JP2020037212A - インクジェットプリンタ、インクジェットプリンタにおけるインクヘッドのインク吐出状態検出方法およびインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのメンテナンス処理選択方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストのコストアップや機体構造の大型化を招来することなく、インク吐出状態を判定する判定手段を提供する。【解決手段】インクジェット方式によりインクを吐出して印刷を行うインクジェットプリンタにおいて、インクジェット方式によりインクを吐出するインクヘッドと、インクヘッドに対してインクの吐出量を指示する指示手段と、インクヘッドから所定の量のインクが吐出されたか否かを検出する検出手段と、インクヘッドにおける所定の量のインクの吐出の開始から検出手段が所定の量のインクが吐出されたと検出したときまでにおける指示手段が指示した吐出量の合計値と所定の量とに基づいて、インクヘッドのインク吐出状態を判定する判定手段とを有する。【選択図】図9
Description
本発明は、インクジェットプリンタ、インクジェットプリンタにおけるインクヘッドのインク吐出状態検出方法およびインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのメンテナンス処理選択方法に関する。
さらに詳細には、本発明は、メディアに向けてインクジェット方式によりインクを吐出するインクジェットノズルを備えたインクヘッドを搭載し、ダンパー装置を介して当該インクヘッドへインクを供給するインクジェットプリンタ、インクジェットプリンタにおけるインクヘッドのインク吐出状態検出方法およびインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのメンテナンス処理選択方法に関する。
なお、本明細書および本特許請求の範囲において、「インクジェット方式」は、二値偏向方式あるいは連続偏向方式などの各種の連続方式や、サーマル方式あるいは圧電素子方式などの各種のオンデマンド方式を含む、従来より公知の各種の手法によるインクジェット技術を用いた印刷方法を意味するものとする。
また、本明細書および本特許請求の範囲において、「メディア」には、普通紙などの紙類よりなる各種の記録媒体は勿論のこと、ポリ塩化ビニル(PVC:polyvinyl chloride)やポリエチレンテレフタラート(PET:polyethylene terephthalate)などの樹脂材料、織物、布、アルミ、鉄あるいは木材などのような各種材料などからなる種々の媒体が含まれるものとする。
従来より、例えば、特開2014−168980号公報などに開示されているように、マイクロコンピューターによって全体の動作を制御され、メディアたる記録紙と対向する面にインクジェット方式によりインクを吐出するインクジェットノズルを備えたインクヘッドを搭載し、インクを貯留したインクカートリッジからインクヘッドへインクを供給するようにしたインクジェットプリンタが知られている。
こうしたインクジェットプリンタには、インクカートリッジに貯留されたインクをインクヘッドへ送液する際に用いるポンプとして、インクカートリッジから流出したインクを加圧してインクヘッドへ送液する送液ポンプが配設されている。
インクジェットプリンタは、送液ポンプによりインクヘッドへ送液されたインクをインクジェットノズルから吐出することにより、記録紙などのメディア上に印刷を行うことになる。
上記したようなインクジェットプリンタにおいては、インクヘッドのインクジェットノズルの目詰まりなどに伴うインクの吐出不良(なお、本明細書および本特許請求の範囲においては、冗長な記載を避けるため、「インクヘッドのインクジェットノズルの目詰まりなどに伴うインクの吐出不良」を単に「インク吐出不良」と適宜に称する。)の発生を抑止したり、あるいは、既に発生しているインク吐出不良を解消するために、インクジェットノズルから所定量のインクを吐出する処理、所謂、フラッシング処理を行ってインクヘッドをクリーニングするようにしている。
ところで、従来のインクジェットプリンタとして、例えば、赤外線などを利用してインク吐出不良を光学的に検出するようにした構成を備えたものが知られている。こうしたインクジェットプリンタにおいては、上記構成によりインク吐出不良を検出すると、その検出に応じて自動的にフラッシング処理を行って、インクヘッドをクリーニングするメンテナンスを行うようにしている。
また、上記したようなインク吐出不良を検出する構成を備えていないインクジェットプリンタにおいては、インク吐出不良が実際に発生しているか否かに関わらず、常に一定の時間間隔で定期的にフラッシング処理を行って、インクヘッドをクリーニングするメンテナンスを行うようにしている。
しかしながら、上記した赤外線などを利用してインク吐出不良を光学的に検出するようにした構成を備えたインクジェットプリンタにおいては、インク吐出不良を光学的に検出するための専用の構成が必要となるため、製造コストのコストアップや機体構造の大型化を招来するという問題点があった。
また、インク吐出不良が実際に発生しているか否かに関わらず、常に一定の時間間隔で定期的にフラッシング処理を行ってインクヘッドのメンテナンスを行うインクジェットプリンタにおいては、フラッシング処理に伴うインク消費量を抑制するために、可能な限りインク消費量を抑制したフラッシング処理によるメンテナンス(弱い定期メンテナンス)を実施していたため、インク吐出不良の度合いによってはインクヘッドが故障してしまうという問題点があった。
ここで、インク消費量を抑制し過ぎると上記したインクヘッドの故障を招来するという問題点が多発するため、インク消費量を抑制することなく十分な量のインクを用いたフラッシング処理によるメンテナンス(強い定期メンテナンス)を行うと、インク吐出不良の度合いが高いインクヘッドについては丁度よい、あるいは、少ないインク量であるかも知れないが、インク吐出不良がない(インク吐出正常)、あるいは、インク吐出不良の度合いが低いインクヘッドについては、インクの量が多くなり、無駄なインクを消費してしまうという問題点があった。
本発明は、従来の技術が有する上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、製造コストのコストアップや機体構造の大型化を招来することなく、インク吐出状態を検出することを可能にしたインクジェットプリンタおよびインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのインク吐出状態検出方法を提供しようとするものである。
また、本発明の目的とするところは、フラッシングによるインクヘッドのメンテナンス処理を行う際に、インク吐出状態に応じてメンテナンス処理の種類を選択するようにして、インクヘッドの故障の発生を抑止するとともに無駄なインクの消費を抑制することを可能にしたインクジェットプリンタおよびインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのメンテナンス処理選択方法を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、インクヘッドに指示されたインクの吐出量と当該インクヘッドから実際に吐出されたインクの吐出量とに基づいて、インクヘッドのインク吐出状態(インク吐出正常またはインク吐出不良)を検出するようにしたものである。
また、本発明は、検出したインクヘッドのインク吐出状態に応じて、メンテナンス処理の種類を選択するようにして、インクヘッドに対して適切なメンテナンス処理を行うようにしたものである。
即ち、本発明によるインクジェットプリンタは、インクジェット方式によりインクを吐出して印刷を行うインクジェットプリンタにおいて、インクジェット方式によりインクを吐出するインクヘッドと、上記インクヘッドに対してインクの吐出量を指示する指示手段と、上記インクヘッドから所定の量のインクが吐出されたか否かを検出する検出手段と、上記インクヘッドにおける上記所定の量のインクの吐出の開始から上記検出手段が上記所定の量のインクが吐出されたと検出したときまでにおける上記指示手段が指示した吐出量の合計値と上記所定の量とに基づいて、上記インクヘッドのインク吐出状態を判定する判定手段とを有するようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタは、上記した本発明によるインクジェットプリンタにおいて、上記判定手段は、上記合計値と上記所定の量との差分値と、上記インクヘッドのインク吐出状態を判定する際の基準値とを比較して、上記インクヘッドのインク吐出状態を判定するようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタは、上記した本発明によるインクジェットプリンタにおいて、上記基準値は複数設定されているようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタは、上記した本発明によるインクジェットプリンタにおいて、さらに、上記判定手段が判定した上記インクヘッドのインク吐出状態に応じてメンテナンス処理を選択する選択手段とを有するようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタは、上記した本発明によるインクジェットプリンタにおいて、上記メンテナンス処理は複数設定されていて、上記選択手段は、上記判定手段が判定した上記インクヘッドのインク吐出状態に応じて、上記複数設定された上記メンテナンス処理のなかからいずれか一つのメンテナンス処理を選択するようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタは、上記した本発明によるインクジェットプリンタにおいて、上記複数設定された上記メンテナンス処理は、消費するインク量がそれぞれ異なるメンテナンス処理であるようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのインク吐出状態検出方法は、インクジェット方式によりインクを吐出するインクヘッドと、上記インクヘッドに対してインクの吐出量を指示する指示手段と、上記インクヘッドから所定の量のインクが吐出されたか否かを検出する検出手段とを有するインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのインク吐出状態検出方法において、上記検出手段により上記インクヘッドから所定の量のインクが吐出されたか否かを検出し、上記インクヘッドにおける上記所定の量のインクの吐出の開始から上記所定の量のインクが吐出されたと検出したときまでにおける上記指示手段が指示した吐出量の合計値を取得し、上記合計値と上記所定の量とに基づいて、上記インクヘッドのインク吐出状態を判定するようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのインク吐出状態検出方法は、上記した本発明によるインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのインク吐出状態検出方法において、上記インクヘッドのインク吐出状態を判定する際に、上記合計値と上記所定の量との差分値と、上記インクヘッドのインク吐出状態を判定する際の基準値とを比較して、上記インクヘッドのインク吐出状態を判定するようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのインク吐出状態検出方法は、上記した本発明によるインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのインク吐出状態検出方法において、上記基準値は複数設定されているようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのメンテナンス処理選択方法は、インクジェット方式によりインクを吐出するインクヘッドと、上記インクヘッドに対してインクの吐出量を指示する指示手段と、上記インクヘッドから所定の量のインクが吐出されたか否かを検出する検出手段とを有するインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのメンテナンス処理選択方法において、上記検出手段により上記インクヘッドから所定の量のインクが吐出されたか否かを検出し、上記インクヘッドにおける上記所定の量のインクの吐出の開始から上記所定の量のインクが吐出されたと検出したときまでにおける上記指示手段が指示した吐出量の合計値を取得し、上記合計値と上記所定の量とに基づいて、上記インクヘッドのインク吐出状態を判定し、上記判定した上記インクヘッドのインク吐出状態に応じてメンテナンス処理を選択するようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのメンテナンス処理選択方法は、上記した本発明によるインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのメンテナンス処理選択方法において、上記メンテナンス処理は複数設定されていて、上記判定した上記インクヘッドのインク吐出状態に応じて、上記複数設定された上記メンテナンス処理のなかからいずれか一つのメンテナンス処理を選択するようにしたものである。
また、本発明によるインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのメンテナンス処理選択方法は、上記した本発明によるインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのメンテナンス処理選択方法において、上記複数設定された上記メンテナンス処理は、消費するインク量がそれぞれ異なるメンテナンス処理であるようにしたものである。
本発明は、以上説明したように構成されているので、製造コストのコストアップや機体構造の大型化を招来することなく、インク吐出状態を検出することが可能になるという優れた効果を奏するものである。
また、本発明は、以上説明したように構成されているので、フラッシングによるインクヘッドのメンテナンス処理を行う際に、インク吐出状態に応じてメンテナンス処理の種類を選択することにより、インクヘッドの故障の発生を抑止するとともに無駄なインクの消費を抑制することが可能になるという優れた効果を奏するものである。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるインクジェットプリンタ、インクジェットプリンタにおけるインクヘッドのインク吐出状態検出方法およびインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのメンテナンス処理選択方法の実施の形態について詳細に説明するものとする。
〔第1の実施の形態〕
〔第1の実施の形態〕
まず、図1乃至図9を参照しながら、本発明によるインクジェットプリンタ、インクジェットプリンタにおけるインクヘッドのインク吐出状態検出方法およびインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのメンテナンス処理選択方法の第1の実施の形態について詳細に説明する。
(1)全体の構成の説明
図1には、本発明の第1の実施形態によるにインクジェットプリンタの一例を示す概略構成斜視説明図が示されている。
このインクジェットプリンタ10は、基台部材12に支持され主走査方向に延長して配設された固定系のベース部材14を備えている。
ベース部材14の左右両端には側方部材16L、16Rが配設され、側方部材16R側には側方ユニット18が配設されている。
インクジェットプリンタ10は、左右2つの側方部材16L、16Rを連結する中央壁20を備え、中央壁20の壁面には主走査方向に延長してガイドレール22が配設されている。
符号24は、中央壁20の壁面に平行して主走査方向に移動自在に配設されたワイヤーである。キャリッジ26は、ワイヤー24に固定的に配設されるとともにガイドレール22に摺動自在に装着されている。キャリッジ26には、ベース部材24上に位置するメディアたる記録紙28と対向するようにしてインクヘッド30が搭載されるとともに、インクヘッド30と接続されたダンパー装置32が搭載されている。
ここで、インクヘッド30は、インクジェットノズル面30aに複数のインクジェットノズル(図示せず。)を備えている。インクジェットプリンタ10においては、インクカートリッジ36に貯留されているインクがダンパー装置32を介してこれら複数のインクジェットノズルに供給され、当該供給されたインクをインクジェットノズルから吐出する。
なお、こうしたインクジェットプリンタ10の全体の動作は、マイクロコンピューター34によって制御されている。マイクロコンピューター34の本発明の実施に関連する機能的構成については、図8に示すブロック構成説明図を参照しながら後に詳述する。
また、インクジェットプリンタ10においては、上記したようにメディアとして記録紙28を用いるものとする。この記録紙28は、幅方向たる主走査方向において所定の長さを有するとともにロール状に巻回されたメディアであって、給紙装置(図示せず。)によって引き出されてベース部材14上に供給され、主走査方向と直交する方向、即ち、記録紙28の長手方向に搬送される。なお、主走査方向と直交する方向、即ち、記録紙28の搬送方向かつ記録紙28の長手方向を「副走査方向」と称する。
そして、このインクジェットプリンタ10においては、マイクロコンピューター34の制御に従って記録紙28上に印刷が行われる。
即ち、マイクロコンピューター34の制御に従って、ワイヤー24の巻き取りによりワイヤー24が移動すると、このワイヤー24の移動に伴って、キャリッジ26が主走査方向における行き方向(往路)および帰り方向(復路)に往復移動する。これにより、キャリッジ26に搭載されたダンパー装置32およびインクヘッド30が、給紙装置によってベース部材14上に供給された記録紙28上を主走査方向における行き方向(往路)および帰り方向(復路)に一体的に往復移動し、記録紙28上に印刷が行われる。
インクジェットプリンタ10においては、ベース部材14に廃液タンク42が配設されており、側方ユニット18に着脱可能に配設されるインクカートリッジ36から廃液タンク42へ至るインク経路100が形成されている(図2を参照する。)。
インクジェットプリンタ10には、インクヘッド30に形成されたインクジェットノズルの開口部が位置するインクジェットノズル面30aをキャッピングするキャップ装置38が設けられている。
なお、符号40は、作業者がインクジェットプリンタ10の動作を制御するための操作子40aを備えた操作パネルである。操作パネル40には、インクジェットプリンタ10の動作状態を表示するための表示装置40bが設けられている。
(2)インク経路の構成の説明
ここで、図2には、図1に示すインクジェットプリンタ10におけるインク経路100を模式的に示す構成説明図が示されている。
この図2に示すインク経路100は、一方の端部102aにインクカートリッジ36が連通するように接続されるとともに他方の端部102bにダンパー装置32が連通するように接続された可撓性のインク供給チューブ102を備えている。
インクカートリッジ36はインクヘッド30へ供給するためのインクを貯留しており、インクカートリッジ36内に貯留されたインクの容量を検知するセンサー(図示せず。)が設けられている。
インク供給チューブ102における一方の端部102aと他方の端部102bとの間には、インク経路100内のインクを加圧してダンパー装置32へ送液するためのポンプたる送液ポンプ101が配設されている。送液ポンプ101としては、例えば、従来より公知のチューブポンプやトロコイドポンプなどの加圧ポンプを用いることができる。
ここで、チューブポンプやトロコイドポンプは、ポンプ内のコロや歯車を回転することによりインクを加圧して送液する。チューブポンプやトロコイドポンプにおいては、設計上の理論値として、コロや歯車の単位回転量(単位作動量)当たりの送液容量が単位送液容量として設定されている。
本実施の形態においては、送液ポンプ101としては、図3に示す構成のチューブポンプを用いるものとする。
この図3に示すチューブポンプにより構成された送液ポンプ101は、インク供給チューブ102における一方の端部102aと他方の端部102bとの間に設けられている。チューブポンプ自体は従来より公知の技術であるので、送液ポンプ101についての詳細な説明は省略するが、送液ポンプ101はその内部に、中心部C1を中心として矢印A方向に回転する円形台座101aと、円形台座101aの円周部にそれぞれ配設されたコロ101b、101cとを有している。コロ101b、101cとは、中心部C1を対称点として点対称位置に配置されている。
送液ポンプ101においては、円形台座101aを中心部C1を中心として矢印A方向に回転することにより、コロ101b、101cが円形台座101aの円周上を矢印A方向に回転移動することになり、これにより内部のチューブ101dの押圧状態を変化させ、インクカートリッジ36側からダンパー装置32側へインクを送液する。
この送液ポンプ101においては、円形台座101aが中心部C1を中心として回転角45度で回転するのを1単位の回転量(作動量)、即ち、単位回転量(単位作動量)として設定されており、このときの理論値単位送液容量は、例えば、125mccに設定されている。
ダンパー装置32はインクヘッド30とともにキャリッジ26に搭載されており、インク供給チューブ102を通過したインクを一時的に貯留するインク貯留室123(図5および図6を参照する。)を備えている。このダンパー装置32により、キャリッジ26が記録紙28に対して往復動する際におけるインク経路100内のインクの圧力変動を吸収している。
ダンパー装置32は、インク貯留室123内におけるインクの貯留容量の変化に伴い変動する負圧を検知する負圧検知部材たる検知レバー127(図5および図6を参照する。)を備えている。検知レバー127を備えたダンパー装置32は、例えば、特許第5951091号公報に開示されているように従来より公知の技術である(特許第5951091号公報におけるダンパー装置の記述を参照する。)。なお、ダンパー装置32の構成については、図5および図6を参照しながら後述する。
インクジェットプリンタ10には、検知レバー127の変位を検知するセンサー118が設けられている。センサー118としては、例えば、光により検知レバー127の変位を検知する光センサーや、検知レバー127の接触状態から検知レバー127の変位を検知する接触センサーなど、各種のセンサーを適宜に用いることができる。センサー118による検知レバー127の変位の検知結果は、マイクロコンピューター34に出力されて処理される。
ダンパー装置32には、ダンパー装置32のインク貯留室123と連通するインクジェットノズル(図示せず。)を備えたインクヘッド30が接続されており、インクカートリッジ36に貯留されたインクは、ダンパー装置32を介してインクヘッド30へ供給される。インクヘッド30に供給されたインクは、インクジェットノズル面30aに配置されたインクヘッドノズルの開口部から吐出される。
また、インクジェットプリンタ10においては、上記において説明したように、インクヘッド30のインクジェットノズル面30aに形成されたインクジェットノズル周りをキャッピングするキャップ装置38が設けられている。
キャップ装置38は、インクヘッド30のインクジェットノズル面30aに形成されたインクジェットノズルの開口部を封止するキャップ部材112と、インク経路100内のインクを吸引可能な吸引ポンプ114とを有して構成されている。吸引ポンプ114は、インクヘッド30のインクジェットノズル面30aに形成されたインクジェットノズルの開口部を封止したキャップ部材112に負圧を供給し、インク供給経路100内のインクを吸引する。
符号116は廃液チューブであり、一方の端部116aをキャップ部材112に接続するとともに他方の端部116bを廃液タンク42に接続している。吸引ポンプ114は、廃液チューブ116の一方の端部116aと他方の端部116bとの間に設けられている。
吸引ポンプ114としては、例えば、従来より公知のチューブポンプ、トロコイドポンプあるいは真空ポンプなどの種々の構成のものを用いることが可能である。
ここで、チューブポンプやトロコイドポンプは、ポンプ内のコロを移動したり歯車を回転させたりして吸引力を発生させている状態と、所定の位置でポンプ内のコロの移動を停止したり歯車の回転を停止して吸引力が解除されて外気に開放された状態と、所定の位置でポンプ内のコロの移動を停止したり歯車の回転を停止して吸引力が解除されて外気に対して閉鎖された状態とを選択的に制御可能なポンプである。
具体的には、吸引ポンプ114としては、例えば、特許第4857798号などに開示されたチューブポンプと同様な構成の公知のチューブポンプを用いることができる。
インクジェットプリンタ10は、キャップ部材112とインクヘッド30との位置関係がキャッピング位置と空吸引位置とキャップ内フラッシング位置とに相対的に変化することができるように、モーター111によりインクヘッド30を移動する。モーター111は、マイクロコンピューター34により制御される。
図4(a)にはキャッピング位置におけるキャップ部材112とインクヘッド30との位置関係が示されており、図4(b)には空吸引位置におけるキャップ部材112とインクヘッド30との位置関係が示されており、図4(c)にはキャップ内フラッシング位置におけるキャップ部材112とインクヘッド30との位置関係が示されている。
ここで、図4(a)に示すキャッピング位置とは、キャップ部材112がインクヘッド30のインクジェットノズル面30aに形成されたインクジェットノズルの開口部を完全に封止した状態の位置関係である。キャップ部材112とインクヘッド30とがキャッピング位置であるときに吸引ポンプ114を作動させることにより、インク経路100内のインクを廃液タンク42側に吸引することができる。
図4(b)に示す空吸引位置とは、キャップ部材112内に溜まったインクを吸引ポンプ114で吸引する際におけるキャップ部材112とインクヘッド30のインクジェットノズル面30aに形成されたインクジェットノズルとの位置関係、即ち、微小な隙間G1を開けたキャップ部材112とインクジェットノズル面30aとの位置関係である。
図4(c)に示すキャップ内フラッシング位置とは、インクヘッド30のインクジェットノズルのクリーニングなどのため、インクヘッド30のインクジェットノズルからキャップ部材112に向けてインクを吐出(フラッシング)する位置であり、空吸引位置よりもより大きな隙間G2を開けたキャップ部材112とインクジェットノズル面30aとの位置関係である。
図5および図6には、ダンパー装置32の構成が示されている。図5は、ダンパー装置32の側面図である。図6は、図5に示すダンパー装置32のVI−VI線による縦断面図である。
図6に示すように、ダンパー装置32は、一面(図6の右側の面)が開口した中空構造のケース本体121と、当該開口部分を覆うようにケース本体121の外壁面に取り付けられたダンパー膜122とを備えている。ケース本体121は、典型的には樹脂製である。ケース本体121とダンパー膜122とに囲まれた領域が、インク貯留室123である。ダンパー膜122のインク貯留室123と反対側の面には、検知レバー127が配置されている。なお、ダンパー装置32は、いわゆる弁構造を有していない。
図5に示すように、ケース本体121の壁面(図5の上面)には、インクが流入するインク流入口120が形成されている。インク流入口120は、インク供給チューブ102の他方の端部102bに接続され、インクカートリッジ36と連通している。ケース本体121の他の壁面(図5の下面)には、インクが流出する吐出用インク流出口129aが形成されている。吐出用インク流出口129aは、インクヘッド30と連通している。インク流入口120および吐出用インク流出口129aは、それぞれインク貯留室123と連通している。インク貯留室123は直方体形状に形成されている。インク貯留室123には、インクカートリッジ36から供給されたインクが一時的に貯留される。
ダンパー膜122は、インク貯留室123の内側および外側にそれぞれ撓むことができる程度の張力で、例えば、熱溶着によりケース本体121の縁部に貼り付けられている。ダンパー膜122は、感圧膜の一例であり、インク貯留室123内の圧力に応じて撓み変形可能なように構成されている。ダンパー膜122は、典型的には可撓性を有する樹脂製のフィルムである。ダンパー膜122は、単層構造であってもよいし、異なる材質のフィルムが積層され一体化された多層構造であってもよい。ダンパー膜122のインク貯留室123側の面には、例えば、耐インク腐食性の向上を目的として、コーティングが施されていてもよい。
図6に示すように、インク貯留室123の内部において、ケース本体121のダンパー膜122と対向する面121aにはテーパーバネ124の一端が取り付けられている。テーパーバネ124の他端は受圧板125に接続されている。テーパーバネ124はダンパー膜122と連結されている。テーパーバネ124は、ダンパー膜122をインク貯留室123の外側に押圧する弾性部材の一例である。テーパーバネ124は、圧縮された状態に維持されている。これによって、ダンパー膜122はインク貯留室123の外側(図6の右側)に向けて押圧され、撓んだ状態となっている。インク貯留室123に貯留されたインクが減少してインク貯留室123内が減圧されると、ダンパー膜122はテーパーバネ124のばね力(弾性力)に抗してインク貯留室123の内側に撓む。
テーパーバネ124は、圧縮されていない時には円錐台形状であり、当該円錐台形状の高さ方向に徐々に内径が変化するように構成されている。テーパーバネ124は圧縮されるにつれて上記高さ方向に縮んでいき、全圧縮された時に略平坦の板状となる。テーパーバネ124は、ケース本体121の壁面121aからダンパー膜122の方に近づくにつれて内径が小さくなるように配置されている。テーパーバネ124の材質は特に限定されない。テーパーバネ124には、例えば耐インク腐食性の向上を目的として、コーティングが施されていてもよい。
インク貯留室123の内部において、ダンパー膜122とテーパーバネ124との間には、受圧板125が配置されている。受圧板125は、インク貯留室123の外側に向かってダンパー膜122を均質的に押圧するように、ダンパー膜122の略中央に配置されている。受圧板125は円板形状をなしている。受圧板125は、ダンパー膜122よりも硬質な材料で構成されるとよい。受圧板125は、ダンパー膜122の撓み変形を阻害しないように、比較的軽量であるとよい。受圧板25は、例えば、ポリアセタール系樹脂製である。
図5に示すように、ケース本体121の壁面(図5の上面)には、インクが流入するインク流入口120が形成されている。インク流入口120は、インク供給チューブ102の他方の端部102bに接続され、インクカートリッジ36と連通している。ケース本体121の他の壁面(図5の下面)には、インクが流出する吐出用インク流出口129aが形成されている。吐出用インク流出口129aは、インクヘッド30と連通している。インク流入口120および吐出用インク流出口129aは、それぞれインク貯留室123と連通している。インク貯留室123は直方体形状に形成されている。インク貯留室123には、インクカートリッジ36から供給されたインクが一時的に貯留される。
ダンパー膜122は、インク貯留室123の内側および外側にそれぞれ撓むことができる程度の張力で、例えば、熱溶着によりケース本体121の縁部に貼り付けられている。ダンパー膜122は、感圧膜の一例であり、インク貯留室123内の圧力に応じて撓み変形可能なように構成されている。ダンパー膜122は、典型的には可撓性を有する樹脂製のフィルムである。ダンパー膜122は、単層構造であってもよいし、異なる材質のフィルムが積層され一体化された多層構造であってもよい。ダンパー膜122のインク貯留室123側の面には、例えば、耐インク腐食性の向上を目的として、コーティングが施されていてもよい。
図6に示すように、インク貯留室123の内部において、ケース本体121のダンパー膜122と対向する面121aにはテーパーバネ124の一端が取り付けられている。テーパーバネ124の他端は受圧板125に接続されている。テーパーバネ124はダンパー膜122と連結されている。テーパーバネ124は、ダンパー膜122をインク貯留室123の外側に押圧する弾性部材の一例である。テーパーバネ124は、圧縮された状態に維持されている。これによって、ダンパー膜122はインク貯留室123の外側(図6の右側)に向けて押圧され、撓んだ状態となっている。インク貯留室123に貯留されたインクが減少してインク貯留室123内が減圧されると、ダンパー膜122はテーパーバネ124のばね力(弾性力)に抗してインク貯留室123の内側に撓む。
テーパーバネ124は、圧縮されていない時には円錐台形状であり、当該円錐台形状の高さ方向に徐々に内径が変化するように構成されている。テーパーバネ124は圧縮されるにつれて上記高さ方向に縮んでいき、全圧縮された時に略平坦の板状となる。テーパーバネ124は、ケース本体121の壁面121aからダンパー膜122の方に近づくにつれて内径が小さくなるように配置されている。テーパーバネ124の材質は特に限定されない。テーパーバネ124には、例えば耐インク腐食性の向上を目的として、コーティングが施されていてもよい。
インク貯留室123の内部において、ダンパー膜122とテーパーバネ124との間には、受圧板125が配置されている。受圧板125は、インク貯留室123の外側に向かってダンパー膜122を均質的に押圧するように、ダンパー膜122の略中央に配置されている。受圧板125は円板形状をなしている。受圧板125は、ダンパー膜122よりも硬質な材料で構成されるとよい。受圧板125は、ダンパー膜122の撓み変形を阻害しないように、比較的軽量であるとよい。受圧板25は、例えば、ポリアセタール系樹脂製である。
受圧板125のダンパー膜122と対向する側の面が、受圧板125の全表面の概ね10%以上、典型的には10〜30%、例えば15〜20%程度の表面積を有している。ダンパー膜122と対向する面の面積を広くとることで、ダンパー膜122をインク貯留室123の外側に向かって均質的に押圧することができる。また、ダンパー膜122の撓み変形が受圧板125に精度よく伝達されるようになる。一方で、感圧膜に面積の大きな受圧板を張り付けると、感圧膜の可動域が極端に制限される虞がある。そこで、受圧板125とダンパー膜122とを全面接合せずに、間欠的に接合するようにしている。これにより、ダンパー膜122の可動域を維持したままに、受圧板125の受圧面積を広くとることができる。その結果、インク容量の変化に伴ってダンパー膜122がスムーズに撓み変形する。なお、ここで言う「間欠的な接合」とは、受圧板125とダンパー膜122とを全面接合せずに、受圧板125にダンパー膜122と接合されない部分を敢えて(積極的に)残すことをいう。
間欠接合部126は、ダンパー膜122に接合された接合部126aと、ダンパー膜122に接合されていない非接合部126bとを有する。非接合部126bの少なくとも一部は、接合部126aの最も縁部に近い部分に比べて、受圧板125の中央側に位置している。非接合部126bは、接合部126aによって閉鎖されていない。つまり、間欠接合部126に気泡が溜まり難いように、非接合部126bが開放されている。接合部126aは、受圧板125のダンパー膜122と対向する側の面全体の概ね90%以下、典型的には80%以下、例えば70%以下の面積を占める。非接合部126bは、受圧板125のダンパー膜122と対向する側の面全体の概ね10%以上、典型的には20%以上、例えば30%以上の面積を占める。
間欠接合部126では、例えば、ダンパー膜122やインク貯留室123の形状などを考慮して、接合部126aと非接合部126bとの配置を決定するとよい。一例では、ダンパー膜122および/またはインク貯留室123の縁部から、受圧板125の中央(中心)までの距離が略等しくなるように、接合部126aを配置する。例えば、図5に示すように、ダンパー膜122および/またはインク貯留室123が多角形状の場合は、多角形の頂点から受圧板125の中央(中心)までの距離が略等しくなるように、接合部126aを配置するとよい。
ダンパー膜122および/またはインク貯留室123の形状が回転対称性を有している場合、例えば、図5に示すようにダンパー膜122および/またはインク貯留室123が多角形状である場合には、接合部126aもまた、受圧板125の中央125cを中心点とした回転対称性を有しているとよい。例えば、接合部126aが受圧板125の中央125cを中心点とした同一円周上に等間隔で配置されているとよい。あるいは、接合部126aが受圧板125の中央125cを中心点として放射状に配置されているとよい。これにより、ダンパー膜122の撓み変形が受圧板125に均質的に伝達されるようになり、受圧板125が安定的に変位する。従って、インク貯留量の検知精度を高めることができる。
インク貯留室123の外側には、検知レバー127が配置されている。検知レバー127は、ダンパー膜122の撓み変形の度合い(位置変化)からインク貯留量を検知するインク貯留量検知装置である。図5に示すように、検知レバー127は、2つの固定部127bによってケース本体121の壁面に固定されている。検知レバー127は、ダンパー膜122を介して、受圧板125の中央125cと連結されている。検知レバー127は、バネ部材127cによってダンパー膜122に対して進退自在に配置されており、常にダンパー膜122と当接している。検知レバー127は、ダンパー膜122の撓み変形に基づいて変位する。
例えば、インク貯留室123に貯留されているインクが少なくなると、ダンパー膜122がインク貯留室123の内側に撓む。このダンパー膜122の撓み変形に伴って、検知レバー127もインク貯留室123に近づく方向に変位する。逆に、インク貯留室123にインクが供給されてインク貯留量が増えると、ダンパー膜122がインク貯留室123の外側に撓む。ダンパー膜122の撓み変形に伴って、検知レバー127もインク貯留室123から離れる方向に変位する。
間欠接合部126は、ダンパー膜122に接合された接合部126aと、ダンパー膜122に接合されていない非接合部126bとを有する。非接合部126bの少なくとも一部は、接合部126aの最も縁部に近い部分に比べて、受圧板125の中央側に位置している。非接合部126bは、接合部126aによって閉鎖されていない。つまり、間欠接合部126に気泡が溜まり難いように、非接合部126bが開放されている。接合部126aは、受圧板125のダンパー膜122と対向する側の面全体の概ね90%以下、典型的には80%以下、例えば70%以下の面積を占める。非接合部126bは、受圧板125のダンパー膜122と対向する側の面全体の概ね10%以上、典型的には20%以上、例えば30%以上の面積を占める。
間欠接合部126では、例えば、ダンパー膜122やインク貯留室123の形状などを考慮して、接合部126aと非接合部126bとの配置を決定するとよい。一例では、ダンパー膜122および/またはインク貯留室123の縁部から、受圧板125の中央(中心)までの距離が略等しくなるように、接合部126aを配置する。例えば、図5に示すように、ダンパー膜122および/またはインク貯留室123が多角形状の場合は、多角形の頂点から受圧板125の中央(中心)までの距離が略等しくなるように、接合部126aを配置するとよい。
ダンパー膜122および/またはインク貯留室123の形状が回転対称性を有している場合、例えば、図5に示すようにダンパー膜122および/またはインク貯留室123が多角形状である場合には、接合部126aもまた、受圧板125の中央125cを中心点とした回転対称性を有しているとよい。例えば、接合部126aが受圧板125の中央125cを中心点とした同一円周上に等間隔で配置されているとよい。あるいは、接合部126aが受圧板125の中央125cを中心点として放射状に配置されているとよい。これにより、ダンパー膜122の撓み変形が受圧板125に均質的に伝達されるようになり、受圧板125が安定的に変位する。従って、インク貯留量の検知精度を高めることができる。
インク貯留室123の外側には、検知レバー127が配置されている。検知レバー127は、ダンパー膜122の撓み変形の度合い(位置変化)からインク貯留量を検知するインク貯留量検知装置である。図5に示すように、検知レバー127は、2つの固定部127bによってケース本体121の壁面に固定されている。検知レバー127は、ダンパー膜122を介して、受圧板125の中央125cと連結されている。検知レバー127は、バネ部材127cによってダンパー膜122に対して進退自在に配置されており、常にダンパー膜122と当接している。検知レバー127は、ダンパー膜122の撓み変形に基づいて変位する。
例えば、インク貯留室123に貯留されているインクが少なくなると、ダンパー膜122がインク貯留室123の内側に撓む。このダンパー膜122の撓み変形に伴って、検知レバー127もインク貯留室123に近づく方向に変位する。逆に、インク貯留室123にインクが供給されてインク貯留量が増えると、ダンパー膜122がインク貯留室123の外側に撓む。ダンパー膜122の撓み変形に伴って、検知レバー127もインク貯留室123から離れる方向に変位する。
ここで、 図6に示すように、検知レバー127は、受圧板125の中央125cと連結されている。検知レバー127の受圧板125と連結する位置には、凸部127aが設けられている。一方、凸部127aと連結される受圧板125の中央125cには、凹部125aが形成されている。凹部125aは、検知レバー127のインク貯留室123の側の先端(凸部127a)を挿入可能なように、インク貯留室123の内側に突き出している。これにより、検知レバー127と受圧板125とが安定的に連結されるようになる。従って、ダンパー膜122の撓み変形の度合いが精度よく検知レバー127に伝達され、安定的に検知レバー127が可動する。
検知レバー127はインク貯留室123内のインク貯留量に応じて変位するので、検知レバー127の変位の情報に基づいて、インク貯留室123内のインク貯留量を判定することができる。例えば、インク貯留室123内のインク貯留量が所定の下限値(所定量)に到達したか否かや、インク貯留量が所定の上限値(満タン)に到達したか否かなどを判定することができる。
検知レバー127の変位はセンサー118により検知され、センサー118における検知信号がマイクロコンピューター34へ送られる。マイクロコンピューター34はセンサー118の検知信号に応じて、送液ポンプ101ならびに吸引ポンプ114を作動または停止する。
検知レバー127の変位はセンサー118により検知され、センサー118における検知信号がマイクロコンピューター34へ送られる。マイクロコンピューター34はセンサー118の検知信号に応じて、送液ポンプ101ならびに吸引ポンプ114を作動または停止する。
即ち、上記構成によれば、ダンパー装置32内のインク貯留量に応じて送液ポンプ101ならびに吸引ポンプ114を作動させることができる。これにより、インクジェットプリンタ10によるメディア28への印刷時においても、インク貯留室123内に所定量のインクを維持することができ、インクヘッド30に安定的にインクを供給することができる。
また、本発明の実施に関連しては、マイクロコンピューター34は、センサー118によるインク貯留室123内のインクの量の変化の検知結果を用いて、後述するインクジェットプリンタ10におけるインクヘッド30のインク吐出状態検出処理ならびにメンテナンス処理選択処理を行う。
既に、インク経路100内においてインクヘッド30のインクジェットノズルまでインクが充填されている充填状態において、 印刷時以外のとき、つまりインクヘッド30からインクが吐出されないときは、ダンパー装置32のインク貯留室123には所定量以上のインクが貯留されている。このとき、ダンパー膜122は、テーパーバネ124のばね力によって、インク貯留室123の外側に撓んでいる。これによって、インク貯留室123内が負圧に保たれ、インク貯留室123と連通するインクヘッド30のインクジェットノズル面30aも負圧に維持される。従って、インクヘッド30のインクジェットノズルからのインク漏れが防止される。
インク経路100内においてインクヘッド30のインクジェットノズルまでインクが充填されている充填状態において、インクジェットプリンタ10の印刷時には、インクヘッド30のインクジェットノズルから記録紙28に向けてインクが吐出される。インクジェットノズルからインクが吐出されると、ダンパー装置32のインク貯留室123に貯留されているインクが吸い出され、インクヘッド30に供給される。これにより、インク貯留室123のインク貯留量が減少して、インク貯留室123内が負圧になる。インク貯留室123内が負圧になるにつれ、ダンパー膜122はインク貯留室123の内側に撓み変形する。ダンパー膜122の撓み変形に応じて、ダンパー膜122と間欠的に接合されている受圧板125も変位する。この変位は、受圧板125と連結された検知レバー127に高い精度で伝達される。検知レバー127が変位すると、この変位はセンサー118により検知され、センサー118における検知信号がマイクロコンピューター34へ送られる。マイクロコンピューター34はセンサー118の検知信号に基づいて、検知レバー127の変位量が所定値に到達したときに、インク貯留量が所定の下限値(所定量)であると判定して、送液ポンプ101を作動する。これにより、インクカートリッジ36からダンパー装置32に向かってインクが送られる。
ダンパー装置32のインク貯留室123にインクが流入するにしたがい、インク貯留室123内の負圧が解消される。同時に、ダンパー膜122の撓みが緩和されて、ダンパー膜122と間欠的に接合されている受圧板125も変位する。この変位は、受圧板125と連結された検知レバー127に高い精度で伝達される。検知レバー127が変位すると、この変位はセンサー118により検知され、センサー118における検知信号がマイクロコンピューター34へ送られる。マイクロコンピューター34はセンサー118の検知信号に基づいて、検知レバー127の変位量が所定値に到達すると、インク貯留量が所定の上限値(満タン)であると判定して、送液ポンプ101を停止する。このように、検知レバー127の変位に基づいて送液ポンプ101を作動することで、インク貯留室123内には所定量のインクが維持される。これにより、インク貯留室123内が負圧になり過ぎることが防止され、インクカートリッジ36からインクヘッド30へインクが安定して供給される。従って、印刷時には、インクヘッド30から安定的にインクを吐出することができる。
ダンパー装置32のインク貯留室123にインクが流入するにしたがい、インク貯留室123内の負圧が解消される。同時に、ダンパー膜122の撓みが緩和されて、ダンパー膜122と間欠的に接合されている受圧板125も変位する。この変位は、受圧板125と連結された検知レバー127に高い精度で伝達される。検知レバー127が変位すると、この変位はセンサー118により検知され、センサー118における検知信号がマイクロコンピューター34へ送られる。マイクロコンピューター34はセンサー118の検知信号に基づいて、検知レバー127の変位量が所定値に到達すると、インク貯留量が所定の上限値(満タン)であると判定して、送液ポンプ101を停止する。このように、検知レバー127の変位に基づいて送液ポンプ101を作動することで、インク貯留室123内には所定量のインクが維持される。これにより、インク貯留室123内が負圧になり過ぎることが防止され、インクカートリッジ36からインクヘッド30へインクが安定して供給される。従って、印刷時には、インクヘッド30から安定的にインクを吐出することができる。
(3)検知レバーとセンサーとの関係の説明
図7(a)(b)(c)(d)には、本発明の実施に関連する検知レバー127とセンサー118との関係を模式的に示した説明図があらわされている。
ここで、インク貯留室123内におけるインクの量(インク貯留室123内におけるインクの量は、インク貯留室123内の内圧と連動する。)が不明な状態、換言すれば、インク貯留室123内の内圧が不明な状態ではあるが、インク貯留室123にインクが殆ど貯留されていない場合にはインク貯留室123内の内圧は減圧され、図7(a)に示すように、センサー118は検知レバー127の存在を検知しているセンサーヒットの状態となる。
また、インク貯留室123内におけるインクの量が不明な状態、換言すれば、インク貯留室123内の内圧が不明な状態ではあるが、インク貯留室123にインクが十分に貯留されている場合、あるいは、図7(a)に示す状態から送液ポンプ101によるインクの送液によりインク貯留室123にインクが十分に貯留されるようになった場合には、図7(b)に示すように、センサー118は検知レバー127の存在を検知していないセンサーアンヒットの状態となる。
そして、図7(b)に示す状態から、1回のフラッシングによりインクヘッド30のインクジェットノズルから一定量(定量吐出量)のインクを吐出するフラッシング処理を1回乃至複数回おこなっていくと、インク貯留室123内のインクがインクヘッド30に吸い込まれて、インク貯留室123内のインクの量が少なくなり、インク貯留室123内の内圧は減圧されていって、センサー118は検知レバー127の存在を検知しているセンサーヒットの状態となる。このとき、図7(c)に示すように、センサー118が検知レバー127の存在を検知したセンサーヒットの直後の状態においては、インク貯留室123内のインクの量は一定量(定量吐出量)のインクを吐出するフラッシング処理の回数分のインク量だけ減少したことになり、インク貯留室123内のインクの量およびインク貯留室123内の内圧は検知することができる。
従って、図7(c)に示す状態から、送液ポンプ101で予め設定された一定量(定量充填量)のインクをインク貯留室123内に送液すると、図7(d)に示すように、センサー118は検知レバー127の存在を検知していないセンサーアンヒットの状態となるが、インク貯留室123内のインクの量は送液ポンプ101で送液された一定量(定量充填量)だけ増加したことになり、インク貯留室123内のインクの量およびインク貯留室123内の内圧は検知することができる。
(4)マイクロコンピューターの本発明の実施に関連する機能的構成の説明
図8には、インクジェットプリンタ10におけるマイクロコンピューター34の本発明の実施に関連する機能的構成をあらわすブロック構成説明図が示されている。
マイクロコンピューター34は、制御部202と、記憶部204と、センサー検出部206と、送液ポンプ制御部208と、インクヘッド制御部210とを有して構築される。
制御部202は、インクジェットプリンタ10により実行される印刷処理、クリーニング処理などの従来より公知の処理や、図9以降に示すフローチャートを参照しながら説明する第1の実施の形態にかかるインク吐出状態検出処理ならびにメンテナンス処理選択処理などの各種の処理を含む全体の処理の制御を行う。
本発明に関連しては、制御部202は、例えば、後述する変数Zを取得し、変数Zから後述する定数Xを減算した減算結果(差分値)と定数Vと比較する処理や、変数Zから後述する定数Xを減算した減算結果(差分値)と定数Wと比較する処理などを行う。なお、変数Zは、定数Yを積算した値を示すものである。
記憶部204は、印刷処理、クリーニング処理などの従来より公知の処理に用いられる情報や、第1の実施の形態にかかるインク吐出状態検出処理ならびにメンテナンス処理選択処理などで用いられる情報を含む各種の情報を記憶する。本発明に関連しては、記憶部204には、定数X、定数Y、定数Vならびに定数Wなどが記憶されている。
ここで、定数Xは、送液ポンプ101がダンパー装置32のインク貯留室123へ送液するインクの所定の量である。
また、定数Yは、マイクロコンピューター34のインクヘッド制御部210からインクヘッド30に対して指示されたインクの吐出量(指令値)である。従って、変数Zは、マイクロコンピューター34のインクヘッド制御部210からインクヘッド30に対して指示されたインクの吐出量(指令値)の合計値となる。
また、定数Vは、インクヘッド30における吐出状態を判定する際の基準となる第1の値(第1の基準値)である。
また、定数Wは、インクヘッド30における吐出状態を判定する際の基準となる第2の値(第2の基準値)である。
ここで、定数X、定数Y、定数Vならびに定数Wの数値の大きさやそれらの関係は、特に限定されるものではないが、例えば、本発明においては、以下のように設定することが好ましい。
即ち、定数Xと定数Yとの関係は、「X>Y」であることが好ましく、より詳細には、定数Xは定数Yより十分に大きい値、即ち、「X>>Y」であることが好ましい。
また、定数Vと定数Wとの関係は、「V<W」であることが好ましく、定数Xと定数Vと定数Wとの関係においては、「X>>W>V」であることが好ましい。また、定数Yと定数Vと定数Wとの関係においては、「W>V>>Y」であることが好ましい。
従って、定数Xと定数Yと定数Vと定数Wとの関係としては、「X>>W>V>>Y」であることが最も好ましい。
なお、本実施の形態においては、定数X、定数Y、定数Vならびに定数Wの値の単位は、例えば、「cc」とすることができる。
センサー検出部206は、センサー118におけるセンサーヒットとセンサーアンヒットとを検出する。
送液ポンプ制御部208は、インクヘッド30へ向けてインクを送液する送液ポンプ101の作動を制御する。
インクヘッド制御部210は、インクヘッド30に対してインクの吐出量(指令値)を指示して、インクヘッド30の動作を制御する。インクヘッド30は、インクヘッド制御部210から指示されたインクの吐出量(指令値)に応じてインクを吐出する。
(4)第1の実施の形態にかかるインク吐出状態検出処理ならびにメンテナンス処理選択処理の説明
以上の構成において、インクジェットプリンタ10においては、マイクロコンピューター34の制御により、インクカートリッジ36からインク供給チューブ102へインクを供給しながら、インクヘッド30のインクジェットノズルから記録紙28に対してインクを吐出して記憶紙28への印刷処理を行う。
ここで、インクジェットプリンタ10においては、例えば、予め設定された所定の時間間隔毎、あるいは、作業者が所定の操作子40aを操作してインク吐出状態検出処理ならびにメンテナンス処理選択処理の実行の指示を与えたときなどに、第1の実施の形態にかかるインク吐出状態検出処理ならびにメンテナンス処理選択処理が行われる。
以下に、図9に示すフローチャートを参照しながら、第1の実施の形態にかかるインク吐出状態検出処理ならびにメンテナンス処理選択処理の処理ルーチンについて説明する。
この第1の実施の形態にかかるインク吐出状態検出処理ならびにメンテナンス処理選択処理の処理ルーチンは、インクヘッド30のインクジェットノズルからキャップ部材112に向けてインクを吐出する位置であるキャップ内フラッシング位置(図4(c)を参照する。)で実行される。
インクジェットプリンタ10においては、例えば、予め設定された所定の時間間隔毎、あるいは、作業者が所定の操作子40aを操作してインク吐出状態検出処理ならびにメンテナンス処理選択処理の実行を指示すると、インクジェットプリンタ10はマイクロコンピューター34の制御によりモーター111を作動して、キャップ部材とインクヘッド30との関係をキャッピング位置(図4(c)を参照する。)とし、その後に図9のフローチャートに示す処理ルーチンを起動する。
この処理ルーチンが起動すると、まず、この処理ルーチンで使用する変数Zを「0」に初期化する処理を行う(ステップS902)。この変数Zは、定数Yを積算した値を示すものであり、具体的には、マイクロコンピューター34のインクヘッド制御部210からインクヘッド30に対して指示されたインクの吐出量(指令値)の合計値を示すものである。
ステップS902の処理を終了すると、ステップS904の処理へ進み、センサー検出部206がセンサー118におけるセンサーヒットを検出したか否かを判定する。
ステップS904の判定処理において、センサー検出部206がセンサー118におけるセンサーヒットを検出したと判定(Yes)された場合(図7(a)の状態)には、ステップS906の処理へ進む。
ステップS906の処理においては、送液ポンプ制御部208の制御により送液ポンプ101を作動して、予め設定された一定量(定数Xと同量でもよいし異なる量でもよい。)のインクをダンパー装置32のインク貯留室123に送液する。具体的には、円形台座101aの中心部C1を中心として、コロ101b、101cを矢印A方向に予め設定された所定の回転角度だけ回転して、予め設定された一定量(定数Xと同量でもよいし異なる量でもよい。)のインクをダンパー装置32のインク貯留室123に送液する。
ステップS906の処理を終了すると、ステップS908の処理へ進み、センサー検出部206がセンサー118におけるセンサーヒットを検出したか否かを判定する。
ステップS908の判定処理において、センサー検出部206がセンサー118におけるセンサーヒットを検出したと判定(Yes)された場合(図7(a)の状態)には、ステップS906の処理へ戻り、ステップS908の判定処理における判定結果が、センサー検出部206がセンサー118におけるセンサーヒットを検出しないと判定(No)されるまで、ステップS906乃至ステップS908の処理のループを繰り返す。
即ち、ステップS906乃至ステップS908の処理のループにおいては、センサー検出部206がセンサー118におけるセンサーヒットを検出しなくなるまで、インク貯留室123に少しずつインクを充填していく。
従って、ステップS908の判定処理において、センサー検出部206がセンサー118におけるセンサーヒットを検出しないと判定(No)されたときは、検知レバー127とセンサー118との関係は図7(b)に示すセンサーアンヒットの状態となっている。
ステップS908の判定処理でセンサーヒットを検出しないと判定されると、ステップS910の処理へ進む。
一方、ステップS904の判定処理において、センサー検出部206がセンサー118におけるセンサーヒットを検出しないと判定(No)された場合(図7(b)の状態)には、ステップS910の処理へそのまま進む。
ステップS910の処理においては、インクヘッド制御部210はインクヘッド30に対してインクの吐出量を予め設定された一定量(定数Yと同量でもよいし異なる量でもよい。)とするように指示し、インクヘッド30は当該一定量のインクを吐出するようにフラッシング処理の動作を行う。
ステップS910の処理を終了すると、ステップS912の処理へ進み、センサー検出部206がセンサー118におけるセンサーヒットを検出したか否かを判定する。
ステップS912の判定処理において、センサー検出部206がセンサー118におけるセンサーヒットを検出しないと判定(No)された場合(図7(b)の状態)には、ステップS910の処理に戻り、センサー検出部206がセンサー118におけるセンサーヒットを検出したと判定(Yes)されるまで、ステップS910乃至ステップS912の処理のループを繰り返す。
一方、ステップS912の判定処理において、センサー検出部206がセンサー118におけるセンサーヒットを検出したと判定(Yes)された場合には、ステップS914の処理へ進む。ここで、ステップS912の判定処理において、センサー検出部206がセンサー118におけるセンサーヒットを検出したと判定(Yes)されたときは、検知レバー127とセンサー118との関係が、インク貯留室123内のインクの量およびインク貯留室123内の内圧を検知することができる図7(c)の状態にある。
ステップS914の処理においては、送液ポンプ制御部208の制御により送液ポンプ101を作動して、予め設定された一定量である定数X分のインクをダンパー装置32のインク貯留室123に送液する。具体的には、円形台座101aの中心部C1を中心として、コロ101b、101cを矢印A方向に予め設定された所定の回転角度だけ回転して、予め設定された定数X分の量のインクをダンパー装置32のインク貯留室123に送液する。
このステップS914の処理を行うと、検知レバー127とセンサー118との関係は、センサー118が検知レバー127の存在を検知していないセンサーアンヒットの状態となるが、インク貯留室123内のインクの量は送液ポンプ101で送液された定数Xだけ増加したことになり、インク貯留室123内のインクの量およびインク貯留室123内の内圧は検知することができる。
ステップS914の処理を終了すると、ステップS916の処理へ進み、インクヘッド制御部210はインクヘッド30に対してインクの吐出量(指令値)を定数Yとするよううに指示し、インクヘッド30は定数Yだけインクを吐出するようにフラッシング処理の動作を行う。なお、後述するように、ステップS916乃至ステップS920の処理のループは繰り返し実行される場合もされない場合もあるが、いずれにしてもその最初のステップS916の処理が、ステップS914で送液された定数X分のインクを吐出する処理の開始となる。
ステップS916の処理を終了すると、ステップS918の処理へ進み、変数Zを定数Yだけインクリメントする。即ち、ステップS918の処理においては、マイクロコンピューター34のインクヘッド制御部210からインクヘッド30に対して指示されたインクの吐出量(指令値)の合計値を取得する処理が行われる。
ステップS918の処理を終了すると、ステップS920の処理へ進み、センサー検出部206がセンサー118におけるセンサーヒットを検出したか否かを判定する。即ち、ステップS918の処理においては、インクヘッド30から所定量のインクとして定数X分のインクが吐出されたか否かを検出する処理が行われる。
ステップS920の判定処理において、センサー検出部206がセンサー118におけるセンサーヒットを検出しないと判定(No)された場合(図7(d)の状態)には、ステップS916の処理に戻り、センサー検出部206がセンサー118におけるセンサーヒットを検出したと判定(Yes)されるまで、ステップS916乃至ステップS920の処理のループを繰り返す。
一方、ステップS920の判定処理において、センサー検出部206がセンサー118におけるセンサーヒットを検出したと判定(Yes)された場合(図7(c)の状態)には、ステップS922の判定処理へ進む。
ステップS922の判定処理においては、「変数Z−定数X」の値(差分値)が定数Vより大きいか否か、即ち、センサーヒット直後の状態において定数Xだけ送液されたインクを定数Y分ずつのフラッシングして、再度センサーヒットするまでの定数Yの積算値たる変数Zと定数Xとの差分が、定数Vより大きいか否かを判定する。
ここで、変数Zは、センサーヒット直後の状態において定数Xだけ送液されたインクを定数Y分ずつのフラッシングして再度センサーヒットするまでの間における、ステップS916においてインクヘッド30に対して吐出を指示されたインクの吐出量(指令値)たる定数Yの合計値、即ち、ステップS916においてインクヘッド制御部210から指示された指令値の合計値となる。
また、定数Xは、センサーヒット直後の状態において定数Xだけ送液されたインクを定数Y分ずつのフラッシングして再度センサーヒットするまでの間において、インクヘッド30のインクジェットノズルから実際に吐出されたインクの総量に相当する。
また、定数Vは、インクヘッド30における吐出状態を判定する際の基準とする第1の値であり、第1の実施の形態においては、インクヘッド30のインク吐出状態が不良(インク吐出不良)ではないと判定する際の基準となる値である。この定数Vは、設計条件などに応じて、インクヘッド30のインク吐出状態が不良(インク吐出不良)ではないと見なしてもよい値として適宜に設定すればよいが、例えば、「0」あるいは「0」に近い値である。
従って、「変数Z−定数X」の値(差分値)が、インクヘッド30のインク吐出状態が不良(インク吐出不良)ではないと判定する際の基準となる値たる定数V以下であれば、インクヘッド30のインク吐出状態が不良(インク吐出不良)ではないと見なすことができる。
ステップS922の判定処理において、「変数Z−定数X」の値(差分値)が定数Vより大きくないと判定された場合、即ち、インクヘッド30のインク吐出状態が不良(インク吐出不良)ではない、つまり、正常(インク吐出正常)であると判定された場合には、ステップS924の処理へ進む。
ステップS924の処理においては、「弱いメンテナンス処理」を行う。ここで、「弱いメンテナンス処理」とは、後述する「ノーマルメンテナンス処理」および「強化メンテナンス処理」よりもインクの消費量を減少したメンテナンス処理を意味する。こうした「弱いメンテナンス処理」は、例えば、インクヘッド30のインクジェットノズルの状態を保持するのに最低限必要なクリーニングを行うメンテナンス処理である。
一方、ステップS922の判定処理において、「変数Z−定数X」の値が定数Vより大きいと判断された場合には、ステップS926の判定処理へ進む。
ステップS926の判定処理においては、「変数Z−定数X」の値が定数Wより大きいか否か、即ち、センサーヒット直後の状態において定数Xだけ送液されたインクを定数Y分ずつのフラッシングして、再度センサーヒットするまでの定数Yの積算値たる変数Zと定数Xとの差分が定数Wより大きいか否かを判定する。
また、定数Wは、インクヘッド30における吐出状態を判定する際の基準とする第2の値であり、第1の実施の形態においては、インクヘッド30のインク吐出状態が重度な不良(重度インク吐出不良)ではないと判定する際の基準となる値である。この定数Wは、設計条件などに応じて、インクヘッド30のインク吐出状態が重度な不良(重度インク吐出不良)ではないと見なしてもよい値として適宜に設定すればよいが、例えば、定数Vとして設定した値よりも大きな値である。
従って、「変数Z−定数X」の値(差分値)が、インクヘッド30のインク吐出状態が重度な不良(重度インク吐出不良)ではないと判定する際の基準となる値たる定数W以下であれば、インクヘッド30のインク吐出状態が重度な不良(重度インク吐出不良)ではないと見なすことができる。
ステップS926の判定処理において、「変数Z−定数X」の値が定数Wより大きくないと判定された場合、即ち、インクヘッド30のインク吐出状態が重度な不良(重度インク吐出不良)ではない、つまり、軽度なインクの吐出不良状態(軽度インク吐出不良)であると判定された場合には、ステップS928の処理へ進む。
ステップS928の処理においては、「ノーマルメンテナンス処理」を行う。ここで、「ノーマルメンテナンス処理」とは、インクの消費量が上記した「弱いメンテナンス処理」よりも多量であるが後述する「強化メンテナンス処理」よりも少量であるメンテナンス処理を意味する。こうした「ノーマルメンテナンス処理」は、例えば、従来よりインクヘッド30を定期的にクリーニングする際に通常行われていたメンテナンス処理と同内容の処理である。
一方、S926の判定処理において、「変数Z−定数X」の値が定数Wより大きいと判定された場合、即ち、インクヘッド30のインク吐出状態が重度な不良(重度インク吐出不良)であると判定された場合には、ステップS930の処理へ進む。
ステップS930の処理においては、「強化メンテナンス処理」を行う。ここで、「強化メンテナンス処理」とは、インクの消費量が上記した「弱いメンテナンス処理」および「ノーマルメンテナンス処理」よりも多量であるメンテナンス処理を意味する。こうした「強化メンテナンス処理」は、例えば、従来よりインクヘッド30を定期的にクリーニングする際に通常行われていたメンテナンス処理とは異なり、インクヘッド30における重度インク吐出不良が顕在化したときに、作業員などにより個別に実施されていたクリーニング処理と同内容の処理である。
そして、上記したステップS924の処理、ステップS928の処理またはステップS930の処理を終了すると、ステップS932の処理へ進む。
ステップS932の処理においては、変数Zを「0」に初期化する処理を行い、ステップS932の処理を終了すると、この処理ルーチンを終了する。
従って、第1の実施の形態によるインクジェットプリンタ10によれば、赤外線などを利用してインク吐出不良を光学的に検知するようにした構成などを用いることなく、インクヘッド30におけるインクの吐出状態(インク吐出正常、軽度インク吐出不良または重度インク吐出不良)を検出することができるようになる。
即ち、第1の実施の形態によるインクジェットプリンタ10によれば、製造コストのコストアップや機体構造の大型化を招来することなく、インクヘッド30のインク吐出状態(インク吐出正常、軽度インク吐出不良または重度インク吐出不良)を検出することが可能になる。
また、第1の実施の形態によるインクジェットプリンタ10によれば、インクヘッド30におけるインクの吐出状態(インク吐出正常、軽度インク吐出不良または重度インク吐出不良)を検出することができるので、インクヘッド30におけるインクの吐出状態、即ち、インク吐出正常であるか、軽度インク吐出不良であるか、あるいは、重度インク吐出不良であるかに応じて、インクの使用量を増減した各種のメンテナンス処理(「弱いメンテナンス処理」、「ノーマルメンテナンス処理」、「強化メンテナンス処理」)を適宜に選択することが可能となり、インクヘッド30の故障の発生を抑止するとともに無駄なインクの消費を抑制することができるようになる。
〔第2の実施の形態〕
〔第2の実施の形態〕
次に、図10を参照しながら、本発明によるインクジェットプリンタ、インクジェットプリンタにおけるインクヘッドのインク吐出状態検出方法およびインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのメンテナンス処理選択方法の第2の実施の形態について詳細に説明する。
この第2の形態は、インクジェットプリンタ10が実行するインク吐出状態検出処理ならびにメンテナンス処理選択処理の処理ルーチンのみが第1の実施の形態とは異なり、その他の点については第1の実施の形態と同一あるいは相当するものである。
従って、以下の説明においては、第1の実施の形態と異なる点についてのみ説明し、その他の点については重複する説明は省略する。
なお、以下に説明する第2の実施の形態において、上記において説明した第1の実施の形態と同一あるいは相当する処理ルーチンの各ステップについては、第1の実施の形態に用いた符号と同一の符号を用いて示すことにより、その詳細な説明は省略する。
図10には、第2の実施の形態にかかるインク吐出状態検出処理ならびにメンテナンス処理選択処理の処理ルーチンのフローチャートが示されている。
この図10に示すフローチャートの処理ルーチンは、ステップS926の処理を終了した後にステップS932の処理に進むのではなくて、ステップS926の処理を終了した後にステップS929の処理へ進む点と、ステップS930の処理を終了した後にステップS932の処理に進むのではなくて、ステップS930の処理を終了した後にステップS931の処理へ進む点とにおいて、図9に示すフローチャートの処理ルーチンとは異なる。
ここで、ステップS929の処理においては、変数Zを「0」に初期化する処理を行い、ステップS929の処理を終了するとステップS904の処理に戻り、ステップS904以降の各ステップの処理を行う。
同様に、ステップS931の処理においては、変数Zを「0」に初期化する処理を行い、ステップS931の処理を終了するとステップS904の処理に戻り、ステップS904以降の各ステップの処理を行う。
従って、第2の実施の形態によるインクジェットプリンタ10によれば、上記した第1の実施の形態によるインクジェットプリンタ10における作用効果に加えて、インクヘッド30におけるインクの吐出状態が軽度インク吐出不良あるいは重度インク吐出不良である場合には、インクヘッド30におけるインクの吐出状態がインク吐出正常となるまで「ノーマルメンテナンス処理」や「強化メンテナンス処理」が繰り返し実行されることになるので、インクヘッド30におけるインクの吐出状態を確実にインク吐出正常に改善することができる。
〔本発明にかかるインク吐出状態検出処理ならびにメンテナンス処理選択処理の動作例〕
〔本発明にかかるインク吐出状態検出処理ならびにメンテナンス処理選択処理の動作例〕
次に、図11乃至図13を参照しながら、図9ならび図10に示すフローチャートを参照しながら説明したインク吐出状態検出処理ならびにメンテナンス処理選択処理の動作例について説明する。
ここで、図11乃至図13に示す動作例においては、インクヘッド30はノズルNo.1乃至ノズルNo.180までの180個のインクジェットノズルを備えており、当該180個の各インクジェットノズルの1ショット(shot)当たりのインクの吐出量は5nccであるものとする。
また、図11乃至図13に示す動作例においては、「定数X=0.25cc」、「定数Y=0.009cc」、「定数V=0.01cc」、「定数W=0.03cc」であるものとする。従って、定数Xと定数Yと定数Vと定数Wとの関係は、「X>>W>V>>Y」となる。
図11には、インクヘッド30のインク吐出状態が正常(インク吐出正常)の場合が示されている。
この場合には、定数Yで示されるインクヘッド制御部210から指示されたインクの吐出量(指令値)と実際にインクヘッド30のインクジェットノズルから吐出されたインクの吐出量とが一致する。
「定数X=0.25cc」、かつ、「定数Y=0.009cc」であるため、ステップS922の処理においてセンサー検出部206がセンサー118におけるセンサーヒットを検出したと判定(Yes)したときの変数Zの値は、「0.252cc」となる。
従って、
Z−X=0.252cc−0.25cc=0.002cc
となり、「Z−X=0.002cc」は「定数V=0.01cc」よりも小さいので、インクヘッド30のインク吐出状態が正常(インク吐出正常)と判定され、ステップS924において「弱いメンテナンス処理」が行われる。
となり、「Z−X=0.002cc」は「定数V=0.01cc」よりも小さいので、インクヘッド30のインク吐出状態が正常(インク吐出正常)と判定され、ステップS924において「弱いメンテナンス処理」が行われる。
図12には、インクヘッド30においてインクを吐出することのできないインクジェットノズルが2個ある、インク吐出状態が軽度の不良(軽度インク吐出不良)の場合が示されている。図12に示す動作例においては、インクを吐出することのできないインクジェットノズルは、ノズルNo.5およびノズルNo.6の2個のインクジェットノズルとする。
この場合には、定数Yで示されるインクヘッド制御部210から指示されたインクの吐出量(指令値)と実際にインクヘッド30のインクジェットノズルから吐出されたインクの吐出量とが異なることになる。
「定数X=0.25cc」、かつ、「定数Y=0.009cc」であるため、ステップS922の処理においてセンサー検出部206がセンサー118におけるセンサーヒットを検出したと判定(Yes)したときの変数Zの値は、「0.261cc」となる。
従って、
Z−X=0.261cc−0.25cc=0.011cc
となり、「Z−X=0.011cc」は「定数V=0.01cc」よりも大きく、かつ、「定数W=0.03cc」よりも小さいので、インクヘッド30のインク吐出状態が軽度の不良(軽度インク吐出不良)と判定され、ステップS928において「ノーマルメンテナンス処理」が行われる。
となり、「Z−X=0.011cc」は「定数V=0.01cc」よりも大きく、かつ、「定数W=0.03cc」よりも小さいので、インクヘッド30のインク吐出状態が軽度の不良(軽度インク吐出不良)と判定され、ステップS928において「ノーマルメンテナンス処理」が行われる。
図13には、インクヘッド30においてインクを吐出することのできないインクジェットノズルが20個ある、インク吐出状態が重度の不良(重度インク吐出不良)の場合が示されている。図13に示す動作例においては、インクを吐出することのできないインクジェットノズルは、ノズルNo.3乃至ノズルNo.12およびノズルNo.170乃至ノズルNo.179の20個のインクジェットノズルとする。
この場合には、定数Yで示されるインクヘッド制御部210から指示されたインクの吐出量(指令値)と実際にインクヘッド30のインクジェットノズルから吐出されたインクの吐出量とが大きく異なることになる。
「定数X=0.25cc」、かつ、「定数Y=0.009cc」であるため、ステップS922の処理においてセンサー検出部206がセンサー118におけるセンサーヒットを検出したと判定(Yes)したときの変数Zの値は、「0.288cc」となる。
従って、
Z−X=0.288cc−0.25cc=0.038cc
となり、「Z−X=0.038cc」は「定数W=0.03cc」よりも大きいので、インクヘッド30のインク吐出状態が重度の不良(重度インク吐出不良)と判定され、ステップS932において「強化メンテナンス処理」が行われる。
となり、「Z−X=0.038cc」は「定数W=0.03cc」よりも大きいので、インクヘッド30のインク吐出状態が重度の不良(重度インク吐出不良)と判定され、ステップS932において「強化メンテナンス処理」が行われる。
上記において説明した動作例からも理解されるように、インクヘッド30においてインクを吐出することのできないインクジェットノズルの数に応じて、「Z−X」の値(差分値)が変化する。
従って、この差分値を用いることにより、インクヘッド30においてインクを吐出することのできないインクジェットノズルの数を取得することができるようになり、より一層インクヘッド30におけるインクジェットノズルの状態を把握することができるようになる。
〔その他の実施の形態ならびに変形例〕
〔その他の実施の形態ならびに変形例〕
なお、上記した各実施の形態は例示に過ぎないものであり、本発明は他の種々の形態で実施することができる。即ち、本発明は、上記した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。
例えば、上記した各実施の形態は、以下の(1)乃至(6)に示すように変形するようにしてもよい。
(1)上記した各実施の形態においては、本発明の理解を容易にするために詳細な説明を省略したが、図9ならびに図10に示すフローチャートの処理ルーチンについては、インクジェットプリンタ10における定期メンテナンスにおける処理として、所定の時間間隔毎に自動的に起動して実行するようにしてもよいし、あるいは、作業者が適宜のタイミングで起動して実行するようにしてもよいなど、設計条件などに応じて適宜に実行するようにしてよい。
(2)上記した各実施の形態においては、インクヘッド30における吐出状態を判定する際の基準とする値として定数Vと定数Wと二つの値を用いて、インクヘッド30におけるインク吐出状態をインク吐出正常、軽度インク吐出不良および重度インク吐出不良の三つの状態で検知するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。例えば、インクヘッド30における吐出状態を判定する際の基準とする値として一つの値(例えば、定数Vのみである。)を用いて、インクヘッド30におけるインク吐出状態を単にインク吐出正常とインク吐出不良との二つの状態で検知するようにしてもよい。あるいは、インクヘッド30における吐出状態を判定する際の基準とする値として三つ以上の値を用いて、インク吐出不良の状態を細分化して四つ以上の複数の状態で検知するようにしてもよい。
(3)上記した各実施の形態においては、本発明の理解を容易にするために具体的な数値(例えば、定数Xの値などである。)を示している。しかしながら、本明細書におけるこうした具体的な数値は、本発明の理解を容易にするための単なる例示に過ぎないものであり、本発明はこの数値に限定されるものではなく、設計条件などに応じて適宜に変更してよいものであることは勿論である。
(4)上記した各実施の形態においては、検知レバー127の動きをセンサー118により検知することにより、ダンパー装置32のインク貯留室123におけるインクの貯留量を検知するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。検知レバー127の動きをセンサー118により検知することに代えて、例えば、ダンパー装置32のインク貯留室123に光を照射することにより、ダンパー装置32のインク貯留室123に貯留されているインクの量を直接検出することができるような光センサーなどを用いてもよい。
(4)上記した各実施の形態において、インクヘッドの数や、単一のインクヘッドに設けられたインクジェットノズルの数は、各実施の形態において説明した数に限定されるものではないことは勿論である。本発明は、単数あるいは任意の複数のインクヘッドに対して適用することができるとともに、単数あるいは任意の複数のインクジェットノズルを設けられたインクヘッドに対して適用することができる。
(5)上記した各実施の形態においては、給紙装置によりロール状の巻回されたメディアたる記録紙28を徐々に引き出しながら印刷する、所謂、ペーパームーブタイプのインクジェットプリンタについて説明したが、本発明が適用可能なインクジェットプリンタはこれに限られるものではないことは勿論である。例えば、フラットベッド上にメディアを配置して印刷する、所謂、フラットベッドタイプのインクジェットプリンタなど、本発明は各種のインクジェットプリンタに適用することができる。
(6)上記した各実施の形態ならびに上記した(1)乃至(5)に示す各実施の形態は、適宜に組み合わせるようにしてもよいことは勿論である。
本発明は、インクヘッドのインクジェットノズルからインクジェット方式によりインクを吐出して印刷を行うインクジェットプリンタに用いて好適である。
10 インクジェットプリンタ;12 基台部材;14 ベース部材;16L 側方部材;16R 側方部材;18 側方ユニット;20 中央壁;22 ガイドレール;24 ワイヤー;26 キャリッジ;28 記録紙;30 インクヘッド;30a インクジェットノズル面;32 ダンパー装置;34 マイクロコンピューター(判定手段、選択手段);36 インクカートリッジ;38 キャップ装置;40 操作パネル;40a 操作子;40b 表示装置;42 廃液タンク;100 インク経路;101 送液ポンプ;101a 円形台座;101b コロ;101c コロ;101d チューブ;102 インク供給チューブ;102a 端部;102b 端部;111 モーター;112 キャップ部材;114 吸引ポンプ;116 廃液チューブ;116a 端部;116b 端部;118 センサー(検出手段);120 インク流入口;121 ケース本体;121a 面;122 ダンパー膜;123 インク貯留室;124 テーパ―バネ;125 受圧板;125a 凹部;125c 中央;126 間欠接合部;126a 接合部;126b 非接合部;127 検知レバー(検出手段);127a 凸部;127b 固定部;127c バネ部材;129a 吐出用インク流出口;202 制御部;204 記憶部;206 センサー検出部(検出手段);208 送液ポンプ制御;210 インクヘッド制御部(指示手段);C1 中心部
Claims (12)
- インクジェット方式によりインクを吐出して印刷を行うインクジェットプリンタにおいて、
インクジェット方式によりインクを吐出するインクヘッドと、
前記インクヘッドに対してインクの吐出量を指示する指示手段と、
前記インクヘッドから所定の量のインクが吐出されたか否かを検出する検出手段と、
前記インクヘッドにおける前記所定の量のインクの吐出の開始から前記検出手段が前記所定の量のインクが吐出されたと検出したときまでにおける前記指示手段が指示した吐出量の合計値と前記所定の量とに基づいて、前記インクヘッドのインク吐出状態を判定する判定手段と
を有することを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 請求項1に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記判定手段は、前記合計値と前記所定の量との差分値と、前記インクヘッドのインク吐出状態を判定する際の基準値とを比較して、前記インクヘッドのインク吐出状態を判定する
ことを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 請求項2に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記基準値は複数設定されている
ことを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 請求項1、2または3のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタにおいて、さらに、
前記判定手段が判定した前記インクヘッドのインク吐出状態に応じてメンテナンス処理を選択する選択手段と
を有することを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 請求項4に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記メンテナンス処理は複数設定されていて、
前記選択手段は、前記判定手段が判定した前記インクヘッドのインク吐出状態に応じて、前記複数設定された前記メンテナンス処理のなかからいずれか一つのメンテナンス処理を選択する
ことを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 請求項5に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記複数設定された前記メンテナンス処理は、消費するインク量がそれぞれ異なるメンテナンス処理である
ことを特徴とするインクジェットプリンタ。 - インクジェット方式によりインクを吐出するインクヘッドと、
前記インクヘッドに対してインクの吐出量を指示する指示手段と、
前記インクヘッドから所定の量のインクが吐出されたか否かを検出する検出手段と
を有するインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのインク吐出状態検出方法において、
前記検出手段により前記インクヘッドから所定の量のインクが吐出されたか否かを検出し、
前記インクヘッドにおける前記所定の量のインクの吐出の開始から前記所定の量のインクが吐出されたと検出したときまでにおける前記指示手段が指示した吐出量の合計値を取得し、
前記合計値と前記所定の量とに基づいて、前記インクヘッドのインク吐出状態を判定する
ことを特徴とするインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのインク吐出状態検出方法。 - 請求項7に記載のインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのインク吐出状態検出方法において、
前記インクヘッドのインク吐出状態を判定する際に、前記合計値と前記所定の量との差分値と、前記インクヘッドのインク吐出状態を判定する際の基準値とを比較して、前記インクヘッドのインク吐出状態を判定する
ことを特徴とするインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのインク吐出状態検出方法。 - 請求項8に記載のインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのインク吐出状態検出方法において、
前記基準値は複数設定されている
ことを特徴とするインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのインク吐出状態検出方法。 - インクジェット方式によりインクを吐出するインクヘッドと、
前記インクヘッドに対してインクの吐出量を指示する指示手段と、
前記インクヘッドから所定の量のインクが吐出されたか否かを検出する検出手段と
を有するインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのメンテナンス処理選択方法において、
前記検出手段により前記インクヘッドから所定の量のインクが吐出されたか否かを検出し、
前記インクヘッドにおける前記所定の量のインクの吐出の開始から前記所定の量のインクが吐出されたと検出したときまでにおける前記指示手段が指示した吐出量の合計値を取得し、
前記合計値と前記所定の量とに基づいて、前記インクヘッドのインク吐出状態を判定し、
前記判定した前記インクヘッドのインク吐出状態に応じてメンテナンス処理を選択する
ことを特徴とするインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのメンテナンス処理選択方法。 - 請求項10に記載のインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのメンテナンス処理選択方法において、
前記メンテナンス処理は複数設定されていて、
前記判定した前記インクヘッドのインク吐出状態に応じて、前記複数設定された前記メンテナンス処理のなかからいずれか一つのメンテナンス処理を選択する
ことを特徴とするインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのメンテナンス処理選択方法。 - 請求項11に記載のインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのメンテナンス処理選択方法において、
前記複数設定された前記メンテナンス処理は、消費するインク量がそれぞれ異なるメンテナンス処理である
ことを特徴とするインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのメンテナンス処理選択方法。
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JP2018164951A Pending JP2020037212A (ja) | 2018-09-03 | 2018-09-03 | インクジェットプリンタ、インクジェットプリンタにおけるインクヘッドのインク吐出状態検出方法およびインクジェットプリンタにおけるインクヘッドのメンテナンス処理選択方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020037212A (ja) |
-
2018
- 2018-09-03 JP JP2018164951A patent/JP2020037212A/ja active Pending
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