶形Iと結晶形IIの混合物を含む。
本発明は、抗腫瘍薬物として用いられる式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形Iを提供する。
本発明は、抗腫瘍薬物として用いられる式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形IIを提供する。
本発明は、抗腫瘍薬物として用いられる式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形Iと結晶形IIの混合物を提供する。
本発明は、更に、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形Iの、癌治療の薬物の製造における使用を提供する。
本発明は、更に、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形Iの、EGFRの活性型又は薬剤耐性型突然変異体に起因する哺乳動物、特にヒトの疾病、とりわけ癌治療の薬物の製造における使用を提供する。
本発明は、更に、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形IIの、癌治療の薬物の製造における使用を提供する。
本発明は、更に、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形IIの、EGFRの活性型又は薬剤耐性型突然変異体に起因する哺乳動物、特にヒトの疾病、とりわけ癌治療の薬物の製造における使用を提供する。
本発明は、更に、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形Iと結晶形IIの混合物の、癌治療の薬物の製造における使用を提供する。
本発明は、更に、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形Iと結晶形IIの混合物の、EGFRの活性型又は薬剤耐性型突然変異体に起因する哺乳動物、特にヒトの疾病、とりわけ癌治療の薬物の製造における使用を提供する。
本発明は、更に、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形Iの、EGFRの活性型又は薬剤耐性型突然変異体に起因する哺乳動物、特にヒトの疾病、とりわけ癌治療における使用を提供する。
本発明は、更に、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形IIの、EGFRの活性型又は薬剤耐性型突然変異体に起因する哺乳動物、特にヒトの疾病、とりわけ癌治療における使用を提供する。
本発明は、更に、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形Iと結晶形IIの混合物の、EGFRの活性型又は薬剤耐性型突然変異体に起因する哺乳動物、特にヒトの疾病、とりわけ癌治療における使用を提供する。
本発明は、更に、EGFRの活性型又は薬剤耐性型突然変異体に起因する哺乳動物、特にヒトの疾病、とりわけ癌を治療する方法を提供する。前記方法は、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形Iを、又は、治療有効量の式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形Iと、薬学的に許容可能な担体、賦形剤若しくは希釈剤とを含む薬物組成物を患者に投与することを含む。
本発明は、更に、EGFRの活性型又は薬剤耐性型突然変異体に起因する哺乳動物、特にヒトの疾病、とりわけ癌を治療する方法を提供する。前記方法は、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形IIを、又は、治療有効量の式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形IIと、薬学的に許容可能な担体、賦形剤若しくは希釈剤とを含む薬物組成物を患者に投与することを含む。
本発明は、更に、EGFRの活性型又は薬剤耐性型突然変異体に起因する哺乳動物、特にヒトの疾病、とりわけ癌を治療する方法を提供する。前記方法は、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形Iと結晶形IIの混合物を、又は、治療有効量の式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形I及び結晶形IIの混合物と、薬学的に許容可能な担体、賦形剤若しくは希釈剤とを含む薬物組成物を患者に投与することを含む。
本発明で言及する癌としては、例えば、肺癌、卵巣癌、子宮頸癌、乳癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌、神経膠腫、膠芽腫、メラノーマ、前立腺癌、白血病、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、肝細胞癌、消化管間質腫瘍(GIST)、甲状腺癌、胆管癌、子宮内膜癌、腎臓癌、未分化大細胞型リンパ腫、急性骨髄性白血病(AML)、多発性骨髄腫、中皮腫が挙げられるがこれらに限られず、特に、上皮成長因子受容体の790番目のトレオニンがメチオニンに突然変異する(EGFR T790M)タイプの腫瘍をより良好に適用されるものとして挙げられる。例えば、本発明にかかる式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形は、非小細胞癌(EGFR T790M)の治療薬物として使用可能である。
本発明にかかる式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形I、結晶形II、又は結晶形Iと結晶形IIの混合物は、ヒトを含む哺乳動物に対し、経口投与、経直腸投与、非経腸・非経胃投与(静脈内投与、筋肉内投与又は皮下投与)、局所投与(粉剤、軟膏剤又は点滴剤)、又は腫瘍内投与することができる。
本発明にかかる式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形I、結晶形II、又は結晶形Iと結晶形IIの混合物の投与量は、0.05〜50mg/体重kg/日とすればよく、例えば、0.1〜45mg/体重kg/日、更に例えば、0.5〜35mg/体重kg/日とすればよい。
本発明にかかる式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形I、結晶形II、又は結晶形Iと結晶形IIの混合物は、経口投与に用いられる固体剤形として製造することができ、当該固体剤形としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤及び顆粒剤等が挙げられるが、これらに限られない。これらの固体剤形において、本発明にかかる式(I)化合物のメシル酸塩は活性成分として、例えばクエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウムといった少なくとも1種の一般的な不活性賦形剤(又は担体)と混合され、或いは次の成分:(1)充填剤又は増量剤(例えば、デンプン、乳糖、蔗糖、ブドウ糖、マンニトール、ケイ酸等);(2)結合剤(例えば、ヒドロキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、蔗糖、アラビアゴム等);(3)保湿剤(例えばグリセロール等);(4)崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプン又はタピオカデンプン、アルギン酸、いくつかの複合ケイ酸塩、炭酸ナトリウム等);(5)溶解遅延剤(例えばパラフィン等);(6)吸収促進剤(例えば、第四級アンモニウム化合物等);(7)湿潤剤(例えば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセロール等);(8)吸着剤(例えば、カオリン等);(9)潤滑剤(例えば、滑石、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ドデシル硫酸ナトリウム等);又はこれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤、丸剤には、緩衝剤が含まれてもよい。
前記固体剤形(例えば、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、顆粒剤)は、コーティング及びシェル材料(例えば、腸溶コーティングと当該分野において公知のその他材料)でコーティング又はマイクロカプセル化してもよい。これらは不透明剤であってもよく、そして、これら組成物中の活性成分の放出は、遅延した方式で消化器内のある部分において放出されてもよい。使用可能な包埋成分の実例は、重合体物質、ワックス類物質である。必要に応じて、活性成分は前記賦形剤のうちの1種又は複数種とともにマイクロカプセルを形成してもよい。
本発明にかかる式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形I、結晶形II、又は結晶形Iと結晶形IIの混合物は、経口投与に用いられる液体剤形として製造することができ、当該液体剤形としては、薬学的に許容可能な乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ、チンキ等が挙げられるが、これらに限られない。液体剤形は、活性成分である式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形I、結晶形II、又は結晶形Iと結晶形IIの混合物のほか、当該分野において一般的に用いられる不活性希釈剤(例えば、水及びその他の溶剤、可溶化剤及び乳化剤、例えば、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ジメチルホルムアミド及び油脂類、特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ひまし油、ゴマ油等)、又はこれら物質の混合物等を含んでもよい。これら不活性希釈剤のほか、本発明の液体剤形は、一般的な助剤(例えば、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味剤、矯味剤及び香料等)を含んでもよい。
前記懸濁化剤としては、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、マイクロクリスタリンセルロース、アルミニウムメトキシド及び寒天等、又はこれら物質の混合物が挙げられる。
本発明にかかる式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形I、結晶形II、又は結晶形Iと結晶形IIの混合物は、非経口注射に用いられる剤形として製造することができ、当該剤形としては、生理的に許容可能な無菌の含水若しくは無水溶液、分散液、懸濁液又は乳濁液、及び、新たに溶解して得られる無菌の注射可能な溶液又は分散液に用いられる無菌粉末が挙げられるが、これらに限られない。適切な担体、希釈剤、溶剤又は賦形剤としては、水、エタノール、ポリオール及びこれらの適切な混合物が挙げられる。
本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、局所投与に用いられる剤形として製造することができ、当該剤形としては、例えば、軟膏剤、散剤、座薬、点滴剤、噴射剤、吸入剤等が挙げられる。活性成分としての本発明にかかる式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形I、結晶形II、又は結晶形Iと結晶形IIの混合物は、無菌条件下において、生理的に許容可能な担体及び任意の防腐剤、緩衝剤、或いは必要に応じて推進剤とともに混合される。
本発明は、更に、薬物組成物を提供し、当該薬物組成物は本発明にかかる式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形I、結晶形II、又は結晶形Iと結晶形IIの混合物と、薬学的に許容可能な担体、賦形剤又は希釈剤とを含む。薬物組成物を製造する際、通常は、本発明にかかる式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形I、結晶形II、又は結晶形Iと結晶形IIの混合物と、薬学的に許容可能な担体、賦形剤又は希釈剤とを混合する。
一般的な製造方法に基づいて、前記本発明の組成物を一般的な薬物製剤として製造することができる。例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、乳濁液剤、懸濁剤、分散液、溶液剤、シロップ、エリキシル剤、軟膏剤、点滴剤、座薬、吸入剤、噴射剤等である。
本発明で記載する式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形I、結晶形II、又は結晶形Iと結晶形IIの混合物は、単独で投与してもよいし、或いは他の薬学的に許容可能な治療剤と組み合わせて投与してもよく、特に、他の抗腫瘍薬物と組み合わせて投与してもよい。前記治療剤としては、DNAの化学構造に作用する抗腫瘍薬(例えば、シスプラチン)、ヌクレオチドの合成に影響する抗腫瘍薬物(例えば、メトトレキサート(MTX)、5−フルオロウラシル(5FU)等)、核酸の転写に影響する抗腫瘍薬物(例えば、ドキソルビシン、エピルビシン、アクラシノマイシン、ミトラマイシン等)、チューブリンの合成に作用する抗腫瘍薬物(例えば、パクリタキセル、ビノレルビン等)、アロマターゼ阻害薬(例えば、アミノグルテチミド、レンタロン、レトロゾール、アナストロゾール等)、細胞シグナル経路阻害剤(例えば、上皮成長因子受容体阻害剤であるイマチニブ(Imatinib)、ゲフィチニブ(Gefitinib)、エルロチニブ(Erlotinib)等)が挙げられるが、これらに限られない。組み合わされる各成分は同時に投与してもよいし、或いは順に投与してもよく、単一製剤の形式で投与してもよいし、或いは製剤形式とせずに投与してもよい。上記の組み合わせには、本発明における化合物と1種類のその他の活性剤の組み合わせが含まれるだけでなく、本発明における化合物と2種類又は更に多くの種類のその他の活性剤の組み合わせも含まれる。
本発明における式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形を胃内投与する場合の絶対的バイオアベイラビリティの測定方法は次の通りである。
静脈投与:健康なSDラットをランダムに群分けする。測定物質を所定の投与量Dで静脈投与し、投与前と、投与から5min後、15min後、0.5h後、1.0h後、2.0h後、4.0h後、8.0h後、12h後及び24h後に眼球後静脈叢から採血する。これを分離して血漿を作製し、液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法により血漿中の薬物濃度を測定することで、薬物濃度−時間曲線を取得する。
胃内投与:健康なSDラットをランダムに群分けする。測定物質を所定の投与量Dで胃内投与し、投与前と、投与から0.5h後、1.0h後、2.0h後、4.0h後、6.0h後、8.0h後、10h後、12h後及び24h後にラットの眼球後静脈叢から静脈血を採取する。これを分離して血漿を作製し、液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法により血漿中の薬物濃度を測定することで、薬物濃度−時間曲線を取得する。
投与量を補正した後、薬物濃度−時間曲線よりも下の面積(AUC0−t)を計算することで、絶対的バイオアベイラビリティFを得る。計算式は、F=(AUC胃内投与×D静脈)/(AUC静脈×D胃内投与)×100%である。
本発明における式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形の溶解度の測定方法は次の通りである。
各物質を計量して適量を褐色メスフラスコに投入し、異なる溶剤を加え、超音波を20sかけて均一に分散させた後、25℃下において200rpmで24h振蕩し、取り出し、12000rpmで10min遠心分離し、上清液を抽出するとともに、相応の溶剤を用いて所定の倍数で希釈した後、HPLCで濃度を測定するとともにpH値を測定する。
本発明の有益な効果は、次の通りである。
本発明で提供する式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形I又は結晶形IIが、動物の体内において優れたバイオアベイラビリティを有することが、試験を経て証明された。
本発明で提供する式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形I又は結晶形IIは、式(I)化合物に対し、異なるpH値の溶剤中においてより良い溶解度を有していた。
図1は、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形態IのXRPDチャートである。 図2は、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形態IIのXRPDチャートである。 図3は、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形態IのDSCチャートである。 図4は、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形態IIのDSCチャートである。 図5は、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形態IのTGAチャートである。 図6は、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形態IIのTGAチャートである。
以下に、具体的な実施例とともに、本発明を更に詳細に述べる。これらの実施例は本発明を例示的に説明するためのものにすぎず、本発明の範囲を制限するものではない。以下の実施例において具体的条件を明記していない実験方法は、一般的な条件或いはメーカー推奨の条件に基づいて行われたものである。別途説明がない限り、部数及びパーセンテージはそれぞれ重量部及び重量パーセントを示指す。
本発明で記載する粉末X線回折チャートは、パナリティカルエンピリアン(Panalytical Empyrean)粉末X線回折計で収集したものである。本発明で記載する粉末X線回折法のパラメータは次の通りである。
X線反射パラメータ:Cu,Kα
Kα1(Å):1.540598、Kα1(Å):1.544426
Kα2/Kα1強度比率:0.50
電圧:45キロボルト(kV)
電流:40ミリアンペア(mA)
走査範囲:3.0〜50.0度
本発明で記載する示差走査熱量測定分析(DSC)チャートは、パーキンエルマー(Perkin Elmer)DSC8500で収集したものである。本発明で記載する示差走査熱量測定分析法のパラメータは次の通りである。
温度制御:開始温度を50℃とし、50℃で1min保持してから、10℃/minの速度で250℃まで昇温する。
保護ガス:窒素ガス
本発明で記載する熱重量分析(TGA)チャートはネッチ(NETZSCH)TG209F3で収集したものである。本発明で記載する熱重量分析法のパラメータは次の通りである。
温度制御:30℃で5min保持してから、10℃/minの速度で400℃まで昇温する。
保護ガス:窒素ガス
I.作製にかかる実施例
実施例1:N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミド
中間体1c:N−メチル−N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−3−ニトロピリジン−2,5−ジアミンの製造方法については、中国特許出願第CN201410365911.4号の実施例を引用する。
Figure 0006894917
中間体2a:3−(2−クロロピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−インドールの製造方法については、中国特許出願第CN201410365911.4号の実施例を引用する。
Figure 0006894917
化合物(II):N−メチル−N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−N−[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]−3−ニトロピリジン−2,5−ジアミンの合成
Figure 0006894917
丸底フラスコに、3−(2−クロロピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−インドール(73mg、0.3mmol)、N−メチル−N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−3−ニトロピリジン−2,5−ジアミン(100mg、0.3mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(14mg、0.015mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(14mg、0.03mmol)、リン酸カリウム(127mg、0.6mmol)及び8mlのジオキサンを投入し、アルゴンガス保護下において95℃で5h反応させた。濾過して、濾液を減圧により蒸発乾燥させて、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)により140mgの生成物を得た。収率は86%であった。MS m/z:545[M+1]。
化合物(III):N−メチル−N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−N−[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]ピリジン−2,3,5−トリアミンの合成
Figure 0006894917
丸底フラスコに、N−メチル−N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−N−[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]−3−ニトロピリジン−2,5−ジアミン(150mg、0.27mmol)、白金ジオキシド(60mg)及び10mlのメタノールを投入し、水素ガスを導入して室温下で1h反応させた。濾過して、プレプレートで分離することで(ジクロロメタン:メタノール=10:1)、80mgの標的化合物を得た。収率は56%であった。MS m/z:515[M+1]。
化合物(I):N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミドの合成
Figure 0006894917
丸底フラスコに、N−メチル−N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−N−[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]ピリジン−2,3,5−トリアミン(80mg、0.16mmol)と5mlのジクロロメタンを投入して、氷水浴で冷却し、塩化アクリル0.5Nのジクロロメタン溶液(0.5ml、0.25mmol)を加えた。氷水浴で1.5時間反応させてから、反応液を50mlの酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、濾液を減圧により濃縮し、プレプレートで分離純化することで(ジクロロメタン:メタノール=10:1)、20mgの標的生成物を得た。収率は23%であった。MS m/z:569[M+1]。
H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ10.41(s,1H),10.27(s,1H),8.68(s,1H),8.44(s,1H),8.28(t,J=8.5Hz,2H),8.18(s,1H),7.52(d,J=8.0Hz,1H),7.29-7.14(m,3H),6.98(s,1H),6.28(d,J=17.1Hz,1H),5.76(d,J=10.4Hz,1H),5.00(q,J=9.0Hz,2H),3.89(s,3H),3.61(s,2H),3.28(s,2H),2.80(s,3H),2.73(s,6H)。
実施例2:N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミドのメシル酸塩の結晶形態Iの作製
N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミド(451.5g、0.77mol)を10Lの反応釜に投入し、アセトン水溶液(5.42L、両者の体積比15:1)を加えて攪拌し、窒素ガスで置換して35〜40℃まで昇温させた。メシル酸(74.2g、0.76mol)のアセトン溶液(1.35L)を滴下した。滴下完了後、35〜40℃に温度制御しつつ15〜18時間攪拌した。酢酸エチル(3.39L)を滴下し、滴下完了後に20〜25℃まで緩やかに降温させてから濾過し、酢酸エチル(0.45L)で濾過後のケーキを洗浄した。50℃で40〜48時間真空乾燥させて、結晶形態I(409.9g)を得た。収率は80.09%であった。
H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ9.80(s,1H),9.23(s,1H),8.53(s,1H),8.42(s,1H),8.30(d,J=5.4Hz,2H),8.23(s,1H),7.52(d,J=8.2Hz,1H),7.25(t,J=7.2Hz,1H),7.22(d,J=8.0Hz,1H),7.15(t,J=7.4Hz,1H),6.70(dd,J=17.0,10.2Hz,1H),6.34(dd,J=17.0,1.7Hz,1H),5.83(dd,J=10.3,1.6Hz,1H),5.02(q,J=9.1Hz,2H),3.88(s,3H),3.65(t,J=6.0Hz,2H),3.33(t,J=6.0Hz,2H),2.86(s,6H),2.81(s,3H),2.44(s,3H)。
検査測定した結果、本実施例で得た結晶形態Iは、粉末X線回折チャートでは、回折角2θの値が4.58°±0.2°、14.08°±0.2°、15.00°±0.2°、16.40°±0.2°、17.84°±0.2°、18.30°±0.2°、20.26°±0.2°、21.10°±0.2°、21.88°±0.2°、22.66°±0.2°、25.58°±0.2°、26.78°±0.2°において特徴ピークを有しており、そのXRPDチャートを図1に、そのDSCチャートを図3に、そのTGAチャートを図5に示す。
実施例3:N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミドのメシル酸塩の結晶形態Iの作製
N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミド(5g、8.8mmol)を100mLの反応瓶に投入し、テトラヒドロフラン水溶液(42.5mL、両者の体積比19:1)を加えて攪拌し、窒素ガスで置換して40〜45℃まで昇温させた。メシル酸(0.84g、8.7mmol)のテトラヒドロフラン水溶液(7.5mL、両者の体積比19:1)を滴下した。滴下完了後、40〜45℃に温度制御しつつ15〜18時間攪拌した。20〜25℃まで緩やかに降温させてから濾過した。50℃で40〜48時間真空乾燥させて、結晶形態I(3.4g)を得た。収率は57.95%であった。
実施例4:N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミドのメシル酸塩の結晶形態Iの作製
N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミド(5g、8.8mmol)を100mLの反応瓶に投入し、アセトニトリル水溶液(42.5mL、両者の体積比19:1)を加えて攪拌し、窒素ガスで置換して40〜45℃まで昇温させた。メシル酸(0.84g、8.7mmol)のアセトニトリル水溶液(7.5mL、両者の体積比19:1)を滴下した。滴下完了後、40〜45℃に温度制御しつつ15〜18時間攪拌した。酢酸エチル(25mL)を滴下し、滴下完了後に20〜25℃まで緩やかに降温させてから濾過した。50℃で40〜48時間真空乾燥させて、結晶形態I(4.3g)を得た。収率は73.29%であった。
実施例5:N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミドのメシル酸塩の結晶形態Iの作製
N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミド(5g、8.8mmol)を100mLの反応瓶に投入し、テトラヒドロフラン水溶液(42.5mL、両者の体積比19:1)を加えて攪拌し、窒素ガスで置換して40〜45℃まで昇温させた。メシル酸(0.84g、8.7mmol)のテトラヒドロフラン水溶液(7.5mL、両者の体積比19:1)を滴下した。滴下完了後、40〜45℃に温度制御しつつ15〜18時間攪拌した。酢酸エチル(25mL)を滴下し、滴下完了後に20〜25℃まで緩やかに降温させてから濾過した。50℃で40〜48時間真空乾燥させて、結晶形態I(4.75g)を得た。収率は80.96%であった。
実施例6:N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミドのメシル酸塩の結晶形態Iの作製
N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミド(5g、8.8mmol)を100mLの反応瓶に投入し、アセトン水溶液(42.5mL、両者の体積比19:1)を加えて攪拌し、窒素ガスで置換して40〜45℃まで昇温させた。メシル酸(0.84g、8.7mmol)のテトラヒドロフラン水溶液(7.5mL、両者の体積比19:1)を滴下した。滴下完了後に40〜45℃に温度制御しつつ酢酸エチル(25mL)を滴下し、滴下完了後に20〜25℃まで緩やかに降温させてから濾過した。50℃で40〜48時間真空乾燥させて、結晶形態I(5.1g)を得た。収率は86.93%であった。
実施例7:N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミドのメシル酸塩の結晶形態Iの作製
N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミド(5g、8.8mmol)を100mLの反応瓶に投入し、テトラヒドロフラン水溶液(42.5mL、両者の体積比19:1)を加えて攪拌し、窒素ガスで置換して40〜45℃まで昇温させた。メシル酸(0.84g、8.7mmol)のテトラヒドロフラン水溶液(7.5mL、両者の体積比19:1)を滴下した。滴下完了後、40〜45℃に温度制御しつつ15〜18時間攪拌した。酢酸イソプロピル(37.5mL)を滴下し、滴下完了後に20〜25℃まで緩やかに降温させてから濾過し、酢酸イソプロピル(5mL)で濾過後のケーキを洗浄した。20〜25℃まで緩やかに降温させ、濾過した。50℃で40〜48時間真空乾燥させて、結晶形態I(4.4g)を得た。収率は75.00%であった。
実施例8:N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミドのメシル酸塩の結晶形態Iの作製
N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミド(5g、8.8mmol)を100mLの反応瓶に投入し、アセトン水溶液(42.5mL、両者の体積比19:1)を加えて攪拌し、窒素ガスで置換して40〜45℃まで昇温させた。メシル酸(0.84g、8.7mmol)のテトラヒドロフラン水溶液(7.5mL、両者の体積比19:1)を滴下した。滴下完了後に40〜45℃に温度制御しつつギ酸エチル(25mL)を滴下し、滴下完了後に20〜25℃まで緩やかに降温させてから濾過した。50℃で40〜48時間真空乾燥させて、結晶形態I(5.1g)を得た。収率は86.93%であった。
実施例9:N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミドのメシル酸塩の結晶形態Iの作製
N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミド(5g、8.8mmol)を100mLの反応瓶に投入し、アセトン水溶液(42.5mL、両者の体積比19:1)を加えて攪拌し、窒素ガスで置換して40〜45℃まで昇温させた。メシル酸(0.84g、8.7mmol)のテトラヒドロフラン水溶液(7.5mL、両者の体積比19:1)を滴下した。滴下完了後に40〜45℃に温度制御しつつn−ヘプタン(25mL)を滴下し、滴下完了後に20〜25℃まで緩やかに降温させてから濾過した。50℃で40〜48時間真空乾燥させて、結晶形態I(4.8g)を得た。収率は81.82%であった。
実施例10:N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミドのメシル酸塩の結晶形態Iの作製
N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミド(5g、8.8mmol)を100mLの反応瓶に投入し、アセトニトリル水溶液(42.5mL、両者の体積比19:1)を加えて攪拌し、窒素ガスで置換して40〜45℃まで昇温させた。メシル酸(0.84g、8.7mmol)のアセトニトリル水溶液(7.5mL、両者の体積比19:1)を滴下した。滴下完了後、40〜45℃に温度制御しつつ15〜18時間攪拌した。20〜25℃まで緩やかに降温させてから濾過した。50℃で40〜48時間真空乾燥させて、結晶形態I(4.0g)を得た。収率は68.18%であった。
実施例11:N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミドのメシル酸塩の結晶形態Iの作製
N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミド(5g、8.8mmol)を100mLの反応瓶に投入し、アセトニトリル水溶液(42.5mL、両者の体積比19:1)を加えて攪拌し、窒素ガスで置換して40〜45℃まで昇温させた。メシル酸(0.84g、8.7mmol)のアセトニトリル溶液(7.5mL)を滴下した。滴下完了後に40〜45℃に温度制御しつつギ酸メチル(355mL)を滴下し、滴下完了後に20〜25℃まで緩やかに降温させてから濾過した。50℃で40〜48時間真空乾燥させて、結晶形態I(4.5g)を得た。収率は76.70%であった。
実施例12:N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミドのメシル酸塩の結晶形態IIの作製
実施例2で得た結晶形態I(5g、7.5mmol)を100mLの反応瓶に投入し、メタノール(50.0mL)を加えて攪拌し、50〜55℃まで昇温させた。50〜55℃に温度制御しつつ15〜18時間攪拌した。20〜25℃まで緩やかに降温させてから濾過した。50℃で40〜48時間真空乾燥させて、結晶形態II(3.1g)を得た。収率は62.0%であった。
H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ9.80(s,1H),9.23(s,1H),8.53(s,1H),8.42(s,1H),8.30(d,J=5.4Hz,2H),8.23(s,1H),7.52(d,J=8.2Hz,1H),7.25(t,J=7.2Hz,1H),7.22(d,J=8.0Hz,1H),7.15(t,J=7.4Hz,1H),6.70(dd,J=17.0,10.2Hz,1H),6.34(dd,J=17.0,1.7Hz,1H),5.83(dd,J=10.3,1.6Hz,1H),5.02(q,J=9.1Hz,2H),3.88(s,3H),3.65(t,J=6.0Hz,2H),3.33(t,J=6.0Hz,2H),2.86(s,6H),2.81(s,3H),2.44(s,3H)。
検査測定した結果、本実施例で得た結晶形態IIは、粉末X線回折チャートでは、回折角2θの値が6.94°±0.2°、11.24°±0.2°、11.94°±0.2°、14.72°±0.2°、18.74°±0.2°、19.38°±0.2°、20.22°±0.2°、22.10°±0.2°、22.92°±0.2°、24.48°±0.2°、25.14°±0.2°、26.42°±0.2°において特徴ピークを有しており、そのXRPDチャートを図2に、そのDSCチャートを図4に、そのTGAチャートを図6に示す。
実施例13:N−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミドのメシル酸塩の結晶形態IIの作製
実施例2で得た結晶形態I(5g、7.5mmol)を100mLの反応瓶に投入し、エタノール(50.0mL)を加えて攪拌し、50〜55℃まで昇温させた。50〜55℃に温度制御しつつ15〜18時間攪拌した。20〜25℃まで緩やかに降温させてから濾過した。50℃で40〜48時間真空乾燥させて、結晶形態II(3.1g)を得た。収率は62.0%であった。
II.活性測定にかかる実施例
測定にかかる実施例1:SDラット(Sprague Dawleyラット)による薬物吸収実験
静脈投与:上海西普爾−必凱実験動物有限公司(Shanghai Sippr−BK laboratory animal Co.Ltd.)から提供された健康なSDラット(オス・メス各20匹、体重200〜280g)をランダムに5群に分けた。下表に列記した投与量で、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形態I、結晶形態II、実施例1における式(I)化合物、比較例1及び比較例2を静脈投与し、投与前と、投与から5min後、15min後、0.5h後、1.0h後、2.0h後、4.0h後、8.0h後、12h後及び24h後にラットの眼球後静脈叢から静脈血0.2mlを採取した。これを分離して血漿を作製し、液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法により血漿中の薬物濃度を測定することで、薬物濃度−時間曲線を取得した。
表1に主な薬物動態パラメータを示す。
Figure 0006894917
表1のうち比較例1の物質構成は下記の通りであり、中国特許出願第CN201410365911.4号における実施例2の方法で作製して得た。
Figure 0006894917
比較例2の物質構成は下記の通りであり、中国特許出願第CN201410365911.4号における実施例16の方法で作製して得た。
Figure 0006894917
1/2:半減期、Cmax:血漿中薬物の最高濃度、AUC0−t:薬物濃度−時間曲線よりも下の面積
胃内投与:上海西普爾−必凱実験動物有限公司から提供された健康なSDラット(オス・メス各20匹、体重200〜280g)をランダムに5群に分けた。下表に列記した投与量で、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形態I、結晶形態II、実施例1における式(I)化合物、比較例1及び比較例2を胃内投与し、投与前と、投与から0.5h後、1.0h後、2.0h後、4.0h後、6.0h後、8.0h後、10h後、12h後及び24h後にラットの眼球後静脈叢から静脈血0.2mlを採取した。これを分離して血漿を作製し、液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法により血漿中の薬物濃度を測定することで、薬物濃度−時間曲線を取得した。
表2に主な薬物動態パラメータを示す。
Figure 0006894917
表2における比較例1、比較例2の構成及び製造方法は、表1と同様である。
投与量を補正した後、AUC0−tを計算することで絶対的バイオアベイラビリティFを得た。計算式はF=(AUC胃内投与×D静脈)/(AUC静脈×D胃内投与)×100%であり、得られた絶対的バイオアベイラビリティFを表2に示す。
結論:式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形態I、結晶形態IIを胃内投与した場合の絶対的バイオアベイラビリティは、実施例1における式(I)化合物、比較例1及び比較例2を胃内投与した場合の絶対的バイオアベイラビリティよりも明らかに優れていた。
測定にかかる実施例2:溶解度試験
実施例1における式(I)化合物、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形態I、式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形態IIについて、異なるpH緩衝液での溶解度を調査した。
測定方法:各物質を計量して適量を褐色メスフラスコに投入し、異なる溶剤を加え、超音波を20sかけて均一に分散させた後、25℃下において200rpmで24h振蕩し、取り出し、12000rpmで10min遠心分離し、上清液を抽出するとともに、相応の溶剤を用いて所定の倍数で希釈した後、HPLCで濃度を測定するとともにpH値を測定した。結果を表に示す。
Figure 0006894917
結論:式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形態I及び結晶形態IIは、溶剤のpH値が1.0、4.5、6.8のときの溶解度が実施例1における式(I)化合物よりも優れていた。
本文中で言及した全ての文献は、いずれも引用によって本願に組み込まれている。なお、本願における上記の開示内容を精読することで、当業者は本発明の精神及び範囲を逸脱することなく本発明について各種の補足、変更又は修正を行うことができ、これらの変形はいずれも本願の請求項に記載された範囲に含まれる。

Claims (14)

  1. 式(I)に示すN−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミドのメシル酸塩の結晶であって、
    前記結晶は結晶形Iであり、
    前記結晶形Iの粉末X線回折チャートでは、回折角2θの値が4.58°±0.2°、14.08°±0.2°、15.00°±0.2°、16.40°±0.2°、17.84°±0.2°、18.30°±0.2°、20.26°±0.2°、21.10°±0.2°、21.88°±0.2°、22.66°±0.2°、25.58°±0.2°、26.78°±0.2°において特徴ピークを有する。
    Figure 0006894917
  2. 請求項1に記載の結晶を製造する方法であって、
    a)式(I)化合物を第1溶剤中に懸濁させることと、
    b)20〜70℃まで昇温させてから、第2溶剤に予め溶解させたメシル酸溶液を滴下することと、
    c)結晶を析出させ、濾過して結晶形Iである結晶を得ることとを備える、製造方法。
  3. 請求項1に記載の結晶を製造する方法であって、
    a)式(I)化合物を第1溶剤中に懸濁させることと、
    b)20〜70℃まで昇温させてから、第2溶剤に予め溶解させたメシル酸溶液を滴下することと、
    c)第3溶剤を滴下することと、
    d)結晶を析出させ、濾過して結晶形Iである結晶を得ることとを備える、製造方法。
  4. 前記第1溶剤は、水、ケトン系、環状エーテル系若しくはニトリル系溶剤、又はこれらの混合溶剤であり、
    前記第2溶剤は、水、ケトン系、環状エーテル系若しくはニトリル系溶剤、又はこれらの混合溶剤であることを特徴とする請求項又はに記載の製造方法。
  5. 前記第1溶剤は、水と、ケトン系、環状エーテル系又はニトリル系溶剤との混合溶剤であり、
    前記第2溶剤は、ケトン系、環状エーテル系若しくはニトリル系溶剤、又は、水と、ケトン系、環状エーテル系若しくはニトリル系溶剤との混合溶剤であることを特徴とする請求項に記載の製造方法。
  6. 前記ケトン系溶剤はアセトンを含み、前記環状エーテル系溶剤はテトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサンを含み、前記ニトリル系溶剤はアセトニトリルを含むことを特徴とする請求項に記載の製造方法。
  7. ステップb)において、35〜55℃まで昇温することを特徴とする請求項又はに記載の製造方法。
  8. 前記第3溶剤は、C6〜7のアルカン系、エーテル系又はエステル系溶剤であることを特徴とする請求項に記載の製造方法。
  9. 前記C6〜7のアルカン系溶剤はn−ヘプタンを含み、前記エーテル系溶剤はメチルtert−ブチルエーテルを含み、前記エステル系溶剤は、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸プロピル又は酢酸ブチルを含むことを特徴とする請求項に記載の製造方法。
  10. 式(I)に示すN−{2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ}−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−{[4−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミノ}ピリジン−3−イル}アクリルアミドのメシル酸塩の結晶であって、
    前記結晶は結晶形IIであり、
    前記結晶形IIの粉末X線回折チャートでは、回折角2θの値が6.94°±0.2°、11.24°±0.2°、11.94°±0.2°、14.72°±0.2°、18.74°±0.2°、19.38°±0.2°、20.22°±0.2°、22.10°±0.2°、22.92°±0.2°、24.48°±0.2°、25.14°±0.2°、26.42°±0.2°において特徴ピークを有する。
    Figure 0006894917
  11. 請求項10に記載の結晶を製造する方法であって、
    式(I)化合物のメシル酸塩の結晶形Iである結晶を、加熱条件下においてアルコール系溶剤中に溶解させ、冷却させて結晶を析出させ、濾過して結晶形IIである結晶を得ることを備え、
    前記結晶形Iは、粉末X線回折チャートにおいて、回折角2θの値が4.58°±0.2°、14.08°±0.2°、15.00°±0.2°、16.40°±0.2°、17.84°±0.2°、18.30°±0.2°、20.26°±0.2°、21.10°±0.2°、21.88°±0.2°、22.66°±0.2°、25.58°±0.2°、26.78°±0.2°において特徴ピークを有する、製造方法。
  12. 前記アルコール系溶剤は、メタノール又はエタノールを含むことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  13. 請求項1又は10に記載する結晶と、薬学的に許容可能な担体とを含むことを特徴とする薬物組成物。
  14. 請求項1又は10に記載する結晶の、癌治療の薬物の製造における使用。
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