以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る光源モジュールを含む車両用灯具の概略構造を示す断面図である。車両用灯具1は、例えば車両の前照灯として用いられる。車両用灯具1は、車体前部の左右両側にそれぞれ配置される。本実施の形態では車体前方から見て一方の側に位置する車両用灯具1について説明する。他方の側の車両用灯具1も基本的に同様の構成を有する。
車両用灯具1は、ランプボディ12、透光カバー14、灯具ユニット16、エクステンションリフレクタ18を備える。ランプボディ12は、灯具前方側に開口部を有する箱体である。透光カバー14は、透光性を有する樹脂またはガラスによって形成される。透光カバー14は、ランプボディ12の開口部を覆うようにランプボディ12に取り付けられる。
灯具ユニット16は、ランプボディ12と透光カバー14とによって形成される灯室20内に配置される。灯具ユニット16は、いわゆるプロジェクタ型の光学ユニットである。灯具ユニット16は、主表面が灯具前後方向を向くよう配置された板状の金属製支持部材22に取り付けられる。金属製支持部材22は、エイミングスクリュー24によってランプボディ12に傾動自在に支持される。エイミングスクリュー24が回転すると金属製支持部材22が傾動し、それに伴って灯具ユニット16が傾動する。これにより、灯具ユニット16の光軸Oを水平方向及び鉛直方向に調整できる。
エクステンションリフレクタ18は、ランプボディ12と同様に灯室20内に配置される。エクステンションリフレクタ18は、ランプボディ12の開口部と灯具ユニット16の外周との間の領域を覆うように配置される。これにより、車両用灯具1の内部構造を隠すことができる。
灯具ユニット16は、光源モジュール100、リフレクタ26、レンズホルダ28、投影レンズ30を備える。
光源モジュール100は、光源102と、光波長変換部材104と、放熱部材106とを備える。本実施の形態に係る光源モジュール100は、光源102が照射する光により光波長変換部材104が励起され、これにより生成される非コヒーレント光を照射する構成を備える。例えば、光源102はレーザ光Lを出射する。光波長変換部材104は、光源102のレーザ光Lで励起されて発光する蛍光体を含有する。光波長変換部材104からは白色光Wが出射される。白色光Wは、リフレクタ26に向けて進行する。
光源102及び光波長変換部材104は、放熱部材106に搭載される。放熱部材106は、例えばアルミニウム等の金属材料で形成された略板状の部材である。放熱部材106は、灯具後方側の端部が金属製支持部材22の主表面に接続され、金属製支持部材22から灯具前方側に突出する。本実施の形態では、金属製支持部材22と放熱部材106とは一体的に形成されている。光源102と光波長変換部材104とは、光源102が灯具後方側、光波長変換部材104が灯具前方側に配置されて、放熱部材106の主表面に搭載される。光源102から出射されるレーザ光Lは、放熱部材106の主表面に対して平行に進行し、光波長変換部材104に入射される。光源102及び光波長変換部材104で発生する熱は、放熱部材106を介して放熱される。
リフレクタ26は、略ドーム状の部材であり、光波長変換部材104の光出射面と対向するように配置される。リフレクタ26は、回転楕円面を基調とした反射面26aを内側に有する。反射面26aは、第1焦点と、第1焦点よりも灯具前方側に位置する第2焦点とを有する。リフレクタ26は、反射面26aの第1焦点が光波長変換部材104の光出射面と略一致するように、光波長変換部材104との位置関係が定められている。
レンズホルダ28は、例えばアルミニウム等の金属材料で形成され、灯具前後方向に延在する部材である。レンズホルダ28の灯具後方側は、放熱部材106の灯具前方側に固定される。レンズホルダ28の灯具前方側の端部には、投影レンズ30が固定される。レンズホルダ28は、放熱部材106の主表面に接する平面部28aと、放熱部材106の前端面に接する鉛直面部28bとを有する。平面部28aと鉛直面部28bとがなす稜線28fは、反射面26aの第2焦点近傍に位置する。
投影レンズ30は、前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸非球面レンズである。投影レンズ30は、その後方焦点を含む後方焦点面上に形成される光源像を、反転像として灯具前方の仮想鉛直スクリーン上に投影する。投影レンズ30は、その後方焦点が灯具ユニット16の光軸O上、且つ反射面26aの第2焦点近傍に位置するように配置される。
光波長変換部材104から出射される白色光Wは、リフレクタ26の反射面26aで反射されて反射面26aの第2焦点、すなわち稜線28fの近傍を通って投影レンズ30に入射する。投影レンズ30に入射した光は、投影レンズ30から略平行な光として灯具前方に照射される。反射面26aで反射された白色光Wの一部は、平面部28aで反射される。すなわち、稜線28fを境界線として、白色光Wが選択的にカットされる。これにより、稜線28fの形状に対応するカットオフラインを有する配光パターンが車両前方に投影される。つまり、平面部28a、鉛直面部28b及び稜線28fはシェードとして機能する。
続いて、光源モジュール100の構造について詳細に説明する。図2(A)は、光源モジュール100の光波長変換部材104とその近傍を示す斜視図である。図2(B)は、図2(A)のA−A線に沿った断面図である。
光源モジュール100は、光源102と、光波長変換部材104と、放熱部材106とを備える。光源102は例えば、レーザ光Lを出射するレーザダイオード(半導体レーザ)で構成される。光源102を構成するレーザダイオードの構造は従来公知であるため、その詳細な説明は省略する。なお、光源102は、固体レーザ、ガスレーザ等のレーザ装置で構成されてもよい。光源102は、光波長変換部材104に向けてレーザ光Lを出射する。なお、光源102と光波長変換部材104との間には、図示しない集光レンズが設けられてもよい。
光波長変換部材104は、蛍光体108と、導光体110と、反射膜112と、基板114と、バンドパスフィルタ116とを有する。
蛍光体108は、光源102から出射されるレーザ光Lで励起されてレーザ光Lとは異なる波長の光を発する。本実施の形態では、光源102が青色のレーザ光Lを光波長変換部材104に向けて出射する。レーザ光Lが光波長変換部材104に入射すると、蛍光体108がレーザ光Lの一部を吸収して波長変換し、波長変換光として黄色の光を生成する。蛍光体が発する黄色の光と、蛍光体に吸収されなかった青色のレーザ光Lとは、混色されて白色光Wとなる。このため、光波長変換部材104からは、白色光Wが出射される。
蛍光体108は、導光体110によって支持される。導光体110は、例えばガラスやアルミナ等の透光性を有する材料で構成される。本実施の形態では、導光体110中に粉状の蛍光体108が均一に分散している。なお、蛍光体108は、YAG(Yttrium Alminum Garnet)粉末等を用いて作成されたセラミック素地を焼結することにより得られる、いわゆる発光セラミック、または蛍光セラミックであってもよい。この場合、導光体110は省略される。
導光体110は、光入射面110a、内面反射面110b及び光出射面110cを有する。光源102から出射されるレーザ光Lは、光入射面110aから導光体110内に入射される。光入射面110aには、バンドパスフィルタ116が固定されている。バンドパスフィルタ116は、光源102からのレーザ光Lを透過する。また、バンドパスフィルタ116は、蛍光体108が発する黄色の光を反射する。これにより、蛍光体108が発する光の利用効率を高めることができる。バンドパスフィルタ116は、本実施の形態では光入射面110aに接触しているが、光入射面110aに非接触であってもよい。バンドパスフィルタ116と光入射面110aとを非接触とする場合、光入射面110aからの漏光を抑制するために両者の距離を極力小さくすることが好ましい。基板114は、バンドパスフィルタ116を形成する過程で支持基板として機能する。バンドパスフィルタ116は基板114上に積層形成され、基板114上に積層された状態で光入射面110aに固定される。基板114は、ガラスなどのレーザ光Lを透過する材料で構成される。なお、バンドパスフィルタ116は、光入射面110aに直接蒸着する等の方法によって光入射面110a上に設けられてもよい。この場合、基板114は省略される。
内面反射面110bは、光入射面110aから入射したレーザ光Lを光出射面110cに導くための反射面である。本実施の形態では、内面反射面110bは、第1反射面110b1と第2反射面110b2とを含む。第1反射面110b1は、光入射面110aから入射したレーザ光Lを第2反射面110b2に向けて反射する。第2反射面110b2は、第1反射面110b1で反射されたレーザ光Lを光出射面110cに向けて反射する。
第2反射面110b2は、光入射面110aに比べて表面粗さが大きい。これにより、レーザ光Lをより拡散させながら光出射面110cに向けて反射することができる。この結果、青色のレーザ光Lと、蛍光体108が生成する黄色の波長変換光とがより混色しやすくなり、より均質な白色光Wを形成することができる。なお、導光体110には光を拡散させるためのフィラーが混合されてもよい。
具体的には、導光体110は四角錐台形状であって、互いに平行な上底面及び下底面と4つの側面とを有する。3つの側面は、上底面及び下底面に対して垂直である。残り1つの側面は、下底面から上底面に近づくにつれて導光体110の中心に近づくように斜めに傾いている。すなわち、この側面は、下底面に被さるように傾いている。
この傾斜した側面に背向する側面が光入射面110aを構成し、当該側面はバンドパスフィルタ116で覆われる。また、傾斜した側面は反射膜112で覆われる。反射膜112は、レーザ光L及び波長変換光を反射する膜である。これにより、傾斜した側面が第1反射面110b1を構成する。反射膜112は、傾斜した側面に加えて、傾斜した側面に接続される残り2つの側面も被覆する。これにより、レーザ光L及び波長変換光の利用効率を高めることができる。反射膜112は、従来公知の反射材を導光体110の表面に塗布、めっき、蒸着する等して形成することができる。
また、光波長変換部材104が放熱部材106に搭載された状態で、導光体110の下底面が放熱部材106に接する。したがって、下底面は放熱部材106で覆われる。これにより、下底面が第2反射面110b2を構成する。そして、下底面に背向する上底面が光出射面110cを構成する。したがって、光入射面110aと光出射面110cとは、互いに交わるように配置される。
光波長変換部材104の内部には、光入射面110aから入射したレーザ光Lが内面反射面110b(より詳しくは第1反射面110b1及び第2反射面110b2)で反射されて光出射面110cに導かれる導光経路が含まれる。蛍光体108は、導光経路上に配置されて、導光経路を通るレーザ光Lの一部を波長変換する。蛍光体108によって生成される波長変換光は、レーザ光Lとともに導光経路を通って光出射面110cから出射される。なお、蛍光体108が上述した蛍光セラミックで構成される場合は、蛍光体108が光入射面と、内面反射面と、光出射面とを有する。
放熱部材106は、光波長変換部材104を支持するとともに、蛍光体108がレーザ光Lを波長変換する際に発する熱を放熱する。また、放熱部材106は、光源102も支持し、光源102が発する熱も放熱する。これにより、光波長変換部材104及び光源102の温度上昇を抑制することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る光源モジュール100は、光源102と、蛍光体108を含有する光波長変換部材104と、放熱部材106とを備える。光波長変換部材104は、光入射面110aから光源102のレーザ光Lが入射し、レーザ光Lが内面反射面110bで反射されて光出射面110cに導かれる導光経路を有する。蛍光体108は導光経路上に配置され、レーザ光Lの一部が波長変換されて波長変換光が生成される。光出射面110cからは、レーザ光Lと波長変換光とが混色されてなる白色光Wが出射される。
光入射面と光出射面とが背向する光波長変換部材を有する従来の光源モジュールでは、光入射面及び光出射面に対して直交する光波長変換部材の側面に、放熱部材を接触させる必要があった。この場合、光波長変換部材と放熱部材との接触面積を増やすためには、光波長変換部材の側面を大きくする必要がある。しかしながら、光波長変換部材の側面を大きくすると、光入射面及び光出射面と交わる方向(例えば光出射面の法線方向)で、光波長変換部材の寸法が大きくなる。この寸法の大型化によって、光波長変換部材中の各蛍光体から光出射面までの距離が遠くなる。言い換えれば、光出射面から遠い位置にある蛍光体の量が増加する。この結果、光波長変換部材の光出射効率が低下し、ひいては光源モジュールの光利用率が低下する。
これに対し、本実施の形態の光源モジュール100では、光波長変換部材104が内面反射面110bを有する。このため、光入射面110aと光出射面110cとを交わるように配置することができる。したがって、光出射面110cに背向する面(すなわち第2反射面110b2)に放熱部材106を当接させることができる。この場合、光波長変換部材104と放熱部材106との接触面積を増やすために第2反射面110b2の面積を大きくしても、光出射面110cの法線方向における光波長変換部材104の寸法が大きくなることを回避することができる。したがって、光出射面から遠い位置にある蛍光体を増やすことなく、光波長変換部材104と放熱部材106との接触面積を増やすことができる。よって、光源モジュール100における蛍光体108の放熱性を向上させることができる。また、蛍光体108の放熱性向上と、光源モジュール100の光利用効率との両立を図ることができる。
また、本実施の形態では光入射面110aと光出射面110cとは互いに垂直である。すなわち、光波長変換部材104へのレーザ光Lの入射角度と、光波長変換部材104からの白色光Wの出射角度とは90°ずれている。このため、入射角度と出射角度とが平行である従来の光源モジュールに比べて、光源モジュール100の薄型化が可能である。したがって、光源モジュール100を搭載する車両用灯具1の薄型化に貢献できる。
また、第1反射面110b1は、第2反射面110b2に被さるように傾いている。したがって、光出射面110cの面積を第2反射面110b2よりも小さくすることができる。これにより、発光面積を小さくして光波長変換部材104から出射される白色光Wの輝度を高めることができる。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る光源モジュールは、光源を複数備える点を除いて、実施の形態1に係る光源モジュール100の構成と共通する。以下、実施の形態2に係る光源モジュールについて、実施の形態1と異なる構成を中心に説明し、共通する構成については簡単に説明するか、あるいは説明を省略する。
図3は、実施の形態2に係る光源モジュールの概略構造を示す斜視図である。本実施の形態に係る光源モジュール200は、複数の光源102と、光波長変換部材104と、放熱部材106と、集光レンズ218とを備える。複数の光源102は、放熱部材106の主表面上に載置される。本実施の形態では、各光源102のレーザ光Lの出射方向が平行になるように、各光源102の姿勢が定められている。
集光レンズ218は、各光源102のレーザ光Lの経路上に配置される。集光レンズ218は、放熱部材106に固定される。各光源102から出射されるレーザ光Lは、共用の集光レンズ218によってそれぞれ平行光に変換されるとともに集光されて、光波長変換部材104に入射する。光波長変換部材104に入射したレーザ光Lは、光波長変換部材104内の導光経路を進行する過程で一部が蛍光体108(図2(B)参照)によって波長変換される。そして、レーザ光Lと波長変換光とが混色されて、光波長変換部材104から白色光Wが出射される。
なお、複数の光源102は、光波長変換部材104を中心として放射状に広がるように配置されてもよい。この場合、各光源102は、レーザ光Lの出射方向が光波長変換部材104を向くように姿勢が定められる。光源モジュール200は、複数の集光レンズ218を備え、各集光レンズ218は各光源102と光波長変換部材104との間に配置される。各集光レンズ218は、光波長変換部材104に向かうレーザ光Lを平行光に変換する。複数の光源102を放射状に配置することで、隣り合う光源102間の距離を離すことができ、光源102の放熱性を向上させることができる。
本実施の形態に係る光源モジュール200は、複数の光源102を備える。このため、光波長変換部材104から出射される白色光Wの輝度を高めることができる。また、複数の光源102は、放熱部材106の主表面上に載置される。このため、各光源102の放熱性を確保することができる。また、光源数の増加によって光源モジュール200の厚みが大きくなることを抑制することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3に係る光源モジュールは、光波長変換部材104の構造が異なる点を除いて、実施の形態1に係る光源モジュール100の構成と共通する。以下、実施の形態3に係る光源モジュールについて、実施の形態1と異なる構成を中心に説明し、共通する構成については簡単に説明するか、あるいは説明を省略する。
図4は、実施の形態3に係る光源モジュールが備える光波長変換部材及び放熱部材の概略構造を示す断面図である。本実施の形態に係る光源モジュール300は、光源102(図2(A)参照)と、光波長変換部材304と、放熱部材106とを備える。
光波長変換部材304は、蛍光体308と、導光体310と、反射膜112と、基板114と、バンドパスフィルタ116とを有する。導光体310は略四角錐台形状であって、斜めに傾いた側面に反射膜112が設けられて、この側面が第1反射面310b1を構成する。また、傾斜した側面に背向する側面が光入射面310aを構成する。この側面には、バンドパスフィルタ116及び基板114が設けられる。
また、蛍光体308は、層状であって一方の主表面が導光体310の下底面と接するように配置される。これにより、導光体310の下底面、言い換えれば蛍光体308の一方の主表面が、第2反射面310b2を構成する。したがって、蛍光体308は、光波長変換部材304が有する導光経路における第2反射面310b2の位置に配置される。蛍光体308の他方の主表面(すなわち導光体310に接する主表面に背向する主表面)には、放熱部材106が当接する。導光体310の上底面は、光出射面310cを構成する。
光源102から出射されるレーザ光Lは、基板114及びバンドパスフィルタ116を介して光入射面310aから導光体310内に入射する。導光体310に入射したレーザ光Lは、ほぼ拡散することなく第1反射面310b1まで進行し、第1反射面310b1によって第2反射面310b2に向けて反射される。第1反射面310b1で反射されたレーザ光Lは、第2反射面310b2において蛍光体308により一部が波長変換される。また、レーザ光Lは、第2反射面310b2において拡散反射される。蛍光体308によって生成される波長変換光とレーザ光Lとが混色されて白色光Wとなり、光出射面310cから出射される。
層状の蛍光体308の形成方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。すなわち、導光体310を形成する際に、蛍光体粉末を導光体310中に沈降させることで、層状の蛍光体308を形成することができる。あるいは、導光体310の下底面に蛍光体粉末を焼結させることで、層状の蛍光体308を形成することができる。
本実施の形態では、光波長変換部材304において蛍光体308が局在している。そして、この局在する蛍光体308に放熱部材106が当接している。このため、蛍光体308の放熱性をより向上させることができる。
(実施の形態4)
実施の形態4に係る光源モジュールは、光波長変換部材の構造が異なる点、及び光源を複数備える点を除いて、実施の形態1に係る光源モジュール100の構成と共通する。以下、実施の形態4に係る光源モジュールについて、実施の形態1と異なる構成を中心に説明し、共通する構成については簡単に説明するか、あるいは説明を省略する。
図5(A)は、実施の形態4に係る光源モジュールが備える光源及び光波長変換部材の概略構造を示す平面図である。図5(B)は、実施の形態4に係る光源モジュールが備える光波長変換部材の概略構造を示す斜視図である。図5(C)は、実施の形態4に係る光源モジュールが備える光波長変換部材における光の進行を模式的に示す平面図である。図5(A)〜図5(C)では、反射膜112、基板114及びバンドパスフィルタ116の図示を省略している。
本実施の形態に係る光源モジュール400は、第1光源102a及び第2光源102bと、光波長変換部材404と、放熱部材106(図2(A)参照)と、集光レンズ418とを備える。第1光源102a及び第2光源102bは、実施の形態1の光源102と同様である。集光レンズ418は、レーザ光Lを平行光に変換するレンズである。
光波長変換部材404は、蛍光体408と、導光体410と、反射膜112(図2(B)参照)と、基板114(図2(B)参照)と、バンドパスフィルタ116(図2(B)参照)とを有する。
導光体410は略錐台形状であって、互いに背向する2つの主表面(下底面と上底面)と、2つの主表面をつなぐ側面とを有する。また、導光体410は、第1光入射面410a1と、第2光入射面410a2と、第1反射面410b1と、第2反射面410b2と、光出射面410cとを有する。実施の形態3と同様に蛍光体408は層状であって、一方の主表面が導光体410の下底面と接するように配置される。これにより、導光体410の下底面、言い換えれば蛍光体408の一方の主表面が、第2反射面410b2を構成する。導光体410の上底面は、光出射面410cを構成する。
導光体410の側面は、略U字状の曲面部と、曲面部の一端から延びる第1平面部と、曲面部の他端から延びる第2平面部とを含む。第1平面部と第2平面部とは、それぞれの一端が曲面部の端部に接続され、それぞれの他端が互いに接続される。曲面部は、下底面に被さる方向に傾いており、第1反射面410b1を構成する。曲面部は、楕円の一部を基調とした形状を有する。例えば、第1反射面410b1は、光出射面410cと接する辺が第1焦点F1と第2焦点F2とを有する楕円の一部と同一形状の曲線であり、第2反射面410b2に近づくにつれて当該曲線との相似関係を維持しながら広がる形状を有する。
第1平面部は、下底面及び上底面に対して垂直であり第1光入射面410a1を構成する。第2平面部は、下底面及び上底面に対して垂直であり第2光入射面410a2を構成する。第1光入射面410a1と第2光入射面410a2とは、非平行に配置される。
また、導光体410は平面視で、第1焦点F1と第2焦点F2とを通る直線Pを対称軸とする線対称の形状を有する。第1光入射面410a1と第2光入射面410a2とは、互いの端部が直線P上で接続されている。
第1光源102aは、第1光入射面410a1と対向する位置に配置される。第2光源102bは、第2光入射面410a2と対向する位置に配置される。第1光源102aと第1光入射面410a1との間、及び第2光源102bと第2光入射面410a2との間には、それぞれ集光レンズ418が配置される。第1光源102aから出射されるレーザ光L1は、集光レンズ418を通過して第1光入射面410a1に入射する。第2光源102bから出射されるレーザ光L2は、集光レンズ418を通過して第2光入射面410a2に入射する。レーザ光L1及びレーザ光L2は、各光入射面に対して略垂直に(入射角0°で)入射する。
第1光入射面410a1から入射した第1光源102aのレーザ光L1と、第2光入射面410a2から入射した第2光源102bのレーザ光L2とは、それぞれ第1反射面410b1により第2反射面410b2に向けて反射される。第1反射面410b1は、上述した曲面形状を有するため、第1反射面410b1で反射された2つのレーザ光L1,L2は、第2反射面410b2上の所定領域Rに向けて進行する。したがって、レーザ光L1とレーザ光L2とは、第2反射面410b2上に集光される。
集光されたレーザ光L1,L2の一部は、第2反射面410b2の所定領域Rにおいて蛍光体408により波長変換される。また、レーザ光L1,L2は、第2反射面410b2において拡散反射される。蛍光体408によって生成される波長変換光とレーザ光L1,L2とが混色されて白色光Wとなり、光出射面410cから出射される。
本実施の形態では、第1光源102aのレーザ光L1が第1光入射面410a1から導光体410に入射し、第2光源102bのレーザ光L2が第2光入射面410a2から導光体410に入射する。そして、各レーザ光L1,L2は、第1反射面410b1で反射されて第2反射面410b2上で集光される。このような構造をとることで、光波長変換部材404から出射される白色光Wの輝度を高めることができる。なお、本実施の形態に係る光源モジュール400では、光源と光入射面との組み合わせの数は2つであるが、特にこの構成に限定されない。当該組み合わせは3つ以上であってもよく、この場合であっても少なくとも2つの組み合わせを含んでいるため、本発明の範囲に含まれる。
(実施の形態5)
実施の形態5に係る光源モジュールは、光波長変換部材の構造が異なる点、及び光源を複数備える点を除いて、実施の形態1に係る光源モジュール100の構成と共通する。以下、実施の形態5に係る光源モジュールについて、実施の形態1と異なる構成を中心に説明し、共通する構成については簡単に説明するか、あるいは説明を省略する。
図6(A)は、実施の形態5に係る光源モジュールが備える光源及び光波長変換部材の概略構造を示す平面図である。図6(B)は、実施の形態5に係る光源モジュールが備える光波長変換部材の概略構造を示す斜視図である。図6(C)は、実施の形態5に係る光源モジュールが備える光波長変換部材における光の進行を模式的に示す平面図である。図6(A)〜図6(C)では、反射膜112、基板114及びバンドパスフィルタ116の図示を省略している。
本実施の形態に係る光源モジュール500は、複数の光源102と、光波長変換部材504と、放熱部材106(図2(A)参照)と、集光レンズ518とを備える。集光レンズ518は、レーザ光Lを平行光に変換するレンズである。
光波長変換部材504は、蛍光体508と、導光体510と、反射膜112(図2(B)参照)と、基板114(図2(B)参照)と、バンドパスフィルタ116(図2(B)参照)とを有する。
導光体510は略錐台形状であって、互いに背向する2つの主表面(下底面と上底面)と、2つの主表面をつなぐ側面とを有する。また、導光体510は、光入射面510aと、第1反射面510b1と、第2反射面510b2と、光出射面510cとを有する。実施の形態3と同様に蛍光体508は層状であって、一方の主表面が導光体510の下底面と接するように配置される。これにより、導光体510の下底面、言い換えれば蛍光体508の一方の主表面が、第2反射面510b2を構成する。導光体510の上底面は、光出射面510cを構成する。すなわち、導光体510の2つの主表面のうち一方が第2反射面510b2を構成し、他方が光出射面510cを構成する。
導光体510の側面は、略U字状の曲面部と、曲面部の一端から他端にかけて延びる平面部とを含む。曲面部は下底面に被さる方向に傾いており、第1反射面510b1を構成する。曲面部は、第1焦点F1と第2焦点F2とを有する楕円の一部を基調とした形状を有する。例えば、第1反射面510b1は、光出射面510cと接する辺が第1焦点F1と第2焦点F2とを有する楕円の一部と同一形状の曲線であり、第2反射面510b2に近づくにつれて当該曲線との相似関係を維持しながら広がる形状を有する。
平面部は、下底面及び上底面に対して垂直であり光入射面510aを構成する。また、平面部は第1焦点F1を通る。すなわち、第1焦点F1は光入射面510aと重なる。一方、第2焦点F2は、光出射面510cの法線方向から見て第2反射面510b2と重なる。導光体510は平面視で、第1焦点F1と第2焦点F2とを通る直線Pを対称軸とする線対称の形状を有する。
複数の光源102は、光入射面510a上の第1焦点F1を中心として放射状に広がるように配置される。各光源102と光入射面510aとの間には、それぞれ集光レンズ518が配置される。複数の光源102は、光出射面510cの法線方向から見て第1焦点F1に向けてレーザ光Lを出射する。すなわち、複数の光源102は、光入射面510aにおいて第1焦点F1を通り光出射面510cの法線に平行な直線上にレーザ光Lを出射する。各光源102から出射されたレーザ光Lは、集光レンズ518を通過して光入射面510aに入射する。
光入射面510aから入射した各光源102のレーザ光Lは、それぞれ第1反射面510b1により第2反射面510b2に向けて反射される。第1反射面510b1は、上述した曲面形状を有するため、第1反射面510b1で反射された複数のレーザ光Lは、第2反射面510b2上の所定領域R1に向けて進行する。所定領域R1は、光出射面510cの法線方向から見て第2焦点F2を含む領域である。複数のレーザ光Lは、第2反射面510b2上の所定領域R1に集光される。
集光されたレーザ光Lの一部は、第2反射面510b2において蛍光体508により波長変換される。また、レーザ光Lは、第2反射面510b2において拡散反射される。蛍光体508によって生成される波長変換光とレーザ光Lとが混色されて白色光Wとなり、光出射面510cから出射される。
本実施の形態によれば、様々な入射角度でレーザ光Lを光波長変換部材504に入射させることができる。よって、光源102の配置の自由度を高めることができる。また、複数の光源102から出射されるレーザ光Lを集光できるため、光波長変換部材504から出射される白色光Wの輝度を高めることができる。なお、光源102数は3つ以上であってもよい。
本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態を組み合わせたり、当業者の知識に基づいて各種の設計変更などの変形を加えることも可能であり、そのような組み合わせられ、もしくは変形が加えられて得られる新たな実施の形態も本発明の範囲に含まれる。このような新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態及び変形それぞれの効果をあわせもつ。
上述した各実施の形態では、灯具ユニットがいわゆるプロジェクタ型の光学ユニットである場合について説明したが、これに限られない。灯具ユニットは例えば、いわゆるパラボラ型の光学ユニットであってもよい。
上述した各実施の形態では、光源が出射する青色のレーザ光と、蛍光体が生成する黄色の光とが混色されて白色光が生成されている。しかしながら、光源と蛍光体とはこの組み合わせに限定されず、例えば以下のものであってもよい。すなわち、光源は、紫外レーザ光を照射する光源である。蛍光体は、紫外レーザ光を青色光に波長変換する青色発光蛍光体と、紫外レーザ光を黄色光に波長変換する黄色発光蛍光体とを含む。この組み合わせでは、光源から出射された紫外レーザ光が光波長変換部材に入射されて、蛍光体により青色光及び黄色光に波長変換される。光波長変換部材の光出射面から出射された青色光及び黄色光は、混色されて白色光となる。