JP6617018B2 - 作業機械 - Google Patents

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Description

本発明は、ラジエータなどの冷却器を有する作業機械に関する。
建設機械などの作業機械は、エンジンと、ラジエータなどの冷却器と、当該冷却器に空気を送るファンとを備えている。一般的な作業機械は、図10に示されるように、エンジンルーム11の内部において、冷却器5、ファン6およびエンジン4が直線状に並んで収容された構造を有している。この構造では、ファン6によって生成される冷却風がエンジン4が収容されたエンジンルーム11内部を通るときに、エンジン4とエンジンルーム内壁との隙間が狭いので冷却風の流れ抵抗が大きい。そのため、冷却風の風量を増大させて冷却器4を効率よく冷却することが難しい。
そこで、特許文献1に記載されている作業機械では、エンジンが収容されたエンジンルームとは別の収容室に、冷却器およびファンが収容された構造を採用することにより、ファンによって生成される冷却風がエンジンによって妨げられることなく冷却器を効率よく冷却できるようにしている。ファンは、上記図10の構成と同様に、冷却器に対して送風方向における下流側に配置されている。さらに、この作業機械では、エンジンの冷却を行うために、ファンの下流側の位置において、エンジンルームと冷却器等が収容された収容室とを仕切る部分には、これらエンジンルームと収容室との間を連通する連通孔が形成されている。これにより、連通孔を通して、エンジンルーム内の空気がファンを通過した空気の負圧に吸い寄せられて冷却器等が収容された収容室側へ引き込まれ、いわゆるイジェクター効果を利用してエンジンルーム内に冷却風を生成して、エンジンの冷却を行うことが可能である。
特開2007−211529号公報(0063〜0068段落)
上記の特許文献1の構成では、ファンの下流側の位置に、エンジンルームと冷却器等が収容された収容室との間を連通する連通孔が形成されている。エンジンルーム内の空気は、この連通孔を通して、ファンを通過した空気の負圧によって吸い寄せられて冷却器等が収容された収容室側へ引き込まれ、それによって、エンジンルーム内に冷却風を生成してエンジンの冷却が行っている。しかし、ファンを通過した空気の負圧によってエンジンルーム内の空気を連通孔を通して吸い出すためには、ファンを通過した空気の流速を速くしておく必要がある。よって、ファンを通過した空気の流速によっては、エンジンの冷却のためにエンジンルーム内の風量の十分な確保ができないおそれがある。または、エンジンルーム内の十分な風量を確保するためにファンの動力を増大させて、ファンを通過した空気の流速を速くする必要がある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、エンジンと冷却器とを別個の室内に収容した構成において、エンジンが収容された収容室内の風量の確保とファン動力の増大の抑制との両立を可能にした作業機械を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明の作業機械は、第1収容室と、第2収容室と、当該第1収容室と第2収容室との間を仕切る隔壁とを有するケーシングと、前記第1収容室に収容されたエンジンと、前記第2収容室に収容され、前記エンジンを冷却する冷却媒体を冷却可能な構成を有する冷却器と、前記第2収容室に収容され、前記冷却器に供給される風を生成するファンであって、当該風が流れる方向において前記冷却器の下流側に配置されたファンとを備えており、前記隔壁には、前記第1収容室と前記第2収容室とを連通する開口が形成され、前記開口は、当該開口を通じて前記ファンが前記第1収容室内の空気を吸引するように、前記風が流れる方向において前記冷却器よりも下流側で、かつ前記ファンよりも上流側の位置に形成されており、前記ケーシングの幅方向において、前記冷却器が前記エンジンに重複しないように位置しており、前記第2収容室は、前記ケーシングの前後方向において、前記第1収容室よりも前方側に配置され、前記前後方向において、前記冷却器の後端部は、前記エンジンの前方側に位置する前記第1収容室の前端よりも後方側に位置している、ことを特徴とする。
本発明は、エンジンと冷却器およびファンとが別個の収容室に収容された構成において、ファンの吸引力を利用してエンジンを冷却する風(以下、エンジン冷却風という)を効率よく生成するようにした点に特徴がある。すなわち、エンジンが収容された第1収容室と冷却器およびファンが収容された第2収容室とを仕切る隔壁に形成された開口は、当該開口を通じて前記ファンが前記第1収容室内の空気を吸引するように、冷却器よりも下流側で、かつ、ファンよりも上流側(吸込み側)の位置に形成されている。したがって、ファンの駆動力によって、エンジンが収容された第1収容室の空気は、隔壁の開口を通して、ファンの上流側へ吸い出されることによって、当該第1収容室内部にエンジン冷却風を生成することが可能である。すなわち、この構成では、ファンの駆動力(いいかえれば吸引力)によってエンジン冷却風を生成するので、ファンを通過した空気の負圧を利用して、すなわち、イジェクター効果によって第1収容室内部にエンジン冷却風を生成する場合と比較して、効率的に第1収容室内におけるエンジン冷却風を確保することができる。その結果、エンジンが収容された第1収容室内の風量を確保することができ、それによってファン動力の増大を抑制することが可能である。
また、上記の構成によれば、ケーシングの幅方向において、冷却器がエンジンに重複しないように位置しており、第2収容室は、ケーシングの前後方向において、第1収容室よりも前方側に配置され、前記前後方向において、冷却器の後端部は、前記エンジンの前方側に位置する第1収容室の前端よりも後方側に位置している。そのため、冷却器が大きくなっても作業機械全体の前後方向の長さの増大を抑えることが可能である。
また、前記冷却器と前記ファンとの間の空間の周囲を覆うシュラウドをさらに備え、当該シュラウドは、前記隔壁の開口に連通する連通孔を有するのが好ましい。
かかる構成によれば、エンジンが収容された第1収容室から隔壁の開口を通って第2収容室内へ導入された空気は、冷却器とファンとの間の空間の周囲を覆うシュラウドの連通孔を通して確実にシュラウド内に導入されることにより、ファンの上流側へ確実に導かれる。その結果、より効率的に第1収容室内における冷却風を確保することができる。
さらに、前記シュラウドは、前記隔壁の開口と前記シュラウドの連通孔とが重なり合うように、前記隔壁に隣接して配置されているのが好ましい。
かかる構成によれば、隔壁の開口とシュラウドの連通孔とを接続するホースなどの部品が不要になり、開口と連通孔との間における空気流れの抵抗の増大を抑えることが可能である。
また、前記ケーシングは、前記第2収容室に前記ケーシングの外部の空気を導入する吸気口と、空気を前記第2収容室から前記外部へ排出する排気口とを有しており、前記吸気口、前記冷却器、前記ファン、および前記排気口は、前記ファンの中心軸に沿って並んで配置され、前記開口は、前記中心軸からずれた位置であって前記ファンの上流側の位置に配置されているのが好ましい。
かかる構成によれば、前記ファンを駆動することによって、第2収容室の内部において空気が、ファンの中心軸に沿って吸気口、冷却器、ファン、および排気口の順に通過して直線的に流れるので、空気の流れの向きが変わることによる流れの抵抗の増大を抑えることが可能になる。よって、ファンの駆動力が小さくても前記冷却器に効率よく風を供給して当該冷却器の効率のよい冷却を行うことが可能である。それとともに、第1収容室からの空気を、ファンの中心軸からずれた位置に形成された開口を通して第2収容室におけるファンの上流側へ導入する際に、冷却器を冷却する風の流れに対する影響を抑えながら円滑に導入することが可能である。
以上説明したように、本発明の作業機械によれば、エンジンと冷却器とを別個の室内に収容した構成において、エンジンが収容された収容室内の風量の確保とファン動力の増大の抑制とを両立することができる。
本発明の実施形態に係る作業機械の上部旋回体におけるエンジン、冷却部およびファンの平面配置を示す説明図である。 図1の上部旋回体における第1収容室および第2収容室を示す上部旋回体を左後方から見た場合の斜視図である。 図1の上部旋回体における第1収容室および第2収容室を示す平面図である。 図1の上部旋回体における第1収容室および第2収容室を示す上部旋回体を右後方から見た場合の斜視図である。 本実施形態と比較例におけるファンの回転による空気の流量と圧力との関係を示すグラフである。 本実施形態と比較例における1/3オクターブ中心周波数と音響パワーレベルとの関係を示すグラフである。 本実施形態と比較例における音響パワーを示すグラフである。 本発明の変形例に係る作業機械の上部旋回体におけるエンジン、冷却部およびファンの平面配置を示す説明図である。 本発明の他の変形例に係る作業機械の上部旋回体におけるエンジン、冷却部およびファンの平面配置を示す説明図である。 従来公知の一般的な作業機械の上部旋回体におけるエンジン、冷却部およびファンの平面配置を示す説明図である。
以下、図面を参照しながら本発明の作業機械の実施形態についてさらに詳細に説明する。
図1〜4には、作業機械の一例として油圧ショベルなどの建設機械の上部旋回体1が示されている。作業機械は、クローラなどの下部走行体(図示せず)と、当該下部走行体の上に旋回可能に搭載された上部旋回体1とを備えている。
上部旋回体1は、底板2と、当該底板2の上に設けられた、ケーシング3、エンジン4、冷却器5、ファン6、シュラウド7、およびキャビン8とを備えている。さらに上部旋回体1は、底板2の後方側に配置されたカウンターウェイト9をさらに備えている。カウンターウェイト9は、底板2に立設された一対の縦板20(図2〜4参照)の後端部に取り付けられている。
ケーシング3は、第1収容室11と、第2収容室12と、当該第1収容室11と第2収容室12との間を仕切る隔壁13とを有する。本実施形態では、第2収容室12は、第1収容室11よりもケーシング3の前後方向Yにおける前方側に配置されている。本実施形態の第2収容室12は、上部旋回体1において一対の縦板20に挟まれたセンターセクション21に対して左側のデッキであってキャビン8の後方の位置に配置されている。
第1収容室11には、エンジン4と、エンジン4に連結された油圧ポンプ10が収容されている。エンジン4と油圧ポンプ10とは、ケーシング3の幅方向Xに並んで配置されている。ケーシング3は、第1収容室11に連通する吸気口19を有する。吸気口19は、油圧ポンプ10側、すなわち、油圧ポンプ10においてエンジン4と反対側の位置に配置されている。本実施形態では、図3に示されるように、第1収容室11には、エンジン4の吸気側の配管に接続されたエアクリーナ25が収容されているが、エアクリーナ25の収容場所については本発明ではとくに限定されない。
第2収容室12には、冷却器5、シュラウド7、およびファン6が幅方向Xに並んだ状態で収容されている。本実施形態では、図3に示されるように、ケーシング3は、第2収容室12に連通する吸気口16および排気口17を有する。吸気口16は、図2〜3に示されるように多数のスリット18aを有するカバー18によって覆われている。
この第2収容室12では、吸気口16、冷却器5、ファン6、および排気口17は、ファン6の中心軸Cに沿って並んで配置されている。
隔壁13は、第1収容室11と第2収容室12との間において、ケーシング3の幅方向Xに延びるように配置され、それによってこれら収容室11、12の間を仕切っている。
隔壁13には、第1収容室11と第2収容室12とを連通する開口14が形成されている。開口14は、当該開口14を通じてファン6が第1収容室11内の空気を吸引するように、冷却器5に供給される風A2が流れる方向において冷却器5よりも下流側で、かつファン6よりも上流側の位置に形成されている。具体的には、開口14は、ファン6の中心軸Cからずれた位置であってファン6の上流側の位置に配置されている。
冷却器5は、作業機械で用いられる液体または気体の媒体を冷却するものであり、少なくともエンジン4を冷却する冷却媒体を冷却可能な構成を有する。具体的には、本実施形態の冷却器5は、図3に示されるように、エンジン4を冷却する水などの液媒体を冷却するラジエータ22と、作業機械で用いられる油圧駆動部で用いられる作動油を冷却するオイルクーラ23と、エンジン4に送られる吸気ガスを冷却するインタークーラ24とを有する。なお、冷却器5は、少なくともエンジン4を冷却する冷却媒体を冷却することが可能な構成(すなわちラジエータ22を有する構成)を有していればよく、オイルクーラ23およびインタークーラ24の有無については本発明ではとくに限定されない。
このような冷却器5では、冷却器5の前面5aから後面5bにファン6によって生成される風A2が通り抜けるときに、ラジエータ22などに収容された媒体が当該風A2によって熱が奪われることによって冷却される。
また、本実施形態では、図1に示されるように、ケーシング3の幅方向Xにおいて、冷却器5は、エンジン4に重複しないように位置している。しかも、前後方向Yにおいて、冷却器5の後端部5cは、エンジン4の前方側に位置する第1収容室11の前端11aよりも後方側に位置している。これにより、冷却器5が大きくなっても作業機械全体の前後方向Yの長さの増大を抑えることが可能である。
ファン6は、第2収容室12に収容されている。ファン6は、冷却器5に供給される風A2(図3参照)を生成する構成を有しており、例えば、プロペラを有する軸流ファンなどである。ファン6は、当該風A2が流れる方向において冷却器5の下流側に配置されている。ファン6は、エンジンと独立して回転駆動力を発生可能な回転駆動源(例えば電動モータや油圧モータなど)(図示せず)によって回転駆動される。
シュラウド7は、冷却器5とファン6との間の空間の周囲を覆う部材である。当該シュラウド7は、隔壁13の開口14に連通する連通孔15を有する。なお、シュラウド7は、なくてもよい。
シュラウド7は、隔壁13の開口14とシュラウド7の連通孔15とが重なり合うように、隔壁13に隣接して配置されている。すなわち、シュラウド7は、第2収容室12の内部において隔壁13に当接し、または当接に近い状態(たとえばシュラウド7と隔壁13との間に薄いパッキンを挟んだ状態)で配置されている。
上記のように構成された作業機械では、第1収容室11と第2収容室12とを仕切る隔壁13には、開口14が形成され、当該開口14を通じてファン6が第1収容室11内の空気を吸引するように、当該開口14は、風が流れる方向において冷却器5よりも下流側で、かつファン6よりも上流側(吸込み側)の位置に形成されている。したがって、図3に示されるように、ファン6の駆動力によって、エンジン4が収容された第1収容室11の空気は、隔壁13の開口14を通して、ファン6の上流側へ吸い出されることによって、当該第1収容室11内部にエンジン冷却風A1を効率よく生成することが可能である。このエンジン冷却風A1は、吸気口19からエンジン4周囲の空間を抜けて開口14へ向けて流れることにより、エンジン4を冷却することが可能である。
それとともに、ファン6の駆動力によって、冷却器5が収容された第2収容室12では、吸気口16、冷却器5、ファン6および排気口17の順に流れる冷却器5を冷却する冷却風A2を、上記のエンジン4による干渉を受けることなく、大きな風量で生成することが可能である。これにより、大風量の冷却風A2によって効率よく冷却器5を冷却することが可能である。
本実施形態では、第2収容室12における空気の流れを見た場合、上部旋回体1の側面から吸気されて、中央のセンターセクション21へ排気されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、上部旋回体1の中央から側面へ空気が流れてもよい。さらには、上部旋回体1の上下方向に向かって空気が流れるようにしてもよい。ただし、上部旋回体1の側面から吸気されて、中央のセンターセクション21へ排気される構成では、作業機械の側方に居る作業者に排気が当たらないので好ましい。
上記の第1収容室11および第2収容室12における空気の流れは、それぞれ以下のようになることがコンピュータシミュレーションなどによって確認されている。すなわち、ファン6の駆動力によって、第2収容室12内部では冷却器5を通過する大きな風量の風(図3の冷却風A2)が生成される。それと同時に、第1収容室11内部の空気は、隔壁13の開口14およびシュラウド7の連通孔15を通して第2収容室12のシュラウド7へ吸い出される。これにより、第1収容室11内部ではエンジン4周囲を流れる風(図3のエンジン冷却風A1)が生成される。
また本実施形態の図1に示される作業機械では、比較例として従来公知の一般的な作業機械(すなわち、図10に示されるエンジンルーム11(以下、図1と同様にこれを第1収容室11と呼ぶ)の内部において、冷却器5、ファン6およびエンジン4が直線状に並んで収容された構造を有する作業機械)と比較して、省エネルギー効果が高い。なお、比較例として図10に示される作業機械では、空気は第1収容室11の内部を、吸気口16、冷却器5、シュラウド7、ファン6、エンジン4、油圧ポンプ10、および排気口17の順に流れる。
すなわち、本実施形態の作業機械は、図1に示されるように、冷却器5に冷却風A2を送るファン6をエンジン4から独立した駆動力で動作させて、冷却風A2の流れを抵抗の大きい第1収容室11を回避させることにより、ファン6の回転数を低減しても冷却器5を冷却するのに必要な冷却風A2(すなわち必要冷却風)を確保することが可能となり、ファン駆動のための動力を低減させて省エネルギー効果の向上を図ることが可能である。したがって、図5に示されるCFD解析の結果を示すグラフのように、本実施形態の図1に示される作業機械におけるファン6の回転の場合(曲線I)では、比較例の図10に示される作業機械におけるファン6の回転の場合(曲線II)と比較して、同じ風量を得るために必要な圧力を約17%低減することが可能であり、ファン回転数換算では約8%低減可能であることがわかる。これはファン6の動力に換算すると約21%の低減効果が得られることになる。
さらに、本実施形態の図1に示される作業機械では、比較例の図10に示される作業機械と比較して、ファン6の騒音を低減することが可能である。すなわち、本実施形態の図1に示される作業機械では、冷却器5に冷却風A2を送るファン6をエンジン4から独立した駆動力で動作させる。これにより、冷却風A2を流れを抵抗の大きい第1収容室11(すなわちエンジン4が収容されることにより流路が狭くなっていることにより流れの抵抗が大きい第1収容室11)を回避させることにより、ファン6の回転数を低減しても必要冷却風を確保することが可能となり、ファン6騒音を低減することが可能である。ファン6の騒音は回転数の5〜6乗に比例すると言われており、上記のようにファン6の回転の17%低減は、以下の式(1)のようにファン6の騒音の約5dB程度の低減量Δに相当する。
Δ=60Log10((100−17)/100)=4.9dB (1)
ここで、冷却器5を冷却するためには大量の冷却風を必要とするが、比較例である図10に示される作業機械では、冷却器5を冷却するための冷却風を第1収容室11内に通過させるために、大きな吸気口16が必要であり、第1収容室11内部のエンジン4で発生する騒音の低減が難しい。一方、本実施形態の図1に示される作業機械では、エンジン4が収容された第1収容室11とは別の第2収容室12に冷却器5が収容されているので、第1収容室11は、その内部のエンジン4を冷却するために必要なエンジン冷却風A1が確保可能な大きさの吸気口19(図2〜3参照)があればよいので、第1収容室11に連通する吸気口19の開口面積を小さくし、エンジン騒音を低減することができる。
したがって、エンジン騒音に対する音響解析を実施した結果、図6に示される周波数ごとの騒音レベル(すなわち音響パワーレベル:PWL)を示すグラフを見れば、本実施形態の図1に示される作業機械の場合(曲線I)では、比較例の図10に示される作業機械の場合(曲線II)と比較して、200Hz以上の幅広い帯域においてエンジン騒音が低減することがわかる。さらに、図7に示されるグラフのように、作業機械の周囲に放射される音響パワーは、本実施形態の図1に示される作業機械の場合(棒I)では、比較例の図10に示される作業機械の場合(棒II)と比較して、約3dB低減することができることがわかる。
さらに、本実施形態の図1に示される作業機械では、比較例の図10に示される作業機械と比較して、第1収容室11内部のエンジン4の冷却効率が向上する。すなわち、本実施形態の図1に示される作業機械では、図10の比較例と異なり、第1収容室11内部のエンジン4を冷却するために、冷却器5を通過し、温度が上昇した冷却風を利用するのではなく、フレッシュな(常温の)空気で第1収容室11内部のエンジン4を冷却することができる。したがって、本実施形態の作業機械では、図10の比較例よりも少ない冷却風でエンジン4を冷却することができるので、エンジン4の冷却効率を向上させることが可能である。
(特徴)
(1)
本実施形態の作業機械では、エンジン4が収容された第1収容室11とは異なる第2収容室12に冷却器5およびファン6が収容された構成において、これら2つの収容室を仕切る隔壁13には、開口14が形成され、当該開口14は当該開口14を通じてファン6が第1収容室11内の空気を吸引するように、風が流れる方向において冷却器5よりも下流側で、かつファン6よりも上流側(吸込み側)の位置に形成されている。したがって、ファン6の駆動力によって、エンジン4が収容された第1収容室11の空気は、隔壁13の開口14を通して、ファン6の上流側へ吸い出されることによって、当該第1収容室11内部にエンジン冷却風A1を生成することが可能である。すなわち、この構成では、ファン6の駆動力(いいかえれば吸引力)によってエンジン冷却風A1を直接生成するので、ファン6を通過した空気の負圧を利用して、すなわち、イジェクター効果によって第1収容室11内部に冷却風を生成する場合と比較して、効率的に第1収容室11内におけるエンジン冷却風A1を確保することができる。その結果、エンジン4が収容された第1収容室11内の風量を確保することができ、それによってファン6動力の増大を抑制することが可能である。
また、ファン6の駆動力(いいかえれば吸引力)によってエンジン冷却風A1を直接生成するので、ファン6とエンジン4とを独立させた構成においても、第1収容室11内のヒートバランスを成立させることが可能である。
しかも、本実施形態の作業機械では、図3に示されるように、第1収容室11に連通する吸気口19と第2収容室12に連通する吸気口16とが別個に形成され、第1収容室11および第2収容室12へ作業機械外部のフレッシュな(常温の)空気を別個の経路で導入することが可能である。その結果、当該フレッシュな空気によってエンジン4および冷却器5をそれぞれ個別に冷却することができる。したがって、図10の比較例のように、1つの吸気口16から第1収容室11に導入された冷却風が冷却器5およびエンジン4を連続的に冷却する場合と比較して、本実施形態の作業機械では、エンジン4の冷却効率が向上し、冷却に必要な風量の増加を抑えることが可能である。
また、本実施形態の作業機械では、隔壁13の開口14が冷却器5よりも下流側で、かつファン6よりも上流側(吸込み側)の位置に形成されているので、冷却器5の上流側に開口14が形成された場合と比較して、冷却器5の冷却効率がよい。すなわち、エンジン4が収容された第1収容室11を通過したエンジン冷却風A1は、エンジン4から熱を受けることにより、当該エンジン冷却風A1の温度は上昇するので、冷却器5の上流側に開口14が形成された場合には、冷却器5がエンジン冷却風A1の熱を受けるので、冷却器5の冷却効率が低下するおそれがある。しかし、本実施形態では、開口14が冷却器5よりも下流側で、かつファン6よりも上流側の位置に形成されているので、冷却器5がエンジン冷却風A1の熱を受けることなく、エンジン冷却風A1を開口14を通して第2収容室12へ導入することが可能であり、その結果、冷却器5の上流側に開口14が形成された場合と比較して、冷却器5の冷却効率がよくなる。
(2)
本実施形態の作業機械は、冷却器5とファン6との間の空間の周囲を覆うシュラウド7を備え、当該シュラウド7は、隔壁13の開口14に連通する連通孔15を有する。そのため、エンジン4が収容された第1収容室11から隔壁13の開口14を通って第2収容室12内へ導入された空気は、冷却器5とファン6との間の空間の周囲を覆うシュラウド7の連通孔15を通して確実にシュラウド7内に導入されることにより、ファン6の上流側へ確実に導かれる。その結果、より効率的に第1収容室11内における冷却風を確保することができる。
(3)
本実施形態の作業機械では、シュラウド7は、隔壁13の開口14とシュラウド7の連通孔15とが重なり合うように、隔壁13に隣接して配置されている。すなわち、シュラウド7は、第2収容室12の内部において隔壁13に当接した状態または当接に近い状態で配置されている。これにより、隔壁13の開口14とシュラウド7の連通孔15とを接続するホースなどの部品が不要になり、開口14と連通孔15との間における空気流れの抵抗の増大を抑えることが可能である。また、ホースを設置するためのスペースやコストも不要になる。
(4)
本実施形態の作業機械では、ケーシング3の幅方向Xにおいて、冷却器5は、エンジン4に重複しないように位置している。しかも、ケーシング3の前後方向Yにおいて、冷却器5の後端部5cは、エンジン4の前方側に位置する第1収容室11の前端11aよりも後方側に位置している。これにより、冷却器5が大きくなっても作業機械全体の前後方向Yの長さの増大を抑えることが可能である。
(5)
本実施形態の作業機械では、吸気口16、冷却器5、ファン6、および排気口17は、前記ファンの中心軸Cに沿って並んで配置され、前記開口は、前記中心軸Cからずれた位置であって前記ファンの上流側の位置に配置されている。かかる構成により、ファン6を駆動することによって、第2収容室12の内部において空気が、ファンの中心軸Cに沿って吸気口16、冷却器5、ファン6、および排気口17の順に通過して直線的に流れるので、空気の流れの向きが変わることによる流れの抵抗の増大を抑えることが可能になる。よって、ファン6の駆動力が小さくても冷却器5に効率よく風を供給して当該冷却器5の効率のよい冷却を行うことが可能である。それとともに、第1収容室11からの空気を、ファン6の中心軸Cからずれた位置に形成された開口14を通して第2収容室12におけるファン6の上流側へ導入する際に、冷却器5を冷却する冷却風A2の流れに対する影響を抑えながら円滑に導入することが可能である。
(変形例)
上記実施形態の作業機械では、冷却器5およびファン6が収容された第2収容室12がキャビン8の後方側の位置に配置されているが、本発明はこれに限定されるものではない。第2収容室12は、第1収容室11と隔壁13で仕切られ、かつ隔壁13の開口14がファン6の上流側に配置されていれば、種々の位置に配置されてもよい。例えば、本発明の変形例として、図8〜9に示される位置に第2収容室12が配置されてもよい。これら図8〜9の変形例の場合も、第1収容室11内部の空気は、ファン6の吸込み力によって隔壁13の開口14を通して第2収容室12へ吸い出されることにより、第1収容室11内部にエンジン4を冷却する冷却風を効率よく生成することが可能である。
具体的には、図8に示される変形例では、第2収容室12は、上部旋回体1における右側のデッキ21に配置され、すなわち、左側のデッキ22に配置されたキャビン8に対して反対側の位置に配置されている。このため、キャビン8に影響を受けることなく冷却器5を配置することが可能になるので、冷却器5の大型化が可能になる。
また図9に示される変形例のように、上部旋回体1の右側のデッキ21にエンジン4が収容された第1収容室11が配置されている場合には、第2収容室12は、当該上部旋回体11の後方側において当該第1収容室11と隣接する位置に配置されてもよい。この図9の構成では、冷却器5およびファン6を上部旋回体1の幅方向Xにおいてほぼ中心位置に配置することが可能である。この場合も、キャビン8に影響を受けることなく冷却器5を配置することが可能になるので、冷却器5の大型化が可能になる。
1 上部旋回体
2 底板
3 ケーシング
4 エンジン
5 冷却器
6 ファン
7 シュラウド
11 第1収容室(エンジンルーム)
12 第2収容室
13 隔壁
14 開口
15 連通孔
16 吸気口
17 排気口

Claims (4)

  1. 第1収容室と、第2収容室と、当該第1収容室と第2収容室との間を仕切る隔壁とを有するケーシングと、
    前記第1収容室に収容されたエンジンと、
    前記第2収容室に収容され、前記エンジンを冷却する冷却媒体を冷却可能な構成を有する冷却器と、
    前記第2収容室に収容され、前記冷却器に供給される風を生成するファンであって、当該風が流れる方向において前記冷却器の下流側に配置されたファンと
    を備えており、
    前記隔壁には、前記第1収容室と前記第2収容室とを連通する開口が形成され、
    前記開口は、当該開口を通じて前記ファンが前記第1収容室内の空気を吸引するように、前記風が流れる方向において前記冷却器よりも下流側で、かつ前記ファンよりも上流側の位置に形成されており、
    前記ケーシングの幅方向において、前記冷却器が前記エンジンに重複しないように位置しており、
    前記第2収容室は、前記ケーシングの前後方向において、前記第1収容室よりも前方側に配置され、
    前記前後方向において、前記冷却器の後端部は、前記エンジンの前方側に位置する前記第1収容室の前端よりも後方側に位置している、
    ことを特徴とした作業機械。
  2. 前記冷却器と前記ファンとの間の空間の周囲を覆うシュラウドをさらに備え、
    当該シュラウドは、前記隔壁の開口に連通する連通孔を有する、
    請求項1に記載の作業機械。
  3. 前記シュラウドは、前記隔壁の開口と前記シュラウドの連通孔とが重なり合うように、前記隔壁に隣接して配置されている、
    請求項2に記載の作業機械。
  4. 前記ケーシングは、前記第2収容室に前記ケーシングの外部の空気を導入する吸気口と、空気を前記第2収容室から前記外部へ排出する排気口とを有しており、
    前記吸気口、前記冷却器、前記ファン、および前記排気口は、前記ファンの中心軸に沿って並んで配置され、
    前記開口は、前記中心軸からずれた位置であって前記ファンの上流側の位置に配置されている、
    ている、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の作業機械。
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