JP6844339B2 - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、熱硬化性樹脂組成物、保護膜用熱硬化性樹脂組成物、平坦化膜用熱硬化性樹脂組成物又はカラーフィルター下層膜用熱硬化性樹脂組成物、並びに当該熱硬化性樹脂組成物を用いた硬化膜、保護膜、平坦化膜又はカラーフィルター下層膜の作製方法に関するものである。
CCD/CMOSイメージセンサ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の電子デバイスは、その製造工程において、溶剤、又は酸もしくはアルカリ溶液等の薬液に曝される処理や、スパッタリング、ドライエッチング、半田リフロー等の高温に曝される処理が行われる。このような処理によって素子が劣化もしくは損傷することを防止するために、このような処理に対して耐性を有する硬化膜を保護膜として素子上に形成することが行われている。このような保護膜には、耐溶剤性、高透明性、耐熱性等が要求される。
前記電子デバイスには、例えば、カラーフィルター、回路配線部、遮光膜又はインナーレンズに起因する凹凸が存在する。そのため、電子デバイス製造時のプロセスマージンの確保やデバイス特性の均一性の確保等の観点から、前記硬化膜には段差平坦化性も要求される。また、前記硬化膜上にカラーフィルターを形成する場合、前記硬化膜にはカラーレジストの残渣の発生を抑える特性も要求される(特許文献1乃至特許文献4)。
カラーフィルターの形成には、例えば、顔料又は染料を含有する、赤、緑及び青の3色のカラーレジストが一般的に用いられる。3色のカラーレジストを用いたカラーフィルターの形成方法は、まず第1色目のカラーレジストを塗布し、露光、現像、及び加熱処理を行い、第1色目のカラーレジストパターンを形成する。その後、第1色目のカラーレジストパターンと同様にして、第2色目及び第3色目のカラーレジストパターンを形成し、カラーフィルターを形成する。
このようなカラーフィルター形成方法において、カラーフィルターの色再現性の劣化及びカラーフィルターを備えたデバイスの歩留まり低下を抑制するために、カラーレジストパターン形成時にカラーレジストの残渣の発生を抑えることが重要となる。そのため、前記硬化膜上にカラーフィルターを形成する場合、前記のようなカラーレジストの残渣の発生を抑える特性が該硬化膜に要求される。
特開2000−344866号公報 特開2008−031370号公報 特許第4222457号 国際公開第2013/005619号
本発明は、前記の事情に基づいてなされたものであり、その目的は、優れた耐溶剤性、耐熱性、透明性及び平坦化性を有する硬化膜を形成でき、また、該硬化膜上にカラーフィルターを形成する際にカラーレジストの残渣の発生を抑えることができるカラーフィルター下層膜を形成できる熱硬化性樹脂組成物を提供することである。また、本発明の他の目的は、優れた耐溶剤性、耐熱性及び透明性を有する硬化膜、保護膜、平坦化膜及びカラーフィルター下層膜を提供することである。
本発明者らは、前記の課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は下記式(1−1)乃至式(1−5)で表される構造単位のうち少なくとも1種及び下記式(2)で表される構造単位を有する自己架橋性共重合体、及び溶剤を含有する熱硬化性樹脂組成物である。
(式中、Xは炭素原子数1乃至6のアルキレン基を表し、Zはグリシジル基、グリシジロキシエチル基、グリシジロキシプロピル基、グリシジロキシブチル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシエチル基、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシプロピル基又は3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシブチル基を表す。)
前記式(2)で表される構造単位は、例えば、下記式(2−1)乃至式(2−7)で表される構造単位のうち少なくとも1種である。
前記自己架橋性共重合体は、さらに、下記式(3)及び式(4)で表される構造単位のうち少なくとも1種を有する共重合体であってもよい。
(式中、Rは水素原子、ヒドロキシ基、炭素原子数1乃至6のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基又はベンジル基を表し、該アルキル基、該シクロヘキシル基、該フェニル基及び該ベンジル基は、水素原子の一部又は全てがヒドロキシ基又はカルボキシル基で置換されていてもよく、Rは水素原子又はメチル基を表し、aは1乃至5の整数を表す。)
本発明はまた、前記熱硬化性樹脂組成物を基板上に塗布後、加熱手段を用いて前記熱硬化性樹脂組成物をベークすることによる、硬化膜、保護膜、平坦化膜又はカラーフィルター下層膜の作製方法である。
本発明はまた、前記熱硬化性樹脂組成物を基板上に塗布後加熱してカラーフィルター下層膜を形成する工程、前記カラーフィルター下層膜上にカラーレジストを塗布し加熱してカラーレジスト膜を形成する工程、及び前記カラーレジスト膜に対し露光、現像及びリンスを行い、カラーレジストパターンを形成する工程を有する、カラーフィルターの形成方法である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、前記式(1−1)乃至式(1−5)で表される構造単位のうち少なくとも1種及び前記式(2)で表される構造単位を有する自己架橋性共重合体を含むため、硬化剤を必須成分としない、該組成物から作製される硬化膜は、優れた耐溶剤性、耐熱性、透明性及び平坦化性を有する。これにより、本発明の熱硬化性樹脂組成物から作製される硬化膜は、その作製工程、又は配線等の周辺装置の形成工程において、溶剤、又は酸もしくはアルカリ溶液等の薬液に曝される処理や、スパッタリング、ドライエッチング、半田リフロー等の高温に曝される処理が行われる場合に、素子が劣化もしくは損傷する可能性を著しく減少できる。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物から保護膜、又は平坦化膜を作製し、その上にレジストを塗布する場合、及び電極/配線形成工程を行う場合には、レジストとのミキシングの問題、及び薬液による保護膜又は平坦化膜の変形及び剥離といった問題も著しく減少できる。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物からカラーフィルター下層膜を形成し、その上にカラーレジストを塗布する場合には、カラーレジストの残渣発生の問題も著しく減少できる。
さらに、例えば、カラーフィルター、回路配線部、遮光膜又はインナーレンズに起因する凹凸が存在する基板上に、本発明の熱硬化性樹脂組成物から平坦化膜を作製する場合、電子デバイス製造時のプロセスマージンの確保やデバイス特性の均一性の確保が可能となる。
したがって、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、保護膜、平坦化膜又はカラーフィルター下層膜を形成する材料として好適である。
本発明は、自己架橋性共重合体及び溶剤を含有する熱硬化性樹脂組成物である。以下、各成分の詳細を説明する。本発明の熱硬化性樹脂組成物から溶剤を除いた固形分は通常、0.01質量%乃至50質量%である。
<自己架橋性共重合体>
本発明の熱硬化性樹脂組成物に含まれる自己架橋型共重合体は、カルボキシル基を含む前記式(1−1)乃至式(1−5)で表される構造単位のうち少なくとも1種及びエポキシ基を含む前記式(2)で表される構造単位を有する共重合体である。本発明の目的である優れた平坦化性やカラーレジストの残渣発生抑制の観点で、メタクリル酸又はメタクリレートから形成される構造単位よりも、アクリル酸又はアクリレートから形成される構造単位が好適である。
前記式(1−1)乃至式(1−5)で表される構造単位を形成する化合物(モノマー)の具体例としては、アクリル酸、2−カルボキシエチルアクリレート、2−カルボキシプロピルアクリレート、3−カルボキシプロピルアクリレート、2−カルボキシブチルアクリレート、3−カルボキシブチルアクリレート、4−カルボキシブチルアクリレート、5−カルボキシペンチルアクリレート、6−カルボキシヘキシルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシプロピルコハク酸、2−アクリロイルオキシブチルコハク酸、2−アクリロイルオキシペンチルコハク酸、2−アクリロイルオキシヘキシルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシブチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシペンチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシヘキシヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−アクリロイルオキシブチルフタル酸、2−アクリロイルオキシペンチルフタル酸、及び2−アクリロイルオキシヘキシルフタル酸が挙げられる。なお、これらの化合物は単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記式(2)で表される構造単位を形成する化合物(モノマー)の具体例としては、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートグリシジルエーテル、2−ヒドロキシプロピルアクリレートグリシジルエーテル、3−ヒドロキシプロピルアクリレートグリシジルエーテル、2−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、3−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルアクリレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)エチルアクリレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)プロピルアクリレート、3−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)プロピルアクリレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)ブチルアクリレート、3−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)ブチルアクリレート、及び4−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)ブチルアクリレートが挙げられる。なお、これらのモノマーは単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの化合物(モノマー)のうち、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートグリシジルエーテル、2−ヒドロキシプロピルアクリレートグリシジルエーテル、3−ヒドロキシプロピルアクリレートグリシジルエーテル、2−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、3−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル及び4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルが、所期の効果が得られるため好ましく、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルが入手性の観点から好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に含まれる自己架橋性共重合体は、前記式(1−1)乃至式(1−5)で表される構造単位のうち少なくとも1種及び前記式(2)で表される構造単位に加えて、さらに前記式(3)及び式(4)で表される構造単位のうち少なくとも1種を有してもよい。前記式(3)及び式(4)で表される構造単位の含有量を調節することで、硬化膜の光学特性、ドライエッチングレート、熱特性、及び段差平坦化性をより広範囲に調節することが可能となる。
前記式(3)で表される構造単位を形成する化合物(モノマー)及び式(4)で表される構造単位を形成する化合物(モノマー)の具体例としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−ヒドロキシマレイミド、N−ヒドロキメチルマレイミド、N−(2−カルボキエチル)マレイミド、N−(4−カルボキシフェニル)マレイミド、4−マレイミド酪酸、2−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、2,4−ジヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、3,4−ジヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、3,5−ジヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、2,3,4−トリヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、3,4,5−トリヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、及びペンタヒドロキシフェニル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの化合物は単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートはメタクリレート及びアクリレートを意味する。
前記式(1−1)乃至式(1−5)で表される構造単位のうち少なくとも1種及び前記式(2)で表される構造単位を有する自己架橋性共重合体において、これらの構造単位の和100mol%に対し、前記式(1−1)乃至式(1−5)で表される構造単位のうち少なくとも1種の含有率は20mol%乃至80mol%であり、好ましくは30mol%乃至70mol%であり、より好ましくは40mol%乃至60mol%である。前記式(2)で表される構造単位の含有率は、20mol%乃至80mol%であり、好ましくは30mol%乃至70mol%であり、より好ましくは40mol%乃至60mol%である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に含まれる自己架橋性共重合体が前記式(1−1)乃至式(1−5)で表される構造単位のうち少なくとも1種及び前記式(2)で表される構造単位に加えて、前記式(3)及び式(4)で表される構造単位のうち少なくとも1種を有する場合、これらの構造単位の和100mol%に対し、前記式(1−1)乃至式(1−5)で表される構造単位のうち少なくとも1種の含有率は10mol%乃至60mol%であり、好ましくは20mol%乃至50mol%である。前記式(2)で表される構造単位の含有率は10mol%乃至60mol%であり、好ましくは20mol%乃至50mol%である。前記式(3)及び式(4)で表される構造単位のうち少なくとも1種の含有率は5mol%乃至80mol%であり、好ましくは10mol%乃至70mol%である。
前記自己架橋性共重合体の重量平均分子量は通常、1,000乃至100,000であり、好ましくは3,000乃至50,000である。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準試料としてポリスチレンを用いて得られる値である。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物における前記自己架橋性共重合体の含有量は、該樹脂組成物の固形分中の含有量に基づいて、例えば、1質量%乃至99質量%であり、若しくは5質量%乃至95質量%、又は50質量%乃至100質量%である。
本発明において、前記自己架橋性共重合体を得る方法は特に限定されないが、一般的には、前記式(1−1)乃至式(1−5)で表される構造単位のうち少なくとも1種を形成する化合物(モノマー)及び前記式(2)で表される構造単位を形成する化合物(モノマー)、又は前記化合物(モノマー)並びに前記式(3)及び式(4)で表される構造単位のうち少なくとも1種を形成する化合物(モノマー)を、重合開始剤存在下の溶剤中において、通常50℃乃至120℃の温度下で重合反応させることにより得られる。このようにして得られる自己架橋性共重合体は、通常、溶剤に溶解した溶液状態であり、この状態で単離することなく、本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いることもできる。
また、上記のようにして得られた自己架橋性共重合体の溶液を、攪拌させたヘキサン、ジエチルエーテル、トルエン、メタノール、水等の貧溶媒に投入して該共重合体を再沈殿させ、生成した沈殿物をデカンテーション又はろ過し、必要に応じて洗浄後、常圧又は減圧下で常温乾燥又は加熱乾燥することで、該共重合体をオイル状物又は粉体とすることができる。このような操作により、前記共重合体と共存する未反応化合物や上記重合開始剤を除去することができる。本発明においては、前記共重合体のオイル状物又は粉体をそのまま用いてもよく、あるいはそのオイル状物又は粉体を、例えば後述する溶剤に再溶解して溶液の状態として用いてもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の調製方法は、特に限定されないが、例えば、前記式(1−1)乃至式(1−5)で表される構造単位のうち少なくとも1種及び前記式(2)で表される構造単位を有する自己架橋性共重合体、又は前記式(1−1)乃至式(1−5)で表される構造単位のうち少なくとも1種及び前記式(2)で表される構造単位、並びに前記式(3)及び式(4)で表される構造単位のうち少なくとも1種を有する自己架橋性共重合体を溶剤に溶解し、均一な溶液とする方法が挙げられる。さらに、この調製方法の適当な段階において、必要に応じて、その他の添加剤を更に添加して混合する方法が挙げられる。
<溶剤>
本発明の熱硬化性樹脂組成物に含まれる溶剤としては、該樹脂組成物に含まれる自己架橋性共重合体を溶解するものであれば特に限定されない。そのような溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、及びN−エチルピロリドンを挙げることができる。これらの溶剤は、単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記溶剤の中でも、本発明の熱硬化性樹脂組成物を基板上に塗布して形成される塗膜のレベリング性の向上の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、2−ヘプタノン、乳酸エチル、乳酸ブチル、ピルビン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロペンタノン、シクロヘキサノン及びγ−ブチロラクトンが好ましい。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、硬化性を向上させる目的で、硬化促進剤を含有することもできる。当該硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−ノニルフェニル)ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィントリフェニルボラン等のホスフィン類、テトラフェニルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロミド、エチルトリフェニルホスホニウムクロリド、エチルトリフェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−メチルフェニル)ボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−メトキシフェニル)ボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−フルオロフェニル)ボレート等の4級ホスホニウム塩類、テトラエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリプロピルアンモニウムクロリド、ベンジルトリプロピルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムブロミド等の4級アンモニウム塩類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート等のイミダゾリウム塩類、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のジアザビシクロアルケン類、及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンのギ酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンの2−エチルヘキサン酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンのp−トルエンスルホン酸塩、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネンの2−エチルヘキサン酸塩等のジアザビシクロアルケンの有機酸塩類が挙げられる。
硬化促進剤の市販品としては、例えば、ヒシコーリン〔登録商標〕PX−4C、同PX−4B、同PX−4MI、同PX−412B、同PX−416B、同PX−2B、同PX−82B、同PX−4BT、同PX−4MP、同PX−4ET、同PX−4PB(以上、日本化学工業(株)製)、ホクコーTPP〔登録商標〕、TPTP〔登録商標〕、DPCP〔登録商標〕、TPP−EB〔登録商標〕、TPP−ZC〔登録商標〕、DPPB〔登録商標〕、EMZ−K〔登録商標〕、DBNK〔登録商標〕、TPP−MK〔登録商標〕、TPP−K〔登録商標〕、TPP−S〔登録商標〕、TPP−SCN〔登録商標〕、TPP−DCA〔登録商標〕、TPPB−DCA〔登録商標〕、TPP−PB〔登録商標〕、ホクコーTBP−BB〔登録商標〕、TBPDA〔登録商標〕、TPPO〔登録商標〕、PPQ〔登録商標〕、TOTP〔登録商標〕、TMTP〔登録商標〕、TPAP〔登録商標〕、DPCP〔登録商標〕、TCHP〔登録商標〕、ホクコーTBP〔登録商標〕、TTBuP〔登録商標〕、TOCP〔登録商標〕、DPPST〔登録商標〕、TBPH〔登録商標〕、TPP−MB〔登録商標〕、TPP−EB〔登録商標〕、TPP−BB〔登録商標〕、TPP−MOC〔登録商標〕、TPP−ZC〔登録商標〕、TTBuP−K〔登録商標〕(以上、北興化学工業(株)製)、キュアゾール〔登録商標〕SIZ、同2MZ−H、同C11Z、同1.2DEMZ、同2E4MZ、同2PZ、同2PZ−PW、同2P4MZ、同1B2MZ、同1B2PZ、同2MZ−CN、同C11Z−CN、同2E4MZ−CN、同2PZ−CN、同C11Z−CNS、同2PZCNS−PW、2MZA−PW、C11Z−A、同2E4MZ−A、同2MA−OK、同2PZ−OK、同2PHZ−PW、同2P4MHZ、同TBZ、同SFZ、同2PZL−T(以上、四国化成工業(株)製)、U−CAT〔登録商標〕SA 1、同SA 102、同SA 102−50、同SA 106、同SA 112、同SA 506、同SA 603、同SA 810、同SA 831、同SA 841、同SA 851、同881、同5002、同5003、同3512T、同3513N、同18X、同410、同1102、同2024、同2026、同2030、同2110、同2313、同651M、同660M、同420A、DBU〔登録商標〕、DBN、POLYCAT 8(以上、サンアプロ(株)製)を挙げることができる。これらの硬化促進剤は、単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記硬化促進剤が使用される場合、本発明の熱硬化性樹脂組成物における含有量は、該樹脂組成物の固形分中の含有量に基づいて、0.1質量%乃至10質量%であり、好ましくは0.5質量%乃至8質量%であり、より好ましくは1質量%乃至6質量%である。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、塗布性を向上させる目的で、界面活性剤を含有することもできる。該界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤の市販品としては、例えば、エフトップ〔登録商標〕EF301、同EF303、同EF352(以上、三菱マテリアル電子化成(株)製)、メガファック〔登録商標〕F−171、同F−173、同R−30、同R−40、同R−40−LM(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム(株)製)、アサヒガード〔登録商標〕AG710、サーフロン〔登録商標〕S−382、同SC101、同SC102、同SC103、同SC104、同SC105、同SC106(以上、旭硝子(株)製)、FTX−206D、FTX−212D、FTX−218、FTX−220D、FTX−230D、FTX−240D、FTX−212P、FTX−220P、FTX−228P、FTX−240G、DFX−18等のフタージェントシリーズ(以上、(株)ネオス製)等のフッ素系界面活性剤、及びオルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)を挙げることができる。これらの界面活性剤は、単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記界面活性剤が使用される場合、本発明の熱硬化性樹脂組成物における含有量は、該樹脂組成物の固形分中の含有量に基づいて、通常0.001質量%乃至5質量%であり、好ましくは0.01質量%乃至4質量%であり、より好ましくは0.03質量%乃至3質量%である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて、硬化剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、密着助剤、消泡剤等の添加剤を含むことができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、例えば、前記の各成分を溶剤に溶解させることによって調製でき、均一な溶液状態で用いられる。調製した組成物は、フィルター等を用いてろ過した後、使用するのが好ましい。
<硬化膜、保護膜及び平坦化膜の作製方法>
本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いた硬化膜、保護膜又は平坦化膜の作製方法について説明する。基板(例えば、半導体基板、ガラス基板、石英基板、シリコンウエハー及びこれらの表面に各種金属膜又はカラーフィルター等が形成された基板)上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により本発明の熱硬化性樹脂組成物を塗布後、ホットプレート、オーブン等の加熱手段を用いてベークして硬化させて、硬化膜、保護膜、又は平坦化膜を作製する。ベーク条件は、ベーク温度80℃乃至300℃、ベーク時間0.5分乃至3時間の中から適宜選択される。異なるベーク温度で2ステップ以上ベーク処理してもよい。また、本発明の熱硬化性樹脂組成物から作製される膜の膜厚としては、例えば0.001μm乃至100μmであり、好ましくは0.01μm乃至10μmである。
<カラーフィルター下層膜の作製方法>
本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いたカラーフィルター下層膜の作製方法について説明する。基板(例えば、半導体基板、ガラス基板、石英基板、シリコンウエハー及びこれらの表面に各種金属膜、平坦化膜等が形成された基板)上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により本発明の熱硬化性樹脂組成物を塗布後、ホットプレート、オーブン等の加熱手段を用いてベークして硬化させて、カラーフィルター下層膜を作製する。ベーク条件は、ベーク温度80℃乃至300℃、ベーク時間0.5分乃至3時間の中から適宜選択される。異なるベーク温度で2ステップ以上ベーク処理してもよい。また、本発明の熱硬化性樹脂組成物から作製される膜の膜厚としては、例えば0.001μm乃至100μmであり、好ましくは0.01μm乃至10μmである。
以下に実施例及び比較例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでない。
〔下記合成例で得られた共重合体の重量平均分子量の測定〕
装置:(株)島津製作所製GPCシステム
カラム:Shodex〔登録商標〕KF−804L及び803L
カラムオーブン:40℃
流量:1mL/分
溶離液:テトラヒドロフラン
[共重合体の合成]
<合成例1>
アクリル酸5.0g、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE(日本化成(株)製))13.9g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテル37.2gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル22.9gを80℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、下記式(1−1)及び式(2−1)で表される構造単位を有するポリマーの溶液(固形分濃度25質量%)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量Mwは13,600であった。
<合成例2>
アクリル酸4.0g、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE(日本化成(株)製))16.7g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.0gをプロピレングリコールモノメチルエーテル40.3gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル24.8gを80℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、前記式(1−1)及び式(2−1)で表される構造単位を有するポリマーの溶液(固形分濃度25質量%)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量Mwは16,200であった。
<合成例3>
アクリル酸7.5g、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE(日本化成(株)製))13.9g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテル41.7gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル25.7gを80℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、前記式(1−1)及び式(2−1)で表される構造単位を有するポリマーの溶液(固形分濃度25質量%)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量Mwは13,100であった。
<合成例4>
アクリル酸2.8g、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE(日本化成(株)製))12.5g、マレイミド10.6g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテル41.3gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル25.4gを80℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、下記式(1−1)、式(2−1)及び式(3−1)で表される構造単位を有するポリマーの溶液(固形分濃度25質量%)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量Mwは4,900であった。
<合成例5>
アクリル酸4.5g、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE(日本化成(株)製))12.5g、N−メチルマレイミド4.2g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテル41.4gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル25.5gを80℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、下記式(1−1)、式(2−1)及び式(3−2)で表される構造単位を有するポリマーの溶液(固形分濃度25質量%)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量Mwは9,500であった。
<合成例6>
アクリル酸4.4g、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE(日本化成(株)製))12.2g、N−ヒドロキシマレイミド4.8g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテル40.8gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル25.1gを80℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、下記式(1−1)、式(2−1)及び式(3−3)で表される構造単位を有するポリマーの溶液(固形分濃度25質量%)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量Mwは37,000であった。
<合成例7>
アクリル酸4.5g、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE(日本化成(株)製))12.5g、N−フェニルマレイミド4.2g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテル41.4gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル25.5gを80℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、下記式(1−1)、式(2−1)及び式(3−4)で表される構造単位を有するポリマーの溶液(固形分濃度25質量%)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量Mwは6,000であった。
<合成例8>
アクリル酸2.0g、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE(日本化成(株)製))5.6g、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド7.6g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.8gをプロピレングリコールモノメチルエーテル47.6gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル15.9gを80℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、下記式(1−1)、式(2−1)及び式(3−5)で表される構造単位を有するポリマーの溶液(固形分濃度20質量%)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量Mwは3,400であった。
<合成例9>
アクリル酸2.5g、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE(日本化成(株)製))7.0g、4−ヒドロキシフェニルメタクリレート9.4g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.9gをプロピレングリコールモノメチルエーテル36.8gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル22.7gを80℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、下記式(1−1)、式(2−1)及び式(4−1)で表される構造単位を有するポリマーの溶液(固形分濃度25質量%)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量Mwは15,500であった。
<合成例10>
2−アクリロイルオキシエチルコハク酸12.0g、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE(日本化成(株)製))11.1g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテル36.4gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル20.2gを80℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、下記式(1−3−1)及び式(2−1)で表される構造単位を有するポリマーの溶液(固形分濃度30質量%)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量Mwは7,600であった。
<合成例11>
2−カルボキシエチルアクリレート5.0g、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE(日本化成(株)製))7.0g及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.6gをプロピレングリコールモノメチルエーテル29.3gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル41.8gを65℃に保持したフラスコ中に3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに3時間反応させて、下記式(1−2−1)及び式(2−1)で表される構造単位を有するポリマーの溶液(固形分濃度15質量%)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量Mwは15,600であった。
<合成例12>
メタクリル酸4.0g、グリシジルメタクリレート6.6g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.6gをプロピレングリコールモノメチルエーテル33.7gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル30.0gを65℃に保持したフラスコ中に2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに6時間反応させて、前記式(1−1)乃至式(1−5)で表される構造単位も前記式(2)で表される構造単位も有さないポリマーの溶液(固形分濃度15質量%)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量Mwは26,800であった。
<合成例13>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート8.0g、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE(日本化成(株)製))11.0g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.8gをプロピレングリコールモノメチルエーテル36.8gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル22.6gを80℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、前記式(1−1)乃至式(1−5)で表される構造単位を有さないポリマーの溶液(固形分濃度25質量%)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量Mwは11,000であった。
<合成例14>
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート10.0g、グリシジルメタクリレート8.0g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテル35.4gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル21.8gを80℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、前記式(1−1)乃至式(1−5)で表される構造単位も前記式(2)で表される構造単位も有さないポリマーの溶液(固形分濃度25質量%)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量Mwは18,000であった。
<合成例15>
メチルメタクリレート20.0g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.4g、メタクリル酸1.2g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.7gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート37.8gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.0gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、前記式(1−1)乃至式(1−5)で表される構造単位も前記式(2)で表される構造単位も有さないポリマーの溶液(固形分濃度30.0質量%)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量Mwは8,200であった。
<合成例16>
スチレン8.0g、2−ヒドロキシエチルアクリレート3.2g、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート(カレンズ〔登録商標〕MOI−BP(昭和電工(株)製))8.8g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.4gをプロピレングリコールモノメチルエーテル39.8gに溶解させた後、この溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル24.5gを70℃に保持したフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに18時間反応させて、前記式(1−1)乃至式(1−5)で表される構造単位も前記式(2)で表される構造単位も有さないポリマーの溶液(固形分濃度25.0質量%)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量Mwは19,000であった。
[熱硬化性樹脂組成物の調製]
<実施例1>
合成例1で得られたポリマーの溶液4.0gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル31.3g及び乳酸エチル14.7gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<実施例2>
合成例2で得られたポリマーの溶液4.0gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル31.3g及び乳酸エチル14.7gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<実施例3>
合成例3で得られたポリマーの溶液4.0gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル31.3g及び乳酸エチル14.7gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<実施例4>
合成例4で得られたポリマーの溶液4.0gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル31.3g及び乳酸エチル14.7gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<実施例5>
合成例5で得られたポリマーの溶液4.0gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル31.3g及び乳酸エチル14.7gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<実施例6>
合成例6で得られたポリマーの溶液4.0gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル31.3g及び乳酸エチル14.7gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<実施例7>
合成例7で得られたポリマーの溶液4.0gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル31.3g及び乳酸エチル14.7gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<実施例8>
合成例8で得られたポリマーの溶液5.0gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル30.3g及び乳酸エチル14.7gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<実施例9>
合成例9で得られたポリマーの溶液4.0gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル31.3g及び乳酸エチル14.7gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<実施例10>
合成例1で得られたポリマーの溶液4.0g及び界面活性剤としてDFX−18((株)ネオス製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル31.6g及び乳酸エチル14.8gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<実施例11>
合成例1で得られたポリマーの溶液4.0g及び硬化促進剤としてトリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン0.04gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル29.4g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート13.9gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<実施例12>
合成例1で得られたポリマーの溶液4.0g及び硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.04gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル32.7g及び乳酸エチル15.3gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<実施例13>
合成例1で得られたポリマーの溶液4.0g及び硬化促進剤としてU−CAT〔登録商標〕SA 102(サンアプロ(株)製)0.04gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル32.7g及び乳酸エチル15.3gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<実施例14>
合成例1で得られたポリマーの溶液4.0g、硬化促進剤としてU−CAT〔登録商標〕SA 603(サンアプロ(株)製)0.04g及び界面活性剤としてDFX−18((株)ネオス製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル32.3g及び乳酸エチル15.1gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<実施例15>
合成例4で得られたポリマーの溶液4.0g及び硬化促進剤としてトリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン0.04gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル29.4g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート13.9gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<実施例16>
合成例7で得られたポリマーの溶液4.0g及び硬化促進剤としてトリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン0.03gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル29.1g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート13.7gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<実施例17>
合成例7で得られたポリマーの溶液4.0g及び硬化促進剤としてU−CAT〔登録商標〕18X(サンアプロ(株)製)0.02gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル32.0g及び乳酸エチル15.0gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<実施例18>
合成例7で得られたポリマーの溶液4.0g及び硬化促進剤としてヒシコーリン〔登録商標〕PX−4BT(日本化学工業(株)製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル31.6g及び乳酸エチル14.8gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<実施例19>
合成例10で得られたポリマーの溶液3.3g及び界面活性剤としてDFX−18((株)ネオス製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル32.0g及び乳酸エチル14.7gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<実施例20>
合成例11で得られたポリマーの溶液6.5g及び界面活性剤としてDFX−18((株)ネオス製)0.01gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル28.3g及び乳酸エチル14.5gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<比較例1>
合成例12で得られたポリマーの溶液6.0gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル25.8g及び乳酸エチル13.2gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<比較例2>
合成例13で得られたポリマーの溶液4.0gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル28.1g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート13.3gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<比較例3>
合成例14で得られたポリマーの溶液4.0gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル28.1g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート13.3gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<比較例4>
合成例15で得られたポリマーの溶液2.3g及び架橋剤としてメチル化メラミン樹脂(ニカラック〔登録商標〕MX−706(2−プロパノール溶液、固形分濃度70質量%)((株)三和ケミカル製))0.2gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル11.2g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート23.9gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
<比較例5>
合成例16で得られたポリマーの溶液4.0gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル31.3g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート14.7gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。
[耐溶剤性試験]
実施例1乃至実施例20及び比較例1乃至比較例5で調製した熱硬化性樹脂組成物をそれぞれ、シリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布し、ホットプレート上において100℃で1分間、さらに230℃で1.5分間ベークを行い、膜厚0.06μmの膜を形成した。これらの膜に対して、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、シクロヘキサノン、2−プロパノール及び2.38質量%濃度の水酸化テトラメチルアンモニウム(以下、TMAHと略称する。)水溶液に、それぞれ23℃の温度条件下、5分間浸漬した後、100℃で1分間乾燥ベークを行った。浸漬前及び乾燥ベーク後の膜厚測定を行い、膜厚変化を算出した。前記浸漬溶剤のうち1つでも、浸漬前の膜厚に対して10%以上の膜厚増減があった場合は“×”、全ての溶剤について膜厚増減が10%未満であった場合は“○”として耐溶剤性を評価した。評価結果を表1に示す。
[透過率測定]
実施例1乃至実施例20及び比較例1乃至比較例5で調製した熱硬化性樹脂組成物をそれぞれ、石英基板上にスピンコーターを用いて塗布し、ホットプレート上において100℃で1分間、さらに230℃で1.5分間ベークを行い、膜厚0.06μmの膜を形成した。これらの膜に対して、紫外線可視分光光度計UV−2600((株)島津製作所製)を用いて、波長400nm〜800nmの範囲で波長を2nmずつ変化させて透過率を測定した。さらにこの膜を260℃で5分間加熱した後、再び波長400nm〜800nmの範囲で波長を2nmずつ変化させて透過率を測定した。260℃で5分間加熱する前及び後での、波長400nm〜800nmの範囲で測定された最低透過率が90%以上であった場合は“○”、90%未満であった場合は“×”として透過率を評価した。評価結果を表1に示す。
[カラーレジスト残渣]
実施例1乃至実施例20及び比較例1乃至比較例5で調製した熱硬化性樹脂組成物をそれぞれ、シリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布し、ホットプレート上において100℃で1分間、さらに230℃で1.5分間ベークを行い、膜厚0.06μmの膜を形成した。この膜上に、顔料としてC.I.PigmentBlue 15:6及びC.I.Pigment Violet 23を含む、光ラジカル重合性顔料分散型青色カラーレジスト液を塗布し、ホットプレート上において100℃で1分間ベークを行い、膜厚0.5μmの青色カラーレジスト膜を形成した。次いで、i線ステッパーNSR−2205i12D(NA=0.63)((株)ニコン製)を用いて、前記青色カラーレジスト膜を、マスクを介して露光し、2.38質量%のTMAH水溶液で60秒間現像し、超純水で20秒間リンス後、乾燥して、100μm×100μmの矩形パターンを形成した。走査型電子顕微鏡S−9260((株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、矩形パターン周囲の膜上の青色カラーレジスト残渣の観察を行った。比較例1と比較した際の残渣レベル評価結果を表1に示す。さらに矩形パターン周囲を25,000倍の倍率で撮影した写真を図1乃至図25に示す。膜上に観察される青色カラーレジスト残渣が、比較例1よりも“少ない”、“多い”、“同等”の3レベルで、残渣レベルを評価した。
表1の結果から、本発明の熱硬化性樹脂組成物から形成された膜は、高耐溶剤性、高透明性であると共に、260℃で加熱した後でも着色しない高耐熱性を有するものであった。また、本発明の熱硬化性樹脂組成物から形成された膜上では、カラーレジストの残渣がほとんど観察されず、本発明の熱硬化性樹脂組成物から形成された膜はカラーレジストの残渣の発生を抑える効果に優れるものであった。一方、比較例1乃至比較例5で調製した熱硬化性樹脂組成物から形成された膜についても、高耐溶剤性、高透明性であると共に、260℃で加熱した後でも着色しない高耐熱性を有するものであった。しかし、比較例1乃至比較例5で調製した熱硬化性樹脂組成物から形成された膜上では、本発明の熱硬化性樹脂組成物から形成された膜上と比較してカラーレジストの残渣が多く観察された。すなわち、前記式(1−1)乃至式(1−5)で表される構造単位のうち少なくとも1種及び前記式(2)で表される構造単位を有する自己架橋性共重合体を含まず、該自己架橋性共重合体に該当しないポリマーを含む、比較例1乃至比較例5で調製した熱硬化性樹脂組成物から形成された膜は、カラーレジストの残渣の発生を抑える効果は無い又は不十分なものであった。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のデバイスにおける、保護膜、平坦化膜、カラーフィルター下層膜、フィラー分散レジスト下層膜等を形成する材料として好適である。また、本発明の熱硬化性樹脂組成物から得られる膜上にカラーレジストパターンを形成した場合、カラーレジストの残渣の発生を抑えることができ、カラーフィルターを備えたデバイスの品質及び歩留まりの向上に有用である。
図1は、実施例1の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図2は、実施例2の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図3は、実施例3の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図4は、実施例4の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図5は、実施例5の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図6は、実施例6の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図7は、実施例7の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図8は、実施例8の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図9は、実施例9の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図10は、実施例10の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図11は、実施例11の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図12は、実施例12の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図13は、実施例13の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図14は、実施例14の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図15は、実施例15の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図16は、実施例16の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図17は、実施例17の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図18は、実施例18の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図19は、実施例19の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図20は、実施例20の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図21は、比較例1の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図22は、比較例2の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図23は、比較例3の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図24は、比較例4の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。 図25は、比較例5の熱硬化性樹脂組成物から形成した膜上の矩形パターン周囲における青色カラーレジスト残渣を25,000倍の倍率で撮影した電子顕微鏡写真である。

Claims (9)

  1. 下記式(1−1)乃至式(1−5)で表される構造単位のうち少なくとも1種と、下記式(2)で表される構造単位と、下記式(3)及び式(4)で表される構造単位のうち少なくとも1種とを有する自己架橋性共重合体、及び溶剤を含有する熱硬化性樹脂組成物。
    (式中、Xは炭素原子数1乃至6のアルキレン基を表し、Zはグリシジル基、グリシジロキシエチル基、グリシジロキシプロピル基、グリシジロキシブチル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシエチル基、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシプロピル基又は3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシブチル基を表す。)
    (式中、R は水素原子、ヒドロキシ基、炭素原子数1乃至6のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基又はベンジル基を表し、該アルキル基、該シクロヘキシル基、該フェニル基及び該ベンジル基は、水素原子の一部又は全てがヒドロキシ基又はカルボキシル基で置換されていてもよく、R は水素原子又はメチル基を表し、aは1乃至5の整数を表す。)
  2. 前記式(2)で表される構造単位は下記式(2−1)乃至式(2−7)で表される構造単位のうち少なくとも1種である、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. さらに硬化促進剤を含有する、請求項1又は請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. さらに界面活性剤を含有する請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 保護膜用である請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 平坦化膜用である請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. カラーフィルター下層膜用である請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を基板上に塗布後、加熱手段を用いて前記熱硬化性樹脂組成物をベークすることによる、硬化膜、保護膜、平坦化膜又はカラーフィルター下層膜の作製方法。
  9. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を基板上に塗布後加熱してカラーフィルター下層膜を形成する工程、前記カラーフィルター下層膜上にカラーレジストを塗布し加熱してカラーレジスト膜を形成する工程、及び前記カラーレジスト膜に対し露光、現像及びリンスを行い、カラーレジストパターンを形成する工程を有する、カラーフィルターの形成方法。
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