JP5075949B2 - 車体前部構造 - Google Patents
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Description
このような荷重がかかる状況において、ダッシュボードロアの傾斜壁には、フロアフレームの延在方向に沿うように縦ビードが形成されており、この縦ビードの上端部が縦壁に接続されていると共に、下端部が水平壁に接続されている。このため、ダッシュボードロアは、圧縮方向にかかる荷重に対して、高い強度を得ることができる。
これに加え、縦ビードは、フロアフレームの稜線と上下方向で重なる位置に形成されている。このため、縦ビードが受ける荷重をフロアフレームに効率よく伝達することができるので、ダッシュボードロアの前突荷重に対する強度を高めることができる。
また、三角領域にかかる前突荷重を剛性の高い縦ビードで受けるようにすることができる。このため、ダッシュボードロアの前突荷重に対する強度をさらに高めることが可能になる。
さらに、縦ビードによりフロアフレームを補強することができるので、フロアフレームの剛性を高めるために、フロアフレームを大型化したり、厚肉形成したりすることを抑制できる。このため、フロアフレームを軽量化できる。
このように構成することで、縦ビードの***高さを抑え、車室内空間の減少を抑えつつ、ダッシュボードロアにかかる前突荷重に対する強度をさらに高めることができる。
これに加え、縦ビードは、フロアフレームの稜線と上下方向で重なる位置に形成されている。このため、縦ビードが受ける荷重をフロアフレームに効率よく伝達することができるので、ダッシュボードロアの前突荷重に対する強度を高めることができる。
(ダッシュボードロア)
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、車両の進行方向前方を単に前方、進行方向後方を単に後方、車幅方向右方を単に右方、車幅方向左方を単に左方、重力方向上方を単に上方、重力方向下方を単に下方などと表現して説明する場合がある。
図1は、ダッシュボードロアをキャビン側からみた斜視図、図2は、ダッシュボードロアをキャビン側からみた平面図、図3は、ダッシュボードロアをエンジンルーム側からみた平面図である。
各ガセット18a,18bの車幅方向中央側端部には、ダッシュボードロア10を挟んで各フロントサイドフレーム4a,4bの後端がスポット溶接により接合されている。一方、各ガセット18a,18bの車幅方向外側端部には、それぞれフロントピラー5a,5bがスポット溶接により接合されている。
一方、傾斜壁12、および水平壁7の車幅方向中央には、上方に向かって膨出するトンネル部13が一体形成されている。このトンネル部13を挟んで左側を運転席側ステップ部14とし、右側を助手席側ステップ部15としている。
また、縦壁11のキャビン3側の面には、ステアリング用開口部20よりも右上側に、不図示のアクセルペダルを取り付けるためのアクセルペダルブラケット32が設けられている。さらに、縦壁11には、ステアリング用開口部20よりも左上側に、不図示のブレーキマスタシリンダを取り付けるための取付孔33が形成されている。
また、縦壁11には、トンネル部13よりも右側の上部に、制振材固定パネル26が設けられている。制振材固定パネル26は、ダッシュボードロア10の制振材として貼付された不図示のメルシートを固定するためのものであって、平板状の金属部材にプレス加工等を施して凹凸が形成されている。
ステアリングジョイントカバー21は、エンジンルーム2側に向かって膨出形成されたカップ状のものであって、不図示のステアリングシャフトやこれに連結されたユニバーサルジョイントを挿通するためのジョイント挿入口22が形成されている。
そして、それぞれ左右のクロスメンバ23a,23bの一端がステアリングジョイントカバー21にスポット溶接により接合されている。すなわち、左右のクロスメンバ23a,23bは、ステアリングジョイントカバー21を介して連結した状態になっている。一方、各々他端がそれぞれ対応する左右のフロントサイドフレーム4a,4bにスポット溶接により接合されている。
図3〜図8に示すように、各フロントサイドフレーム4a,4bの後端には、ダッシュボードロア10を挟んで各ガセット18a,18bが接続されている他、ダッシュボードロア10のエンジンルーム2側の裏面に沿うように設けられた分岐部90,90がレインフォース89を介して接合されている。
なお、各フロントサイドフレーム4a,4bに接合されている分岐部90,90は、それぞれ構造が同一であるので、図4〜図8において、図面を見易くするために、左側のフロントサイドフレーム4a、および右側のフロントサイドフレーム4bの何れか一方を適宜選択して図示している。
すなわち、フロントサイドフレームブラケット92、およびサイドシルフロントエクステンション93の基端から、前後方向後方に向かってフロアフレーム91が延設されている。そして、各々フロアフレーム91,91、およびフロントサイドフレーム4a,4bは、互いに同一直線(中央線L1)上に位置した状態になっている。
また、フロアフレーム91のフランジ部95には、複数のビード96が長手方向に沿って形成されており、フロアフレーム91の剛性が高まるようになっている。
サブフレーム98は、サブフレーム取付用ブラケット97にボルト99により固定されている。ボルト99はサブフレーム取付用ブラケット97に螺入され、その先端がレインフォース89よりも上方に突出した状態になっている。
すなわち、ビード101,102の上端部101a,102aは、縦壁11と傾斜壁12との境界部71に至るまで延在しており、縦壁11に接続した状態になっている。一方、ビード101,102の下端部101b,102bは、水平壁7に接続した状態になっている。
さらに、ビード101の左右方向の幅W1、およびビード102の左右方向の幅W2は、それぞれフロアフレーム91の左右方向の幅W3よりも狭く設定されている。
すなわち、ボルト99の先端にダッシュボードロア10の逃げビード103をつき合わせることにより、ダッシュボードロア10とフロアフレーム91との位置決めが行われる。
ここで、フロントサイドフレーム4a,4bは、前突荷重を吸収するように、前後方向の途中で上方に向かって曲折変形するように構成されている。
すなわち、前突した際、フロントサイドフレーム4a,4bは、後端を中心にして、これよりも前方が反り上がるように変形する(図8における二点鎖線、矢印Y1参照)。そして、ダッシュボードロア10の傾斜壁12に、斜め下方に向かう荷重、つまり、圧縮方向の荷重がかかる(図5、図8における矢印Y2参照)。
したがって、上述の実施形態によれば、ダッシュボードロア10の傾斜壁12に2つのビード101,102を形成し、これらビード101,102のうち、左右方向中央寄りのビード101の稜線101cとフロアフレーム91の稜線91aとが上下方向で重なることにより、ダッシュボードロア10の耐衝突性を向上させることができる。
また、ビード101,102の左右方向の幅W1,W2を、フロアフレーム91の左右方向の幅W3よりも狭く設定しているので、各ビード101,102の***高さを抑え、キャビン3内空間の減少を抑えつつ、ダッシュボードロア10にかかる圧縮方向の荷重に対する強度を高めることができる。
そして、各フロアフレーム91,91、およびフロントサイドフレーム4a,4bは、互いに同一直線(中央線L1)上に位置した状態になっている(図6参照)。このため、直線L2上に形成されているビード101によりフロアフレーム91を補強することができる。よって、フロアフレーム91の剛性を高めるために、フロアフレーム91を大型化したり、厚肉形成したりすることを抑制でき、フロアフレーム91を軽量化できる。
例えば、上述の実施形態では、ダッシュボードロア10の傾斜壁12に、2つのビード101,102を形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、傾斜壁12に、フロアフレーム91の延在方向に沿うビードを少なくとも1つ形成すればよい。
Claims (3)
- ダッシュボードロアを、鉛直方向に沿って延在する縦壁と、この縦壁の下部から後方に向けて下り勾配となるように延出する傾斜壁と、この傾斜壁の下部から水平方向後方に向かって延出する水平壁とにより構成し、
前記ダッシュボードロアの下方に、前後方向に沿って延在するフロアフレームを設けた車体前部構造において、
前記傾斜壁に、前記フロアフレームの延在方向に沿う縦ビードを少なくとも1つ形成すると共に、この縦ビードの上端部を前記縦壁に接続する一方、下端部を前記水平壁に接続し、
前記縦ビードは、少なくとも1つの稜線が前記フロアフレームの稜線と上下方向で重なり、
前記ダッシュボードロアのエンジンルーム側に配置されているフロントサイドフレームの後端に分岐部を設け、
この分岐部は、
前記フロントサイドフレームの後端から前記ダッシュボードロアの下部中央に形成されているトンネル部に向かって延出する第1延出部と、
前記フロントサイドフレームの後端から前記ダッシュボードロアの左右側部に設けられているサイドシルに向かって延出する第2延出部とにより構成され、
前記分岐部の第1延出部と第2延出部とにより形成される三角領域に対応する位置に、前記縦ビードを形成し、
前記三角領域に前記フロアフレームを設け、このフロアフレームと前記フロントサイドフレームとが同一直線上に位置していることを特徴とする車体前部構造。 - 前記ダッシュボードロアに、前記縦ビードを複数形成し、
各縦ビードの左右方向の幅は、前記フロアフレームの左右方向の幅よりも狭く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。 - 前記分岐部を介して下側に固定連結されたサブフレームを有し、
前記ダッシュボードロアに、前記サブフレームを固定連結する固定手段を逃げるための逃げビードを形成し、この逃げビードと前記固定手段とをつき合わせることにより、前記縦ビードの位置が前記フロアフレームに対応する位置に決定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車体前部構造。
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