JP2019518776A - Egfr阻害剤としてのアニリンピリミジン化合物の結晶 - Google Patents

Egfr阻害剤としてのアニリンピリミジン化合物の結晶 Download PDF

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Abstract

本発明は、医薬化学分野に属し、EGFR阻害剤としてのアニリンピリミジン化合物の結晶に関する。具体的には、本発明は、N−(2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシ−5−(4−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド(式I)塩酸塩の結晶A、結晶B及び結晶Cに関し、さらに前記結晶A、結晶B及び結晶Cの製造方法、前記結晶A、結晶B又は結晶Cを含む結晶組成物、前記結晶A、結晶B及び結晶C又はその結晶組成物を含む医薬組成物、並びにそれらの医薬用途に関する。本発明に係る結晶A、結晶B及び結晶Cは、純度が高く、結晶度が高く、安定性が良い等の利点を有する。【化1】【選択図】なし

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2016年6月24日に中国国家知的財産局に出願された出願番号がCN201610470835.2である中国特許出願に基づく優先権及び利益を主張し、当該中国特許出願の内容の全てを本願に援用する。
本発明は、医薬化学分野に属する。具体的に、本発明は、EGFR阻害剤としてのアニリンピリミジン化合物のN−(2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシ−5−(4−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド塩酸塩の結晶、結晶組成物、医薬組成物、並びにその製造方法及び使用に関する。
EGFR(Epidermal Growth Factor Receptor:上皮成長因子受容体)は、HER1、ErbB1とも呼ばれ、上皮成長因子(EGF)の細胞増殖及び信号伝達に対する受容体である。EGFRは、EGFR(ErbB−1)、HER2/c−neu(ErbB−2)、HER3(ErbB−3)、及びHER4(ErbB−4)を含むErbB受容体ファミリーの一員である。EGFRは、チロシンキナーゼ型受容体に属し、分子量170KDa、膜貫通型糖タンパクである。
EGFRは、細胞膜の表面に位置し、EGF及びTGFαを含むリガンドとの結合によって活性化され、活性化後、EGFRは単量体から二量体に変換される。前記二量体は、2つの同種の受容体分子の結合(ホモ二量体化)を含むだけではなく、ヒトEGF関連受容体(HER)チロシンキナーゼファミリーにおける異なるメンバーの結合(ヘテロ二量体化)をも含んでいる。EGFRは、二量体化後、その細胞内におけるキナーゼ経路を活性化させることができ、細胞内ドメインにおける肝心なチロシン残基のリン酸化を含み、細胞増殖及び生存に関与する多くの細胞内信号伝達経路に対する刺激を引き起こす。
多くの固形腫瘍において、EGFRの高発現又は異常発現が存在する。EGFRは、腫瘍細胞の増殖、血管形成、腫瘍浸潤、転移、及びアポトーシスの阻害に関連付けられる。その可能なメカニズムは、次の通り、すなわち、EGFRの高発現に起因した下流の信号伝達の強化、変異EGFR受容体やリガンドの発現増加に起因したEGFRの持続的な活性化、自己分泌環の効果の増強、受容体ダウンレギュレーションメカニズムの破壊、異常信号伝達経路の活性化等である。EGFRの過剰発現は、悪性腫瘍の進行に重要な役割を果たしており、グリア細胞、腎癌、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、乳癌等の組織のいずれにもEGFRの過剰発現が発見された。
EGFR及びErb−B2の異常発現は、腫瘍の形質転換及び成長に重要な役割を果たしている。肺癌を例にすれば、EGFRは50%の非小細胞肺癌(NSCLC)症例に発現されており、且つその発現は予後不良と関連付けられている。これらの2つの要因は、EGFR及びそのファミリーメンバーを、標的治療のための主な候補者とするようにさせる。EGFRを標的とする2種類の低分子阻害剤であるゲフィチニブ及びエルロチニブは、従来の化学療法への応答を持たないNSCLCの末期患者を治療するために、米国のFDAによって急速に承認された。
初期臨床データでは、10%のNSCLC患者がゲフィチニブ及びエルロチニブへの応答を持っていることが示された。分子生物学的分析によれば、大多数の場合、薬物応答性を持っている患者は、EGFRコード遺伝子上に所定の突然変異を持っており、すなわち、エキソン19の747番目〜750番目のアミノ酸の欠失が突然変異の45%を占め、また10%の突然変異がエキソン18及びエキソン20に発生する。最も一般的なEGFR活性化突然変異(L858R及びdelE746_A750)は、野生型(WT)EGFRに対して、低分子チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)への親和力が増加し、且つアデノシン三リン酸(ATP)への親和力が低下することをもたらす。T790M突然変異は、EGFRのエキソン20における1つの点突然変異であり、ゲフィチニブ又はエルロチニブでの治療に対する獲得抵抗性をもたらす。最近の研究によれば、L858R及びT790M突然変異の組合せは、単独のL858RよりもATPへの親和力が強いことが明らかとなっており、TKIがATP競合的キナーゼ阻害剤であるため、TKIとキナーゼ領域との結合率が減少したことを引き起こす。
上記突然変異が標的EGFR治療の薬剤耐性メカニズムにおいて重要な役割を果たすため、EGFR−L858R/T790M二重突然変異型阻害剤を提供し、臨床治療に適用することが必要である。同時に、EGFR−WTの阻害が臨床において複数の毒性・副作用を誘導するため、EGFR−WTと比較し、活性化突然変異体形式のEGFR(例えばEGFR−L858R突然変異体、delE746_A750突然変異体又はExon19欠失EGFR突然変異体)及び/又は耐性突然変異体形式のEGFR(例えばEGFR−T790M突然変異体)に対して選択的な阻害剤を提供し、臨床治療に適用することも必要である。
現在、複数の選択的なEGFR阻害剤の報告があり、なかでも、出願日が2015年07月16日である出願番号201510419018.Xの中国特許出願には、複数のEGFR阻害剤(ここで参照のために全文として組み込む)が開示され、下記式Iで表されるN−(2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシ−5−(4−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)アクリルアミドの塩酸塩を含む。
Figure 2019518776
治療効果以外、医薬研究開発者は、医薬としての性質を有する活性分子の適切な形式を提供することを試みる。商業的に実行可能な製造方法を得る観点から、又は活性化合物を含む医薬組成物を製造する観点から、活性成分の化学的な安定性、固形安定性及び貯蔵寿命は、いずれも非常に重要な要素である。そのため、必要な性質を有する形式を提供することは、医薬研究開発に極めて重要である。
本発明の一態様では、式I化合物(下記式Iで表される化合物、以下同じ)の塩酸塩の結晶Aであって、
Figure 2019518776
そのX線回折(XRD)パターンには、2θが8.96°±0.2°、14.11°±0.2°、14.87°±0.2°、16.52°±0.2°、18.67°±0.2°、21.93°±0.2°及び27.09°±0.2°である回折ピークを有する、式I化合物の塩酸塩の結晶Aを提供する。
本発明の他の態様では、式I化合物の塩酸塩の結晶Aの製造方法であって、
(1)式I化合物と塩酸とを接触させる工程と、
(2)結晶化溶媒から晶析する工程とを含み、
前記結晶化溶媒はアセトニトリル、メタノール、イソプロパノール、及びエタノールと水との混合物からなる群より選ばれる、製造方法を提供する。
本発明の他の態様では、式I化合物の塩酸塩の結晶Aが前記結晶組成物の重量の50%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上を占める、結晶組成物を提供する。
本発明の他の態様では、治療有効量の式I化合物の塩酸塩の結晶A又は上記結晶組成物を含む、医薬組成物を提供する。
本発明の他の態様では、式I化合物の塩酸塩の結晶A、又は上記結晶組成物、又は上記医薬組成物の、EGFR媒介性疾患を治療するための医薬の製造における使用を提供する。
本発明の更なる態様では、式I化合物の塩酸塩の結晶Bであって、
Figure 2019518776
そのX線回折(XRD)パターンには、2θが9.17°±0.2°、9.93°±0.2°、14.07°±0.2°、20.31°±0.2°、21.44°±0.2°及び26.10°±0.2°である回折ピークを有する、式I化合物の塩酸塩の結晶Bを提供する。
本発明の他の態様では、式I化合物の塩酸塩の結晶Bの製造方法であって、
(1)式I化合物と塩酸とを接触させる工程と、
(2)結晶化溶媒から晶析する工程とを含み、
前記結晶化溶媒はエタノールである、製造方法を提供する。
本発明の他の態様では、式I化合物の塩酸塩の結晶Bが前記結晶組成物の重量の50%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上を占める、結晶組成物を提供する。
本発明の他の態様では、治療有効量の式I化合物の塩酸塩の結晶B又は上記結晶組成物を含む、医薬組成物を提供する。
本発明の他の態様では、式I化合物の塩酸塩の結晶B、又は上記結晶組成物、又は上記医薬組成物の、EGFR媒介性疾患を治療するための医薬の製造における使用を提供する。
本発明の他の態様では、式I化合物の塩酸塩の結晶Cであって、
Figure 2019518776
X線回折(XRD)パターンには、2θが7.68°±0.2°、8.21°±0.2°、10.89°±0.2°、15.95°±0.2°、19.10°±0.2°、20.52°±0.2°及び21.54°±0.2°である回折ピークを有する、式I化合物の塩酸塩の結晶Cを提供する。
本発明の他の態様では、結晶Cの製造方法であって、
(1)式I化合物と塩酸とを接触させる工程と、
(2)結晶化溶媒から晶析する工程とを含み、
前記結晶化溶媒はテトラヒドロフラン、アセトン及びジオキサンからなる群より選ばれる、製造方法を提供する。
本発明の他の態様では、式I化合物の塩酸塩の結晶Cが前記結晶組成物の重量の50%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上を占める、結晶組成物を提供する。
本発明の他の態様では、治療有効量の式I化合物の塩酸塩の結晶C又は上記結晶組成物を含む、医薬組成物を提供する。
本発明の他の態様では、式I化合物の塩酸塩の結晶C、又は上記結晶組成物、又は上記医薬組成物の、EGFR媒介性疾患を治療するための医薬の製造における使用を提供する。
式I化合物の塩酸塩の結晶A(実施例3の方法1)のXRDパターンである。 式I化合物の塩酸塩の結晶A(実施例3の方法1)のDSCパターンである。 式I化合物の塩酸塩の結晶B(実施例4の方法5)のXRDパターンである。 式I化合物の塩酸塩の結晶B(実施例4の方法5)のDSCパターンである。 式I化合物の塩酸塩の結晶C(実施例5の方法6)のXRDパターンである。 式I化合物の塩酸塩の結晶C(実施例5の方法6)のDSCパターンである。
〔発明の詳細な説明〕
本発明の一態様では、式I化合物の塩酸塩の結晶Aを提供する。
Figure 2019518776
式I化合物の塩酸塩の結晶AのX線回折(XRD)パターンには、2θが8.
96°、14.11°、14.87°、16.52°、18.67°、21.93°及び27.09°±0.2°である回折ピークを有し、典型的には、2θが8.33°、8.96°、12.16°、14.11°、14.87°、16.52°、17.66°、18.67°、21.93°及び27.09°±0.2°である回折ピークを有し、より典型的には、2θが8.33°、8.96°、11.74°、12.16°、14.11°、14.87°、16.52°、17.66°、18.23°、18.67°、21.93°、22.65°及び27.09°±0.2°である回折ピークを有し、さらに典型的には、2θが8.33°、8.96°、11.74°、12.16°、14.11°、14.87°、16.52°、17.66°、18.23°、18.67°、19.48°、19.92°、21.93°、22.65°、24.95°、27.09°及び27.55°±0.2°である回折ピークを有する。
本発明のいくつかの実施形態において、本発明に係る式I化合物の塩酸塩の結晶AのX線回折ピークは、以下のような特徴を有する。
Figure 2019518776
本発明のいくつかの実施形態において、本発明に係る式I化合物の塩酸塩の結晶AのX線回折パターンは、図1に示される。
本発明のいくつかの実施形態において、本発明に係る式I化合物の塩酸塩の結晶AのDSCパターンは、約271℃にピークを有する。
本発明のいくつかの実施形態において、本発明に係る式I化合物の塩酸塩の結晶AのDSCパターンは、図2に示される。
本発明の他の態様では、式I化合物の塩酸塩の結晶Aの製造方法であって、
(1)式I化合物と塩酸とを接触させる工程と、
(2)結晶化溶媒から晶析し、必要に応じてろ過する工程とを含み、
前記結晶化溶媒はアセトニトリル、メタノール、イソプロパノール、及びエタノールと水との混合物からなる群より選ばれる、製造方法を提供する。
本発明のいくつかの実施形態において、前記式I化合物の塩酸塩の結晶Aを製造するための結晶化溶媒がエタノールと水との混合物である場合、エタノールと水との割合(体積基準)は、9:1〜1:9、好ましくは9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8又は1:9、より好ましくは3:1である。
本発明のいくつかの実施形態において、式I化合物の塩酸塩の結晶A製造方法における塩酸と式I化合物とのモル比は、1:0.5〜1.5であり、好ましくは、1:0.8〜1.2であり、より好ましくは、1:1である。
本発明のいくつかの実施形態において、式I化合物と塩酸とを、結晶化溶媒において接触させる。
本発明の他の態様では、前記式I化合物の塩酸塩の結晶Aの結晶組成物を提供する。本発明のいくつかの実施形態において、前記式I化合物の塩酸塩の結晶Aは、結晶組成物の重量の50%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上を占める。
本発明の他の態様では、治療有効量の前記式I化合物の塩酸塩の結晶A、又は前記式I化合物の塩酸塩の結晶Aの結晶組成物を含む、前記式I化合物の塩酸塩の結晶Aの医薬組成物を提供する。また、当該医薬組成物は、さらに薬理学的に許容される担体、賦形剤及び/又は媒質を含有してもよく、含有しなくてもよい。
本発明の他の態様では、前記式I化合物の塩酸塩の結晶A、又は上記結晶組成物、又は上記医薬組成物の、EGFR媒介性疾患を治療するための医薬の製造における使用を提供する。
本発明の他の態様では、治療有効量の上記式I化合物の塩酸塩の結晶A、又は上記結晶組成物、又は上記医薬組成物を、それを必要とする哺乳類に投与することを含む、EGFR媒介性疾患を治療する方法を提供する。
本発明の他の態様では、EGFR媒介性疾患を治療するための上記式I化合物の塩酸塩の結晶A、又は上記結晶組成物、又は上記医薬組成物を提供する。
本発明の一態様では、式I化合物の塩酸塩の結晶Bを提供する。
Figure 2019518776
式I化合物の塩酸塩の結晶BのX線回折(XRD)パターンには、2θが9.17°、9.93°、14.07°、20.31°、21.44°及び26.10°±0.2°である回折ピークを有し、典型的には、2θが9.17°、9.93°、10.65°、13.46°、14.07°、20.31°、21.44°、22.33°、24.93°及び26.10°±0.2°である回折ピークを有し、より典型的には、2θが6.71°、9.17°、9.93°、10.65°、11.44°、13.46°、14.07°、18.94°、20.31°、21.44°、21.66°、22.33°、24.93°、25.73°、及び26.10°±0.2°である回折ピークを有する。
本発明のいくつかの実施形態において、本発明に係る式I化合物の塩酸塩の結晶BのX線回折ピークは、以下のような特徴を有する。
Figure 2019518776
本発明のいくつかの実施形態において、本発明に係る式I化合物の塩酸塩の結晶BのX線回折パターンは、図3に示される。
本発明のいくつかの実施形態において、本発明に係る式I化合物の塩酸塩の結晶BのDSCパターンは、約259℃にピークを有する。
本発明のいくつかの実施形態において、本発明に係る式I化合物の塩酸塩の結晶BのDSCパターンは、図4に示される。
本発明の他の態様では、式I化合物の塩酸塩の結晶Bの製造方法であって、
(1)式I化合物と塩酸とを接触させる工程と、
(2)結晶化溶媒から晶析し、必要に応じてろ過する工程とを含み、
前記結晶化溶媒はエタノールである、製造方法を提供する。
本発明のいくつかの実施形態において、式I化合物の塩酸塩の結晶B製造方法における塩酸と式I化合物とのモル比は、1:0.5〜1.5であり、好ましくは、1:0.8〜1.2であり、より好ましくは、1:1である。
本発明のいくつかの実施形態において、式I化合物と塩酸とを、結晶化溶媒において接触させる。
本発明の他の態様では、前記式I化合物の塩酸塩の結晶Bの結晶組成物を提供する。本発明のいくつかの実施形態において、前記式I化合物の塩酸塩の結晶Bは、結晶組成物の重量の50%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上を占める。
本発明の他の態様では、治療有効量の前記式I化合物の塩酸塩の結晶B、又は前記式I化合物の塩酸塩の結晶Bの結晶組成物を含む、前記式I化合物の塩酸塩の結晶Bの医薬組成物を提供する。また、当該医薬組成物は、さらに薬理学的に許容される担体、賦形剤及び/又は媒質を含有してもよく、含有しなくてもよい。
本発明の他の態様では、前記式I化合物の塩酸塩の結晶B、又は上記結晶組成物、又は上記医薬組成物の、EGFR媒介性疾患を治療するための医薬の製造における使用を提供する。
本発明の他の態様では、治療有効量の上記式I化合物の塩酸塩の結晶B、又は上記結晶組成物、又は上記医薬組成物を、それを必要とする哺乳類に投与することを含む、EGFR媒介性疾患を治療する方法を提供する。
本発明の他の態様では、EGFR媒介性疾患を治療するための上記式I化合物の塩酸塩の結晶B、又は上記結晶組成物、又は上記医薬組成物を提供する。
本発明の一態様では、式I化合物の塩酸塩の結晶Cを提供する。
Figure 2019518776
式I化合物の塩酸塩の結晶CのX線回折(XRD)パターンには、2θが7.68°、8.21°、10.89°、15.95°、19.10°、20.52°及び21.54°±0.2°である回折ピークを有し、典型的には、2θが7.68°、8.21°、9.55°、10.89°、15.95°、19.10°、20.52°、21.08°、21.54°及び28.22°±0.2°である回折ピークを有し、より典型的には、2θが7.68°、8.21°、9.55°、10.89°、14.22°、14.95°、15.95°、19.10°、20.52°、21.08°、21.54°、23.05°、26.23°及び28.22°±0.2°である回折ピークを有する。
本発明のいくつかの実施形態において、本発明に係る式I化合物の塩酸塩の結晶CのX線回折ピークは、以下のような特徴を有する。
Figure 2019518776
本発明のいくつかの実施形態において、本発明に係る式I化合物の塩酸塩の結晶CのX線回折パターンは、図5に示される。
本発明のいくつかの実施形態において、本発明に係る式I化合物の塩酸塩の結晶CのDSCパターンは、約175℃及び262℃にピークを有する。
本発明のいくつかの実施形態において、本発明に係る式I化合物の塩酸塩の結晶CのDSCパターンは、図6に示される。
本発明の他の態様では、式I化合物の塩酸塩の結晶Cの製造方法であって、
(1)式I化合物と塩酸とを接触させる工程と、
(2)結晶化溶媒から晶析し、必要に応じてろ過する工程とを含み、
前記結晶化溶媒はテトラヒドロフラン、アセトン及びジオキサンからなる群より選ばれる、製造方法を提供する。
本発明のいくつかの実施形態において、式I化合物の塩酸塩の結晶C製造方法におけるHClと式I化合物とのモル比は、1:0.5〜1.5であり、好ましくは、1:0.8〜1.2であり、より好ましくは、1:1である。
本発明のいくつかの実施形態において、式I化合物と塩酸とを、結晶化溶媒において接触させる。
本発明の他の態様では、前記式I化合物の塩酸塩の結晶Cの結晶組成物を提供する。本発明のいくつかの実施形態において、前記式I化合物の塩酸塩の結晶Cは、結晶組成物の重量の50%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上を占める。
本発明の他の態様では、治療有効量前記式I化合物の塩酸塩の結晶C、又は前記式I化合物の塩酸塩の結晶Cの結晶組成物を含む、前記式I化合物の塩酸塩の結晶Cの医薬組成物を提供する。また、当該医薬組成物は、さらに薬理学的に許容される担体、賦形剤及び/又は媒質を含有してもよく、含有しなくてもよい。
本発明の他の態様では、前記式I化合物の塩酸塩の結晶C、又は上記結晶組成物、又は上記医薬組成物の、EGFR媒介性疾患を治療するための医薬の製造における使用を提供する。
本発明の他の態様では、治療有効量の上記式I化合物の塩酸塩の結晶C、又は上記結晶組成物、又は上記医薬組成物を、それを必要とする哺乳類に投与することを含む、EGFR媒介性疾患を治療する方法を提供する。
本発明の他の態様では、EGFR媒介性疾患を治療するための上記式I化合物の塩酸塩の結晶C、又は上記結晶組成物、又は上記医薬組成物を提供する。
本発明のいくつかの実施形態において、前記EGFR媒介性疾患は、EGFR−L858R活性化突然変異媒介性疾患からなる群より選ばれる。本発明のいくつかの実施形態において、前記EGFR媒介性疾患は、EGFR−T790M活性化突然変異媒介性疾患からなる群より選ばれる。本発明のいくつかの実施形態において、前記EGFR媒介性疾患は、EGFR−L858RとEGFR−T790Mとを合せる二重突然変異活性化媒介性疾患からなる群より選ばれる。本発明のいくつかの実施形態において、前記EGFR媒介性疾患は、卵巣癌、子宮頸癌、大腸癌、乳癌、膵臓癌、神経膠腫、膠芽腫、黒色腫、前立腺癌、白血病、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胃癌、肺癌、肝細胞癌、胃癌、消化管間質腫瘍、甲状腺癌、胆管癌、子宮内膜癌、腎癌、未分化大細胞型リンパ腫、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、黒色腫、中皮腫からなる群より選ばれる癌であり、前記肺癌が、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌からなる群より選ばれてもよい。
本発明に係るの結晶の安定性を検出する場合、結晶を高温、高湿度、又は光照射の条件において行われてもよい。前記高温条件は、40〜60℃から選ぶことができ、前記高湿度条件は、相対湿度75%〜92.5%RHから選ばれてもよく、光照射条件は、5000Luxを選ばれてもよい。結晶安定性を評価する場合、試料における含有量、総不純物、水含有量等の複数のデータを考察し、製品性質に応じて総合的に上記パラメータを評価することができる。
本発明において、X線回折パターンは、下記方法により測定される。計器はBruker D2 X線回折機であり、方法はターゲット:Cuであり、管電圧Voltageは30kVであり、管電流Currentは10mAであり、スキャン範囲は4〜40°であり、スキャン速度はステップ毎に0.1秒、ステップ毎に0.02°である。
本発明において、示差走査熱量分析(DSC)は、下記方法により測定される。計器はMETTLER DSC−1示差走査熱量分析機であり、方法は試料(〜5mg)を取ってDSCアルミ鍋に入れてテストし、その中で、温度が30℃〜300℃であり、昇温速度が10℃/minである。
なお、X線回折スペクトルにおいて、結晶化合物から得られる回折スペクトルは、所定の結晶形に関して特徴的なものである場合が多いが、スペクトル帯(特に低角度において)の相対強度は、結晶条件、粒径及びその他の測定条件の相違により生じる優位配向効果(preferential orientation effects)によって変化する可能性がある。したがって、回折ピークの相対強度は、相応の結晶形に対して特徴的ではなく、既知の結晶形と同じか否かを判断する際に、ピークの相対強度ではなくピークの相対位置をさらに注意すべきである。また、いかなる所定の結晶形に対して、ピークの位置に少しの誤差が存在する可能性があることは、結晶学分野に周知である。例えば、サンプルを分析する際の温度の変化、サンプルの移動、又は計器の較正等により、ピークの位置が移動することができ、2θ値の測定誤差は、約±0.2°となる場合がある。そのため、それぞれの結晶形の構造を同定する場合、このような誤差を考慮すべきである。XRDパターンによく用いられる2θ角度又は格子面間隔dは、ピーク位置を示し、両者の間に、簡単な換算関係:d=λ/2sinθ(式中、dが格子面間隔、λが入射X線の波長、θが回折角度を示す)を持っている。同一種類の化合物の同一種類の結晶形について、そのXRDスペクトルのピーク位置は、全体的に類似性を有するが、相対強度の誤差がより大きい場合がある。なお、混合物の同定において、含有量の低下等の要因により、一部の回折線が欠失することがあるが、この場合、高純度試料において観察された全てのスペクトル帯に頼る必要がなく、1本のスペクトル帯だけでもが所定の結晶に対して特徴的なものである場合もある。
なお、DSCでは、結晶がその結晶構造に変化を生じたり、結晶が熔融により熱を吸収又は放出したりする際の転移温度を測定する。同一種類の化合物の同一種類の結晶形について、連続的な分析において、熱転移温度及び融点の誤差は、典型的に約5℃以内にある。ある化合物がある所定のDSCピーク又は融点を有するという場合、当該DSCピーク又は融点±5℃を意味する。DSCは、異なる結晶形を判別するための補助方法を提供する。異なる結晶形態は、それらの異なる転移温度特徴によって識別することができる。
本発明において、用語「医薬組成物」とは、一種又は複数種の本発明の化合物と、本分野において通常に許容される、生物活性化合物を有機体(例えば、ヒト)に送達するための担体、賦形剤及び/又は媒質からなる製剤を意味する。医薬組成物は、本発明の化合物を有機体に投与することに有利となる目的とする。
用語「担体」は、化合物を細胞や組織に導入することに有利である化合物として定義される。
「薬学的に許容される担体」は、ヒトや家畜に用いられることが国家薬品管理機関により許可された補助剤、賦形剤、流動促進剤、甘味剤、希釈剤、防腐剤、染剤/着色剤、香味剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、安定剤、等張化剤、溶媒又は乳化剤を含むが、これらに限られない。
「治療有効量」とは、本発明に係る化合物が哺乳類(好ましくは、ヒト)に投与される際に、下記定義されるように哺乳類(好ましくは、ヒト)にウイルス感染に対する治療の実現に十分な量を意味する。「治療有効量」となる本発明に係る化合物の量は、化合物、疾患状況とその重症度、投与方式及び治療しようとする哺乳類の年齢によって変わるが、当業者は、その自身の持つ知識及び本発明に開示された内容により通常的に決めることができる。
本明細書に記載の用語「治療」は、ウイルス感染を患っている哺乳類(好ましくは、ヒト)におけるウイルス感染の治療を含み、且つ
(i)ウイルス感染を阻害し、すなわちその進行を阻止すること、
(ii)ウイルス感染を寛解し、すなわちウイルス感染の回復を引き起こすこと、或いは
(iii)ウイルス感染で引き起こされた症状を寛解すること、を含む。
本発明に用いられる全ての溶媒は、市販品であり、更なる精製の必要がなく、そのまま使用されてもよい。反応は、一般的に不活性の窒素雰囲気下で無水溶媒において行われる。
本発明に係る化合物は、人工的に命名されたり、ChemDraw(R)ソフトウェアで命名されたりし、市販の化合物は、販売元のカタログ名称が用いられる。
本発明において、プロトン核磁気共鳴データは、「BRUKER AVANCE III HD 500 M」分光計で記録され、化学シフトは、テトラメチルシラン低磁場側の(ppm)で示され、質量スペクトルは、Waters ACQUITY UPLC+XEVO G2 QTofで測定される。質量分析計は、正又は負のモードで動作されるエレクトロスプレーイオン源(ESI)を一つ備える。
本発明に係る式Iで表される化合物の塩酸塩結晶A、結晶B及び結晶Cは、純度が高く、結晶度が高く、安定性が良い等の利点を有すると共に、本発明に係る式Iで表される化合物の塩酸塩結晶A、結晶B及び結晶Cの製造方法は簡単であり、溶媒が安価で入手しやすく、結晶条件が穏やかであり、工業化生産に適する。
以下の実施例は、本発明の技術案に対して、さらに非限定的な詳細説明をする。それらは、本発明の範囲に対する限定と見なさず、本発明の例示的な説明及び典型的な代表に過ぎない。本発明に用いられる溶媒、試薬及び原料等は、いずれも市販の化学純度又は分析純度の製品である。
実施例1: N−(2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシ−5−(4−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド(I)の塩酸塩
Figure 2019518776
工程1: N−(2−クロロピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン
Figure 2019518776
o−フェニレンジアミン(3.24g、30mmol)と2,4−ジクロロピリミジン(4.47g、30mmol)とを無水エタノール(60mL)に分散させ、ジイソプロピルエチルアミン(7.74g、60mmol)を加え、3時間加熱還流した。減圧濃縮で溶媒を除去し、残留物をジクロロメタン(100mL)に溶解し、水で洗浄し、飽和食塩水で洗浄し、減圧濃縮で溶媒を除去した。残留物は、カラムクロマトグラフィー(EA:PE=1:2)により単離され、表題化合物(5.32g、80%)を得た。
H NMR(CDCl):δ 8.08(1H,d,J=5.6Hz)、7.20−7.12(2H,m)、6.85−6.78(2H,m)、6.74(1H,s)、6.24(1H,d,J=5.6Hz)、3.82(2H,br)。
工程2: 1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
Figure 2019518776
−(2−クロロピリミジン−4−イル)フェニル−1,2−ジアミン(2.21g、10mmol)をDMF(15mL)に溶解し、カルボニルジイミダゾール(2.43g、15mmol)を加えて、室温で1時間撹拌し、水(50mL)に投入し、引き続き10分間撹拌した。吸引ろ過し、水で洗浄し(30mL×3)、乾燥して、表題化合物(2.23g、90%)を得た。
H NMR(DMSO−d):δ 11.64(1H,br)、8.78(1H,d,J=5.6Hz)、8.43(1H,d,J=5.6Hz)、8.26(1H,d,J=7.6Hz)、7.22−7.10(3H,m)。
工程3: 1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
Figure 2019518776
1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン(600mg、2.43mmol)を無水DMF(10mL)に分散し、氷水浴で冷却した。水素化ナトリウム(116mg、60%、2.90mmol)を加えて、1時間撹拌し、ヨードメタン(345mg、2.43mmol)を滴下し、引き続き1時間撹拌した。反応液を水(50mL)に投入し、30分間撹拌し、吸引ろ過し、水で洗浄し(30mL×3)、乾燥して、表題化合物(459mg、72%)を得た。
H NMR(DMSO−d):δ 8.79(1H,d,J=5.6Hz)、8.44(1H,d,J=6.0Hz)、8.29(1H,d,J=8.0Hz)、7.30−7.28(2H,m)、7.24−7.19(1H,m)、3.39(3H,s)。
工程4: 1−(2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンp−トルエンスルホン酸塩
Figure 2019518776
1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン(459mg、1.76mmol)、4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロアニリン(360mg、1.93mmol)及びp−トルエンスルホン酸一水合物(551mg、2.89mmol)を、2−ペンタノール(10mL)に分散し、反応が105℃で一晩撹拌した。冷却後、吸引ろ過し、ろ過ケーキを少量の2−ペンタノールで3回洗浄し、乾燥して、表題化合物(440mg、43%)を得た。
H NMR(CDCl):δ 10.95(1H,br)、8.49(1H,d,J=7.6Hz)、8.39(1H,d,J=7.2Hz)、8.21(1H,d,J=7.2Hz)、7.87(2H,d,J=8.4Hz)、7.68(1H,d,J=8.4Hz)、7.28−7.23(2H,m)、7.04(2H,d,J=7.6Hz)、6.91−6.85(2H,m)、3.92(3H,s)、3.46(3H,s)、2.38(3H,s)。
工程5: 1−(2−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
Figure 2019518776
1−(2−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンp−トルエンスルホン酸塩(440mg、0.76mmol)をNMP(5mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(206mg、1.59mmol)とN,N,N−トリメチルエタン−1,2−ジアミン(116mg、1.14mmol)を加えて、反応が85℃で一晩撹拌した。反応液を冷却した後、水(50mL)に投入し、吸引ろ過し、少量のメタノールで洗浄し、乾燥して、表題化合物(326mg、88%)を得た。
H NMR(CDCl):δ 8.92(1H,s)、8.51(1H,d,J=5.6Hz)、8.27(1H,d,J=7.6Hz)、7.82(1H,d,J=5.6Hz)、7.47(1H,s)、7.29−7.19(1H,m)、7.17−7.13(1H,m)、7.04(1H,d,J=7.6Hz)、6.69(1H,s)、3.98(3H,s)、3.47(3H,s)、3.27(2H,t,J=7.2Hz)、2.89(3H,s)、2.88(2H,t,J=7.2Hz)、2.26(6H,s)。
工程6: 1−(2−(5−アミノ−4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン
Figure 2019518776
1−(2−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシ−5−ニトロフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン(326mg、0.66mmol)をメタノール(10mL)に溶解し、Pd/C(10%、30mg)を加えて、水素ガスで3回置換し、反応系を水素雰囲気で一晩撹拌し、吸引ろ過した。製品が酸化しやすく、得られたろ過液を素早く減圧濃縮し、そのまま次の反応に投入した。
工程7: N−(2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシ−5−(4−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド塩酸塩
Figure 2019518776
上記工程の反応により得られた1−(2−(5−アミノ−4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オンを無水ジクロロメタン(10mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(129mg、1.00mmol)を加えて、氷水浴により冷却した。塩化アクリロイル(60mg、0.66mmol)を溶解した無水ジクロロメタン(2mL)溶液を、15分間かけて徐々に反応系に滴下した。引き続き15分間撹拌した後、反応液を石油エーテル(50mL)に投入し、10分間撹拌した。吸引ろ過し、ろ過ケーキを石油エーテルで洗浄した。得られた粗生成物は、カラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=20:1)により単離し、表題化合物(164mg、2ステップ合わせた収率45%)を得た。
H NMR(DMSO−d):δ 10.15(1H,br)、9.72(1H,br)、8.70(1H,s)、8.41(1H,d,J=5.6Hz)、8.16−8.12(2H,m)、7.67(1H,d,J=5.6Hz)、7.22−712(2H,m)、6.99−6.92(3H,m)、6.19(1H,dd,J=2.0Hz、17.2Hz)、5.68(1H,dd,J=2.0Hz、10.4Hz)、3.77(3H,s)、3.34(3H,s)、3. 28(4H,br)、2.72(6H,s)、2.60(3H,s)。
実施例2: N−(2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−4−メトキシ−5−(4−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド(I)
Figure 2019518776
実施例1の工程6で得られた1−(2−(5−アミノ−4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)−3−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン(82g)をTHF(800mL)及び水(80mL)に加えて、撹拌しながら溶解し、3−クロロプロピオニルクロリド(24.8g)を滴下した。TLCで原料が消えたと示した後、トリエチルアミン(358.2g)を加え、65℃まで加熱し、反応した。反応完了後、反応液を乾燥まで濃縮し、ジクロロメタン1Lを加えて溶解し、水(500mL)で2回分液させ、有機相を回収し、濃縮により88g粗生成物を得た。得られた粗生成物は、カラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=20:1)により単離し、表題化合物62.5gを得た。
ESI−MS [M+H]+:517.2677。
H NMR(DMSO−d):δ 10.05(1H,s)、8.67(1H,s)、8.5(1H,s)、8.44(1H,d,J=5.6Hz)、8.12(1H,d,J=7.6Hz)、7.13(2H,m)、6.9(1H,t,J=6.4Hz)、7.7(1H,d,J=5.6Hz)、7.05(1H,s)、6.4(1H,dd,J=10.15Hz、16.9Hz)、6.21(1H,dd,J=1.6Hz、16.9Hz),5.72(1H,brd,J=11.50Hz)、3.77(3H,s),3.35(3H,s)、2.91(2H,t,J=5.65Hz)、2.75(3H,s)、2.34(2H,t,J=5.7Hz)、2.21(6H,s)。
実施例3: 式I化合物の塩酸塩の結晶A
方法1
実施例2で得られた化合物10gを取って、500mLの反応釜に加え、エタノール150mLを加えて、均一に撹拌し、徐々に2N塩酸10mLを加え、清澄になるまで溶解した後、2時間撹拌し、ろ過した。ろ過ケーキは、45〜50℃で真空乾燥した。回収された固体(8.3g)をエタノール/水(エタノール:水=3:1)溶液49.8mLに溶解し、80℃で撹拌しながら、清澄になるまで溶解した後、25〜30℃までに冷却し、ろ過した。ろ過ケーキは、45〜50℃で真空乾燥し、対応の結晶を得た。
方法2
実施例2で得られた化合物1gを取って、25mLの反応釜に加え、アセトニトリル10mLを加えて、均一に撹拌し、徐々に2N塩酸1mLを加え、固体を徐々に清澄になるまで溶解した。引き続き10分間撹拌した後、固体が析出した。12時間十分に撹拌した後、ろ過し、ろ過ケーキをアセトニトリル2mLで洗浄し、45℃で真空乾燥し、対応の結晶を得た。
方法3
実施例2で得られた化合物1gを取って、25mLの反応釜に加え、メタノール5mLを加えて、均一に撹拌し、徐々に2N塩酸1mLを加え、固体を徐々に清澄になるまで溶解した。引き続き10分間撹拌した後、固体が析出した。12時間十分に撹拌した後、ろ過し、ろ過ケーキをメタノール2mLで洗浄し、45℃で真空乾燥し、対応の結晶を得た。
方法4
実施例2で得られた化合物1gを取って、25mLの反応釜に加え、イソプロパノール5mLを加えて、均一に撹拌し、徐々に2N塩酸1mLを加え、固体を徐々に清澄になるまで溶解し、固体が間も無く析出した。12時間十分に撹拌した後、ろ過し、ろ過ケーキをイソプロパノール2mLで洗浄し、45℃で真空乾燥し、対応の結晶を得た。
実施例4: 式I化合物の塩酸塩の結晶B
方法5
実施例2で得られた化合物10gを取って、500mLの反応釜に加え、エタノール150mLを加えて、25℃で撹拌し、この際に、反応系が未だ清澄になるまで溶解しなかった。徐々に2N塩酸を加えて、2時間撹拌し、ろ過した。ろ過ケーキは、45〜50℃で真空乾燥し、所望の結晶形を得た。
実施例5: 式I化合物の塩酸塩の結晶C
方法6
実施例2で得られた化合物1gを取って、25mLの反応釜に加え、テトラヒドロフラン5mLを加えて、均一に撹拌し、徐々に2N塩酸1mLを加え、固体を徐々に清澄になるまで溶解し、間も無く混濁した。12時間十分に撹拌した後、ろ過し、ろ過ケーキをテトラヒドロフラン2mLで洗浄し、45℃で真空乾燥し、対応の結晶を得た。
方法7
実施例2で得られた化合物1gを取って、25mLの反応釜に加え、アセトン5mLを加えて、均一に撹拌し、徐々に2N塩酸1mLを加え、固体を徐々に清澄になるまで溶解した。引き続き10分間撹拌した後、固体が析出した。12時間十分に撹拌した後、ろ過し、ろ過ケーキをアセトン2mLで洗浄し、45℃で真空乾燥し、対応の結晶を得た。
方法8
実施例2で得られた化合物1gを取って、25mLの反応釜に加え、1,4−ジオキサン5mLを加えて、均一に撹拌し、徐々に2N塩酸1mLを加え、固体を徐々に清澄になるまで溶解した。引き続き10分間撹拌した後、固体が析出した。12時間十分に撹拌した後、ろ過し、ろ過ケーキを1,4−ジオキサン2mLで洗浄し、45℃で真空乾燥し、対応の結晶を得た。
実施例6: 安定性実験
実施例3方法1で得られた結晶Aを室温、遮光において放置し、それぞれ1.5ヶ月目、2ヶ月目、5ヶ月目及び6ヶ月目で試料を取って検出したところ、検出結果と0日目の初期検出結果とを比較し、試験結果を下記表に示す。
Figure 2019518776
実施例4の方法5で得られた結晶Bを、それぞれ高温60℃、高湿度75%RH及び高湿度92.5%RH,光照射5000Luxの環境において、それぞれ、5日目、10日目及び30日目で試料を取って検出したところ、検出結果と0日目の初期検出結果とを比較し、試験結果を下記表に示す。
Figure 2019518776
実施例7: インビトロ活性試験
1.インビトロ酵素学的検出方法
EGFR、EGFR(T790M、L858R)キナーゼは、昆虫細胞発現系で発現し、精製することにより得られたもの、又は市販品を購入することにより得られたものである。
Cisbio社の均一時間分解蛍光(HTRF)法を採用して、EGFR、EGFR(T790M、L858R)のキナーゼ活性検出用プラットフォームを確立し、化合物活性の測定を行った。化合物を、1μMから100% DMSOで10倍連続希釈し、濃度毎に4μLを取って96μLの反応緩衝液(50mMHEPES(pH7.0)、0.02% NaN、0.01% BSA、0.1mM Orthovanadate、5mM MgCl、50nM SEB、1mM DTT)に加え、2.5μLを取って384ウェルプレート(OptiPlate−384、PerkinElmer)に加え、その後、2.5μLのキナーゼを加えて、遠心して均一に混合し、さらに5μLのATPとTK Substrate−biotinを加えて、反応を開始した。384ウェルプレートをインキュベーターにおいて、23℃で一定の時間反応した後、5μLのEu3+−Cryptate標記のTK−Antibody、5μLのstreptavidin−XL665を加えて、反応を中止した。インキュベーターに1時間インキュベートした後、Envision(PerkinElmer)に蛍光値を読み取った。化合物のIC50値は、GraphPad Prism 5.0ソフトウェアを使用して算出した。
2.細胞増殖試験
ヒト非小細胞肺癌NCI−H1975を、細胞インキュベーター(37℃、5% CO)に、RPMI−1640培地(10%ウシ胎児血清及び1%マイシリン加入)で培養した。ウェルあたり2000個の細胞(容積:195μL)で、96ウェルプレートに播種し、一晩培養した。翌日、化合物を加えて、化合物を10mMから3倍連続希釈し、濃度毎に4μLを取って96μLの培地に加えた。その後5μLを取って細胞培養液(DMSO最終濃度0.1%、v/v)に加えて、72時間処理した後、培地を吸引除去し、30μL CellTiter−Glo(R)(Promega)試薬を加えて、Envison(Perkin Elmer)に蛍光信号を読み取った。GraphPad Prism 5.0で、化合物の細胞増殖阻害に対するIC50値を算出した。
ヒト皮膚扁平上皮癌細胞株A431を、細胞インキュベーター(37℃、5% CO)に、DMEMと10%ウシ胎児血清及び1%のマイシリンで培養した。化合物の検出中、底層基質濃度を0.6%としており、細胞を0.3%の低融点寒天で再懸濁した後、1ウェルあたりに2000個の細胞(100μL)を加えるように96ウェルプレートに播種した。化合物を10mMから3倍連続希釈し、濃度毎に2μLを取って98μLの培地に加えた。その後5.3μLを取って、細胞培養液(DMSO最終濃度0.1%、v/v)に加えて、一週間(7日間)処理した後、20μL CellTiter−Blue(R)(Promega)試薬を加えて、37℃で4時間インキュベートした。Envison(Perkin Elmer)に蛍光信号を読み取って、GraphPad Prism 5.0で化合物の細胞増殖阻害に対するIC50値を算出した。
生物学的活性のリスト
Figure 2019518776
実施例8:薬物動態学的評価
被験化合物は、健康な成年(成熟)の雄ラットを使用して、単回投与量で胃内投与し、補助剤が20%のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンであり、用量が10mg/kgであった。胃内投与された動物は、実験前に一晩絶食し、絶食時間が投与前10時間から投与後4時間までにし、胃内投与後0.25、0.5、1、2、4、6、8及び24時間で採血した。眼窩静脈叢により、約0.3mLの全血を採取し、ヘパリン抗凝固管に入れ、試料を4℃、4000rpmで5分間遠心し、血漿を遠心管に移転させ、分析までに−80℃で保存した。血漿試料における被験品の濃度分析は、検証されていない液体クロマトグラフ/タンデム型質量分析法(LC−MS/MS)を使用した。個体の動物の血漿濃度−時間データは、WinNonlin(プロフェッショナル版、バージョン6.3、Pharsight社)ソフトウェアにより分析された。ノンコンパートメントモデルは、濃度分析に用いられた。被験化合物の薬物動態学的パラメータを算出した。
Figure 2019518776

Claims (18)

  1. 式I化合物の塩酸塩の結晶Aであって、
    Figure 2019518776
    そのX線回折パターンには、2θが8.96°±0.2°、14.11°±0.2°、14.87°±0.2°、16.52°±0.2°、18.67°±0.2°、21.93°±0.2°及び27.09°±0.2°である回折ピークを有し、
    典型的には、2θが8.33°±0.2°、8.96°±0.2°、12.16°±0.2°、14.11°±0.2°、14.87°±0.2°、16.52°±0.2°、17.66°±0.2°、18.67°±0.2°、21.93°±0.2°及び27.09°±0.2°である回折ピークを有し、
    より典型的には、2θが8.33°±0.2°、8.96°±0.2°、11.74°±0.2°、12.16°±0.2°、14.11°±0.2°、14.87°±0.2°、16.52°±0.2°、17.66°±0.2°、18.23°±0.2°、18.67°±0.2°、21.93°±0.2°、22.65°±0.2°及び27.09°±0.2°である回折ピークを有し、
    さらに典型的には、2θが8.33°±0.2°、8.96°±0.2°、11.74°±0.2°、12.16°±0.2°、14.11°±0.2°、14.87°±0.2°、16.52°±0.2°、17.66°±0.2°、18.23°±0.2°、18.67°±0.2°、19.48°±0.2°、19.92°±0.2°、21.93°±0.2°、22.65°±0.2°、24.95°±0.2°、27.09°±0.2°及び27.55°±0.2°である回折ピークを有する、
    式I化合物の塩酸塩の結晶A。
  2. DSCパターンは271℃にピークを有する、請求項1に記載の式I化合物の塩酸塩の結晶A。
  3. 請求項1に記載の式I化合物の塩酸塩の結晶Aの製造方法であって、
    (1)式I化合物と塩酸とを接触させる工程と、
    (2)式I化合物の塩酸塩を結晶化溶媒から晶析し、必要に応じて得られた結晶をろ過する工程とを含み、
    前記結晶化溶媒はアセトニトリル、メタノール、イソプロパノール、及びエタノールと水との混合物からなる群より選ばれる、製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の式I化合物の塩酸塩の結晶Aは、結晶組成物の重量の50%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上を占める、結晶組成物。
  5. 治療有効量の請求項1又は2に記載の式I化合物の塩酸塩結晶A或いは請求項4に記載の結晶組成物を含む、医薬組成物。
  6. 請求項1又は2に記載の式I化合物の塩酸塩結晶A、或いは請求項4に記載の結晶組成物、或いは請求項5に記載の医薬組成物の、EGFR媒介性疾患を治療するための医薬の製造における使用。
  7. 式I化合物の塩酸塩の結晶Bであって、
    Figure 2019518776
    そのX線回折パターンには、2θが9.17°±0.2°、9.93°±0.2°、14.07°±0.2°、20.31°±0.2°、21.44°±0.2°及び26.10°±0.2°である回折ピークを有し、
    典型的には、2θが9.17°±0.2°、9.93°±0.2°、10.65°±0.2°、13.46°±0.2°、14.07°±0.2°、20.31°±0.2°、21.44°±0.2°、22.33°±0.2°、24.93°±0.2°及び26.10°±0.2°である回折ピークを有し、
    より典型的には、2θが6.71°±0.2°、9.17°±0.2°、9.93°±0.2°、10.65°±0.2°、11.44°±0.2°、13.46°±0.2°、14.07°±0.2°、18.94°±0.2°、20.31°±0.2°、21.44°±0.2°、21.66°±0.2°、22.33°±0.2°、24.93°±0.2°、25.73°±0.2°及び26.10°±0.2°である回折ピークを有する、
    式I化合物の塩酸塩の結晶B。
  8. DSCパターンは259℃にピークを有する、請求項7に記載の式I化合物の塩酸塩の結晶B。
  9. 請求項7に記載の式I化合物の塩酸塩の結晶Bの製造方法であって、
    (1)式I化合物と塩酸とを接触させる工程と、
    (2)式I化合物の塩酸塩を結晶化溶媒から晶析し、必要に応じて得られた結晶をろ過する工程とを含み、
    前記結晶化溶媒はエタノールである、製造方法。
  10. 請求項7又は8に記載の式I化合物の塩酸塩の結晶Bは、結晶組成物の重量の50%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上を占める、結晶組成物。
  11. 治療有効量の請求項7又は8に記載の式I化合物の塩酸塩結晶B或いは請求項10に記載の結晶組成物を含む、医薬組成物。
  12. 請求項7又は8に記載の式I化合物の塩酸塩結晶B、或いは請求項10に記載の結晶組成物、或いは請求項11に記載の医薬組成物の、EGFR媒介性疾患を治療するための医薬の製造における使用。
  13. 式I化合物の塩酸塩の結晶Cであって、
    Figure 2019518776
    そのX線回折パターンには、2θが7.68°±0.2°、8.21°±0.2°、10.89°±0.2°、15.95°±0.2°、19.10°±0.2°、20.52°±0.2°及び21.54°±0.2°である回折ピークを有し、
    典型的には、2θが7.68°±0.2°、8.21°±0.2°、9.55°±0.2°、10.89°±0.2°、15.95°±0.2°、19.10°±0.2°、20.52°±0.2°、21.08°±0.2°、21.54°±0.2°及び28.22°±0.2°である回折ピークを有し、
    より典型的には、2θが7.68°±0.2°、8.21°±0.2°、9.55°±0.2°、10.89°±0.2°、14.22°±0.2°、14.95°±0.2°、15.95°±0.2°、19.10°±0.2°、20.52°±0.2°、21.08°±0.2°、21.54°±0.2°、23.05°±0.2°、26.23°±0.2°及び28.22°±0.2°である回折ピークを有する、
    式I化合物の塩酸塩の結晶C。
  14. DSCパターンは、175℃及び262℃にピークを有する、請求項13に記載の式I化合物の塩酸塩の結晶C。
  15. 請求項13に記載の式I化合物の塩酸塩の結晶Cの製造方法であって、
    (1)式I化合物と塩酸とを接触させる工程と、
    (2)式I化合物の塩酸塩を結晶化溶媒から晶析し、必要に応じて得られた結晶をろ過する工程とを含み、
    前記結晶化溶媒はテトラヒドロフラン、アセトン及びジオキサンからなる群より選ばれる、製造方法。
  16. 請求項13又は14に記載の式I化合物の塩酸塩の結晶Cは、結晶組成物の重量の50%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上を占める、結晶組成物。
  17. 治療有効量の請求項13又は14に記載の式I化合物の塩酸塩結晶C或いは請求項16に記載の結晶組成物を含む、医薬組成物。
  18. 請求項13又は14に記載の式I化合物の塩酸塩結晶C、或いは請求項16に記載の結晶組成物、或いは請求項17に記載の医薬組成物の、EGFR媒介性疾患を治療するための医薬の製造における使用。
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