JP6547763B2 - スプリングバック量予測方法 - Google Patents

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Description

本発明は、曲げ変形させた金属板材のスプリングバック量を予測するスプリングバック量予測方法に関し、特に、引張変形と圧縮変形とで加工硬化挙動が異なる金属板材を曲げ変形させたときのスプリングバック量を予測するスプリングバック量予測方法に関する。
近年、CO2排出量削減を目的とした自動車車体の軽量化のため、自動車部品に対して高強度薄鋼板の適用が進められている。そして、自動車部品の製造には、コストに優れたプレス成形が適用されることが多い。
一般に、プレス成形により製造した部品においては、プレス成形後に金型から取り外した際に部品の形状が弾性回復してしまう現象、いわゆるスプリングバックにより、部品の形状不良が生じる。特に、高強度薄鋼板は材料強度が高いため、高強度薄鋼板を用いてプレス成形した部品においてはスプリングバック量が大きくなり、その形状不良が問題となっている。
スプリングバックによる形状不良を解決するには、プレス成形した部品のスプリングバック量を予測し、スプリングバック後の形状が部品の目標形状となるようにプレス成形に用いる金型の形状を決める必要があり、そのためには、スプリングバック量の精度よい予測が重要である。
これまでに、スプリングバック量を予測する方法がいくつか提案されている。
例えば特許文献1には、プレス成形される材料と材質が同じ試験片の引張−圧縮試験により取得した応力−ひずみ関係の実験値を材料硬化モデルで予め近似し、さらに、前記材料の成形シミュレーションを行い、その成形シミュレーションにより得られたプレス成形後の材料の材料特性値に対して前記近似した材料硬化モデルを適用することにより、前記プレス成形後の材料のスプリングバック量を予測する方法が開示されている。
また、特許文献2には、引張−除荷−圧縮などといった反転負荷を受ける弾塑性材料の応力−ひずみ関係の実験値に基づいて同定した独自の材料定数を用いて前記弾塑性材料の応力−ひずみ関係をシミュレートし、前記弾塑性材料のプレス成形解析により得られた離型前のプレス成形品の弾塑性構成式に前記シミュレートした応力−ひずみ関係を適用することにより、前記プレス成形品の離型後のスプリングバック量を予測する方法が開示されている。
特開2000−312933号公報 特開2014−178168号公報
近年、図7に一例として示すように、引張変形と圧縮変形とで加工硬化挙動が異なる鋼板が用いられており、複層組織を有する鋼板では加工硬化挙動の差異が特に顕著である。そして、このような引張変形と圧縮変形とで加工硬化挙動が異なる鋼板を用いてプレス成形した部品のスプリングバック量を精度良く予測するためには、引張試験と同様に前記試験片の圧縮試験を行い、引張変形と圧縮変形とのそれぞれについて応力−ひずみ関係を取得し、引張試験結果から同定した加工硬化挙動と圧縮試験結果から同定した加工硬化挙動の双方を考慮してスプリングバック量を予測する必要がある。
しかしながら、特許文献1および2に開示されている方法は、いずれも、引張−除荷あるいは引張−除荷−圧縮のように、引張変形させた後に除荷あるいは圧縮変形させる反転負荷を受ける材料の応力−ひずみ関係を与えて予測するものであるが、与える応力−ひずみ関係は引張変形と圧縮変形について対称(同一)となるものであり、引張変形と圧縮変形とで加工硬化挙動が異なる材料をプレス成形したときのスプリングバック量の予測に対しては、特許文献1および2に開示されている方法をそのまま適用することができない。
さらに、特許文献1および2に開示されている方法は、プレス成形解析により得られた成形後の材料の情報に基づいてスプリングバック量を予測するものであるため、プレス成形解析を行うコストを要するものであった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、引張変形と圧縮変形とで加工硬化挙動が異なる金属板材を曲げ変形させた曲げ部におけるスプリングバック量を、前記金属板材を曲げ変形させるプレス成形解析を行うことなく精度良く予測することができるスプリングバック量予測方法を提供することを目的とする。
金属板材を曲げ変形させた曲げ部におけるスプリングバック量は、当該曲げ部の曲げモーメントを算出し、該算出した曲げモーメントにより前記曲げ部の曲げ角度の変化量として求めることができる。そして、前記曲げ部の曲げモーメントは、該曲げ部において圧縮変形が生じる部位と引張変形が生じる部位それぞれにおける圧縮応力と引張応力により求めることができる。
ここで、引張変形と圧縮変形とで加工硬化挙動が同じ金属板材を曲げ変形させた場合、曲げ変形の内側においては圧縮変形が、曲げ変形の外側においては引張変形が生じ、板厚方向の中心には伸びも縮みもしない中立面が存在する。そして、この中立面を基準として引張変形と圧縮変形それぞれの部位におけるひずみを推算することにより、応力を推定することができる。
しかしながら、引張変形と圧縮変形とで加工硬化挙動が異なる金属板材を曲げ変形させた場合における中立面は、引張変形と圧縮変形とで加工硬化挙動が等しい金属板材を曲げ変形させた場合における中立面の位置とは異なると考えられる。
そこで、本発明者は、鋭意検討した結果、引張変形と圧縮変形とで加工硬化挙動が異なる金属板材を曲げ変形させた場合における中立面の位置を該曲げ部内における引張応力と圧縮応力との釣り合いの関係から求め、該求めた中立面の位置に基づいて取得した圧縮応力と引張応力により曲げモーメントを算出することにより、該曲げ部のスプリングバック量を精度良く求めることを見い出した。
本発明は係る検討に基づいてなされたものであり、具体的には以下の構成を備えてなるものである。
(1)本発明に係るスプリングバック量予測方法は、引張変形と圧縮変形とで加工硬化挙動が異なる金属板材を金型によって曲げ変形させた曲げ部におけるスプリングバック量を予測するものであって、前記金属板材の引張変形および圧縮変形それぞれにおける応力−ひずみ関係を取得する応力−ひずみ関係取得フローと、取得した前記応力−ひずみ関係に基づいて求めた金型離型前における前記金属板材の曲げ部の内部応力の釣り合い関係、又は、前記曲げ部の内部応力と外力との釣り合い関係から前記曲げ部における中立面半径を決定する中立面半径決定フローと、該中立面半径決定フローで決定された中立面半径と、前記応力−ひずみ関係取得フローで取得した応力−ひずみ関係とに基づいて金型離型前における前記曲げ部の曲げモーメントを求めて、該求めた曲げモーメントに基づいて前記曲げ部のスプリングバック量を算出するスプリングバック量算出フローと、を備えたことを特徴とするものである。
(2)上記(1)に記載のものにおいて、前記中立面半径決定フローは、前記曲げ部における任意の曲げ半径raを仮の中立面半径として、前記曲げ部におけるひずみの板厚方向分布を設定するひずみ分布設定ステップと、該設定したひずみの板厚方向分布と、前記応力−ひずみ関係取得フローで取得した応力−ひずみ関係とを用いて、前記曲げ部における引張応力σθおよび圧縮応力σθcの板厚方向分布を取得する応力分布取得ステップと、該取得した引張応力σθおよび圧縮応力σθcの板厚方向分布を下式(a)に代入し、下式(b)と連立して曲げ半径rnを中立面半径として求める曲げ半径算出ステップとを有し、前記スプリングバック量算出フローは、前記中立面半径決定フローで求めた曲げ半径rnを中立面半径として、前記曲げ部におけるひずみの板厚方向分布を設定し、該設定したひずみの板厚方向分布と前記応力−ひずみ関係取得フローで取得した応力−ひずみ関係とを用いて、前記曲げ部における引張応力σθおよび圧縮応力σθcの板厚方向分布を再取得する応力分布再取得ステップと、該再取得した引張応力σθおよび圧縮応力σθcの板厚方向分布と、前記求めた曲げ半径rnとを下式(c)に代入し、前記曲げ部の曲げモーメントMを算出する曲げモーメント算出ステップと、該算出した曲げモーメントMと前記求めた曲げ半径rnを下式(d)に代入し、前記曲げ部の曲げ角度のスプリングバックによる変化量δθを算出する曲げ角度変化量算出ステップと、を備えたことを特徴とするものである。
(3)上記(2)に記載のものにおいて、前記中立面半径決定フローは、前記曲げ半径算出ステップで算出した曲げ半径rnと前記ひずみ分布設定ステップにおける任意の曲げ半径raとの差分が予め定めた所定の範囲内かどうかを判定する判定ステップを有し、該判定ステップで前記差分が所定の範囲内であった場合には、前記算出した曲げ半径rnを中立面半径として決定し、前記判定ステップで前記差分が所定の範囲内でなかった場合には、前記算出した曲げ半径rnを仮の曲げ半径raとして前記ひずみ分布設定ステップによってひずみの板厚方向分布を設定して、前記応力分布取得ステップ、前記曲げ半径算出ステップ及び前記判定ステップを前記差分が所定の範囲内になるまで繰り返し、所定の範囲内になったときの曲げ半径rnを中立面半径として決定することを特徴とするものである。
(4)上記(2)に記載のものにおいて、前記中立面半径決定フローは、前記曲げ半径算出ステップで算出した曲げ半径rnを仮の曲げ半径raとして前記ひずみ分布設定ステップによってひずみの板厚方向分布を設定し、前記応力分布取得ステップと前記曲げ半径算出ステップを所定の回数繰り返して求めた曲げ半径rnを中立面半径として決定することを特徴とするものである。
本発明においては、引張変形と圧縮変形とで加工硬化挙動が異なる金属板材を金型によって曲げ変形させた曲げ部におけるスプリングバック量を予測するものであって、前記金属板材の引張変形および圧縮変形それぞれにおける応力−ひずみ関係を取得する応力−ひずみ関係取得フローと、取得した前記応力−ひずみ関係に基づいて求めた金型離型前における前記曲げ部の内部応力の釣り合い関係、又は、前記曲げ部の内部応力と外力との釣り合い関係から前記曲げ部における中立面半径を決定する中立面半径決定フローと、該中立面半径決定フローで決定された中立面半径と、前記応力−ひずみ関係取得フローで取得した応力−ひずみ関係とに基づいて金型離型前における前記曲げ部の曲げモーメントを求めて、該求めた曲げモーメントに基づいて前記曲げ部のスプリングバック量を算出するスプリングバック量算出フローと、を備えたことにより、引張変形と圧縮変形とで加工硬化挙動が異なる金属板材を曲げ変形させた曲げ部におけるスプリングバック量を、前記金属板材のプレス成形解析を行うことなく精度良く予測することができる。
本発明の実施の形態1に係るスプリングバック量予測方法における処理の流れを説明する説明図である。 本発明で対象とする曲げ部をプレス成形(ドロー成形)により形成する過程を示す説明図である。 本発明で対象とする曲げ部が曲げ変形される過程を説明する図である。 本発明で対象とする曲げ部が曲げ変形された後の引張応力と圧縮応力を説明する図である。 本発明の実施の形態2に係るスプリングバック量予測方法における処理の流れを説明する説明図である。 実施例において、曲げ部のスプリングバックによる曲げ角度の変化量の計算結果と実験結果との比較を示すグラフである。 本発明で対象とする引張変形と圧縮変形とで加工硬化挙動が異なる金属板材の一例の応力−ひずみ関係を示すグラフである(縦軸:真応力、横軸:真ひずみ)。 本発明で対象とする曲げ部をプレス成形(フォーム成形)により形成する過程を示す説明図である。
本発明の実施の形態に係るスプリングバック量予測方法を説明するにあたって、まずは、引張変形と圧縮変形とで加工硬化挙動が異なる金属板材を曲げ変形させた曲げ部に生じるスプリングバックについて説明する。
曲げ部23は、図2に一例として示すように、パンチ3とダイ5とブランクホルダ7とを備えた金型1によりプレス成形品21が成形される過程で金属板材からなるブランク11が曲げ変形されたものである。
ここで、プレス成形品21は、以下の過程により成形される。
まず、図2(a)に示すように、ダイ5とブランクホルダ7によりブランク11を挟持する。
次に、図2(b)に示すように、ブランク11が挟持された状態のまま、ダイ5とパンチ3を成形下死点まで相対移動させて、パンチ肩部3aによりブランク11を曲げ変形させた曲げ部23を有するプレス成形品21を成形する。
このように成形されたプレス成形品21は、図2(c)に示すようにダイ5を上方に移動させて金型1を離型すると、曲げ部23内の応力が解放されて曲げ部23の内側の曲げ角度が増加する方向にスプリングバックが生じる。
次に、ブランク11を曲げ変形させて曲げ部23が形成される過程を図3に示す。
図3(a)は、曲げ変形される前のブランク11における曲げ部23に相当する部位13を示したものであり、部位13の板厚をt0、板幅をb0とする。
図3(b)は、曲げ変形される前の部位13に張力Tが作用した状態であり、この時の板厚をtT、板幅をbTとする。
ここで、部位13に作用する張力Tは、図2(b)に示すようにブランク11をダイ5とブランクホルダ7で挟持した状態で曲げ部23を形成する際にブランク11に作用する力を想定したものである。
図3(c)は、金型1の離型前における曲げ部23(図2(b)参照)を図示したものであり、この時の板厚をt、板幅をbとする。そして、曲げ部23の内側(中立面に対して曲げ中心Cと同じ側)の曲げ半径をri、外側(中立面に対して曲げ中心Cと反対側)の曲げ半径をro、曲げ角度をθとする。なお、曲げ部23の内側の曲げ半径riは、離型前のためパンチ3のパンチ肩半径と等しく、曲げ部23の外側の曲げ半径roは、内側の曲げ半径riと板厚tの和(ro=ri+t)で表される。
曲げ部23においては、図4に示すように、内側の部位は圧縮変形、外側の部位は引張変形しており、圧縮変形した部位には圧縮応力σθcが、引張変形した部位には引張応力σθが生じている。そして、圧縮変形した部位と引張変形した部位の境界は、伸び縮みしないでひずみが0の中立面と考えられる。ここで、中立面の位置は、図3(c)に示すように、板厚方向における曲げ半径rnを用いて表すものとする。
なお、通常の薄鋼板の成形においては、板幅は板厚よりも十分大きく、幅方向への変形は微小であるため、曲げ部23が形成される過程(図3参照)において、板幅は常に一定(b0=bT=b)と仮定することができる。
このように曲げ変形された曲げ部23の金型離型後におけるスプリングバック量は、従来、以下のように予測されていた。
まず、曲げ変形された後の曲げ部23における曲げ半径rnと板厚tを求めるため、曲げ変形中の内部応力の釣り合いを考える。曲げ変形中、ブランク11の部位13(図3(b)参照)における内部応力の総和は外力である張力Tと釣り合って成形が進み、曲げ変形された曲げ部23が形成される。
曲げ変形された曲げ部23の内部は、図4(a)に示すように、riからrnでの曲げ内側では圧縮変形となっており、rnからroまでの曲げ外側では引張変形となっている。
そして、引張変形と圧縮変形との加工硬化挙動の違いを考慮しない場合、圧縮変形した部位における圧縮応力σθcを引張応力σθにより与えることにより、曲げ部23における内部応力と外力との釣り合いの関係を式(1)により与えていた。
式(1)は、圧縮変形した部位における圧縮応力σθcをσθc=-σθと与えたものである。
さらに、曲げ部23においては、曲げ変形されてひずみが加わっても材料の体積は一定であり、また板幅は曲げ変形される過程において不変であると仮定すると、板断面の面積は一定であるので式(2)が成立する。
そして、式(1)と式(2)とを連立させることで、曲げ部23の曲げ半径rnと板厚tが求められる。
さらに、求めた曲げ半径rnと板厚tを式(3)に代入し、曲げ部23の曲げモーメントMが算出される。
最後に、式(3)により算出した曲げモーメントMと曲げ半径rnを式(4)に代入することで、曲げ部23のスプリングバックによる曲げ角度θの変化量δθが求められる。
式(4)において、Eはブランク11として用いた金属板材のヤング率、Iは曲げ部23の断面二次モーメントである。
このように、従来の方法では、引張変形と圧縮変形とで加工硬化挙動が同じである金属板材を対象としているため、引張応力により曲げ部における応力の板厚方向分布を与えることにより、曲げ部23のスプリングバックによる曲げ角度の変化量δθが予測されていた。
しかしながら、引張変形と圧縮変形とで加工硬化挙動が異なる金属板材を曲げ変形させた場合では、曲げ部において内部応力の釣り合いの関係を与えるためには、曲げ変形された部位における引張応力に加えて圧縮応力を考慮する必要があるため、上記の従来の方法では、曲げ部における中立面の位置と応力の板厚方向分布を決定することができず、その結果、スプリングバック量を予測することはできなかった。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、以下、その構成を具体的に説明する。
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1に係るスプリングバック量予測方法は、図2に示すように、引張変形と圧縮変形とで加工硬化挙動が異なる金属板材からなるブランク11を金型1によって曲げ変形させた曲げ部23におけるスプリングバック量を予測するものであって、図1に示すように、応力−ひずみ関係取得フローF1と、中立面半径決定フローF3と、スプリングバック量算出フローF5と、を備えたものである。以下、上記の各フローについて説明する。
<応力−ひずみ関係取得フロー>
応力−ひずみ関係取得フローF1は、ブランク11として用いた金属板材の引張変形および圧縮変形それぞれにおける応力−ひずみ関係を取得するものである。
応力−ひずみ関係取得フローF1においては、例えば、ブランク11と同じ材料からなる試験片を用いた単軸引張試験および単軸圧縮試験により引張変形および圧縮変形それぞれにおける応力−ひずみ関係(図7参照)を取得することができる。
<中立面半径決定フロー>
中立面半径決定フローF3は、応力−ひずみ関係取得フローF1にて取得した前記応力−ひずみ関係に基づいて求めた金型離型前における曲げ部23の内部応力と外力との釣り合い関係から曲げ部23における中立面半径を決定するものであり、図1に示すように、ひずみ分布設定ステップS1と、応力分布取得ステップS3と、曲げ半径算出ステップS5からなる。
≪ひずみ分布設定ステップ≫
ひずみ分布設定ステップS1は、曲げ部23における任意の曲げ半径raを仮の中立面半径として、曲げ部23におけるひずみの板厚方向分布を設定するものである。
ここで、曲げ部23における任意の曲げ半径raは、例えば、曲げ部23の内側の曲げ半径riと外側の曲げ半径roを用いてra=(ri+ro)/2と設定することができる。なお、曲げ部23の外側の曲げ半径roは、内側の曲げ半径riと、曲げ部23における板厚tを用いて、ro=ri+tにより与えることができる。
そして、仮の中立面半径とした曲げ半径raの位置においてはひずみが0であるものとし、仮の中立面よりも曲げ変形の内側においては圧縮変形が、中立面よりも曲げ変形の外側においては引張変形が生じているものとして(図4(b)参照)、圧縮変形および引張変形それぞれが生じている部位におけるひずみの板厚方向分布を算出する。
≪応力分布取得ステップ≫
応力分布取得ステップS3は、ひずみ分布設定ステップS1において設定したひずみの板厚方向分布と、応力−ひずみ関係取得フローF1で取得した応力−ひずみ関係とを用いて、図4(b)に示すように、曲げ部23において圧縮変形が生じている部位における圧縮応力σθcの板厚方向分布と、引張変形が生じている部位における引張応力σθの板厚方向分布をそれぞれ取得するものである。
≪曲げ半径算出ステップ≫
曲げ半径算出ステップS5は、応力分布取得ステップS3において取得した圧縮応力σθcおよび引張応力σθの板厚方向分布を下式(5)に代入し、上記の式(2)と連立して算出される曲げ半径rnを曲げ部23における中立面半径として求めるものである。
ここで、式(5)は、曲げ部23における内部応力(圧縮応力σθcおよび引張応力σθ)と、曲げ部23に作用する張力Tとの釣り合いの関係を表すものである。
<スプリングバック量算出フロー>
スプリングバック量算出フローF5は、中立面半径決定フローF3で決定された中立面半径と、応力−ひずみ関係取得フローF1で取得した応力−ひずみ関係とに基づいて金型1の離型前における曲げ部23の曲げモーメントを求め、該求めた曲げモーメントに基づいて曲げ部23のスプリングバック量を算出するものであり、図1に示すように、応力分布再取得ステップS7と、曲げモーメント算出ステップS9と、曲げ角度変化量算出ステップS11からなる。
≪応力分布再取得ステップ≫
応力分布再取得ステップS7は、曲げ半径算出ステップS5において算出した曲げ半径rnを中立面半径として、曲げ部23におけるひずみの板厚方向分布を設定し、該設定したひずみの板厚方向分布と応力−ひずみ関係取得フローF1で取得した応力−ひずみ関係とを用いて、曲げ部23における圧縮応力σθcおよび引張応力σθの板厚方向分布を再取得するものである。
≪曲げモーメント算出ステップ≫
曲げモーメント算出ステップS9は、応力分布再取得ステップS7において再取得した圧縮応力σθcおよび引張応力σθの板厚方向分布を用いて曲げ部23の曲げモーメントを算出するものである。
曲げ部23を曲げ変形させるときの曲げモーメントMは、曲げ部23内の応力と曲げ中心からの距離の積の総和であることから、圧縮応力σθcおよび引張応力σθの板厚方向分布と、曲げ半径算出ステップS5において算出した曲げ半径rnとを式(6)に代入して算出することができる。
式(6)において、曲げ部23の外側の曲げ半径roは、曲げ半径算出ステップS5で算出した板厚tを用いてro=ri+tにより与えられる。
≪曲げ角度変化量算出ステップ≫
曲げ角度変化量算出ステップS11は、曲げ部23の曲げ角度θのスプリングバックによる変化量δθを算出するものであり、曲げモーメント算出ステップS9において算出した曲げモーメントMと、曲げ半径算出ステップS5において算出した曲げ半径rnを式(4)に代入して求めることができる。
以上、実施の形態1に係るスプリングバック量予測方法によれば、引張変形および圧縮変形それぞれの加工硬化挙動(応力−ひずみ関係)と、曲げ変形される曲げ部の幾何形状として板幅、板厚、内側の曲げ半径(パンチ肩半径)を与えることにより、プレス成形解析を行うことなく、引張変形と圧縮変形とで加工硬化挙動が異なる金属板材を曲げ変形した曲げ部の曲げ角度のスプリングバックによる変化量を予測することができる。
なお、上記の説明は、ブランク11をダイ5とブランクホルダ7で挟持したまま曲げ変形させるドロー成形を想定し、ブランク11における曲げ部23に相当する部位13に張力Tが作用した場合についてのものであったが、本発明に係る曲げ半径算出ステップは、これに限るものではなく、フォーム成形を想定したものであってもよい。
例えば図8に示すフォーム成形のように、ブランク11をブランクホルダ7(図2参照)で挟持せず、パンチ9とダイ5を備えた金型2を用いてブランク11を曲げ変形させて曲げ部23を形成する場合、成形過程においてブランク11における曲げ部23に相当する部位13に張力Tが作用しないと考えられる。そのため、曲げ半径算出ステップは、式(5)において張力T=0(ゼロ)として曲げ部23の内部応力の釣り合いの関係を与えるとともに、式(2)において曲げ変形前の板厚tTには張力Tを作用させていないときのブランク11の板厚t0を与え、式(5)と式(2)とを連立して曲げ半径rnを求めるものであってもよい。
[実施の形態2]
上述の実施の形態1に係る中立面半径決定フローF3(図1参照)は、仮の中立面半径に基づいて応力の板厚方向分布を設定し、この応力の板厚方向分布を用いて求めた曲げ半径rnを中立面半径として決定するものであり、ひずみ分布設定ステップS1と応力分布取得ステップS3と曲げ半径算出ステップS5とを順に一回だけ行うものである。
このため、仮の中立面半径の設定の仕方によっては、応力分布取得ステップS3で用いた仮の中立面半径と曲げ半径算出ステップS5で決定した中立面半径との間に乖離があり、中立面半径が十分な精度で決定されない場合がある。
そこで、本発明の実施の形態2では、中立面半径決定フローF3において曲げ半径算出ステップS5を繰り返し行うことにより十分な精度で中立面半径を決定するようにした。以下、実施の形態2に係るスプリングバック量予測方法を説明する。
実施の形態2に係るスプリングバック量予測方法は、図5に示すように、中立面半径決定フローF3が、ひずみ分布設定ステップS1と、応力分布取得ステップS3と、曲げ半径算出ステップS5と、判定ステップS13とを備えたものである。ここで、ひずみ分布設定ステップS1と、応力分布取得ステップS3と、曲げ半径算出ステップS5は、上述の実施の形態1と同じなので、以下、判定ステップS13について説明する。
≪判定ステップ≫
判定ステップS13は、曲げ半径算出ステップS5において算出した曲げ半径rnとひずみ分布設定ステップS1における任意の曲げ半径raの差分Δr(=rn-ra)が予め定めた所定の範囲内(|Δr|≦ε)かどうかを判定するものである。ここで、εは、十分に小さい値である。
本実施の形態2における中立面半径決定フローF3の処理の流れは以下のとおりである。
まず、ひずみ分布設定ステップS1、応力分布取得ステップS3および曲げ半径算出ステップS5を順に実行し、曲げ部23の曲げ半径rnを算出する。
そして、判定ステップS13において、曲げ半径算出ステップS5で算出した曲げ半径rnとひずみ分布設定ステップS1における任意の曲げ半径raとの差分Δrを算出する(Δr=rn-ra)。
算出した差分Δrが所定の範囲内であった場合(|Δr|≦ε)、曲げ半径算出ステップS5において算出した曲げ半径rnを中立面半径として決定し、図5に示すようにスプリングバック量算出フローF5に進む。
これに対し、判定ステップS13において、差分Δrが所定の範囲内でない場合(|Δr|>ε)、図5に示すようにひずみ分布設定ステップS1に戻り、曲げ半径算出ステップS5において算出した曲げ半径rnを仮の中立面半径として(ra=rn)ひずみの板厚方向分布を設定し、引き続いて応力分布取得ステップS3、曲げ半径算出ステップS5及び判定ステップS13を、差分Δrが所定の範囲内になるまで繰り返す。
そして、判定ステップS13において差分Δrが所定の範囲内になったとき(|Δr|≦ε)、曲げ半径算出ステップS5で算出した曲げ半径rnを中立面半径として決定し、スプリングバック量算出フローF5に進む。
このように、本実施の形態2に係るスプリングバック量予測方法においては、ひずみ分布設定ステップS1、応力分布取得ステップS3、曲げ半径算出ステップS5および判定ステップS13を繰り返し実行することにより、曲げ部23の中立面半径を精度良く決定することができ、曲げ部23における曲げモーメントMおよび曲げ角度の変化量δθの精度をより向上させることができて好ましい。
なお、上記の説明は、判定ステップS13において差分Δrが所定の範囲内となるまでひずみ分布設定ステップS1と、応力分布取得ステップS3と、曲げ半径算出ステップS5とを繰り返し行うものであったが、本発明に係るスプリングバック量予測方法は、判定ステップS13において差分Δrが所定の範囲内となったかどうかを判定せずに、ひずみ分布設定ステップS1と、応力分布取得ステップS3と、曲げ半径算出ステップS5とを順に所定の回数繰り返し行った後に算出された曲げ半径rnを中立面半径として決定するものであっても良い。
この場合、ひずみ分布設定ステップS1と、応力分布取得ステップS3と、曲げ半径算出ステップS5を繰り返し行う所定の回数については、算出した曲げ半径rnとひずみ分布設定ステップS1における曲げ半径raとの差分Δrが十分に小さくなるように、適宜設定すれば良い。
本発明に係るスプリングバック量予測方法の作用効果について確認するための検証を行ったので、以下、これについて説明する。
本実施例では、引張変形と圧縮変形とで加工硬化挙動が異なる金属板材からなるブランク11を図8に示すようにフォーム成形によりプレス成形品21をハット断面形状にプレス成形し、金型1の離型後(図8(c))における曲げ部23の曲げ角度のスプリングバックによる変化量を求めた。
ここで、ブランク11の長さを300mm、板幅b0を100mm、板厚t0=1.4mmとし、プレス成形品21の曲げ部23の内側の曲げ半径ri(=パンチ肩半径)を10mm、曲げ角度θを90°とした(図3参照)。
なお、プレス成形品21は、フォーム成形されたハット断面部品を想定しているため、ブランク11における曲げ部23に相当する部位13に作用する張力Tを0(ゼロ)とし、曲げ部23の板幅bは、ブランク11の板幅b0と等しいとした(図3(c)参照)。
曲げ角度の変化量δθの算出にあたって、まず、ブランク11と同じ材料からなる試験片を用いて単軸引張試験および単軸圧縮試験を行い、引張変形および圧縮変形における応力−ひずみ関係を取得した。
本実施例では、材料の強度レベル(980MPa級)および板厚(1.4mm)が等しく、加工硬化挙動が異なる金属板材として、2種類の鋼板Aおよび鋼板Bをブランク11とした。
そして、それぞれの鋼板の試験片を用いて取得した応力−ひずみ関係をSwiftの式で近似し、表1に示す材料定数を定めた。
表1において、C、εpおよびnは引張変形における材料定数、Cc、εpcおよびncは圧縮変形における材料定数である。
本実施例では、発明例として、表1に示す材料定数を用いてSwiftの式により引張応力σθおよび圧縮応力σθcの板厚方向分布を取得し、式(5)と式(2)を連立して曲げ部23における曲げ半径rnおよび板厚tを求めた。
次に、求めた曲げ半径rnを中立面半径としてSwiftの式により引張応力σθおよび圧縮応力σθcの板厚方向分布を再取得した。
そして、再取得した引張応力σθおよび圧縮応力σθcの板厚方向分布と前記求めた曲げ半径rnを式(3)に代入して曲げモーメントMを算出した。
さらに、該算出した曲げモーメントMと前記曲げ半径rnを式(4)に代入して曲げ角度の変化量δθを算出した。
発明例において鋼板Aを用いた場合、式(5)と式(2)を連立して求めた曲げ部23の曲げ半径rnおよび板厚tは、rn=10.68mmおよびt=1.416mmであった。
そして、該算出した曲げ半径rnを中立面半径として式(3)により算出した曲げモーメントMは、M=573.0N・mであり、式(4)により算出した曲げ角度の変化量δθは、δθ=3.519°であった。
また、発明例において鋼板Bを用いた場合、式(5)と式(2)を連立して求めた曲げ部23の曲げ半径rnおよび板厚tは、rn=10.69mmおよびt=1.426mmであった。
そして、該算出した曲げ半径rnを中立面半径として式(3)により算出した曲げモーメントMは、M=642.6N・mであり、式(4)に算出した曲げ角度の変化量δθは、δθ=3.862°であった。
さらに、本実施例では、発明例において算出した曲げ角度の変化量の比較対象として、引張変形と圧縮変形とで加工硬化挙動が等しいとする従来の方法により曲げ部23のスプリングバックによる曲げ角度の変化量δθを算出したものを比較例とした。
比較例においては、表1に示す引張変形における材料定数(C、εpおよびn)を圧縮変形にも適用してSwiftの式により引張応力σθおよび圧縮応力σθcの双方の板厚方向分布を算出し、曲げ部23における曲げ半径rnと板厚tは、式(1)および(2)を連立して曲げ部23における曲げ半径rnおよび板厚tを求めた。
そして、発明例と同様に、前記求めた曲げ半径rnを中立面半径としてSwiftの式により引張応力σθおよび圧縮応力σθcの板厚方向分布を再取得し、曲げモーメントMおよび曲げ角度の変化量δθは、式(3)および(4)を用いて算出した。
比較例において鋼板Aを用いた場合、式(1)と式(2)を連立して求めた曲げ部23の曲げ半径rnおよび板厚tは、rn=10.71mmおよびt=1.423mmであった。
そして、該算出した曲げ半径rnを中立面半径として式(3)により算出した曲げモーメントMは、M=559.1N・mであり、曲げ半径rnおよび曲げモーメントMを式(4)に代入して算出した曲げ角度の変化量δθは、δθ=3.293°であった。
また、比較例において鋼板Bを用いた場合、式(1)と式(2)を連立して求めた曲げ部23の曲げ半径rnおよび板厚tは、rn=10.71mmおよびt=1.429mmであった。
そして、該算出した曲げ半径rnを中立面半径として式(3)により算出した曲げモーメントMは、M=622.6N・mであり、式(4)により算出した曲げ角度の変化量δθは、δθ=3.621°であった。
図6に、上記の発明例および比較例における曲げ角度の変化量δθの計算結果を比較したグラフを示す。図6に示すグラフにおいて、縦軸は、プレス成形品21の金型離型後における曲げ部23のスプリングバックによる曲げ角度の変化量の実験結果を基準として、発明例および比較例における曲げ角度の変化量の計算結果との比を求めたものである。
図6より、比較例における曲げ角度の変化量の計算結果に比べて、発明例における曲げ角度の変化量の計算結果は、鋼板Aおよび鋼板Bのいずれにおいても実験結果との乖離が小さく(比が1に近くて)、曲げ角度のスプリングバックによる変化量の予測精度が向上していることが確認できた。
以上より、本発明に係るスプリングバック量予測方法によれば、引張変形と圧縮変形とで加工硬化が異なる金属板材を曲げ変形させた曲げ部において、引張応力と圧縮応力それぞれの応力−ひずみ関係を考慮することで、曲げ部の曲げ角度のスプリングバックによる変化量を精度良く予測できることが示された。
1 金型(ドロー成形)
2 金型(フォーム成形)
3 パンチ
3a パンチ肩部
5 ダイ
7 ブランクホルダ
9 パンチ
11 ブランク
13 部位
21 プレス成形品
23 曲げ部

Claims (4)

  1. 引張変形と圧縮変形とで加工硬化挙動が異なる金属板材を金型によって曲げ変形させた曲げ部におけるスプリングバック量を予測するスプリングバック量予測方法であって、
    前記金属板材の引張変形および圧縮変形それぞれにおける応力−ひずみ関係を取得する応力−ひずみ関係取得フローと、
    取得した前記応力−ひずみ関係に基づいて求めた金型離型前における前記曲げ部の内部応力の釣り合い関係、又は、前記曲げ部の内部応力と外力との釣り合い関係から前記曲げ部における中立面半径を決定する中立面半径決定フローと、
    該中立面半径決定フローで決定された中立面半径と、前記応力−ひずみ関係取得フローで取得した応力−ひずみ関係とに基づいて金型離型前における前記曲げ部の曲げモーメントを求めて、該求めた曲げモーメントに基づいて前記曲げ部のスプリングバック量を算出するスプリングバック量算出フローと、を備えたことを特徴とするスプリングバック量予測方法。
  2. 前記中立面半径決定フローは、
    前記曲げ部における任意の曲げ半径raを仮の中立面半径として、前記曲げ部におけるひずみの板厚方向分布を設定するひずみ分布設定ステップと、
    該設定したひずみの板厚方向分布と、前記応力−ひずみ関係取得フローで取得した応力−ひずみ関係とを用いて、前記曲げ部における引張応力σθおよび圧縮応力σθcの板厚方向分布を取得する応力分布取得ステップと、
    該取得した引張応力σθおよび圧縮応力σθcの板厚方向分布を下式(a)に代入し、下式(b)と連立して曲げ半径rnを中立面半径として求める曲げ半径算出ステップとを有し、
    前記スプリングバック量算出フローは、
    前記中立面半径決定フローで求めた曲げ半径rnを中立面半径として、前記曲げ部におけるひずみの板厚方向分布を設定し、該設定したひずみの板厚方向分布と前記応力−ひずみ関係取得フローで取得した応力−ひずみ関係とを用いて、前記曲げ部における引張応力σθおよび圧縮応力σθcの板厚方向分布を再取得する応力分布再取得ステップと、
    該再取得した引張応力σθおよび圧縮応力σθcの板厚方向分布と、前記求めた曲げ半径rnとを下式(c)に代入し、前記曲げ部の曲げモーメントMを算出する曲げモーメント算出ステップと、
    該算出した曲げモーメントMと前記求めた曲げ半径rnを下式(d)に代入し、前記曲げ部の曲げ角度のスプリングバックによる変化量δθを算出する曲げ角度変化量算出ステップと、を備えたことを特徴とする請求項1記載のスプリングバック量予測方法。
  3. 前記中立面半径決定フローは、前記曲げ半径算出ステップで算出した曲げ半径rnと前記ひずみ分布設定ステップにおける任意の曲げ半径raとの差分が予め定めた所定の範囲内かどうかを判定する判定ステップを有し、
    該判定ステップで前記差分が所定の範囲内であった場合には、前記算出した曲げ半径rnを中立面半径として決定し、
    前記判定ステップで前記差分が所定の範囲内でなかった場合には、前記算出した曲げ半径rnを仮の曲げ半径raとして前記ひずみ分布設定ステップによってひずみの板厚方向分布を設定して、前記応力分布取得ステップ、前記曲げ半径算出ステップ及び前記判定ステップを前記差分が所定の範囲内になるまで繰り返し、所定の範囲内になったときの曲げ半径rnを中立面半径として決定することを特徴とする請求項2記載のスプリングバック量予測方法。
  4. 前記中立面半径決定フローは、前記曲げ半径算出ステップで算出した曲げ半径rnを仮の曲げ半径raとして前記ひずみ分布設定ステップによってひずみの板厚方向分布を設定し、前記応力分布取得ステップと前記曲げ半径算出ステップを所定の回数繰り返して求めた曲げ半径rnを中立面半径として決定することを特徴とする請求項2記載のスプリングバック量予測方法。
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