JP6621114B2 - 回転電機 - Google Patents
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Description
本発明は、回転電機に関するものである。
従来、ハイブリッド自動車や電気自動車の動力源として回転電機が使用されている。回転電機は、スロットを有するステータコアと、一部がスロット内に配置されてステータコアに装着されるコイルと、を有する。コイルは、芯線が絶縁性の皮膜により覆われた複数の導体により形成される。
ところで、近年は回転電機の高出力化等により、コイルの発熱が大きくなる場合があるため、冷媒を用いて回転電機を効果的に冷却することがある。
ところで、近年は回転電機の高出力化等により、コイルの発熱が大きくなる場合があるため、冷媒を用いて回転電機を効果的に冷却することがある。
例えば特許文献1に記載の回転電機は、ステータと、ステータを冷却するための冷媒を供給する冷媒供給手段と、外部電力線と複数相のコイルとを電気的に中継する複数のバスバーと、バスバーを覆う絶縁カバーを備える回転電機が記載されている。絶縁カバーには、上下に貫通する貫通孔が設けられている。
特許文献1に記載の技術によれば、冷却液体が絶縁カバーの内部に浸入した際、貫通孔を通じて冷却流体を排出することが可能となるので、バスバー間の短絡を防止することが可能となるとともに、冷却流体が溜まることに起因する絶縁カバー又は冷却液体自体の劣化を抑制できるとされている。
ところで、回転電機にあっては、高出力化等にともない、回転電機を効果的に冷却することについて、さらなる向上が望まれている。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みたものであって、従来技術と比較して効果的に冷却を行うことができる回転電機を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明に係る回転電機(例えば後述の実施形態の回転電機1)は、環状のステータコア(例えば後述の実施形態のステータコア11)と、前記ステータコアに装着され前記ステータコアの軸方向に突出するコイルエンド(例えば後述の実施形態のコイルエンド15A,15B)を備える巻線(例えば後述の実施形態の巻線12)と、を有するステータ(例えば後述の実施形態のステータ3)と、前記ステータの前記巻線と電気的に接続され、少なくとも一部が前記コイルエンドの上方に配置された導電部材(例えば後述の実施形態の三相バスバー8)と、前記導電部材を下方から覆い、前記コイルエンドの上方に配置されたカバー部材(例えば後述の実施形態のカバー部材7)と、所定方向に冷媒を吐出し、前記ステータに前記冷媒を供給する冷媒供給手段(例えば後述の実施形態の冷媒供給手段6)と、を備え、前記カバー部材には、前記コイルエンドに対応した位置において、上下方向に貫通する孔部(例えば後述の実施形態の孔部75a,75b)が設けられていることを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明に係る回転電機は、前記カバー部材には、前記冷媒を前記孔部に導く誘導部(例えば後述の実施形態の誘導部73)が設けられていることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明に係る回転電機は、前記カバー部材は、前記導電部材を収納可能な収納凹部(例えば後述の実施形態の収納凹部71a)を有し、前記収納凹部は、平面視で前記コイルエンドに対応した位置に湾曲部(例えば後述の実施形態の湾曲部72a)を有し、前記孔部は、前記湾曲部の隅部に形成されていることを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明に係る回転電機は、前記巻線は、互いに接続されて使用される複数のセグメントコイル(例えば後述の実施形態のセグメントコイル14)により形成され、前記コイルエンドは、複数の前記セグメントコイルが接続された接続部(例えば後述の実施形態の接続部14c)を含み、前記カバー部材は、前記接続部を含む前記コイルエンドの上方に配置されていることを特徴としている。
本発明の請求項1に記載の回転電機によれば、少なくとも一部がコイルエンドの上方に配置された導電部材と、導電部材を下方から覆い、コイルエンドの上方に配置されたカバー部材と、冷媒を供給する冷媒供給手段と、を備え、カバー部材には、コイルエンドに対応した位置において上下方向に貫通する孔部が設けられているので、冷媒供給手段から供給されてカバー部材に浸入した冷媒は、孔部を通じて重力により落下し、下方のコイルエンドに供給される。これにより、冷媒はコイルエンドから浸透して巻線およびステータコアを冷却することができる。また、従来技術と同様に、導電部材の短絡を防止できるとともに、冷媒が溜まることに起因するカバー部材や冷媒等の劣化を抑制できる。したがって、本発明の回転電機によれば、カバー部材や冷媒等の劣化を抑制できるとともに、カバー部材の孔部を通じて排出された冷媒によりステータの冷却ができるので、従来技術と比較して効果的に冷却を行うことができる。
本発明の請求項2に記載の回転電機によれば、カバー部材には、冷媒を孔部に導く誘導部が設けられているので、カバー部材に浸入した冷媒は、滞留することなく孔部を通じて重力により落下し、下方のコイルエンドに供給される。したがって、カバー部材や冷媒等の劣化をさらに抑制できるとともに、カバー部材の孔部を通じて排出された冷媒によりステータの冷却ができる。
本発明の請求項3に記載の回転電機によれば、カバー部材は、導電部材を収納可能な収納凹部を有し、孔部は、収納凹部における湾曲部の隅部に形成されているので、カバー部材に浸入した冷媒は、収納凹部の隅部に滞留することなく排出される。したがって、カバー部材や冷媒等の劣化をさらに抑制できるとともに、カバー部材の孔部を通じて排出された冷媒によりステータの冷却ができる。また、導電部材を収納可能な収納凹部をもうけることで、絶縁距離としての沿面距離を確保することができるので、レイアウト性を向上しつつ導電部材の絶縁を確保できる。
本発明の請求項4に記載の回転電機によれば、コイルエンドは、複数のセグメントコイルが接続された接続部を含み、カバー部材は、接続部を含むコイルエンドの上方に配置されているので、コイルエンドのうち渡り部よりも発熱しやすい接続部に対して、カバー部材の孔部を通じて冷媒を供給することができる。したがって、本発明によれば、巻線を効率よく冷却することができる。
以下、本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る回転電機の概略構成を示す断面図である。
図1に示すように、実施形態に係る回転電機1は、ケース2と、ステータ3と、ロータ4と、出力シャフト5と、冷媒供給手段6と、カバー部材7とを備える。
本実施形態の回転電機1は、例えばハイブリッド自動車や電気自動車のような車両に搭載される走行用モータである。ただし、本実施形態の構成は、上記例に限られず、車両に搭載される発電用モータ等のその他の用途のモータにも適用可能である。また、本実施形態の構成は、車両に搭載される以外の回転電機であって、発電機を含むいわゆる回転電機全般に適用可能である。
なお、以下の説明では、ロータ4の回転中心の軸線Cに沿う方向を軸方向といい、軸線Cに直交する方向を径方向といい、軸線C周りの方向を周方向という場合がある。また、以下の説明では、上下方向は、鉛直方向の上下方向と一致している。
図1に示すように、実施形態に係る回転電機1は、ケース2と、ステータ3と、ロータ4と、出力シャフト5と、冷媒供給手段6と、カバー部材7とを備える。
本実施形態の回転電機1は、例えばハイブリッド自動車や電気自動車のような車両に搭載される走行用モータである。ただし、本実施形態の構成は、上記例に限られず、車両に搭載される発電用モータ等のその他の用途のモータにも適用可能である。また、本実施形態の構成は、車両に搭載される以外の回転電機であって、発電機を含むいわゆる回転電機全般に適用可能である。
なお、以下の説明では、ロータ4の回転中心の軸線Cに沿う方向を軸方向といい、軸線Cに直交する方向を径方向といい、軸線C周りの方向を周方向という場合がある。また、以下の説明では、上下方向は、鉛直方向の上下方向と一致している。
ロータ4は、例えば、ロータコアと、ロータコアに取り付けられた磁石とを有し、ステータ3の内側で回転駆動される。本実施形態のロータ4は、いわゆるIPMロータであって、磁石は、ロータコアに挿入されるとともに、軸方向から端面板により覆われて軸方向の移動が規制されている。
出力シャフト5は、ロータ4に接続されて、ロータ4の回転を駆動力として出力する。
ステータ3は、環状に形成されて、例えばケース2の内周面に取り付けられている。ステータ3は、ステータコア11と、ステータコア11に取り付けられた巻線12とを有し、ロータ4に対して回転磁界を作用させる。
出力シャフト5は、ロータ4に接続されて、ロータ4の回転を駆動力として出力する。
ステータ3は、環状に形成されて、例えばケース2の内周面に取り付けられている。ステータ3は、ステータコア11と、ステータコア11に取り付けられた巻線12とを有し、ロータ4に対して回転磁界を作用させる。
図2は、ステータの一部を示す断面図である。なお、図2においては、ステータ3を分かりやすくするためにロータ4を二点鎖線で図示している。
図2に示すように、ステータ3は、ステータコア11と、巻線12とを備える。なお、ステータ3には、スロット23内において例えばワニス等の充填固着物がさらに備えられる場合があるが、本願においては説明の便宜上、図示および説明を省略する。
図2に示すように、ステータ3は、ステータコア11と、巻線12とを備える。なお、ステータ3には、スロット23内において例えばワニス等の充填固着物がさらに備えられる場合があるが、本願においては説明の便宜上、図示および説明を省略する。
ステータコア11は、ロータ4を囲む環状に形成されている。ステータコア11は、複数枚の電磁鋼板が軸方向に積層されることで形成される。なお、ステータコア11は、例えば周方向に分割された複数のピースが互いに連結されることで形成される分割型ステータコアであってもよい。
ステータコア11は、環状のヨーク部21と、複数のティース部22と、複数のスロット23とを有する。複数のティース部22は、ヨーク部21からステータコア11の径方向の内側に向けて突出している。各スロット23は、ステータコア11の周方向において互いに隣り合う2つのティース部22の間に形成されている。このため、複数のスロット23は、ステータコア11の周方向に並んで配置されている。各スロット23は、ステータコア11の軸方向にステータコア11を貫通している。本実施形態のスロット23は、径方向の内側が開放されたオープンスロットである。なお、本実施形態の構成は、これに限られず、径方向の内側が閉じられたクローズドスロットにも適用可能である。
ステータコア11は、環状のヨーク部21と、複数のティース部22と、複数のスロット23とを有する。複数のティース部22は、ヨーク部21からステータコア11の径方向の内側に向けて突出している。各スロット23は、ステータコア11の周方向において互いに隣り合う2つのティース部22の間に形成されている。このため、複数のスロット23は、ステータコア11の周方向に並んで配置されている。各スロット23は、ステータコア11の軸方向にステータコア11を貫通している。本実施形態のスロット23は、径方向の内側が開放されたオープンスロットである。なお、本実施形態の構成は、これに限られず、径方向の内側が閉じられたクローズドスロットにも適用可能である。
巻線12は、ステータコア11のスロット23に収容されて、ステータコア11に装着されている。巻線12は、U相、V相およびW相からなる三相コイルである。本実施形態の巻線12は、互いに接続されて使用される複数のセグメントコイル14によって形成されている。
図3は、セグメントコイルを示す斜視図である。なお、図3では、1つのセグメントコイル14を図示しており、同一のスロット23に収容されるもう1つのセグメントコイルは図示を省略している。また、図3においては、ステータコア11を透過して図示している。
図3に示すように、セグメントコイル14は、複数(例えば4つ)のセグメント導体14Aにより形成される。セグメント導体14Aの芯線は、例えば平角線である。
セグメント導体14Aは、直線状に形成された一対の挿入部14aと、渡り部14bと、一対の接続部14cとを有する。一対の挿入部14aは、例えば不図示の絶縁紙に覆われた状態で互いに異なるスロット23に分けて収容される。複数のセグメントコイル14は、ステータコア11の周方向において、U相、U相、V相、V相、W相、W相、U相、U相・・・の順に配列されている。
図3に示すように、セグメントコイル14は、複数(例えば4つ)のセグメント導体14Aにより形成される。セグメント導体14Aの芯線は、例えば平角線である。
セグメント導体14Aは、直線状に形成された一対の挿入部14aと、渡り部14bと、一対の接続部14cとを有する。一対の挿入部14aは、例えば不図示の絶縁紙に覆われた状態で互いに異なるスロット23に分けて収容される。複数のセグメントコイル14は、ステータコア11の周方向において、U相、U相、V相、V相、W相、W相、U相、U相・・・の順に配列されている。
渡り部14bは、一対の挿入部14aの一端を接続している。渡り部14bは、スロット23の外部であって、軸方向の一方(本実施形態では後述のカバー部材7が配置される側とは反対側)に配置される。
接続部14cは、一対の挿入部14aの他端であって、挿入部14aに対して渡り部14bとは反対側に位置する。接続部14cは、スロット23の外部であって、軸方向の他方(本実施形態では後述のカバー部材7が配置される側)に配置される。接続部14cは、他のセグメントコイル14の接続部14cとTIG溶接やレーザ溶接等で接合される。これにより、複数のセグメントコイル14は、順次連結されている。なお、接合された接続部14cには、紛体絶縁による塗装が施される。これにより、接続部14cは、電気的絶縁が確保される。
渡り部14bおよび接続部14cは、それぞれステータコア11の軸方向に突出するコイルエンド15A,15Bとなっている。
接続部14cは、一対の挿入部14aの他端であって、挿入部14aに対して渡り部14bとは反対側に位置する。接続部14cは、スロット23の外部であって、軸方向の他方(本実施形態では後述のカバー部材7が配置される側)に配置される。接続部14cは、他のセグメントコイル14の接続部14cとTIG溶接やレーザ溶接等で接合される。これにより、複数のセグメントコイル14は、順次連結されている。なお、接合された接続部14cには、紛体絶縁による塗装が施される。これにより、接続部14cは、電気的絶縁が確保される。
渡り部14bおよび接続部14cは、それぞれステータコア11の軸方向に突出するコイルエンド15A,15Bとなっている。
図1に示すように、上述のように構成されたステータ3およびロータ4は、ケース2に収容されている。ケース2は、例えばステータ3およびロータ4を収容可能な筒状に形成されている。ケース2には、後述の冷媒供給手段6から吐出される冷媒が通流する不図示の冷媒通路が形成されている。
図4は、ケース内における軸方向から見たカバー部材およびカバー部材周辺の説明図である。
図5は、ケース内における上方から見たカバー部材およびカバー部材周辺の説明図である。なお、図5においては、三相バスバー8(図4参照、請求項の「導電部材」に相当。)の図示を省略している。
図6は、ケース内におけるカバー部材およびカバー部材周辺の斜視図である。
図4から図6に示すように、ケース2内には、冷媒供給手段6と、三相バスバー8と、カバー部材7と、が設けられている。
図5は、ケース内における上方から見たカバー部材およびカバー部材周辺の説明図である。なお、図5においては、三相バスバー8(図4参照、請求項の「導電部材」に相当。)の図示を省略している。
図6は、ケース内におけるカバー部材およびカバー部材周辺の斜視図である。
図4から図6に示すように、ケース2内には、冷媒供給手段6と、三相バスバー8と、カバー部材7と、が設けられている。
冷媒供給手段6は、ケース2に形成された不図示の冷媒通路と連通するパイプ状の部材である。冷媒供給手段6は、接続部14c側のコイルエンド15Bおよびステータコア11よりも上方において、軸方向に沿って延びるように設けられている。また、図示および詳細な説明は省略するが、冷媒供給手段6は、渡り部14b側においても同様に設けられている。すなわち、冷媒供給手段6は、渡り部14b側において、渡り部14b側のコイルエンド15Aおよびステータコア11よりも上方において、軸方向に沿って延びるように設けられている。さらに、本実施形態では、冷媒は、出力シャフト5の内部および端面板に設けられた第二の冷媒供給手段(不図示)を通じて、ロータより径方向の外側に放射状に排出される。
冷媒供給手段6の先端61は、コイルエンド15Bの軸方向の端部よりも軸方向の内側であって、ステータコア11よりも軸方向の外側に配置される。冷媒供給手段6の先端61には、例えばメカポンプや電動ポンプ等により冷媒通路を循環する冷媒を吐出可能な吐出孔が形成されている。吐出孔は、冷媒供給手段6の先端61において、冷媒供給手段6の径方向に開口して設けられている。これにより、冷媒は、冷媒供給手段6の先端61から、複数方向に放射状に吐出される。冷媒は、例えばATF(Automatic Transmission Fluid:自動変速機油)等の潤滑油である。
三相バスバー8は、コイルエンド15Bの上方に配置されている。コイルエンド15Bの上方に配置されている。例えば銅等の導電材料からなる3本の板状部材である。三相バスバー8は、三相バスバー8は、U相、V相およびW相の各相の巻線12と、ケース2の外部に設けられた不図示の三相コネクタにおけるU相、V相およびW相の各相の端子との間を電気的に接続している。
カバー部材7は、コイルエンド15Bの上方に配置されている。カバー部材7は、三相バスバー8を下方から覆う絶縁カバーである。カバー部材7は、例えば絶縁性を有する樹脂材料により形成されている。カバー部材7は、軸方向から見て、冷媒供給手段6よりも周方向にわずかにずれた位置に配置されている。
図5に示すように、カバー部材7は、各相の三相バスバー8を各別に収納可能な収納凹部71a,71b,71cを有している。収納凹部71a,71b,71cは、それぞれ壁部により仕切られており、各相の三相バスバー8を互いに絶縁可能な所定の深さを有している。収納凹部71a,71b,71cは、各相の三相バスバー8を互いに絶縁した状態で収納している。
収納凹部71a,71b,71cは、それぞれ軸方向に沿う第一の直線部分と、周方向に沿う第二の直線部分と、第一の直線部分と第二の直線部分との間に設けられた湾曲部72a,72b,72cと、を有しており、平面視でL字状に形成されている。収納凹部71a,71b,71cのうち、一の収納凹部71aの湾曲部72aは、接続部14cを含むコイルエンド15Bに対応した位置に配置されている。
カバー部材7の収納凹部71aには、コイルエンド15Bに対応した位置において、上下方向に貫通する複数(本実施形態では2つ)の孔部75a,75bが設けられている。孔部75a,75bのうち、一方の孔部75aは、湾曲部72aの隅部に形成されている。また、孔部75a,75bのうち、他方の孔部75bは、一方の孔部75aから周方向に離間した位置に形成されている。
また、カバー部材7の収納凹部71aには、冷媒を孔部75a,75bに導く誘導部73が設けられている。誘導部73は、例えば収納凹部71aの底部に設けられた複数の溝である。誘導部73は、例えば収納凹部71aの端部と孔部75a,75b、および一方の孔部75aと他方の孔部75bとを接続するように設けられている。
ここで、冷媒供給手段6の先端61から吐出される冷媒の一部、および第二の冷媒供給手段から吐出される冷媒の一部は、カバー部材7の収納凹部71aに浸入する。収納凹部71aに浸入した冷媒は、収納凹部71aの底部や誘導部73を通じて孔部75a,75bに導入される。その後、図4および図6に示すように、カバー部材7の収納凹部71aに浸入した冷媒は、孔部75a,75bを通じて重力により落下し、下方のコイルエンド15Bに供給される(図4および図6における矢印F参照)。コイルエンド15Bに供給された冷媒は、コイルエンド15Bから浸透して巻線12およびステータコア11を冷却する。
本実施形態によれば、コイルエンド15Bの上方に配置された三相バスバー8と、三相バスバー8を下方から覆い、コイルエンド15Bの上方に配置されたカバー部材7と、冷媒を供給する冷媒供給手段6と、を備え、カバー部材7には、コイルエンド15Bに対応した位置において上下方向に貫通する孔部75a,75bが設けられているので、冷媒供給手段6から供給されてカバー部材7に浸入した冷媒は、孔部75a,75bを通じて重力により落下し、下方のコイルエンド15Bに供給される。これにより、冷媒はコイルエンド15Bから浸透して巻線12およびステータコア11を冷却することができる。また、従来技術と同様に、カバー部材7の短絡を防止できるとともに、冷媒が溜まることに起因するカバー部材7や冷媒等の劣化を抑制できる。したがって、本実施形態の回転電機1によれば、カバー部材7や冷媒等の劣化を抑制できるとともに、カバー部材7の孔部75a,75bを通じて排出された冷媒によりステータ3の冷却ができるので、従来技術と比較して効果的に冷却を行うことができる。
本実施形態の回転電機1によれば、カバー部材7には、冷媒を孔部75a,75bに導く誘導部73が設けられているので、カバー部材7に浸入した冷媒は、滞留することなく孔部75a,75bを通じて重力により落下し、下方のコイルエンド15Bに供給される。したがって、カバー部材7や冷媒等の劣化をさらに抑制できるとともに、カバー部材7の孔部75a,75bを通じて排出された冷媒によりステータ3の冷却ができる。
本実施形態の回転電機1によれば、カバー部材7は、三相バスバー8を収納可能な収納凹部71a,71b,71cを有し、孔部75aは、収納凹部71aにおける湾曲部72aの隅部に形成されているので、カバー部材7に浸入した冷媒は、収納凹部71aの隅部に滞留することなく排出される。したがって、カバー部材7や冷媒等の劣化をさらに抑制できるとともに、カバー部材7の孔部75a,75bを通じて排出された冷媒によりステータの冷却ができる。また、三相バスバー8を収納可能な収納凹部71a,71b,71cをもうけることで、絶縁距離としての沿面距離を確保することができるので、レイアウト性を向上しつつ三相バスバー8の絶縁を確保できる。
本実施形態の回転電機1によれば、コイルエンド15Bは、複数のセグメントコイル14が接続された接続部14cを含み、カバー部材7は、接続部14cを含むコイルエンド15Bの上方に配置されているので、コイルエンド15A,15Bのうち渡り部14bよりも発熱しやすい接続部14cに対して、カバー部材7の孔部75a,75bを通じて冷媒を供給することができる。したがって、本実施形態によれば、巻線12を効率よく冷却することができる。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
上述の実施形態では、カバー部材7は、接続部14cを含むコイルエンド15Bを上方から覆っていたが、渡り部14bを含むコイルエンド15A側にも上方から覆う上方体を設けてもよい。
上述の実施形態では、孔部75a,75bを有するカバー部材7は、三相バスバー8を下方から覆う絶縁カバーであったが、例えば端子等の他の導電部材を覆い、コイルエンド15A,15Bの上方に配置される絶縁カバーに孔部を設けてもよい。
また、上述の実施形態では、カバー部材7は、三相バスバー8を下方から覆っていたが、三相バスバー8を上方から覆うカバーをさらに設けてもよい。
また、上述の実施形態では、カバー部材7は、三相バスバー8を下方から覆っていたが、三相バスバー8を上方から覆うカバーをさらに設けてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各実施形態および各変形例を適宜組み合わせてもよい。
1 回転電機
3 ステータ
6 冷媒供給手段
7 カバー部材
8 三相バスバー(導電部材)
11 ステータコア
12 巻線
14 セグメントコイル
14c 接続部
15A コイルエンド
15B コイルエンド
71a 収納凹部
72a 湾曲部
73 誘導部
75a,75b 孔部
3 ステータ
6 冷媒供給手段
7 カバー部材
8 三相バスバー(導電部材)
11 ステータコア
12 巻線
14 セグメントコイル
14c 接続部
15A コイルエンド
15B コイルエンド
71a 収納凹部
72a 湾曲部
73 誘導部
75a,75b 孔部
Claims (4)
- 環状のステータコアと、前記ステータコアに装着され前記ステータコアの軸方向に突出するコイルエンドを備える巻線と、を有するステータと、
前記ステータの前記巻線と電気的に接続され、少なくとも一部が前記コイルエンドの上方に配置された導電部材と、
前記導電部材を下方から覆い、前記コイルエンドの上方に配置されたカバー部材と、
所定方向に冷媒を吐出し、前記ステータに前記冷媒を供給する冷媒供給手段と、
を備え、
前記カバー部材には、前記コイルエンドに対応した位置において、上下方向に貫通する孔部が設けられていることを特徴とする回転電機。 - 請求項1に記載の回転電機であって、
前記カバー部材には、前記冷媒を前記孔部に導く誘導部が設けられていることを特徴とする回転電機。 - 請求項1または2に記載の回転電機であって、
前記カバー部材は、前記導電部材を収納可能な収納凹部を有し、
前記収納凹部は、平面視で前記コイルエンドに対応した位置に湾曲部を有し、
前記孔部は、前記湾曲部の隅部に形成されていることを特徴とする回転電機。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の回転電機であって、
前記巻線は、互いに接続されて使用される複数のセグメントコイルにより形成され、
前記コイルエンドは、複数の前記セグメントコイルが接続された接続部を含み、
前記カバー部材は、前記接続部を含む前記コイルエンドの上方に配置されていることを特徴とする回転電機。
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