JP2008142774A - 応力−ひずみ関係シミュレート方法、応力−ひずみ関係シミュレーションシステム、応力−ひずみ関係シミュレーションプログラム、及び当該プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

応力−ひずみ関係シミュレート方法、応力−ひずみ関係シミュレーションシステム、応力−ひずみ関係シミュレーションプログラム、及び当該プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 プレス成形における被成形材の応力−ひずみ関係をシミュレートするのに好適な応力−ひずみ関係シミュレート方法、応力−ひずみ関係シミュレーションシステム、及び応力−ひずみ関係シミュレーションプログラムを提供する。
【解決手段】応力−ひずみ関係シミュレーションシステム100を、試験結果取得部10で取得した試験の結果に基づき、シミュレーションに用いる塑性構成式のパラメータを同定するパラメータ同定部11と、この同定結果を入力した前記塑性構成式を用いて、プレス成形時の材料の応力−ひずみ関係をシミュレートする第1シミュレート部13と、第1シミュレート部13のシミュレーションの結果と、前記同定結果を入力した塑性構成式とを用いて、スプリングバック時の材料の応力−ひずみ関係をシミュレートする第2シミュレート部14と、シミュレーションの結果を画像表示する画像表示部15とを含んだ構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、プレス成形における被成形材の応力−ひずみ関係をシミュレートする、応力−ひずみ関係シミュレート方法、応力−ひずみ関係シミュレーションシステム、応力−ひずみ関係シミュレーションプログラム、及び当該プログラムを記録した記録媒体に関する。
昨今、例えば、自動車部品には、高張力鋼(引張強さ500MPa以上のハイテン材)が多用されている。
高張力鋼板のプレス成形は、従来の自動車用鋼板(軟鋼板)と比べ、成形加工が格段に困難であり、特に、プレス成形用の金型から離型後の高張力鋼板は、スプリングバックによる変形が極めて大きい。また、軟鋼板と比べ、成形に伴う割れも生じやすい。このように、成形の困難な高張力鋼板などの金属材料のプレス成形にあっては、そのプレス成形用の金型の設計に際して、スプリングバックによる変形を小さくしたり、割れを生じなくしたりするために、金型を試作し、実験を繰返すという、軟鋼板をプレス成形していた時代の方法を、そのまま踏襲すると、その繰返し回数が増え、金型の試作コストがその分増大する。そこで、プレス成形用の金型から離型後のスプリングバックを、計算により予測し、プレス成形用の金型の設計に反映するなどの手立てが講じられつつあるのが昨今の動向である。
スプリングバックのみならず、金属材料(以下、材料)に力をかけて成形を行った場合に、どのような変形をするかを計算により予測するプログラムやソフトウエアとして、例えば、有限要素法を用いたもの(例:LSTC製、LS−DYNA)などが知られている。
また、従来の有限要素法プログラムやソフトウエアは、計算を行うのに、塑性構成式を構成する各種定数パラメータの値を、実験結果に合うように同定するための計算を別のプログラムやソフトウエアを用いて行っている。例えば、特許文献1のように、有限要素法プログラムやスプリングバック量予測プログラムとは別に、同定プログラムを用意し、実験値の同定プログラムへの入力、同定プログラムによるパラメータの同定、同定結果を反映した塑性構成式のスプリングバック量予測プログラムへの入力といった一連の処理を自動化した発明がある。
また、特許文献1では、(a)材料をプレス成形する際の材料の応力、ひずみ、形状等の変化を、成形時に材料に負荷されるべき力に基づき、かつ、材料の応力−ひずみ関係に従ってシミュレートするのを第1工程、(b)その第1工程によりシミュレートされた応力、ひずみ、形状等の最終値に基づき、かつ、材料の応力−ひずみ関係に従って材料のスプリングバック量を予測するのを第2工程、として、材料の応力−ひずみ関係をシミュレートする方法を、第1工程、第2工程のいずれか一方、または双方に適用することも提案している。
一方、材料の応力−ひずみ関係をシミュレートするには、次に述べる特許文献2でも問題として挙げている、バウシンガ効果と呼ばれる現象を再現することが指向されている。
以下、特許文献2から図と文章を一部抜粋して、バウシンガ効果について説明する。
『一般的な弾塑性材料の応力−ひずみ曲線を、横軸にひずみ、縦軸に応力を取って示した図13を用いて、スプリングバックの様子を示す。図13に示すように、材料に引っ張りの外力を与え、負荷を加えていくと、弾性変形領域を経て、降伏点Aを境に塑性変形が起こる。この降伏点Aは、材料の塑性変形がはじめて開始されるときの降伏点であるから、特に初期降伏点と名づけ、そのときの応力を初期降伏応力Y0ということとする。初期降伏点Aを越えてさらに外力を与え続け、材料を塑性変形させ、所望の形状に対応する所定ひずみに至る点Bで加工をやめ、そこで外力を除荷する。塑性変形した材料から外力を除荷していくと、材料内の残留応力が均衡するバランス点Dの状態までいくらかひずみが元へもどり、このようにしてスプリングバックが起こる。
スプリングバック量は、除荷点Bのときのひずみ量と、バランス点Dにおけるひずみ量との差で与えられる。除荷点Bの後、材料は、まず弾性特性に従って逆方向に戻る。等方硬化モデルと呼ばれるモデルでは、応力ゼロの点Cに対し、除荷点Bと対象の点Eまで弾性領域と考えるので、バランス点Dに対応する弾性特性曲線上のひずみd1から、スプリングバック量を予測することになる。
しかし、実際上ほとんどの材料は、点Eより小さい応力下の点Fで降伏が起こり、弾性特性から外れる。この降伏を、初期降伏点と区別し、除荷過程における降伏点Fということにする。除荷過程の降伏点F以後の材料の応力―ひずみ曲線は、最初の引っ張り塑性変形のときの初期降伏点Aと除荷点Bの間の応力―ひずみ曲線より、傾きがより大きくなる。このように、除荷過程では負荷過程に比べて、降伏応力が低下し、応力―ひずみ曲線の傾きがより大きくなる現象は、バウシンガ効果と呼ばれる。材料の応力−ひずみ関係をシミュレートするのに、バウシンガ効果の再現が指向されていることは先にも述べたが、バウシンガ効果を考慮したとしても、そのしかたいかんにより、例えば、バランス点Dにおけるひずみ量を、図13中のd2とするかd3とするかにより、スプリングバック量の予測に差が生ずる。』
さて、ここで、話は変わるが、後述の実施形態との関係で、技術背景的なことを以下に少し説明する。
応力とひずみの関係は、先述の図13に説明したような関係にあるが、これは、材料をある特定の方向に引っ張ったり圧縮したりする場合について、模式的に示したものといえるが、材料は、実際には、3次元的な広がりをもった物体であり、引っ張ったり圧縮したりする方向を全天球的に考えると、先述の特許文献2から一部抜粋した説明中にも登場した初期降伏点Aは、ある特定の方向に引っ張ったり圧縮したりする場合について模式的に示した図13の中では、単なる1点であったものの、実際には、図14のごとく、応力=0、ひずみ=0の点を中心とし、先程の初期降伏点Aを通る、包絡球面状の降伏曲面Sとして仮想的に表現される(便宜的に2次元的に示している。実際には、3次元的に考える必要があるため、応力σ、ひずみεを示す各座標軸は、同図以降の図も含め、紙面の法線方向にもとることができる)。
初期降伏点の状態にあれば、降伏曲面Sは図14中の内側に示した状態にあるが、さらに、応力、ひずみが、ともに高まり、所望の形状に対応する所定ひずみに至る点Bに達した場合には、図14中の外側に示したような降伏曲面Sとして表現されることになる。図14中に示した降伏曲面Sは、点Aの状態から点Bの状態に移行しても、その中心Oは動かず、半径だけが大きくなるものと仮定している。
ここで、材料に加わる力の向きが反対方向になると、どうなるか、が次の問題であるが、先程の、応力、ひずみが、ともに所望の形状に対応する所定ひずみに至る点Bと符号が反対でちょうど大きさの同じ応力が加わったB'にて再度降伏が生じるものと仮定すると、前述の、降伏曲面Sは、その中心Oが動かず、半径だけが大きくなるもの、という仮定に変更を加えなくて済む。このように、降伏曲面Sの中心を移動させずにその半径だけを変化させて材料の応力−ひずみ関係をシミュレートする計算モデルのことを、等方硬化モデルという。しかしながら、この等方硬化モデルだけでは、バウシンガ効果を再現可能なシミュレーションを行うことはできない。
また、等方硬化モデルに対し、図15に示すごとく、応力、ひずみが、ともに高まっても、降伏曲面Sの半径は変わらず、その中心だけが移動するもの、と仮定するように材料の応力−ひずみ関係をシミュレートする計算モデルのことを、移動硬化モデルという。
さらに、これは図示しないが、降伏曲面Sの、中心も移動するし、半径も変化する、と仮定するように材料の応力−ひずみ関係をシミュレートする計算モデルのことを、複合硬化モデルという。
また、移動硬化モデルの一つであるが、図7に示すごとく、降伏曲面Sが動ける領域を規定する限界曲面BSを別に仮定する、公知の吉田−上森モデルもある。図7中、α、βは、それぞれ、降伏曲面S、限界曲面BSの中心の成分ベクトルである。
これら移動硬化モデル、複合硬化モデルなどによれば、バウシンガ効果を再現可能なシミュレーションを行うことができる。
特開2000−275154号公報 特開2003−194686号公報
しかしながら、上記特許文献1では、(a)プレス成形時をシミュレートする第1工程と、(b)スプリングバック時をシミュレートする第2工程とで、材料の応力−ひずみ関係のシミュレート方法を、共用することを提案してはいるものの、第1工程で用いる塑性構成式の内容と、第2工程で用いる塑性構成式の内容とが同一のものであるとまでは明記していない。従って、塑性構成式の内容(降伏関数の種類など)が、パラメータ同定時と、シミュレート時とで異なる場合に、シミュレート時に用いる塑性構成式に対して不適切な同定結果が適用され、シミュレーションの結果が不正確になる恐れがあった。
また、上記特許文献1も上記特許文献2も、シミュレーションの結果を、わかりやすく画像表示する機能において、十分とはいえなかった。
さらに、塑性構成式を構成するパラメータに、新たなパラメータを追加して、これらパラメータを同定する場合に、予め設定された初期値を用いて全てのパラメータを同時に同定すると、同定計算の収束性が悪くなり、同定結果を入力したシミュレーションの結果も、実験結果から大きく外れるようになることが新たにわかった。
本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであり、プレス成形における被成形材の応力−ひずみ関係をシミュレートするのに好適な応力−ひずみ関係シミュレート方法、応力−ひずみ関係シミュレーションシステム、応力−ひずみ関係シミュレーションプログラム、及び当該プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る請求項1記載の応力−ひずみ関係シミュレート方法は、
被成形材の応力−ひずみ関係を、前記被成形材の硬化則をモデル化した硬化モデルと、前記被成形材の降伏条件を与える降伏関数とを組み合わせて構成した塑性構成式にて、プレス成形における前記被成形材の応力−ひずみ関係をシミュレートする応力−ひずみ関係シミュレート方法であって、
前記被成形材に対して引張方向及び圧縮方向に負荷をかける試験の結果を取得する試験結果取得処理と、
前記試験の結果に基づき前記塑性構成式のパラメータを同定するパラメータ同定処理と、
前記同定されたパラメータを入力した塑性構成式を用いて、前記被成形材の応力−ひずみ関係をシミュレートするシミュレート処理と、を含み、
前記パラメータ同定処理及び前記シミュレート処理において、同一の塑性構成式を用いることを特徴とする。
ここで、上記硬化モデルには、先述したように、等方硬化モデル、移動硬化モデル、複合硬化モデル、吉田−上森モデルなどがある。
さらに、請求項2に係る発明は、請求項1記載の応力−ひずみ関係シミュレート方法において、
前記応力−ひずみ関係のシミュレート方法は、プレス成形時の応力−ひずみ関係をシミュレートする処理と、スプリングバック時の応力−ひずみ関係をシミュレートする処理の少なくとも一方を行うことを特徴とする。
さらに、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2記載の応力−ひずみ関係シミュレート方法において、
前記パラメータ同定処理において、複数の前記パラメータを同定するときに、当該複数のパラメータの一部の同定を先に行い、しかる後、当該同定結果を入力した塑性構成式を用いて、残りのパラメータを含むパラメータの同定を行うことを特徴とする。
ここで、残りのパラメータを含むパラメータとは、例えば、残りのパラメータが複数あるときは、先に同定を行ったパラメータと、残りのパラメータのうち1以上のパラメータとの組み合わせとなる。例えば、残りのパラメータが2つあり、これらを1つずつ追加して同定を行う場合は、1つ前に同定を行ったパラメータを初期値として、1つ前に同定されたパラメータに、残りのパラメータを追加して同定を行う。具体的に、全部で9つのパラメータを同定するときに、最初に7つのパラメータの同定が行われると、次に、この7つの同定結果を初期値として、これら7つのパラメータに、残り2つのうち1つのパラメータを追加した8つのパラメータを同定する。最後に、この8つのパラメータを初期値として、これら8つのパラメータに、残り1つのパラメータを追加した9つのパラメータの同定を行う。なお、パラメータの同時追加数は、1つと限らず2つ以上でも良いが、最終的には、全てのパラメータの同定を行う。以下、請求項9の応力−ひずみ関係シミュレーションシステム、請求項15の応力−ひずみ関係シミュレーションプログラムにおいて同じである。
さらに、請求項4に係る発明は、請求項3記載の応力−ひずみ関係シミュレート方法において、
前記塑性構成式に対して新たなパラメータを追加したときに、
前記パラメータ同定処理において、前記追加したパラメータ以外のパラメータの同定を先に行い、しかる後、当該同定結果を入力した塑性構成式を用いて、前記追加した新たなパラメータを含むパラメータの同定を行うことを特徴とする。
ここで、前記追加した新たなパラメータを含むパラメータとは、例えば、追加する新たなパラメータが複数あるときは、先に同定を行ったパラメータと、追加するパラメータのうち1以上のパラメータとの組み合わせとなる。例えば、追加するパラメータが2つあり、これらを1つずつ追加して同定を行う場合は、1つ前に同定を行ったパラメータを初期値として、1つ前に同定されたパラメータに、新たなパラメータを1つ追加して同定を行う。具体的に、初期のパラメータが7つあり、新たなパラメータを2つ追加して全部で9つのパラメータの同定を行うときに、最初に初期の7つのパラメータの同定を行い、次に、この7つの同定結果を初期値として、これら7つのパラメータに、新規追加の2つのパラメータのうち1つを追加した8つのパラメータを同定する。そして、最後に、この8つのパラメータを初期値として、これら8つのパラメータに、残り1つのパラメータを追加した9つのパラメータの同定を行う。なお、パラメータの同時追加数は、1つと限らず2つ以上でも良いが、最終的には、新規追加分を含む全てのパラメータの同定を行う。以下、請求項10の応力−ひずみ関係シミュレーションシステム、請求項16の応力−ひずみ関係シミュレーションプログラムにおいて同じである。
さらに、請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の応力−ひずみ関係シミュレート方法において、
前記硬化モデルを、吉田−上森モデルとしたことを特徴とする。
ここで、上記吉田−上森モデルは、降伏曲面が限界曲面の中を移動する二曲面モデルに基づく弾塑性構成モデルであり、バウシンガ効果を再現できるモデルである。
さらに、請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の応力−ひずみ関係シミュレート方法において、
前記シミュレート方法によるシミュレーションの結果に関する情報の画像表示処理を含むことを特徴とする。
ここで、上記シミュレーション結果に関する情報とは、シミュレーション結果の情報、当該シミュレーションに用いた塑性構成式のパラメータ同定時の試験結果の情報、シミュレーション結果と試験結果との比較情報などが該当する。また、シミュレーション結果を反映した被成形材の変形状態を示す画像情報(アニメーション処理も含む)、プレス成形時の被成形材の応力の分布情報、数値情報に基づき生成したグラフ、数値情報に基づき算出した統計情報など、シミュレーションによって得られた数値情報に基づき生成される情報も含む。以下、請求項12の応力−ひずみ関係シミュレーションシステム、請求項18の応力−ひずみ関係シミュレーションプログラムにおいて同じである。
一方、上記目的を達成するために、請求項7記載の応力−ひずみ関係シミュレーションシステムは、
被成形材の応力−ひずみ関係を、前記被成形材の硬化則をモデル化した硬化モデルと、前記被成形材の降伏条件を与える降伏関数とを組み合わせて構成した塑性構成式にて、プレス成形における前記被成形材の応力−ひずみ関係をシミュレートする応力−ひずみ関係シミュレーションシステムであって、
前記被成形材に対して引張方向及び圧縮方向に負荷をかける試験の結果を取得する試験結果取得手段と、
前記試験の結果に基づき前記塑性構成式のパラメータを同定するパラメータ同定手段と、
前記同定されたパラメータを入力した塑性構成式を用いて、前記被成形材の応力−ひずみ関係をシミュレートするシミュレーション手段と、を備え、
前記パラメータ同定手段及び前記シミュレーション手段は、同一の塑性構成式を用いることを特徴とする。
このような構成であれば、試験結果取得手段によって、前記被成形材に対して引張方向及び圧縮方向に負荷をかける試験の結果を取得することが可能であり、パラメータ同定手段によって、前記試験の結果に基づき前記塑性構成式のパラメータを同定することが可能であり、シミュレーション手段によって、前記同定されたパラメータを入力した塑性構成式を用いて、前記被成形材の応力−ひずみ関係をシミュレートすることが可能である。
また、前記パラメータ同定手段及び前記シミュレーション手段は、同一の塑性構成式を用いて、パラメータを同定する処理及びこの同定結果を用いたシミュレート処理を実行することが可能である。
ここで、本システムは、単一の装置、端末その他の機器として実現するようにしてもよいし、複数の装置、端末その他の機器を通信可能に接続したネットワークシステムとして実現するようにしてもよい。後者の場合、各構成要素は、それぞれ通信可能に接続されていれば、複数の機器等のうちいずれに属していてもよい。
さらに、請求項8に係る発明は、請求項7記載の応力−ひずみ関係シミュレーションシステムにおいて、
前記応力−ひずみ関係のシミュレーションシステムは、プレス成形時の応力−ひずみ関係をシミュレートする手段と、スプリングバック過程の応力−ひずみ関係をシミュレートする手段との少なくとも一方を含むことを特徴とする。
このような構成であれば、プレス成形時の応力−ひずみ関係のシミュレーションと、スプリングバック時の応力−ひずみ関係のシミュレーションとの少なくとも一方に対して、パラメータ同定手段がパラメータの同定に用いた塑性構成式と同一の塑性構成式を用いることが可能である。
さらに、請求項9に係る発明は、請求項7又は請求項8記載の応力−ひずみ関係シミュレーションシステムにおいて、
前記パラメータ同定手段は、複数の前記パラメータを同定するときに、当該複数のパラメータの一部の同定を先に行い、しかる後、当該同定結果を入力した塑性構成式を用いて、残りのパラメータを含むパラメータの同定を行うことを特徴とする。
このような構成であれば、前記パラメータ同定手段は、複数の前記パラメータを同定するときに、当該複数のパラメータの一部の同定を先に行い、しかる後、当該同定結果を入力した塑性構成式を用いて、残りのパラメータを含むパラメータの同定を行うことが可能である。
さらに、請求項10に係る発明は、請求項9記載の応力−ひずみ関係シミュレーションシステムにおいて、
前記塑性構成式に対して新たなパラメータを追加したときに、
前記パラメータ同定手段は、前記追加したパラメータ以外のパラメータの同定を先に行い、しかる後、当該同定結果を入力した塑性構成式を用いて、前記追加した新たなパラメータを含むパラメータの同定を行うことを特徴とする。
このような構成であれば、塑性構成式に対して新たなパラメータを追加したときに、
前記パラメータ同定手段において、前記追加したパラメータ以外のパラメータの同定を先に行い、しかる後、当該同定結果を入力した塑性構成式を用いて、前記追加したパラメータを含むパラメータの同定を行うことが可能である。
さらに、請求項11に係る発明は、請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載の応力−ひずみ関係シミュレーションシステムにおいて、
前記硬化モデルを、吉田−上森モデルとしたことを特徴とする。
このような構成であれば、前記パラメータ同定手段及び前記シミュレーション手段は、吉田−上森モデルと所定の前記降伏関数との組み合わせ内容が双方で同一となる塑性構成式を用いて、各々の処理を行うことが可能である。
さらに、請求項12に係る発明は、請求項7乃至請求項11のいずれか1項に記載の応力−ひずみ関係シミュレーションシステムにおいて、
前記シミュレーションシステムによるシミュレーションの結果に関する情報の画像表示手段を備えることを特徴とする。
このような構成であれば、画像表示手段によって、前記シミュレーションの結果に関する情報を画像表示することが可能である。
また、上記目的を達成するために、請求項13記載の応力−ひずみ関係シミュレーションプログラムは、
被成形材の応力−ひずみ関係を、前記被成形材の硬化則をモデル化した硬化モデルと、前記被成形材の降伏条件を与える降伏関数とを組み合わせて構成した塑性構成式にて、プレス成形における前記被成形材の応力−ひずみ関係をシミュレートする応力−ひずみ関係シミュレーションプログラムであって、
前記被成形材に対して引張方向及び圧縮方向に負荷をかける試験の結果を取得する試験結果取得処理と、
前記試験の結果に基づき前記塑性構成式のパラメータを同定するパラメータ同定処理と、
前記同定されたパラメータを入力した塑性構成式を用いて、前記被成形材の応力−ひずみ関係をシミュレートするシミュレート処理とからなる処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを含み、
前記パラメータ同定処理及び前記シミュレート処理においては、同一の塑性構成式を用いることを特徴とする。
さらに、請求項14に係る発明は、請求項13記載の応力−ひずみ関係シミュレーションプログラムにおいて、
前記応力−ひずみ関係のシミュレーションプログラムは、プレス成形時の応力−ひずみ関係をシミュレートする処理と、スプリングバック時の応力−ひずみ関係をシミュレートする処理の少なくとも一方を含むことを特徴とする。
さらに、請求項15に係る発明は、請求項13又は請求項14記載の応力−ひずみ関係シミュレーションプログラムにおいて、
前記パラメータ同定処理においては、複数の前記パラメータを同定するときに、当該複数のパラメータの一部の同定を先に行い、しかる後、当該同定結果を入力した塑性構成式を用いて、残りのパラメータを含むパラメータの同定を行うことを特徴とする。
さらに、請求項16に係る発明は、請求項15記載の応力−ひずみ関係シミュレーションプログラムにおいて、
前記塑性構成式に対して新たなパラメータを追加したときに、
前記パラメータ同定処理において、前記追加したパラメータ以外のパラメータの同定を先に行い、しかる後、当該同定結果を入力した塑性構成式を用いて、前記追加した新たなパラメータを含むパラメータの同定を行うことを特徴とする。
さらに、請求項17に係る発明は、請求項13乃至請求項16のいずれか1項に記載の応力−ひずみ関係シミュレーションプログラムにおいて、
前記硬化モデルを、吉田−上森モデルとしたことを特徴とする。
さらに、請求項18に係る発明は、請求項13乃至請求項17のいずれか1項に記載の応力−ひずみ関係シミュレーションプログラムにおいて、
前記シミュレーションプログラムによるシミュレーションの結果に関する情報の画像表示処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを含むことを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、請求項19記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、請求項13乃至請求項18のいずれか1項に記載の応力−ひずみ関係シミュレーションプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。
請求項1に係る本発明の応力−ひずみ関係シミュレート方法によれば、試験結果取得処理において、被成形材に対して引張方向及び圧縮方向に負荷をかける試験の結果を取得し、パラメータ同定処理において、当該試験の結果に基づき塑性構成式を構成するパラメータを同定し、シミュレート処理において、当該同定されたパラメータを入力した塑性構成式を用いて、プレス成形における前記被成形材の応力−ひずみ関係をシミュレートするようにし、かつ、前記パラメータ同定処理及び前記シミュレート処理において、同一の塑性構成式を用いるようにしたので、正確に被成形材の応力−ひずみ関係をシミュレートすることができる。
また、請求項2に係る本発明の応力−ひずみ関係シミュレート方法によれば、シミュレート処理において、プレス成形時の応力−ひずみ関係のシミュレートと、スプリングバック時の応力−ひずみ関係のシミュレートとの少なくとも一方に対して、パラメータ同定処理で用いた塑性構成式と同一の塑性構成式を用いることができるので、プレス成形時の応力−ひずみ関係及びスプリングバック時の応力−ひずみ関係の少なくとも一方を、正確にシミュレートすることができる。
また、請求項3に係る本発明の応力−ひずみ関係シミュレート方法によれば、パラメータ同定処理において、複数の前記パラメータを同定するときに、当該複数のパラメータの一部の同定を先に行い、しかる後、当該同定結果を入力した塑性構成式を用いて、残りのパラメータを含むパラメータの同定を行うようにしたので、予め設定されたパラメータの初期値を用いて全てのパラメータの同定を同時に行った場合と比較して、同定計算の収束性を改善することができると共に、シミュレーションの精度を向上することができる。
また、請求項4に係る本発明の応力−ひずみ関係シミュレート方法によれば、塑性構成式に対して新たなパラメータを追加したときに、パラメータ同定処理において、前記追加したパラメータ以外のパラメータの同定を先に行い、しかる後、当該同定結果を入力した塑性構成式を用いて、前記追加したパラメータを含むパラメータの同定を行うようにしたので、予め設定されたパラメータの初期値を用いて、新たに追加したパラメータを含む全てのパラメータの同定を同時に行った場合と比較して、同定計算の収束を速くし、収束性を改善することができると共に、シミュレーションの精度を向上することができる。
また、請求項5に係る本発明の応力−ひずみ関係シミュレート方法によれば、硬化モデルを、吉田−上森モデルとしたので、バウシンガ効果を再現可能なシミュレーションを行うことができる。
また、請求項6に係る本発明の応力−ひずみ関係シミュレート方法によれば、画像表示処理において、シミュレーションの結果に関する情報を画像表示するようにしたので、シミュレーションの結果を容易に理解することができる。
また、請求項7〜請求項12に係る本発明の応力−ひずみ関係シミュレーションシステムによれば、請求項1〜請求項7に従って、各処理に対応する手段を備えたので、それぞれ、請求項1〜請求項7の前記効果と同様の効果が得られる。
また、請求項13〜請求項18に係る本発明の応力−ひずみ関係シミュレーションプログラムによれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、それぞれ、請求項1〜請求項7の前記効果と同様の効果が得られる。
また、請求項19に係る本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によれば、請求項13乃至請求項18のいずれか1項に係る本発明の応力−ひずみ関係シミュレーションプログラムが記録されているので、コンピュータによって記憶媒体からプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、それぞれ、請求項1〜請求項7の前記効果と同様の効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1〜図12は、本発明に係る応力−ひずみ関係シミュレート方法、応力−ひずみ関係シミュレーションシステム、応力−ひずみ関係シミュレーションプログラム、及び当該プログラムを記録した記録媒体の実施の形態を示す図である。
まず、本発明に係る応力−ひずみ関係シミュレーションシステムの構成を図1に基づき説明する。図1は、本発明に係る応力−ひずみ関係シミュレーションシステム100の機能の構成を示すブロック図である。
応力−ひずみ関係シミュレーションシステム100は、図1に示すように、被成形材である金属材料(以下、材料と称す)に対して行われた試験の結果を取得する試験結果取得部10と、前記取得した試験結果と、後述する塑性構成式情報記憶部12を介して取得した塑性構成式情報とに基づき応力−ひずみ関係のシミュレーションに用いる塑性構成式のパラメータを同定するパラメータ同定部11と、前記塑性構成式に関する情報の記憶などを行う塑性構成式情報記憶部12と、前記同定結果を入力した塑性構成式を用いて、有限要素法によって、プレス成形時の材料の応力−ひずみ関係をシミュレートする第1シミュレート部13と、第1シミュレート部13によるシミュレーション結果と、前記同定結果を入力した塑性構成式とを用いて、スプリングバック時の材料の応力−ひずみ関係をシミュレートする第2シミュレート部14と、前記同定結果や前記シミュレーション結果などを画像表示する画像表示部15とを含んだ構成となっている。
試験結果取得部10は、例えば、材料に対して、その引っ張り方向に力を加えていったときの応力−ひずみ関係を測定する引張試験、前記引っ張り方向とは逆方向(圧縮方向)に力を加えていったときの応力−ひずみ関係を測定する圧縮試験、前記引張試験及び前記圧縮試験を組み合わせた引張−圧縮試験などの試験の結果を取得する機能を有している。
パラメータ同定部11は、第1シミュレート部13及び第2シミュレート部14において実行される、各応力−ひずみ関係のシミュレーションに用いる塑性構成式のパラメータを、試験結果取得部10で取得した試験の結果に基づき、多点近似法(Multi Point Approximation Method)などの公知の同定アルゴリズムを用いて同定する機能を有している。
ここで、塑性構成式を構成するパラメータは、材料の特性などに応じて定数となる。
また、塑性構成式は、シミュレーションの対象となる材料の塑性変形時の降伏面の変化を定義する硬化則をモデル化した硬化モデルと、前記材料の塑性変形を定義するための流れ則と、前記材料の塑性変形の開始を規定するための降伏条件を与える降伏関数とを組み合わせて構成される。
また、硬化モデルとしては、等方硬化モデル、移動硬化モデル、複合硬化モデル、あるいは移動硬化モデルの一つである吉田−上森モデル(参考文献:Yoshida, F., Uemori, T., A model of large-strain cyclic plasticity describing the Bauschinger effect and workhardening stagnation. Int. J. Plasticity 18, 661-686)など様々なモデルがある。
また、降伏関数としては、材料を等方性と仮定したものに、Trescaの提案した、材料に作用しているせん断応力の最大のものが材料の種類や状態によって決まっている一定値に達したとき、塑性変形が始まると仮定したものがある。他にも、von Misesが提案した、材料内での相当応力(多次元の応力をスカラ化したもの)がある材料定数の値に達したときに降伏すると仮定したものなどがある。
また、材料を異方性と仮定したものに、例えば、(1)Hill(参考文献1:Hill, R.: Proc. Roy. Soc., A193 (1948), 281.、参考文献2:Hill, R.: J. Mech. Phys. Solids, 38-3 (1990), 405.)、(2)Logan-Hosford(参考文献:Logan R. W., Hosford W. F.: Int. J. Mech. Sci., 19 (1977),505.)、(3)Gotoh(参考文献:Gotoh, M.: Int. J. Mech. Sci., 19 (1977), 505.)、(4)Barlat(参考文献:Barlat, F. et al:Int.J.Plasticity,19(2003),1297)の提案した降伏関数などがある。
また、パラメータ同定部11は、塑性構成式に対して、新たなパラメータを追加したときに、まず、パラメータを追加する前の塑性構成式を用いて、追加分のパラメータ以外のパラメータの同定を先に行い、次に、この同定結果を入力した塑性構成式を用いて、残りのパラメータを含むパラメータの同定を行うようになっている。
塑性構成式情報記憶部12は、第1シミュレート部13及び第2シミュレート部14の各シミュレーションにおいて用いる塑性構成式に関する情報(以下、塑性構成式情報と称す)を、後述する記憶装置70内に記憶する機能と、パラメータ同定部11、第1シミュレート部13及び第2シミュレート部14からの要求に応じて、記憶装置70に記憶された塑性構成式情報を読み出して提供する機能とを有している。
ここで、塑性構成式情報は、塑性構成式を構成する、硬化モデル、降伏関数、パラメータの種類などの構成式そのものの情報に加え、材料の種類及びその特性毎に対応付けられた前記パラメータの同定結果に関する情報、当該同定結果を入力した塑性構成式を用いて、応力又はひずみを入力したときにそれに対応したひずみ又は応力を計算して出力するサブルーチンプログラム(以下、サブルーチンと略称)に関する情報も含む。なお、このサブルーチンは、パラメータ同定部11、第1シミュレート部13、第2シミュレート部14において共用される。
第1シミュレート部13は、メッシュデータ、応力条件、境界条件などの各種データを含む有限要素解析用データを取得すると共に、塑性構成式情報記憶部12を介して、パラメータ同定部11の同定結果が反映された塑性構成式からなるサブルーチンを取得し、かつ、有限要素法を用いて、プレス成形時の材料の応力−ひずみ関係をシミュレートする機能を有している。
第2シミュレート部14は、第1シミュレート部13から、プレス成形時の材料の応力−ひずみ関係のシミュレーションの結果を取得すると共に、塑性構成式情報記憶部12を介して、パラメータ同定部11の同定結果が入力された塑性構成式からなるサブルーチンを取得し、前記取得したシミュレーションの結果、及び前記取得したサブルーチンを用いてスプリングバック過程の応力−ひずみ関係をシミュレートする機能を有している。
画像表示部15は、パラメータ同定部11による同定結果に関する情報(試験値、同定されたパラメータ値、同定結果を用いたシミュレーションの結果など)を取得し、当該取得した情報に基づき、実際の試験の結果と、シミュレーションの結果との比較情報などを画像表示する機能を有している。更に、画像表示部15は、第1シミュレート部13及び第2シミュレート部14によるシミュレーションの結果を取得し、当該取得した情報に基づき、プレス成形時の応力−ひずみ関係のシミュレーションの結果、及びスプリングバック過程の応力−ひずみ関係のシミュレーションの結果に基づく情報を画像表示する機能を有している。
ここで、応力−ひずみ関係シミュレーションシステム100は、シミュレーションのための各種制御や前記試験結果取得部10、パラメータ同定部11、塑性構成式情報記憶部12、第1シミュレート部13、第2シミュレート部14、画像表示部15などの各機能をコンピュータソフトウェア上で、すなわちコンピュータ読み取り可能なシミュレーションプログラムを実行することで実現するためのコンピュータシステムであり、そのハードウェア構成は、図2に示すように、各種制御や演算処理を担う中央演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)60と、主記憶装置(Main Storage)を構成するRAM(Random Access Memory)62と、読み出し専用の記憶装置であるROM(Read Only Memory)64との間をPCI(Peripheral Component Interconnect)バス等からなる各種内外バス68で接続すると共に、このバス68に入出力インターフェース(I/F)66を介して、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置(Secondary Storage)70や、LCDモニター等の出力装置72、操作パネルなどの入力装置74などを接続したものである。
そして、電源を投入すると、ROM64などに記憶されたBIOSなどのシステムプログラムが、ROM64に、予め記憶された各種専用のコンピュータプログラムを、あるいは、CD−ROMやDVD−ROM、フレキシブルディスク(FD)などの記録媒体を介して、またはインターネットなどの通信ネットワークLを介して、記憶装置70にインストールされた各種専用のコンピュータプログラムを、同じくRAM62にロードし、そのRAM62にロードされたプログラムに記述された命令に従ってCPU60が各種リソースを駆使してシミュレーションを実際に行うための各種制御及び演算処理を行うことで前述したような各部の機能をソフトウェア上で実現できるようになっている。
次に、図3に基づき、上記のような応力−ひずみ関係シミュレーションシステム100による処理の流れを説明する。ここで、図3は、応力−ひずみ関係シミュレーションシステム100による処理の流れを示すフローチャートである。
CPU60によって、専用のコンピュータプログラムの実行が開始されると、図3に示すように、まず、ステップS100に移行し、試験結果取得部10において、パラメータ同定処理の開始指示(同定開始指示)があったか否かを判定し、開始指示があったと判定した場合(Yes)は、ステップS102に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS108に移行する。
ステップS102に移行した場合は、試験結果取得部10において、シミュレーションの対象とする材料の試験の結果を取得すると共に、当該取得した試験の結果をパラメータ同定部11に入力して、ステップS104に移行する。ここで、対象とする材料の試験の結果は、事前に行った試験の結果を、記憶装置70に予め記憶しておいたものを読み出して取得する。
ステップS104では、パラメータ同定部11において、ステップS102で取得した試験の結果を用いて、シミュレーションに用いる塑性構成式のパラメータを同定するパラメータ同定処理を実行してパラメータを同定し、ステップS106に移行する。
ステップS106では、画像表示部15において、ステップS104の同定結果に基づく情報を画像表示して一連の処理を終了し、ステップS100に移行する。
一方、ステップS100において、同定開始指示がなく、ステップS108に移行した場合は、第1シミュレート部13において、シミュレーションの開始指示があったか否かを判定し、開始指示があったと判定した場合(Yes)は、ステップS110に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS100に移行する。
ステップS110に移行した場合は、第1シミュレート部13において、ステップS104の同定結果を入力した塑性構成式情報(サブルーチン)を用いて、プレス成形時の応力−ひずみ関係のシミュレート処理(第1シミュレート処理)を実行して、ステップS112に移行する。
ステップS112では、第2シミュレート部14において、ステップS104の同定結果を入力した塑性構成式情報(サブルーチン)を用いて、スプリングバック時の応力−ひずみ関係のシミュレート処理(第2シミュレート処理)を実行して、ステップS114に移行する。
ステップS114では、画像表示部15において、シミュレーションの結果に基づく情報を画像表示して、一連の処理を終了し、ステップS100に移行する。
更に、図4に基づき、ステップS104のパラメータ同定処理の流れを説明する。ここで、図4は、パラメータ同定部11におけるパラメータ同定処理の流れを示すフローチャートである。
パラメータ同定処理は、図4に示すように、まず、ステップS200に移行し、パラメータ同定部11において、試験結果取得部10から、同定開始指示にて指示された試験の結果を取得できたか否かを判定し、取得できたと判定した場合(Yes)は、ステップS202に移行し、そうでない場合(No)は、取得できたと判定するまで処理を繰り返す。
ステップS202に移行した場合は、パラメータ同定部11において、塑性構成式情報記憶部12を介して、同定開始指示にて指示された内容の塑性構成式情報を記憶装置70から取得して、ステップS204に移行する。ここでの塑性構成式情報は、硬化モデルの種類、流れ則の種類、降伏関数の種類、パラメータの種類などに関する情報からなる。
ステップS204では、パラメータ同定部11において、塑性構成式にて常用するパラメータに対して、新規のパラメータの追加があるか否かを判定し、追加があると判定した場合(Yes)は、ステップS206に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS212に移行する。
ステップS206に移行した場合は、パラメータ同定部11において、ステップS200で取得した試験結果と、ステップS202で取得した塑性構成式情報とに基づき、追加されたパラメータ以外のパラメータを先に同定してステップS208に移行する。
ここで、同定処理は、例えば、公知の同定方法の一つである多点近似法(Multi Point Approximation Method)を用いて行う。また、パラメータは、ランダムな値や例えば0などの定数の初期値が予め与えられており、試験の結果を元データとして、この元データと、同定したパラメータを入力した場合のシミュレーションの結果との差を評価する。つまり、この差が最小(局所解)となるように、パラメータの値を補正する演算処理(学習演算)を繰り返し、この差が最小となるときのパラメータの値を該パラメータの同定結果として出力するとともに同定処理を完了する。
ステップS208では、パラメータ同定部11において、ステップS206で同定した新規の追加分以外のパラメータ(常用のパラメータ)の値を、追加分以外のパラメータの初期値とし、追加分を含むパラメータ(追加分だけ、あるいは追加分を含む全て、という場合も含む)を同定してステップS210に移行する。なお、この同定処理においては、新たな試験の結果を取得して元データとして用いてもよいし、ステップS206における同定処理時と同じ試験の結果を用いてもよい。また、ステップS208においては、上記のような同定処理を、追加分を含む全てのパラメータの同定が完了するまで行う。
ステップS210では、パラメータ同定部11により、ステップS208の同定結果を、塑性構成式情報記憶部12に向け出力し、当該塑性構成式情報記憶部12を介して、記憶装置70内に記憶すると共に、ステップS208の同定結果を、画像表示部15に向け出力して、一連の処理を終了し、ステップS106に移行する。
一方、ステップS204において、パラメータの追加分がなく、ステップS212に移行した場合は、パラメータ同定部11において、ステップS200で取得した試験結果と、ステップS202で取得した塑性構成式情報とを用いて、全てのパラメータを同時に同定してステップS210に移行する。つまり、常用のパラメータだけであれば、全パラメータを同時に同定する。
更に、図5に基づき、ステップS110の第1シミュレート処理の流れを説明する。ここで、図5は、第1シミュレート部13における第1シミュレート処理の流れを示すフローチャートである。
第1シミュレート処理は、図5に示すように、まず、ステップS300に移行し、第1シミュレート部13において、入力装置74などを介して、入力又は指定された、有限要素解析用データを取得して、ステップS302に移行する。
ステップS302では、第1シミュレート部13において、塑性構成式情報記憶部12を介して、記憶装置70に記憶された、対象とする材料に対応するパラメータの同定結果および、塑性構成式情報(サブルーチン)を取得して、ステップS304に移行する。
ステップS304では、第1シミュレート部13において、ステップS302で取得したパラメータの同定結果を入力した塑性構成式情報(サブルーチン)を用いて、プレス成形時の材料の応力−ひずみ関係をシミュレートして、ステップS306に移行する。
ステップS306では、第1シミュレート部13において、ステップS304によるシミュレーションの結果を、第2シミュレート部14に向け出力し、一連の処理を終了し、ステップS112に移行する。
更に、図6に基づき、ステップS112の第2シミュレート処理の流れを説明する。ここで、図6は、第2シミュレート部14における第2シミュレート処理の流れを示すフローチャートである。
第2シミュレート処理は、図6に示すように、まず、ステップS400に移行し、第2シミュレート部14において、第1シミュレート部13によるシミュレーションの結果を取得できたか否かを判定し、取得できたと判定した場合(Yes)は、ステップS402に移行し、そうでない場合(No)は、取得できたと判定するまで処理を繰り返す。
ステップS402に移行した場合は、第2シミュレート部14において、塑性構成式情報記憶部12を介して、記憶装置70に記憶され、かつ、第1シミュレート処理で用いたものと同じパラメータの同定結果および、塑性構成式情報(サブルーチン)を取得して、ステップS404に移行する。
ステップS404では、第2シミュレート部14において、ステップS400で取得したシミュレーションの結果と、ステップS402で取得したパラメータの同定結果を入力した塑性構成式情報(サブルーチン)とを用いて、スプリングバック時の材料の応力−ひずみ関係をシミュレートして、ステップS406に移行する。
ステップS406では、第2シミュレート部14において、第1シミュレート処理及び第2シミュレート処理によるシミュレーションの結果を、画像表示部15に出力し、一連の処理を終了し、ステップS114に移行する。
次に、図7〜図12に基づき、本実施の形態の応力−ひずみ関係シミュレーションシステム100の処理の流れについて、より具体的に説明する。
ここで、図7は、吉田−上森モデルを模式的に示す図であり、図8(a)及び(b)は、Non-IH(Isotropic Hardening:等方硬化)領域の一例を示す図であり、図9(a)及び(b)は、限界曲面BSとNon-IH領域との関係を示す図である。また、図10は、追加分以外のパラメータを先に同定する処理を行った場合の画像表示例を示す図であり、図11は、全パラメータを同時に同定する処理を行った場合の画像表示例を示す図である。また、図12は、プレス成形時の応力−ひずみ関係のシミュレーションの結果の一例を示す図である。図11や図12に示すような画像のほか、先述の図14や図15に示すような画像を表示させるようにしてもよい。静止状態のみならず、応力の変化に伴い、動く状態をアニメーション的に表示させるようにするなどしてもよい。
以下、応力−ひずみ関係シミュレーションシステム100の処理の流れの説明にあたり、吉田−上森モデルと、Hillの提案した降伏関数とを組み合わせた塑性構成式を用いることとする。なお、Hillの降伏関数(1948年)は、下式(1)で表わされる。
Figure 2008142774
上式(1)において、σ'11、σ'22、σ'33(以上、垂直応力)、σ'12、σ'23及びσ'31(以上、せん断応力)は材料内の各方向の応力の偏差成分(但し、垂直応力については、静水圧応力を差し引いたもの)であり、F、G、H、L、M、Nは、材料の異方性を規定するためのパラメータである。
吉田−上森モデルは、図7に示すように、降伏曲面Sが、限界曲面BSの中を移動する二曲面モデルに基づく弾塑性モデルであり、バウシンガ効果を再現可能なモデルである。
以下、吉田−上森モデルとHillの降伏関数とを組み合わせた弾塑性モデル(塑性構成式)について説明する。
いま、降伏関数をφ(σij)とすると、初期降伏曲面S0は、下式(2)で定義できる。

S0=φ(σij)−Y=0 ・・・(2)

ここで、上式(2)において、σijは、応力のテンソル量である。また、Yは、初期降伏応力であり、同定対象のパラメータの一つである。
また、初期降伏曲面S0に後続する、後続降伏曲面Sは、下式(3)で定義される。

S=φ(σij−αij)−Y=0 ・・・(3)

ここで、上式(3)におけるαは背応力であり、αijはそのテンソル量である。
なお、バウシンガ効果により応力反転時の再降伏が比較的早い段階から始まるとの認識から、等方硬化は考えず、上式(3)を、移動硬化のみを取り入れた式とした。
また、一般の弾塑性モデルと同様に、流れ則としては、下式(4)に示す、連合流れ則を採用した。
Figure 2008142774
ここで、上式(4)における、Dp ijは、ひずみ速度であり、塑性変形の方向を示す∂S/∂σijと、塑性変形の時間的変化分を示すdλ/dtとの積で定義される。
また、限界曲面BSは、下式(5)で表される。

BS=φ(σij−βij)−(B+R)=0 ・・・(5)

上式(5)において、βは限界曲面の中心であり、テンソル量(βij)となる。また、上式(5)において、Bは、材料の特性に応じた定数で、限界曲面の初期の大きさ(半径)となる。また、Bは、同定対象のパラメータの一つでもある。また、上式(5)において、Rは、限界曲面の等方硬化による増分(変数)である。なお、Rの初期値は「0」となる。
従って、上式(5)においては、限界曲面BSの中心位置も、半径も変化することになる。つまり、限界曲面BSに対しては、等方硬化と移動硬化との両方を考慮している。
また、降伏曲面の背応力の発展方程式としては、下式(6)〜(10)を採用した。なお、下式(6)、(7)に示す、α*の発展方程式は、Armstrong-Frederickの式を変形したものとなっている。
Figure 2008142774
ここで、上式(6)、(7)における、α*は、限界曲面から見た降伏曲面の中心であり、テンソル量となる(α*ij)。また、上式(7)における、Cは、降伏曲面の移動硬化に関する材料パラメータであり、移動硬化の速さを規定する。なお、Cは、同定対象のパラメータの一つでもある。また、上式(7)における、dp/dtは、相当塑性ひずみの時間的変化分であり、上式(8)で表される。
また、限界曲面の背応力の発展方程式は、下式(11)、(12)を採用した。Rの発展方程式としては、Chaboche-Rousselierの式を、βの発展方程式としては、Armstrong-Frederick則をそのまま採用した。
Figure 2008142774
上式(11)において、dR/dtは、限界曲面の半径の時間的変化分であり、Rsatは、Rの限界値である。なお、Rsatは、同定対象のパラメータの一つでもある。また、上式(12)において、β'ijは、限界曲面の中心の偏差応力成分であり、限界曲面の中心βから、せん断応力分を除いた静水圧応力を差し引いたものである。また、上式(12)において、bは、限界曲面の移動硬化の可動領域を規定するパラメータであり、同定対象のパラメータの一つである。
また、吉田−上森モデルでは、図8(a)及び(b)に示す、Non-IH領域(以下、非等方硬化領域と称す)を表現するために、もう一つの曲面を定義して、上式(11)に示すRの発展式に制限を加えている。この曲面は、Non-IH surfaceと呼ばれ、下式(13)〜(17)で定義される。以下、このNon-IH surfaceを、非等方硬化曲面と称す。
Figure 2008142774
ここで、上式(15)及び(17)における、hは、非硬化領域をコントロールする材料パラメータであり、同定対象のパラメータの一つである。また、上式(14)における、rは、非硬化曲面の大きさ(半径)であり、dr/dtは、非硬化曲面の半径rの時間的変化分である。
つまり、上式(13)〜(17)によって、図9(a)及び(b)に示すように、限界曲面BSの中心βが非等方硬化曲面の内部に存在するときは、Rの拡大を抑制するようにして、非等方硬化領域を表現している。
また、上式(1)〜(17)で定義した、弾塑性モデル(塑性構成式)に対して、新規のパラメータを追加することも可能である。
例えば、上式(14)における、非硬化曲面の大きさ(半径)であるrの初期の大きさを示すパラメータである、rinitialを追加することが可能である。
また、降伏曲面の移動硬化に関する材料パラメータであるCは、下式(18)及び(19)に示すように、初期のCの値であるC1と、後続のCの値であるC2との、2つのパラメータに分けることが可能である。
Figure 2008142774
更に、見かけのヤング率に関する材料パラメータE0、Ea、ξを追加することも可能である。この場合は、下式(20)の関係が成立する。

E=E0−(E0−Ea)(1−exp(−ξp)) ・・・(20)

ここで、上式(20)において、pは、相当塑性ひずみである。
次に、上記の塑性構成式からなる塑性構成式情報が、記憶装置70に記憶されているとして、本発明の応力−ひずみ関係シミュレーションシステム100の動作を説明する。
入力装置74を介した、ユーザからの同定開始指示が入力されると(ステップS100の「Yes」の分岐)、試験結果取得部10は、記憶装置70に記憶された試験の結果を取得する(ステップS102)。この同定開始指示には、同定処理に用いる、試験の結果の種類(材料、試験の内容などの種類)、塑性構成式の種類(硬化モデル、流れ則、降伏関数などの種類)、前記塑性構成式に対応するパラメータの種類などが含まれる。
ここでは、材料の種類を高張力鋼板とし、かつ、バウシンガ効果を精度良く再現するために、試験の結果の種類として引張−圧縮試験を指定し、その試験の結果を取得する。具体的な引張−圧縮試験の内容は、シミュレーションの対象となる高張力鋼板に対して、引っ張り方向の力を加えていった後に、引っ張り方向の力を徐々に弱めて除荷していき、引き続き前記引っ張り方向とは逆方向(圧縮方向)に力を加えていくという処理を経るものである。
引張−圧縮試験の試験の結果を取得すると、パラメータ同定部11は、パラメータ同定処理を実行する(ステップS104)。パラメータ同定処理が実行される(試験の結果が取得される)と(ステップS200の「Yes」の分岐)、パラメータ同定部11は、まず、塑性構成式情報記憶部12を介して、記憶装置70に記憶された塑性構成式情報の中から、同定開始指示で指定された塑性構成式情報を取得する(ステップS202)。ここでは、上記吉田−上森モデルとHillの降伏関数との組み合わせから構成される塑性構成式情報が指定されたとし、当該塑性構成式情報を取得する。
前記塑性構成式情報を取得すると、次に、同定開始指示に基づき、新規のパラメータの追加があるか否かを判定する(ステップS204)。ここでは、開始指示において、吉田−上森モデルにて常用のパラメータに対し、先述したrinitialの追加指示があったとする(ステップS204の「Yes」の分岐)。
つまり、パラメータ同定部11は、吉田−上森モデルにおける、初期降伏応力Y、限界曲面の初期の大きさB、限界曲面の加工硬化限界値Rsat、降伏曲面の移動硬化に関する材料パラメータC、限界曲面の等方硬化に関する材料パラメータk、限界曲面の移動硬化の可動領域を規定するパラメータb、非硬化領域をコントロールする材料パラメータh、及び非硬化曲面の初期の大きさrinitialの合計8つのパラメータを同定することになる。
パラメータ同定部11は、まず、パラメータrinitialの追加前の塑性構成式を構成する、常用の7つのパラメータの同定処理を先に行う(ステップS206)。パラメータの同定は、先述したように、上記取得した試験の結果を元データとし、公知の多点近似法を用いた繰り返し計算によって行う。これにより、Y、B、Rsat、C、k、b、hの7つのパラメータが先に同定される。
そして、これら7つのパラメータの同定が完了すると、次に、これら7つのパラメータに、rinitialを追加した8つのパラメータの同定を行う(ステップS208)。このとき、先に同定した7つのパラメータの同定結果を、rinitialを除く残り7つのパラメータの初期値として用いる。
なお、パラメータの同定処理は、1つの試験の結果のみを用いて行うこともできるが、複数の試験の結果を用いることも可能である。その際は、引っ張りのみ、又は圧縮のみの試験の結果を含めることが可能である。
そして、パラメータ同定部11は、新規追加分を含む8つのパラメータの同定が完了すると、同定結果を、塑性構成式情報記憶部12に向け出力すると共に、当該塑性構成式情報記憶部12を介して、前記同定結果を、材料の種類及び特性、パラメータの同定に用いた塑性構成式情報などと対応付けて記憶装置70に記憶する。更に、パラメータ同定部11は、前記同定結果、当該同定結果を用いたシミュレーションの結果(サブルーチンによる計算結果)、及び上記取得した引張−圧縮試験の試験の結果を、画像表示部15に出力する(ステップS210)。
一方、画像表示部15は、パラメータ同定部11から、前記同定結果、前記シミュレーションの結果、及び引張−圧縮試験の結果を取得すると、シミュレーションの結果及び前記引張−圧縮試験の結果に基づき、横軸をひずみ、縦軸を応力として、応力−ひずみ関係のグラフを生成する。そして、図10に示すように、このグラフを、引張−圧縮試験の結果を示すグラフと共に画像表示する(ステップS106)。
図10に示すように、実際の試験の結果に対して、シミュレーションの結果は、前記試験の結果にかなり近い値となっており、良好な同定結果が得られたといえる。
一方、図11に示す、応力−ひずみ関係のグラフは、新規追加分を含む8つのパラメータの同定を、1度の同定処理で同時に行ったときのものである。図10に示すシミュレーションの結果と比較して、図11に示すシミュレーションの結果は、試験の結果からのずれが非常に大きいことが解る。これは、不適切な同定結果であるといえる。
つまり、パラメータを新規に追加した場合には、追加分以外の7つのパラメータを先に同定し、その同定結果を用いて追加分である8つ目のパラメータを含むパラメータを同定する、本発明の方法の方が有効である。
また、上記8つのパラメータにおけるCの代わりに、C1及びC2を追加した、計9つのパラメータを同定する場合には、例えば、上記8つのパラメータの同定後に、これらのうち、Cの同定結果を除く7つの同定結果を初期値とすると共に、Cに代えて、C1及びC2を追加し、計9つのパラメータを同定する。つまり、新規のパラメータを複数追加するときは、1つ前の同定結果を初期値とし、新規のパラメータを、1つ同定してはまた1つというように順次同定する方法が一つは考えられる。あるいは、複数の新規のパラメータを一度に同定する方法も考えられる。
なお、常用パラメータを先に同定し、この同定結果を初期値として、1つあるいは複数の新規のパラメータも含めたパラメータ、あるいは全てのパラメータを同定する、という同定のしかたを行うようにしてもよい。
更に、上記同定結果が記憶された状態において、応力−ひずみ関係シミュレーションシステム100に対し、前記同定結果及びこれに対応する塑性構成式情報を用いたシミュレーションの開始指示が入力されると(ステップS108の「Yes」の分岐)、まず、第1シミュレート部13において、プレス成形時の応力−ひずみ関係のシミュレート処理(第1シミュレート処理)が実行される(ステップS110)。ここで、シミュレーションの開始指示には、シミュレーションに用いる、塑性構成式の種類、パラメータの種類、ヤング率、ポアソン比、Lankford値などの情報、有限要素解析用データの情報などが含まれている。また、開始指示は、ユーザが入力装置70を介して指示する構成としてもよいし、同定処理後に、その同定結果に対する開始指示が自動的に入力される構成としてもよい。
第1シミュレート部13は、先述したように、有限要素法を用いてシミュレーションを行うため、開始指示が与えられると、まず、有限要素解析用データを取得する(ステップS300)。有限要素解析用データには、材料をメッシュ状に分割するためのメッシュデータ、各メッシュ(有限要素)の応力条件、境界条件を規定するデータなどが含まれる。
有限要素解析用データを取得すると、第1シミュレート部13は、次に、開始指示で指定された同定結果および、塑性構成式情報(サブルーチン)を、塑性構成式情報記憶部12を介して記憶装置70から取得する(ステップS302)。ここでは、上記同定処理に用いた塑性構成式と同じ内容の塑性構成式情報を取得する。
同定結果及び塑性構成式情報(サブルーチン)を取得すると、当該同定結果を入力した塑性構成式情報を用いて、プレス成形時の応力−ひずみ関係をシミュレートする(ステップS304)。ここでは、対象とする材料である高張力鋼板に対して、単軸引張/圧縮変形を与えたときの挙動をシミュレートする。具体的には、強制変位と反力に対する、応力−ひずみ関係をシミュレートする。
第1シミュレート部13は、プレス成形時の応力−ひずみ関係のシミュレート処理が完了すると、このシミュレーションの結果を、第2シミュレート部14に向け出力する(ステップS306)。
一方、第2シミュレート部14は、第1シミュレート部13によるシミュレーションの結果を取得すると(ステップS400の「Yes」の分岐)、第1シミュレート部13で用いたものと同じ種類のパラメータ同定結果と、パラメータ同定部11及び第1シミュレート部13で用いたものと同じ塑性構成式情報(サブルーチン)とを、塑性構成式情報記憶部12を介して記憶装置70から取得する(ステップS402)。なお、これらの情報は、塑性構成式情報記憶部12を介さずに、第1シミュレート部13から直接受け取るようにしてもよい。
同定結果及び塑性構成式情報(サブルーチン)を取得すると、第2シミュレート部14は、当該同定結果を入力した塑性構成式情報を用いて、スプリングバック時の応力−ひずみ関係をシミュレートする(ステップS404)。具体的に、第1シミュレート部13によるシミュレーションの結果に基づき、プレス成形後に発生する被成形材のスプリングバック量を算出する。
第2シミュレート部14は、スプリングバック過程の応力−ひずみ関係のシミュレート処理が完了すると、このシミュレーションの結果(以下、第2シミュレーション結果と称す)を、第1シミュレート部13によるシミュレーションの結果(以下、第1シミュレーション結果と称す)と共に、画像表示部15に向け出力する(ステップS406)。
画像表示部15は、第2シミュレート部14から、第1シミュレーション結果、及び第2シミュレーション結果を取得すると、第1シミュレーション結果から、横軸をひずみ、縦軸を応力として、プレス成形時の応力−ひずみ関係のグラフを、図12に示すように、画像表示する(ステップS114)。
図12に示すように、引張変形後の圧縮変形過程にて、早期に再降伏を始めており、バウシンガ効果が再現できていることが解る。
また、画像表示部15は、第2シミュレーション結果から、スプリングバック量のグラフを生成し、このグラフを、画像表示する(ステップS114)。
以上、本実施の形態の応力−ひずみ関係シミュレーションシステム100によれば、パラメータ同定部11において、塑性構成式にて常用のパラメータに対して、パラメータを追加したときに、常用のパラメータの同定を先に行い、この同定結果を初期値として用い、追加分を含むパラメータの同定を行うことが可能である。これにより、追加分を含む全てのパラメータを同時に同定した場合と比較して、良好なシミュレーションの結果を得られる。
また、パラメータ同定部11、第1シミュレート部13、及び第2シミュレート部14において、同一の塑性構成式情報(サブルーチン)を用いて、同定処理、及び各種シミュレート処理を行うことが可能である。これにより、硬化モデル、流れ則、降伏関数、パラメータの種類などの塑性構成式の内容(計算アルゴリズムを含む)が、前記各部において共通となるので、より正確なシミュレーションの結果を得ることが可能となる。
また、画像表示部15において、同定結果に基づく情報、各種シミュレーションの結果に基づく情報を画像表示することが可能である。これにより、同定結果、及びシミュレーションの結果を、視覚的にかつ容易に理解することが可能となる。
なお、上記実施の形態において、試験結果取得部10は、請求項7記載の試験結果取得手段に対応し、第1シミュレート部13及び第2シミュレート部14は、請求項7記載のシミュレーション手段に対応し、パラメータ同定部11は、請求項7、9及び10のいずれか1項に記載のパラメータ同定手段に対応し、画像表示部15は、請求項12記載の画像表示手段に対応する。
また、上記実施の形態において、ステップS102は、請求項1又は13記載の試験結果取得処理に対応し、ステップS104は、請求項1、3、4、13、15及び16のいずれか1項に記載のパラメータ同定処理に対応し、ステップS110及びステップS112は、請求項1又は13記載のシミュレート処理に対応し、ステップS114は、請求項6又は18記載の画像表示処理に対応する。
なお、上記実施の形態においては、吉田−上森モデルとHillの降伏関数(1948年)とを組み合わせた塑性構成式を例に挙げて、応力−ひずみ関係シミュレーションシステム100の処理の流れについて説明をしたが、これに限らず、本発明は、吉田−上森モデルと組み合わせる降伏関数を別のものにした塑性構成式や、吉田−上森モデルを用いない他の塑性構成式に対しても適用可能である。
また、上記実施の形態においては、常用のパラメータに対して新規のパラメータを追加した場合に、パラメータの同定処理を複数回に分けて行う例を説明したが、これに限らず、常用のパラメータの一部を先に同定し、この同定結果を用いて、残りのパラメータを含むパラメータの同定を行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態においては、応力−ひずみ関係シミュレーションシステム100を、1つの装置として構成したが、これに限らず、応力−ひずみ関係シミュレーションシステム100を複数の構成要素に分離し、分離した各構成要素を構成する複数の装置間をデータ通信可能に接続した構成としてもよい。
例えば、試験結果取得部10と、パラメータ同定部11とから構成される装置V、第1シミュレート部13、第2シミュレート部14から構成される装置W、塑性構成式情報記憶部12から構成される装置X、及び画像表示部15から構成される装置Zを構成し、これら装置V、W、X、Zをネットワーク等を介してそれぞれが互いにデータ通信できるように接続した構成などが考えられる。
本発明に係る応力−ひずみ関係シミュレーションシステム100の機能の構成を示すブロック図である。 本発明に係る応力−ひずみ関係シミュレーションシステム100のハードウェア構成を示す図である。 応力−ひずみ関係シミュレーションシステム100の処理の流れを示すフローチャートである。 パラメータ同定部11におけるパラメータ同定処理の流れを示すフローチャートである。 第1シミュレート部13における第1シミュレート処理の流れを示すフローチャートである。 第2シミュレート部14における第2シミュレート処理の流れを示すフローチャートである。 吉田−上森モデルを模式的に示す図である。 (a)及び(b)は、Non-IH(Isotropic Hardening:等方硬化)領域の一例を示す図である。 (a)及び(b)は、限界曲面BSとNon-IH領域との関係を示す図である。 追加分以外のパラメータを先に同定する処理を行った場合の画像表示例を示す図である。 全パラメータを同時に同定する処理を行った場合の画像表示例を示す図である。 プレス成形時の応力−ひずみ関係のシミュレーションの結果の一例を示す図である。 横軸にひずみ、縦軸に応力を取って、スプリングバック現象の様子を示す図である。 (a)及び(b)は、等方硬化モデルにおける降伏曲面Sの変化の様子を示す図である。 (a)及び(b)は、移動硬化モデルおける降伏曲面Sの変化の様子を示す図である。
符号の説明
10 試験結果取得部
11 パラメータ同定部
12 塑性構成式情報記憶部
13 第1シミュレート部
14 第2シミュレート部
15 画像表示部
100 応力−ひずみ関係シミュレーションシステム

Claims (19)

  1. 被成形材の応力−ひずみ関係を、前記被成形材の硬化則をモデル化した硬化モデルと、前記被成形材の降伏条件を与える降伏関数とを組み合わせて構成した塑性構成式にて、プレス成形における前記被成形材の応力−ひずみ関係をシミュレートする応力−ひずみ関係シミュレート方法であって、
    前記被成形材に対して引張方向及び圧縮方向に負荷をかける試験の結果を取得する試験結果取得処理と、
    前記試験の結果に基づき前記塑性構成式のパラメータを同定するパラメータ同定処理と、
    前記同定されたパラメータを入力した塑性構成式を用いて、前記被成形材の応力−ひずみ関係をシミュレートするシミュレート処理と、を含み、
    前記パラメータ同定処理及び前記シミュレート処理において、同一の塑性構成式を用いることを特徴とする応力−ひずみ関係シミュレート方法。
  2. 前記応力−ひずみ関係のシミュレート方法は、プレス成形時の応力−ひずみ関係をシミュレートする処理と、スプリングバック時の応力−ひずみ関係をシミュレートする処理の少なくとも一方を行うことを特徴とする請求項1記載の応力−ひずみ関係シミュレート方法。
  3. 前記パラメータ同定処理において、複数の前記パラメータを同定するときに、当該複数のパラメータの一部の同定を先に行い、しかる後、当該同定結果を入力した塑性構成式を用いて、残りのパラメータを含むパラメータの同定を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の応力−ひずみ関係シミュレート方法。
  4. 前記塑性構成式に対して新たなパラメータを追加したときに、
    前記パラメータ同定処理において、前記追加したパラメータ以外のパラメータの同定を先に行い、しかる後、当該同定結果を入力した塑性構成式を用いて、前記追加した新たなパラメータを含むパラメータの同定を行うことを特徴とする請求項3記載の応力−ひずみ関係シミュレート方法。
  5. 前記硬化モデルを、吉田−上森モデルとしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の応力−ひずみ関係シミュレート方法。
  6. 前記シミュレート方法によるシミュレーションの結果に関する情報の画像表示処理を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の応力−ひずみ関係シミュレート方法。
  7. 被成形材の応力−ひずみ関係を、前記被成形材の硬化則をモデル化した硬化モデルと、前記被成形材の降伏条件を与える降伏関数とを組み合わせて構成した塑性構成式にて、プレス成形における前記被成形材の応力−ひずみ関係をシミュレートする応力−ひずみ関係シミュレーションシステムであって、
    前記被成形材に対して引張方向及び圧縮方向に負荷をかける試験の結果を取得する試験結果取得手段と、
    前記試験の結果に基づき前記塑性構成式のパラメータを同定するパラメータ同定手段と、
    前記同定されたパラメータを入力した塑性構成式を用いて、前記被成形材の応力−ひずみ関係をシミュレートするシミュレーション手段と、を備え、
    前記パラメータ同定手段及び前記シミュレーション手段は、同一の塑性構成式を用いることを特徴とする応力−ひずみ関係シミュレーションシステム。
  8. 前記応力−ひずみ関係のシミュレーションシステムは、プレス成形時の応力−ひずみ関係をシミュレートする手段と、スプリングバック過程の応力−ひずみ関係をシミュレートする手段との少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項7記載の応力−ひずみ関係シミュレーションシステム。
  9. 前記パラメータ同定手段は、複数の前記パラメータを同定するときに、当該複数のパラメータの一部の同定を先に行い、しかる後、当該同定結果を入力した塑性構成式を用いて、残りのパラメータを含むパラメータの同定を行うことを特徴とする請求項7又は請求項8記載の応力−ひずみ関係シミュレーションシステム。
  10. 前記塑性構成式に対して新たなパラメータを追加したときに、
    前記パラメータ同定手段は、前記追加したパラメータ以外のパラメータの同定を先に行い、しかる後、当該同定結果を入力した塑性構成式を用いて、前記追加した新たなパラメータを含むパラメータの同定を行うことを特徴とする請求項9記載の応力−ひずみ関係シミュレーションシステム。
  11. 前記硬化モデルを、吉田−上森モデルとしたことを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載の応力−ひずみ関係シミュレーションシステム。
  12. 前記シミュレーションシステムによるシミュレーションの結果に関する情報の画像表示手段を備えることを特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれか1項に記載の応力−ひずみ関係シミュレーションシステム。
  13. 被成形材の応力−ひずみ関係を、前記被成形材の硬化則をモデル化した硬化モデルと、前記被成形材の降伏条件を与える降伏関数とを組み合わせて構成した塑性構成式にて、プレス成形における前記被成形材の応力−ひずみ関係をシミュレートする応力−ひずみ関係シミュレーションプログラムであって、
    前記被成形材に対して引張方向及び圧縮方向に負荷をかける試験の結果を取得する試験結果取得処理と、
    前記試験の結果に基づき前記塑性構成式のパラメータを同定するパラメータ同定処理と、
    前記同定されたパラメータを入力した塑性構成式を用いて、前記被成形材の応力−ひずみ関係をシミュレートするシミュレート処理とからなる処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを含み、
    前記パラメータ同定処理及び前記シミュレート処理においては、同一の塑性構成式を用いることを特徴とする応力−ひずみ関係シミュレーションプログラム。
  14. 前記応力−ひずみ関係のシミュレーションプログラムは、プレス成形時の応力−ひずみ関係をシミュレートする処理と、スプリングバック時の応力−ひずみ関係をシミュレートする処理の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項13記載の応力−ひずみ関係シミュレーションプログラム。
  15. 前記パラメータ同定処理においては、複数の前記パラメータを同定するときに、当該複数のパラメータの一部の同定を先に行い、しかる後、当該同定結果を入力した塑性構成式を用いて、残りのパラメータを含むパラメータの同定を行うことを特徴とする請求項13又は請求項14記載の応力−ひずみ関係シミュレーションプログラム。
  16. 前記塑性構成式に対して新たなパラメータを追加したときに、
    前記パラメータ同定処理において、前記追加したパラメータ以外のパラメータの同定を先に行い、しかる後、当該同定結果を入力した塑性構成式を用いて、前記追加した新たなパラメータを含むパラメータの同定を行うことを特徴とする請求項15記載の応力−ひずみ関係シミュレーションプログラム。
  17. 前記硬化モデルを、吉田−上森モデルとしたことを特徴とする請求項13乃至請求項16のいずれか1項に記載の応力−ひずみ関係シミュレーションプログラム。
  18. 前記シミュレーションプログラムによるシミュレーションの結果に関する情報の画像表示処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを含むことを特徴とする請求項13乃至請求項17のいずれか1項に記載の応力−ひずみ関係シミュレーションプログラム。
  19. 請求項13乃至請求項18のいずれか1項に記載の応力−ひずみ関係シミュレーションプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
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