JP6893774B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットプリンタに関し、さらに詳細には、インクジェット方式によりインクを吐出するインクジェットノズルを備えたインクヘッドを有するインクジェットプリンタに関する。
なお、本明細書において「メディア」とは、普通紙などの紙類よりなる各種の記録媒体は勿論のこと、PVC、ポリエステルなどの樹脂材料やアルミ、鉄、木材のような材料などの各種材料が含まれるものとする。
また、本明細書において「インクジェット方式」とは、二値偏向方式あるいは連続偏向方式などの各種の連続方式や、サーマル方式あるいは圧電素子方式などの各種のオンデマンド方式を含む、従来より公知の各種の手法によるインクジェット技術を用いた印刷方法を意味するものとする。
従来より、マイクロコンピューターによって全体の動作を制御され、メディアたる記録紙と対向する面にインクジェット方式によりインクを吐出するインクジェットノズルを備えたインクヘッドに液体状のインクを供給し、供給されたインクをインクジェットノズルから記録紙に対して吐出して、当該記録紙上に印刷を行うようにしたインクジェットプリンタが知られている。
こうしたインクジェットプリンタにおいては、相当時間印刷を行うことなくインクヘッドが相当時間利用されていない場合などには、インクヘッドにおけるインクの吐出不良を避けるために、印刷を開始する前にインクヘッドをクリーニングするクリーニング動作を実施することがある。
また、インクヘッドのインクジェットノズル内に気泡が混入したり、あるいは、インクジェットノズル内でインクが凝集したりすると、インクジェットノズルに目詰まりなどが発生してインクの吐出不良が生じるので、こうした場合にも上記したクリーニング動作を行う。
このクリーニング動作とは、吸引ポンプによりインクヘッドのインクジェットノズルからインクを吸引して、インク経路内のインクをインクヘッド外に強制的に排出する動作を意味する。クリーニング動作は、具体的には次のような手順で行われていた。まず、キャップ装置のキャップ部材により、インクヘッドのインクジェットノズルが形成された面(本明細書においては、「インクヘッドのインクジェットノズルが形成された面」を「インクジェットノズル面」と適宜に称する。)をキャッピング(封止)する。次に、この状態で吸引ポンプを作動して、キャッピングされたインクジェットノズル面を負圧にする。これにより、インクヘッド内のインクをインクジェットノズルからキャップ部材側に強制的に吸引する。
インクをインクジェットノズルからキャップ部材側に強制的に吸引して排出するクリーニング動作により、長時間使用しなかったインクがインクヘッド外に排出され、フレッシュなインクがインクカートリッジからインクヘッド内に送り込まれる。これにより、インクヘッド内がインクジェットノズルの表面に至るまで、フレッシュなインクで満たされ、その結果、インクヘッドにおけるインクの吐出状態が改善される。
上記したクリーニング動作を行った後のキャップ部材内は、吸引ポンプにより吸引したインクで満たされており、キャップ部材内に溜まったインクを排出する必要がある。ところが、キャップ部材は、インクジェットノズル面に密着したうえ吸引ポンプにより吸引されいるため負圧状態となっている。従って、こうした状態で吸引ポンプを回転させてキャップ部材内のインクを吸引して排出しようとすると、キャップ部材が大気開放されていないことから、さらにインクジェットノズル側からインクを吸引することになる。
こうしたことを防止するために、キャップ部材内に溜まったインクを排出する際には、キャップ部材とインクジェットノズルとの間に微小な隙間を開けてから、吸引ポンプを作動させてキャップ部材内に溜まっているインクを排出するようにしていた。
なお、本明細書においては、キャップ部材内に溜まったインクを排出する際におけるキャップ部材とインクジェットノズルとの位置関係、即ち、微小な隙間を開けたキャップ部材とインクジェットノズルとの位置関係を「空吸引位置」と適宜に称する。
ところが、空吸引位置において設定されている微小な隙間の間隔が開きすぎると、隙間を開けたときにキャップ部材内からインクが漏れてしまい、インクジェットプリンタ内部を汚すなどの問題が生ずるため、その間隔の調整が非常に難しいものであった。
このため、従来この空吸引位置におけるキャップ部材とインクジェットノズルとの間隔の調整作業は、インクジェットプリンタをメンテナンスするサービスマンが行っていた。具体的には、サービスマンがキャップ部材とインクヘッドとの位置を手作業で調整し、キャップ部材内に溜まったインクを排出する際における適切なキャップ部材とインクヘッドとの位置関係をインクジェットプリンタを制御するマイクロコンピューターの記憶部に記憶させて、この記憶部に記憶させた位置関係を空吸引位置として設定して記憶部に保存していた。インクジェットプリンタは、クリーニング動作によりキャップ部材内に溜まったインクを排出する際には、記憶部に保存されている空吸引位置を読み出して、キャップ部材とインクヘッドとの位置関係が空吸引位置となるように、キャップ部材とインクヘッドとを相対的に移動させることになる。
しかしながら、従来の空吸引位置におけるキャップ部材とインクジェットノズルとの間隔の調整作業は、サービスマンの経験値によるところが大きく、その精度はサービスマンの属人性に依存せざるを得ないという問題点があった。
また、従来のインクジェットプリンタにおいては、インクジェットノズルの目詰まりによるインクヘッドからのインクの吐出不良は、メディアへの印刷状態で判断していた。このためメディアを無駄にすることもあり、メディアへの印刷前にインクジェットノズルの目詰まりを検出する手法の提案が望まれていた。
なお、本願出願人が特許出願のときに知っている先行技術は、文献公知発明に係る発明ではないため、本願明細書に記載すべき先行技術文献情報はない。
本発明は、従来の技術における上記したような問題点や要望に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、空吸引位置におけるキャップ部材とインクジェットノズルとの間隔の調整を自動的に行うことができるようにしたインクジェットプリンタを提供しようとするものである。
また、本発明の目的とするところは、メディアへの印刷前にインクヘッドにおけるインクジェットノズルの目詰まりを検出することができるようにしたインクジェットプリンタを提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、インクヘッドへ供給するインクを貯留するダンパー装置におけるインク貯留室内の負圧の状態に基づいて、空吸引位置におけるキャップ部材とインクジェットノズルとの間隔の調整を自動的に行うようにしたものである。
また、本発明は、インクヘッドへ供給するインクを貯留するダンパー装置におけるインク貯留室内の負圧の状態に基づいて、インクヘッドにおけるインクジェットノズルの目詰まりを判定するようにしたものである。
即ち、本発明は、インクヘッドのインクジェットノズルからインクジェット方式によりインクを吐出するインクジェットプリンタにおいて、インクを吐出するインクジェットノズルを備えたインクヘッドと、上記インクヘッドに連通するとともに上記インクが一時的に貯留されるインク貯留室と、上記インク貯留室内における上記インクの貯留量の変化に伴い変動する負圧に応じて変位する負圧指示部材とを有するダンパー装置と、上記ダンパー装置の上記負圧指示部材の変位を検出する検出手段と、上記インクヘッドの上記インクジェットノズルの開口を封止するキャップ部材と、上記キャップ部材に負圧を供給して上記インクヘッドの上記インクジェットノズルからインクを吸引する吸引ポンプと、上記インクヘッドの上記インクジェットノズル面と上記キャップ部材との相対的な位置関係を示す相対位置を記憶する記憶手段と、上記インクヘッドの上記インクジェットノズル面と上記キャップ部材との相対的な位置関係である相対位置を変化させる移動手段と、上記移動手段により上記相対位置を変化させるとともに上記吸引ポンプにより上記インクを吸引する際において、上記検出手段が上記負圧指示部材の上記変位を検出したか否かを判定する判定手段と、上記判定手段の判定結果に基づいて、上記移動手段により変化された上記相対位置を空吸引位置として記憶手段に記憶させる制御手段とを有するようにしたものである。
また、本発明は、上記した発明において、上記空吸引位置は、上記検出手段が上記負圧指示部材の上記変位を検出しない状態から上記変位を検出したタイミングにおける上記相対位置から、予め設定された距離だけ上記インクジェットノズル面と上記キャップ部材とが離隔した位置である。
また、本発明は、上記した発明において、上記制御手段は、上記空吸引位置から予め設定された距離だけ上記インクジェットノズル面と上記キャップ部材とが離隔した位置をキャップ内フラッシング位置とするものである。
また、本発明は、インクヘッドのインクジェットノズルからインクジェット方式によりインクを吐出するインクジェットプリンタにおいて、インクを吐出するインクジェットノズルを備えたインクヘッドと、上記インクヘッドに連通するとともに上記インクが一時的に貯留されるインク貯留室と、上記インク貯留室内における上記インクの貯留量の変化に伴い変動する負圧に応じて変位する負圧指示部材とを有するダンパー装置と、上記ダンパー装置の上記負圧指示部材の変位を検出する検出手段と、上記インクヘッドの上記インクジェットノズルの開口を封止するキャップ部材と、上記キャップ部材に負圧を供給して上記インクヘッドの上記インクジェットノズルからインクを吸引する吸引ポンプと、上記インクジェットノズル面が上記キャップ部材により封止されているキャッピング位置において、上記吸引ポンプにより上記インクを吸引する際に、上記検出手段が上記負圧指示部材の上記変位を検出したか否かを判定する判定手段とを有するようにしたものである。
また、本発明は、上記した発明において、上記ダンパー装置は、開口が形成された中空のケース本体と、上記ケース本体の上記開口を覆うように上記ケース本体に取り付けられ、上記ケース本体とともに上記インク貯留室を区画し、上記インク貯留室の内側および外側に撓み変形可能な感圧膜と、上記ケース本体に形成され、上記インク貯留室と連通し、上記インクが流入する流入口と、上記ケース本体に形成され、上記インク貯留室と連通し、上記インクが上記インク吐出部の方へ流出する吐出用流出口と、上記感圧膜を上記インク貯留室の外側に撓ませるように上記感圧膜と連結されている弾性部材と、上記感圧膜と上記弾性部材との間に介在し、上記感圧膜に接合された接合部と上記感圧膜に接合されていない非接合部とを有する受圧板とを備え、上記非接合部の少なくとも一部は、上記接合部よりも上記受圧板の中央側に位置しており、上記非接合部は、上記接合部によって閉鎖されていないようにしたものである。
また、本発明は、上記した発明において、上記ダンパー装置は、上記負圧指示部材として、 上記感圧膜の撓み変形に基づいて上記インク貯留室内の上記インクの貯留量を検知する検知レバーを備え、 上記検知レバーは、上記感圧膜を介して、上記受圧板の上記感圧膜と対向する側の面の中央部分と連結するように配置されているようにしたものである。
本発明は、以上説明したように構成されているので、空吸引位置におけるキャップ部材とインクジェットノズルとの間隔の調整を自動的に行うことができるようになるという優れた効果を奏するものである。
また、本発明は、メディアへの印刷前にインクヘッドにおけるインクジェットノズルの目詰まりを検出することができるようになるという優れた効果を奏するものである。
図1は、本発明によるインクジェットプリンタの実施の形態の一例を示す概略構成斜視説明図である。 図2は、図1に示すインクジェットプリンタにおけるインク経路を模式的に示す構成説明図である。 図3は、図1に示すインクジェットプリンタにおけるダンパー装置の構成のを示す側面図である。 図4は、図3に示すダンパー装置のIV−IV線による縦断面図である。 図5は、図1に示すインクジェットプリンタにおけるマイクロコンピューターの本発明の実施に関連する機能的構成をあらわすブロック構成説明図である。 図6は、図1示すインクジェットプリンタが実行する位置記憶処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。 図7(a)(b)(c)は、インクヘッドのインクジェットノズルが形成されたインクジェットノズル面とキャップ部材との位置関係を模式的に示す説明図である。図7(a)にはキャッピング位置におけるキャップ部材とインクヘッドとの位置関係が示されており、図7(b)には空吸引位置におけるキャップ部材とインクヘッドとの位置関係が示されており、図7(c)にはキャップ内フラッシング位置におけキャップ部材とインクヘッドとの位置関係が示されている。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるインクジェットプリンタの実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
図1には、本発明によるインクジェットプリンタの実施の形態の一例を示す概略構成斜視説明図が示されている。
このインクジェットプリンタ10は、基台部材12に支持され主走査方向に延長して配設された固定系のベース部材14を備えている。ベース部材14の左右両端には側方部材16L、16Rが配設され、側方部材16R側には側方ユニット18が配設されている。
インクジェットプリンタ10は、左右2つの側方部材16L、16Rを連結する中央壁20を備え、中央壁20の壁面には主走査方向に延長してガイドレール22が配設されている。
符号24は、中央壁20の壁面に平行して主走査方向に移動自在に配設されたワイヤーである。キャリッジ26は、ワイヤー24に固定的に配設されるとともにガイドレール22に摺動自在に装着されている。キャリッジ26には、ベース部材24上に位置するメディアたる記録紙28と対向するようにしてインクヘッド30が搭載されてるとともに、インクヘッド30と接続されたダンパー装置32装置が搭載されている。
なお、こうしたインクジェットプリンタ10の全体の動作は、マイクロコンピューター34によって制御されている。
また、インクジェットプリンタ10においては、上記したようにメディアとして記録紙28を用いるものとする。この記録紙28は、給紙装置(図示せず。)によってベース部材14上に供給され、幅方向たる主走査方向において所定の長さを有するとともに、主走査方向と直交する方向、即ち、記録紙28の長手方向に搬送される。なお、主走査方向と直交する方向、即ち、記録紙28の搬送方向かつ記録紙28の長手方向を、以下、「副走査方向」と称する。
そして、このインクジェットプリンタ10においては、マイクロコンピューター34の制御に従って記録紙28上に印刷が行われる。
即ち、マイクロコンピューター10の制御に従って、ワイヤー24の巻き取りによりワイヤー24が移動すると、このワイヤー24の移動に伴って、キャリッジ26が主走査方向における行き方向(往路)および帰り方向(復路)に往復移動する。これにより、キャリッジ26に搭載されたダンパー装置32およびインクヘッド30が、給紙装置によってベース部材14上に供給された記録紙28上を主走査方向における行き方向(往路)および帰り方向(復路)に一体的に往復移動し、記録紙28上に印刷が行われる。
インクジェットプリンタ10においては、ベース部材14に廃液タンク42が配設されており、側方ユニット18に着脱可能に配設されるインクカートリッジ36から廃液タンクインク42へ至るインク経路100が形成されている(図2を参照する。)。
インクジェットプリンタ10には、インクヘッド30のインクジェットノズル面30aに設けられたインクジェットノズルに対してキャッピングするキャップ装置38が設けられている。
なお、符号40は作業者がインクジェットプリンタ10の動作を制御するための操作子を備えた操作パネルであり、インクジェットプリンタ10の動作状態を表示するための表示部40aが設けられている。
ここで、図2には、図1に示すインクジェットプリンタ10におけるインク経路100を模式的に示す構成説明図が示されている。
この図2に示すインク経路100は、一方の端部102aにインクカートリッジ36と連通するように接続されるとともに他方の端部102bにコネクタ104の一方の端部104aが連通するように接続された可撓性のインク供給チューブ102を備えている。インク供給チューブ102の端部102bとコネクタ104の端部104aとは、着脱自在に接続されている。
インクカートリッジ36はインクヘッド30へ供給するためのインクを貯留しており、インクカートリッジ36内に貯留されたインクの量を検知するセンサー(図示せず。)が設けられている。
コネクタ104は、屈曲可能な蛇腹状部位を備えた中空パイプ形状を備え、その他方の端部104bにはダンパー装置32が接続されている。
ダンパー装置32はインクヘッド30とともにキャリッジ26に搭載されており、コネクタ104を通過したインクを一時的に貯留するインク貯留室123(図3および図4を参照する。)を備えている。このダンパー装置32により、キャリッジ26が記録紙28に対して往復動する際におけるインク経路100内のインクの圧力変動を吸収している。
ダンパー装置32は、インク貯留室123内におけるインクの貯留量の変化に伴い変動する負圧に応じて変位する負圧指示部材たる検知レバー127(図3および図4を参照する。)を備えている。検知レバー127を備えたダンパー装置32は、例えば、特許第5951091号公報に開示されているように従来より公知の技術である(特許第5951091号公報におけるダンパー装置の記述を参照する。)。なお、ダンパー装置32の構成については、図3および図4を参照しながら後述する。
インクジェットプリンタ10には、検知レバー127の変位を検知するセンサー118が設けられている。センサー118としては、例えば、光により検知レバー127の変位を検出する光センサーや、検知レバー127の接触状態から検知レバー127の変位を検出する接触センサーなど、各種のセンサーを適宜に用いることができる。センサー118による検出結果は、マイクロコンピューター34に出力される。
ダンパー装置32には、ダンパー装置32のインク貯留室と連通するインクジェットノズル(図示せず。)を備えたインクヘッド30が接続されており、インクカートリッジ36に貯留されたインクは、ダンパー装置32を介してインクヘッド30へ供給される。インクヘッド30に供給されたインクは、インクジェットノズル面30aに開口したインクヘッドノズルから吐出される。
また、インク供給チューブ102においては、一方の端部102aと他方の端部102bとの間にバルブ弁106が設けられている。バルブ弁106は、例えば、ソレノイドバルブにより構成されている。バルブ弁106は、バルブ弁106を開放してインクカートリッジ36からインクヘッド30へのインクの供給を許容したり、バルブ弁106を閉鎖してインクカートリッジ36からインクヘッド30へのインクの供給を停止したりを選択的に制御することができる。
また、インクジェットプリンタ10においては、上記において説明したように、インクヘッド30のインクジェットノズル面30aに形成されたインクジェットノズル周りをキャッピングするキャップ装置38が設けられている。
キャップ装置38は、インクヘッド30のインクジェットノズル面30aに形成されたインクジェットノズルの開口を封止するキャップ部材112と、インク経路100内のインクを吸引可能な吸引ポンプ114とを有して構成されている。吸引ポンプ114は、インクヘッド30のインクジェットノズル面30aに形成されたインクジェットノズルの開口を封止したキャップ部材112に負圧を供給し、インク供給経路100内のインクを吸引する。
符号116は廃液チューブであり、一方の端部116aをキャップ部材112に接続するとともに他方の端部116bを廃液タンク42に接続している。吸引ポンプ114は、廃液チューブ116の一方の端部116aと他方の端部116bとの間に設けられている。
吸引ポンプ114としては、従来より公知の種々の構成のものを用いることが可能であり、例えば、チューブポンプやトロコイドポンプなどを用いることができる。チューブポンプやトロコイドポンプは、ポンプ内のコロや歯車を回転することにより吸引力を発生する。
符号101は、インク経路100内のインクをダンパー装置32へ送液するための送液ポンプである。
インクジェットプリンタ10は、キャップ部材112とインクヘッド30との位置関係がキャッピング位置と空吸引位置とキャップ内フラッシング位置とに相対的に変化することができるように、モーター111によりインクヘッド30を移動する。モーター111は、マイクロコンピューター34により制御される。
図7(a)にはキャッピング位置におけるキャップ部材112とインクヘッド30との位置関係が示されており、図7(b)には空吸引位置におけるキャップ部材112とインクヘッド30との位置関係が示されており、図7(c)にはキャップ内フラッシング位置におけキャップ部材112とインクヘッド30との位置関係が示されている。
ここで、図7(a)に示すキャッピング位置とは、キャップ部材112がインクヘッド30のインクジェットノズル面30aに形成されたインクジェットノズルの開口を完全に封止した状態の位置関係である。
図7(b)に示す空吸引位置とは、上記において説明したように、キャップ部材112内に溜まったインクを排出する際におけるキャップ部材112とインクヘッド30のインクジェットノズル面30aに形成されたインクジェットノズルとの位置関係、即ち、微小な隙間G1を開けたキャップ部材112とインクジェットノズル面30aとの位置関係である。
図7(c)に示すキャップ内フラッシング位置とは、インクヘッド30のインクジェットノズルのクリーニングなどのため、インクヘッド30のインクジェットノズルからキャップ部材112に向けてインクを吐出する位置であり、空吸引位置よりもより大きな隙間G2を開けたキャップ部材112とインクジェットノズル面30aとの位置関係である。
図3および図4には、ダンパー装置32の構成が示されている。図3は、ダンパー装置32の側面図である。図4は、図3に示すダンパー装置32のIV−IV線による縦断面図である。図4に示すように、ダンパー装置32は、一面(図4の右側の面)が開口した中空構造のケース本体121と、当該開口部分を覆うようにケース本体121の外壁面に取り付けられたダンパー膜122とを備えている。ケース本体121は、典型的には樹脂製である。ケース本体121とダンパー膜122とに囲まれた領域が、インク貯留室123である。ダンパー膜122のインク貯留室123と反対側の面には、検知レバー127が配置されている。なお、ダンパー装置32は、いわゆる弁構造を有していない。
図3に示すように、ケース本体121の壁面(図3の上面)には、インクが流入するインク流入口120が形成されている。インク流入口120は、インク供給チューブ102の他方の端部102bに接続され、インクカートリッジ36と連通している。ケース本体121の他の壁面(図3の下面)には、インクが流出する吐出用インク流出口129aが形成されている。吐出用インク流出口129aは、インクヘッド30と連通している。インク流入口120および吐出用インク流出口129aは、それぞれインク貯留室123と連通している。インク貯留室123は直方体形状に形成されている。インク貯留室123には所定量のインクが一時的に貯留される。
ダンパー膜122は、インク貯留室123の内側および外側にそれぞれ撓むことができる程度の張力で、例えば、熱溶着によりケース本体121の縁部に貼り付けられている。ダンパー膜122は、感圧膜の一例であり、インク貯留室123内の圧力に応じて撓み変形可能なように構成されている。ダンパー膜122は、典型的には可撓性を有する樹脂製のフィルムである。ダンパー膜122は、単層構造であってもよいし、異なる材質のフィルムが積層され一体化された多層構造であってもよい。ダンパー膜122のインク貯留室123側の面には、例えば、耐インク腐食性の向上を目的として、コーティングが施されていてもよい。
図4に示すように、インク貯留室123の内部において、ケース本体121のダンパー膜122と対向する面121aにはテーパーバネ124の一端が取り付けられている。テーパーバネ124の他端は受圧板125に接続されている。テーパーバネ124はダンパー膜122と連結されている。テーパーバネ124は、ダンパー膜122をインク貯留室123の外側に押圧する弾性部材の一例である。テーパーバネ124は、圧縮された状態に維持されている。これによって、ダンパー膜122はインク貯留室123の外側(図4の右側)に向けて押圧され、撓んだ状態となっている。インク貯留室123に貯留されたインクが所定量まで減少して、インク貯留室123内がある程度減圧されると、ダンパー膜122はテーパーバネ124のばね力(弾性力)に抗してインク貯留室123の内側に撓む。
テーパーバネ124は、圧縮されていない時には円錐台形状であり、当該円錐台形状の高さ方向に徐々に内径が変化するように構成されている。テーパーバネ124は圧縮されるにつれて上記高さ方向に縮んでいき、全圧縮された時に略平坦の板状となる。テーパーバネ124は、ケース本体121の壁面121aからダンパー膜122の方に近づくにつれて内径が小さくなるように配置されている。テーパーバネ124の材質は特に限定されない。テーパーバネ124には、例えば耐インク腐食性の向上を目的として、コーティングが施されていてもよい。
インク貯留室123の内部において、ダンパー膜122とテーパーバネ124との間には、受圧板125が配置されている。受圧板125は、インク貯留室123の外側に向かってダンパー膜122を均質的に押圧するように、ダンパー膜122の略中央に配置されている。受圧板125は円板形状をなしている。受圧板125は、ダンパー膜122よりも硬質な材料で構成されるとよい。受圧板125は、ダンパー膜122の撓み変形を阻害しないように、比較的軽量であるとよい。受圧板25は、例えば、ポリアセタール系樹脂製である。
受圧板125のダンパー膜122と対向する側の面が、受圧板125の全表面の概ね10%以上、典型的には10〜30%、例えば15〜20%程度の表面積を有している。ダンパー膜122と対向する面の面積を広くとることで、ダンパー膜122をインク貯留室123の外側に向かって均質的に押圧することができる。また、ダンパー膜122の撓み変形が受圧板125に精度よく伝達されるようになる。一方で、感圧膜に面積の大きな受圧板を張り付けると、感圧膜の可動域が極端に制限される虞がある。そこで、受圧板125とダンパー膜122とを全面接合せずに、間欠的に接合するようにしている。これにより、ダンパー膜122の可動域を維持したままに、受圧板125の受圧面積を広くとることができる。その結果、インク容量の変化に伴ってダンパー膜122がスムーズに撓み変形する。なお、ここで言う「間欠的な接合」とは、受圧板125とダンパー膜122とを全面接合せずに、受圧板125にダンパー膜122と接合されない部分を敢えて(積極的に)残すことをいう。
間欠接合部126は、ダンパー膜122に接合された接合部126aと、ダンパー膜122に接合されていない非接合部126bとを有する。非接合部126bの少なくとも一部は、接合部126aの最も縁部に近い部分に比べて、受圧板125の中央側に位置している。非接合部126bは、接合部126aによって閉鎖されていない。つまり、間欠接合部126に気泡が溜まり難いように、非接合部126bが開放されている。接合部126aは、受圧板125のダンパー膜122と対向する側の面全体の概ね90%以下、典型的には80%以下、例えば70%以下の面積を占める。非接合部126bは、受圧板125のダンパー膜122と対向する側の面全体の概ね10%以上、典型的には20%以上、例えば30%以上の面積を占める。
間欠接合部126では、例えば、ダンパー膜122やインク貯留室123の形状などを考慮して、接合部126aと非接合部126bとの配置を決定するとよい。一例では、ダンパー膜122および/またはインク貯留室123の縁部から、受圧板125の中央(中心)までの距離が略等しくなるように、接合部126aを配置する。例えば、図3に示すように、ダンパー膜122および/またはインク貯留室123が多角形状の場合は、多角形の頂点から受圧板125の中央(中心)までの距離が略等しくなるように、接合部126aを配置するとよい。
ダンパー膜122および/またはインク貯留室123の形状が回転対称性を有している場合、例えば、図3に示すようにダンパー膜122および/またはインク貯留室123が多角形状である場合には、接合部126aもまた、受圧板125の中央125cを中心点とした回転対称性を有しているとよい。例えば、接合部126aが受圧板125の中央125cを中心点とした同一円周上に等間隔で配置されているとよい。あるいは、接合部126aが受圧板125の中央125cを中心点として放射状に配置されているとよい。これにより、ダンパー膜122の撓み変形が受圧板125に均質的に伝達されるようになり、受圧板125が安定的に変位する。従って、インク貯留量の検知精度を高めることができる。
インク貯留室123の外側には、検知レバー127が配置されている。検知レバー127は、ダンパー膜122の撓み変形の度合い(位置変化)からインク貯留量を検知するインク貯留量検知装置である。図3に示すように、検知レバー127は、2つの固定部127bによってケース本体121の壁面に固定されている。検知レバー127は、ダンパー膜122を介して、受圧板125の中央125cと連結されている。検知レバー127は、バネ部材127cによってダンパー膜122に対して進退自在に配置されており、常にダンパー膜122と当接している。検知レバー127は、ダンパー膜122の撓み変形に基づいて変位する。
例えば、インク貯留室123に貯留されているインクが少なくなると、ダンパー膜122がインク貯留室123の内側に所定量撓む。このダンパー膜122の撓み変形に伴って、検知レバー127もインク貯留室123の側に所定量変位する。逆に、インク貯留室123にインクが供給されてインク貯留量が増えると、ダンパー膜122がインク貯留室123の外側に所定量撓む。ダンパー膜122の撓み変形に伴って、検知レバー127もインク貯留室123から離れる方に所定量変位する。従って、検知レバー127の変位の情報に基づいて、インク貯留室123内のインク貯留量が所定の範囲内であるか否かを判断することができる。例えば、インク貯留室123内のインク貯留量が所定の下限値に到達したか否か、および/または、インク貯留量が所定の上限値(満タン)に到達したか否かを判断することができる。
検知レバー127の変位はセンサー118により検出され、センサー118における検出信号がマイクロコンピューター34へ送られる。マイクロコンピューター34はセンサー118の検出信号に応じて、送液ポンプ101を駆動または停止する。上記構成によれば、ダンパー装置32内のインク貯留量に応じて送液ポンプ101を作動させることができる。これにより、インク貯留室123内に所定量のインクを維持することができ、インクヘッド30に安定的にインクを供給することができる。
また、本発明の実施に関連しては、マイクロコンピューター34は、センサー118の検出信号に応じてモーター111の作動を制御して、インクヘッド30を移動する。
図4に示すように、検知レバー127が受圧板125の中央125cと連結されている。検知レバー127の受圧板125と連結する位置には、凸部127aが設けられている。一方、凸部127aと連結される受圧板125の中央125cには、凹部125aが形成されている。凹部125aは、検知レバー127のインク貯留室123の側の先端(凸部127a)を挿入可能なように、インク貯留室123の内側に突き出している。これにより、検知レバー127と受圧板125とが安定的に連結されるようになる。従って、ダンパー膜122の撓み変形の度合いが精度よく検知レバー127に伝達され、安定的に検知レバー127が可動する。
印刷時以外のとき、つまりインクヘッド30からインクが吐出されないとき、ダンパー装置32のインク貯留室123には所定量以上のインクが貯留されている。このとき、ダンパー膜122は、テーパーバネ124のばね力によって、インク貯留室123の外側に撓んでいる。これによって、インク貯留室123内が負圧に保たれ、インク貯留室123と連通するインクヘッド30のインクジェットノズル面30aも負圧に維持される。従って、インクヘッド30のインクジェットノズルからのインク漏れが防止される。
インクジェットプリンタ10の印刷時には、インクヘッド30のインクジェットノズルから記録紙28に向けてインクが吐出される。インクジェットノズルからインクが吐出されると、ダンパー装置32のインク貯留室123に貯留されているインクが吸い出され、インクヘッド30に供給される。これにより、インク貯留室123のインク貯留量が減少して、インク貯留室123内が負圧になる。インク貯留室123内が負圧になるにつれ、ダンパー膜122はインク貯留室123の内側に撓み変形する。ダンパー膜122の撓み変形に応じて、ダンパー膜122と間欠的に接合されている受圧板125も変位する。この変位は、受圧板125と連結された検知レバー127に高い精度で伝達される。検知レバー127が変位すると、この変位はセンサー118により検出され、センサー118における検出信号がマイクロコンピューター34へ送られる。マイクロコンピューター34はセンサー118の検出信号に基づいて、検知レバー127の変位量が所定値に到達したときに、インク貯留量が所定の下限値であると判断して、送液ポンプ101を駆動する。これにより、インクカートリッジ36からダンパー装置32に向かってインクが送られる。
ダンパー装置32のインク貯留室123にインクが流入するにしたがい、インク貯留室123内の負圧が解消される。同時に、ダンパー膜122の撓みが緩和されて、ダンパー膜122と間欠的に接合されている受圧板125も変位する。この変位は、受圧板125と連結された検知レバー127に高い精度で伝達される。検知レバー127が変位すると、この変位はセンサー118により検出され、センサー118における検出信号がマイクロコンピューター34へ送られる。マイクロコンピューター34はセンサー118の検出信号に基づいて、検知レバー127の変位量が所定値に到達すると、インク貯留量が所定の上限値(満タン)であると判断して、送液ポンプ101を停止する。このように、検知レバー127の変位に基づいて送液ポンプ101を駆動することで、インク貯留室123内には所定量のインクが維持される。これにより、インク貯留室123内が負圧になり過ぎることが防止され、インクカートリッジ36からインクヘッド30へインクが安定して供給される。従って、印刷時には、インクヘッド30から安定的にインクを吐出することができる。
次に、図5には、インクジェットプリンタ10におけるマイクロコンピューター34の本発明の実施に関連する機能的構成をあらわすブロック構成説明図が示されている。
マイクロコンピューター34は、制御部202と、記憶部204と、検知レバー判定部206と、モーター制御部208とを有して構築される。
制御部202は、インクジェットプリンタ10により実行される本発明の実施の関連するキャッピング位置、空吸引位置およびキャップ内フラッシング位置におけるインクヘッド30の位置を記憶部204に記憶させる処理の他に、印刷処理、空吸引処理およびフラッシング処理などの各種の処理を含む全体の処理の制御を行う。
記憶部204は、キャッピング位置、空吸引位置およびキャップ内フラッシング位置におけるインクヘッド30の位置を記憶する他に、印刷処理、空吸引処理、フラッシング処理などの各種の処理に用いる情報などを記憶する。
検知レバー判定部206は、センサー118から出力された検出信号により検知レバー127が変位しているか否かを判定する。
モーター制御部208は、検知レバー判定部206の判定結果に基づいてモーター111の作動を制御する。
以上の構成において、インクジェットプリンタ10においては、マイクロコンピューター34の制御により、バルブ弁106を開いてインクカートリッジ36からインク供給チューブ102へインクを供給しながら、インクヘッド30のインクヘッドジェットノズルから記録紙28に対してインクを吐出し、記憶紙28への印刷を行う。
インクジェットプリンタ10においては、工場出荷時や出荷後の定期メンテナンスの際などにおいて、作業者が操作パネル40を操作してキャッピング位置、空吸引位置およびキャップ内フラッシング位置におけるインクヘッド30の位置を記憶部204に記憶させる処理の実行を指示すると、インクジェットプリンタ10はマイクロコンピューター34の制御により以下の処理を実行する。
まず、キャッピング位置におけるインクヘッド30の位置を記憶する処理について説明する。インクジェットプリンタ10は、マイクロコンピューター34の制御により、インクヘッド30をキャップ部材112に徐々に近づけていき、インクジェットノズル面30aがキャップ部材112と当接した位置を、キャッピング位置におけるインクヘッド30の位置として記憶部204に記憶する。このキャッピング位置におけるインクヘッド30の位置を記憶する処理は、従来より公知の技術を用いることができるのでその詳細な説明は省略する。
次に、空吸引位置およびキャップ内フラッシング位置におけるインクヘッド30の位置を記憶する位置記憶処理について説明する。図6には、インクジェットプリンタ10が実行する位置記憶処理の処理ルーチンを示すフローチャートが示されている。
インクヘッド30が、キャップ装置38のキャップ部材112によりインクジェット面30aをキャッピングされているキャッピング位置(図7(a)に示す位置)にあるとき、ユーザーによる操作パネル40の操作により位置記憶処理の処理ルーチンの実行が指示されると、図6に示す位置記憶処理の処理ルーチンが起動する。
位置記憶処理の処理ルーチンが起動すると、バルブ弁106を閉じるとともに、送液ポンプ101の作動を停止する(ステップS602)。
ステップS602の処理を終了すると、ステップS604の処理へ進み、モーター制御部208によりモーター111の作動を制御して、図7(a)に示すキャッピング位置から、キャップ部材112による封止が解除されるようにインクヘッド30をキャップ部材112から離隔するように移動する。このインクヘッド30の移動は非常に微小な動作であり、インクジェットノズル面30aとキャップ部材112との当接が解除されて僅かな隙間が開けばよい。なお、このインクヘッド30の移動については、例えば、1mm移動するなどのように予め移動距離を設定しておけばよい。
ステップS604の処理を終了すると、ステップS606の処理へ進み、インクヘッド30をキャップ部材112からさらに離隔するように移動する。このステップS606においては、吸引ポンプ114を作動させてキャップ部材112側からインクの吸引を行った際に、設計上はインクヘッド30のインクジェットノズルからのインクの吸引が行われる可能性が全くない距離まで、インクヘッド30とキャップ部材112とが離れるようにインクヘッド30を移動する。こうしたインクヘッド30の移動距離は、例えば、20mmである。
ステップS606の処理を終了すると、ステップS608の処理へ進み、吸引ポンプ114を作動させてキャップ部材112側からのインクの吸引を開始する。
ステップS608の処理を終了すると、ステップS610の処理へ進み、吸引ポンプ114を作動させてキャップ部材112側からのインクの吸引を行いながら、インクヘッド30をキャップ部材112に近づけるように移動する。このインクヘッド30の移動は非常に微小な動作であり、例えば、1mm移動するなどのように予め移動距離を設定しておけばよい。
ステップS610の処理を終了すると、ステップS612の処理へ進み、検知レバー判定部206が検知レバーの変位を検出したか否かを判定する。
ステップS612の判定結果が、検知レバー判定部206が検知レバーの変位を検出しないと判定(No)した場合には、ステップS610の処理へ戻り、ステップS612の判定結果が、検知レバー判定部206が検知レバーの変位を検出したと判定(Yes)するまで、ステップS610乃至ステップS612の処理を繰り返す。
一方、検知レバー判定部206が検知レバーの変位を検出したと判定(Yes)した場合には、ステップS614の処理へ進み、吸引ポンプ114の作動を停止してキャップ部材112側からのインクの吸引を停止する。
ステップS614の処理を終了すると、ステップS616の処理へ進み、検知レバー判定部206が検知レバーの変位を検出したと判定したタイミングにおけるインクヘッド30の位置より、予め設定された微小距離(例えば、0.1mmである。)だけインクヘッド30をキャップ部材112から離隔した位置を、隙間G1を開けたキャップ部材112とインクジェットノズル面30aとの位置関係である空吸引位置として記憶部204に記憶する。こうしたインクヘッド30の位置を空吸引位置とする理由は、空吸引の際のインクの吸引効率を高めるためであり、かつ、検知レバー127が変位をしているインクヘッド30の位置で空吸引を行うと、インクヘッド30のインクジェットノズルからキャップ部材112側へインクを吸引してしまう恐れがあるためである。
ステップS616の処理を終了すると、ステップS618の処理へ進み、空吸引位置として記憶部204に記憶したインクヘッド30の位置から、インクヘッド30をキャップ部材112から離隔させた位置を、空吸引位置よりもより大きな隙間G2を開けたキャップ部材112とインクジェットノズル面30aとの位置関係であるキャップ内フラッシング位置として記憶部204に記憶し、この処理ルーチンを終了する。このインクヘッド30の空吸引位置からキャップ内フラッシング位置までの離隔距離については、、例えば、3mm移動するなどのように予め離隔距離を設定しておけばよい。
なお、フラッシングをインクジェットノズル面に近い位置で行うと、キャップ部材112の内部における混色したインク(廃液)がインクジェットノズル面に跳ね返る可能性がある。インクジェットノズル付近が負圧状態であることを考慮すると、廃液がインクジェットノズル内部に入り込む恐れがあるため、インクジェットノズル面30aの位置はキャップ部材112の位置から相当程度離隔させる必要がある。しかしながら、離隔が大きすぎるとフラッシングしたインクがキャップ部材112外に飛び出す恐れがある。これを避けるために近すぎず遠すぎずの位置の設定が必要であるが、この位置については従来からの経験に基づいて、空吸引位置からさらに離隔させる距離を予め設定しておけばよい。
インクジェットプリンタ10においては、稼働中において空吸引やキャップ内フラッシングを行う場合には、記憶部202に記憶されたインクヘッド30の位置を読み出してインクヘッド30を移動する。
以上において説明したように、インクジェットプリンタ10においては、検知レバー127の変位の検出結果に基づいて空吸引位置におけるインクヘッド30の位置を設定しており、空吸引位置におけるインクヘッド30とキャップ部材112との間隔の調整を人手によることなく自動的に行うことができるようになる。
また、インクジェットプリンタ10においては、キャッピング位置において吸引ポンプ114によりインクを吸引した際に、検知レバー127の変位が検出されなかった場合には、インクヘッド30のインクジェットノズルに目詰まりがある可能性がある。これにより、インクヘッド30のインクジェットノズルの目詰まりを検知することができる。
なお、上記した実施の形態は例示に過ぎないものであり、本発明は他の種々の形態で実施することができる。即ち、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
例えば、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(4)に示すように変形するようにしてもよい。
(1)上記した実施の形態においては、インクヘッド30のインクジェットノズル面30aとキャップ部材112との位置関係を相対的に変化する際に、インクヘッド30を移動するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。例えば、キャップ部材112を移動することにより、インクヘッド30のインクジェットノズル面30aとキャップ部材112との位置関係を相対的に変化させてもよい。あるいは、インクヘッド30とキャップ部材112との両者を移動することにより、インクヘッド30のインクジェットノズル面30aとキャップ部材112との位置関係を相対的に変化させてもよい。
(2)上記した実施の形態においては、具体的な数値(例えば、インクヘッド30を移動させる際の距離などである。)を示している。本明細書におけるこうした具体的な数値は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎないものであり、本発明はこの数値に限定されるものではないことは勿論である。
(3)上記した実施の形態においては、図3および図4を参照しながらダンパー装置32の構成を説明したが、ダンパー装置32はこの構成に限定されるものではない。ダンパー装置32は、インクを貯留するインク貯留室内の負圧の状態を示す負圧指示部材(ダンパー装置32における検知レバー27に相当する。)を備えていればよく、公知の種々の形態を用いてよい。
(4)上記した実施の形態においては、上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(3)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
本発明は、インクヘッドからインクジェット方式によりインクを吐出して所定の印刷を行うインクジェットプリンタに用いて好適である。
10 インクジェットプリンタ、30 インクヘッド、30a インクジェットノズル面、32 ダンパー装置、34 マイクロコンピューター、36 インクカートリッジ、38 キャップ装置、40 操作パネル、40a 表示部、42 廃液タンク、100 インク経路、101 送液ポンプ、106 バルブ弁、111 モーター(移動手段)、112 キャップ部材、114 吸引ポンプ、118 センサー(検出手段)、120 インク流入口(流入口)、121 ケース本体、122 ダンパー膜(伸縮部材)、123 インク貯留室(液体貯留室)、124 テーパ―バネ(弾性部材)、125 受圧板、126 間欠接合部、127 検知レバー(負圧指示部材)、129a 吐出用インク流出口(吐出用流出口)、202 制御部(制御手段)、204 記憶部(記憶手段)、 206 検知レバー判定部(判定手段)、208 モーター制御部

Claims (4)

  1. インクヘッドのインクジェットノズルからインクジェット方式によりインクを吐出するインクジェットプリンタにおいて、
    インクを吐出するインクジェットノズルを備えたインクヘッドと、
    前記インクヘッドに連通するとともに前記インクが一時的に貯留されるインク貯留室と、前記インク貯留室内における前記インクの貯留量の変化に伴い変動する負圧に応じて変位する負圧指示部材とを有するダンパー装置と、
    前記ダンパー装置の前記負圧指示部材の変位を検出する検出手段と、
    前記インクヘッドの前記インクジェットノズルの開口を封止するキャップ部材と、
    前記キャップ部材に負圧を供給して前記インクヘッドの前記インクジェットノズルからインクを吸引する吸引ポンプと、
    前記インクヘッドのインクジェットノズル面と前記キャップ部材との相対的な位置関係を示す相対位置を記憶する記憶手段と、
    前記インクヘッドの前記インクジェットノズル面と前記キャップ部材との相対的な位置関係である相対位置を変化させる移動手段と、
    前記移動手段により前記相対位置を変化させるとともに前記吸引ポンプにより前記インクを吸引する際において、前記検出手段が前記負圧指示部材の前記変位を検出したか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定結果に基づいて、前記検出手段が前記変位を検出したタイミングにおける前記相対位置から、予め設定された距離だけ前記インクジェットノズル面と前記キャップ部材とが離隔した位置を空吸引位置として記憶手段に記憶させる制御手段と
    を有することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 請求項1に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記制御手段は、前記空吸引位置から予め設定された距離だけ前記インクジェットノズル面と前記キャップ部材とが離隔した位置をキャップ内フラッシング位置とする
    ことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  3. 請求項1または2のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記ダンパー装置は、
    開口が形成された中空のケース本体と、
    前記ケース本体の前記開口を覆うように前記ケース本体に取り付けられ、前記ケース本体とともに前記インク貯留室を区画し、前記インク貯留室の内側および外側に撓み変形可能な感圧膜と、
    前記ケース本体に形成され、前記インク貯留室と連通し、前記インクが流入する流入口と、
    前記ケース本体に形成され、前記インク貯留室と連通し、前記インクがインク吐出部の方へ流出する吐出用流出口と、
    前記感圧膜を前記インク貯留室の外側に撓ませるように前記感圧膜と連結されている弾性部材と、
    前記感圧膜と前記弾性部材との間に介在し、前記感圧膜に接合された接合部と前記感圧膜に接合されていない非接合部とを有する受圧板と
    を備え、
    前記非接合部の少なくとも一部は、前記接合部よりも前記受圧板の中央側に位置しており、前記非接合部は、前記接合部によって閉鎖されていない
    ことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  4. 請求項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記ダンパー装置は、前記負圧指示部材として、前記感圧膜の撓み変形に基づいて前記インク貯留室内の前記インクの貯留量を検知する検知レバーを備え、
    前記検知レバーは、前記感圧膜を介して、前記受圧板の前記感圧膜と対向する側の面の中央部分と連結するように配置されている
    ことを特徴とするインクジェットプリンタ。
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