JP6615648B2 - チェーンソー - Google Patents

Description

本発明は、電動モータの駆動によってガイドバーの外周部に沿って回転するソーチェーンによって木材等の木を切断するチェーンソーに関する。

特許文献１には、木材等の木を切断するチェーンソーが開示されている。このチェーンソーは、本体ケーシング内に収容した電動モータと、本体ケーシングの側面前部に設けたをガイドバーと、ガイドバーの外周部に巻回したソーチェーンとを備えている。また、本体ケーシングの後部には作業者が把持するグリップを有したリアハンドルが一体的に形成され、本体ケーシングの前部にはフロントハンドルが固定されている。このチェーンソーでは、作業者が例えば右手でリアハンドルを把持するとともに、左手でフロントハンドルを把持した状態で、作業者の右手でリアハンドルに設けた操作レバーを操作すると、電動モータの駆動によりソーチェーンがガイドバーの外周部に沿って回転し、ガイドバーの外周部を回転するソーチェーンを木材に押しつけることで、木材等が回転するソーチェーンによって切断される。

特開２０１５−０４４２９３号公報

上記の特許文献１のチェーンソーは、駆動源にブラシ付きのインナーロータ型の電動モータを採用したものであるが、駆動源にブラシレスのアウタロータ型の電動モータを採用して小型化及び軽量化を図ったチェーンソーが開発されている。ブラシレスの電動モータを採用したチェーンソーでは、電動モータを駆動させる制御装置は電動モータの固定子のコイルに流す電流を制御するときの負荷が大きくて発熱量が多いため、制御装置を適切に冷却する必要があった。制御装置を適切に冷却するために、電動モータの駆動により回転する回転軸には冷却ファンを設け、本体ケーシングには冷却ファンを回転させたときに外気を導入する吸気口を形成するようにし、本体ケーシング内に導入した外気によって制御装置を冷却するようにしている。しかし、本体ケーシングに形成した吸気口から木材を切断した際に発生する切り屑、埃または水滴が流入し、制御装置の周囲に切り屑や埃が付着するおそれがあった。本発明は、本体ケーシング内の制御装置を冷却ファンの回転によって導入した外気によって適切に冷却しつつ、本体ケーシング内に切り屑、埃または水滴が流入しにくくすることを目的とする。

上記課題を解決するために、本発明は、本体ケーシング内に設けた電動モータと、本体ケーシングの前部に前方に突出して設けたガイドバーと、ガイドバーの外周部に回転可能に設けられ、電動モータの駆動によってガイドバーの外周部を回転するソーチェーンと、本体ケーシングに取り付けられた作業者が把持するハンドルと、本体ケーシング内に設けられ、電動モータの駆動を制御する制御装置と、電動モータの駆動により回転する回転軸に取り付けられ、本体ケーシングの外側から導入した外気により制御装置を冷却する冷却ファンと、本体ケーシング内に外気を導入するための吸気口とを備えたチェーンソーであって、ハンドルは本体ケーシングに取り付けるためのベース部と、ベース部から延出して作業者が把持するグリップ部とを備え、ベース部と対向する本体ケーシングの対向面には吸気口を形成し、吸気口を吸気可能な状態で覆うようにベース部を本体ケーシングの対向面に取り付けたことを特徴とするチェーンソーを提供するものである。

上記のように構成したチェーンソーにおいては、ハンドルは本体ケーシングに取り付けるためのベース部と、ベース部から延出して作業者が把持するグリップ部とを備え、本体ケーシングのベース部と対向する対向面に吸気口を形成し、吸気口を吸気可能な状態で覆うようにベース部を本体ケーシングの対向面に取り付けたので、吸気口から本体ケーシング内に切り屑、埃または水滴等が流入しにくくなり、チェーンソーの本体ケーシング内が切り屑や埃等によって汚れにくくなった。

上記のように構成したチェーンソーにおいては、本体ケーシング内に設けた制御装置を吸気口と冷却ファンとの間に配置するのが好ましい。このようにしたときには、制御装置を効率よく冷却できるようになる。

本発明の作業機の一実施形態であるチェーンソーの斜視図である。 図１の側面図である。 本体ケーシングとハンドルの各右半部を取り外して内部が見えるようにした側面図である。 本体ケーシングとハンドルとを分解した斜視図である。

以下、本発明のチェーンソーの一実施形態を図面を参照して説明する。図１及び図２に示したように、チェーンソー１０は、電動モータ２１等を収容した本体ケーシング１１と、本体ケーシング１１の後部に取り付けたハンドル３０とを備えている。本体ケーシング１１内の前後方向の中間部より前側には電動モータ２１が設けられており、電動モータ２１の駆動により回転する回転軸２１ａが本体ケーシング１１の右側面中間部から外側に突出している。電動モータ２１はブラシレスのアウタロータ型の電動モータを採用したものであり、内側の固定子のコイルに流す電流を後述する制御装置２７により制御することで外側の回転子に設けた回転軸２１ａを回転させるものである。

電動モータ２１の回転軸２１ａには本体ケーシング１１の外側にてスプロケット２２が固定されており、スプロケット２２は電動モータ２１の駆動によって回転する。本体ケーシング１１の右側面前部にはスプロケット２２の前側で前方に突出するガイドバー２３が固定されており、ガイドバー２３の外周部とスプロケット２２との間にはソーチェーン２４が回転可能に張設されている。本体ケーシング１１の右側面前部にはスプロケットカバー２５が設けられており、スプロケットカバー２５は電動モータ２１の回転軸２１ａ、スプロケット２２及びガイドバー２３の基端部を覆っている。

図１及び図２に示したように、本体ケーシング１１の後部にはバッテリパック２６が着脱可能に設けられている。この実施形態では、本体ケーシング１１の後部にて左右両側部に左右一対のバッテリパック２６が設けられている。これらバッテリパック２６は電動モータ２１に給電して、電動モータ２１を駆動させるものである。図３に示したように、本体ケーシング１１内の下側後部には制御装置２７が設けられており、制御装置２７は電動モータ２１の駆動を制御するものである。具体的には、制御装置２７はブラシレスモータである電動モータ２１を駆動する駆動回路（図示省略）を備え、駆動回路は電動モータ２１の固定子のコイルに流れる電流を制御して電動モータ２１の回転子を回転させている。

本体ケーシング１１内には電動モータ２１の回転軸２１ａに冷却ファン２８が固定され、本体ケーシング１１の後面と側面後部には冷却ファン２８の回転によって外気を導入する吸気口１１ａ(１１ａ１，１１ａ２）が形成されている。冷却ファン２８は本体ケーシング１１内の空気を回転軸２１ａ側に吸引するものであり、吸気口１１ａから本体ケーシング１１内に導入した外気を電動モータ２１と制御装置２７を通過させることによって電動モータ２１と制御装置２７を冷却するものである。本体ケーシング１１の後面の吸気口１１ａ１は側面後部の吸気口１１ａ２よりも開口面積が大きくなっており、本体ケーシング１１内には主として後面の吸気口１１ａから外気が取り込まれるようになっている。

図１及び図２に示したように、ハンドル３０はチェーンソー１０を使用する際に作業者が把持するものである。ハンドル３０は本体ケーシング１１と分けて構成した（別体として構成した）ものを本体ケーシング１１に防振的に取り付けたものである。ハンドル３０は、本体ケーシング１１の後部に取り付けるためのベース部３１と、ベース部３１から延出するリアハンドル部３２のリアグリップ部３２ａとフロントハンドル部３３のフロントグリップ部３３ａとを備えている。ベース部３１は側面から見た形状が略Ｌ字形をしており、本体ケーシング１１の取付面となる後面と後部下面との間を隙間Ｃを介して覆うように取り付けられている。本体ケーシング１１の後面に形成された吸気口１１ａはベース部３１に隙間Ｃを介して覆われており、吸気口１１ａはベース部３１との間の隙間Ｃから本体ケーシング１１内に吸気可能となっている。ベース部３１と本体ケーシング１１との間にはコイルスプリング３４やゴム材３５よりなる防振部材が介装されており、本体ケーシング１１で発生した振動がハンドル３０に伝達しにくくなっている。

リアハンドル部３２は後側が閉じられた略Ｃ字形をし、ベース部３１の後部に一体的に形成されている。リアハンドル部３２の上部は作業者が把持するリアグリップ部３２ａとなっており、リアグリップ３２ａ部には電動モータ２１を駆動させるトリガレバー３６が回動可能に設けられている。ベース部３１にはトリガレバー３６の回動操作によって制御装置２７に操作信号を出力するスイッチ部３７が設けられており、スイッチ部３７は制御装置２７に電気的に接続されている。フロントハンドル部３３は上側が閉じられるように上下を逆向きとした略Ｕ字形をし、ベース部３１に固定されている。フロントハンドル部３３の上部は作業者が把持するグリップ部３３ａとなっている。

上記のように構成したチェーンソー１０を木材の切断作業に使用するときには、作業者は例えば左手でフロントハンドル部３３のフロントグリップ部３３ａを把持するとともに、右手でリアハンドル部３２のリアグリップ部３２ａを把持し、右手の人差し指をリアグリップ部３２ａ側に引いてトリガレバー３６を回動させると、スイッチ部３７がトリガレバー３６の操作に応じた操作信号を制御装置２７に出力し、電動モータ２１が制御装置２７の制御に基づいて駆動する。ソーチェーン２４は電動モータ２１の駆動により回転するスプロケット２２によってガイドバー２３の外周部を回転し、作業者が両ハンドル部３２，３３を操作してガイドバー２３の外周部を回転するソーチェーン２４を丸太等の木材の外周に押しつけることにより、丸太等の木材が切断される。このとき、チェーンソー１０の周囲には回転するソーチェーン２４によって切断された木材から切り屑が飛散することになっている。

上記のように構成したチェーンソー１０は、駆動源としてブラシレスのアウタロータ型の電動モータ２１を採用して小型化と軽量化を図ったものである。ブラシレスの電動モータ２１を採用したことにより、電動モータ２１の駆動を制御する制御装置２７は内蔵した駆動回路等により電動モータ２１の固定子のコイルに流れる電流を制御しているために、大きな負荷が生じて発熱量が大きくなっていた。このため、このチェーンソー１０では、電動モータ２１の回転軸２１ａに冷却ファン２８が設けられ、本体ケーシング１１の主として後面及び側面後部に形成した吸気口１１ａ１，１１ａ２から吸引した外気を制御装置２７を通過させることで冷却している。特に、本体ケーシング１１内に設けた制御装置２７は吸気口１１ａと冷却ファン２８との間に配置されているので、制御装置２７は効率的に冷却されるようになっている。

また、このチェーンソー１０においては、ハンドル３０は本体ケーシング１１と分けて構成したものを本体ケーシング１１に取り付けたものである。ハンドル３０は本体ケーシング１１に取り付けるためのベース部３１と、ベース部３１から延出して作業者が把持するリアハンドル部３２のリアグリップ部３２ａとフロントハンドル部３３のフロントグリップ部３３ａとを備えるようにしている。このチェーンソー１０では、ベース部３１と対向する本体ケーシング１１の後面（対向面）には吸気口１１ａ１を形成し、吸気口１１ａ１を吸気可能な状態で覆うようにベース部３１を本体ケーシング１１の後面に隙間Ｃを介して取り付けた。これにより、吸気口１１ａ１から本体ケーシング１１内に周囲に飛散している木の切り屑、埃または水滴等が流入しにくくなり、チェーンソー１０の本体ケーシング１１内が切り屑、埃または水滴等によって汚れにくくなった。

上記の実施形態のチェーンソーはいわゆるリアハンドルとフロントハンドル（サイドハンドルともいう）とを備えたリアハンドル型のチェーンソーであるが、本発明はこのリアハンドル型のチェーンソーに限られるものでなく、本体ケーシングの上部に設けたトップハンドルとフロントハンドル（サイドハンドルともいう）とを備えたトップハンドル型のチェーンソーにも適用されるものである。

１０…チェーンソー、１１…本体ケーシング、１１ａ…吸気口、２１…電動モータ、２３…ガイドバー、２４…ソーチェーン、２７…制御装置、２８…冷却ファン、３０…ハンドル、３１ａ…グリップ（リアグリップ）、３２ａ…グリップ（フロントグリップ）。

Claims (2)

1. 本体ケーシング内に設けた電動モータと、
   本体ケーシングの前部に前方に突出して設けたガイドバーと、
   前記ガイドバーの外周部に回転可能に設けられ、前記電動モータの駆動によって前記ガイドバーの外周部を回転するソーチェーンと、
   前記本体ケーシングに取り付けられた作業者が把持するハンドルと、
   前記本体ケーシング内に設けられ、前記電動モータの駆動を制御する制御装置と、
   前記電動モータの駆動により回転する回転軸に取り付けられ、前記本体ケーシングの外側から導入した外気により前記制御装置を冷却する冷却ファンと、
   前記本体ケーシング内に外気を導入するための吸気口とを備えたチェーンソーであって、
   前記ハンドルは前記本体ケーシングに取り付けるためのベース部と、ベース部から延出して作業者が把持するグリップ部とを備え、
   前記ベース部と対向する前記本体ケーシングの対向面に前記吸気口を形成し、
   前記吸気口を吸気可能な状態で覆うように前記ベース部を前記本体ケーシングの対向面に取り付けたことを特徴とするチェーンソー。
2. 請求項１に記載のチェーンソーにおいて、
   前記本体ケーシング内に設けた制御装置を前記吸気口と前記冷却ファンとの間に配置したことを特徴とするチェーンソー。

Images