JP6876738B2 - 車体後部構造 - Google Patents
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Description
この車体内側の交換補修対象部材に他部材との溶接点があると、ドリルなどの工具にて溶接点を解く必要があるが、ピラーアウタのように車体外側の部品があるため、車体内側の溶接点を解くことが難しい。
このような車体後部構造において、車体内側の交換補修対象部材に対して交換や補修を行う場合には、車体後面のピラーアウタとリアフェンダパネルとの接合を解き、交換補修対象部材の車体外側にあるピラーアウタを取り外してから車体内側の交換補修対象部材の溶接点にアクセスすることとなり、部材の交換や補修に煩雑を極める。
このような本実施形態に係る車体後部構造は、車体の左右両側に適用される。
ただし、以下では、車体の左側後部に配置されるものについてのみ説明し、これと車幅方向の中心線を挟んで対称構造となる車体の右側後部に配置されるものについてはその説明を省略する。
以下では、まず車体後部構造を有する車体について説明した後に、車体後部構造について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車体後部構造Cを有する車体1の斜視図である。
図1に示すように、車体後部構造Cを有する車体1は、リアゲート(図示を省略)で閉じられる後部開口7の左右両側にリアピラー2を備えている。
これらリアピラー2の下端部は、後部開口7の下辺を形成するリアパネル3の両端部に接続されている。
また、リアピラー2の下端部は、左右両側に配置されるリアホイールハウス6(図1中、右側のみ図示)に対してもリアエンドパネル(図示を省略)を介して接続されている。
これらリアピラー2の上端部のそれぞれは、後部開口7の上辺を形成するリアルーフレール5の両端部に接続されている。
本実施形態でのリアピラー2は、具体的には、アウタパネル21と、ピラーアウタ22と、後記するピラーインナ23(図3参照)とによって構成されている。
そして、アウタパネル21の後縁は、後記するように、リアパネル3の車幅方向の端部と接続されるとともに、ピラーアウタ22とも接続される。
また、アウタパネル21は、この取付開口9の下方で、リアホイールハウス6に対応するようにホイールアーチ6aを形成している。
図2に示すように、ピラーアウタ22は、リアピラー2の後面を形成している。
ピラーアウタ22の下端部は、前記のように後部開口7の下辺を形成するリアパネル3の車幅方向の端部に接続されている。具体的には、リアパネル3の車幅方向の端部は、上方に向けて屈曲して延びており、ピラーアウタ22の下端部は、このリアパネル3の延出部の後面に接続されている。
具体的には、アウタパネル21の後縁は、車幅方向内側に屈曲する縁部21aを有しており、ピラーアウタ22の車幅方向の外側縁は、アウタパネル21の縁部21aの前側に重ね合わせられて溶接などにて接続されている。
ちなみに、リアパネル3の車幅方向の端部についても、アウタパネル21の縁部21aの前側に重ね合わせられて溶接などにて接続されている。
図3に示すように、ピラーインナ23は、上下方向に延びる後部開口7に沿ってL字状に屈曲することで、リアピラー2の車幅方向の内側面と、前側面とを形成している。
具体的には、リアパネル3は、前記のようにピラーアウタ22(図2参照)の前側で上下方向に延びて、ピラーインナ23の下端部の後側(車外側)でオーバーラップしている。そして、このオーバーラップ部にてピラーインナ23とリアパネル3とが接続されている。
図3中、符号22eは、このオーバーラップ部におけるピラーインナ23とリアパネル3との接合部である。ちなみに、本実施形態での接合部22eは、スポット溶接による溶接部(溶接点)を想定している。このような接合部22eは、リアピラー2(ピラーインナ23)の前面に形成されることとなる。
リアホイールハウス6は、前記のようにホイールアーチ6a(図1参照)に対応するように前後方向に延びるように形成されるとともに、車内側に向けて突出するように形成されている。
また、この接合部22eの車外側(後側)は、リアピラー2を構成するピラーアウタ22(図3参照)によって覆われている。
また、このような接合部22eに対する車外側からのアクセスは、ピラーアウタ22によって不能となる。
次に説明する本実施形態に係る車体後部構造Cによれば、このような接合部22eに対するアクセスを容易にすることができる。
図4は、図2のIV−IV断面図である。図5は、ピラーアウタ22における開口部22aの周囲の様子を示す部分拡大斜視図である。図6は、アウタパネル21におけるフランジ21bの周囲の様子を示す部分拡大斜視図である。
なお、図5には、開口部22aを覆うように配置されるフランジ21b(図6参照)を仮想線(二点鎖線)にて付記している。
この開口部22aは、図4に示すようにピラーインナ23とリアパネル3との接合部22eに対応する位置でピラーアウタ22に形成されている。
この開口部22aは、図5に示すように、後面視で、ピラーアウタ22の車幅方向の外縁側に開くU字状を呈している。
この開口部22aは、ピラーアウタ22の一般面22cから前方に窪むように形成された棚部22dに形成されている。
これにより開口部22aの周囲には、ピラーアウタ22の一般面22cとの段差を吸収する壁部22bが形成されている。
そして、このフランジ21bは、開口部22aを挟む上下のいずれか一方に設定された溶接部21dにてピラーアウタ22の棚部22dと接続されることとなる。
なお、本実施形態では、図5に示すように、開口部22aの上側の溶接部21dにてスポット溶接する構成を想定しているが、溶接部21dは開口部22aの下側に設定することもできる。
このビード22fは、ピラーアウタ22の一般面22cよりも後方に部分的に***するように形成され、開口部22aの車幅方向内側で上下方向に延びている。
つまり、ビード22fは開口部22aから棚部22d及び壁部22bを挟んだ一般面22cに設けられ、開口部22aに近接して上下方向に延びるように形成される。
本実施形態でのフランジ21bは、ピラーアウタ22(図2参照)の車幅方向の外側縁に後方から重ね合わせられるアウタパネル21の縁部21aから車幅方向内側に延出している。
なお、図6中、符号21b1は、フランジ21bの根元(基端部)で前後方向に延びる折り曲げ部である。
この折り曲げ部21b1を境にフランジ21bの根本から先が車幅方向内側に折れ曲がっているため、図4に示す開口部22aを介して接合部22eを後方に臨ませる際に、フランジ21bの折り返しが容易になる。
次に、本実施形態の車体後部構造Cにおける補修交換作業の手順の一例について説明する。この補修交換作業は、例えば後突などによって損傷したリアパネル3(図1参照)の交換作業を想定している。
この交換作業においては、作業者は車体1の後方から図2に示すアウタパネル21及びピラーアウタ22に対するリアパネル3との接続を解く。この作業は、従来の車体後部構造と同様に行うことができる。
この補修交換作業においては、図7(a)に示すように、まず作業者は、ピラーアウタ22の後方から、アウタパネル21のフランジ21bと、ピラーアウタ22との溶接部21dをドリルなどの工具T1にて削り取る。これによりピラーアウタ22に対するフランジ21bの接合は解かれる。
次いで、作業者は、図7(a)中、点線矢印で示すように、フランジ21bをピラーアウタ22側から曲げ起こす。
作業者が、工具T1によって接合部22eを削り取ることによって、ピラーインナ23(図4参照)に対するリアパネル3(図4参照)の接続が解かれる。
これにより損傷したリアパネル3の交換が可能となる。
次に、本実施形態の車体後部構造Cの奏する作用効果について説明する。
本実施形態の車体後部構造Cは、リアパネル3とピラーインナ23との接合部22eの後方でピラーアウタ22が開口部22aを有している。
このような車体後部構造Cによれば、ピラーアウタ22を取り外すことなく、リアパネル3を取り外すことができる。これによりリアパネル3の交換作業の工数を削減することができる。
このような車体後部構造Cによれば、開口部22aからリアピラー2の内側に水などが侵入することを防止することができる。
また、車体後部構造Cは、フランジ21bを曲げ起こすことで、開口部22aを露出させることができる。これにより車体後部構造Cは、接合部22eを開口部22aを介して車体後方に臨ませることができる。
このような車体後部構造Cによれば、開口部22aの周囲でのピラーアウタ22の剛性及び強度を高めることができる。
このような車体後部構造Cによれば、開口部22aの周囲でのピラーアウタ22の剛性及び強度を、より一層高めることができる。
このような車体後部構造Cによれば、開口部22aに対するフランジ21bによる防水効果を、より高めることができる。
また、このような車体後部構造Cによれば、スポット溶接を車幅方向内側で行うものと比べて、フランジ21bの車幅方向の長さを短く設定することができる。
これにより車体後部構造Cは、重量削減を図ることができる。
また、フランジ21bの車幅方向の長さを短くすることで、壁部22bの車幅方向内側への入り込みを抑えることができるため、開口部22aを設けることによるピラーアウタ22の剛性、強度の低下を抑えることができる。
このような車体後部構造Cによれば、切欠き21cによって、フランジ21bの曲げ起こしが容易になる。
また、このような車体後部構造Cによれば、フランジ21bの曲げ起こしと、その復元操作を繰り返す際に、切欠き21cはフランジ21bの根元での応力集中を防止できる。これによりフランジ21bの曲げ起こしと、その復元操作に基づく耐用年数を向上させることができる。
2 リアピラー
3 リアパネル
5 リアルーフレール
6 リアホイールハウス
6a ホイールアーチ
7 後部開口
8 後部ドア開口
9 取付開口
21 アウタパネル
21b1 折り曲げ部
21a 縁部
21b フランジ
21d 溶接部
22 ピラーアウタ
22a 開口部
22b 壁部
22c 一般面
22d 棚部
22e 接合部
22f ビード
23 ピラーインナ
C 車体後部構造
T1 工具
T2 スポット溶接機
Claims (6)
- 車内側に突出するとともに前後方向に延びるリアホイールハウスと、
前記リアホイールハウスの後方で上下方向に延びるリアピラーと、
前記リアピラーに接合されて上下方向に延びるリアパネルと、
を有する車体後部構造において、
前記リアピラーは、ピラーインナと前記ピラーインナの車体後方に位置するピラーアウタとを有し、
前記リアパネルは、前記ピラーインナとの接合部を有し、
前記ピラーアウタは、前記接合部の車体後方に開口部を有することを特徴とする車体後部構造。 - 前記ピラーアウタの車幅方向外側と接合し、車体側面を構成するアウタパネルをさらに備え、
前記アウタパネルは、前記開口部を車体後方側から覆うフランジを有することを特徴とする請求項1に記載の車体後部構造。 - 前記開口部の周囲の前記ピラーアウタの面と、
前記フランジの車体上側と車体下側のうちの少なくとも一方と、はスポット溶接で接合されていることを特徴とする請求項2に記載の車体後部構造。 - 前記フランジの周囲の面と、前記フランジとの間に切欠きを有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車体後部構造。
- 前記ピラーアウタの前記開口部の周囲には、車体後方に立ち上がる壁部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車体後部構造。
- 前記ピラーアウタは、前記開口部に隣接するようにビードを有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車体後部構造。
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