JP6645062B2 - ロボット - Google Patents

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Description

本発明は、ロボットに関する。
基台等に対して回転可能なアームを備えるロボットについての研究や開発が行われている。当該ロボットには、アームの回転速度を調節する減速機が備えられている。
これに関し、減速機が備えるベアリングや歯車等の摺動部の摩耗を抑制する潤滑油を当該摺動部へ給油可能な給油口がアームの外壁部に設けられたロボットが知られている(特許文献1参照)。
特開平11−254377号公報
しかしながら、従来のロボットは、給油に関して、床に設置して使用することしか想定されていなかった。このため、例えば、ロボットが天吊りされた環境が用いられる場合には、摺動部が格納された減速機内部において給油した潤滑油が摺動部へと十分に行き渡り辛く、摺動部が摩耗により劣化してしまう場合があった。
上記課題の少なくとも一つを解決するために本発明の一態様は、基台と、前記基台に設けられたアームと、摺動部を有し、前記アームの駆動を減速する減速機と、を備え、前記摺動部に対して前記アームとは反対側から前記摺動部に潤滑油を給油可能である、ロボットである。
この構成により、ロボットは、摺動部に対してアームとは反対側から摺動部に潤滑油を給油可能である。これにより、ロボットは、摺動部に対してアームとは反対側から給油された潤滑油によって摺動部の摩耗を低減することができる。
また、本発明の他の態様は、ロボットにおいて、前記摺動部に対して前記アーム側から前記摺動部に潤滑油を給油可能である、構成が用いられてもよい。
この構成により、ロボットは、摺動部に対してアーム側から摺動部に潤滑油を給油可能である。これにより、ロボットは、摺動部に対してアーム側から給油された潤滑油によって摺動部の摩耗を低減することができる。
また、本発明の他の態様は、ロボットにおいて、天吊り可能である、構成が用いられてもよい。
この構成により、ロボットは、天吊り可能である。これにより、ロボットは、天吊りされた状態で動作可能である。
また、本発明の他の態様は、ロボットにおいて、床置き可能である、構成が用いられてもよい。
この構成により、ロボットは、床置き可能である。これにより、ロボットは、床置きされた状態で動作可能である。
また、本発明の他の態様は、ロボットにおいて、前記基台は、前記基台の内部に流体が入るのを防止するための第1溝と、前記基台が設置される物体と前記基台との間に流体が入るのを防止するための第2溝と、を備える、構成が用いられてもよい。
この構成により、ロボットは、第1溝により、基台の内部に流体が入るのを防止し、第2溝により、基台が設置される物体と基台との間に流体が入るのを防止する。これにより、ロボットは、基台の内部や、物体と基台との間に流体が入ることによって生じる不具合を抑制することができる。
また、本発明の他の態様は、基台と、前記基台に設けられ、回転軸の軸まわりに回転するアームと、回転駆動し、前記アームを駆動させるモーターと、摺動部を有し、前記モーターの回転駆動を減速する減速機と、前記摺動部に潤滑油を通過させる第1給油口と、前記回転軸の軸方向において、前記第1給油口と異なる位置にあり、前記摺動部に潤滑油を通過させる第2給油口と、を備え、前記摺動部は、前記回転軸の軸方向において、前記第1給油口と前記第2給油口との間に位置しており前記第1給油口は、前記摺動部よりも前記回転軸の軸方向のうち前記基台から前記アームに向かう第1方向側に位置しており、且つ、前記基台の表面のうち前記回転軸の軸方向において前記減速機と重なる面に設けられており、前記第2給油口は、前記摺動部よりも前記回転軸の軸方向のうち前記アームから前記基台に向かう第2方向側に位置しており、且つ、前記基台の表面のうち前記回転軸と直交する方向と交差する面に設けられている、ロボットである。
以上により、ロボットは、摺動部に対してアームとは反対側から摺動部に潤滑油を給油可能である。これにより、ロボットは、摺動部に対してアームとは反対側から給油された潤滑油によって摺動部の摩耗を低減することができる。
(1A)は本発明の実施形態にかかるロボットを示す図であり、(1B)は基台および第1アームの断面図である。 (2A)は減速機周辺の拡大断面図であり、(2B)は着脱部材の斜視図である。 (3A)はモーターを示す図であり、(3B)はモーターの断面図である。 (4A)は基台を示す図であり、(4B)は基台の内部を示す図である。 給油口100を備える基台20の一例を示す図である。 給油口110を備える基台20の一例を示す図である。 (7A)は基台20の本体20aの内部の一例を取付面90側から見た斜視図であり、(7B)は図7Aに示した基台20を図1Aに示した上側から見た上面図と、当該上面図のうちの実線によって囲まれた範囲Wの拡大図との両方を示す図である。 天井OHに設置された基台20の一例を示す図である。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)ロボットの構成:
(2)第1アームと基台における線状体の引き回し:
(3)回転軸部材の周囲の構成:
(4)他の実施形態1:
(5)他の実施形態2:
(6)他の実施形態3:
(1)ロボットの構成:
図1Aは、本発明の一実施形態であるロボット10の構成を示す図である。本実施形態にかかるロボット10は、複数のアーム11〜16および基台20を備えている。本明細書においては、基台20側から順にアームに番号を付して区別する。すなわち、基台20には第1アーム11が回転可能に支持され、第1アーム11には第2アーム12が回転可能に支持される。さらに、第2アーム12には第3アーム13が回転可能に支持され、第3アーム13には第4アーム14が回転可能に支持され、第4アーム14には第5アーム15が回転可能に支持され、第5アーム15には第6アーム16が回転可能に支持される。各アームの回転は、基台20やアームの内部に備えられた図示しないモーター等によって実現される。なお、本実施形態において、第6アーム16には図示しないエンドエフェクターを取り付けることが可能である。
図1Aにおいてロボット10は、基台20を設置場所に置き、ボルト等で設置場所に締結することで設置される。本明細書においては、基台20が設置された平面に垂直な方向が上下であり、基台20が設置された平面において各アームの主な駆動範囲が存在する方向が前方であるとして方向を対応付け、図1Aに記入している。以下、上下、前後左右という方向は図1Aに示す方向に準拠している。
基台20は、略円筒形の本体20aと略矩形の矩形部20bとが連結されたような概略形状であり、図1Aにおいては、本体20aが前方、矩形部20bが後方に配置されている。本体20aの上方には、第1アーム11が図1Aの上下方向に延びる回転軸を回転中心にして回転できるように本体20aに支持される。第1アーム11は、本体11aと支持部11bとを備えており、本体11aが基台20の本体20aの上方に配置された状態で基台20に支持される。支持部11bは、第2アーム12を挟んで支持する部位である。第2アーム12は、本体12aと支持部12bとを備えており、本体12aが支持部11bに挟まれた状態で図1Aの左右方向に延びる回転軸を回転中心にして回転できるように支持部11bに支持される。支持部12bは、第3アーム13を挟んで支持する部位である。
第3アーム13は、略直方体であり、当該第3アーム13が支持部12bに挟まれた状態で図1Aに示す左右方向に延びる回転軸を回転中心にして回転できるように支持部12bに支持される。第3アームの端面(図1Aに示す状態では前方側の端面)には、第3アーム13の回転軸(図1Aに示す状態では左右方向)に垂直な方向(図1Aに示す状態では前後方向)に平行な回転軸で第4アーム14が回転できるように、当該第4アーム14が支持される。
第4アーム14は、本体14aと支持部14bとを備えており、本体14aが図1Aの前後方向に延びる回転軸を回転中心にして回転できるように第3アーム13に支持される。すなわち、本実施形態において第4アーム14が延びる方向と回転軸が延びる方向は平行であり、第4アーム14は捻転可能であるといえる。支持部14bは、第5アーム15を挟んで支持する部位である。第5アーム15は、支持部14bに挟まれた状態で図1Aの左右方向に延びる回転軸を回転中心にして回転できるように支持部14bに支持される。また、第6アーム16は、図1Aの前後方向に延びる回転軸を回転中心にして回転できるように第5アームに支持される。すなわち、第6アーム16も捻転可能に構成されている。
基台20には、電力、信号、流体(空気)を他の部位に伝達するための複数の線状体を接続可能である。すなわち、基台20には、これらの線状体が接続されるとともに基台20の内部においてこれらの線状体が引き回され、基台20や第1アーム11〜第6アーム16の中の任意のアームに電力、信号、流体等が伝達され、利用される。
図1Bは、図1Aに示す前後方向に基台20および第1アーム11を切断した状態で、第1アーム11の回転に関する基台20の内部および第1アーム11の内部の構成を示す断面図である(ただし第1アーム11はその下部のみを抽出して示している)。また、図2Aは、減速機50および回転軸部材21の周辺の部材を抜き出して拡大して示した図である。本実施形態においては、第1アーム11が基台20の鉛直上方に配置され、第1アーム11は、基台20と第1アーム11とに渡って存在する回転軸部材21の中心軸に対して回転可能に支持される。すなわち、回転軸部材21は、円筒状の部材であり、当該円筒の軸が第1アーム11の回転中心である回転軸Ax1となるように基台20および第1アーム11内に配置される。
回転軸部材21の周囲には、モーターの回転駆動力を第1アーム11に伝達するための機構が配置される。本実施形態において、当該機構は、回転軸部材プーリー22aと着脱部材25と減速機50とによって構成されている。なお、本実施形態において減速機50は、波動歯車装置であり、ウェーブジェネレーター50aとフレクスプライン50bとサーキュラースプライン50cとを備えている。
回転軸部材プーリー22aは、回転軸部材21の外径よりもわずかに大きい内径を有しており、ベアリング21aを介して回転軸部材21の上下方向の中央よりやや下側に取り付けられている。当該回転軸部材プーリー22aは、基台20内に配置されたモーター(図示せず)の回転駆動力によって回転することによって回転する。すなわち、回転軸部材プーリー22aにはベルトが掛けられており、当該ベルトにはさらにモータープーリー(図示せず)が掛けられている。モータープーリーは、モーターの出力軸に連結されており、モーターが回転駆動することによりモータープーリー、ベルトを介して回転駆動力が回転軸部材プーリー22a伝達される。なお、図1Bにおいて、モーターおよびモータープーリーは省略されているが、モーターおよびモータープーリーは基台20内の矩形部20b(図1A参照)に配置される。
本実施形態における第1アーム11は、当該第1アーム11の回転に適した回転速度で回転するように、減速機50によって回転速度が調整される。すなわち、本実施形態において、回転軸部材プーリー22aは、ボルト22cによって着脱部材25に連結され、着脱部材25は当該ボルト22cによってウェーブジェネレーター50aに連結されている。従って、回転軸部材プーリー22aと着脱部材25とウェーブジェネレーター50aとは相対回転することなく一体的に回転する。
ウェーブジェネレーター50aは、ベアリング50dを備えており、当該ベアリング50dの外周側にフレクスプライン50bが取り付けられる。フレクスプライン50bは、サーキュラースプライン50cにかみ合うように構成されている。なお、サーキュラースプライン50cは、基台20に対してボルトで固定されている。また、フレクスプライン50bは、フランジ11eに対してボルトで固定されている。当該フランジ11eは第1アーム11の構成部材であり、第1アーム11の本体11aに対してボルトで固定されている。
ウェーブジェネレーター50aの外周は楕円状(上方から下方に眺めた場合の外周が楕円状)である。フレクスプライン50bは、薄い壁面の円筒状の部位を有しており、当該壁面の内周にウェーブジェネレーター50aが嵌められるように取り付けられる。このため、ウェーブジェネレーター50aが回転軸Ax1を回転中心にして回転すると、フレクスプライン50bの薄い壁面の形状はウェーブジェネレーター50aの外周の形状に応じて弾性変形する。フレクスプライン50bの外周には歯が設けられており、サーキュラースプライン50cの内周にも歯が設けられている。従って、フレクスプライン50bは、楕円形の長軸部分でサーキュラースプライン50cとかみ合う状態になる。また、両者の歯数の差異はn個(nは1以上の自然数)である。従って、ウェーブジェネレーター50aが1回転すると、楕円の長軸部分でフレクスプライン50bとサーキュラースプライン50cとがかみ合いながら楕円が一周し、当該楕円の一周で歯数の差異に応じた角度だけウェーブジェネレーター50aとフレクスプライン50bとが相対的に回転する。本実施形態において、減速機50は、以上の構成により、ウェーブジェネレーター50aの回転速度を減速させながらフレクスプライン50bを回転させる。
本実施形態においては、以上の構成により、モーターの回転駆動力で第1アーム11を回転させる。すなわち、モーターの回転駆動力で回転軸部材プーリー22aが回転すると、当該回転軸部材プーリー22aに連結された着脱部材25とウェーブジェネレーター50aとが一体的に回転する。このように、ウェーブジェネレーター50aが回転すると、当該回転が減速されながらフレクスプライン50bに伝達されるが、当該フレクスプライン50bはフランジ11eに連結されているため、減速後の回転数でフランジ11e(すなわち、第1アーム11)が回転軸Ax1を回転中心にして回転する。
なお、本実施形態において、回転軸部材21は、回転軸部材21の上端部分を利用してフランジ11eに対して固定される。具体的には、回転軸部材21は上端および下端の部分が上下方向に垂直な方向にわずかに突出してフランジ状の部位を形成している。当該突出した部位には、環状の線状体保護部材31a,31bが取り付けられている。これらの線状体保護部材31a,31bは、回転軸部材21の外径よりわずかに大きい内径を有しており、内径を形成する壁面に回転軸部材21の上端および下端のフランジ状の部位を挿入可能な溝が形成されている。
さらに、線状体保護部材31a,31bには、内壁に平行な方向に貫通したボルト穴が形成されており、線状体保護部材31aは、回転軸部材21の上端において当該ボルト穴を介してフランジ11eに対して固定される。従って、回転軸部材21は、フランジ11eの回転とともに回転する。むろん、この構成は一例であり、フランジ11eに対して回転軸部材21が直接的に固定されていてもよい。
一方、線状体保護部材31bは、回転軸部材21の下端においてボルト穴を介して脱落防止部材32に固定される。脱落防止部材32は円筒状の形状であるとともに、上方に突出する突出部32aを有している。脱落防止部材32は、上下方向にボルトを挿入可能なボルト穴32bと上下方向に垂直な方向にボルトを挿入可能なボルト穴32cとを有している。脱落防止部材32は、突出部32aの上端がベアリング21aの下端に接する状態でボルト穴32cにボルトが挿入されることにより、回転軸部材21に対して固定される。さらに、脱落防止部材32は、ボルト穴32bにボルトが挿入されることにより、線状体保護部材31bと一体になるように固定される。
なお、線状体保護部材31a,31bが、回転軸部材21に対して固定された状態において、線状体保護部材31aの内壁の上端と、線状体保護部材31bの内壁の下端に位置する部分31c,31dは外側(上端側または下端側)に向けて徐々に内径が大きくなるような曲面となっている。
(2)第1アームと基台における線状体の引き回し:
以上の構成において、回転軸部材21の軸は減速機50の中空の軸を貫通しており、回転軸部材21の軸、減速機50の軸と、第1アーム11の回転軸Ax1は一致している。本実施形態において、回転軸部材21は、回転軸Ax1が上下方向(基台20を水平面に設置した場合における鉛直方向)に平行になるように、基台20および第1アーム11の内部に配置されている。すなわち、本実施形態にかかる減速機50は中空軸を備えており、回転軸部材21は、減速機50の中空軸を貫通している。
本実施形態において、上述の線状体30は回転軸部材21の中空部分を通っている。すなわち、図1B、図2Aに示すように、回転軸部材21は中空の筒状体であり、その内側である中空部分を線状体30が通っている(図1B参照)。従って、線状体30は、基台20と第1アーム11とに渡って存在する。当該線状体30は、基台20の内部および第1アーム11の内部を引き回される線状体であり、電力、信号、流体等を基台20の外部から内部へ、または内部から外部へ伝達する線状体が束ねられて構成される。
線状体30は、基台20の内部の少なくとも1カ所、第1アーム11の内部の少なくとも1カ所で結束される。本実施形態においては、回転軸Ax1上であるとともに基台20の内部に存在する第1結束位置と、回転軸Ax1上であるとともに第1アーム11の内部に存在する第2結束位置と、で結束される。第1結束位置と第2結束位置との間に他の結束位置は存在しない。具体的には、図1Bに示すように、基台20内の下部において基台20には板状部材23aが連結されている。さらに、線状体30の外周の一部と板状部材23aの板状の面とに接触しながら板状部材23aに締結可能な結束具23bが予め作成され、板状部材23aと結束具23bとの間に線状体30を配置した状態で、結束具23bが板状部材23aに締結される。この結果、線状体30は、結束具23bの位置を上述の第1結束位置として基台20の内部において結束される。
一方、図1Bに示すように第1アーム11内の下部において第1アーム11には、板状部材11cが連結されている。さらに、線状体30の外周の一部と板状部材11cの板状の面とに接触しながら板状部材11cに締結可能な結束具11dが予め作成され、板状部材11cと結束具11dとの間に線状体30を配置した状態で、結束具11dが板状部材11cに締結される。この結果、線状体30は、結束具11dの位置を上述の第2結束位置として第1アーム11の内部において結束される。むろん、第1結束位置および第2結束位置における結束法は一例であり、他の手法であってもよい。例えば、板状の部材で線状体30を挟むことにより、板バネの作用によって線状体30を結束する構成であってもよい。
本実施形態において、板状部材23a、結束具23b、板状部材11cおよび結束具11dは、線状体30を回転軸部材21の回転軸Ax1上で結束できる位置に配置されている。従って、本実施形態においては、線状体30が回転軸Ax1上の第1結束位置および第2結束位置で結束されていることになる。さらに、回転軸Ax1は直線であるため、線状体30は、第1結束位置と第2結束位置との間において直線状になる。
なお、本実施形態においては、減速機50の回転軸近傍が中空であるとともに当該中空の部分に回転軸部材21を配置することによって構成されている。そして、当該回転軸部材21は円筒状の部材であるため、当該回転軸部材21内に線状体30を通すことにより、容易に回転軸Ax1上に線状体を配置することができる。また、本実施形態においては回転軸Ax1が鉛直方向に平行である。従って、回転軸Ax1上の2カ所の位置である第1結束位置および第2結束位置で線状体30を結束したとしても、当該第1結束位置および第2結束位置の間に存在する線状体30が自重によって回転軸Ax1上に配置される。このため、線状体30は自律的に直線状になる。従って、簡易な構成で線状体30の耐用期間を長期化することができる。
以上の構成において、第1アーム11が基台20に対して回転すると線状体30が第1アーム11の回転に伴って捻られる。しかし、本実施形態においては、回転とともに第1アーム11を引っ張るクランク軸が存在しないため、当該クランク軸となる部品によって線状体30が引っ張られることはない。従って、クランク軸による引っ張り力が作用する構造と比較して、線状体30に作用する力の大半を捻りによる応力に限定することができる。この結果、線状体30の耐用期間を長期化することが可能である。
さらに、本実施形態においては、回転軸部材21の上端部分および下端部分に線状体保護部材31a,31bが取り付けられており、これらの線状体保護部材31aの内壁の上端と、線状体保護部材31bの内壁の下端に位置する部分31c,31dは内側から外側(内側から上端側および内側から下端側)に向けて徐々に内径が大きくなるような曲面となっている。従って、線状体30が回転軸部材21の上端および下端付近に接触する接触面が曲面であり、線状体30が線状体保護部材31a,31bと触れることによって線状体30を破損する程度が抑制される。従って、線状体30の耐用期間を長期化することが可能である。
さらに、線状体保護部材31a,31bの部分31c,31dや回転軸部材21の内壁を、摩擦抵抗が比較的小さい材料、例えばフッ素樹脂等によってコーティングしてもよい。この構成によれば、線状体30に対する接触によって線状体30を破損する程度が抑制される。従って、線状体30の耐用期間を長期化することが可能である。
さらに、第1結束位置や第2結束位置は、図1B,図2Aに示す位置に限定されず、線状体30の耐用期間に応じて変更してもよい。すなわち、第1結束位置と第2結束位置との距離を長くすることにより、線状体30の耐用期間を長期化することができる。
(3)回転軸部材の周囲の構成:
基台20内の線状体30は、他のアーム内の線状体よりも一般的には太い(束ねられて太くなる)。従って、太い線状体30を回転軸部材21の内側に通すためには、回転軸部材21の内径が充分に大きい必要がある。さらに、上述のように、線状体30の耐用期間を長期化するためには、第1結束位置と第2結束位置との距離を長くする必要がある。
筒状の回転部材を回転軸まわりに回転するように配置するためには、通常、筒の2カ所で保持すればよいが、本実施形態においては太く長い回転軸部材21を基台20内に配置するために、3カ所、すなわち、ベアリング21a、50d、11fで回転軸部材21を保持する。ここで、ベアリング50d,11fは、周囲の部品との関係で脱落しない構造となっているが、ベアリング21aの直下には、他の部材が配置されていないと回転軸部材プーリー22aの回転によってベアリング21aが脱落しかねない。そこで、本実施形態においては、図2Aに示すように、回転軸部材プーリー22aよりも鉛直下方において回転軸部材21には脱落防止部材32が取り付けられている。当該脱落防止部材32は、上方に突出する突出部32aがベアリング21a(少なくともベアリング21aの構成要素)に接するように回転軸部材21に取り付けられている。ここで、脱落防止部材32は、ボルト穴32cによって回転軸部材21に対して固定されているため、回転軸部材21が高速回転した場合であっても脱落防止部材32が下方に脱落することはない。従って、脱落防止部材32は、回転軸部材プーリー22aのベアリング21aの脱落を防止するように作用する。
さらに、上述の着脱部材25は、潤滑油の漏洩を防止するためのシール部材26と組み合わせて使用されることにより、減速機50を分解することなく減速機50内の潤滑油の漏洩を防止することができるように構成されている。すなわち、本実施形態において、シール部材26は、ウェーブジェネレーター50aに対して直接取り付けるのではなく、シール部材26とウェーブジェネレーター50aとの間に着脱部材25が配置された状態で着脱部材25に対して取り付けられる。
すなわち、減速機50は、複数の可動部品の組み合わせによって構成されており、各可動部品同士が接触しながらなめらかに動作するため、内部に潤滑油が封入される。シール部材26は潤滑油の漏洩を防止するために用いられるが、着脱部材25を利用しながら運用過程におけるシール部材26の脱落を防止するためには、減速機50に対してシール部材26が強固に取り付けられる必要がある。しかし、減速機50に対してシール部材26が直接かつ強固に取り付けられる構成においては、メンテナンスのためにシール部材26を単独で取り外すことが困難になり、減速機50の分解が必要になってしまう。
そこで、本実施形態においては、着脱部材25が減速機50に対して着脱できるように構成される。すなわち、上述の着脱部材25は、減速機50に対して着脱可能な環状の部材であり、回転軸部材21が貫通した状態で減速機50に取り付けられる。具体的には、着脱部材25の上部には爪部25aが形成されており、爪部25aがウェーブジェネレーター50aの外壁に食い込むように取り付けられる。そして、着脱部材25がウェーブジェネレーター50aに取り付けられた状態において、さらに、減速機50内の潤滑油の漏洩を防止するための環状のシール部材26が着脱部材25の外壁と基台20との間に取り付けられる。シール部材26は、着脱部材25に対して減速機50内の潤滑油が下方に漏洩しないように嵌めることが可能である。この構成によれば、シール部材26によって、減速機50の潤滑油が運用過程で漏洩することを防止することができる。
着脱部材25は、ウェーブジェネレーター50aに対して着脱可能であればよく、着脱するための手法としては種々の手法を採用可能である。本実施形態においては、他の部品を着脱部材25に取り付けることによって取り外しを行うように構成されている。例えば、ボルト穴が形成された板状部材25b(図2A破線参照)を利用して着脱部材25を取り外すことが可能である。すなわち、着脱部材25は図2Bに示すように複数のボルト穴を有しており、当該ボルト穴と板状部材25bに形成されたボルト穴とを利用して板状部材を連結した状態で板状部材25bに矢印Ar方向の力を作用させると、シール部材26とともに着脱部材25を取り外すことが可能である。以上の構成によれば、減速機50を分解することなく着脱部材25およびシール部材26を減速機50から取り外すことが可能である。なお、シール部材26は、着脱部材25とともに回転する部材であるため、耐熱性が高いゴム材であることが好ましく、例えば、フッ素系の樹脂等で構成されることが好ましい。
(4)他の実施形態1:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の構成を採用可能である。例えば、ロボット10の態様は、図1Aに示す態様に限定されず、双腕ロボットや人型ロボット、スカラーロボットなど、他のいかなるロボットであっても良い。むろん、アームの構成も図1Aに示す態様に限定されず、7個のアームを備える7軸ロボットであってもよいし、アームの数は限定されない。
さらに、ロボット10の基台20に備えられる各種の部品に各種の発明が適用されてもよい。多くの場合、ロボット10は大型であるよりも小型である方が好ましいため、小型化を図るための発明が適用されてもよい。例えば、基台20内のモーターのブレーキを通常の配置と異なる配置とすることで基台20を小型化することが可能になる。図3Aおよび図3Bは、基台20に備えられるモーター40およびモーター40に関連する部材を抜き出して示す図である。図3Aは、基台20内のモーター40を図1Aに示す左側から右側を眺めた状態で示しており、図3Bは図3Aの断面図である。これらの図において、図1Aに示すロボット10と同様の構成については同一の符号で示している。
図3A、図3Bに示すモーター40は一方向に長い筐体を備えており、当該長手方向が上下方向に向いた状態で基台20内に取り付けられる。モーター40は、鉛直上方に向けて突出する出力軸41を備えており、出力軸41にはモータープーリー22bが取り付けられる。また、モータープーリー22bには図示しないベルトが掛けられており、当該ベルトを介してモータープーリー22bの回転が回転軸部材プーリー22aに伝達される。
出力軸41の上端には、出力軸41の回転を抑制するモーターブレーキ42が取り付けられている。本実施形態において、モーターブレーキ42は、ボルト42aによって出力軸41の上端に取り付けられており、図示しない通信線および電力線としての線状体が取り付けられている。すなわち、当該線状体によって出力軸41の回転を抑制する指示としての信号がモーターブレーキ42に伝達されると、モーターブレーキ42は電力で駆動されて出力軸41に連結された部材に摩擦力を作用させる。この結果、出力軸41の回転が抑制される。この構成により、ロボット10においては、モーター40における出力軸41の回転を任意のタイミングで停止(または回転を抑制)させることが可能である。
一方、従来のモーターにおいては、モーターの本体にモーターブレーキが取り付けられる。例えば、図3Aに示すように長手方向を上下方向に向けたモーターにおいて、モーター本体の底面(図3Aに示す位置Pb)またはモーター本体の上面(図3Aに示す位置Pt)に取り付けられる。この場合、モータープーリー22bの高さは、モーターブレーキの高さだけ上方に移動せざるを得ない。
そして、モーター40の回転駆動力をモータープーリー22b、回転軸部材プーリー22aおよびベルトを介して第1アーム11に伝達する構成においては、ベルトを挟んでモーター40が鉛直下方、第1アーム11が鉛直上方に配置されるように構成することができる(例えば、図1A,図1Bに示す構成において、第1アーム11が減速機50の上方に配置され、モーター40は基台20の矩形部20bに配置される)。この構成によれば、第1アーム11(減速機50)とモーター40とが鉛直線上に並ぶことはなく、第1アーム11の下方の空間をモーター40以外の部品が存在する空間として利用することが可能になる。このため、第1アーム11から基台20に渡って存在する線状体30が回転軸Ax1に沿って延びる長さを長くすることが可能である。そして、線状体30が直線状に延びる長さが長いほど、線状体30が捻られた場合における経年変化を抑制することができ、線状体30の耐用期間を長期化することができる。
以上の構成においては、モーター40の直上とは異なる位置に減速機50および第1アーム11が配置される。従って、モーター40の上方に減速機50よりも小さい部材を配置しても、基台20の全高は変わらない。そして、減速機50よりも小さいモーターブレーキ42を構成することは容易であるため、図3Aおよび図3Bに示すように、モータープーリー22bよりも鉛直上方にモーターブレーキ42を備える構成とすることで、基台20の大きさを大きくすることなくモーターブレーキ42を備えた基台20を構成することができる。なお、モーターブレーキ42は、種々の構成を採用可能であり、公知の種々の方式のブレーキで構成可能である。
さらに、基台20内の線状体の取り回しを工夫することにより、線状体の耐用期間が短くなることを防止するように構成されていても良い。例えば、基台20の内部に存在するとともに第1アーム11を回転させるための駆動部(モーター、プーリー、回転軸部材等)を備えるロボット10において、基台20が開口部と、当該開口部に取り付け可能なカバーとを備え、カバーが、基台20の内部に存在する線状体30を基台20の外部の接続先に接続するための線状体接続部を備え、線状体30は、流体を流すための配管を含み、線状体接続部は、配管が接続される継手を含み、開口部に取り付けられたカバーにおける継手の延長先に駆動部が存在しない構成としてもよい。
図4Aおよび図4Bは、基台20を後方から眺めた状態を示す図である。同図に示す基台20においては、後面に開口部24aが形成されている。また、基台20には、当該開口部24aを覆うカバー24bを取り付けることが可能である。カバー24bには、複数の線状体接続部24c〜24fが取り付けられている。各線状体接続部24c〜24fは、カバー24bの平面に対して垂直な方向に延びるように取り付けられている。なお、線状体接続部24cは配管が接続される継手であり、線状体接続部24dは電力線が接続されるコネクターであり、線状体接続部24eは通信線が接続されるコネクターである。線状体接続部24fは、ロボット10の運用過程で使用されない線状体のコネクターや線状体の屈曲が重大な問題にならない線状体(複数の線状体が束ねられた線状体ではなく複数の線状体が分離して存在する線状体等)のコネクター等である。
基台20は、内部にモーター40等の駆動部を有している。当該駆動部の主な部位は板金等によって覆われており、図4Bにおいては、駆動部の境界であって線状体接続部24c〜24d側に存在する境界を太い直線BLで示している。線状体30が当該駆動部に触れると、駆動部の駆動によって線状体30が破損するなどして耐用期間が短くなるおそれがある。また、開口部24aにカバー24bが取り付けられた状態において、線状体接続部の延長先(線状体接続部への線状体の接続方向の延長先)に駆動部が存在すると、当該駆動部を避けるために基台20内で線状体30を曲げる必要がある。
そこで、本実施形態においては、線状体接続部24c〜24eの延長先に駆動部が存在しない(線状体接続部24c〜24eを図4Bに投影した場合に、投影される図は太い直線BLよりも左側である)ように構成されている。このため、線状体接続部24c〜24eに接続される線状体30は、基台20の内部で駆動部に対する干渉を避ける等のために大きく曲げられることはない。従って、線状体30の耐用期間が低下することを防止することができる。なお、線状体30としての配管は、配管内の流体の流れを確保するため急激に曲げることが困難である。従って、線状体接続部の延長先に駆動部が存在しない本実施形態の構成が、配管を接続する線状体接続部24cに適用されることでその効果が顕著に現れる。
なお、駆動部との干渉が想定しづらい線状体を接続するための線状体接続部は、延長先に駆動部が存在し得る状態でカバー24bに取り付けられてもよい。例えば、図4Aに示す線状体接続部24fは、ロボット10の運用過程で使用されない線状体のコネクターや線状体の屈曲が重大な問題にならない線状体のコネクター等である。すなわち、前者であれば線状体接続部の延長先に駆動部が存在しても、線状体は駆動部と干渉しない。また、後者であれば、線状体を引き回す自由度が高いため駆動部を避けるように線状体を引き回すことができる。さらに、駆動部の構成要素に接続される線状体であれば、線状体接続部の延長先に駆動部が存在しないように構成されていなくてもよい。例えば、図4Bに示すアース線のコネクター24gに対して接続する線状体の線状体接続部が、延長先にコネクター24gや駆動部が存在するようにカバー24bに取り付けられていてもよい。
(5)他の実施形態2:
上記で説明した実施形態は、ここで説明する種々の構成を採用可能である。また、ここで説明する種々の構成は、上記で説明した実施形態とは、異なる構成に適用されても良い。ここで、種々の構成の一例として、ロボット10が天吊り可能である場合について説明する。この一例において、天吊りは、ロボット10(基台20)を天井に設置することである。この場合、基台20が備える減速機50内部のフレクスプライン50b及びサーキュラースプライン50cの歯車やベアリング50d等の摺動部の摩耗を低減させる潤滑油は、当該摺動部に対して第1アーム11側(第1アーム11が基台20に接続されていない場合には、第1アーム11が接続される部位の側。以下、同様)から減速機50の内部に給油された場合、重力によって当該潤滑油が第1アーム11側に溜まって当該摺動部に十分に行き渡らない場合がある。
これを解消するため、基台20は、例えば、図5において説明する給油口100を備える構成であっても良い。図5は、給油口100を備える基台20の一例を示す図である。図5に示した断面図は、天吊りにされたロボット10が備える基台20の本体20aを、図1Aに示す左右方向に切断した断面図である。
以下では、説明の便宜上、ロボット10の(基台20の)設置場所となる物体(例えば、天井や床等)に取り付けられる面を取付面90と称して説明する。この一例において、取付面90は、基台20における面であり、減速機50に対して第1アーム11と反対側の面である。図5に示したように、ロボット10が天吊りされているため、減速機50と取付面90との上下関係は、図2Aに示した減速機50と取付面90との上下関係と逆転している。
図5に示した基台20は、減速機50内部の摺動部に対して第1アーム11と反対側(この一例において、取付面90側)から摺動部に潤滑油を給油可能な給油口100を備えている。すなわち、給油口100は、ロボット10(基台20)が天吊りされている場合、摺動部よりも図5に示した上側に位置する。そのため、給油口100から給油された潤滑油は、減速機50内部において第1アーム11と反対側から順に摺動部を通って第1アーム11側へと流れていく。これにより、ロボット10は、天吊りされた状態であっても、摺動部に対して第1アーム11と反対側から給油された潤滑油によって摺動部の摩耗を低減することができる。
上記のように、給油口100は、ロボット10が天吊りされた状態において、摺動部に対して十分に潤滑油を行き渡らせることができるが、ロボット10が床置きされた状態において、摺動部に対して十分に潤滑油を行き渡らせることができない場合がある。これは、ロボット10が床置きされた状態において、給油口100から給油された潤滑油が重力によって、減速機50内部における第1アーム11と反対側(この一例において、取付面90側)に溜まるためである。なお、この一例において、床置きは、ロボット10(基台20の取付面90)を床に設置することである。
そこで、ロボット10の基台20は、図5に示した給油口100に加えて、図6に示した給油口110を備える構成であっても良い。図6は、給油口110を備える基台20の一例を示す図である。図6に示した断面図は、床置きにされたロボット10が備える基台20の本体20aを、図5に示した断面とは異なる断面において切断した断面図である。図6に示したように、ロボット10が床置きされているため、減速機50と取付面90との上下関係は、図5に示した減速機50と取付面90との上下関係と逆転している。
この一例において、基台20は、図5に示した給油口100に加えて、図6に示したように、減速機50内部の摺動部に対して第1アーム11側から摺動部に潤滑油を給油可能な給油口110を備える。すなわち、給油口110は、ロボット10が床置きされている場合、摺動部よりも図6に示した上側に位置する。そのため、給油口110から給油された潤滑油は、減速機50内部において第1アーム11側から順に摺動部を通って、摺動部に対して当該第1アーム11側とは反対側(この一例において、取付面90側)へ流れていく。これにより、ロボット10は、床置きされた状態であっても、摺動部に対して第1アーム11側から給油された潤滑油によって摺動部の摩耗を低減することができる。なお、図6に示した基台20の断面は、図5に示した基台20の断面とは異なる断面であり、給油口100は、図6において見えなくなっている。
また、基台20が給油口100及び給油口110の両方を備えている場合、ロボット10は、天吊りと床置きの両方において、摺動部の摩耗を低減することができる。その結果、ユーザーは、ロボット10に行わせたい作業に応じてロボット10を天井と床のいずれかに設置した場合においても、摺動部に潤滑油を十分に行き渡らせることができる。すなわち、ロボット10は、高い汎用性を有することになる。
本実施形態に係る基台20では、一例として、給油口100が、重力方向において、摺動部に対してアームが設けられる側とは反対側の位置に設けられている。このため、摺動部に対してアームが重力方向下側に設けられる設置環境において、摺動部に対して重力方向上側に位置する給油口100から潤滑油を給油することができ、これにより、潤滑油が摺動部に行き渡りやすくすることができる。この場合、例えば、基台20のアームとは反対側の取付面90が天井に設置され、ロボット10が天吊りの環境とされる。
また、本実施形態に係る基台20では、一例として、給油口110が、摺動部に対して重力方向において、摺動部に対してアームが設けられる側に設けられている。このため、摺動部に対してアームが重力方向上側に設けられる設置環境において、摺動部に対して重力方向上側に位置する給油口110から潤滑油を給油することができ、これにより、潤滑油が摺動部に行き渡りやすくすることができる。この場合、例えば、基台20のアームとは反対側の取付面90が床に設置され、ロボット10が床置きの環境とされる。
(6)他の実施形態3:
上記で説明した実施形態は、ここで説明する種々の構成を採用可能である。また、ここで説明する種々の構成は、上記で説明した実施形態とは、異なる構成に適用されても良い。ここで、種々の構成の一例として、ロボット10が天吊り可能である場合について説明する。この場合において、例えば、基台20が設置された天井において雨漏りや水道管の破裂等による水漏れが発生した場合、基台20の内部へ水が入り込む場合がある。また、例えば、何らかの不具合(故障等)によって、ロボット10が設置された天井に向けて水等の流体が放出された場合、基台20と天井との間から基台20の内部に流体が入り込む場合がある。
基台20の内部や、基台20と天井との間等に水等の流体が入り込んだ場合、電子・電気回路のショート等の不具合が発生する可能性がある。このような不具合を抑制するため、ロボット10の基台20は、図7A及び図7Bに示した第1溝200及び第2溝210を備える構成であってもよい。図7Aは、基台20の本体20aの内部の一例を取付面90側から見た斜視図である。なお、図7Aに示した基台20は、図1Aに示した後側が紙面の手前側に向いている。
図7Aに示したように、この一例において、取付面90には、基台20の内部へと繋がる円形の穴部Hが設けられている。また、穴部Hの縁には、取付面90から基台20の内部側へと低くなった段差面91が設けられている。段差面91の外周は、取付面90よりも内側であり、穴部Hの縁よりも外側である。
段差面91は、基台20の内部に水等の流体が入り込まないようにするための蓋220が取り付けられる面である。なお、蓋220には、基台20の内側から伸びる配線や配管と、他の装置から伸びる配線や配管を接続させる基板等が設置されてもよい。また、段差面91には、穴部Hの縁に沿って穴部Hの縁よりも外側に第1溝200が設けられている。第1溝200は、段差面91と蓋220との間から基台20の内部に水等の流体が入り込んでしまうことを防止するシール部材300を設置するための溝である。シール部材300は、例えば、フッ素系の樹脂等である。なお、シール部材300は、これに代えて、他の材質であっても良い。
また、取付面90には、段差面91の外周よりも外側に、段差面91の外周に沿って第2溝210が設けられている。第2溝210は、取付面90と、基台20が設置される物体との間から蓋220側に水等の流体が入り込んでしまうことを防止するシール部材310を設置するための溝である。シール部材310は、例えば、フッ素系の樹脂等である。なお、シール部材310は、これに代えて、他の材質であっても良い。
図7Bは、図7Aに示した基台20を図1Aに示した上側から見た上面図と、当該上面図のうちの実線によって囲まれた範囲Wの拡大図との両方を示す図である。範囲Wの拡大図に示したように、第1溝200は、穴部Hの縁に沿って段差面91に設けられている。また、第2溝210は、段差面91の外周に沿って取付面90に設けられている。
図8は、天井OHに設置された基台20の一例を示す図である。また、図8に示した断面図は、図1Aに示した前後方向に基台20を切断した断面図である。図8において、基台20は、蓋220が段差面91に取り付けられ、穴部Hが塞がれている。この状態において、第1溝200に設置されたシール部材300は、段差面91と蓋220の間に水等の流体が入り込まないように塞いでいる。これにより、ロボット10は、基台20の内部に流体が入ることによって生じる不具合を抑制することができる。また、第2溝210に設置されたシール部材310は、取付面90と天井OHの間に水等の流体が入り込まないように塞いでいる。これにより、ロボット10は、基台20の取付面90と、基台20が取り付けられた物体との間に流体が入ることによって生じる不具合を抑制することができる。
本実施形態に係る基台20では、一例として、基台20の内部に流体が入るのを防止するための第1溝200が設けられている。第1溝200は、例えば、取付面90側に設けられた段差面91に形成されている。また、例えば、第1溝200には、シール部材300が嵌め込まれており、当該シール部材300が蓋220によって押圧されている。ここで、第1溝200及びシール部材300は、基台20の段差面91の周囲の全体にわたって設けられている。これにより、シール部材300で流体の流れを防止することができ、基台20の外部から内部へ流体が侵入することを防ぐことができる。
また、本実施形態に係る基台20では、一例として、基台20と、基台20が設置される物体(例えば、床や天井OHや壁等)との間で流体が流れることを防止するための第2溝210が設けられている。第2溝210は、例えば、取付面90に形成されている。また、例えば、第2溝210には、シール部材310が嵌め込まれており、当該シール部材310が当該物体によって押圧されている。ここで、第2溝210及びシール部材310は、基台20の取付面90の周囲の全体にわたって設けられている。これにより、シール部材310で流体の流れを防止することができ、基台20と当該物体との間で流体が流れることを防ぐことができる。
また、本実施形態では、第1溝200よりも第2溝210の方が外側に設けられている。
なお、本実施形態では、流体として液体の侵入の防止を例として説明したが、液体の侵入の防止とともに気体の侵入の防止ができても良い。また、他の例として、流体として少なくとも気体の侵入の防止ができる構成が用いられても良い。
以上説明したように、実施形態におけるロボット10は、摺動部に対してアーム(この一例において、第1アーム11)とは反対側(この一例において、取付面90側)から摺動部に潤滑油を給油可能である。これにより、ロボット10は、摺動部に対してアームとは反対側から給油された潤滑油によって摺動部の摩耗を低減することができる。
また、ロボット10は、摺動部に対してアーム側から摺動部に潤滑油を給油可能である。これにより、ロボット10は、摺動部に対してアーム側から給油された潤滑油によって摺動部の摩耗を低減することができる。
また、ロボット10は、天吊り可能である。これにより、ロボット10は、天吊りされた状態で動作可能である。
また、ロボット10は、床置き可能である。これにより、ロボットは、床置きされた状態で動作可能である。
また、ロボット10は、第1溝200により、基台20の内部に流体が入るのを防止し、第2溝210により、物体(この一例において、天井や床や壁等)と基台20との間に流体が入るのを防止する。これにより、ロボット10は、基台20の内部や、物体と基台20との間に流体が入ることによって生じる不具合を抑制することができる。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
10…ロボット、11〜16…第1〜第6アーム、11a…本体、11b…支持部、11c…板状部材、11d…結束具、11e…フランジ、12a…本体、12b…支持部、14a…本体、14b…支持部、20…基台、20a…本体、20b…矩形部、21…回転軸部材、21a,50d,11…ベアリング、22a…回転軸部材プーリー、22b…モータープーリー、22c…ボルト、23a…板状部材、23b…結束具、24…線状体接続部、24a…開口部、24b…カバー、24c〜24f…線状体接続部、24g…コネクター、25…着脱部材、25a…爪部、25b…板状部材、26…シール部材、30…線状体、31a,31b…線状体保護部材、32…脱落防止部材、32a…突出部、32b,32c…ボルト穴、40…モーター、41…出力軸、42…モーターブレーキ、42a…ボルト、50…減速機、50a…ウェーブジェネレーター、50b…フレクスプライン、50c…サーキュラースプライン、90…取付面、91…段差面、100…給油口、110…給油口、200…第1溝、210…第2溝、220…蓋、300…シール部材、310…シール部材

Claims (2)

  1. 基台と、
    前記基台に設けられ、回転軸の軸まわりに回転するアームと、
    回転駆動し、前記アームを駆動させるモーターと、
    摺動部を有し、前記モーターの回転駆動を減速する減速機と、
    前記摺動部に潤滑油を通過させる第1給油口と、
    前記回転軸の軸方向において、前記第1給油口と異なる位置にあり、前記摺動部に潤滑油を通過させる第2給油口と、
    を備え、
    前記摺動部は、前記回転軸の軸方向において、前記第1給油口と前記第2給油口との間に位置しており
    前記第1給油口は、前記摺動部よりも前記回転軸の軸方向のうち前記基台から前記アームに向かう第1方向側に位置しており、且つ、前記基台の表面のうち前記回転軸の軸方向において前記減速機と重なる面に設けられており、
    前記第2給油口は、前記摺動部よりも前記回転軸の軸方向のうち前記アームから前記基台に向かう第2方向側に位置しており、且つ、前記基台の表面のうち前記回転軸と直交する方向と交差する面に設けられている、
    ロボット。
  2. 前記基台は、
    前記基台の内部に流体が入るのを防止するための第1溝と、
    前記基台が設置される物体と前記基台との間に流体が入るのを防止するための第2溝と、
    を備える、
    請求項1に記載のロボット。
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