JP2007304425A - 偏光板用表面保護フィルム及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】種々の機能表面を有する偏光板用の表面保護フィルムであって、偏光板における表面の機能付与の違いにより、粘着剤をその都度開発、選定することなく、使用できる汎用性のある偏光板用表面保護フィルムを提供する。
【解決手段】基材フィルム(A)と、基材フィルムの一方の面に積層された機能層(B)と、機能層の積層された面とは反対側の基材フィルムの面に積層された微粘着層(C)と、所望に応じて微粘着層上に積層される剥離可能な離型フィルム(D)とから構成される偏光板用表面保護フィルムにおいて、微粘着層(C)は、偏光板上に貼付されたとき、初期値で0.03〜0.20N/25mmの粘着力を有し、かつ、50〜70℃の温度、2〜7atmの圧力、5〜60分の時間で行われるオートクレーブ処理後においても、初期値からの粘着力の変化が±10%以下であることを特徴とする偏光板用表面保護フィルムなどを提供した。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光板用表面保護フィルム及びその用途に関し、さらに詳しくは、被着体である偏光板表面の機能付与の有無、種類にかかわらず、表面保護フィルムの粘着剤や粘着力をその都度選定、変更することなく、1種類の粘着剤またはフィルムにより、それらの偏光板に容易に対応できる、汎用性のある偏光板用表面保護フィルム及びその用途に関する。
尚、本発明でいう偏光板用表面保護フィルムには、偏光板用表面保護粘着フィルム、偏光板用表面保護(粘着)シートや偏光板用表面保護(粘着)テープも包含される。
電卓、携帯電話、ノートパソコン、ナビゲータ、大型液晶テレビ等には、液晶ディスプレイ(LCD)が使用されている。このLCDの表示原理は、微弱な電気信号を、透明電極の間に挟み込まれた液晶材料に与え、光学的な歪を作り、その歪を、偏光板を通すことで可視化する。すなわち、偏光板は、液晶ディスプレイにとって、重要、不可欠な光学部材(又は光学フィルム)であるといえる。
その偏光板には、液晶ディスプレイ(LCD)の高度な表示要求に対応して、その表面がトリアセチルセルロース(又はセルローストリアセテート)(TAC)そのものの品種(プレーン)から、AR(anti reflection:反射防止性)、RL(low reflection:低反射性)、AG(anti glare:防眩性)などの機能付与するために、機能付与処理した種々の偏光板がある。
偏光板には、製造工程、シートの裁断工程等の加工工程、及び運搬等の工程等において、偏光板の表面の傷付き、異物付着等の防止のために、表面保護粘着フィルムが貼合わされている。
この表面保護粘着フィルムとしては、種々の機能を付与した偏光板の表面状態が異なるため、偏光板の表面の違いにより、使用する表面保護フィルム、テープ又はシートの粘着剤種及び粘着力を、それぞれの表面状態に合わせて選定し、偏光板の機能処理に最も適した保護フィルムあるいはシートを使用している。
上記の表面保護粘着フィルムは、一般に、基材フィルムの片面に、帯電防止層あるいは帯電防止層と防汚層とを設け、その対面に、粘着層を設けた構成、すなわち、帯電防止層/基材フィルム/粘着層、或いは帯電防止層+防汚層/基材フィルム/粘着層の構成を有する。尚、粘着層には、通常、離型フィルムが被覆される。
ここで、前記表面保護粘着フィルムの粘着層は、光学フィルムの表面に貼り付けるための層であり、表面保護の目的を達成した後、剥離除去されるものなので、容易に剥がせ、しかも光学フィルムの表面汚染等が発生しないように、なされている。
このように偏光板の表面保護に有用な機能を発する表面保護粘着フィルムであるが、従来から、表面保護フィルムとして、種々のものが提案されている。
例えば、表面保護フィルムの粘着剤として、ジエンゴムを主成分とするゴム系粘着剤が大半を占めているが、構造中に不飽和二重結合を含んでいるため、耐候性や耐熱性に劣るという問題点を有し、また、基材フィルムに対する接着性が弱く、基材と粘着剤層間で剥離してしまうものがあるという問題点を有しているため、酸変性ポリスチレン系エラストマーと粘着付与剤とエポキシ樹脂とを含有する粘着剤を塗工した保護フィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、偏光板等の物品の光学シート用に用いられる表面保護フィルムにおける基材の一側面に、酸変性ポリスチレン系熱可塑性エラストマーと、ポリスチレン系熱可塑性エラストマーと、架橋剤を有する粘着剤組成物からなる粘着剤層とを設けたことを特徴とする表面保護フィルムが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、ポリエステルフィルムの片側に防汚処理層、その反対側に粘着剤層が設けられている光学用表面保護フィルムであって、ポリエステルフィルムは、表面処理が施されていないものであり、ポリエステルフィルムと粘着剤層との間に、帯電防止剤およびポリエステル系バインダーを含有する材料により形成された帯電防止層が設けられており、粘着剤層が、官能基として酸を含むアクリル系ポリマー並びにエポキシ系架橋剤およびイソシアネート系架橋剤を含有するアクリル系粘着剤により形成されていることを特徴とする光学用、特に偏光板用表面保護フィルムが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
またさらに、ポリエステルフィルムとその少なくとも片面に設けられた帯電防止層とからなる帯電防止フィルム、帯電防止フィルムの片側に設けられた汚れ防止層、および汚れ防止層の反対側に設けられた粘着層からなる表面保護フィルムであって、汚れ防止層がアルキッド樹脂、アクリル樹脂およびメラミン樹脂で変性した変性シリコーン樹脂からなることを特徴とする表面保護フィルムが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
しかしながら、上記の提案にもかかわらず、次のような課題があるといわれている。
すなわち、近年の液晶ディスプレイ(LCD)の高度な要求に対し、種々付加機能の追加、改善がなされた種々の偏光板が開発、発売されるため、つまり、表面保護フィルム又はテープを貼る偏光板表面の組成、形状が個々異なるため、その都度偏光板の表面に合わせた表面保護フィルム用粘着剤やフィルムの開発、選定が必要となり、結果的に、一品一様の表面保護フィルムが必要になり、発注、在庫管理の煩雑さが生じ、管理上の問題が発生する場合が有る。
したがって、表面保護フィルムの被着体となる偏光板表面の組成、形状が異なっても、その都度粘着層を変更することなく、種々の偏光板表面に対応できる、汎用性のある表面保護フィルムが強く要望されている。
特開平5−186747号公報 特開2005−290277号公報 特開2005−200607号公報 特開2005−066919号公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、種々の機能表面を有する偏光板用の表面保護フィルムであって、偏光板における表面の機能付与の違いにより、粘着剤をその都度開発、選定することなく、使用できる汎用性のある偏光板用表面保護フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、プラスチックフィルムからなる基材フィルム(A)と基材フィルム(A)の一方の面に積層された機能層(B)と基材フィルム(A)の機能層(B)が積層された面の反対面に積層された微粘着層(C)とから構成される偏光板用表面保護フィルムにおいて、微粘着層(C)が2−エチルヘキシルアクリレートを粘着剤の主要構成物質とし、また、添加剤としてシランカップリング剤を用い、さらに、粘着剤の基材として、ガラス転移温度(Tg)及び分子量を設計して、特定の粘着特性を有することにより、上記課題が達成されることを見出した。本発明は、こうした知見に基づいて、さらに検討を重ね、完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、基材フィルム(A)と、基材フィルム(A)の一方の面に積層された機能層(B)と、機能層(B)の積層された面とは反対側の基材フィルム(A)の面に積層された微粘着層(C)と、所望に応じて微粘着層(C)上に積層される剥離可能な離型フィルム(D)とから構成される偏光板用表面保護フィルムにおいて、微粘着層(C)は、偏光板上に貼付されたとき、初期値で0.03〜0.20N/25mmの粘着力を有し、かつ、50〜70℃の温度、2〜7atmの圧力、5〜60分の時間で行われるオートクレーブ処理後においても、初期値からの粘着力の変化が±10%以下であることを特徴とする偏光板用表面保護フィルムが提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記微粘着層(C)を形成する粘着剤は、主要原料成分が2−エチルヘキシルアクリレートからなり、かつ、シランカップリング剤を添加剤として用いることを特徴とする偏光板用表面保護フィルムが提供される。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第2の発明において、前記粘着剤中における2−エチルヘキシルアクリレートの含有割合は、粘着剤100重量部に対して80〜99.5重量部であり、かつ、シランカップリング剤の含有割合は、粘着剤100重量部に対して0.05〜10重量部であることを特徴とする偏光板用表面保護フィルムが提供される。
本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、前記微粘着層(C)を形成する粘着剤は、架橋前における粘着剤樹脂基材の示差走査熱量計(DSC)によるガラス転移温度(Tg)が−30〜−60℃の範囲であり、GPCによるポリスチレン換算の分子量(Mw)が30万以上であることを特徴とする偏光板用表面保護フィルムが提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、前記基材フィルム(A)は、ポリエステルフィルムであることを特徴とする偏光板用表面保護フィルムが提供される。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第1の発明において、前記機能層(B)は、帯電防止性及び/又は防汚性を有することを特徴とする偏光板用表面保護フィルムが提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明において、保護する偏光板の表面に付与された機能によって粘着剤の種類及び/又は粘着力を変更することなく、一つの粘着剤種にて対応できる汎用性があることを特徴とする偏光板用表面保護フィルムが提供される。
さらに、本発明の第8の発明によれば、第7の発明において、前記微粘着層(C)は、汎用(プレーン)偏光板、防眩(AG)機能付き偏光板及び反射防止(AR)機能付き偏光板の表面状態が異なる偏光板に対して、一つの粘着剤種にて対応できる汎用性があることを特徴とする偏光板用表面保護フィルムが提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第1〜8のいずれかの発明に係る偏光板用表面保護フィルムが、偏光板に貼付されていることを特徴とする表面保護フィルム付き偏光板が提供される。
さらに、本発明の第10の発明によれば、第1〜8のいずれかの発明に係る偏光板用表面保護フィルムが、画像表示装置に貼付されていることを特徴とする表面保護フィルム付き画像表示装置が提供される。
本発明の偏光板用表面保護フィルムは、種々の機能表面を有する偏光板用の表面保護フィルムであって、偏光板における表面に付与された機能の違いにより、表面保護フィルムの粘着剤をその都度開発、選定することなく、一つの粘着剤種にて対応できる汎用性のある優れた効果を奏する。
本発明の偏光板用表面保護フィルム(以下、表面保護粘着フィルムともいう)は、図1に示すように、基材フィルム(A、1)と、基材フィルム(A)の一方の面に積層された機能層(B、2)と、基材フィルム(A)の機能層(B)が積層された面の反対面に積層された微粘着層(C、3)と、所望に応じて微粘着層(C)上に積層される剥離可能な離型フィルム(D、4)と、から構成される偏光板用表面保護フィルムにおいて、微粘着層(C)は、偏光板上に貼付されたとき、初期値で0.05〜0.20N/25mmの粘着力を有し、かつ、50〜70℃の温度、2〜7atmの圧力、5〜60分の時間で行われるオートクレーブ処理後においても、初期値からの粘着力の変化が±10%以下であることを特徴とするものである。以下、各項目毎に説明する。
1.基材フィルム(A)
基材フィルム(A)は、本発明の目的を達成し得るものであれば、特に限定されないが、フィルム形態であり、光学用途の表面保護粘着フィルムとしての強度を有し、かつ光学適性を有することが好ましく、具体的には、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)が好適に用いられる。
上記ポリエステルフィルムは、従来から知られている方法で製造することができ、例えば、二軸延伸ポリエステルフィルムは、ポリエステルを乾燥後、押出し機にて溶融し、ダイ(例えばT−ダイ、I−ダイ等)から回転冷却ドラム上に押出し、急冷して未延伸フィルムを製造し、次いで該未延伸フィルムを縦方向および横方向に延伸し、必要に応じて熱固定することによって製造することができる。
ポリエステルフィルムのほか、他のプラスチックフィルム、例えばポリカーボネート系、ポリサルフォン系、ポリアミド系、ポリオレフィン系、液晶ポリマー系等各種ポリマー系フィルムが使用可能であり、例えば、ポリプロピレンやポリエステルなどの2軸延伸フィルムを好ましく用いることができる。
これらのうち、光学用途フィルムの表面保護粘着フィルムとしての強度および光学適性を有し、比較的安価であり入手し易いといった理由から、透明性の高いポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく用いられる。
基材フィルム(A)の厚みは、特に限定されないが、好ましくは6〜125μm程度、より好ましくは20〜50μmである。厚みが6μm未満であると、表面保護粘着フィルムとしての強度を満たさないことがあるため好ましくなく、一方、厚みが125μmを超えると、取り扱い性が悪くなることがあるため、好ましくない。
また、基材フィルム(A)には、本発明の目的を阻害しない範囲で、各種安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、酸化防止剤および可塑剤等の添加剤が添加されていてもよい。
さらに、基材フィルム(A)は、必要に応じ、化学処理や放電処理、例えば、コロナ処理、アンカーコーティング等、接着性改善および塗布性改善等の処理が施されても良い。
2.機能層(B)
本発明の偏光板用表面保護フィルムは、基材フィルム(A)の一方の面に積層された機能層(B)を有する。
上記機能層(B)としては、帯電防止性及び/又は防汚性の機能を有するものである。
一般に、液晶ディスプレイの構成要素となる光学部材、例えば偏光板の表面を保護するフィルムの場合は、帯電防止性を有することが必要とされる。これは次の理由による。表面保護フィルムで保護された光学部材を液晶パネルに貼り合わせた後、表面保護フィルムを光学部材から剥離する際に静電気が発生する。この静電気を除くことなく液晶に電圧を印加すると、液晶分子の配向が損失したり、パネルの欠損が生じたりする。そこで、このような不具合を防止するために、表面保護フィルムに帯電防止性を示す層を設けるなどして帯電防止性を持たせるのである。この帯電防止層は、粘着剤が表面保護フィルムの一方の面に形成されることから、他方の面、即ち液晶パネルへの光学部材の貼り付け後に最も外側に位置する面に形成されることが多い。
帯電防止性を有する機能層(B)には、例えば、帯電防止性を付与できる界面活性剤(イオン導電性)系帯電防止剤や導電ポリマー、導電性カーボン、金属粉末などの帯電防止剤が用いられる。
上記帯電防止剤としては、例えば、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基等のアニオン性基を有するアニオン系帯電防止剤、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系等の両性帯電防止剤、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系等のノニオン性の帯電防止剤等の各種界面活性剤型帯電防止剤、更には上記の如き帯電防止剤を高分子量化した高分子型帯電防止剤等が挙げられ、また、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有し、電離放射線により重合可能なモノマーやオリゴノマー、例えば、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートモノマー、それらの第4級化合物等の重合性帯電防止剤も使用できる。また、ポリオキシエチレンアルキルアミン、多価アルコール系誘導体等も使用できる。
また、導電ポリマーとしては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどが挙げられ、いずれにおいても、市場で入手できる導電ポリマーの帯電防止剤を使用できる。
基材フィルム(A)の一方の面に、機能層(B)を積層する方法としては、特に限定されず、例えば、界面活性剤などの帯電防止剤をプラスチックに配合して基材フィルム上に形成する方法、基材フィルムに界面活性剤や導電性樹脂を塗布する方法、基材フィルムに金属、導電性金属酸化物などの導電性物質を塗布、蒸着あるいはメッキする方法などにより形成することができる。
上記導電性樹脂としては、特に限定されず、例えば、錫アンチモン系フィラー、酸化インジウム系フィラーのような導電性フィラーを樹脂中に分散させたものが挙げられる。
また、塗布、蒸着もしくはメッキする導電性物質としては、特に限定されず、例えば、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化チタン、金属インジウム、金属錫、金、銀、白金、パラジウム、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、鉄、コバルト、ヨウ化銅、及びそれらの合金又は混合物などが挙げられる。そして、前記蒸着もしくはメッキの種類としては、特に限定されず、例えば、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、化学蒸着、スプレー熱分解、化学メッキ、電気メッキなどが挙げられる。
機能層(B)を形成する好ましい態様としては、例えば、前記の界面活性剤型帯電防止剤を含有した塗布液を、基材フィルム(A)の片面に塗布する方法が挙げられ、こうして形成された機能層(B)の帯電防止性能は、その表面抵抗が低いものほど好ましく、表面固有抵抗値で1012Ω/□以下が好ましい。
なお、表面固有抵抗値は、JIS K 6911に準拠して測定される値である。これは、製膜したものを、24時間養生後、超絶縁抵抗測定器にて測定される値である。
上記塗布液の固形分濃度は、塗布液を100重量%とした場合に、30重量%以下が好ましく、より好ましくは0.5〜30重量%である。固形分濃度が30重量%を超えると塗布外観が悪化することがあり、好ましくない。また、0.5%より少ないと、帯電防止機能および汚れ防止機能が不十分となることがあるため、好ましくない。
前記塗布液には、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、界面活性剤、有機系潤滑剤、有機系高分子粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料等を含有していても良い。
また、機能層(B)は、上記帯電防止性に加えて、或いは帯電防止性に変えて防汚性、すなわち汚れ防止性の機能を有するものである。その好ましい態様としては、例えば、基材フィルムの片面に、機能層(B)として、帯電防止層を設け、その層の上に、汚れ防止層を設けることもできる。
上記汚れ防止層は、適度な剥離力を有し、例えば表面保護フィルムを貼り合せた偏光板を断裁しチップ化するときに断裁面からはみ出す粘着剤が、表面保護フィルムに接触してもフィルム上に付着しにくくさせる効果がある。
上記汚れ防止層に用いられる汚れ防止剤としては、特に限定されず、例えば、長いアルキル側鎖を持つポリマーが好ましく、炭素数12以上、特に16〜20のアルキル鎖を持つアルキルアクリレートとアクリル酸とのコポリマーがさらに好ましい。アルキルアクリレートのアルキル鎖の炭素数が12未満では十分な剥離性が得られないことがある。
これらの中、特に好ましくは、ポリビニルアルコールまたはポリエチレンイミンを塩素化アルキロイルまたはアルキルイソシアネートで長鎖アルキル化した共重合体が好ましく、具体的には、ポリビニルアルコールとオクタデシルイソシアネートとの反応によって得られるポリビニル−N−オクタデシルカルバメートや、ポリエチレンイミンとオクタデシルイソシアネートとの反応によって得られるポリエチレンイミン−N−オクタデシルカルバメートなどが挙げられる。
本発明においては、汚れ防止剤としてシリコーン系やフッ素系離形剤も用いることができる。
また、上記汚れ防止層における塗液の濃度、塗布方式および塗布条件などの塗布方法は、帯電防止層の塗布方法と同じ方法で実施することができる。
本発明において、汚れ防止層の厚みは、0.01〜1μmが好ましく、より好ましくは0.03〜0.5μmである。厚みが0.01μm未満であると十分な汚れ防止効果が得られないことがあり、他方1μmを超える層は、過剰品質であり不経済である。
また、機能層(B)の形成方法としては、例えば、塗布液を調整後、基材フィルム(A)の片方の面に塗布(コーティング)および乾燥して機能層(B)を形成する方法が挙げられる。
上記塗布(コーティング)方法としては、例えば、フィルム製造工程外で塗布液を塗布する方法、または、フィルム製造工程内で塗布液を塗布する方法等が挙げられる。
フィルム製造工程外で塗布液を塗布する方法としては、例えば、グラビア、マイクログラビア、メイヤーバー、エアーナイフ、ドクターナイフ、ロールコーター、ワイヤーバー等の通常の方法が採用される。
フィルム製造工程内で塗布する方法としては、例えば、ポリエステル未延伸フィルムに塗布液を塗布し、逐次あるいは、同時に二軸延伸する方法や、一軸延伸されたポリエステルフィルムに塗布し、さらに先の一軸延伸方向と直角の方向に延伸する方法、あるいは二軸延伸ポリエステルフィルムに塗布し、さらに横および/または縦方向に延伸する方法等が挙げられる。
本発明においては、工程の容易さから、フィルム製造工程外で塗布液を塗布する方法が好ましく用いられる。
コーティングの回数は、前記塗布液を基材フィルム(A)上に、1回塗布すれば良いが、必要に応じて、複数回塗布しても良い。
塗布量については、特に制限されず、塗布液の種類や必要とする性能を考慮して決めれば良い。
また、塗布液を塗布後、溶剤を乾燥させることが好ましい。乾燥の方法は、特に制限は無く、塗布後、放置する方法等が用いられる。
さらに、機能層(B)の厚みは、乾燥後、乾燥重量で0.01〜2g/m程度、好ましくは0.03〜1g/mとなるように乾燥させることが好ましい。厚みが0.01g/m未満の場合は、機能層(B)が層としての物理的強度を保持しにくくなり好ましくなく、一方、2g/mより厚いと、塗布外観が悪化することがあり、好ましくない。
3.微粘着層(C)
本発明は、好ましい態様として、「機能層(帯電防止層など)(B)/基材フィルム(A)/微粘着層(C)/離型フィルム(D)」の構成を有する表面保護フィルムであるが、光学用途フィルムである偏光板を保護するために、本発明の表面保護フィルムを使用する時には、離型フィルム(D)を剥離して、対象の光学用途フィルムに微粘着層(C)を貼付して使用する。そして、表面保護の目的を達成した後、この表面保護フィルムは、剥離除去されるものであるため、この微粘着層(C)は、容易に剥がせ、しかも剥離後糊残り、表面汚染性がないことが必須の要件である。
本発明においては、偏光板の機能の違いにより、保護フィルム用粘着剤をその都度選択することなく汎用性を待たせるため、低温域の示差走査熱量計(DSC)の測定によるガラス転移温度(Tg)が−30〜−60℃、GPCによるポリスチレン換算の分子量(Mw)が30万以上のような粘着剤を用いる微粘着層とすることにより、偏光板の表面保護粘着フィルムとして好適な微粘着層(C)とすることができる。
すなわち、本発明の特徴は、偏光板の表面処理の状態に関係なく汎用性のある、特定の粘着剤から構成される微粘着層(C)にある。
その微粘着層(C)に使用される粘着剤の主成分は、粘着剤100重量部に対し、2−エチルヘキシルアクリレートが80〜99.5部で構成され、これに、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)を含有するモノマーも共重合したアクリル系の共重合体で構成される。
重合後、粘着剤100重量部に対し、シランカップリング剤を0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、添加することにより、偏光板の表面の機能付与の違いにより、粘着剤をその都度選定することなく、使用できる汎用性機能を強く発現させる。
シランカップリング剤の添加量が0.05重量部未満の場合は、AG(anti glare:防眩性)タイプの偏光板に対して、初期接着力と処理後の接着力との調整が難しく、一方、10重量部を超えると、偏光板表面を汚染させることがある。
シランカップリング剤としては、粘着剤の官能基、例えば水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)と反応する官能基を持つもの、粘着剤と相互浸透ポリマーネットワーク(IPN)を構成するものなら、有効であり、いずれにおいても市販で入手できるシランカップリング剤を使用できる。
上記粘着剤に、イソシアネート系硬化剤等を配合し、塗布後に乾燥、キュアして架橋反応させる。架橋に用いられるイソシアネートは、脂肪族、芳香族、及び誘導体が使用でき、粘着力、塗液のポットライフ等により選択でき、いずれの場合も市販で入手出来るイソシアネートを使用できる。
また、上記粘着剤には、必要に応じて、粘着剤の性能を阻害しない範囲で、必要に応じて、例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤(UVA)等を添加することができる。
微粘着層(C)の塗布方法は、機能層(B)の形成と同様、グラビア、コンマ、エアーナイフ、ドクターナイフ、ダイコート法、ドクターブレード法等の通常のコーティング法により、なすことができる。
この層の設置は、次に述べる離型フィルム(D)上に、粘着剤を塗工し、必要に応じて加熱乾燥後に貼着する方法を採用してもよいし、機能層(B)を設けた基材フィルム(A)の、機能層(B)を設けていない側に、粘着剤を塗工し、必要に応じて加熱及び乾燥後に離型フィルム(D)を被覆する方法を採用してもよい。
微粘着層(C)の粘着力は、偏光板に対しては、0.03〜0.20N/25mmが好ましく、より好ましくは0.05〜0.15N/25mmである。粘着力が0.03N/25mm未満であると、偏光板への粘着力が不足することによる剥がれや浮き等が発生することから、好ましくなく、一方、0.20N/25mmより大きいと、光学用途フィルムである偏光板から剥離しにくくなることや、剥離後糊残りが発生したり、表面汚染性が高くなること等から、好ましくない。
なお、上記の微粘着層(C)の粘着力は、偏光板に微粘着層(C)を貼り合わせ、23℃×50RH%で20分放置後、およびオートクレーブにて、その条件70℃×6atm×30分処理後、20分放置後に、300mm/分の速度で180度の角度で剥離するときの力で表したものである。
本発明において、微粘着層(C)の粘着厚みは、特に限定されないものの、1〜100μm程度が好ましく、特に好ましくは10〜40μm程度である。1μm未満であると、フィルムの収縮等への追随性が弱く、剥がれたり、貼合したフィルムがカールしたりすることがあり、好ましくなく、100μmより厚いと、不経済であり、かつ貼合したフィルムの厚みが厚いため、取り扱い等に不具合が生じ、また、得られる表面保護フィルムを用済み後に、被着体である偏光板から剥離する際に、偏光板表面に曇りや糊残りを生じることがあり、好ましくない。また、微粘着層(C)は、乾燥重量では5〜50g/mの厚みであることが好ましい。
微粘着層(C)の粘着力は、上記のように、粘着剤を選定したり、微粘着層(C)の形成条件等を調整することによって行われる。この微粘着層(C)表面には、微粘着層(C)の保護等のために、離型フィルム(D)を貼り合せることができる。
4.離型フィルム(D)
本発明の偏光板用表面保護フィルムは、図1に示すように、前記微粘着層(C、3)には、通常、セパレータともいわれる離型フィルム(D、4)が積層され、使用前まで微粘着層(C、3)を保護する。そして、この表面保護粘着フィルムの使用時に、この離型フィルム(D)を剥がして、表面保護粘着フィルムを光学用途フィルムである偏光板に貼合する。
離型フィルム(D)としては、ポリエステルフィルムの表面にシリコン系離型剤等を用いて剥離処理したものが、剥がしやすさ等の点から、好ましい。具体的には、微粘着層(C)への貼付しやすさや剥がしやすさや、微粘着層(C)に悪影響を与えないといったことから、シリコン処理されたポリエステルフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
貼合方法としては、表面保護粘着フィルムが、異物の巻き込み等の問題なく光学用途フィルムである偏光板に貼合できる方法ならば制限は無く、具体的には、例えば、手作業で、光学用途フィルムである偏光板の種類に応じた大きさに加工した表面保護粘着フィルムの離型フィルムを剥離しながら、前記光学用途フィルムである偏光板に貼合する等の方法が用いられる。
5.偏光板
本発明の偏光板用表面保護フィルムによる保護対象となる偏光板としては、例えば、楕円偏光板、反射型偏光板、半透過型偏光板、反射型楕円偏光板、半透過型楕円偏光板等の液晶パネルの形成などに用いられるものが挙げられ、その種類について特に限定されない。
本発明においては、偏光板には、画像表示装置である液晶ディスプレイ(LCD)の高度な表示要求に対応して、その表面がトリアセチルセルロース(又はセルローストリアセテート)(TAC)そのものの品種(プレーン)から、AR(anti reflection:反射防止性)、RL(low reflection:低反射性)、AG(anti glare:防眩性)などの機能付与するために、機能付与処理した種々の偏光板を、用いることができる。
前記偏光板の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムの如き親水性高分子フィルムにヨウ素及び/又は二色性染料を吸着させて延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物のようなポリエン配向フィルムなどが挙げられる。また偏光板は、偏光フィルムの片面又は両面に透明保護層を有するものでもよい。
一方、反射型偏光板は、偏光板に反射層を設けたもので、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示する反射型液晶パネルなどを形成するためのものであり、バックライト等の光源を内蔵する必要が無いので液晶パネルを薄型化しやすいなどの利点を有する。反射型偏光板は、例えば透明保護層等を介して偏光板の片面に金属等からなる反射層を設けることによって形成することができる。
この反射型偏光板の具体例としては、例えばマット処理した透明保護層の片面に、アルミニウム等の反射性金属からなる箔や蒸着膜を反射層としたものがあげられる。また前記の透明保護層に微粒子を含有させて表面を微細な凹凸構造とし、その上に微細凹凸構造の反射層を有するものなどもあげられる。なお反射層は、その反射面が透明保護層や偏光板等で被覆された状態で使用されることが、酸化による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続の点や、保護層を別に設ける必要がないなどの点で好ましい。
前記した微細凹凸構造の反射層は、入射光を乱反射により拡散させて無指向性や防眩性を付与し、明暗のムラを抑制しうる利点を有する。また微粒子含有の透明保護層は、入射光及びその反射光がそれを透過する際に拡散されて明暗ムラをより抑制しうる。透明保護層の表面微細凹凸構造を反映させた微細凹凸構造の反射層は、例えば真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の蒸着方式やメッキ方式などの手段で金属を透明保護層の表面に直接設けることにより得られる。
上記した偏光板における透明保護層の材質としては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性等に優れるポリマーが好ましい。その例としては、特に限定されず、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、あるいはアクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型もしくは紫外線硬化型の樹脂があげられる。
透明保護層は、ポリマーを塗布したり、フィルムを積層したりするなどの適宜な方式で形成することができる。その厚さは、一般には500μm以下が好ましく、より好ましくは1〜300μm、更に好ましくは5〜200μmとされる。なお表面微細凹凸構造の透明保護層に含有させる微粒子としては、例えば平均粒径が0.5〜50μmのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等からなる無機系微粒子、又は架橋又は未架橋のポリマー等からなる有機系微粒子などが用いられる。この表面微細凹凸構造は、アンチグレア(AG)層としても機能しうる。
本発明を以下の実施例により具体的に記すが、本発明は、これらに限定されるものではない。
[実施例1]:
(機能層付き基材フィルムの作製)
予め、基材フィルム(A)として、三菱ポリエステル社製のPETフィルム(T−100、38μm品)を用い、その片面に、SKC社製の帯電防止剤(SEKISUI−A、固形分3%、酢酸エチル溶液)を、乾燥後の重量が0.6g/mに成るように塗布乾燥し、機能層(B)付き基材フィルム(A)を作製した。
(粘着剤組成物の調製)
次に、常用の方法を用い、酢酸エチル溶液に、(i)2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)97重量部、(ii)2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)2.7重量部、(iii)アクリル酸(AA)0.3重量部の割合で入れ、さらに、(iv)アゾビスイソブチルニトリル(AIBN)0.1重量部を添加し、70℃×8h重合することにより、DSCの測定によるガラス転移温度(Tg)が−52℃、GPCによるポリスチレン換算での分子量(Mw)が40万の固形分30%の粘着剤溶液を得た。この粘着剤溶液に、東レダウコーニング社製のシランカップリング剤「Z−6040」を、粘着剤100重量部(固形分)に対し、0.5重量部添加し、攪拌後、さらに、日本ポリウレタン社製のイソシアネート「HXR」を、粘着剤100重量部(固形分)に対し、2.6重量部を添加し、粘着剤組成物である塗液を調製した。
(表面保護粘着フィルムの作製)
得られた塗液を、乾燥後の重量が22g/mに成るように、離型フィルム(D)としての帝人社製のセパレーター「S31」に、塗布乾燥し、微粘着層(C)を形成し、この微粘着層(C)の粘着面を、機能層(B)付き基材フィルム(A)で覆い、表面保護粘着フィルムを作製した。
(評価):
得られた表面保護粘着フィルムを、23℃×7日放置し、評価用サンプルを得た。
この評価用サンプルフィルムを、東友社製の偏光板のプレーンタイプとAGタイプとに、貼り合わせ、粘着力の初期(23℃×50RH%、20分放置)とオートクレーブ処理後(処理条件:70℃×6atm×30分+放置20分)との粘着力を測定した。
得られた結果を表1に示すが、粘着力は、0.09〜0.12N/25mmの範囲であり、偏光板の種類、処理の有無により、粘着力の差異は無かった。
[比較例1]
実施例1でシランカップリング剤を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、表面保護粘着フィルムと評価用サンプルとを作製した。
得られた評価用サンプルを実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
ノーマルタイプ(プレーン)の偏光板に対する粘着力は、初期もオートクレーブ処理後も、0.11N/25mm前後の値を示したが、AGタイプにおいては、初期は0.11N/25mmであったが、オートクレーブ処理後の粘着力が0.16N/25mmで、接着昂進が大きかった。
[比較例2]
実施例1の2EHAをブチルアクリレートに変更した以外は、実施例1と同様にして、表面保護粘着フィルムと評価用サンプルとを作製した。
得られた評価用サンプルを実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
ノーマルタイプ(プレーン)の偏光板に対する粘着力は、初期が0.08N/25mm、オートクレーブ処理後が0.12N/25mmとまずまずの結果だった。しかし、AGタイプにおいては、初期が0.05N/25mmであったが、オートクレーブ処理により、浮きが確認でき、保護フィルムの機能をはたさなかった。
Figure 2007304425
表1の評価結果から、実施例1で得られた表面保護フィルムは、主に微粘着層(C)に用いられる粘着剤として、2−エチルヘキシルアクリレートの主成分に、シランカップリング剤を配合したものを特定の割合で用いているため、偏光板の種類、オートクレーブ処理の有無により、粘着力の差異が無く、良好であった。一方、比較例1、2の表面保護フィルムは、表1の評価結果からも判るように、例えば、比較例1は、AGタイプ偏光板では、オートクレーブ処理後の粘着力が増加し、また、比較例2では、プレーン偏光板でも、初期値に比較して、オートクレーブ処理後の粘着力が増加し、さらに、AGタイプ偏光板では、オートクレーブ処理後に浮きが発生し、悪い評価であった。
本発明の偏光板用表面保護フィルムは、偏光板における表面に付与された機能の違いにより、表面保護フィルムを選定、変更することなく汎用性があるので、生産管理、在庫管理が容易であり、種々の偏光板に対する表面保護粘着フィルムとして、好適であり、画像表示装置である液晶ディスプレイ(LCD)へ利用可能性が高い。
本発明の表面保護フィルムの一態様を模式的に示す図である。
符号の説明
1 基材フィルム(A)
2 機能層(B)
3 微粘着層(C)
4 離型フィルム(D)

Claims (10)

  1. 基材フィルム(A)と、基材フィルム(A)の一方の面に積層された機能層(B)と、機能層(B)の積層された面とは反対側の基材フィルム(A)の面に積層された微粘着層(C)と、所望に応じて微粘着層(C)上に積層される剥離可能な離型フィルム(D)とから構成される偏光板用表面保護フィルムにおいて、
    微粘着層(C)は、偏光板上に貼付されたとき、初期値で0.03〜0.20N/25mmの粘着力を有し、かつ、50〜70℃の温度、2〜7atmの圧力、5〜60分の時間で行われるオートクレーブ処理後においても、初期値からの粘着力の変化が±10%以下であることを特徴とする偏光板用表面保護フィルム。
  2. 前記微粘着層(C)を形成する粘着剤は、主要原料成分が2−エチルヘキシルアクリレートからなり、かつ、シランカップリング剤を添加剤として用いることを特徴とする請求項1に記載の偏光板用表面保護フィルム。
  3. 前記粘着剤中における2−エチルヘキシルアクリレートの含有割合は、粘着剤100重量部に対して80〜99.5重量部であり、かつ、シランカップリング剤の含有割合は、粘着剤100重量部に対して0.05〜10重量部であることを特徴とする請求項2に記載の偏光板用表面保護フィルム。
  4. 前記微粘着層(C)を形成する粘着剤は、架橋前における粘着剤樹脂基材の示差走査熱量計(DSC)によるガラス転移温度(Tg)が−30〜−60℃の範囲であり、GPCによるポリスチレン換算の分子量(Mw)が30万以上であることを特徴とする請求項1に記載の偏光板用表面保護フィルム。
  5. 前記基材フィルム(A)は、ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の偏光板用表面保護フィルム。
  6. 前記機能層(B)は、帯電防止性及び/又は防汚性を有することを特徴とする請求項1に記載の偏光板用表面保護フィルム。
  7. 保護する偏光板の表面に付与された機能によって粘着剤の種類及び/又は粘着力を変更することなく、一つの粘着剤種にて対応できる汎用性があることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の偏光板用表面保護フィルム。
  8. 前記微粘着層(C)は、汎用(プレーン)偏光板、防眩(AG)機能付き偏光板及び反射防止(AR)機能付き偏光板の表面状態が異なる偏光板に対して、一つの粘着剤種にて対応できる汎用性があることを特徴とする請求項7に記載の偏光板用表面保護フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の偏光板用表面保護フィルムが、偏光板に貼付されていることを特徴とする表面保護フィルム付き偏光板。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の偏光板用表面保護フィルムが、画像表示装置に貼付されていることを特徴とする表面保護フィルム付き画像表示装置。
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