以下、添付の図面を参照して、本願発明に係るボルト軸用の連結金具および該連結金具を用いた連結材の連結構造を実施するための具体的な形態について詳細に説明する。
(この発明の実施の形態に係る連結金具および該連結金具を用いた連結構造の特徴)
この発明の実施の形態に係る連結金具および該連結金具を用いた連結構造の構成では、実施対象(施工対象)の一例として、体育館や倉庫等の建物における天井スラブの下面側に吊りボルトを吊設して天井枠を吊り下げ、該天井枠の一部と吊りボルトの上端とをブレース材(斜め補強材)で連結することによって補強し、その構造強度および耐震性能を向上させるようにした天井下地が選ばれている。
そして、本願発明に係るボルト軸が吊りボルトに、また連結材がブレース材に対応している。
(添付した図面の概要)
添付の図1および図2は、同実施の形態に係る天井枠吊り下げ構造を用いて構成された天井下地全体の構成を、図3および図4は、同天井下地において、天井枠部分における天井スラブから吊り下げられた吊りボルトに対する野縁受けの連結構造および該野縁受けに対する野縁の取り付け構造を、図5は、天井スラブに対する吊りボルトの連結構造を、図6~図8は、吊りボルト上端部に対して連結金具を用いてブレース材の上端側を連結する連結状態の構成を、図9~図12は、同連結金具部分の全体的な構成を、図13は、同連結金具の要部における断面構造を、図14は、連結金具係止ホルダーおよび係止ギヤホルダー部分の構成を、図15および図16は、係止ギヤホルダー部分の構成を、図17は、連結金具係止ホルダー本体の構成を、図18および図19は、係止ギヤホルダーおよびそのスリーブ材部分の構成を、図20~図22は、係止ギヤ部分の構成を、ブレース材連結金具の構成を、図23は、ボルト連結金具の構成を、図24~図26は、連結ボルト保持部材の構成を、図27は、連結金具係止ホルダーを吊りボルト外周に係合したあと、係止ギヤホルダーを嵌装して抜け止めした状態において、連結金具係止ホルダー内の係止ギヤホルダー側係止ギヤ(突出部)を吊りボルトのネジ溝に係合し、上下方向に高さ位置の調整を行っている状態を、図28は、図27の高さ位置の調整を行った後に、連結ボルトで係止ギヤを押圧し、連結金具係止ホルダーおよび係止ギヤホルダーを吊りボルトに係止固定した状態を、図29および図30(a)〜(c)は連結金具係止ホルダー部分の連結金具取り付け時の位置決め部材の構成および同位置決め部材による位置決め作用を、それぞれ示している。
以下、これらの各図面を参照しながら、それぞれ対応する部分の構成と作用について詳細に説明してゆく。
(1)天井下地部分の全体的な構成について
先ず図1〜図4には、この発明の実施の形態における、例えば「ぶどう棚」構造の天井下地部分の全体および要部の構成の一例が示されている。
すなわち、この発明の実施の形態における天井下地は、まず図1および図2に示されるように、所定の間隔を置いて相互に平行に配置された複数本の野縁受け3,3・・および同野縁受け3,3・・に対し、同野縁受け3,3・・側に設けられた野縁取り付け金具6,6・・を介して所定の間隔を置いて直交する方向にそれぞれ平行に取り付けられた複数本の野縁4,4・・よりなる天井枠と、該天井枠を例えば建物の上階床等の下面に設けられた天井スラブ1に対して吊り下げる複数本の吊りボルト2,2・・と、これら複数本の吊りボルト2,2・・の所定の吊りボルト2,2・・の上端部2A,2A・・と上記天井枠を構成する野縁受け3,3・・の上記吊りボルト2,2・・による吊り持ち部付近(図3参照)とを斜めに連結する複数本のブレース材5,5・・とから構成されている。
上記複数本の野縁受け3,3・および野縁4,4・・は、それぞれウエブおよびウエブ両端にフランジ部を有する断面コ字状の溝形鋼31、41により構成されているが、野縁4,4・・を構成する溝形鋼41のフランジ部には、図3および図4に拡大して示すように、上記野縁受け3,3・・側の取り付け金具6,6・・の下端に設けられている係合片61a,61aに対してスライド可能に係合するフック構造の曲成部41a,41aが設けられている。
他方、上記野縁受け3,3・・側の取り付け金具6,6・・は、上記溝形鋼31の両側を挟むように設けられた、左右一対の挟着片61、61よりなり、同挟着片61、61の下端63に上述の係合片61a,61aが設けられている。また、中央部61にはドリリングタッピンネジによる締結部が、さらに上端部62にはボルトによる締結孔がそれぞれ設けられている。そして、上記中央部61の締結部には野縁受け3を構成する溝形鋼31のウエブ部を介してドリリングタッピンネジ64により溝形鋼31の両側に締結固定されているとともに、上端部62側のボルト等締結孔にはボルト65が挿通されて、相互に重合する状態で直接締結一体化されている。
これにより、上記取り付け金具6,6・・を構成する左右一対の挟着片61、61は、上記野縁受け3,3・・を構成する溝形鋼31の両側を挟む形で同溝形鋼31に対して確実に固定され、上記野縁4,4・・構成する溝形鋼41のフック構造の曲成部41a,41aは、当該左右一対の挟着片61、61下端の係合片61a,61aに対して確実にスライド可能に係合される。
したがって、後述するように野縁受け3,3・・が吊りボルト2,2・・を介して天井スラブ1に吊り下げられ、同野縁受け3,3・・と吊りボルト2,2・・との間にブレース材5が連結された後、スムーズかつ容易に野縁4,4・・を取り付けることができるようになる。
なお、もちろん、野縁受け3,3・・に対して野縁4,4・・を取り付け、天井枠を構成したうえで、最終的にブレース材5,5・・を連結することも可能である。
(2)吊りボルト2,2・・および天井スラブ1における吊りボルト2,2・・係止部の構成について
以上のように構成された天井枠を天井スラブ1に吊り下げる吊りボルト2,2・・は、たとえば図5〜図8に示されるように、その上端から下端までの外周面全体に所定の深さおよび所定の溝幅のネジ溝を有し、所定の軸径で上下方向にストレートに延びるボルト部材(頭部のないネジ溝付ロッド部材)により構成されている。そして、その上端2A側は、天上スラブ1中にインサートされた状態で強固に埋設(固定)されているスリーブ状の吊りボルト係止部材9の吊りボルト連結孔9a内に螺合されることにより連結係止されている。
すなわち、天井スラブ1の吊りボルト2,2・・の吊り下げ位置には、たとえば図5に詳細に示すように、上下方向に所定の深さ(長さ)の吊りボルト連結孔9aおよび係止用縁部9b、9cを備えたスリーブ状の吊りボルト係止部材9がインサート設置(固定)されており、同吊りボルト係止部材9の対応するネジ溝を備えた吊りボルト連結孔9aに対して吊りボルト2,2・・の上端2A側の所定長さ部分を螺合係止することにより吊りボルト2,2・・が確実、かつ強固に垂設固定されている。
(3)野縁受け3,3・・を吊り持ちする野縁受け吊設金具22の構成について
他方、同吊りボルト2,2・・の下端2Bには、図3のように、野縁受け3,3・・を吊り持ち支持するための野縁受け吊設金具22が設けられており、該野縁受け吊設金具22介して上記野縁4,4・・を取り付ける野縁受け3,3・・が支持されている。
この野縁受け吊設金具22は、上記野縁受け3,3・・の下部側に在って上記野縁受け3,3・・を受ける断面U状の下部側吊り持ち金具ユニット22Bと、上記野縁受け3,3・・の上部側に在って下端部を上記断面U状の下部側吊り持ち金具ユニット22Bの上端部に連結される断面逆U状の上部側連結金具ユニット22Aとからなっており、それら相互に嵌合する左右一対の側壁部分を連結ボルト29で一体に連結することにより上下環状構造に一体化されている。
そして、上記断面逆U状の上部側連結金具ユニット22Aの天壁部分には、上記吊りボルト2,2・・の下端2B側が上方から下方に所定の長さ挿通されるようになっており、上記吊りボルト2,2・・の下端2Bを所定の長さ挿通した後、その天壁部を挟む上下をナット28aおよび28bで締め付けて固定することにより、上記野縁受け吊設金具22が上記吊りボルト2,2・・の下端2Bに対して確実かつ強固に連結され、該野縁受け吊設金具22介して上記野縁4,4・・を取り付けている野縁受け3,3・・が上記吊りボルト2,2・・に対して確実かつ強固に連結支持されている。
(4)ブレース材5,5・・の構成およびブレース材5,5・・の連結構造について
この発明の実施の形態では、上記のように構成された天井枠の所定の野縁受け3,3・・と所定の吊りボルト2,2・・の上端2Aとの間には、さらにブレース材(斜め補強材)5,5・・が連結され、上記吊りボルト2,2・・と野縁受け3,3・・との間で所定の内角関係の直角三角形を形成することにより、一層強固な天井下地トラス構造が実現されるようになっている(たとえば図1、図2の構造を参照)。
ブレース材5,5・・は強度の高い断面コ字状の溝形鋼よりなっており、図3に示すように、その下端5B側の面積の大きいウエブ部分を上記野縁受け3,3・・のウエブ部分に対して、締結面を合わせた上で、所定の傾斜角(たとえば45度)を有してドリリングタッピンネジ59,59により強固に締結することにより、上記野縁受け3,3・・に対して連結している。
このブレース材5,5・・の下端5Bの上記野縁受け3,3・・に対する連結は、図3から明らかなように、上述した野縁取り付け金具6を介した野縁4の取り付け部および上記吊りボルト2の下端2Bの野縁受け吊設金具22による野縁受け吊り持ち部の両側部分を選んでなされている。この部分は、上記天井枠全体の中でも、野縁受け3,3・・と野縁4,4・・が交差して連結され、しかも吊りボルト2,2・・により天井スラブ1に対して吊り持ちされた各構成部材が相互に連結され、上下および水平方向に支持し合う最も強度が高い部分であるので、同部分と天井スラブ1内にインサートされて天井スラブ1に強固に固定されている吊りボルト2,2・・の上端2A部分とをブレース材5で連結すると、天井下地構造の水平方向および上下、斜め方向全体の剛性および強度を効率良くアップすることができ、効果的に耐震性能が向上することになる。
(5)ブレース材5,5・・の上端5Aと吊りボルト2,2・・の上端2Aとの連結構造について
この実施の形態の場合、上記ブレース材5,5・・の上端5Aと上記吊りボルト2,2・・の上端2Aとは、たとえば図6〜図8に示すように、ブレース材5,5・・による対角線方向の連結長さおよび連結角度の調整が可能なようにブレース材連結金具を用いて強固に連結されるようになっている。
このブレース材連結金具は、同図6〜図8および図9〜図13に詳細に示すように、吊りボルト2,2・・の内の所定の吊りボルト2の外周に嵌合されて最上端位置(天井スラブ1の下面に接する位置)に係止される水平方向に断面U字形状をなすブレース材連結金具係止ホルダー10と、該ブレース材連結金具係止ホルダー10の連結金具係止ホルダー本体11の開放端側左右両側壁部に軸着ボルト54のボルト軸54aおよび締結ナット54bを介して相対回動可能に連結された同じく断面U字形状(どちらかと言うとコ字形状に近いが)の連結ボルト連結金具51と、上記ブレース材5の上端部5Aのウエブ部背面側(フランジ部のない面側)から上記ブレース材5に嵌合(重合)され、ドリリングタッピンネジ56、56を用いて締結固定された断面コ字形の連結ボルト保持部材52と、該連結ボルト保持部材52のブレース材5の上端5Aと重合していない先端側部分に頭部(基端)53b側ボルト軸を支持されている一方、同ボルト軸の先端53a側を上記連結金具51の後部壁部分に形成した螺合孔51eを螺合状態で貫通して上記連結金具51内前方に伸縮可能に突出させた連結ボルト53とからなっている。
(6)連結金具係止ホルダー10部分の構成について
ブレース材5,5・・の上端をボルト軸2,2・・の上端に連結する連結金具の連結金具係止ホルダー10は、たとえば図9〜図13に示すように、断面U字形状の連結金具係止ホルダー本体11と、該連結金具係止ホルダー本体11の内側に同一軸状態で嵌装された同じく断面U字形状の係止ギヤホルダー12と、該係止ギヤホルダー12の内側に軸支用のスリーブ12dを介して同一軸心状態で回転可能に嵌装された一対の係止ギヤ13、13とからなっている。
(7)連結金具係止ホルダー本体11部分の構成について
連結金具係止ホルダー本体11は、たとえば図17の斜視図に詳細に示されるように、その開口端側左右両側壁部11a、11a部分にブレース材連結用の軸着ボルト54aを螺合状態で挿通するネジ溝付のボルト軸挿通孔11b、11bを有するとともに、そのU状部基端11c内周面(背面)の上下方向全体に係止時において吊りボルト2外周面のネジ溝20aと螺合する所定の深さおよび所定の溝幅のネジ溝20bが設けられている。
また、上記左右一対の側壁部11a、11aの何れか一方側上端部の基端11c寄りのコーナー部には、後述するように連結される連結金具51の左右一対の曲成片(左右一対の側壁部)51a、51aの連結時における円弧状の先端部の当接位置を規制して、同連結金具51当接時の当接角如何に拘わらず(連結金具51の左右一対の曲成片51a、51aが、連結金具係止ホルダー本体11の左右一対の側壁部11a、11aの軸着ボルト挿通孔11b、11bに対して、例えば図30の(a)垂直状態〜図30の(c)水平状態までのどの角度で嵌合されても)、その軸着ボルト挿通孔51d、51dが、常に連結金具係止ホルダー本体11の軸着ボルトボルト挿通孔11b、11bと同一の軸心位置に合致するように位置決めすることができる位置決め用の突起11d、11dが設けられている。
すなわち、該位置決め用の突起11d、11dは、たとえば図29に示すように、上方側(図示右側)の突起11dが連結金具係止ホルダー本体11の軸着ボルト挿通孔(その中心軸)11bの真上にある一方、下方側(図示左側)の突起11dが連結金具係止ホルダー本体11の軸着ボルト挿通孔(その中心軸)11bの水平方向左側にある。そして、それらの中心と軸着ボルト挿通孔11bの中心とを結ぶ線は、図示のように相互に直角な関係にある。
他方、軸着される連結金具51の上記左右一対の曲成片51a、51aの先端部は、たとえば図30の(a)〜(c)に示すように、上記連結金具係止ホルダー本体11の軸着ボルト挿通孔11bの軸心を中心として、上記垂直方向上方側の突起11dおよび水平方向後方側の突起11dに共に接する半径のrの半円形状の円弧部に形成されており、かつ、その軸着ボルト挿通孔51d、51dの孔径は上記連結金具係止ホルダー本体11の軸着ボルト挿通孔11b、11bと同一の孔径に形成されている。
したがって、同連結金具51の半円形状の先端部は、上記連結金具係止ホルダー本体11の上記軸着ボルト挿通孔11bの軸心との関係で相互に90度位置を異にする一対の突起11d、11d(それらの間)に突き合わされた状態では、上記軸着ボルト挿通孔11b、11bの軸心を中心として、半径rで描かれた円周(円弧)の垂直方向上端位置から水平方向後端位置までの90度の範囲では、常にその軸着ボルト挿通孔51d、51dの軸心位置が上記軸着ボルト挿通孔11b、11bの軸心に合うように上記連結金具係止ホルダー本体11の一対の突起11d、11dにより位置規制(ガイド)されながら、図30の(a)〜(c)のように同軸状態で回動することになる。
したがって、上記90度の回動角範囲では、当接時の当接角如何に拘わらず(連結金具51の左右一対の曲成片51a、51aが、連結金具係止ホルダー本体11の左右一対の側壁部11a、11aの軸着ボルト挿通孔11b、11bに対して、図30の(a)垂直状態〜(c)水平状態までのどの角度で嵌合されても)、その軸着ボルト挿通孔51d、51dが常に連結金具係止ホルダー本体11の軸着ボルトボルト挿通孔11b、11bと同一の軸心位置に合致する状態で位置決めされることになる。
その結果、連結作業(軸着ボルト54の挿通による連結金具54の連結作業)が著しく容易になる。
なお、上記90度の範囲を超えると、少しずつ軸着ボルト挿通孔11b、11b、51d、51d相互の軸心がずれるようになるが、この実施の形態の場合、あくまでも図6のような略対角線方向のブレース材5の連結を目的とするものであるから、上記90度の範囲で対応できれば十分に機能する。
また、連結金具係止ホルダー本体11の上記左右両側壁部11a、11aの何れか一方側の側壁の下端側の一部に凸部を設けることにより、後述するように、当該連結金具係止ホルダー本体11のU状部内側に係止ギヤホルダー12が上方側から落とし込まれた時に下方にスルーして落下してしまわないように係止部11eが形成されている。この係止部11eは、上記側壁11a下端側の一部を内側に折り曲げることによって形成することもできる。
そして、この係止部11eには、上方から落とし込まれた係止ギヤホルダー12の基端12c部分底部の所定の前後方向幅のフラット面部分が載置状態で係止される(図14、図27、図28を参照)。
また、上記左右一対の側壁部11a、11aの上記一方側側壁部11aの前端側にも同様の凸部(又は内側への折り曲げ片)による係止部11fが設けられ、前方への規制位置で係止するようになっている。これら各係止部11e、11fでの係止および位置決めにより、上記連結金具係止ホルダー本体11内に係止ギヤホルダー12を嵌装して、同一軸心構造に組み付けるときの位置決め(軸心合わせ)および組み付け作業が容易になるように構成されている。
(8)係止ギヤホルダー12部分の構成について
係止ギヤホルダー12は、そのホルダー本体部内にスリーブ部材12dを介して、所定の直径の係止ギヤ13、13を設けて構成されている。
そして、そのホルダー本体は、たとえば図13および図14、図18に示すように、上記連結金具係止ホルダー本体11のU状部内側に同一軸心状態で嵌装するのに適した幅寸法で、同じく断面U字形の形状をなして構成されている。そして、該係止ギヤホルダー12のホルダー本体部の左右両側壁部12a、12aの中央部にも、上記連結金具係止ホルダー本体11のボルト挿通孔11b、11bと同様のボルト軸挿通孔(ただしネジ溝なし)12b、12bが同一軸心状態で設けられており、基本的には、それら各ボルト軸挿通孔11b、11bおよび12b、12bを利用して前述した軸着ボルト54のネジ溝のあるボルト軸54aが挿通されるが、該係止ギヤホルダー12側のボルト軸挿通孔12b、12bの場合は、挿通されたボルト軸54aの外周に係止ギヤ13、13を回転可能な状態で軸支する必要があることから、当該ボルト軸挿通孔12b、12b間には、たとえば図19に示すような、円筒状のスリーブ12dが同一軸心状態に嵌合一体化されて、その外周に一対の係止ギヤ13、13が回転可能に軸支(遊嵌)されている。そして、同スリーブ12dの内径は、上記全ての部品の中心的な支軸となる軸着ボルト54のボルト軸54aの外径よりも所定寸法以上に大きい内径寸法に設定され、上記ボルト軸挿通孔12b、12bも同寸法のスリーブ12d自体を嵌合し、一体化できる内径のものとなっている。
すなわち、係止ギヤホルダー12のU状部内側において一対の係止ギヤ13、13を回転可能に支持するスリーブ12dの内径は、上記軸着ボルト54のボルト軸54aの外径よりも所定寸法以上に大きい内径に設定され、上記左右一対の側壁部12a、12a部分におけるボルト軸挿通孔12b、12bも当該寸法のスリーブ12d自体を嵌合一体化できるように、当該スリーブ12dの筒壁寸法分だけ大きく形成して嵌合一体化している。
そして、その外周に一対の係止ギヤ13、13を回転可能に軸支する一方、同スリーブ12dの内側の上記内径の筒孔12eをボルト軸54aの挿通孔としてボルト軸54aを嵌挿し、また同ボルト軸54aの両端に後述する連結金具51を連結するようにしている。
このような構成、特に上記係止ギヤホルダー12側のスリーブ12dの内径及び外径が、上記軸着ボルト54aを嵌挿する連結金具係止ホルダー本体11の左右両側壁11a、11aのボルト軸挿通孔11b、11bの内径よりも所定寸法以上に大きい構成によると、上記連結金具係止ホルダー10の連結金具係止ホルダー本体11と後述する連結ボルト連結金具51とを軸着ボルト54のボルト軸54aおよびナット54bを介して連結し、十分に強く締め付けたとしても、上記係止ギヤ13、13を支持しているスリーブ12dが軸方向への締め付け力を受け止める支持部材(スペーサ部材)として機能するので、より有効な締結力を実現できるとともに、支持している係止ギヤ13、13が回らなくなることを回避することができる。
また、このように、スリーブ12dの内径(筒孔12eの内径)が、上記軸着ボルト54aの外径よりも所定寸法以上に大きい内径寸法に設定されていると、当該スリーブ12dを介して固定支持されている係止ギヤホルダー12および同係止ギヤホルダー12内の係止ギヤ13、13が、以下に述べるように、軸着ボルト54のボルト軸54aに対して上記の寸法差を有して遊嵌されることになり、軸直交方向に所定寸法だけ自由に移動できることになる。
他方、上記係止ギヤホルダー12内において、上記スリーブ12dの外周に軸支されている一対の係止ギヤ13、13の外径寸法(軸心部分から歯部13の先端までの直径)は、上記係止ギヤホルダー12のホルダー本体部の外形形状および外形寸法との関係において、たとえば図15のような関係に形成されており、上記係止ギヤホルダー12のホルダー本体部の前部側下部(左右両側壁部12a、12aの前部側下部:図示右側下部)における斜め下方への円弧状の曲成部12f部分では、所定円弧角範囲に亘って、係止ギヤ13、13の歯部13c、13cが所定寸法aだけ半径方向外方に突出している。
また、それと同時に、同係止ギヤ13、13の歯部13c、13cは、断面U字形状の係止ギヤホルダー本体基端部12cの上下方向にストレートに延びる後部側(背面側)中央部でも、所定寸法bだけ半径方向後方に突出している。このため、同ホルダー本体基端部12cの上下方向にストレートに延びる後部壁中央部には、たとえば図16に示すように、当該突出する係止ギヤ13、13の歯部13c、13cを、回転可能な状態で同寸法bだけ突出させるに適した大きさの上下に長く延びた長方形状の開口部12gが設けられている。
(9)一対の係止ギヤ13、13部分の構成について
上記スリーブ12dの外周に回転可能に軸支されている左右一対の係止ギヤ13、13は、たとえば図20のように構成されている。
すなわち、この係止ギヤ13は、所定の板厚を有するギヤ本体13aの中央部に上記スリーブ12dに嵌合(遊嵌)するための嵌合孔(遊嵌孔)13d、同嵌合孔13dの半径方向外周囲に、一側面側に凸となり、他側面側に凹となる所定の幅の成型部(軸方向段部)13b、上記ギヤ本体13aの外周部に上記吊りボルト2の外周面部のネジ溝20aの溝部の深さおよび幅に対応して係合する歯部13cを備えて構成されている。このような構成の係止ギヤ13は、上記成型部13bを含めて全体としてプレス成型により形成され、歯部13cには必要な焼き入れ加工(一例として浸炭焼き入れ)を施すことによって、十分に強度を向上させている。
そして、この実施の形態では、そのような構成の係止ギヤ13を2組用意し、上記成型部13b、13bの凸部面側同士を図21および図22のように相互に突き合わせた状態で、上記ボルト軸54aの外周に遊嵌されている上記スリーブ12dの外周に回転可能に遊嵌させることによって、相互の歯部13c、13cの間に所定の隙間Aを設けた状態で、上記係止ギヤホルダー12のU状部内側に位置して回転可能に支持されている。
このように係止ギヤ部分を、単体としては板厚の薄い2枚の係止ギヤ13,13で構成し、一側面側のみに凸で、他側面側にその分凹の成型部13b、13bを形成し、同成型部13b、13bを利用して、その凸部面側同士を突合せて並設し、所望の隙間Aを置いて並設するようにすると、単体としては板厚が薄く、幅が狭い係止ギヤ13、13の歯部13c、13cが、全体として見ると連結ボルト53のボルト軸先端53aの直径に適切に対応して係合し得るだけの係合幅を確保することができるようになる。
また、そのように2枚板の組み合わせ構造にすると、1枚のギヤ本体自体の厚さを薄く形成することができることから、歯部13cや成型部13bを含めたギヤ13の全体をプレス成型で容易に形成できるようになり、同様な歯幅を板厚の厚い1枚のギヤで構成する場合に比べて、遥かに低コストに実現することができる。また、軽量化が可能となる。もちろん、必要に応じて板厚の厚い1枚のギヤで構成することは自由である。
なお、同構成におけるギヤ素材(プレス成型可能な金属材)としては、例えばSPCC(JIS G 3141)などの冷間圧延鋼板が採用される。同金属材の場合、低炭素の鋼材であるため、加工は容易であるが、歯部13c部分では耐摩耗性が必要であるため、上述のように浸炭焼き入れが施される。
(10)連結金具係止ホルダー本体11の吊りボルト2への嵌合と同嵌合後における係止ギヤホルダー12の装着による抜け止めについて
次に、以上のような構成の一対の係止ギヤ13、13をスリーブ部材12dを介して上記係止ギヤホルダー12のホルダー本体部内に回転可能に嵌装すると、係止ギヤホルダー12は、たとえば図15のような状態になる。
他方、該状態では、先に連結金具係止ホルダー本体10が上記吊りボルト2の外周に嵌合され、その基端11c部分の内側に吊りボルト2を位置させた状態となっている。そして、この状態から、さらに同連結金具係止ホルダー本体10のU状部内に上述した係止ギヤホルダー12が嵌装され、上記軸着ボルト54のボルト軸54aで共通に軸装されて、吊りボルト2全周への嵌合および抜け止め構造が実現される。
すなわち、係止ギヤホルダー12は、たとえば図14に示すように、上記軸着ボルト54のボルト軸54aを介して、上記連結金具係止ホルダー10の連結金具係止ホルダー本体11内に同一軸心状態に嵌装され、上記軸着ボルト54のボルト軸54aの両端に連結金具51を連結した状態でほぼ一体に固定される。
この状態では、たとえば図14の状態から明らかなように、上記連結金具係止ホルダー10の連結金具係止ホルダー本体11のU状部基端11cの内周面側に設けられているネジ溝20bに対して、上記係止ギヤホルダー12のU状のホルダー本体の基端12cの背面側から後方に寸法bだけ突出する係止ギヤ13、13の後端側歯部13c、13cが対向するようになり、それらの間に位置して、たとえば図27に示すように、吊りボルト2が上下方向に延びる状態で位置され、当該寸法bだけ突出する係止ギヤ13、13の後端側歯部13c、13cと係合する。
ここで、上記歯部13cの突出寸法bは、特に大きなものである必要はなく、少なくとも当該係止ギヤホルダー12部分が、たとえば図28中の矢印に示すように、係止ギヤ13、13部分を介して連結ボルト53によって押され、上記ボルト軸54aの外径とスリーブ部材12dの内径との寸法差分(符号12e部分の最大隙間を参照)だけ上記吊りボルト2を上記連結金具係止ホルダー本体11のU状部基端11c内周面側のネジ溝20bに押し付けてネジ溝20aをネジ溝20bに係合させることにより、一側面側で上下方向への移動が係止された当該吊りボルト2の他側面側のネジ溝20aに係合して当該吊りボルト2を確実に係止固定するのに十分なものとされている。
(11)吊りボルト2に対する連結金具係止ホルダー本体11および係止ギヤホルダー12の係止位置の調整について
ところで、上記図28のような最終係止状態(固定状態)とは異なり、たとえば図27のように、連結金具係止ホルダー本体11の基端11c内周面と係止ギヤホルダー12の基端12c外周面との間の吊りボルト挿通孔部分に吊りボルト2が位置されてはいるが、つまり、上述のように連結金具係止ホルダー本体11が吊りボルト2の外周に嵌合され、さらに同連結金具係止ホルダー本体11内に係止ギヤホルダー12が嵌装されて、吊りボルト2の抜け止めがなされた係合状態ではあるが、いまだ連結ボルト53のボルト軸の先端53aが上記係止ギヤ13、13の前部下端側曲成部12g位置における突出部を押圧していない場合には、上記係止ギヤ13、13はフリー状態であり、スリーブ部材12d上で自由に回転することができるので、上記ネジ溝20bと係止ギヤ13、13の歯部13c、13cが前後に対向する吊りボルト挿通孔内に位置する吊りボルト2は、上記係止ギヤ13、13の歯部(突出部)13c、13cと係合していても、基端11c側のネジ溝20bと係合していない限り(ネジ溝20b側に押し付けられていない限り)、ウオームとウオームギヤの関係のような形で上下方向に自由に相対移動することができる。
しかも、同状態では、上記スリーブ部材12dの内径とボルト軸54aの外径との寸法差があるために、図27から明らかなように、吊りボルト2に対して連結金具係止ホルダー本体11ないし係止ギヤホルダー12を矢印方向に押すと、連結金具係止ホルダー本体11の基端11c内のネジ溝20b吊りボルト2との間には、同図27に示されるような相互に係合しないクリアランスが保たれる。
したがって、この状態では、連結金具係止ホルダー本体11および係止ギヤホルダー12部分は、吊りボルトの上下方向に自由に相対移動して、係止位置を設定することができる。
(12)連結金具係止ホルダー本体10および係止ギヤホルダー12の吊りボルト2への最終的な係止固定状態について
ところで、上記連結金具係止ホルダー本体11を吊りボルト2に嵌合し、係止ギヤホルダー12を落とし込んで係止し、抜け止めしただけの状態では、未だ軸着ボルト挿通孔11b、11bおよび軸着ボルト挿通用の筒孔12eには、軸着ボルト54のボルト軸54aは挿通されていない。
そして、この状態では、他方、連結すべきブレース材5の上端5Aに対し、連結ボルト保持部材52を介して連結ボルト53が連結され、また、該連結ボルト53に対して連結ボルト連結金具51が螺合状態で連結されている。もちろん、ブレース材5の下端部5Bも、未だ野縁受け3に連結されていない。
この状態から、当該ブレース材5を持って、その先端側の上記連結ボルト連結金具51を、上述の連結金具係止ホルダー本体11の軸着ボルト挿通孔11b、11b部分の外側に嵌合する。そして、この嵌合時において、上記位置決め用の突起11d、11dにより適切に連結ボルト連結金具51の軸着ボルト挿通孔51d、51dと連結金具係止ホルダー本体11の軸着ボルト挿通孔11b、11bの位置合わせが行われ、軸着ボルト54のボルト軸54aが挿通されてナット54bにより連結される。この場合、連結金具係止ホルダー本体11と連結ボルト連結金具51との間には、適切な隙間があるので、軸着ボルト54のボルト軸54a部分をナット54bで締め付けたとしても、連結金具係止ホルダー本体11と連結ボルト連結金具51とは、相互に自由に回動可能である。
このように軸着ボルト54のボルト軸54aにより、ブレース材5側連結ボルト連結金具51、連結ボルト53、連結ボルト保持部材52、ブレース材5が連結された状態(図8参照)における連結金具係止ホルダー本体11および係止ギヤホルダー12部分の構成を一部(連結金具係止ホルダー本体11の手前側の側壁11a)を切り欠いて示すのが図27である。
次に、この図27の状態では、連結ボルト53の先端部53aが未だ係止ギヤ13、13を押圧衝合していないので、吊りボルト2に対して、連結金具係止ホルダー本体11側を自由に昇降させることができる。したがって、ブレース材5部分を持って、図6および図7のように、その最上端位置まで移動させ、同状態において、後述するように連結ボルト53のボルト軸基端および頭部53b側を連結ボルト保持部材52を介して保持しているブレース材5が回転されると、やがて、図28のように、当該連結ボルト53のボルト軸の先端部53aが上記一対の係止ギヤ13、13の上記係止ギヤホルダー12の前部下端側の曲成部12g位置における突出部に衝合して上記一対の係止ギヤ13、13の全体を押圧するようになる。
すると、上記一対の係止ギヤ13、13は当該連結ボルト53の先端部53aと係合して回転することができなくなるだけでなく、該一対の係止ギヤ13、13とともに係止ギヤホルダー12が上記吊りボルト挿通孔側に移動し、該係止ギヤホルダー12および上記一対の係止ギヤ(その突出部)13、13が上記吊りボルト2を後方側ネジ溝20b部分に押し付けるようになる。
その結果、吊りボルト2のネジ溝20aが連結金具係止ホルダー本体11の基端11c内面のネジ溝20bと係合して上下方向の移動が阻止されるとともに、他方、一対の係止ギヤ13、13の後端部(突出部)が同吊りボルト2のネジ溝20aに押圧力を伴った状態で係合して、上下方向の移動を阻止するとともに、係止ギヤホルダー12の基端12c部分が吊りボルト2の吊りボルト嵌挿孔内に挿入された部分全体を押圧して強固に係止固定するようになる。
この実施の形態の場合、上記連結ボルト53のボルト軸先端部53aの係止ギヤへの当接面は、例えば図28に示されるように、断面円錐状(又は凹球面状)等の凹溝部が形成されていて、その外周の縁部が、上記係止ギヤ13、13の上記前部下端側曲成部12g位置における突出部の歯部13c、13cと上下方向に所定の間隔を置いた2カ所で係合するように構成されている。
この結果、係止ギヤ13、13の係止機能、係止力が向上し、より確実な係止状態を実現することができるようになる。
(13)連結ボルト連結金具51部分の構成の詳細について
以上に述べたように、上述の係止ギヤホルダー12(図15参照)が、図14のように、上記軸着ボルト54のボルト軸54aを介して上記連結金具係止ホルダー10の連結係止金具ホルダー本体11内に嵌装され、軸支されるときには、同時にブレース材5側の連結ボルト保持部材52に保持されている連結ボルト53に螺合されて保持されている連結ボルト連結金具51が連結される。
この連結ボルト連結金具51は、たとえば図23に詳細に示されるように、曲成部基端(側壁部基端)が直角になった断面U字形状をなしている一方、曲成片51a、51aの先端側が円弧形状となっている。そして、同曲成片51a、51aの先端側円弧部内側中心軸部分に、上記軸着ボルト54の挿通孔51d、51dが形成されているとともに、上記曲成部基端間の後部壁51b部分には、上記連結ボルト53のボルト軸が螺合状態で貫通されるボルト螺合孔51eが設けられている。
また、後部壁51b部分の上記ボルト螺合孔51e内側には、上記ボルト螺合孔51eと連続する同径、同ピッチのネジ孔であるボルト螺合孔51eを備えたナット部材51cが一体に溶着され、上記連結ボルト53に必要かつ十分な係合力および軸直交方向の剛性を与える有効な長さの螺合孔を形成している。
なお、上記後部壁51bおよびナット部材51c部分の上記ボルト螺合孔51e、51eは、それらに変えて後部壁51部分のバリ加工によって螺合部を形成するようにしても良い
そして、該連結金具51は、たとえば図11、図13および図14に示すように、上記曲成片51a、51aの上記軸着ボルト挿通孔51d、51d形成部分を上記連結金具係止ホルダー本体11中央部の上記軸着ボルト挿通孔11b、11b外周側に嵌合し、上記軸着ボルト挿通孔51d、51dに軸着ボルト54のボルト軸54aを共通に挿通し、挿通端側に螺合したナット54bで締結することにより連結されている。
他方、その上で、上記後部壁51bおよびナット部51cの上記ボルト螺合孔51e、51eには、上記連結ボルト53のボルト軸が後方から挿入螺合され、同部分で当該連結ボルト53に必要かつ十分な係合力(螺合係合力)を維持しながら、その先端53a側を上記係止ギヤホルダー12内に保持された一対の係止ギヤ13、13の歯部13c、13cに衝合可能に臨ませている。
(14)ブレース材5上端側の連結ボルト保持部材52の構成について
ブレース材5の上端5A部分には、たとえば図8~図10に示されるように、上述した連結ボルト53の保持部材(連結ボルトホルダー)52が設けられている。
この連結ボルト保持部材(本体)52は、たとえば図24および図25に示されるように、上記ブレース材5と同様の形状で若干幅が広い断面コ字形状の溝形鋼からなり、上記ブレース材5の上端部5Aのウエブ部背面側(フランジ部のない背面側)から上記ブレース材5の上端5A部分に嵌合(重合)され、ドリリングタッピンネジ56、56を用いて一体に締結固定され、上記ブレース材5の上端5Aの一部を構成している。
そして、該連結ボルト保持部材52の上記ブレース材5の上端5Aと重合していない先端側部分に連結ボルト53の頭部53b側ボルト軸基端部分を支持しているとともに、同連結ボルト53のボルト軸先端53a側を上記連結金具51の後部壁51bのボルト螺合孔51e、51eを螺合状態で貫通して上記連結金具51内前方の係止ギヤ13、13に向けて伸縮可能に突出させている。
上記連結ボルト保持部材52の上記ブレース材5の上端5Aと重合していない先端側部分には、上記連結ボルト53の頭部53bを遊嵌し、軸方向に係止する頭部嵌合用の開口52bが、そして、同開口52b部分から軸方向先端側には、さらにボルト頭部53bから延びるボルト軸部分を嵌合する円弧面状の固定部52cが設けられている。
上記円弧面上の固定部52cの内側は、上記連結ボルト53のボルト軸の断面形状の略2分の1の半円形状の凹溝面となっており、内側には、さらに当該固定部52c内側の凹溝面との間に上記連結ボルト53のボルト軸基端部分を挟んで、所定の圧接力で圧着する、上記同様の半円形状の凹溝面を有する固定部57cを備えたボルト圧着板57が締結ボルト(ボルト・ナット)55、55により締結固定されている。
すなわち、該ボルト圧着板57は、たとえば図26に示すように、圧接板本体57aにおける上記ボルト軸圧接用の凸部57cの両側に締結用のフランジ部57b、57bを備えて構成されており、該フランジ部57b、57b部分に上記連結ボルト保持部材52のウエブ部に設けられた圧着板締結用のボルト孔55a、55aに対応するボルト孔55b、55bを設けている。
そして、同ボルト孔55b、55bを介して、締結ボルト55、55により上記フランジ部57b、57b部分を上記連結ボルト保持部材52のウエブ部に所定の締め付け力で締結することにより、上記連結ボルト53の先端側ボルト軸を上記連結金具51後壁部51bのボルト螺合孔51e、51e部分を螺合状態で突出方向に移動させることはできるが、同ボルト軸の先端53aが、図28のように上記係止ギヤ13、13に当接して所定の押圧力を作用させるようになり、それ以上には押圧できない状態(前方に移動できない状態)になった時には、当該ボルト軸圧着部における圧着力に抗して、連結ボルト保持部材52のみが上記連結ボルト53に対して空回りするようになる圧着力に設定されている。
そして、この状態は、たとえば上記天井スラブ1に吊り下げ固定された吊りボルト2に対して、上記連結金具係止ホルダー10が嵌合されてはいるが、上下方向に移動自在な状態において必要な係止位置(この実施の形態の場合には、吊りボルト2上端の最上端位置、すなわち天井スラブ1の下面位置)への設定がなされ、同設定状態において、さらに上記連結金具51および連結ボルト53、連結金具52の対角線方向Cにおける吊りボルト2との傾斜角θ(図6参照)等の調節設定がなされた後に行われる。
したがって、上記連結ボルト保持部材52のボルト軸の先端53aが、図28のように上記係止ギヤ13、13に衝合して所定の押圧力を作用させるようになり、それ以上には押圧できない状態になった時には、上記連結金具係止ホルダー10が上記吊りボルト2最上端の係止位置に確実に係止された状態となり、その後は当該ボルト軸圧着部における圧着力に抗して上記連結ボルト保持部材52が上記連結ボルト53に対して空回りして、上記連結ボルト保持部材52およびブレース材5のウエブ面の角度を上記締結すべき野縁受け3の締結面(ウエブ面)の角度に自由に合わせることができ、その上で、ブレース材5の下端5Bを上記野縁受け3の締結面(ウエブ面)にドリリングタッピンネジ59、59で締結することにより連結固定される。
このようにして図6のように吊りボルト2の上端と野縁受け3との間に斜めに連結固定されたブレース材5には、たとえば地震発生時に、大きな引張および圧縮力が交互に作用する。
しかし、以上の構成の場合、吊りボルト2に対する連結金具係止ホルダー10の構造を連結金具係止ホルダー本体11と係止ギヤホルダー12との組み合わせによる完全な吊りボルト2全周の嵌合係止構造として十分に強度を向上させており、このような強度の高い連結金具係止ホルダー10の連結金具係止ホルダー本体11に対して、軸着ボルト54を介して連結金具51が連結され、該連結金具51を介して、ブレース材5の上端に連結ボルト保持部材52を介して連結保持されている連結ボルト53が連結されている。
そして、同連結ボルト53は、上述のように、連結ボルト保持部材52の筒状の固定部52c、57cによりボルト軸基端部分が確実に圧着状態で固定され、その頭部53b部分は、当該頭部53b部分を嵌合し、軸前後方向(前後両方向)に係止する頭部嵌合用の開口52b内に緊密に収納されている。
したがって、連結ボルト53は、ボルト軸の軸方向先端部53が係止ギヤ13、13に衝合されているとともに、軸方向中間部が連結金具51を介して連結金具係止ホルダー10に連結され、さらに軸方向基端側頭部53bが頭部嵌合用の開口52bの前後開口壁部分で軸前後方向に完全に拘束されて保持されている。
つまり、軸回り方向に作用する力にはトルクリミッター機能を果たすが、軸方向に作用する力には完全な固定係止機能を果たす。
そのため、上記吊りボルト2の上端2Aからブレース材5の上端5Aに至る当該連結金具部分の軸方向の圧縮剛性および引張り強度が十分に高いものになるとともに、上記吊りボルト2の上端2Aからブレース材5の下端5B部分(野縁受け3部分)までの斜め補強部材全体の軸方向の圧縮剛性および引張り強度も十分に高いものになり、上記地震発生時に交互に作用する大きな引張力および圧縮力に対しても十分に耐えられるものとなる。
(この発明の実施の形態の基本的な特徴と作用)
以上の実施の形態におけるボルト軸用の連結金具では、所定の連結部材の一端をボルト軸に連結固定するための連結金具であって、上記ボルト軸の外周に対して嵌合される断面U字形状の連結金具係止ホルダーと、該連結金具係止ホルダーのU状部内側に上記ボルト軸の挿通孔を形成する状態で軸支された断面U字形状の係止ギヤホルダーと、該係止ギヤホルダーのU状部内側に回転可能に軸支された係止ギヤと、上記連結金具係止ホルダーのU状部に対して先端側を相対回転可能に軸着された断面U字形状のボルト連結金具と、該ボルト連結金具のU状部基端に設けられた連結ボルト螺合孔と、該連結ボルト螺合孔を介してボルト軸先端側を上記係止ギヤに衝合する連結ボルトと、上記ボルト軸に対して連結される連結部材の一端側に在って、上記連結ボルトのボルト軸基端側を保持する連結ボルト保持部とからなり、上記連結金具の螺合孔を介して螺合される上記連結ボルトによって上記係止ギヤホルダーおよび上記係止ギヤが上記ボルト軸に押圧されて上記係止ギヤが上記ボルト軸外周面のネジ溝と係合する一方、上記ボルト軸が上記連結金具係止ホルダーのU状部基端内周面に形成されているネジ溝部に係合して固定されるように構成されている。
すなわち、同構成では、まずボルト軸に対して連結される連結部分が、基端側を上記ボルト軸の外周に対して嵌合され、先端側に連結部材側からの連結ボルトが軸着される断面U字形状の連結金具係止ホルダーと、該連結金具係止ホルダーのU状部の内側に上記ボルト軸の挿通孔を形成する状態で軸支され、内側に所定の直径の係止ギヤを軸支した断面U字形状の係止ギヤホルダーにより構成されている。
したがって、上記連結金具係止ホルダーを上記ボルト軸に嵌合し、上記係止ギヤホルダーを嵌装して抜け止めした状態では、上記連結金具係止ホルダーのU状部基端の内側に当該連結金具係止ホルダーのU状部基端内面と上記係止ギヤホルダーのU状部基端外面とによって囲まれたボルト軸の挿通が可能な上下方向に所定の長さを有する筒状のボルト軸挿通孔が形成される。
そして、該ボルト軸挿通孔内にボルト軸を位置させることによって、ボルト軸の全周に嵌合される形で当該連結金具の係止部本体である連結金具係止ホルダーおよび係止ギヤホルダー部分が確実に係合され、次に該係合状態において、ボルト軸に対して、連結金具係止ホルダーおよび係止ギヤホルダー部分を上下に移動させることによって高さ位置が調整され、さらに、上記連結金具の螺合孔を介して螺合される連結ボルトのボルト軸によって係止ギヤホルダーおよび係止ギヤがボルト軸に押圧され、外周面のネジ溝と係合される。また、それに対応して、ボルト軸が上記連結金具係止ホルダーのU状部基端内周面に押し付けられ、外周面のネジ溝が同ホルダーのU状部基端内周面のネジ溝に係合する。
そして、その結果、ボルト軸に対して連結金具ホルダーおよび係止ギヤホルダーが確実に係止固定される。
このように、同構成では、ボルト軸側に直接係合固定される連結金具係止部材部分が、従来のような一枚板を折り曲げて構成した半円状のフック部とU状片の組み合わせではなく、連結金具係止ホルダーと係止ギヤホルダーの強度の高いU状部基端同士の重合状態での組み合わせによる強固な筒状構造体での嵌合となり、嵌合されたボルト軸は軸方向と直交する周方向の何れの方向にも外れることはなく、軸直交方向への曲げ剛性も大きく向上する。
しかも、同構成では、そのようにボルト軸に嵌合された連結金具係止ホルダーおよび係止ギヤホルダーからなる係止部材部分が、さらに、上記連結金具の螺合孔を介して螺合される連結部材側連結ボルトのボルト軸による押圧される係止ギヤホルダーおよび係止ギヤがボルト軸に押圧され、外周面のネジ溝と係合され、それに対応して、ボルト軸が上記連結金具係止ホルダーのU状部基端内周面に押し付けられ、その外周面のネジ溝が同ホルダーのU状部基端内周面のネジ溝に係合することによって、上下方向はもちろん、水平方向にも緩みなく固定される。
したがって、天井枠吊り下げ用の吊りボルト等の所定のボルト軸に対する連結金具自体の係止、固定強度を大きく向上させることができるとともに、同係止部における軸直交方向への曲げ剛性も高くなる。
また、以上の構成では、上記連結されるべき連結部材の一端側に在って、上記連結ボルトのボルト軸基端側を保持する連結ボルト保持部が、同部分に所定の設定トルク以上の回転操作力が加わるまでは固定状態に保持する一方、同所定の設定トルク以上の回転操作力が加わると相対回転可能となる様に圧着力を設定したボルト固定部により構成されている。
このような連結ボルト固定部の構成では、当該固定部におけるボルト軸基部に対する圧着力を任意に設定することにより、基準となる所定の設定トルクよりも小さい回転操作トルクでは相対回転しないが、同所定の設定トルク以上の回転操作トルクでは相対回転可能となるようにすることができる。
したがって、上記所定の設定トルクを、少なくとも上記連結ボルトを上記連結金具の螺合孔に螺合するのに必要なトルクよりも大きな値に設定して置きさえすれば、上記連結部材を回転させることにより、上記連結金具の螺合孔部分に螺合されている連結ボルトを自由に回転させて、上記連結金具係止ホルダー側係止ギヤ部分への衝合による係止を行なうことができ、他方、同衝合により上記連結ボルトの螺合状態での回転が不可能になると、上記連結部材のみを単独で上記連結ボルトの軸回り方向に所定の押圧力(回転負荷)を伴いながらも回転させることができるので、上記連結部材下端側の連結相手側部材との面合わせを行なうことができる。
しかも、この時、上記連結ボルトは上記連結金具係止ホルダー側の係止ギヤに対して当初の押圧力を維持して衝合されたままであり、上記連結ボルトが逆方向に回らない限り、衝合状態における係止力はそのまま維持することができる。
また、以上の場合、上記連結ボルトのボルト軸圧着構造の固定部において、ボルト軸の圧着に加えて、ボルトの頭部を軸前後方向に係止固定する開口部を設けて、ボルト軸を軸前後方向に係止するようにしているので、連結ボルト保持部が軸回り方向にはトルクリミッターとして機能する一方、軸方向には完全な固定構造と同様な圧縮および引張強度の高い連結構造体として機能するようになる。
また、以上の構成では、係止ギヤホルダーのU状部基端に開口部を設けて係止ギヤの一部を突出させることにより、該係止ギヤの突出部がボルト軸挿通孔内に位置するボルト軸のネジ溝と係合するように構成している。
このようにした場合、上記係止ギヤの突出部の突出寸法は、少なくとも上記ボルト軸挿通孔内に位置するボルト軸のネジ溝に係合するだけの小さな寸法で足り、上記連結金具係止ホルダーのU状部基端の内側面と上記係止ギヤホルダーのU状部基端の係止ギヤ突出部を除く外側面との間で、より強度の高い筒体構造よりなるボルト軸挿通孔を形成することができ、ボルト軸との係合強度が向上する。
また、連結部材を上記連結ボルトの軸回り方向に回転操作することによって、連結ボルトの先端を係止ギヤの一端に衝合させた時のボルト軸に対する押圧力を係止ギヤの突出部ではなく、上記係止ギヤホルダーのU状部基端の係止ギヤ突出部(開口部)を除く外側面部分で作用させることができるので、係止ギヤの損傷が回避されるとともに、係止ギヤホルダーのU状部基端外面の略全体でボルト軸を押圧することによって、上記連結金具係止ホルダーのU状部基端の内側面に押し付けることができ、係止ギヤの突出部だけで押圧する場合に比べて、ボルト軸のネジ溝と上記連結金具係止ホルダーのU状部基端内側面のネジ溝との係合が確実となり、ボルト軸への係止機能が大きく向上する。
また、以上の構成では、連結金具係止ホルダーに対して係止ギヤホルダーを軸支する軸支手段および連結金具係止ホルダーに対してボルト連結金具を軸着する軸着手段は、それぞれ共通な軸着ボルトにより構成されており、連結金具係止ホルダーおよびボルト連結金具は、同軸着ボルトに対して直接嵌合されている一方、係止ギヤホルダーおよび該係止ギヤホルダー内に回転可能に設けられている係止ギヤは、同軸着ボルトの外径よりも所定寸法以上に大きい内径のスリーブ部材を介して支持されており、係止ギヤは当該スリーブ部材に回転可能に支持されている。
このような構成の場合、連結金具係止ホルダーを軸支し、かつボルト連結金具を軸着している軸着ボルトに対して、該軸着ボルトの外径よりも所定寸法以上に内径が大きなスリーブ部材が外嵌され、該内径が大きいスリーブ部材を介して係止ギヤおよび係止ギヤホルダーが支持されることになる。
したがって、上記係止ギヤおよび係止ギヤホルダーは、何らかの押圧力が作用すれば、上記スリーブ部材の内径と上記スリーブ部材内側のボルトの外径との寸法差分だけ軸直交方向に移動することが可能となる。
その結果、上記連結部材上端側の連結ボルトの先端が、上記ボルト連結金具基端の連結ボルト螺合孔を介して上記係止ギヤ側に所定寸法以上繰り出され、最終的に上記係止ギヤの歯部に当接して係止ギヤを押圧すると、上記係止ギヤおよび係止ギヤホルダーは、同スリーブ部材の内径と軸着ボルトの外径との寸法差分だけ他端側ボルト軸挿通孔方向に所定の押圧力を伴って移動する。
その結果、連結金具係止ホルダーのU状の基端部内側に形成されているボルト軸挿通孔部分に挿通され、そのネジ溝部分が上記係止ギヤの他端側突出部と係合しているボルト軸が、当該係止ギヤおよび係止ギヤホルダー基端部を介して、ボルト軸挿通孔内側面である連結金具係止ホルダーのU状部基端内側のネジ溝部分に押し付けられて、ボルト軸外周面のネジ溝が同ネジ溝部分に強固に係合し、連結金具係止ホルダーおよび係止ギヤホルダーとボルト軸との係合状態がより確実になる。
また、逆に、上記連結ボルトの先端が上記係止ギヤの歯部に衝合していない状態では、上記ボルト軸挿通孔部分に挿通されたボルト軸外周(そのネジ溝部分)に対して、係止ギヤホルダーを支持している連結金具係止ホルダー部分を持って内側の係止ギヤホルダー部分(ギヤ突出部分)を押し付けると、連結金具係止ホルダーおよび係止ギヤを支持する係止ギヤホルダーが、上記所定寸法分だけ上記とは反対側に移動し、上記ボルト挿通孔内一側のネジ溝部分とボルト軸との間に隙間ができて、相互の接触がなくなる。
その結果、連結金具係止ホルダーは、係合した係止ギヤをフリーな状態で回転させながら、ボルト軸の軸方向に沿ってスムーズに相対移動することができるようになる。この結果、ボルト軸に対する連結金具係止ホルダー係止位置の調節設定がより容易になる。
また、以上の構成では、連結部材が連結されるボルト軸が天井下地構造において建物の構造体に天井枠を吊り下げる吊りボルトにより構成されているとともに、ボルト軸に連結される連結部材が野縁受け等天井枠の一部と吊りボルトの上端とを連結するブレース材により構成されている。
このような構成によると、ボルト軸が天井下地構造において建物の構造体に天井枠を吊り下げる吊りボルトであるとともに、ボルト軸に連結される連結部材が野縁受け等天井枠の一部と吊りボルト上端とを連結するブレース材である場合において、上述したような有益な作用効果を得ることができる。
これらの結果、上述の構成によると、天井スラブから吊り下げた吊りボルト等のボルト軸に対するブレース材等所望の連結部材の連結強度が向上し、天井下地等所望の連結部材を使用する構造体自体の強度、耐震性能が向上する。
また、連結金具係止ホルダー自体のボルト軸への係止固定が終了した後にも、連結部材側の自由な回転操作が可能であり、連結部材の下端側を適切に面合わせして対応する締結面に締結固定することができる。
そして、従来の連結金具と異なり、そのようにしても、上記連結金具係止ホルダー自体の上記ボルト軸への係止固定状態が緩むようなことは無く、当所の係止固定状態のままの確実な係止固定状態を維持することができる。
また、吊りボルト等のボルト軸に対するブレース材等の連結部材の連結作業が容易になり、連結作業効率も向上する。
(その他の実施の形態)
以上のように、本願発明に係るボルト軸用の連結金具、および該連結金具を用いた連結構造は、上述したような天井下地構造におけるボルト軸とブレース材の連結の場合だけでなく、その要旨を変更しない範囲で、同様のボルト軸に対して何らかの連結部材を連結する場合などに、広く適用できるものである。
また、各構成部品等の構成も、技術的に均等と認められる範囲で、種々の変形が可能である。
たとえば、そのような変形例として、上述の連結ボルト53の先端部53aの形状があげられる。上述の実施の形態では、同先端部53aの形状を図28に示すように軸中心方向に断面円錐状(又は凹球面)に形成したが、これは、たとえば第1の変形例として、図31に示すように係止ギヤ13の歯部13cの溝部に係合する扁平な凸部、さらに第2の変形例として、図32に示すように同係止ギヤ13の歯部13cの歯に噛み合う凹凸形状(歯形状)の凸部に形成することも可能である。
このような形状にすると、より連結ボルト53の係止ギヤ13に対する係止力が確実となる。また、押圧時に係止ギヤ13の歯部13cの歯(山部)を損傷することなく、強い押圧力を作用させることが可能となる。
その結果、吊りボルト2に対する係止ホルダー10の係止、固定強度が高くなるとともに、連結ボルト53を介したブレース材5の連結強度も向上する。
また、同連結ボルト53の先端部53aの形状は、通常のボルト本来のフラットな形状のものでも良く、一定の押圧力が作用しさえすれば十分に有効に機能する。
さらに、上記実施の形態では、連結ボルト保持部材52部分を、上記ブレース材5とは別の部材として、ドリリングタッピンネジ59、59で締結固定するようにしたが、両部材は共に同じ溝形鋼であるので、連結ボルト保持部材52部分をブレース材5の上端5A部分に直接設けることもできる。