JP6889416B2 - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
図1は、本実施形態で用いる光学フィルムの製造装置の概略の構成を示す説明図である。本実施形態の光学フィルムの製造方法は、ポリマー(ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂またはシクロオレフィン樹脂)と溶媒とを含むドープを、走行する支持体上に流延ダイから流延し、その後、フィルムとして剥離する溶液流延法を用いるものである。なお、図1において各符号は以下を意味する。1:溶解釜、2:ポンプ、3:流延ダイ、4:減圧室、5:前後巻回ドラム、6:流延用エンドレスベルト(支持体)、7:剥離ロール、8:ウェブ、9:テンター、10:ロール搬送乾燥装置、11:温風(乾燥風)、12:搬送ロール、13:巻取り機、F:フィルム。
残留溶媒量(%)=(ウェブ又はフィルムの加熱処理前質量−ウェブ又はフィルムの加熱処理後質量)/(ウェブ又はフィルムの加熱処理後質量)×100
なお、残留溶媒量を測定する際の加熱処理とは、115℃で1時間の加熱処理を行うことを表す。
(ポリイミドフィルム用ドープ)
本実施形態におけるポリイミド樹脂含有光学フィルムに使用されるドープは、主材としてポリアミド酸またはポリイミドを含む。
フィルムのL*値は、スガ試験機製SM−7−CHを用い測定した。フィルム幅方向に5分割したそれぞれのサンプルについて、幅方向の中央位置を中心とした30mm×30mmの範囲を切り出して測定し、その5点平均値とした。なお、L*値はフィルム厚さが薄くなると検出器の感度が鈍くなり適切な評価ができないことから、フィルム厚さが50μm以上のフィルムについては1枚、50μm未満のフィルムについては50μm以上になる最小の枚数を重ねて測定した値である。
フィルムのL*値が30〜55となるようなフィルムを得るための熱処理の方法については、例えば、熱風や電気ヒーター(例えば、赤外線ヒーター等)等公知の手段を用いて熱処理量を調整する手法を挙げることができる。
本実施形態のポリイミドフィルムの製造方法においては、閉環触媒を含有しないポリアミド酸の溶液を流延してフィルムに成形し、支持体上で加熱乾燥した後、支持体よりフィルムを剥離し、更に高温下で乾燥熱処理することによりイミド化する熱イミド化法を用いることができる。なお、この方法の場合には、ポリアミド酸溶液に脱水剤を含有させることでイミド化の反応速度を向上させることができるが、脱水剤を含有させないことが好ましい。脱水剤を含有させないことで、残留脱水剤によるポリイミドフィルムの耐久性の低下を抑制することができる。熱イミド化法においては、例えば赤外線ヒーターを用いることにより熱処理を行うことができる。
また、閉環触媒及び脱水剤を含有させたポリアミド酸の溶液を流延してフィルム状に成形し、支持体上でイミド化を一部進行させてフィルムとした後、支持体よりフィルムを剥離し、加熱乾燥/イミド化し、熱処理を行う化学イミド化法を用いることもできる。閉環触媒としては、上記した第3級アミン等を用いることができる。なお、この方法の場合、ポリアミド酸溶液に脱水剤を含有させることでイミド化を低温で進行させることができるためポリイミドフィルムの耐久性の低下を抑制することができる。
ポリイミドフィルムの製造方法では、上記のいずれの閉環方法を採用しても良いが、化学イミド化法はポリアミド酸の溶液に閉環触媒及び脱水剤を含有させる設備を必要とするものの、自己支持性を有するフィルムを短時間で得られる点で、より好ましい方法といえる。
(ポリアリレートフィルム用ドープ)
本実施形態におけるポリアリレート樹脂含有光学フィルムに使用されるドープは、主材としてポリアリレートを含む。ポリアリレートは、少なくとも芳香族ジアルコール成分単位と芳香族ジカルボン酸成分単位とを含む。より具体的には、例えば、特開2016−112773号公報に記載されているようなポリアリレートを使用することができる。
本実施形態で使用するポリアリレートのガラス転移温度は、260℃以上350℃以下であることが好ましく、265℃以上300℃未満であることがより好ましく、270℃以上300℃未満であることがさらに好ましい。ポリアリレートのガラス転移温度は、JIS K7121(1987)に準拠して測定されうる。具体的には、測定装置としてセイコーインスツル(株)製DSC6220を用いて、ポリアリレートの試料10mg、昇温速度20℃/分の条件で測定することができる。
ポリアリレートのガラス転移温度は、ポリアリレートを構成する芳香族ジアルコール成分の種類等によって調整されうる。ガラス転移温度を高めるためには、例えば芳香族ジアルコール成分単位として「主鎖に硫黄原子を含有するビスフェノール類由来の単位」を含むことが好ましい。
本実施形態で使用するポリアリレートの固有粘度は、0.3〜1.0dl/gであることが好ましく、0.4〜0.9dl/gがより好ましく、0.45〜0.8dl/gがさらに好ましく、0.5〜0.7dl/gであることがさらに好ましい。ポリアリレートの固有粘度が0.3dl/g以上であると、樹脂組成物の分子量が一定以上となりやすく、十分な機械的特性や耐熱性を有するフィルムが得られやすい。ポリアリレートの固有粘度が1.0dl/g以下であると、製膜時の溶液粘度が過剰に高まるのを抑制しうる。
固有粘度は、ISO1628−1に準拠して測定されうる。具体的には、1,1,2,2−テトラクロロエタンに対し、ポリアリレート試料を濃度1g/dlとなるように溶解させた溶液を調製する。この溶液の25℃における固有粘度を、ウベローデ型粘度管を用いて測定する。
ポリアリレートの製造方法としては、公知の方法であってよく、好ましくは水と相溶しない有機溶剤に溶解させた芳香族ジカルボン酸ハライドとアルカリ水溶液に溶解させた芳香族ジアルコールとを混合する界面重合法(W.M.EARECKSON,J.Poly.Sci.XL399,1959年、特公昭40−1959号公報)でありうる。
上記ポリアリレートを含有するドープには、必要に応じてポリアリレート以外の他の樹脂や、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、紫外線吸収剤等の添加剤をさらに含めてもよい。
上述したようなポリアリレートを、上述の通り、少なくとも1種類のアルコール溶媒と、少なくとも1種類の良溶媒を含む混合溶媒に溶解させてドープを得る。
ドープにおけるポリアリレートの濃度は、10質量%以上、好ましくは10〜30質量%程度であることが好ましい。
(シクロオレフィンフィルム用ドープ)
本実施形態におけるシクロオレフィン樹脂含有光学フィルムに使用されるドープは、主材としてシクロオレフィンを含む。
本実施形態で使用されるシクロオレフィンは、シクロオレフィン樹脂は1種単独で、又は2種以上を併用することができる。 本実施形態で使用されるシクロオレフィン樹脂の好ましい分子量は、固有粘度〔η〕inhで0.2〜5cm3/g、さらに好ましくは0.3〜3cm3/g、特に好ましくは0.4〜1.5cm3/gであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は8000〜100000、さらに好ましくは10000〜80000、特に好ましくは12000〜50000であり、重量平均分子量(Mw)は20000〜300000、さらに好ましくは30000〜250000、特に好ましくは50000〜200000の範囲のものである。
固有粘度〔η〕inh、数平均分子量及び重量平均分子量が上記範囲にあることによって、シクロオレフィン樹脂の耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械的特性と、本発明の光学フィルムとしての成形加工性が良好となる。
本実施形態で使用されるシクロオレフィン樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、130℃以上であることが好ましく、好ましくは130〜350℃、さらに好ましくは130〜250℃、特に好ましくは130〜220℃である。Tgが130℃以上の場合が、高温条件下での使用、又はコーティング、印刷などの二次加工により変形が起こりにくいため好ましい。
一方、Tgが350℃以下とすることで、成形加工が困難になる場合を回避し、成形加工時の熱によって樹脂が劣化する可能性を抑制することができる。
また、シクロオレフィン樹脂は、市販品を好ましく用いることができ、市販品の例としては、JSR(株)からアートン(Arton:登録商標)Gシリーズ、アートンFシリーズ、アートンRシリーズ、及びアートンRXシリーズという商品名で発売されており、また日本ゼオン(株)からゼオノア(Zeonor:登録商標)ZF14、ZF16、1420R、1020R、1060R、1420R等、ゼオネックス(Zeonex:登録商標)250、280、480、480R、E48R、F52R、330R、RS420等の商品名で市販されており、これらを用途に応じて適宜選択し使用することもできる。
上記シクロオレフィンを含有するドープには、必要に応じてシクロオレフィン樹脂以外の他の樹脂や、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、紫外線吸収剤等の添加剤をさらに含めてもよい。
上述したようなシクロオレフィンを、上述の通り、少なくとも1種類のアルコール溶媒と、少なくとも1種類の良溶媒を含む混合溶媒に溶解させてドープを得る。
シクロオレフィン樹脂の溶解には、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、特開平9−95544号公報、特開平9−95557号公報、又は特開平9−95538号公報に記載の如き冷却溶解法で行う方法、特開平11−21379号公報に記載されている高圧で行う方法等種々の溶解方法を用いることができるが、特に主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法が好ましい。
ドープ中のシクロオレフィン樹脂の濃度は、10〜40質量%の範囲であることが好ましい。
本実施形態の製造方法によって製造される光学フィルムは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の各種ディスプレイ、特に液晶ディスプレイに用いられる機能フィルムとして有用であり、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム、視野角拡大等の光学補償フィルムとして使用することもできる。
以下に示す方法によりポリアリレートフィルムを製造した。
攪拌装置を備えた反応容器中に、水2514重量部を添加した後、水酸化ナトリウム22.7重量部、芳香族ジアルコール成分として9,9−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(BCF)35.6重量部、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(TMBPA)18.5重量部、分子量調節剤としてp−tert−ブチルフェノール(PTBP)0.049重量部を溶解させ、0.34重量部の重合触媒(トリブチルベンジルアンモニウムクロライド)を添加し、撹拌した。
(主ドープの組成)
ジクロロメタン 360質量部
エタノール 40質量部
ポリアリレート1 100質量部
粒子:日本アエロジル(株)R812(一次粒径7nm) 0.1質量部
次いで、無端ベルト流延装置を用い、ドープを温度30℃、1500mm幅でステンレスベルト支持体上に均一に流延した。ステンレスベルトの温度は30℃に制御した。
ステンレスベルト支持体上で、流延(キャスト)したフィルム中の残留溶媒量が75%になるまで溶媒を蒸発させ、次いで剥離張力180N/mで、ステンレスベルト支持体上から剥離した。
剥離した残留溶媒率25質量%のウェブを、搬送ロールで、搬送張力100N/m、乾燥時間15分間として、残留溶媒量が0.1質量%未満となる乾燥温度で乾燥させ、乾燥膜厚25μmのフィルムを得た。得られたフィルムを巻き取った。
巻き取ったフィルムに対して、赤外線ヒーターにより300℃で5分間加熱処理を行い、ポリイミドフィルム1を得た。
ドープの調製において、加熱攪拌時に揮発したジクロロメタンを、冷却設備を用いて凝集させて液体とし、ドープ全量に対する添加量が30質量%となるようにドープに添加した以外は、実施例1と同様にしてポリアリレートフィルム2を得た。
ドープの調製において、加熱攪拌時に揮発したジクロロメタンを、冷却設備を用いて凝集させて液体とし、ドープ全量に対する添加量が10質量%となるようにドープに添加した以外は、実施例1と同様にしてポリアリレートフィルム3を得た。
ドープの調製において、加熱攪拌時に揮発したジクロロメタンを、冷却設備を用いて凝集させて液体とし、ドープ全量に対する添加量が1質量%となるようにドープに添加した以外は、実施例1と同様にしてポリアリレートフィルム4を得た。
ドープの調製において、混合溶媒中のアルコールの含有量を2質量%とした以外は、実施例3と同様にしてポリアリレートフィルム5を得た。
ドープの調製において、混合溶媒中のアルコールの含有量を30質量%とした以外は、実施例3と同様にしてポリアリレートフィルム6を得た。
ドープの調製において、混合溶媒中のアルコールをメタノールとした以外は、実施例3と同様にしてポリアリレートフィルム7を得た。
ドープの調製において、混合溶媒中のアルコールをブタノールとした以外は、実施例3と同様にしてポリアリレートフィルム8を得た。
ドープの調製において、ドープ調製後に、別途準備したジクロロメタンをドープ全量に対する添加量が10質量%となるように添加した以外は、実施例3と同様にしてポリアリレートフィルム9を得た。
ドープの調製において、ドープ調製後に、別途準備したクロロホルムをドープ全量に対する添加量が10質量%となるように添加した以外は、実施例3と同様にしてポリアリレートフィルム10を得た。
ドープの調製において、ドープ調製後に、別途準備したテトラヒドロフラン(THF)をドープ全量に対する添加量が10質量%となるように添加した以外は、実施例3と同様にしてポリアリレートフィルム11を得た。
ドープの調製において、主ドープの良溶媒をメチルエチルケトン(MEK)とし、加熱攪拌時に揮発したMEKを冷却し、ドープ全量に対する添加量が10質量%となるようにドープに添加した以外は、実施例3と同様にしてポリアリレートフィルム12を得た。
以下に示す方法によりシクロオレフィンフィルムを製造した。
シクロオレフィン系樹脂(COP)は市販のARTON G7810(JSR(株)製、重量平均分子量(Mw)=140000)を用いてドープ調整を行った。当該シクロオレフィン樹脂は、ガラス転移温度が178℃で、極性基としてアルコキシカルボニル基を有する樹脂である。
(主ドープの組成)
ジクロロメタン 198質量部
エタノール 22質量部
上記シクロオレフィン樹脂 100.0質量部
粒子:日本アエロジル(株)R812(一次粒径7nm) 0.1質量部
次いで、無端ベルト流延装置を用い、ドープを温度30℃、1500mm幅でステンレスベルト支持体上に均一に流延した。ステンレスベルトの温度は30℃に制御した。
ステンレスベルト支持体上で、流延(キャスト)したフィルム中の残留溶媒量が30%になるまで溶媒を蒸発させ、次いで剥離張力180N/mで、ステンレスベルト支持体上から剥離した。
剥離した残留溶媒率10質量%のウェブを、搬送ロールで、搬送張力100N/m、乾燥時間15分間として、残留溶媒量が0.1質量%未満となる乾燥温度で乾燥させ、乾燥膜厚25μmのフィルムを得た。得られたフィルムを巻き取った。
巻き取ったフィルムに対して、赤外線ヒーターにより100℃で5分間加熱処理を行い、シクロオレフィンフィルム1を得た。
ドープの調整は、シクロオレフィン系樹脂(COP)を市販のRX4500:ARTON−RX4500(JSR(株)製、重量平均分子量(Mw)=63000)を使用した以外は実施例13と同様にしてシクロオレフィンフィルム14を得た。
以下に示す方法によりポリイミドフィルムを製造した。
撹拌装置の付いた容量1Lのオートクレーブ中に、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン100g(0.31mol)、ヘキサフルオロイソプロピルアルコール500g、(2.5%Pt−2.5%Pd/C)担持触媒17gを添加した。
(主ドープの組成)
テトラクロロメタン 396質量部
エタノール 4質量部
ポリイミドA(重量平均分子量:203000、イミド化率:100%)
100.0質量部
粒子:日本アエロジル(株)R812(一次粒径7nm) 0.1質量部
次いで、無端ベルト流延装置を用い、ドープを温度30℃、1500mm幅でステンレスベルト支持体上に均一に流延した。ステンレスベルトの温度は30℃に制御した。
ステンレスベルト支持体上で、流延(キャスト)したフィルム中の残留溶媒量が75%になるまで溶媒を蒸発させ、次いで剥離張力180N/mで、ステンレスベルト支持体上から剥離した。
剥離した残留溶媒率30質量%のウェブを、搬送ロールで、搬送張力100N/m、乾燥時間15分間として、残留溶媒量が0.1質量%未満となる乾燥温度で乾燥させ、乾燥膜厚25μmのフィルムを得た。得られたフィルムを巻き取った。
巻き取ったフィルムに対して、赤外線ヒーターにより300℃で5分間加熱処理を行い、ポリイミドフィルム1を得た。
ドープの調製において、主ドープの成分として準備したエタノールとは異なる純エタノールを、ドープ全量に対する添加量が10質量%となるようにドープに添加した以外は、実施例3と同様にしてポリアリレートフィルム13を得た。
ドープの調製において、主ドープを下記ドープに変更した以外は、実施例3と同様にしてポリアリレートフィルム14を得た。
ジクロロメタン 400質量部
ポリアリレート1 100質量部
粒子:日本アエロジル(株)R812(一次粒径7nm) 0.1質量部
(主ドープの組成)
ジクロロメタン 440質量部
エタノール 40質量部
セルローストリアセテート(酢化度61.0%、Mn=148000、Mw=310000、Mw/Mn=2.1)
100質量部
粒子:日本アエロジル(株)R812(一次粒径7nm) 0.1質量部
上述のようにして得られた各フィルム(実施例1〜15および比較例1〜2)について、以下の評価試験を行った。
得られた光学フィルムを、2枚の偏光板を直交(クロスニコル)状態にしたものの間に配置して、一方の偏光板側から光を当てて、他方の偏光板側から目視で観察し、輝点異物の個数(個/m2)を測定した。その際、光学フィルムの長さ100mの範囲で、幅方向中央部や端部等を複数箇所観察した。
各フィルムについて、下記の方法に従ってフィルムの内部ヘイズを測定した。まず、きれいに洗浄したスライドガラスを使用し、ガラス/グリセリン/フィルム/グリセリン/ガラスの順に重ね合わせた。グリセリンは気泡が入らないように注意しながら、一滴(0.05ml)滴下した。その後、内部ヘイズ測定装置(ヘイズメーター(濁度計)(型式:NDH 2000、日本電色(株)製))を用いて、光源は5V9Wハロゲン球、受光部はシリコンフォトセル(比視感度フィルター付き)、測定はJIS K−7136に準じて、内部ヘイズ(%)を測定した。
×:0.2以上 実害あり
△:0.15超〜0.2未満 実害なし
○:0.1〜0.15 良好
◎:0.1未満 優良
結果を表1に示す。
表1からわかるように、本発明の製造方法によって得られた実施例1〜13においては、効率良くドープの不純物を除去でき、内部ヘイズの低い高品質な光学フィルムを製造できることが示された。
Claims (3)
- 溶液流延製膜法において、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂またはシクロオレフィン樹脂と、少なくとも1種類のアルコール溶媒と、前記樹脂に対する少なくとも1種類の良溶媒とを含むドープを調製し、支持体上に前記ドープを流延し、支持体上にウェブ(流延膜)を形成し、前記支持体からウェブを剥離し、その後剥離したウェブを巻き取り、乾燥することにより、光学フィルムを製造する方法において、
前記ドープを調製した後に、ドープへ良溶媒をさらに添加する工程と、その後、前記支持体上に前記ドープを流延する前に前記良溶媒を除去する工程を含む、光学フィルムの製造方法。 - 前記良溶媒がジクロロメタン又はテトラクロロメタンである、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
- 添加する良溶媒量が、ドープ全量に対して1〜50質量%である、請求項1または2に記載の光学フィルムの製造方法。
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