JP6794728B2 - 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物 - Google Patents

感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物 Download PDF

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Description

本発明は、感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物に関する。
半導体デバイス、液晶デバイス等の各種電子デバイス構造の微細化に伴って、リソグラフィー工程におけるレジストパターンのさらなる微細化が要求されており、そのため、種々の感放射線性樹脂組成物が検討されている。このような感放射線性樹脂組成物は、ArFエキシマレーザー等の遠紫外線、極端紫外線(EUV)、電子線などの露光光の照射により露光部に酸を生成させ、この酸の触媒作用により露光部と未露光部の現像液に対する溶解速度に差を生じさせ、基板上にレジストパターンを形成させる。
かかる感放射線性樹脂組成物には、解像性及びレジストパターンの断面形状の矩形性に優れるだけでなく、LWR(Line Width Roughness)性能に優れると共に、焦点深度及びMEEF(Mask Error Enhancement Factor)性能にも優れ、高精度なパターンを高い歩留まりで得られることが求められる。この要求に対して、感放射線性樹脂組成物に含有される重合体の構造が種々検討されており、ブチロラクトン構造、ノルボルナンラクトン構造等のラクトン構造を有することで、レジストパターンの基板への密着性を高めると共に、これらの性能を向上できることが知られている(特開平11−212265号公報、特開2003−5375号公報及び特開2008−83370号公報参照)。
特開平11−212265号公報 特開2003−5375号公報 特開2008−83370号公報
しかし、レジストパターンの微細化が線幅45nm以下のレベルまで進展している現在にあっては、上記性能の要求レベルはさらに高まり、上記従来の感放射線性樹脂組成物では、これらの要求を満足させることはできていない。また、最近では、露光後加熱(Post Exposure Bake(PEB))の際のレジスト膜の収縮が小さく、膜収縮抑制性に優れることが要求され、その結果、上述のレジスト諸性能がより向上することが求められている。
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、LWR性能、解像性、断面形状の矩形性、焦点深度、MEEF性能及び膜収縮抑制性に優れる感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、下記式(1)で表される基(以下、「基(I)」ともいう)を含む第1構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう)を有する第1重合体(以下、「[A]重合体」ともいう)と、感放射線性酸発生体(以下、「[B]酸発生体」ともいう)と、溶媒(以下、「[C]溶媒」ともいう)とを含有する感放射線性樹脂組成物である。
Figure 0006794728
(式(1)中、Rは、酸素原子を含む環員数3〜20の1価の環状基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。但し、Rが単環のラクトン環基の場合、Lは単結合である。*は、上記構造単位(I)における上記基(I)以外の部分との結合部位を示す。)
上記課題を解決するためになされた別の発明は、基板の一方の面に、当該感放射線性樹脂組成物を塗工する工程と、上記塗工工程により得られるレジスト膜を露光する工程と、上記露光されたレジスト膜を現像する工程とを備えるレジストパターン形成方法である。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、上記基(I)を含む構造単位を有する重合体である。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、下記式(i)で表される化合物(以下、「化合物(i)」ともいう)である。
Figure 0006794728
(式(i)中、Rは、炭素数3〜20の酸素原子を含む1価の環状基である。Lは、
単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。Rは、重合性炭素−炭素二重結合を含む1価の基である。但し、Rが単環のラクトン環基の場合、Lは単結合である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。)
ここで、「酸素原子を含む環状基」とは、環構造を含み、この環を構成する原子として酸素原子を有するか、又は上記環を構成する原子に酸素原子が結合している基をいう。「単環のラクトン環基」とは、−O−C(O)−で表される基を含む環(ラクトン環)を1つ有し、このラクトン環以外の環を有さない基をいう。「環員数」とは、脂環構造、芳香環構造、脂肪族複素環構造及び芳香族複素環構造の環を構成する原子数をいい、多環の場合は、この多環を構成する原子数をいう。例えばナフタレン構造の環員数は10であり、ベンゾフラン構造の環員数は9である。「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。
本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、優れた焦点深度、MEEF性能及び膜収縮抑制性を発揮しつつ、LWRが小さく、解像度が高く、かつ断面形状の矩形性に優れるレジストパターンを形成することができる。本発明の重合体は、当該感放射線性樹脂組成物の重合体成分として好適に用いることができる。本発明の化合物は、当該重合体の単量体として好適に用いることができる。従って、これらは今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造用に好適に用いることができる。
<感放射線性樹脂組成物>
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体と[B]酸発生体と[C]溶媒とを含有する。当該感放射線性樹脂組成物は、好適成分として、[D]酸拡散制御体、[E][A]重合体以外のフッ素原子含有重合体(以下、「[E]重合体」ともいう)及び[F][A]重合体よりもフッ素原子含有率が小さく、かつ酸解離性基を含む構造単位を有する重合体(以下、「[F]重合体」ともいう)を含有していてもよく、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有していてもよい。
当該感放射性樹脂組成物は、重合体成分として、ベース重合体のみを含有していてもよく、ベース重合体以外に撥水性重合体添加剤を含有することもできる。「ベース重合体」とは、感放射性樹脂組成物から形成されるレジスト膜の主成分となる重合体をいい、好ましくは、レジスト膜を構成する全重合体に対して50質量%以上を占める重合体をいう。また、「撥水性重合体添加剤」とは、感放射性樹脂組成物に含有させることで、形成されるレジスト膜の表層に偏在化する傾向を有する重合体である。ベース重合体となる重合体より疎水性が高い重合体は、レジスト膜表層に偏在化する傾向があり、撥水性重合体添加剤として機能させることができる。当該感放射性樹脂組成物は、撥水性重合体添加剤を含有することで、レジスト膜からの酸発生体等の溶出を抑制できると共に、形成されたレジスト膜表面が高い動的接触角を示すので、レジスト膜表面は優れた水切れ特性を発揮することができる。これにより液浸露光プロセスにおいて、レジスト膜表面と液浸媒体を遮断するための上層膜を別途形成することを要することなく、高速スキャン露光を可能にすることができる。当該感放射性樹脂組成物が撥水性添加剤を含有する場合、撥水性重合体添加剤の含有量の下限としては、ベース重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.3質量部がより好ましく、0.5質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、20質量部が好ましく、15質量部がより好ましく、10質量部がさらに好ましい。当該感放射性樹脂組成物におけるベース重合体の含有量の下限としては、当該感放射性樹脂組成物中の全固形分に対して、70質量%が好ましく、80質量%がより好ましく、85質量%がさらに好ましい。上記含有量の上限としては例えば99質量%である。
当該感放射性樹脂組成物において、重合体が撥水性重合体添加剤として良好に機能するには、撥水性重合体添加剤を構成する重合体は、フッ素原子を有する重合体が好ましく、またそのフッ素原子含有率が、ベース重合体のフッ素原子含有率より大きいことがより好ましい。撥水性重合体添加剤のフッ素原子含有率がベース重合体のフッ素原子含有率よりも大きいと、形成されたレジスト膜において、撥水性重合体添加剤がその表層に偏在化する傾向がより高まるため、レジスト膜表面の高い水切れ性等の撥水性重合体添加剤の疎水性に起因する特性がより効果的に発揮される。
当該感放射性樹脂組成物における重合体成分の態様としては、(1)ベース重合体としての[A]重合体(以下、「[A1]重合体」ともいう)、(2)ベース重合体としての[A]重合体及び撥水性重合体添加剤としての[A]重合体(以下、「[A2]重合体」ともいう)、(3)ベース重合体としての[A]重合体及び撥水性重合体添加剤としての[E]重合体、(4)撥水性重合体添加剤としての[A]重合体及びベース重合体としての[F]重合体をそれぞれ含有する場合等が挙げられる。
以下、各成分について説明する。
<[A]重合体>
[A]重合体は、構造単位(I)を有する重合体である。当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体が構造単位(I)を有することで、LWR性能、解像性、断面形状の矩形性、焦点深度、MEEF性能及び膜収縮抑制性(以下、「LWR性能等」ともいう)に優れる。当該感放射線性樹脂組成物が上記構成を有することで、上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが、例えば以下のように推察することができる。すなわち、[A]重合体は、構造単位(I)の基(I)中にカルボニル基を含み、また、多くの酸素原子を有しているため、適度に高い剛直性を有している。当該感放射線性樹脂組成物は、この[A]重合体の剛直性及び高い極性により、[B]酸発生体から生じる酸の拡散長が適度に短くなるため、LWR性能、解像性、断面形状の矩形性、焦点深度及びMEEF性能が向上する。また、当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体が上述の適度に高い剛直性を有することにより、PEB時のレジスト膜の収縮が低減し、膜収縮抑制性が向上すると考えられる。
[A]重合体は、構造単位(I)以外にも、酸解離性基を含む構造単位(II)、構造単位(I)以外の構造単位であってラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位(III)及び/又はヒドロキシ基を含む構造単位(IV)を有することが好ましく、上記構造単位(I)〜(IV)以外のその他の構造単位を有してもよい。[A]重合体は、各構造単位を1種又は2種以上有していてもよい。以下、各構造単位について説明する。
[構造単位(I)]
構造単位(I)は、基(I)を含む構造単位である。基(I)は、下記式(1)で表される基である。
Figure 0006794728
上記式(1)中、Rは、酸素原子を含む環員数3〜20の1価の環状基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。但し、Rが単環のラクトン環基の場合、Lは単結合である。*は、上記構造単位(I)における基(I)以外の部分との結合部位を示す。
で表される酸素原子を含む環員数3〜20の1価の環状基としては、例えば
ノルボルナンラクトン−イル基、シアノノルボルナンラクトン−イル基、オキシノルボルナンラクトン−イル基等の多環のラクトン環基、ブチロラクトン−イル基、バレロラクトン−イル基等の単環のラクトン環基などのラクトン環基;
エチレンカーボネート基、プロピレンカーボネート基、ブチレンカーボネート基、ビニレンカーボネート基等のカーボネート環基;
1,3−ジオキサシクロペンタン−イル基、2,2−ジメチル−1,3−ジオキサシクロペンタン−イル基、1,3−ジオキサシクロヘキサン−イル基、1,3−ジオキサシクロペンテン−イル基、1,3−ジオキサシクロヘキセン−イル基等のアセタール環基;
ヒドロキシシクロヘキシル基、ヒドロキシシクロヘキセニル基、ヒドロキシノルボルニル基、ヒドロキシアダマンチル基等のアルコール性水酸基含有脂環式基;
ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基等のフェノール性水酸基含有基;
オキシラニル基、オキセタニル基、オキサシクロペンチル基、オキサシクロペンテニル基、オキサシクロヘキシル基、オキサシクロヘキセニル基等の環状エーテル基;
フラニル基、ピラニル基、クロマニル基、イソクロマニル基、クロメニル基、キサンテニル基等の酸素原子含有芳香族複素環基などが挙げられる。これらの中で、ラクトン環基、カーボネート環基、アセタール環基、アルコール性水酸基含有脂環式基及びフェノール性水酸基含有基が好ましく、ラクトン環基、カーボネート環基、アセタール環基及びアルコール性水酸基含有基がより好ましく、ラクトン環基がより好ましい。
で表される炭素数1〜20の2価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の2価の炭化水素基、この2価の炭化水素基の炭素−炭素間に2価のヘテロ原子含有基を含む基(α)、上記2価の炭化水素基及び基(α)が有する水素原子の一部又は全部を1価のヘテロ原子含有基で置換した基等が挙げられる。
炭素数1〜20の2価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20の2価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
炭素数1〜20の2価の鎖状炭化水素基としては、例えば
メタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基、ブタンジイル基等のアルカンジイル基;
エテンジイル基、プロペンジイル基、ブテンジイル基等のアルケンジイル基;
エチンジイル基、プロピンジイル基、ブチンジイル基等のアルキンジイル基などが挙げられる。
炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基等の2価の単環の脂環式飽和炭化水素基;
シクロペンテンジイル基、シクロヘキセンジイル基等の2価の単環の脂環式不飽和炭化水素基;
ノルボルナンジイル基、アダマンタンジイル基、トリシクロデカンジイル基等の2価の多環の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルネンジイル基、トリシクロデセンジイル基等の2価の多環の脂環式不飽和炭化水素基などが挙げられる。
炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基としては、例えば
ベンゼンジイル基、トルエンジイル基、キシレンジイル基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基等のアレーンジイル基;
ベンゼンジイルメタンジイル基、ベンゼンジイルエタンジイル基、ナフタレンジイルメタンジイル基、アントラセンジイルメタンジイル基等のアレーンジイルアルカンジイル基などが挙げられる。
1価及び2価のヘテロ原子含有基を構成するヘテロ原子としては、例えば酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
2価のヘテロ原子含有基としては、例えば−O−、−CO−、−S−、−CS−、−NR’−、これらのうちの2つ以上を組み合わせた基等が挙げられる。R’は、水素原子又は1価の炭化水素基である。これらの中で、−O−が好ましい。
1価のヘテロ原子含有基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、アミノ基、スルファニル基等が挙げられる。これらの中で、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
としては、単結合及び2価の炭化水素基が好ましく、単結合及びアルカンジイル基がより好ましく、単結合及びメタンジイル基がさらに好ましく、単結合が特に好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物において、Rが単環のラクトン環基の場合、Lは単結合である。Rが単環のラクトン環基の場合、Lが2価の有機基であると、[A]重合体の剛直性が不足すると考えられ、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等が低下する。
基(I)としては、例えば下記式(I−1)〜(I−7)で表される基(以下、「基(I−1)〜(I−7)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 0006794728
上記式(I−1)〜(I−7)中、*は、上記式(1)と同義である。
これらの中で、基(I−1)〜(I−7)が好ましい。
構造単位(I)としては、例えば下記式(1−1)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−1)」ともいう)、下記式(1−2)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−2)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 0006794728
上記式(1−1)及び(1−2)中、Zは、上記基(I)である。
上記式(1−1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Lは、炭素数1〜20の2価の有機基である。
上記式(1−2)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。Lは、炭素数1〜20の2価の有機基である。
としては、構造単位(I−1)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子及びメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
で表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば上記式(1)のLの2価の有機基として例示した基に1個の水素原子を加えた基等が挙げられる。Rとしては、有機基が好ましく、炭化水素基がより好ましく、鎖状炭化水素基がさらに好ましく、アルカンジイル基が特に好ましい。
及びLで表される炭素数1〜20の2価の有機基としては、例えば上記式(1)のLの2価の有機基として例示したものと同様の基等が挙げられる。L及びLとしては、炭化水素基が好ましく、アルカンジイル基、単環の脂環式飽和炭化水素基、多環の脂環式飽和炭化水素基及びアレーンジイル基がより好ましく、メタンジイル基、エタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、アダマンタンジイル基及びベンゼンジイル基がさらに好ましい。
構造単位(I−1)としては、例えば下記式(1−1−1)〜(1−1−10)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−1−1)〜(I−1−10)」ともいう)等が挙げられる。構造単位(I−2)としては、例えば下記式(1−2−1)、式(1−2−2)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−2−1)、(I−2−2)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 0006794728
上記式(1−1−1)〜(1−1−10)中、Rは上記式(1−1)と同義である。
上記式(1−2−1)及び(1−2−2)中、Rは上記式(1−2)と同義である。
構造単位(I)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、1モル%が好ましく、3モル%がより好ましく、5モル%がさらに好ましく、8モル%が特に好ましい。構造単位(I)の含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、50モル%がより好ましく、30モル%がさらに好ましく、20モル%が特に好ましい。構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をより向上させることができる。
構造単位(I)を与える化合物としては、例えば化合物(i)等が挙げられる。化合物(i)は、下記式(i)で表される。
Figure 0006794728
上記式(i)中、Rは、炭素数3〜20の酸素原子を含む1価の環状基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。Rは、重合性炭素−炭素二重結合を含む1価の基である。但し、Rが単環のラクトン環基の場合、Lは単結合である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。
の1価の基における重合性炭素−炭素二重結合を含む基としては、例えば(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基等が挙げられる。
化合物(i)としては、例えば下記式(i1)〜(i12)で表される化合物(以下、「化合物(i1)〜(i12)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 0006794728
上記式(i1)〜(i10)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
上記式(i11)及び(i12)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。
これらの中で、化合物(i1)〜(i12)が好ましい。
化合物(i)は、例えば上記式(i)におけるRがR4’−COO−(R4’は、重合性炭素−炭素二重結合を含む1価の基)である下記式(i’)で表される化合物の場合、下記スキームに従い、簡便かつ収率よく合成することができる。
Figure 0006794728
上記スキーム中、Rは、炭素数3〜20の酸素原子を含む1価の環状基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。但し、Rが単環のラクトン環基の場合、Lは単結合である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。Y及びYは、それぞれ独立して、ハロゲン原子である。R4’は、重合性炭素−炭素二重結合を含む1価の基である。
及びYで表されるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。これらの中で、塩素原子及び臭素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
上記式(i’−a)で表されるハロギ酸ハロエステルと、上記式(i’−b)で表されるヒドロキシ化合物とを、ピリジン等の塩基存在下、塩化メチレン等の溶媒中で反応させることにより、上記式(i’−c)で表される化合物が得られる。この化合物(i’−c)と、上記式(i’−d)で表されるカルボン酸とを、炭酸カリウム、ヨウ化カリウム等の塩存在下、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中で反応させることにより、化合物(i’)を得ることができる。
得られた生成物を、カラムクロマトグラフィー、再結晶、蒸留等により適切に精製することにより化合物(i’)を単離することができる。
化合物(i’)以外の化合物(i)についても、上記同様の方法により合成することができる。
[構造単位(II)]
構造単位(II)は、酸解離性基を含む構造単位である。「酸解離性基」とは、カルボキシ基、ヒドロキシ基等の水素原子を置換する基であって、酸の作用により解離する基をいう。当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体が構造単位(I)に加え構造単位(II)を有することで、感度がより高まり、その結果、LWR性能等をより向上させることができる。
構造単位(II)としては、例えば下記式(2)で表される構造単位(以下、「構造単位(II−1)」ともいう)、アセタール構造を含む構造単位(以下、「構造単位(II−2)」ともいう)等が挙げられる。[A]重合体は、構造単位(II−1)及び(II−2)をそれぞれ1種又は2種以上を有していてもよい。[A]重合体は、構造単位(II−1)及び構造単位(II−2)の両方を有してもよい。以下、構造単位(II−1)及び構造単位(II−2)について説明する。
(構造単位(II−1))
構造単位(II−1)は、下記式(2)で表される構造単位である。下記式(2)における−CR151617で表される基が酸解離性基である。
Figure 0006794728
上記式(2)中、R14は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R15は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。R16及びR17は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される炭素数3〜20の脂環構造を表す。
14としては、構造単位(II−1)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子及びメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
15、R16及びR17で表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば上記Lとして例示した2価の炭化水素基に1個の水素原子を加えた基等が挙げられる。
16及びR17の基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される炭素数3〜20の脂環構造としては、例えばシクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロペンテン構造、シクロヘキセン構造、ノルボルナン構造、アダマンタン構造等が挙げられる。
構造単位(II−1)としては、下記式(2−1)〜(2−5)で表される構造単位(以下、「構造単位(II−1−1)〜(II−1−5)」ともいう)が好ましい。
Figure 0006794728
上記式(2−1)〜(2−5)中、R14〜R17は、上記式(2)と同義である。i及びjは、それぞれ独立して、1〜4の整数である。
構造単位(II−1)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 0006794728

Figure 0006794728
上記式中、R14は、上記式(2)と同義である。
構造単位(II−1)としては、構造単位(II−1−1)〜(II−1−3)が好ましく、1−アルキルシクロペンタン−1−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、2−アルキル−アダマンタン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び2−(シクロアルカン−1−イル)プロパン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がより好ましい。
(構造単位(II−2))
構造単位(II−2)は、アセタール構造を含む構造単位である。アセタール構造を含む基としては、例えば下記式(X)で表される基(以下、「基(X)」ともいう)等が挙げられる。基(X)は、酸の作用により分解して、*−OH、RC=O及びROHを生じる。基(X)において−C(R)(R)(OR)が酸解離性基である。

Figure 0006794728
上記式(X)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。Rは、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。Rは、単結合又は炭素数1〜20の2価の炭化水素基である。R、R、R及びRのうちの2つ以上が、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子又は原子鎖と共に環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。*は、構造単位(II−2)中の上記基(X)以外の部分との結合部位を示す。
、R及びRで表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えばRとして例示した炭素数1〜20の1価の有機基と同様の基等が挙げられる。
及びRとしては、水素原子及び鎖状炭化水素基が好ましく、水素原子及びアルキル基がより好ましく、水素原子及びメチル基がさらに好ましい。Rとしては、鎖状炭化水素基が好ましく、アルキル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。
としては、単結合又は鎖状炭化水素基が好ましく、鎖状炭化水素基がより好ましく、アルカンジイル基がさらに好ましく、メタンジイル基が特に好ましい。
、R、R及びRのうちの2つ以上が形成する環員数3〜20の環構造としては、例えば1,3−ジオキサシクロペンタン構造等の1,3−ジオキサシクロアルカン構造などが挙げられる。
基(X)としては、環状アセタール構造を含む基が好ましく、2,2−ジメチル−1,3−ジオキサシクロペンタン構造を含む基がより好ましい。
[A]重合体が構造単位(II)を有する場合、構造単位(II)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、20モル%がより好ましく、30モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、60モル%がさらに好ましい。構造単位(II)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の感度がさらに向上し、結果として、LWR性能等をさらに向上させることができる。
[構造単位(III)]
構造単位(III)は、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造又はこれらの組み合わせを含む構造単位である。[A]重合体は、構造単位(III)をさらに有することで、現像液への溶解性をより調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をより向上させることができる。また、当該感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンと基板との密着性を向上させることができる。
構造単位(III)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 0006794728

Figure 0006794728

Figure 0006794728
上記式中、RL1は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
構造単位(III)としては、これらの中で、ノルボルナンラクトン構造を含む構造単位、γ−ブチロラクトン構造を含む構造単位、エチレンカーボネート構造を含む構造単位及びノルボルナンスルトン構造を含む構造単位が好ましい。
[A]重合体が構造単位(III)を有する場合、構造単位(III)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、20モル%がより好ましく、25モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、70モル%が好ましく、60モル%がより好ましく、55モル%がさらに好ましい。上記含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をさらに向上させることができる。また、レジストパターンの基板への密着性をより向上させることができる。
[構造単位(IV)]
構造単位(IV)は、ヒドロキシ基を含む構造単位である。ヒドロキシ基としては、アルコール性ヒドロキシ基、フェノール性ヒドロキシ基等が挙げられる。[A]重合体は、構造単位(IV)をさらに有することで、現像液への溶解性をより調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をより向上させることができる。また、当該感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンと基板との密着性を向上させることができる。構造単位(IV)がフェノール性ヒドロキシ基を含む場合、当該感放射線性樹脂組成物は、KrF露光、EUV露光、電子線露光等における感度をより高めることができる。
構造単位(IV)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 0006794728
上記式中、RL2は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
構造単位(IV)としては、ヒドロキシスチレンに由来する構造単位及び3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位が好ましい。
[A]重合体が構造単位(IV)を有する場合、構造単位(IV)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、1モル%が好ましく、5モル%がより好ましい。上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、30モル%がさらに好ましい。
フェノール性ヒドロキシ基を含む構造単位は、例えばアセトキシスチレン等の単量体を用いて得られた重合体を、トリエチルアミン等の塩基存在下で加水分解すること等により形成することができる。
<その他の構造単位>
[A]重合体は、上記構造単位(I)〜(IV)以外のその他の構造単位を有していてもよい。その他の構造単位としては、例えばカルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、スルホンアミド基又はこれらの組み合わせを含む構造単位、非解離性の炭化水素基を含む構造単位等が挙げられる。[A]重合体がこれらの構造単位を有する場合、これらの構造単位の含有割合の上限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、20モル%が好ましく、10モル%がより好ましい。
また、[A]重合体が[A2]重合体である場合、[A]重合体は、フッ素原子を含む構造単位を有することが好ましい。フッ素原子を含む構造単位としては、例えば後述する[E]重合体における構造単位(Ea)、構造単位(Eb)等が挙げられる。[A]重合体がこれらの構造単位を有する場合、これらの構造単位の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、1モル%が好ましく、5モル%がより好ましく、10モル%がさらに好ましく、20モル%が特に好ましい。上記構造単位の上限としては、80モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、50モル%がさらに好ましい。
[A]重合体の含有量の下限としては、当該感放射線性樹脂組成物の全固形分([C]溶媒以外の成分の総和)に対して、70質量%が好ましく、80質量%がより好ましく、85質量%がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、99質量%が好ましく、95質量%がより好ましい。[A]重合体は、1種又は2種以上を含有することができる。
<[A]重合体の合成方法>
[A]重合体は、例えば各構造単位を与える単量体を、ラジカル重合開始剤等を用い、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。
ラジカル重合開始剤としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系ラジカル開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系ラジカル開始剤等が挙げられる。これらの中で、AIBN及びジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートが好ましく、AIBNがより好ましい。これらのラジカル重合開始剤は1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
重合に使用される溶媒としては、例えば
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
アセトン、ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコール類等が挙げられる。これらの重合に使用される溶媒は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
重合における反応温度の下限としては、40℃が好ましく、50℃がより好ましい。上記反応温度の上限としては、150℃が好ましく、120℃がより好ましい。重合における反応時間の下限としては、1時間が好ましく、2時間がより好ましい。上記反応時間の上限としては、48時間が好ましく、24時間がより好ましい。
[A]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)の下限としては、1,000が好ましく、2,000がより好ましく、3,000がさらに好ましく、5,000が特に好ましい。上記Mwの上限としては、50,000が好ましく、30,000がより好ましく、20,000がさらに好ましく、15,000が特に好ましい。[A]重合体のMwを上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の塗工性を向上させることができ、その結果、LWR性能等をより向上させることができる。
[A]重合体のGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)に対するMwの比(Mw/Mn)の上限としては、5が好ましく、3がより好ましく、2がさらに好ましく、1.7が特に好ましい。上記比の下限としては、通常1であり、1.1が好ましい。
本明細書における重合体のMw及びMnは、以下の条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される値である。
GPCカラム:東ソー社の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本及び「G4000HXL」1本
カラム温度:40℃
溶出溶媒:テトラヒドロフラン(和光純薬工業社)
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
<[B]酸発生体>
[B]酸発生体は、露光により酸を発生する物質である。この発生した酸により[A]重合体等が有する酸解離性基が解離してカルボキシ基、ヒドロキシ基等が生じ、[A]重合体の現像液への溶解性が変化するため、当該感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成することができる。当該感放射線性樹脂組成物における[B]酸発生体の含有形態としては、低分子化合物の形態(以下、「[B]酸発生剤」ともいう)でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[B]酸発生剤としては、例えばオニウム塩化合物、N−スルホニルオキシイミド化合物、スルホンイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物等が挙げられる。
オニウム塩化合物としては、例えばスルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。
[B]酸発生剤の具体例としては、例えば特開2009−134088号公報の段落[0080]〜[0113]に記載されている化合物等が挙げられる。
[B]酸発生体から発生する酸としては、例えばスルホン酸、イミド酸、アミド酸、メチド酸、ホスフィン酸、カルボン酸等が挙げられる。これらの中で、スルホン酸、イミド酸、アミド酸及びメチド酸が好ましい。
[B]酸発生剤としては、例えば下記式(4)で表される化合物(以下、「[B1]酸発生剤」ともいう)等が挙げられる。

Figure 0006794728
上記式(4)中、Aは、1価のスルホン酸アニオン、1価のイミド酸アニオン、1価のアミド酸アニオン又は1価のメチド酸アニオンである。Zは、1価の感放射線性オニウムカチオンである。
[B1]酸発生剤は、上記式(4)におけるAがスルホン酸アニオンの場合(以下、「[B1a]酸発生剤」ともいう)、スルホン酸が発生する。Aがイミド酸アニオンの場合(以下、「[B1b]酸発生剤」ともいう)、イミド酸が発生する。Aがアミド酸アニオンの場合(以下、「[B1c]酸発生剤」ともいう)、アミド酸が発生する。Aがメチド酸アニオンの場合(以下、「[B1d]酸発生剤」ともいう)、メチド酸が発生する。
[B1a]酸発生剤としては、例えば下記式(4−1)で表される化合物(以下、「化合物(4−1)」ともいう)等が挙げられる。[B1]酸発生剤が下記構造を有することで、[A]重合体成分の構造単位(I)及び構造単位(II)との相互作用等により、露光により発生する酸のレジスト膜中の拡散長がより適度に短くなると考えられ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をより向上させることができる。
Figure 0006794728
上記式(4−1)中、Rp1は、環員数6以上の環構造を含む1価の基である。Rp2は、2価の連結基である。Rp3及びRp4は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のフッ素化炭化水素基である。Rp5及びRp6は、それぞれ独立して、フッ素原子又は炭素数1〜20の1価のフッ素化炭化水素基である。np1は、0〜10の整数である。np2は、0〜10の整数である。np3は、0〜10の整数である。但し、np1+np2+np3は、1以上30以下である。np1が2以上の場合、複数のRp2は同一でも異なっていてもよい。np2が2以上の場合、複数のRp3は同一でも異なっていてもよく、複数のRp4は同一でも異なっていてもよい。np3が2以上の場合、複数のRp5は同一でも異なっていてもよく、複数のRp6は同一でも異なっていてもよい。Zは、上記式(4)と同義である。
p1で表される環員数6以上の環構造を含む1価の基としては、例えば環員数6以上の脂環構造を含む1価の基、環員数6以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基、環員数6以上の芳香環構造を含む1価の基、環員数6以上の芳香族複素環構造を含む1価の基等が挙げられる。
環員数6以上の脂環構造としては、例えば
シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造、シクロノナン構造、シクロデカン構造、シクロドデカン構造等の単環の飽和脂環構造;
シクロヘキセン構造、シクロヘプテン構造、シクロオクテン構造、シクロデセン構造等の単環の不飽和脂環構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環の飽和脂環構造;
ノルボルネン構造、トリシクロデセン構造等の多環の不飽和脂環構造等が挙げられる。
環員数6以上の脂肪族複素環構造としては、例えば
ヘキサノラクトン構造、ノルボルナンラクトン構造等のラクトン構造;
ヘキサノスルトン構造、ノルボルナンスルトン構造等のスルトン構造;
オキサシクロヘプタン構造、オキサノルボルナン構造等の酸素原子含有複素環構造;
アザシクロヘキサン構造、ジアザビシクロオクタン構造等の窒素原子含有複素環構造;
チアシクロヘキサン構造、チアノルボルナン構造等のイオウ原子含有複素環構造などが挙げられる。
環員数6以上の芳香環構造としては、例えばベンゼン構造、ナフタレン構造、フェナントレン構造、アントラセン構造等が挙げられる。
環員数6以上の芳香族複素環構造としては、例えば
ピラン構造、ベンゾフラン構造、ベンゾピラン構造等の酸素原子含有複素環構造;
ピリジン構造、ピリミジン構造、インドール構造等の窒素原子含有複素環構造などが挙げられる。
p1の環構造の環員数の下限としては、7が好ましく、8がより好ましく、9がさらに好ましく、10が特に好ましい。上記環員数の上限としては、15が好ましく、14がより好ましく、13がさらに好ましく、12が特に好ましい。上記環員数を上記範囲とすることで、上述の酸の拡散長をさらに適度に短くすることができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をより向上させることができる。
p1の環構造が有する水素原子の一部又は全部は、置換基で置換されていてもよい。上記置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アシル基、アシロキシ基等が挙げられる。これらの中でヒドロキシ基が好ましい。
p1としては、環員数6以上の脂環構造を含む1価の基及び環員数6以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基が好ましく、環員数9以上の脂環構造を含む1価の基及び環員数9以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基がより好ましく、アダマンチル基、ヒドロキシアダマンチル基、ノルボルナンラクトン−イル基、ノルボルナンスルトン−イル基及び5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−イル基がさらに好ましく、アダマンチル基が特に好ましい。
p2で表される2価の連結基としては、例えばカルボニル基、エーテル基、カルボニルオキシ基、スルフィド基、チオカルボニル基、スルホニル基、2価の炭化水素基等が挙げられる。これらの中で、カルボニルオキシ基、スルホニル基、アルカンジイル基及び2価の脂環式飽和炭化水素基が好ましく、カルボニルオキシ基及び2価の脂環式飽和炭化水素基がより好ましく、カルボニルオキシ基及びノルボルナンジイル基がさらに好ましく、カルボニルオキシ基が特に好ましい。
p3及びRp4で表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20のアルキル基等が挙げられる。Rp3及びRp4で表される炭素数1〜20の1価のフッ素化炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20のフッ素化アルキル基等が挙げられる。Rp3及びRp4としては、水素原子、フッ素原子及びフッ素化アルキル基が好ましく、フッ素原子及びパーフルオロアルキル基がより好ましく、フッ素原子及びトリフルオロメチル基がさらに好ましい。
p5及びRp6で表される炭素数1〜20の1価のフッ素化炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20のフッ素化アルキル基等が挙げられる。Rp5及びRp6としては、フッ素原子及びフッ素化アルキル基が好ましく、フッ素原子及びパーフルオロアルキル基がより好ましく、フッ素原子及びトリフルオロメチル基がさらに好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
p1としては、0〜5の整数が好ましく、0〜3の整数がより好ましく、0〜2の整数がさらに好ましく、0及び1が特に好ましい。
p2としては、0〜5の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0及び1がさらに好ましく、0が特に好ましい。
p3の下限としては、1が好ましく、2がより好ましい。np3を1以上とすることで、化合物(4−1)から生じる酸の強さを高めることができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をより向上させることができる。np3の上限としては、4が好ましく、3がより好ましく、2がさらに好ましい。
p1+np2+np3の下限としては、2が好ましく、4がより好ましい。np1+np2+np3の上限としては、20が好ましく、10がより好ましい。
で表される1価の感放射線性オニウムカチオンとしては、例えば下記式(Z−1)〜(Z−3)で表されるカチオン(以下、「カチオン(Z−1)〜(Z−3)」ともいう)等が挙げられる。

Figure 0006794728
上記式(Z−1)中、Ra1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、−OSO−R若しくは−SO−Rであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。ここで、R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5〜25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。k1、k2及びk3は、それぞれ独立して0〜5の整数である。Ra1〜Ra3並びにR及びRがそれぞれ複数の場合、複数のRa1〜Ra3並びにR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記式(Z−2)中、Ra4は、置換若しくは非置換の炭素数1〜8のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6〜8の芳香族炭化水素基である。k4は、0〜7の整数である。Ra4が複数の場合、複数のRa4は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRa4は、互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。Ra5は、置換若しくは非置換の炭素数1〜7のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6若しくは7の芳香族炭化水素基である。k5は、0〜6の整数である。Ra5が複数の場合、複数のRa5は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRa5は互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。rは、0〜3の整数である。Ra6は、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。tは、0〜2の整数である。
上記式(Z−3)中、Ra7及びRa8は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、−OSO−R若しくは−SO−Rであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5〜25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。k6及びk7は、それぞれ独立して0〜5の整数である。Ra7、Ra8、R及びRがそれぞれ複数の場合、複数のRa7、Ra8、R及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
a1〜Ra3、Ra4、Ra5、Ra7及びRa8で表されるアルキル基としては、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等の直鎖状アルキル基;
i−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等の分岐状アルキル基などが挙げられる。
a1〜Ra3、Ra4及びRa5で表される芳香族炭化水素基としては、例えば
フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
a4及びRa5で表される芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、ベンジル基等が挙げられる。
a6で表される2価の有機基としては、例えば上記式(1)のLと同様の基等が挙げられる。
アルキル基及び芳香族炭化水素基が有する水素原子を置換する置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アシル基、アシロキシ基等が挙げられる。これらの中で、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
a1〜Ra3、Ra4、Ra5、Ra7及びRa8としては、非置換のアルキル基、フッ素化アルキル基、非置換の1価の芳香族炭化水素基、−OSO−R”及び−SO−R”が好ましく、フッ素化アルキル基及び非置換の1価の芳香族炭化水素基がより好ましく、フッ素化アルキル基がさらに好ましい。ここで、R”は、非置換の1価の脂環式炭化水素基又は非置換の1価の芳香族炭化水素基である。
式(Z−1)におけるk1、k2及びk3としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。式(Z−2)におけるk4としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、1がさらに好ましい。k5としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。rとしては、2及び3が好ましく、2がより好ましい。tとしては、0及び1が好ましく、0がより好ましい。式(Z−3)におけるk6及びk7としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。
としては、これらの中で、カチオン(Z−1)及びカチオン(Z−2)が好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン及び4−ブトキシナフタレン−1−イルテトラヒドロチオフェニウムカチオンがより好ましい。
[B1a]酸発生剤としては、例えば下記式(4−1−1)〜(4−1−15)で表される化合物(以下、「化合物(4−1−1)〜(4−1−15)」ともいう)等が挙げられる。[B1b]酸発生剤としては、例えば下記式(4−2−1)〜(4−2−3)で表される化合物(以下、「化合物(4−2−1)〜(4−2−3)」ともいう)等が挙げられる。[B1c]酸発生剤としては、例えば下記式(4−3−1)〜(4−3−2)で表される化合物(以下、「化合物(4−3−1)〜(4−3−2)」ともいう)等が挙げられる。[B1d]酸発生剤としては、例えば下記式(4−4−1)〜(4−4−2)で表される化合物(以下、「化合物(4−4−1)〜(4−4−2)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 0006794728
Figure 0006794728
上記式(4−1−1)〜(4−1−15)、(4−2−1)〜(4−2−3)、(4−3−1)〜(4−3−2)及び(4−4−1)〜(4−4−2)中、Zは、1価のオニウムカチオンである。
[B1]酸発生剤としては、[B1a]酸発生剤が好ましく、化合物(4−1−1)、(4−1−2)、(4−1−11)及び(4−1−12)がより好ましい。
[B1]酸発生剤としては、オニウム塩化合物が好ましく、スルホニウム塩及びテトラヒドロチオフェニウム塩がより好ましく、トリフェニルスルホニウム塩及び4−ブトキシナフタレン−1−イルテトラヒドロチオフェニウム塩がさらに好ましい。
また、[B]酸発生体としては、下記式(4−1’)で表される構造単位を有する重合体等の酸発生体の構造が重合体の一部として組み込まれた重合体も好ましい。

Figure 0006794728
上記式(4−1’)中、Rp7は、水素原子又はメチル基である。Lは、単結合又は、−COO−又は2価のカルボニルオキシ炭化水素基である。Rp8は、炭素数1〜10のフッ素化アルカンジイル基である。Zは、上記式(4)と同義である。
p7としては、上記式(4−1’)で表される構造単位を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子及びメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
としては、2価のカルボニルオキシ炭化水素基が好ましく、カルボニルオキシアルカンジイル基及びカルボニルアルカンジイルアレーンジイル基がより好ましい。
p8としては、炭素数1〜4のフッ素化アルカンジイル基が好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルカンジイル基がより好ましく、ヘキサフルオロプロパンジイル基がさらに好ましい。
[B]酸発生体が[B]酸発生剤の場合、[B]酸発生剤の含有量の下限としては、[A]重合体成分100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、1質量部がより好ましく、4質量部がさらに好ましく、7質量部が特に好ましい。上記含有量の上限としては、50質量部が好ましく、40質量部がより好ましく、30質量部がさらに好ましく、25質量部が特に好ましい。[B]酸発生剤の含有量を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物は、感度及び現像性が向上し、その結果、LWR性能等をより向上させることができる。[B]酸発生体は、1種又は2種以上を含有することができる。
<[C]溶媒>
[C]溶媒は、少なくとも[A]重合体、[B]酸発生体及び所望により含有される[D]酸拡散制御体等を溶解又は分散可能な溶媒であれば特に限定されない。
[C]溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えば
4−メチル−2−ペンタノール、n−ヘキサノール等の炭素数1〜18の脂肪族モノアルコール系溶媒;
シクロヘキサノール等の炭素数3〜18の脂環式モノアルコール系溶媒;
1,2−プロピレングリコール等の炭素数2〜18の多価アルコール系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテル等の炭素数3〜19の多価アルコール部分エーテル系溶媒などが挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル等のジアルキルエーテル系溶媒;
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル系溶媒;
ジフェニルエーテル、アニソール等の芳香環含有エーテル系溶媒などが挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えば
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、2−ヘプタノン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン等の鎖状ケトン系溶媒:
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒:
2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
アミド系溶媒としては、例えば
N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン等の環状アミド系溶媒;
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒などが挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば
酢酸n−ブチル、乳酸エチル等のモノカルボン酸エステル系溶媒;
酢酸プロピレングリコール等の多価アルコールカルボキシレート系溶媒;
酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒;
シュウ酸ジエチル等の多価カルボン酸ジエステル系溶媒;
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶媒などが挙げられる。
炭化水素系溶媒としては、例えば
n−ペンタン、n−ヘキサン等の炭素数5〜12の脂肪族炭化水素系溶媒;
トルエン、キシレン等の炭素数6〜16の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
これらの中で、エステル系溶媒及びケトン系溶媒が好ましく、多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒及び環状ケトン系溶媒がより好ましく、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル及びシクロヘキサノンがさらに好ましい。[C]溶媒は、1種又は2種以上を含有することができる。
<[D]酸拡散制御体>
当該感放射線性樹脂組成物は、必要に応じて、[D]酸拡散制御体を含有してもよい。[D]酸拡散制御体は、露光により[B]酸発生体から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏する。また、感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上すると共に、レジストとしての解像度がより向上する。さらに、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に優れた感放射線性樹脂組成物が得られる。[D]酸拡散制御体の当該感放射線性樹脂組成物における含有形態としては、遊離の化合物(以下、適宜「[D]酸拡散制御剤」という)の形態でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[D]酸拡散制御剤としては、例えば下記式(B)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」ともいう)、窒素原子を2個有する化合物(以下、「含窒素化合物(II)」ともいう)、窒素原子を3個有する化合物(以下、「含窒素化合物(III)」ともいう)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。
Figure 0006794728
上記式(B)中、R20、R21及びR22は、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよい直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
含窒素化合物(I)としては、例えばn−ヘキシルアミン等のモノアルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類;トリエチルアミン等のトリアルキルアミン類;アニリン等の芳香族アミン類等が挙げられる。
含窒素化合物(II)としては、例えばエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
含窒素化合物(III)としては、例えばポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等のポリアミン化合物;ジメチルアミノエチルアクリルアミド等の重合体等が挙げられる。
アミド基含有化合物としては、例えばホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
ウレア化合物としては、例えば尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリブチルチオウレア等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えばピリジン、2−メチルピリジン等のピリジン類;N−プロピルモルホリン、N−(ウンデシルカルボニルオキシエチル)モルホリン等のモルホリン類;ピラジン、ピラゾール等が挙げられる。
[D]酸拡散制御剤として、酸解離性基を有する含窒素化合物を用いることもできる。このような酸解離性基を有する含窒素化合物としては、例えばN−t−ブトキシカルボニルピペリジン、N−t−ブトキシカルボニルイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール、N−(t−ブトキシカルボニル)ジ−n−オクチルアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジエタノールアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジシクロヘキシルアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジフェニルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−アミルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン等が挙げられる。
また、[D]酸拡散制御剤として、露光により感光し弱酸を発生する光崩壊性塩基を用いることもできる。光崩壊性塩基としては、例えば露光により分解して酸拡散制御性を失うオニウム塩化合物等が挙げられる。オニウム塩化合物としては、例えば下記式(5−1)で表されるスルホニウム塩化合物、下記式(5−2)で表されるヨードニウム塩化合物等が挙げられる。
Figure 0006794728
上記式(5−1)及び式(5−2)中、R23〜R27は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子である。E及びQは、それぞれ独立して、OH、Rβ−COO、Rβ−SO 又は下記式(5−3)で表されるアニオンである。但し、Rβは、アルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
Figure 0006794728
上記式(5−3)中、R28は、炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のフッ素化アルキル基又は炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基である。uは、0〜2の整数である。uが2の場合、2つのR28は同一でも異なっていてもよい。
上記光崩壊性塩基としては、例えば下記式で表される化合物等が挙げられる。

Figure 0006794728
上記光崩壊性塩基としては、これらの中で、スルホニウム塩が好ましく、トリアリールスルホニウム塩がより好ましく、トリフェニルスルホニウムサリチレート及びトリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネートがさらに好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物が[D]酸拡散制御剤を含有する場合、[D]酸拡散制御剤の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.3質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、20質量部が好ましく、15質量部がより好ましく、10質量部がさらに好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は[D]酸拡散制御体を1種又は2種以上含有していてもよい。
<[E]重合体>
[E]重合体は、[A]重合体以外のフッ素原子含有重合体である。当該感放射線性樹脂組成物は、例えば撥水性添加剤として[E]重合体を含有することができる。
[E]重合体のフッ素原子含有率の下限としては、1質量%が好ましく、2質量%がより好ましく、4質量%がさらに好ましく、7質量%が特に好ましい。上記フッ素原子含有率の上限としては、60質量%が好ましく、40質量%がより好ましく、30質量%がさらに好ましい。重合体のフッ素原子含有率(質量%)は、13C−NMRスペクトル測定等により重合体の構造を求め、その構造から算出することができる。
[E]重合体が有する構造単位としては、例えば下記構造単位(Ea)、下記構造単位(Eb)等が挙げられる。[E]重合体は、構造単位(Ea)及び構造単位(Eb)をそれぞれ1種又は2種以上有していてもよい。
[構造単位(Ea)]
構造単位(Ea)は、下記式(6a)で表される構造単位である。[E]重合体は、構造単位(Ea)を有することでフッ素原子含有率を調整することができる。
Figure 0006794728
上記式(6a)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Gは、単結合、酸素原子、硫黄原子、−CO−O−、−SO−O−NH−、−CO−NH−又は−O−CO−NH−である。Rは、炭素数1〜6の1価のフッ素化鎖状炭化水素基又は炭素数4〜20の1価のフッ素化脂環式炭化水素基である。
で表される炭素数1〜6の1価のフッ素化鎖状炭化水素基としては、例えばトリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、パーフルオロn−プロピル基、パーフルオロi−プロピル基、パーフルオロn−ブチル基、パーフルオロi−ブチル基、パーフルオロt−ブチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられる。
で表される炭素数4〜20の1価のフッ素化脂環式炭化水素基としては、例えばモノフルオロシクロペンチル基、ジフルオロシクロペンチル基、パーフルオロシクロペンチル基、モノフルオロシクロヘキシル基、ジフルオロシクロヘキシル基、パーフルオロシクロヘキシルメチル基、フルオロノルボルニル基、フルオロアダマンチル基、フルオロボルニル基、フルオロイソボルニル基、フルオロトリシクロデシル基、フルオロテトラシクロデシル基等が挙げられる。
構造単位(Ea)を与える単量体としては、例えば
2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル等の直鎖部分フッ素化アルキル(メタ)アクリル酸エステル;
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロi−プロピル(メタ)アクリル酸エステル等の分岐鎖部分フッ素化アルキル(メタ)アクリル酸エステル;
パーフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル等の直鎖パーフルオロアルキル(メタ)アクリル酸エステル;
パーフルオロi−プロピル(メタ)アクリル酸エステル等の分岐鎖パーフルオロアルキル(メタ)アクリル酸エステルなどのフッ素化鎖状炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル、
パーフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリル酸エステル、モノフルオロシクロペンチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロシクロペンチル(メタ)アクリル酸エステル等の単環のフッ素化脂環式飽和炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;
フルオロノルボルニル(メタ)アクリル酸エステル等の多環のフッ素化脂環式飽和炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどのフッ素化脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。これらの中で、フッ素化鎖状炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、直鎖部分フッ素化アルキル(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステルがさらに好ましい。
[E]重合体が構造単位(Ea)を有する場合、構造単位(Ea)の含有割合の下限としては、[E]重合体を構成する全構造単位に対して、5モル%が好ましく、10モル%がより好ましく、20モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、95モル%が好ましく、75モル%がより好ましく、50モル%がさらに好ましい。このような含有割合にすることによって液浸露光時においてレジスト膜表面のより高い動的接触角を発現させることができる。
[構造単位(Eb)]
構造単位(Eb)は、下記式(6b)で表される構造単位である。[E]重合体は、構造単位(Eb)を有することで疎水性が上がるため、当該感放射線性樹脂組成物から形成されたレジスト膜表面の動的接触角をさらに向上させることができる。
Figure 0006794728
上記式(6b)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R29は、炭素数1〜20の(s+1)価の炭化水素基であり、R29のR30側の末端に酸素原子、硫黄原子、−NR’−、カルボニル基、−CO−O−又は−CO−NH−が結合された構造のものも含む。R’は、水素原子又は1価の有機基である。R30は、単結合、炭素数1〜10の2価の鎖状炭化水素基又は炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基である。Xは、炭素数1〜20の2価のフッ素化鎖状炭化水素基である。Aは、酸素原子、−NR”−、−CO−O−*又は−SO−O−*である。R”は、水素原子又は1価の有機基である。*は、R31に結合する結合部位を示す。R31は、水素原子又は1価の有機基である。sは、1〜3の整数である。但し、sが2又は3の場合、複数のR30、X、A及びR31はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
31が水素原子である場合には、[E]重合体のアルカリ現像液に対する溶解性を向上させることができる点で好ましい。
31で表される1価の有機基としては、例えば酸解離性基、アルカリ解離性基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基等が挙げられる。
構造単位(Eb)としては、例えば下記式(6b−1)〜(6b−3)で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 0006794728
上記式(6b−1)〜(6b−3)中、R29’は、炭素数1〜20の2価の直鎖状、分岐状又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基である。R、X、R31及びsは、上記式(6b)と同義である。sが2又は3である場合、複数のX及びR31はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
[E]重合体が構造単位(Eb)を有する場合、構造単位(Eb)の含有割合の下限としては、[E]重合体を構成する全構造単位に対して、5モル%が好ましく、10モル%がより好ましく、15モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、90モル%が好ましく、85モル%がより好ましく、80モル%がさらに好ましい。このような含有割合にすることによって、当該感放射線性樹脂組成物から形成されたレジスト膜表面は、アルカリ現像において動的接触角の低下度を向上させることができる。
[構造単位(Ec)]
[E]重合体は、構造単位(Ea)及び(Eb)以外にも、酸解離性基を含む構造単位(以下、「構造単位(Ec)」ともいう。)を有してもよい(但し、構造単位(Eb)に該当するものを除く)。[E]重合体が構造単位(Ec)を有することで、得られるレジストパターンの形状がより良好になる。構造単位(Ec)としては、上記[A]重合体における構造単位(II)等が挙げられる。
[E]重合体が構造単位(Ec)を有する場合、構造単位(Ec)の含有割合の下限としては、[E]重合体を構成する全構造単位に対して、5モル%が好ましく、25モル%がより好ましく、50モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、90モル%が好ましく、80モル%がより好ましく、70モル%がさらに好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物が[E]重合体を含有する場合、[E]重合体の含有量の下限としては、ベース重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、1質量部がより好ましく、2質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、20質量部が好ましく、10質量部がより好ましく、7質量部がさらに好ましい。
また、[E]重合体の含有量の下限としては、[A1]重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、1質量部がより好ましく、2質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、20質量部が好ましく、10質量部がより好ましく、7質量部がさらに好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は、[E]重合体を1種又は2種以上含有していてもよい。
<[F]重合体>
[F]重合体は、[A]重合体よりもフッ素原子含有率が小さく、かつ酸解離性基を含む構造単位を有する重合体である。当該感放射線性樹脂組成物は、例えば、[A]重合体が撥水性重合体添加剤として用いられている場合([A2]重合体)、ベース重合体として[F]重合体を含有することが好ましい。酸解離性基を含む構造単位としては、上記[A]重合体における構造単位(II)が挙げられる。[F]重合体は、[A]重合体における構造単位(II)以外にも、例えば[A]重合体における構造単位(III)及び(IV)並びにその他の構造単位を有していてもよい。
当該感放射線性樹脂組成物が[F]重合体を含有する場合、[F]重合体の含有量の含有量の下限としては、[A2]重合体100質量部に対して、500質量部が好ましく、700質量部がより好ましく、1,000質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、100,000が好ましく、20,000がより好ましく、10,000質量部がさらに好ましい。
また、[F]重合体の含有量の下限としては、ベース重合体100質量部に対して、50質量部が好ましく、80質量部がより好ましく、95質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、例えば100質量部である。当該感放射線性樹脂組成物は、[F]重合体を1種又は2種以上含有していてもよい。
<その他の任意成分>
当該感放射線性樹脂組成物は、上記[A]〜[F]成分以外にも、その他の任意成分を含有していてもよい。その他の任意成分としては、例えば偏在化促進剤、界面活性剤、脂環式骨格含有化合物、増感剤等が挙げられる。これらのその他の任意成分は、それぞれ1種又は2種以上を併用してもよい。
[偏在化促進剤]
偏在化促進剤は、当該感放射線性樹脂組成物が[A2]重合体及び[E]重合体を含有する場合等に、[A2]重合体及び[E]重合体を、より効率的にレジスト膜表面に偏析させる効果を有するものである。当該感放射線性樹脂組成物に偏在化促進剤を含有させることで、[A2]重合体及び[E]重合体の添加量を従来よりも少なくすることができる。従って、LWR性能等を損なうことなく、レジスト膜から液浸液への成分の溶出をさらに抑制することや、高速スキャンにより液浸露光をより高速に行うことが可能になり、結果としてウォーターマーク欠陥等の液浸由来欠陥を抑制するレジスト膜表面の疎水性を向上させることができる。このような偏在化促進剤として用いることができるものとしては、比誘電率が30以上200以下で、1気圧における沸点が100℃以上の低分子化合物を挙げることができる。このような化合物としては、具体的には、ラクトン化合物、カーボネート化合物、ニトリル化合物、多価アルコール等が挙げられる。
ラクトン化合物としては、例えばγ−ブチロラクトン、バレロラクトン、メバロニックラクトン、ノルボルナンラクトン等が挙げられる。カーボネート化合物としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等が挙げられる。ニトリル化合物としては、例えばスクシノニトリル等が挙げられる。多価アルコールとしては、例えばグリセリン等が挙げられる。
当該感放射線性樹脂組成物が偏在化促進剤を含有する場合、偏在化促進剤の含有量の下限としては、当該感放射線性樹脂組成物が含有する重合体の総量100質量部に対して、10質量部が好ましく、15質量部がより好ましく、20質量部がさらに好ましく、25質量部が特に好ましい。上記含有量の上限としては、500質量部が好ましく、300質量部がより好ましく、200質量部がさらに好ましく、100質量部が特に好ましい。
[界面活性剤]
界面活性剤は、塗工性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤;市販品としては、KP341(信越化学工業社)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学社)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ社)、メガファックF171、同F173(以上、DIC社)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム社)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子工業社)等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有量の上限としては、当該感放射線性樹脂組成物が含有する重合体の総量100質量部に対して、2質量部が好ましい。
[脂環式骨格含有化合物]
脂環式骨格含有化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を改善する効果を奏する。脂環式骨格含有化合物としては、例えば
1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;
リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;
3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物が脂環式骨格含有化合物を含有する場合、脂環式骨格含有化合物の含有量の上限としては、当該感放射線性樹脂組成物が含有する重合体の総量100質量部に対して、5質量部が好ましい。
[増感剤]
増感剤は、[B]酸発生剤等からの酸の生成量を増加する作用を示すものであり、当該感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。増感剤としては、例えばカルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物が増感剤を含有する場合、増感剤の含有量の上限としては、当該感放射線性樹脂組成物が含有する重合体の総量100質量部に対して、2質量部が好ましい。
<感放射線性樹脂組成物の調製方法>
当該感放射線性樹脂組成物は、例えば[A]重合体、[B]酸発生体、[C]溶媒及び必要に応じて[D]酸拡散制御剤等の任意成分を所定の割合で混合し、好ましくは得られた混合物を、例えば孔径0.2μm程度のフィルター等でろ過することにより調製することができる。当該感放射線性樹脂組成物の固形分濃度の下限としては、0.1質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましい。上記固形分濃度の上限としては、50質量%が好ましく、30質量%がより好ましく、10質量%がさらに好ましい。
<レジストパターン形成方法>
当該レジストパターン形成方法は、基板の一方の面に、当該感放射線性樹脂組成物を塗工する工程(以下、「塗工工程」ともいう)と、上記塗工工程により得られるレジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)と、上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)とを備える。
上記レジストパターン形成方法によれば、当該感放射線性樹脂組成物を用いているので、優れた焦点深度、MEEF性能及び膜収縮抑制性を発揮しつつ、LWRが小さく、解像度が高く、かつ断面形状の矩形性に優れるレジストパターンを形成することができる。以下、各工程について説明する。
[塗工工程]
本工程では、基板の一方の面に、当該感放射線性樹脂組成物を塗工する。これにより、レジスト膜が形成される。このレジスト膜を形成する基板としては、例えばシリコンウェハ、二酸化シリコン、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知のもの等が挙げられる。また、例えば特公平6−12452号公報や特開昭59−93448号公報等に開示されている有機系又は無機系の反射防止膜を基板上に形成してもよい。塗工方法としては、例えば回転塗工(スピンコーティング)、流延塗工、ロール塗工等が挙げられる。塗工した後に、必要に応じて、塗膜中の溶媒を揮発させるため、プレベーク(PB)を行ってもよい。PBの温度の下限としては、60℃が好ましく、80℃がより好ましい。上記温度の上限としては、140℃が好ましく、120℃がより好ましい。PBの時間の下限としては、5秒が好ましく、10秒がより好ましい。上記時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。形成されるレジスト膜の平均厚みの下限としては、10nmが好ましく、20nmがより好ましい。上記平均厚みの上限としては、1,000nmが好ましく、500nmがより好ましい。
液浸露光を行う場合で、当該感放射線性樹脂組成物が撥水性重合体添加剤を含有していない場合等には、上記形成したレジスト膜上に、液浸液とレジスト膜との直接の接触を避ける目的で、液浸液に不溶性の液浸用保護膜を設けてもよい。液浸用保護膜としては、現像工程の前に溶媒により剥離する溶媒剥離型保護膜(特開2006−227632号公報参照)、現像工程の現像と同時に剥離する現像液剥離型保護膜(国際公開第2005/069076号及び国際公開第2006/035790号参照)のいずれを用いてもよい。但し、スループットの観点からは、現像液剥離型液浸用保護膜を用いることが好ましい。
[露光工程]
本工程では、上記塗工工程により得られるレジスト膜を露光する。この露光は、フォトマスクを介して(場合によっては、水等の液浸媒体を介して)露光光を照射することにより行う。露光光としては、目的とするパターンの線幅に応じて、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、極端紫外線(EUV)、X線、γ線等の電磁波;電子線、α線等の荷電粒子線などが挙げられる。これらの中でも、遠紫外線、EUV及び電子線が好ましく、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)、EUV及び電子線がより好ましく、ArFエキシマレーザー光、EUV及び電子線がさらに好ましい。
露光を液浸露光により行う場合、用いる液浸液としては、例えば水、フッ素系不活性液体等が挙げられる。液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつ膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光がArFエキシマレーザー光である場合、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させる添加剤をわずかな割合で添加しても良い。この添加剤は、ウェハ上のレジスト膜を溶解させず、かつレンズの下面の光学コートに対する影響が無視できるものが好ましい。使用する水としては蒸留水が好ましい。
上記露光の後、ポストエクスポージャーベーク(PEB)を行い、レジスト膜の露光された部分において、露光により[B]酸発生体等から発生した酸による[A]重合体等が有する酸解離性基の解離を促進させることが好ましい。このPEBによって、露光部と未露光部とで現像液に対する溶解性の差を増大させることができる。PEBの温度の下限としては、50℃が好ましく、80℃がより好ましい。上記温度の上限としては、180℃が好ましく、130℃がより好ましい。PEBの時間の下限としては、5秒が好ましく、10秒がより好ましい。上記時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。
当該レジストパターン形成方法によれば、上述の当該感放射線性樹脂組成物を用いているので、PEBの際のレジスト膜の収縮を抑制することができる。
[現像工程]
本工程では、上記露光されたレジスト膜を現像する。これにより、所定のレジストパターンを形成することができる。現像後は、水又はアルコール等のリンス液で洗浄し、乾燥することが一般的である。現像工程における現像方法は、アルカリ現像であっても、有機溶媒現像であってもよい。有機溶媒現像の場合、露光部がレジストパターンを形成するため、当該感放射線性樹脂組成物が膜収縮抑制性に優れることによる利益が大きい。
アルカリ現像の場合、現像に用いる現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液等が挙げられる。これらの中でも、TMAH水溶液が好ましく、2.38質量%TMAH水溶液がより好ましい。
有機溶媒現像の場合、現像液としては、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒等の有機溶媒、上記有機溶媒を含有する溶媒等が挙げられる。上記有機溶媒としては、例えば上述の感放射線性樹脂組成物の[C]溶媒として列挙した溶媒の1種又は2種以上等が挙げられる。これらの中でも、エステル系溶媒及びケトン系溶媒が好ましい。エステル系溶媒としては、酢酸エステル系溶媒が好ましく、酢酸n−ブチルがより好ましい。ケトン系溶媒としては、鎖状ケトンが好ましく、2−ヘプタノンがより好ましい。現像液中の有機溶媒の含有量の下限としては、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましく、99質量%が特に好ましい。現像液中の有機溶媒以外の成分としては、例えば水、シリコンオイル等が挙げられる。
現像方法としては、例えば現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
<重合体>
当該重合体は、上記基(I)を含む構造単位を有する重合体である。当該重合体は、上述の性質を有するので、当該感放射線性樹脂組成物の重合体成分として好適に用いることができ、これを含有する感放射線性樹脂組成物は、LWR性能、解像性、断面形状の矩形性、焦点深度、MEEF性能及び膜収縮抑制性に優れる。
<化合物>
当該化合物は、上記式(i)で表される化合物である。当該化合物は、上述の性質を有するので、当該重合体の原料単量体として好適に用いることができる。
当該重合体及び当該化合物については、上記[A]重合体の項で説明している。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例における各測定は下記方法により行った。
[重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)]
東ソー社のGPCカラム(「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本、「G4000HXL」1本)を用い、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、試料濃度:1.0質量%、試料注入量:100μL、カラム温度:40℃、検出器:示差屈折計の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。また、分散度(Mw/Mn)は、Mw及びMnの測定結果より算出した。
13C−NMR分析]
核磁気共鳴装置(日本電子社の「JNM−ECX400」)を用い、測定溶媒として重クロロホルムを使用して、各重合体における構造単位の含有割合(モル%)を求める分析を行った。
<化合物の合成>
[実施例1](化合物(M−1)の合成)
300mLの丸底フラスコに下記式(a−1)で表される化合物10g(65mmol)、ピリジン6.02g(76mmol)及び塩化メチレン40mLを加え、窒素雰囲気下、0℃で15分撹拌した。そこへ下記式(m−1)で表される化合物9.94g(70mmol)をゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で3時間撹拌した後、0.5Mの塩酸水溶液を加え抽出した。得られた有機層について、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフィーで精製することで、下記式(m−1’)で表される化合物16.79gを得た(収率99%)。次に、300mLの丸底フラスコにN,N−ジメチルホルムアミド70mL、メタクリル酸6.06g(70.4mmol)及び炭酸カリウム13.27g(96mmol)を加えて室温で30分撹拌した。そこへN,N−ジメチルホルムアミド90mLに溶解させた化合物(m−1’)16.79g(64mmol)を5分間かけて滴下した。続いてヨウ化カリウム4.46g(27mmol)を加え、120℃で加熱した。酢酸エチルを加えた後に、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄した。溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフィーで精製することで、下記式(M−1)で表される化合物14.20gを得た(収率72%)。

Figure 0006794728
[実施例2〜12](化合物(M−2)〜(M−12)の合成)
前駆体を適宜選択し、実施例1と同様の操作を行うことによって、下記式(M−2)〜(M−12)で表される化合物を合成した。
Figure 0006794728
<重合体の合成>
[A1]重合体、[A2]重合体、[E]重合体及び[F]重合体の合成で用いた単量体を以下に示す。

Figure 0006794728
[[A1]重合体及び[F]重合体の合成]
[実施例13](重合体(A1−1)の合成)
化合物(M'−1)9.00g(50モル%)、化合物(M’−6)8.15g(40モル%)及び化合物(M−1)2.85g(10モル%)を2−ブタノン40gに溶解し、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.75g(全単量体に対して5モル%)を添加して単量体溶液を調製した。次に、20gの2−ブタノンを入れた100mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合反応液を水冷して30℃以下に冷却した。400gのメタノール中に冷却した重合反応液を投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末を80gのメタノールで2回洗浄した後に再度ろ別し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A1−1)を合成した(15.8g、収率77%)。重合体(A1−1)のMwは7,200、Mw/Mnは1.52であった。13C−NMR分析の結果、(M’−1)、(M’−6)及び(M−1)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ50.3モル%、39.9モル%及び9.8モル%であった。
[実施例38](重合体(A1−26)の合成)
化合物(M’−14)21.27g(50モル%)、化合物(M’−1)20.59g(40モル%)、化合物(M−1)8.14g(10モル%)、重合開始剤としてのAIBN2.15g(全単量体に対して5モル%)及びt−ドデシルメルカプタン0.56gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル50gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、16時間共重合させた。重合反応終了後、重合反応液500gをn−ヘキサン中に滴下して、重合体を凝固精製した。次いで、上記重合体に再度プロピレングリコールモノメチルエーテル75gを加えた後、さらにメタノール75g、トリエチルアミン17g及び水3gを加えて、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行った。反応終了後、溶媒及びトリエチルアミンを減圧留去し、得られた重合体をアセトン75gに溶解した後、1,000gの水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ過し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A1−26)を得た(33.8g、収率76%)。重合体(A1−26)のMwは7,200、Mw/Mnは1.70であった。13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレン、(M’−1)及び(M−1)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ49.5モル%、40.3モル%及び10.2モル%であった。
[実施例14〜37及び合成例1〜3](重合体(A1−2)〜(A1−25)及び(F−1)〜(F−3)の合成)
下記表1及び表2に示す種類及び含有量の各単量体を用いた以外は、実施例13と同様の操作を行うことにより、重合体(A1−2)〜(A1−25)及び(F−1)〜(F−3)を合成した。
Figure 0006794728

Figure 0006794728
[[E]重合体及び[A2]重合体の合成]
[合成例4](重合体(E−1)の合成)
化合物(M’−2)61.92g(60モル%)及び化合物(M’−13)38.08g(40モル%)を、100gの2−ブタノンに溶解し、重合開始剤としてのジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート6.52g(全単量体に対して5モル%)を溶解させて単量体溶液を調製した。次いで100gの2−ブタノンを入れた1,000mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合反応液を水冷して30℃以下に冷却した。反応溶液を2L分液漏斗に移液した後、150gのn−ヘキサンで上記重合反応液を均一に希釈し、600gのメタノールを投入して混合した。次いで、30gの蒸留水を投入し、さらに攪拌して30分静置した。その後、下層を回収し、重合体(E−1)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た(収率60%)。重合体(E−1)のMwは7,500、Mw/Mnは2.12であった。13C−NMR分析の結果、(M’−2)及び(M’−13)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ60.2モル%及び39.8モル%であった。
[合成例5及び実施例39](重合体(E−2)及び(A2−1)の合成)
下記表3に示す種類及び含有量の各単量体を用いた以外は、合成例4と同様の操作を行うことにより、重合体(E−2)及び(A2−1)を合成した。
Figure 0006794728
<感放射線性樹脂組成物の調製>
感放射線性樹脂組成物の調製に用いた[B]酸発生剤、[C]溶媒、[D]酸拡散制御剤及び[G]偏在化促進剤について以下に示す。
[[B]酸発生剤]
各構造式を以下に示す。
B−1:トリフェニルスルホニウム2−(アダマンタン−1−イルカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン−1−スルホネート
B−2:トリフェニルスルホニウムノルボルナンスルトン−2−イルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート
B−3:トリフェニルスルホニウム3−(ピペリジン−1−イルスルホニル)−1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1−スルホネート
B−4:トリフェニルスルホニウムアダマンタン−1−イルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート
Figure 0006794728
[[C]溶媒]
C−1:酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル
C−2:シクロヘキサノン
[[D]酸拡散制御剤]
各構造式を以下に示す。
D−1:トリフェニルスルホニウムサリチレート
D−2:トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート
D−3:N−(n−ウンデカン−1−イルカルボニルオキシエチル)モルホリン
D−4:2,6−ジi−プロピルアニリン
D−5:トリス[2−(2−メトキシメトキシ)エチル]アミン

Figure 0006794728
[[G]偏在化促進剤]
G−1:γ−ブチロラクトン
[ArF露光用感放射線性樹脂組成物の調製]
[実施例40]
[A1]重合体としての(A1−1)100質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)8.5質量部、[C]溶媒としての(C−1)2,240質量部及び(C−2)960質量部、[D]酸拡散制御剤としての(D−1)2.3質量部、[E]重合体としての(E−1)3質量部、並びに[G]偏在化促進剤としての(G−1)30質量部を配合し、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過することにより感放射線性樹脂組成物(J−1)を調製した。
[実施例41〜70及び比較例1〜3]
下記表4及び表5に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は、実施例40と同様に操作して、感放射線性樹脂組成物(J−2)〜(J−31)及び(CJ−1)〜(CJ−3)を調製した。

Figure 0006794728
Figure 0006794728
[実施例71〜101及び比較例4〜6]
<レジストパターンの形成(1)>(アルカリ現像)
12インチのシリコンウェハ表面に、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ブルワーサイエンス社の「ARC66」)を塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより平均厚み105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、上記スピンコーターを使用して感放射線性樹脂組成物を塗工し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、平均厚み90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NIKON社の「NSR−S610C」)を用い、NA=1.3、ダイポール(シグマ0.977/0.782)の光学条件にて、40nmラインアンドスペース(1L1S)マスクパターンを介して露光した。露光後、90℃で60秒間PEBを行った。その後、アルカリ現像液として2.38質量%のTMAH水溶液を用いてアルカリ現像し、水で洗浄した後、乾燥してポジ型のレジストパターンを形成した。このレジストパターン形成の際、ターゲット寸法が40nmの1対1ラインアンドスペースのマスクを介して形成した線幅が、線幅40nmの1対1ラインアンドスペースに形成される露光量を最適露光量とした。
<レジストパターンの形成(2)>(有機溶媒現像)
上記TMAH水溶液の代わりに酢酸n−ブチルを用いて有機溶媒現像し、かつ水での洗浄を行わなかった以外は、上記レジストパターンの形成(1)と同様に操作して、ネガ型のレジストパターンを形成した。
<評価>
上記形成したレジストパターンについて下記方法に従って測定することにより、感放射線性樹脂組成物を下記項目について評価した。なお、レジストパターンの測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「CG−4100」)を用いた。評価結果を下記表6及び表7に示す。
[LWR性能]
レジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。線幅を任意のポイントで計50点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、この値をLWR性能(nm)とした。LWR性能は、その値が小さいほど良いことを示す。LWR性能は、4.0nm以下の場合は「良好」と、4.0nmを超える場合は「不良」と評価できる。
[解像性]
上記最適露光量以下の露光量にてターゲット寸法が40nmの1対1のラインアンドスペースとなるマスクパターンを介して露光した際、露光量の減少と共に得られるラインパターンの最小線幅を解像性(nm)とした。解像性は、34nm以下の場合は「良好」と、34nmを超える場合は「不良」と評価できる。
[断面形状の矩形性]
上記最適露光量において解像されるレジストパターンの断面形状を観察し、レジストパターンの高さ方向における中間での線幅Lb及び膜の上部での線幅Laを測定した。これらの測定値からLa/Lbを算出し、これを断面形状の矩形性の指標とした。断面形状の矩形性は、0.94≦La/Lb≦1.06である場合は「良好」と、La/Lb<0.94又は1.06<La/Lbである場合は「不良」と評価できる。
[焦点深度]
上記最適露光量において解像されるレジストパターンにおいて、深さ方向にフォーカスを変化させた際の寸法を観測し、ブリッジや残渣が無いままパターン寸法が基準の90%〜110%に入る深さ方向の余裕度を測定し、この測定結果を焦点深度(nm)とした。焦点深度は、50nm以上の場合は「良好」と、50nm未満の場合は「不良」と評価できる。
[MEEF性能]
上記最適露光量を照射して解像されるレジストパターンにおいて、線幅が38nm、39nm、40nm、41nm、42nmとなるマスクパターンを用いて形成されたレジストパターンの線幅を縦軸に、マスクパターンのサイズを横軸にプロットしたとき、最小二乗法により算出した近似直線の傾きを求め、この傾きをMEEF性能とした。MEEF性能は、4.5以下の場合は「良好」と、4.5を超える場合は「不良」と評価できる。
[膜収縮抑制性]
上記「レジストパターンの形成(2)」において形成したレジスト膜について、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NIKON社の「NSR−S610C」)を用い、70mJで全面露光を行った後に膜厚測定を実施し、膜厚Aを求めた。次いで、90℃で60秒間のPEBを実施した後に、再度膜厚測定を実施し膜厚Bを求めた。膜厚A及び膜厚Bの値から、100×(A−B)/A(%)を算出し、このPEBによる膜収縮率の値を、膜収縮抑制性の指標とした。膜収縮抑制性は、値が小さいほど良いことを示す。膜収縮抑制性は、15%以下の場合は「良好」と、15%を超える場合は「不良」と評価できる。

Figure 0006794728

Figure 0006794728
[電子線露光用感放射線性樹脂組成物の調製]
[実施例102]
[A1]重合体としての(A1−1)100質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)20質量部、[C]溶媒としての(C−1)4,280質量部及び(C−2)1,830質量部並びに[D]酸拡散制御剤としての(D−1)3.6質量部を混合し、得られた混合物を孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過することにより感放射線性樹脂組成物(J−32)を調製した。
[実施例103及び比較例7〜9]
下記表8に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は、実施例102と同様に操作し、感放射線性樹脂組成物(J−33)及び(CJ−4)〜(CJ−6)を調製した。
Figure 0006794728
<レジストパターンの形成(3)>(アルカリ現像)
8インチのシリコンウェハ表面にスピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT8」)を使用して、感放射線性樹脂組成物を塗工し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、平均厚み50nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜に、簡易型の電子線描画装置(日立製作所社の「HL800D」、出力:50KeV、電流密度:5.0A/cm)を用いて電子線を照射した。照射後、アルカリ現像液としての2.38質量%TMAH水溶液を用いて23℃で30秒間現像し、水で洗浄し、乾燥してポジ型のレジストパターンを形成した。
<評価>
上記形成したレジストパターンについて、上記「レジストパターンの形成(2)」と同様にして、LWR性能、解像性及び断面形状の矩形性について評価した。電子線露光の場合、LWR性能は、5.0nm以下の場合は「良好」と、5.0を超える場合は「不良」と評価できる。評価結果を下記表9に示す。
Figure 0006794728
表6、表7及び表9の結果から、実施例の感放射線性樹脂組成物によれば、ArF露光及び電子線露光のいずれの場合においても、LWR性能、解像性、断面形状の矩形性、焦点深度、MEEF性能及び膜収縮抑制性に優れることがわかる。一般的に、電子線露光によれば、EUV露光の場合と同様の傾向を示すことが知られており、従って、実施例の感放射線性樹脂組成物によれば、EUV露光の場合においても、LWR性能等に優れると推測される。
本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、優れた焦点深度、MEEF性能及び膜収縮抑制性を発揮しつつ、LWRが小さく、解像度が高く、かつ断面形状の矩形性に優れるレジストパターンを形成することができる。本発明の重合体は、当該感放射線性樹脂組成物の重合体成分として好適に用いることができる。本発明の化合物は、当該重合体の単量体として好適に用いることができる。従って、これらは今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造用に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 下記式(1−1)で表される第1構造単位を有する第1重合体と、
    感放射線性酸発生体と、
    溶媒と
    を含有する感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0006794728
    (式(1−1)中、Zは、下記式(1)で表される基である。
    式(1−1)中、R は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。L は、炭素数1〜20の2価の有機基である。)
    Figure 0006794728
    (式(1)中、R、環員数3〜20の1価のラクトン環基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。但し、Rが単環のラクトン環基の場合、Lは単結合である。*は、上記式(1−1)におけるL との結合部位を示す。)
  2. 上記第1重合体が、酸解離性基を含む第2構造単位をさらに有する請求項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  3. 基板の一方の面に、請求項1又は請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物を塗工する工程と、
    上記塗工工程により得られるレジスト膜を露光する工程と、
    上記露光されたレジスト膜を現像する工程と
    を備えるレジストパターン形成方法。
  4. 下記式(1−1)で表される構造単位を有する重合体。
    Figure 0006794728
    (式(1−1)中、Zは、下記式(1)で表される基である。
    式(1−1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Lは、炭素数1〜20の炭化水素基である。)
    Figure 0006794728
    (式(1)中、Rは、環員数3〜20の1価のラクトン環基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。但し、Rが単環のラクトン環基の場合、Lは単結合である。*は、上記式(1−1)におけるLとの結合部位を示す。)
  5. 下記式(i’)で表される化合物。
    Figure 0006794728
    (式(i’)中、Rは、炭素数3〜20の1価のラクトン環基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。但し、Rが単環のラクトン環基の場合、Lは単結合である。Lは、炭素数1〜20の炭化水素基である。)
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