JP6851721B2 - 保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム、および透明導電性フィルムの製造方法 - Google Patents

保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム、および透明導電性フィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、透明導電性フィルムの製造に使用することができる保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム、および透明導電性フィルムの製造方法に関するものである。
近年のスマートフォンやタブレット端末等の各種モバイル電子機器では、ディスプレイとして、タッチパネルが使用されることが多くなってきている。タッチパネルの方式としては、抵抗膜方式、静電容量方式等があるが、上記モバイル電子機器では、静電容量方式が主として採用されている。
これらのタッチパネルでは、透明プラスチック基材を主体とする透明導電膜積層用フィルム上に、パターニングされたスズドープ酸化インジウム(ITO)等からなる透明導電膜が積層された透明導電性フィルムが使用されることがある。
上記のような透明導電膜積層用フィルム(または透明導電性フィルム)における透明導電膜が積層されない側の面を保護するとともに、ハンドリング性を向上させるために、当該面に保護フィルムを貼付することが提案されている(特許文献1)。かかる保護フィルムは、基材フィルムと、粘着剤層とを備えており、その粘着剤層を介して、透明導電膜積層用フィルムに貼付される。
特許第4137551号
ところで、上記のような、保護フィルムが貼付された透明導電膜積層用フィルム(以下、「保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム」という場合がある。)は、枚葉式にて取り扱われることがある。この場合、保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムを複数枚積層し、その積層物から、機械または手作業にて保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムを一枚ずつ取り、所望の工程に付する。
保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムを上記のように枚葉式にて取り扱う場合、積層物の最上位にある一枚だけを取ろうとしても、保護フィルムの透明導電膜積層用フィルムとは反対側の面と、透明導電膜積層用フィルムの保護フィルムとは反対側の面とが張り付くことに起因して、複数枚が同時に取れてしまうこと(以下、「多重取り」という場合がある。)がある。このような多重取りが生じると、作業性が著しく低下する。
ここで、特許文献1に開示される保護フィルムでは、基材フィルムにおける粘着剤層とは反対側の面に帯電防止層が設けられ、当該保護フィルムを使用する際の静電気の発生を防止することが図られている。しかしながら、上述した多重取りの発生は、静電気以外の要因にも起因すると考えられるため、上記帯電防止層を設けた保護フィルムを使用したとしても、多重取りを十分に防止することはできない。
本発明は、上記の実状に鑑みてなされたものであり、優れた多重取り防止性を有する保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムを提供することを目的とする。また、本発明は、効率の良い透明導電性フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、透明導電膜積層用フィルムと、前記透明導電膜積層用フィルムにおける透明導電膜が積層されない側の面に貼付された保護フィルムとを備える保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムであって、前記透明導電膜積層用フィルムが、支持体と、前記支持体における前記保護フィルムとは反対側の面に積層された第一の機能層とを備え、前記保護フィルムが、基材と、前記基材における前記透明導電膜積層用フィルム側の面に積層された粘着剤層と、前記基材における前記粘着剤層とは反対側の面に積層されたコート層とを備え、前記コート層における前記基材とは反対側の面の表面抵抗値が、1.0×1012Ω/cm以下であり、前記コート層における前記基材とは反対側の面の表面自由エネルギーが、45mJ/m以下であり、前記コート層における前記基材とは反対側の面および前記第一の機能層における前記支持体とは反対側の面の少なくとも一方における算術平均粗さRaが、7nm以上であることを特徴とする保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムを提供する(発明1)。
上記発明(発明1)では、保護フィルムがコート層を備え、当該コート層の表面抵抗値が上記範囲であることにより、静電気の発生が防止されるため、静電気による保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム同士の張り付きが抑制される。また、粘着剤層の端部から粘着剤(低分子量成分)が染み出し、コート層表面に移動した場合であっても、コート層の表面自由エネルギーが上記範囲であることにより、粘着剤がコート層に付着しにくくなる結果、粘着剤による保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム同士の張り付きが抑制される。さらに、保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムのいずれか一方の面における算術平均粗さRaが上記範囲であることにより、保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムを積層した際のブロッキングが生じ難くなる。以上により、保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムは、優れた多重取り防止性を発揮することができる。
上記発明(発明1)において、前記コート層が、バインダーと、剥離剤と、帯電防止剤とを含有するコート剤から形成されることが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)において、前記第一の機能層が、光学調整層であることが好ましい(発明3)。
上記発明(発明1〜3)において、前記透明導電膜積層用フィルムが、前記支持体における前記第一の機能層とは反対側の面に積層された第二の機能層をさらに備えることが好ましい(発明4)。
第2に本発明は、前記保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム(発明1〜4)における前記保護フィルムとは反対側の面上に、透明導電性材料を含む層を製膜する工程、前記保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムを、前記製膜された透明導電性材料を含む層とともに、所定の大きさに裁断する工程、前記製膜された透明導電性材料を含む層を結晶化し、透明導電膜とする工程、および前記透明導電膜をパターニングする工程を含むことを特徴とする透明導電性フィルムの製造方法を提供する(発明5)。
本発明の保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムは、優れた多重取り防止性を有する。また、本発明の方法によれば、効率良く透明導電性フィルムを製造することができる。
本発明の第1の実施形態に係る保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムの断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムの断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1には、第1の実施形態に係る保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1aが示される。この保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1aは、透明導電膜積層用フィルム3aと、当該透明導電膜積層用フィルム3aに積層された保護フィルム2とから構成される。本実施形態における透明導電膜積層用フィルム3aは、支持体31と、支持体31の一方の面に積層された第一の機能層32とを備える。保護フィルム2は、基材22と、基材22の一方の面に積層された粘着剤層23と、基材22の他方の面に積層されたコート層21とを備える。ここで、透明導電膜積層用フィルム3aと保護フィルム2とは、透明導電膜積層用フィルム3aにおける支持体31と保護フィルム2における粘着剤層23とが接触するように積層されている。
図2には、第2の実施形態に係る保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1bが示される。この保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1bは、透明導電膜積層用フィルム3bと、当該透明導電膜積層用フィルム3bに積層された保護フィルム2とから構成される。本実施形態における透明導電膜積層用フィルム3bは、支持体31と、支持体31の一方の面に積層された第一の機能層32と、支持体31の他方の面に積層された第二の機能層33とを備える。一方、保護フィルム2は、保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1aの保護フィルム2と同一の構成となっている。ここで、透明導電膜積層用フィルム3bと保護フィルム2とは、透明導電膜積層用フィルム3bにおける第二の機能層33と保護フィルム2における粘着剤層23とが接触するように積層されている。
なお、本実施形態に係る保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1bにおいては、透明導電膜積層用フィルム3a,3bにおける第一の機能層32側の面上に、透明導電膜が製膜されることとなる。図1および図2では、当該面上に形成された、パターン化された透明導電膜4が破線で示されている。
1.物性
保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1bでは、コート層21における基材22とは反対側の面の表面抵抗値が、1.0×1012Ω/cm以下であり、1.0×1011Ω/cm以下であることが好ましく、特に1.0×1010Ω/cm以下であることが好ましい。当該表面抵抗値が1.0×1012Ω/cmを超えると、枚葉化した保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1bを積層した場合に、保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1bにおいて静電気が発生する。この静電気により、コート層21と、それと接触する第一の機能層32とが張り付き、多重取りが生じてしまう。一方、当該表面抵抗値の下限値は特に制約されないが、耐擦傷性や透明性の低下等が生じない材料設計が可能という観点から、1.0×10Ω/cm以上であることが好ましい。なお、表面抵抗値の測定方法は、後述する試験例に示す通りである。
保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1bでは、コート層21における基材22とは反対側の面の表面自由エネルギーが、45mJ/m以下であり、43mJ/m以下であることが好ましく、特に40mJ/m以下であることが好ましい。当該表面自由エネルギーが45mJ/mを超える場合、粘着剤層23の端部から粘着剤(低分子量成分)が染み出し、コート層21表面に移動した場合に、粘着剤がコート層21に付着し易い。そのため、枚葉化した保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1bを積層した際に、コート層21上に付着した粘着剤により、コート層21と、それと接触する第一の機能層32との張り付きが生じ、多重取りが生じる。また、保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1b上に透明導電膜4を製膜した状態で積層した場合においても、コート層21上に付着した粘着剤により、コート層21と、それと接触する透明導電膜4との間の張り付きが生じる。一方、当該表面自由エネルギーの下限値は特に制約されないが、基材22との界面密着性の低下を防止する観点から5mJ/m以上であることが好ましい。なお、表面自由エネルギーの測定方法は、後述する試験例に示す通りである。また、本明細書において、粘着剤層23の端部から染み出した粘着剤がコート層21に付着しにくい性質のことを、糊付着防止性という場合がある。
保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1bでは、コート層21における基材22とは反対側の面の表面自由エネルギーと、第一の機能層32における支持体31とは反対側の面の表面自由エネルギーとの差(絶対値)が、1mJ/m以上であることが好ましく、特に3mJ/m以上であることが好ましく、さらには10mJ/m以上であることが好ましい。また、当該差は、45mJ/m以下であることが好ましく、特に40mJ/m以下であることが好ましく、さらには特に35mJ/m以下であることが好ましい。当該差が上記範囲であることにより、枚葉化した保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1bを積層した場合に、コート層21と、それと接触する第一の機能層32とが張り付きにくくなり、多重取り防止性が効果的に発揮される。また、保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1b上に製膜される透明導電膜4はパターン化されており、第一の機能層32が露出する面積が大きいこと、および、透明導電膜4の厚さが非常に薄いことにより、製膜された透明導電膜4と第一の機能層32との張り付き易さは、第一の機能層32の表面自由エネルギーが影響する。その結果、透明導電膜4が製膜された状態で保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1bを枚葉化し、積層した場合であっても、多重取り防止性が効果的に発揮される。
保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1bでは、コート層21における基材22とは反対側の面および第一の機能層32における支持体31とは反対側の面の少なくとも一方における算術平均粗さRaが、7nm以上であり、10nm以上であることが好ましく、特に15nm以上であることが好ましい。また、当該算術平均粗さRaは、500nm以下であることが好ましく、特に200nm以下であることが好ましく、さらには100nm以下であることが好ましい。当該算術平均粗さRaが7nm未満であると、枚葉化した保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1bを積層した際に、ブロッキングが生じ易くなる。また、当該算術平均粗さRaが500nm以下であることで、第一の機能層32や透明導電膜4の表面の平滑性が良好なものとなり、これらの機能が効果的に発揮される。なお、第一の機能層32における支持体31とは反対側の面上に製膜される透明導電膜4の厚さは非常に薄いため、透明導電膜4における第1の機能層32とは反対側の面における算術平均粗さRaは、第一の機能層32における支持体31とは反対側の面における算術平均粗さRaとほぼ同じ値となる。したがって、透明導電膜4が製膜された状態であっても、保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1bを積層した際の多重取り防止性は効果的に発揮される。また、算術平均粗さRaを制御し易いという観点から、コート層21における基材22とは反対側の面の方が上述した算術平均粗さRaを満たすことが好ましい。算術平均粗さRaの測定方法は、後述する試験例に示す通りである。
2.保護フィルム
(1)コート層
コート層21の材料は、前述した物性を満たすものであれば特に制限されないものの、コート層21は、バインダーと、剥離剤と、帯電防止剤とを含有するコート剤から形成されることが好ましい。
上記バインダーとしては、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、アミド系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、複数種を組み合わせて使用してもよい。また、帯電防止剤または剥離剤が架橋性官能基を有する場合、上記バインダーは、カルボニル基、ヒドロキシ基、アクリル基、ウレタン基、カルボキシ基、エポキシ基、イソシアナト基、アミド基およびイミド基の少なくとも一種の官能基を有することが好ましい。
上記剥離剤としては、シリコーン樹脂系剥離剤、フッ素樹脂系剥離剤、長鎖アルキル基含有化合物系剥離剤、アルキド樹脂系剥離剤、オレフィン樹脂系剥離剤、アクリル系剥離剤、ゴム系剥離剤等の剥離剤が挙げられる。これらの剥離剤は、複数種を組み合わせて使用してもよい。コート剤が剥離剤を含むことにより、得られるコート層21における基材22とは反対側の面の表面自由エネルギーを、前述した範囲に調整し易くなる。
シリコーン樹脂系剥離剤としては、溶剤型および無溶剤型のものがある。溶剤型シリコーン樹脂は、溶剤希釈して塗工液とするため、高分子量・高粘度のポリマーから低粘度の低分子量ポリマー(オリゴマー)まで、幅広く使用することができる。そのため、無溶剤型と比較して、剥離性の制御が容易であり、要求される性能(品質)に合わせた設計がし易い。また、シリコーン樹脂系剥離剤としては、付加反応型、縮合反応型、紫外線硬化型、電子線硬化型等のものがある。付加反応型シリコーン樹脂は、反応性が高く生産性に優れ、縮合反応型と比較すると、製造後の剥離力の変化が小さい、硬化収縮が無い等のメリットがあるため、コート層21を構成する剥離剤として使用することが好ましい。
付加反応型シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、様々なものを用いることができる。例えば、従来の熱硬化付加反応型シリコーン樹脂剥離剤として慣用されているものを用いることができる。この付加反応型シリコーン樹脂としては、例えば、分子中に官能基として、ビニル基等のアルケニル基、ヒドロシリル基などの求電子性基を有するものが、熱硬化が容易な付加反応型シリコーン樹脂として挙げられ、このような官能基を有するポリジメチルシロキサンや、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部または全部をフェニル基等の芳香族官能基に置換したものなどを用いることができる。
フッ素樹脂系剥離剤としては、パーフルオロアルキル基またはフッ素化アルケニル基を主鎖または側鎖に有する化合物等を使用することができる。
長鎖アルキル基含有化合物系剥離剤としては、例えば、ポリビニルアルコール系重合体に炭素数8〜30の長鎖アルキルイソシアネートを反応させて得られたポリビニルカーバメートや、ポリエチレンイミンに炭素数8〜30の長鎖アルキルイソシアネートを反応させて得られたアルキル尿素誘導体などが用いられる。
また、長鎖アルキル基含有化合物系剥離剤としては、炭素数12〜30(好ましくは、炭素数18〜25)の長鎖アルキル鎖を有するアクリル酸エステルとその他のラジカル重合性モノマーとの共重合体を用いてもよい。この場合、当該その他ラジカル重合性モノマーとして、カルボキシル基や水酸基を有するモノマーを共重合させることが好ましい。当該モノマーを共重合することにより、長鎖アルキル基含有化合物系剥離剤と前述のバインダーの対応する官能基との間で架橋構造が形成され、当該剥離剤のコート層21から外部への移行を防止することができる。なお、当該共重合体を構成するモノマーに対する長鎖アルキル鎖を有するアクリル酸エステルの割合は、40〜95質量%であることが好ましく、特に50〜90質量%であることが好ましく、さらには60〜80質量%であることが好ましい。
剥離剤のコート剤中における配合量は、バインダー100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、特に10質量部以上であることが好ましく、さらには15質量部以上であることが好ましい。また、剥離剤のコート剤中における配合量は、バインダー100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、特に40質量部以下であることが好ましく、さらには30質量部以下であることが好ましい。剥離剤が上記範囲で配合されることにより、得られるコート層21における基材22とは反対側の面における表面自由エネルギーを前述の範囲に調整し易くなる。
上記帯電防止剤としては、導電性ポリマー、界面活性剤、導電性微粒子等が挙げられる。これらの化合物は、複数種を組み合わせて使用してもよい。コート剤が帯電防止剤を含むことにより、得られるコート層21における基材22とは反対側の面の表面抵抗値を、前述した範囲に調整し易くなる。なお、コート層21における基材22とは反対側の面を、有機溶剤を含んだウエス等で拭き取ったときに、コート層21が除去されにくいという観点から、帯電防止剤としては、分子量が比較的大きいものを使用することが好ましく、特に導電性ポリマーを使用することが好ましい。
導電性ポリマーとしては、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)等のポリチオフェン類、ポリスチレンスルホネート、ポリビニルスルホネート、ポリアクリルスルホネート等のスルホン酸基を有する高分子、ポリアセチレン、ポリアニリン等が挙げられる。界面活性剤としては、脂肪酸ナトリウム、モノアルキル硫酸塩等の陰イオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤;アルキルアミノ脂肪酸ナトリウム等の両イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルモノグリセリルエーテル等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。導電性微粒子としては、酸化スズ、酸化インジウム、銀、カーボンブラック、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
帯電防止剤のコート剤中における配合量は、バインダー100質量部に対して、1質量部以上であることが好ましく、特に5質量部以上であることが好ましく、さらには10質量部以上であることが好ましい。また、帯電防止剤のコート剤中における配合量は、バインダー100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、特に40質量部以下であることが好ましく、さらには20質量部以下であることが好ましい。帯電防止剤が上記範囲で配合されることにより、得られるコート層21における基材22とは反対側の面における表面抵抗値を前述の範囲に調整し易くなる。
上記コート剤は、必要に応じて、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、有機粒子、無機粒子等の添加剤を含んでもよい。
保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1bでは、コート層21の厚さが、5nm以上であることが好ましく、特に10nm以上であることが好ましく、さらには15nm以上であることが好ましい。また、当該厚さは、1,000nm以下であることが好ましく、特に100nm以下であることが好ましく、さらには50nm以下であることが好ましい。コート層21の厚さが上記範囲であることで、表面抵抗値および表面自由エネルギーを前述した範囲に設定し易い。また、一般的に、透明導電性材料を結晶化する目的で、保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムを加熱した場合、保護フィルムの基材中に存在するオリゴマーの、基材外部への移動が生じ易い。特に、当該基材が保護フィルム表面に露出している場合には、当該基材におけるその露出した表面にオリゴマーが析出し易い。このようなオリゴマーの析出が生じると、外観不良となるだけでなく、装置を汚染したり、透明導電性フィルム等の目視による検品に支障をきたす。しかしながら、保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1bでは、上述の厚さを有するコート層21が基材22に積層されていることで、このようなオリゴマーの析出を効果的に抑制することができる(以下、オリゴマーの析出を抑制する性質を「オリゴマーブロック性」という場合がある。)。
(2)基材
基材22の材料としては、上述した物性を達成できる限り、特に限定されない。基材22の具体的な材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、液晶ポリマーフィルム等が挙げられる。これらのフィルムは、単層であってもよいし、同種または異種の複数層を積層したフィルムであってもよい。上記の中でも、透明導電膜を結晶化するときの加熱条件に耐え得る耐熱性を有するものが好ましく、かかる材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー等の樹脂からなるプラスチックフィルムが挙げられ、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
一般的に、コート層21は非常に薄い厚さで設けられることに起因して、コート層21における基材22とは反対側の面の算術平均粗さRaは、基材22におけるコート層21側の面の算術平均粗さRaを反映したものとなり易い。そのため、基材22の材料としては、コート層21における基材22とは反対側の面の算術平均粗さRaを上述した範囲に調整し易いものを使用することが好ましい。また、前述の算術平均粗さRaを達成するために、基材22の材料に対してフィラーを添加してもよい。
なお、基材22の材料には、フィラーの他、耐熱性向上剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有していてもよい。
上記基材22においては、コート層21や粘着剤層23との密着性を向上させる目的で、あるいは、所望の算術平均粗さRaを達成する目的で、酸化法や凹凸化法などによる表面処理、あるいはプライマー処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ放電処理、クロム酸化処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン、紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶射処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は、基材フィルムの種類に応じて適宜選ばれる。
基材22の厚さは、作業性、コスト等の観点から適宜設定することが可能であり、例えば、50μm以上であることが好ましく、特に75μm以上であることが好ましく、さらには100μm以上であることが好ましい。また、基材22の厚さは、200μm以下であることが好ましく、特に150μm以下であることが好ましく、さらには135μm以下であることが好ましい。
(3)粘着剤層
粘着剤層23の材料としては、上述した物性を達成できる限り、特に限定されず、透明導電膜積層用フィルムのための保護フィルムに一般的に使用される粘着剤または粘着シートを用いて形成することができる。粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリビニルエーテル系粘着剤等が挙げられるが、中でもアクリル系粘着剤が好ましい。粘着剤は、活性エネルギー線硬化性であってもよく、または、非活性エネルギー線硬化性であってもよい。
粘着剤層23の厚さは、保護フィルム2の透明導電膜積層用フィルム3a,3bに対する粘着力、作業性、コスト等の観点から適宜設定することが可能であり、例えば、1μm以上であることが好ましく、特に5μm以上であることが好ましく、さらには10μm以上であることが好ましい。また、粘着剤層23の厚さは、500μm以下であることが好ましく、特に100μm以下であることが好ましく、さらには30μm以下であることが好ましい。
(4)保護フィルムの製造方法
保護フィルム2は、基材22の一方の面にコート層21を設け、基材22の他方の面に粘着剤層23を設けることで製造することができる。コート層21と粘着剤層23とを設ける順序については制限されず、どちらを先に設けてもよいが、通常、コート層21が先に設けられる。
コート層21は、一般的な方法により基材22の一方の面に設けることができる。特に、コート層21を前述したコート剤を使用して設ける場合、まず、バインダーと、剥離剤と、帯電防止剤と、所望によりその他の添加剤とを希釈溶媒中に希釈することで、コート剤を調製する。希釈溶媒としては、使用する材料により、有機溶剤、水等を適宜選択して使用できる。次いで、調製したコート剤を基材22の一方の面に塗布し、塗膜を形成する。最後に、必要に応じて加熱、乾燥等を行うことで、塗膜を硬化させて、コート層21が得られる。
粘着剤層23は、一般的な方法により、基材22における他方の面(コート層21を設けた面とは反対の面、またはコート層21を設けようとする面とは反対の面)に設けることができる。例えば、前述した粘着剤を形成するための粘着性組成物と、所望により希釈溶媒とを含む塗布液を、剥離シートの剥離面上に塗布し、その塗布層を硬化させることで、剥離シートと粘着剤層23との積層体が得られる。粘着剤が活性エネルギー線硬化性である場合には、活性エネルギー線を照射することで硬化させてもよい。続いて、当該積層体の粘着剤層23における剥離シートとは反対側の面を、基材22における他方の面に貼付することで、基材22の当該面に対して粘着剤層23を設けることができる。
コート剤および粘着性組成物の塗布液を塗布する方法としては、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等を利用することができる。
3.透明導電膜積層用フィルム
(1)支持体
支持体31としては、従来の光学用基材として公知の材料の中から透明性を有するものを適宜選択して用いることができる。特に、支持体31としては、透明性を有するプラスチックフィルムを使用することが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム等のプラスチックフィルム、またはそれらの積層フィルムが挙げられる。
上記の中でも、タッチパネル等に好適な強度を有することから、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム等が好ましい。これらの中でも、透明性や厚み精度等の観点から、ポリエステルフィルムが特に好ましく、その中でもポリエチレンテレフタレートフィルムがさらに好ましい。
支持体31は、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、前述した保護フィルム2の基材22と同様の表面処理を施すことができる。
支持体31の厚さは特に制限はないが、15μm以上であることが好ましく、特に30μm以上であることが好ましい。また、当該厚さは、300μm以下であることが好ましく、特に250μm以下であることが好ましい。
(2)機能層
第一の機能層32としては、透明導電性フィルムに所望の機能を付与する層を適宜選択して使用することができる。特に、第一の機能層32は、光学調整層であることが好ましい。光学調整層としては、インデックスマッチング層、ハードコート層、インデックスマッチング層とハードコート層とが積層されてなる層等が挙げられる。
上記インデックスマッチング層とは、透明導電膜積層用フィルム3a,3bに形成される透明導電膜4のパターンを見難くするための層である。得られる透明導電性フィルムを使用するタッチパネル等に使用する場合には、その視認性を向上させることができる。このインデックスマッチング層は、例えば、高屈折率層と低屈折率層とを組み合わせることにより構成される。これらの層の材料は、特に限定されず、一般的なインデックスマッチング層の材料を使用することができる。
インデックスマッチング層の厚さは、特に制限はなく、0.03μm以上であることが好ましく、特に0.05μm以上であることが好ましい。また、当該厚さは、3μm以下であることが好ましく、特に1μm以下であることが好ましく、さらには0.5μm以下であることが好ましい。
上記ハードコート層の材料としては、特に限定されず、従来公知の材料を使用することができる。例えば、ハードコート層は、エネルギー線硬化型化合物を含有する材料を使用して形成することが好ましい。エネルギー線硬化型化合物としては、例えば、アクリル系モノマーまたはオリゴマーが挙げられ、具体的には、多官能(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ハードコート層の厚さは特に制限はなく、1μm以上であることが好ましく、特に2μm以上であることが好ましい。また、当該厚さは、20μm以下であることが好ましく、特に10μm以下であることが好ましい。
保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1bに含まれる第二の機能層33としては、第一の機能層32と同様に、透明導電性フィルムに所望の機能を付与する層を適宜選択して使用することができる。特に、第二の機能層33は、光学調整層であることが好ましく、光学調整層としては、上述したようなインデックスマッチング層、ハードコート層、インデックスマッチング層とハードコート層とが積層されてなる層等が挙げられる。
なお、保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1bでは、第一の機能層32と第二の機能層33とが、同種の機能を有する層であってもよく、または異種の機能を有する層であってもよい。特に、得られる透明導電性フィルムが所望の性能を発揮し易いという観点から、第一の機能層32がインデックスマッチング層、またはインデックスマッチング層とハードコート層とが積層されてなる層であり、第二の機能層33がハードコート層であることが好ましい。
(3)透明導電膜積層用フィルムの製造方法
透明導電膜積層用フィルム3a,3bは公知の方法によって製造することができる。透明導電膜積層用フィルム3aは、支持体31の一方の面に第一の機能層32を形成することで製造することができる。また、透明導電膜積層用フィルム3bは、支持体31の一方の面に第一の機能層32を形成し、支持体31の他方の面に第二の機能層33を形成することで、製造することができる。このとき、第一の機能層32および第二の機能層33のどちらを先に製造してもよい。
4.透明導電性フィルムの製造方法
保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1bを使用して、透明導電性フィルムを製造することができる。透明導電性フィルムを製造する方法としては、以下の第一の製造方法および第二の製造方法が例示される。
第一の製造方法では、まず、透明導電膜積層用フィルム3a,3bと保護フィルム2とを貼合する。このとき、透明導電膜積層用フィルム3aを使用する場合には、その支持体31における第一の機能層32とは反対側の面と、保護フィルム2の粘着剤層23における基材22とは反対側の面とを貼合する。また、透明導電膜積層用フィルム3bを使用する場合には、その第二の機能層33における第一の機能層32とは反対側の面と、保護フィルム2の粘着剤層23における基材22とは反対側の面とを貼合する。これにより、保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1bを得る。この貼合は、ロール・トゥ・ロールで行ってもよい。
次に、第一の機能層32における支持体31とは反対側の面上に、透明導電性材料を含む層を製膜する。透明導電性材料としては、透明性と導電性とを併せ持つ材料であれば特に制限なく使用でき、例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化イリジウム(IrO)、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、酸化モリブデン(MoO)、酸化チタン(TiO)等の透明導電性金属酸化物が挙げられる。また、製膜の方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法等が挙げられる。なお、上記貼合の工程をロール・トゥ・ロールで行った場合には、製膜の工程についてもロール・トゥ・ロールで行うことができる。
次に、保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1bを、製膜された透明導電性材料を含む層とともに、所定の大きさに裁断する。特に、上述の貼合する工程および製膜する工程がロール・トゥ・ロールで行われた場合には、保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1bをロールから繰り出しながら、所定の大きさに連続的に裁断する。続いて、裁断された保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1bを積層することで、当該フィルムの積層物を得る。
次に、裁断された保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1b上において、製膜された透明導電性材料を含む層を加熱する。これにより、透明導電性材料を結晶化し、透明導電膜を形成する。加熱温度は、100℃以上であることが好ましく、特に130℃以上であることが好ましい。また、加熱温度は、180℃以下であることが好ましく、特に150℃以下であることが好ましい。なお、この工程は、上述した積層物の状態で行ってもよい。
最後に、保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1b上において、形成された透明導電膜をパターニングする。パターニングは、フォトリソグラフィーおよびエッチング等によって行うことができる。これにより、透明導電性フィルムが得られる。得られた透明導電性フィルムは、保護フィルム2を除去した後に、静電容量方式のタッチパネル等の製造に使用することができる。
第二の製造方法では、まず、透明導電膜積層用フィルム3a,3bの第一の機能層32における支持体31とは反対側の面上に、透明導電性材料を含む層を製膜する。このときの透明導電性材料は、上述した材料を使用することができ、また、製膜の方法としては、上述した方法を行うことができる。なお、この製膜は、ロール・トゥ・ロールで行ってもよい。
次に、透明導電膜積層用フィルム3a,3bにおける、透明導電性材料を含む層を製膜していない側の面と、保護フィルム2の粘着剤層23における基材22とは反対側の面とを貼合する。これにより、透明導電性材料を含む層が積層された状態の保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1bを得る。上記製膜の工程をロール・トゥ・ロールで行った場合には、貼合の工程についてもロール・トゥ・ロールで行うことができる。
その後、製膜された透明導電性材料を含む層とともに、保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1bを所定の大きさに裁断する工程、製膜された透明導電性材料を含む層を結晶化する工程、および形成された透明導電膜をパターニングする工程を順に行う。これらの工程は、第一の製造方法と同様に行うことができる。以上により、透明導電性フィルムが得られる。
なお、裁断する工程は、上述した方法とは異なる段階で行うこともできる。例えば、第一の製造方法において、透明導電膜積層用フィルム3a,3bと保護フィルム2とを貼合する工程と、透明導電性材料を含む層を製膜する工程との間に裁断することができる。また、第一または第二の製造方法において、透明導電性材料を含む層を結晶化する工程と、形成された透明導電膜をパターニングする工程との間に裁断することができる。さらに、第一または第二の製造方法において、形成された透明導電膜をパターニングする工程の後に裁断することができる。また、結晶化する工程は、パターニングする工程の後に行うこともできる。
保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1bは、優れた多重取り防止性を有する。そのため、保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム1a,1bの積層物からフィルムを一枚ずつ取り出す際に、フィルム同士が張り付くことがなく、容易に一枚だけ取り出すことができる。これにより、効率良く透明導電性フィルムを製造することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、保護フィルム2における基材22と粘着剤層23との間には、他の層が介在していてもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
1.粘着性組成物の塗布液の調整
アクリル酸2−エチルヘキシル20質量部(固形分換算;以下同じ)、アクリル酸ブチル75質量部およびアクリル酸4−ヒドロキシブチル5質量部を共重合させて、アクリル酸エステル共重合体を調製した。このアクリル酸エステル共重合体の分子量を後述する方法で測定したところ、重量平均分子量(Mw)20万であった。
上記アクリル酸エステル共重合体100質量部と、架橋剤としてのヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート(日本ポリウレタン社製,商品名「コロネートHX」)6質量部と、希釈溶剤としてのメチルエチルケトンとを均一に混合し、固形分濃度約28質量%の粘着性組成物の塗布液を調製した。
ここで、前述した重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定(GPC測定)したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
<測定条件>
・GPC測定装置:東ソー社製,HLC−8020
・GPCカラム(以下の順に通過):東ソー社製
TSK guard column HXL−H
TSK gel GMHXL(×2)
TSK gel G2000HXL
・測定溶媒:テトラヒドロフラン
・測定温度:40℃
2.コート剤の調整
バインダーとしてのエポキシ系樹脂(大日本インキ化学工業社製,製品名「CR−5L」;エポキシ当量180;水溶率100%)100質量部と、剥離剤としての、メタクリル酸ドコシル65質量%、メタクリル酸25質量%および2−ヒドロキシエチルメタクリレート10質量%を構成単位として用いて共重合させて得た長鎖アルキル基含有化合物系剥離剤20質量部と、帯電防止剤としてのポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホネートの複合体(エイチ・シー・スタルク社製,製品名「Baytron P」)10質量部とを水溶液中にて均一に混合し、コート剤を調製した。
3.保護フィルムの製造
厚さ38μmの長尺のPETフィルムの片面にシリコーン系の剥離剤層が形成されてなる剥離シート(リンテック社製,製品名「SP−PET381031」)の剥離面上に、工程1において調製した粘着性組成物の塗布液をコンマコーターによって塗布し、塗布層を90℃のオーブンで1分間乾燥させて、厚さ20μmの粘着剤層を形成した。これにより、剥離シート上に粘着剤層が形成されてなる第一の積層体を得た。
また、基材としての長尺のポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製,製品名「ダイアホイルT100」,厚さ:125μm)の一方の面上に、工程2において調製したコート剤をマイヤーバーによって塗布し、塗布層を130℃で2分間乾燥させ、厚さ30nmのコート層を形成した。これにより、基材上にコート層が形成されてなる第二の積層体を得た。
その後、上記第一の積層体の粘着剤層における剥離シートとは反対側の面と、上記第二の積層体の基材におけるコート層とは反対側の面とを貼合し、ロール状に巻き取った。続いて、23℃、50%RHの環境下で7日間シーズニングすることにより、剥離シートと粘着剤層と基材とコート層とが順に積層されてなる剥離シート付きの保護フィルムを得た。
4.保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムの製造
上記工程3で得られた保護フィルムから剥離シートを剥離した。そして、透明導電膜積層用フィルムとしての、一方の面にハードコート層を有し、他方の面にハードコート層と当該ハードコート層上に積層されたインデックスマッチング層とを有する長尺の透明導電膜積層用フィルムF1(リンテック社製,製品名「OPTERIA HM540−50」,厚さ:50μm)のハードコート層側の面に対し、上記保護フィルムの露出面を貼付した。これを巻き取って、ロール状の保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムを得た。
〔実施例2〕
コート層の厚さを60nmに変更した以外は、実施例1と同様にして、ロール状の保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムを製造した。
〔実施例3〕
透明導電膜積層用フィルムとして、一方の面にハードコート層を有し、他方の面にハードコート層と当該ハードコート層上に積層されたインデックスマッチング層とを有する長尺の透明導電膜積層用フィルムF2(リンテック社製,製品名「OPTERIA HM535−50」,厚さ:50μm)を使用した以外、実施例1と同様にしてロール状の保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムを製造した。
〔比較例1〕
ヘキセニル基を備えたオルガノポリシロキサンおよびヒドロシリル基を備えたオルガノポリシロキサンを含有するシリコーン樹脂溶液(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製,製品名「LTC−750A」)30質量部と、ビニル基を備えたMQレジン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製,製品名「SD7292」)30質量部とを、トルエン溶媒中にて均一に混合し、固形分濃度が2.0質量%の溶液を得た。この溶液に白金系触媒(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製,製品名「SRX−212」)3質量部を添加し、コート剤付加反応型シリコーン樹脂組成物の溶液を得た。
得られた付加反応型シリコーン樹脂組成物の溶液を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製,製品名「ダイアホイルT100」;厚さ125μm)の一方の面上に、マイヤーバーを用いて塗布し、塗布層を100℃で30秒間加熱乾燥させることにより上記組成物を硬化させて、厚さ25nmのコート層を形成した。これにより、基材上にコート層が形成されてなる第二の積層体を得た。当該第二の積層体を使用した以外、実施例1と同様にしてロール状の保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムを製造した。
〔比較例2〕
第二の積層体の基材として、片面に易接着層を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製,製品名「コスモシャインA4100」,厚さ:125μm)を使用するとともに、コート層を設けないことにより第二の積層体を作製し、当該第二の積層体の易接着層側の面と第一の積層体の粘着剤層側の面とを貼合した以外、実施例1と同様にしてロール状の保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムを製造した。
〔比較例3〕
コート剤のバインダーとしてシロキサン樹脂(コルコート社製,製品名「コルコートN−103X」)を使用した以外、実施例1と同様にしてロール状の保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムを製造した。
〔比較例4〕
コート層の厚さを60nmに変更した以外、実施例3と同様にしてロール状の保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムを製造した。
〔試験例1〕(表面抵抗値の測定)
実施例および比較例で製造したロール状の保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムを裁断して得た試験用サンプルを、標準環境下(23℃,50%RH)にて24時間保管した。その後、保護フィルムのコート層における基材とは反対側の面について、抵抗率計(三菱化学アナリテック社製,ハイレスタUP MCP−HT450型)を使用して、印加電圧100Vで表面抵抗値(Ω/cm)を測定した。結果を表1に示す。
〔試験例2〕(表面自由エネルギーの測定)
実施例および比較例で製造したロール状の保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムを裁断して得た試験用サンプルについて、コート層における基材とは反対側の面、および第一の機能層における支持体とは反対側の面に対する各種液滴の接触角をそれぞれ測定した。それらの値をもとに北崎・畑理論により、それぞれの面における表面自由エネルギー(mJ/m)を求めた。接触角は、接触角計(協和界面科学社製,製品名「DM−701」)を使用し、静滴法によってJIS R3257:1999に準じて測定した。液滴については、「分散成分」としてジヨードメタン、「双極子成分」として1−ブロモナフタレン、「水素結合成分」として蒸留水を使用した。結果を表1に示す。
〔試験例3〕(算術平均粗さRaの測定)
実施例および比較例で製造したロール状の保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムを裁断して得た試験用サンプルについて、以下のようにして、コート層における基材とは反対側の面、および第一の機能層における支持体とは反対側の面における算術平均粗さRaをそれぞれ測定した。まず、測定する側の面とは反対の面がガラス板側となるように、両面テープを介してガラス板に固定した。次に、測定する面における算術平均粗さRa(nm)を、表面粗さ測定機(ミツトヨ社製,製品名「rSV−3000S4」,触針式)を使用し、JIS B0601:2013に準拠して測定した。結果を表1に示す。
〔試験例4〕(多重取り防止性の評価)
実施例および比較例で製造した、ロール状の保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムを繰り出しながら連続して裁断し、繰り出し方向の長さ40cm、幅50cmの保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムを30枚得た。次に、それらの保護フィルムにおけるコート層21側の面を、イソプロピルアルコールを含浸させたウエス(旭化成せんい社製,製品名「ベンコットS−2」)を用いて125g/cm荷重、10往復、速度10mm/sの条件で拭き取った。拭き取り後の保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムについて、保護フィルムのコート層21側の面と、透明導電膜積層用フィルムの第一の機能層32側の面とが接触するように重ねることで、30枚の保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムが積層してなる積層物を得た。
得られた積層物から5分間で30枚全てのサンプルを手作業にて1枚ずつ取り出す試験を、3名の試験者がそれぞれ行い、2枚以上同時に取り出してしまう多重取りが生じた回数を計測した。さらに、3名の試験結果から平均値を算出し、次の基準に基づいて多重取り防止性を評価した。結果を表1に示す。
◎:多重取りの平均回数が0回であった。
○:多重取りの平均回数が1〜2回であった。
△:多重取りの平均回数が3〜5回であった。
×:多重取りの平均回数が6回以上であった。
〔試験例5〕(糊付着防止性の評価)
アクリル系粘着剤層を2枚の剥離シートで挟んでなる粘着フィルム(リンテック社製,製品面「OPTERIA MO−3006C」)を0.5cm×1.0cmに裁断し、一方の剥離シートを剥離した。露出した粘着剤層を、実施例および比較例で製造したロール状の保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムを裁断して得た試験用サンプルにおける、コート層の基材とは反対側の面に貼付した。次に、粘着フィルムから他方の剥離シートを剥離した後、保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム上に残った粘着剤層を、イソプロピルアルコールを含浸させたウエス(旭化成せんい社製,製品名「ベンコットS−2」)を用いて、125g/cm荷重、10往復、速度10mm/sの条件で拭き取り処理を行った。
拭き取り処理後の粘着剤の状態を観察し、次の基準に基づいて糊付着防止性を評価した。
○:粘着剤が残っていなかった。
×:拭き残した粘着剤が存在した。
〔試験例6〕(オリゴマーブロック性の評価)
実施例および比較例で製造したロール状の保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムを裁断して得た試験用サンプルについて、保護フィルム側の面を下にした状態で、恒温槽に150℃,60分間加熱した後、標準環境下(23℃,50%RH)に60分間放置し、冷却した。その後、保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムの外観を観察し、次の基準に基づいてオリゴマーブロック性を評価した。
○:外観の変化がなかった。
×:白化が生じた。
Figure 0006851721
表1から明らかなように、実施例1〜3で作製した保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムは、優れた多重取り防止性を示した。この結果と対応して、これらの保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムは優れた糊付着防止性を示した。また、これらの保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムは、優れたオリゴマーブロック性を示した。
本発明に係る保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムは、透明導電性フィルムの効率の良い製造に好適である。
1a,1b…保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム
2…保護フィルム
21…コート層
22…基材
23…粘着剤層
3a,3b…透明導電膜積層用フィルム
31…支持体
32…第一の機能層
33…第二の機能層
4…透明導電膜

Claims (6)

  1. 透明導電膜積層用フィルムと、前記透明導電膜積層用フィルムにおける透明導電膜が積層されない側の面に貼付された保護フィルムとを備える保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムであって、
    前記透明導電膜積層用フィルムが、支持体と、前記支持体における前記保護フィルムとは反対側の面に積層された第一の機能層とを備え、
    前記保護フィルムが、基材と、前記基材における前記透明導電膜積層用フィルム側の面に積層された粘着剤層と、前記基材における前記粘着剤層とは反対側の面に積層されたコート層とを備え、
    前記コート層における前記基材とは反対側の面の表面抵抗値が、1.0×1012Ω/cm以下であり、
    前記コート層における前記基材とは反対側の面の表面自由エネルギーが、5mJ/m 以上、45mJ/m以下であり、
    前記コート層における前記基材とは反対側の面および前記第一の機能層における前記支持体とは反対側の面の少なくとも一方における算術平均粗さRaが、7nm以上、500nm以下である
    ことを特徴とする保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム。
  2. 前記コート層における前記基材とは反対側の面の表面自由エネルギーと、前記第一の機能層における前記支持体とは反対側の面の表面自由エネルギーとの差の絶対値が、1mJ/m 以上、45mJ/m 以下であることを特徴とする請求項1に記載の保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム。
  3. 前記コート層が、バインダーと、剥離剤と、帯電防止剤とを含有するコート剤から形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム。
  4. 前記第一の機能層が、光学調整層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム。
  5. 前記透明導電膜積層用フィルムが、前記支持体における前記第一の機能層とは反対側の面に積層された第二の機能層をさらに備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルム。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムにおける前記保護フィルムとは反対側の面上に、透明導電性材料を含む層を製膜する工程、
    前記保護フィルム付き透明導電膜積層用フィルムを、前記製膜された透明導電性材料を含む層とともに、所定の大きさに裁断する工程、
    前記製膜された透明導電性材料を含む層を結晶化し、透明導電膜とする工程、および
    前記透明導電膜をパターニングする工程
    を含むことを特徴とする透明導電性フィルムの製造方法。
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