JP6528526B2 - ガラスランの固定構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のドアサッシュと昇降自在なドアガラスとの間をシールするとともにモールが取り付けられるガラスランの固定構造に関する。
車両のドアサッシュには、ドアガラスとドアサッシュとの間をシールするガラスランが設けられる。一般にガラスランには、ドアガラスに当接する複数のシールリップが設けられたチャンネル部と、ドアサッシュに固定される断面U字状の固定部とが形成される。一方、ドアサッシュには、先端が車室外側に向かう姿勢で配置されたフランジ部が設けられる。ガラスランは、上述の固定部が上述のフランジ部を挟み込むように配置されることで、ドアサッシュに固定される。
従来、ドアサッシュのフランジ部に対するガラスランの固定強度を確保すべく、固定部に芯金を埋設したガラスランが知られている。このようなガラスランでは、芯金によって固定部の変形が抑制されるため、固定部がフランジ部から外れ難くなるというメリットがある一方で、芯金の分だけガラスランの質量が増加するというデメリットがある。
これに対し、芯金を省略して軽量化を図りつつ固定部の変形をも抑制したガラスランが提案されている。例えば特許文献1に記載のガラスランは、シールリップよりも高硬度に形成されたトリム部(固定部)を有し、このトリム部がフランジ部に固定されることでドアサッシュに固定されている。つまり、トリム部の硬度を高めることで、芯金を省略しながらトリム部の変形を抑制している。さらに特許文献1のガラスランは、トリム部に形成された係止リップとフランジ部に形成されたフックとが係合することによって、ガラスランがドアサッシュから外れ難くされている。
特開2014-196053号公報
ところで、ドアガラスの上縁部におけるドアサッシュの外面をモールで覆い、見栄えを良くした車両ドアが実用化されている。このようなモールがガラスランに取り付けられる場合、ガラスランには、ドアサッシュに対して固定される部位(固定部)と、モールを固定するための部位(モール固定部)とを設ける必要がある。これら二つの固定部は、固定対象(ドアサッシュ,モール)を外れにくくするという本来の機能に加えて、見栄え向上といった特長を有するものであることが望ましい。
本件は、上述のような課題に鑑み創案されたものであり、ガラスランの固定構造に関し、ガラスラン及びモールの外れを防止しながら、ドアガラスの上縁部の見栄えを向上させることを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示するガラスランの固定構造は、車両のドアサッシュと昇降自在なドアガラスとの間をシールするガラスランの固定構造である。本固定構造は、アウタパネルの車室内側にインナパネルを配して形成された前記ドアサッシュと、前記ドアサッシュに沿って設けられる前記ガラスランと、前記ガラスランに沿って取り付けられるモールと、を具備する。
前記ドアサッシュは、前記アウタパネルの上端部と前記インナパネルの上端部とが接合されて車室外側へ向かう姿勢で配置されるとともに前記ドアガラスの上縁部から離隔して前記上縁部に沿って延在する上側フランジ部を備える。また、前記ガラスランは、前記上縁部から離隔して前記上縁部に沿って延在する上面部と前記ドアガラスに当接する複数のリップとを有するとともに前記ドアガラス及び前記ドアサッシュの間をシールするチャンネル部を備える。さらに、前記ガラスランは、下部が車室内側に開放するとともに上部が車室外側に開放した断面S字状に形成され、前記下部の対向する二面のうちの前記ドアガラス側の一方が前記上面部で構成される第一固定部を備える。また、前記モールは、前記第一固定部を車室外側から覆う装飾部と、前記装飾部の上部において車室内側へ突設された差込部と、を備える。前記差込部は、前記第一固定部の前記上部の対向する二面のうち、一方である上面に当接する上側当接部と、他方である下面に当接するとともに前記上側当接部に対して段差を形成する下側当接部と、前記段差に設けられて前記上側当接部及び前記下側当接部を繋ぐ第一接続部と、を有する。前記第一固定部は、前記下部が前記上側フランジ部を挟み込むとともに前記上部が前記上面を前記上側当接部に当接させつつ前記下面を前記下側当接部に当接させることで前記差込部を挟み込む。
(2)前記差込部が、前記差込部の端部において前記上側当接部から下方に突設されるとともに先端側に行くほど先細りとなる楔状の係止部を有することが好ましい。この場合、前記第一固定部は、前記上部の前記下面に上方へ突設されて前記係止部が係止される突起部を有することが好ましい。
(3)前記チャンネル部が、前記上面部の車室外側の縁部から下方に延出されて前記ドアガラスの車室外側に位置する第一延出部と、前記上面部の車室内側の縁部から下方に延出されて前記ドアガラスの車室内側に位置する第二延出部と、を有することが好ましい。この場合、前記装飾部は、前記第一延出部に当接することが好ましい。
(4)前記第一延出部が、前記第一固定部よりも低硬度に形成されることが好ましい。なお、前記第一固定部は、前記リップよりも高硬度に形成されることが好ましい。
(5)前記ドアサッシュは、前記アウタパネルの下端部と前記インナパネルの下端部とが接合され下方に向かう姿勢で配置された下側フランジ部を備えることが好ましい。この場合、前記ガラスランが、前記チャンネル部よりも下方において上側が開放した断面U字状に形成されて前記下側フランジ部を下方から挟み込む第二固定部を備えることが好ましい。
(6)前記モールが、ステンレス鋼をロール成形することによって形成されることが好ましい。
(7)前記装飾部は、その上縁部から内側へ屈曲形成された横当接部を有し、前記差込部は、前記下側当接部が前記上側当接部よりも車室外側に設けられるとともに、前記下側当接部と前記横当接部とを繋ぐ第二接続部を有し、前記横当接部の内縁部は、前記上面の車室外側の先端に当接することが好ましい。
開示のガラスランの固定構造によれば、ドアサッシュに対するガラスランの外れを防止することができるとともに、ガラスランに対するモールの外れを防止することができる。また、ドアサッシュの上側フランジ部が車室外側へ向かう姿勢で配置されることで上側フランジ部の先端の上下長さが抑えられるため、ガラスラン及びモールの外観幅を抑えることができ、ドアガラスの上縁部の見栄えを向上させることができる。
一実施形態に係るガラスランの固定構造が適用された車両ドアの側面図である。 一実施形態に係るガラスランの固定構造の断面図(図1のA−A矢視断面図)である。 図2の要部を拡大した図である。 一実施形態に係るガラスランの固定構造におけるアウタパネルの斜視図である。
図面を参照して、実施形態としてのガラスランの固定構造について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。
以下の説明では、車両の進行方向を前方,その逆を後方とし、前方を基準に左右を定めるとともに、重力の方向を下方,その逆を上方として説明する。また、車両の左右方向(車幅方向ともいう)において、中央に向かう側を車室内側又は単に内側といい,その逆側を車室外側又は単に外側という。
[1.構成]
[1−1.全体構成]
本実施形態に係るガラスランの固定構造は、図1に示す車両のドア10に適用される。このドア10は、車両側面のサイドドアであり、アウタパネル12と、アウタパネル12の車室内側に配置されたインナパネル13(図2参照)とを備える。アウタパネル12及びインナパネル13は、例えば鋼板がプレス加工されることによって形成され、互いに対応した形状に形成される。アウタパネル12及びインナパネル13の上半部には、昇降自在なドアガラス11によって開閉される開口部が設けられる。
アウタパネル12は、上述の開口部よりも下側の部分を形成する本体部12Fと、開口部の下枠を除いた窓枠を形成するサッシュ部12Sとを有する。本体部12Fとサッシュ部12Sとは分割されることもある。また、インナパネル13は、アウタパネル12の本体部12Fとサッシュ部12Sとにそれぞれ対応する本体部(図示略)とサッシュ部13Sとを有する。
アウタパネル12のサッシュ部12Sとインナパネル13のサッシュ部13Sとは、互いに接合されてドアサッシュ2を形成する。ドアサッシュ2は、車体のサイドルーフ部31に沿って前後方向に延びる横枠部21と、車両のピラー32に沿って上下方向に延びる縦枠部22とを有する。横枠部21は、ドアガラス11が閉じた状態でドアガラス11の上縁部が位置する部位である。本実施形態に係るガラスラン4は、ドアサッシュ2の横枠部21とドアガラス11の上縁部との間をシールするものであり、ドアサッシュ2の横枠部21に沿って設けられる。また、このガラスラン4には、ドア10を装飾するモール5が取り付けられる。
[1−2.ドアサッシュ]
図2に示すように、ドアサッシュ2は、アウタパネル12のサッシュ部12Sの車室内側にインナパネル13のサッシュ部13Sを配して形成される。以下、アウタパネル12のサッシュ部12Sをアウタサッシュ部12Sといい、インナパネル13のサッシュ部13Sをインナサッシュ部13Sという。アウタサッシュ部12S,インナサッシュ部13Sは、それぞれアウタパネル12,インナパネル13の一部である。
アウタサッシュ部12Sは、その上端部12aが車室外側へ向かう姿勢で配置されるとともに、その下端部12bが上端部12aよりも車室内側で上側に開放した断面U字状に屈曲形成される。アウタサッシュ部12Sの上端部12aと下端部12bとの間は、上端部12aの基端から下方に向かって略直角方向へ屈曲形成された縦面部12dと、縦面部12dの下端から内側に向かって略直角方向へ屈曲形成されて下端部12bの基端へ繋がる横面部12eとで接続される。
インナサッシュ部13Sは、その上端部13aが車室外側へ向かう姿勢で配置されるとともに、その下端部13bが上端部13aよりも車室内側において下側へ向かう姿勢で配置される。インナサッシュ部13Sの上端部13aと下端部13bとの間は、車室内側に向かった膨出部13cで接続される。
インナサッシュ部13Sの上端部13aは、アウタサッシュ部12Sの上端部12aの上方に重ねられて接合される。これにより、ドアサッシュ2の上側フランジ部2Aが形成される。すなわち、上側フランジ部2Aは、アウタサッシュ部12S及びインナサッシュ部13Sの各上端部12a,13aが接合されたものであり、車室外側へ向かう姿勢で配置される。
上側フランジ部2Aは、その車幅方向の長さ寸法(縦面部12dからの突出長さ)がドアガラス11の厚みよりも大きく形成される。上側フランジ部2Aは、ドアガラス11が閉まった状態でドアガラス11の上縁部よりも上方に位置し(上縁部と離隔して配置され)、この上縁部に沿うように延在する。上側フランジ部2Aの先端は、ドアガラス11が閉まった状態でドアガラス11の上縁部よりも外側に位置する。
また、インナサッシュ部13Sの下端部13bは、アウタサッシュ部12Sの断面U字状の対向する二面に挟まれて接合される。これにより、ドアサッシュ2の下側フランジ部2Bが形成される。すなわち、下側フランジ部2Bは、アウタサッシュ部12S及びインナサッシュ部13Sの各下端部12b,13bが接合されたものであり、下側へ向かう姿勢で配置される。下側フランジ部2Bは、ドアガラス11の車室内側に配置される。このように、ドアサッシュ2は、閉断面の中空筒状に形成される。
ドアサッシュ2は、上側フランジ部2Aにおいてドアガラス11側に突設された複数の爪部12cを備える。これらの爪部12cは、ドアサッシュ2に対してガラスラン4を固定するためのものである。爪部12cは、アウタサッシュ部12Sの上端部12aの一部を下方(ドアガラス11側)へ切り起こし曲げ加工することによって形成される。すなわち、爪部12cは、アウタサッシュ部12Sの上端部12aの一部分を他の部位に対して所定角度(切り起こし角度)だけ傾斜させたものである。
本実施形態の爪部12cは、平面視で上側フランジ部2Aの長手方向に長い矩形状に形成される。爪部12cは、車室外側で長手方向に延びる一辺を除いた三辺に切り込みが入れられ、この三辺で囲まれた平面が車室外側の一辺を曲げ線としてドアガラス11側(すなわち下方)へ曲げられる。これにより、爪部12cは、車室内側に向かって下り勾配となるように形成される。以下、爪部12cの曲げ線となる車室外側の一辺側の部分を基端部という。爪部12cは、この基端部がドアガラス11の面内方向(図2に示す矢印D参照)においてドアガラス11と重なる位置に設けられる。言い換えると、ドアガラス11の面内方向の延長線上に爪部12cの基端部が位置するように、爪部12cが配置される。
図4に示すように、複数の爪部12cは、上側フランジ部2Aの長手方向(すなわちアウタサッシュ部12Sの上端部12aの長手方向)に沿って互いに間隔をあけて設けられる。本実施形態では、複数の爪部12cが上側フランジ部2Aの長手方向に沿って等間隔に配置される。なお、隣り合う爪部12cの間の距離(爪部12cの配置間隔)は、爪部12cの長さ寸法(上側フランジ部2Aの長手方向に沿う長さ寸法)に対して十分大きくされる。アウタサッシュ部12Sの上端部12aのうち、隣り合う爪部12cの間の部分は、インナサッシュ部13Sの上端部13aに対する接合代とされる。
[1−3.ガラスラン]
ガラスラン4は、ドアサッシュ2の外側に設けられることで、ドアサッシュ2とドアガラス11の上縁部との間に介在する。本実施形態のガラスラン4は、その横断面(ドアサッシュ2の長手方向に対して垂直な断面)が一様な形状に形成される。ガラスラン4は、シール機能を有するチャンネル部43と、ガラスラン4をドアサッシュ2に固定するとともにモール5をガラスラン4に固定するための第一固定部41と、ガラスラン4をドアサッシュ2に固定するための第二固定部42と、トリム14の取付部となるトリム固定部44とを備える。なお、図2では、ガラスラン4の断面を示すハッチングを省略する。
図2及び図3に示すように、チャンネル部43は、上側フランジ部2Aの下方に配置され、ドアガラス11とドアサッシュ2との間をシールする部位である。チャンネル部43は、上側フランジ部2Aに沿って延在する第一面部43a(上面部)と、第一面部43aから下方に延出される二つの延出部43b,43cと、ドアガラス11が閉じた状態でドアガラス11と接触する複数のリップ43d〜43fとを有する。
第一面部43aは、ドアガラス11の上縁部よりも上方において(上縁部から離隔して)ドアガラス11の上縁部に沿うように車両前後方向に延設される。第一面部43aは、その車幅方向の長さ寸法がドアガラス11の厚みよりも大きく形成されて、ドアガラス11の上縁部を車幅方向に亘って覆うように配置される。すなわち、第一面部43aの外縁部は、ドアガラス11の上縁部よりも外側に配置され、第一面部43aの内縁部は、ドアガラス11の上縁部よりも内側に配置される。
二つの延出部43b,43cは、第一面部43aの外縁部(車室外側の縁部)及び内縁部(車室内側の縁部)の各下面から下方へ延び、互いに対向して設けられる。以下、二つの延出部43b,43cのうち外側の一方を第一延出部43bといい、他方を第二延出部43cという。第一延出部43bは第二延出部43cよりも上下方向長さが短く、その厚み(車幅方向長さ)も第二延出部43cよりも薄い。第二延出部43cは、第一面部43aの内縁部からアウタサッシュ部12Sの縦面部12dに沿って配置される。チャンネル部43は、第一面部43aと二つの延出部43b,43cとで、下側に開放した断面コ字状に形成される。ドアガラス11の上縁部は、チャンネル部43の断面コ字状の内部を出入りする。
複数のリップ43d〜43fは、チャンネル部43の断面コ字状の内面側でドアガラス11に向かって延設される。本実施形態のチャンネル部43は、第一延出部43bの下端と、第二延出部43cの下端と、第一面部43aの内縁部とにそれぞれ一つずつのリップを有する。これらのリップ43d〜43fは、ドアガラス11が閉じた状態(図2に仮想線で示す位置)で、ドアガラス11に当接して弾性変形することで、ドアガラス11とドアサッシュ2との間をシールする。
第一固定部41は、上側フランジ部2Aに固定されるとともにモール5が固定される部位である。換言すると、この第一固定部41によって、ガラスラン4がドアサッシュ2に固定され、モール5がガラスラン4に固定される。第一固定部41は、下部が車室内側に開放するとともに上部が車室外側に開放した断面S字状に形成される。第一固定部41の下部は、上側フランジ部2Aに対して車室外側から取り付けられて、上側フランジ部2Aを挟み込む。また、第一固定部41の上部は、後述するモール5の差込部5Bを挟み込む。
本実施形態の第一固定部41の下部は、対向する二面部とこれら二面部の外縁部を繋ぐ面部とからなり、対向する二面部のうちのドアガラス11側の一方が、チャンネル部43の第一面部43aで構成される。すなわち上述の第一面部4aは、チャンネル部43の一部であるとともに、第一固定部41の一部でもある。第一面部4aは、その上面が上側フランジ部2Aの下面に当接する。
第一固定部41の下部の対向する二面部のうちの他方(以下、第二面部41aという)は、第一面部43aから上方に離隔して第一面部43aと略平行に設けられ、第一面部43aとの間に上側フランジ部2Aを挟み込む。また、これら二面部43a,41aを繋ぐ面部(以下、第一壁部41bという)は、上側フランジ部2Aの先端に当接するように設けられる。
一方、第一固定部41の上部は、対向する二面部とこれら二面部の内縁部を繋ぐ面部とからなり、対向する二面部のうちのドアガラス11側の一方が、上述の第二面部41aで構成される。すなわち上述の第二面部41aは、第一固定部41の上下方向の中間部に位置し、第一固定部41の下部の一部であるとともに、第一固定部41の上部の一部でもある。
第一固定部41の上部の対向する二面のうちの他方(以下、第三面部41dという)は、第二面部41aから上方に離隔して第二面部41aと略平行に設けられる。第三面部41dと第二面部41aとの間には、モール5の差込部5Bが差し込まれる。また、これら二面部41d,41aを繋ぐ面部(以下、第二壁部41eという)は、チャンネル部43の第二延出部43cよりも車室内側に位置するように設けられる。
第一固定部41は、第二面部41aの上面(第三面部41dに対向する面であり、第一固定部41の上部の下面)であって車幅方向略中央に上方へ突設された突起部41fと、第一面部43aの上面(第二面部41aに対向する面)であって内縁部寄りに凹設された溝部41cとを有する。突起部41fは、第一固定部41に対するモール5の固定を強化するためのものであり、後述の上側返し部51と係合する。また、溝部41cは、上側フランジ部2Aに対する第一固定部41の固定を強化するためのものであり、上述の爪部12cと係合する。
本実施形態の突起部41fは、略三角形の断面形状に形成され、三角形状をなす二平面のうちの内側の一方と上側返し部51の先端とが当接することで、突起部41fが上側返し部51と係合する。突起部41fの内側の平面は、第二面部41aの上面に対して直角に近い角度で傾斜して設けられる。また、突起部41fの三角形状をなす二平面のうちの外側の他方は、内側の平面よりも緩やかな傾斜角を有し、モール5の差込部5Bを内側へと案内するガイドとしての機能を有する。突起部41fは、その頂部と第三面部41dとの間にモール5の先端側を差し込める程度の隙間が形成され、かつ、モール5の板厚よりも大きな突出量を有する。
本実施形態の溝部41cは、断面V字状に形成され、V字状をなす二平面のうちの内側の一方と爪部12cの先端とが当接することで、溝部41cが爪部12cに係合する。溝部41cの内側の平面は、第一面部43aの上面に対して略直角に設けられ、爪部12cの先端の厚み以上の深さを有する。また、溝部41cのV字状をなす二平面のうちの外側の他方は、第一面部43cの上面に対して、爪部12cの切り起こし角度以上の角度で傾斜して設けられる。
第二固定部42は、下側フランジ部2Bに固定されることでガラスラン4をドアサッシュ2に固定する部位であり、チャンネル部43よりも下方で上方に開放した断面U字状に形成される。すなわち第二固定部42は、チャンネル部43に対して第一固定部41とは逆側(下側)に設けられ、下側フランジ部2Bに対して下方から取り付けられて、下側フランジ部2Bを挟み込む。これにより、ガラスラン4は、ドアサッシュ2に対して異なる二方向から取り付けられる。
図2に示すように、トリム固定部44は、チャンネル部43と第二固定部42とを繋ぎ、ドア10の内装材であるトリム14が固定される部位である。トリム固定部44は、トリム14の先端が嵌み込まれる凹部44aを形成する膨出部44bを有する。膨出部44bは、断面U字状の第二固定部42の対向する二面部のうちの外側の一方(トリム固定部44側の部位)の外側に設けられ、下方に膨出形成された部位である。凹部44aは、この膨出部44bと第二固定部42のトリム固定部44側の部位とで、下方に開放した断面U字状に形成される。
本実施形態のガラスラン4には、図2及び図3に示すように、係止用の第一凸部46a及び第二凸部46bが設けられる。第一凸部46aは、ガラスラン4に対するモール5の固定を強化するためのものであり、チャンネル部43の第一延出部43bの外面に突設される。本実施形態の第一凸部46aは、略三角形の断面形状に形成され、三角形状をなす二平面のうちの下側の一方(下面)と後述する下側返し部58の先端とが当接することで、第一凸部46aが下側返し部58と係合する。第一凸部46aの下面は、第一延出部43bの外面に対して略直角に設けられ、モール5の板厚よりも大きな突出量を有する。
第二凸部46bは、ドアサッシュ2の爪部12cを確実に第一固定部41の溝部41cに係合させるために、外側フランジ部2Aに密着するように設けられるものであり、第一固定部41の第二面部41aから下方(第一面部43a側)へ向かって突設される。本実施形態のガラスラン4は、車幅方向に並んだ複数の第二凸部46bを有する。また、ガラスラン4は、第一固定部41の第三面部41dの内縁部から上方に延出されたリップ45を有する。リップ45は、ガラスラン4が取り付けられた状態でサイドルーフ部31に当接して弾性変形し、ドアサッシュ2とサイドルーフ部31との間をシールする。
本実施形態のガラスラン4は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を押出し加工することによって一体に形成されている。つまり、ガラスラン4は、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)と、これよりも硬度の高いポリプロピレン樹脂(PP)とがブレンドされた材料で形成されたものであり、ゴムとプラスチックとの双方の性質を併せ持つ。ガラスラン4は、EPDMとPPとのブレンド比を変更することで、各部41〜46bの性質が異なるものとされる。
本実施形態のガラスラン4は、第一固定部41におけるPPの比率が、他部42〜46bにおけるPPの比率よりも高く設定され、第一固定部41が他部42〜46bに比べて高硬度に形成される。図3には、高硬度に形成された部位の断面と、低硬度に形成された部位の断面とを異なるハッチングで示す。
[1−4.モール]
モール5は、ガラスラン4の車室外側の表面を覆うように設けられ、ガラスラン4に沿って取り付けられる。本実施形態のモール5は、ステンレス鋼の平板をロール成形することによって形成されている。モール5は、その横断面(ドアサッシュ2の長手方向に対して垂直な断面)が一様なクランク形状に形成される。モール5は、ガラスラン4の第一固定部41を車室外側から覆う装飾部5Aと、モール5をガラスラン4に固定するための差込部5Bとを備える。
装飾部5Aは、ガラスラン4の上部側面を覆い、モール5の外表面を構成する本体部57と、この本体部57の上下に設けられた横当接部56及び下側返し部58とを有する。本体部57は、ガラスラン4の第三面部41dから第一延出部43bの下端近傍まで延在し、ガラスラン4との間に僅かな隙間をあけて配置される。本体部57の下端部は、下側に行くほど内側に向かうように弓なりに湾曲形成され、見栄えの向上が図られている。
下側返し部58は、モール5の下側の係止部を構成する部位であり、本体部57の下縁部から上方に向かって内側に屈曲形成される。下側返し部58は、モール5が取り付けられた状態で、下側返し部58の先端が第一凸部46aに当接するように形成される。
横当接部56は、本体部57の上縁部から内側へ略直角に屈曲形成されて、内縁部がガラスラン4の第三面部41dの先端に当接する。横当接部56は、その上面が第三面部41dの上面と同一面を形成するように同一の高さ位置に設けられる。これにより、見栄えの向上が図られている。
差込部5Bは、上述の装飾部5Aの上部において略直交方向に車室内側へ突設された部位であり、第一固定部41の上部に車室外側から差し込まれる。差込部5Bは、モール5の上側の係止部5Dの一部を構成する上側返し部51と、第一固定部41の上部の対向する二面部にそれぞれ当接する上側当接部52(当接部)及び下側当接部54と、これらを繋ぐ第一接続部53と、下側当接部54と横当接部56とを繋ぐ第二接続部55とを有する。
上側返し部51は、上側当接部52の内縁部から下方に向かって車室外側に屈曲形成された部位である。上側返し部51は、モール5が取り付けられた状態で突起部41fの内側の平面に当接するように形成される。上側返し部51は、モール5を取り付ける場合に、差込部5Bが第一固定部41の上部に差し込まれて突起部41fに当接すると、先端が上側当接部52に向かうように弾性変形する。この先端は、差込部5Bが差し込まれるほど弾性変形し、突起部41fを乗り越えることで元の形状に復帰する。そして、上側返し部51の先端が突起部41fの内側の平面に当接することで、モール5がガラスラン4に固定される。
言い換えると、モール5は、差込部5Bの先端に設けられた上側返し部51とこれに対向する上側当接部52とによって、先端側に行くほど先細りとなる楔状に形成された係止部5Dを構成する。係止部5Dは、差込部5Bの端部において上側当接部52から下方に突設された部位である。
[2.作用,効果]
(1)上述のガラスラン4は、第一固定部41の下部がドアサッシュ2の上側フランジ部2Aを挟み込むとともに、第一固定部41の上部がモール5の差込部5Bを挟み込む。そのため、ドアサッシュ2に対するガラスラン4の外れを防止することができるとともに、ガラスラン4に対するモール5の外れを防止することができる。
また、上側フランジ部2Aが車室外側に向かう姿勢で配置されるため、ドアサッシュ2の外観幅(上側フランジ部2Aの先端の上下長さ)を抑えることができ、第一固定部41及びモール5の外観幅(上下長さ)も抑えることができる。さらに、第一固定部41が上側フランジ部2Aを車室外側から挟み込むため、上側フランジ部2Aを車室外側から覆い隠すことができる。これらにより、ドアガラス11の上縁部の見栄えを向上させることができる。
また、上述のモール5は、その差込部5Bが第一固定部41に差し込まれることでガラスラン4に固定されることから、モール5の取り付けに接着剤等を要しない。したがって、モール5をガラスラン4に接着剤等で貼り付ける場合と比べて、モール5の取り付け作業性を向上させることができる。また、接着剤等が不要なことから、コスト削減にも繋がる。
(2)上述のモール5の差込部5Bの先端には、係止部5Dとしての上側返し部51が設けられ、上述のガラスラン4の第一固定部41には、この上側返し部51が係止される突起部41fが設けられる。そして、上側返し部51が突起部41fに係止されることにより、モール5の上部がガラスラン4に固定される。これにより、モール5をガラスラン4から外れ難くすることができることから、第一固定部41に対するモール5の固定を強化することができる。
また、係止部5Dが差込部5Bの先端側に行くほど先細りとなる楔状に形成されるため、差込部5Bを第一固定部41の上部に挿入しやすくすることができ、モール5の取り付け性を向上させることができる。さらに上述の係止部5D(上側返し部51)は、弾性変形可能に設けられていることから、差込部5Bの装着時に突起部41fを容易に乗り越えることができ、突起部41fを乗り越えたのちは元の形状に復帰して突起部41fに係合する。このため、スムーズな差し込み動作を確保しつつ、差込部5Bの抜けを防止できる。
(3)上述のモール5では、装飾部5Aの下側返し部58がガラスラン4の第一延出部43bに当接して設けられる。そのため、装飾部5Aによって第一延出部43bを支えることができ、第一延出部43bが車室外側に振れることを防止することができる。これにより、リップ43dの位置が安定化するため、リップ43dのシール性を向上させることができる。
(4)上述のガラスラン4では、第一延出部43bが第一固定部41よりも低硬度に形成される。そのため、第一延出部43bが第一固定部41よりも弾性変形しやすい。しかしながら第一延出部43bは、モール5の下側返し部58によって支えられることで車室外側への変位が抑制され、ドアガラス11の上縁部の位置を適正化することができる。
(5)上述のガラスラン4は、第一固定部41による固定に加え、第二固定部42によってもドアサッシュ2に固定される。このように第一固定部41に加えて第二固定部42を設けることで、ガラスラン4をドアサッシュ2に対してより強固に固定することができる。また、第二固定部42は、ドアサッシュ2の下側フランジ部2Bをドアサッシュ2の下方から挟み込むことから、ガラスラン4がドアサッシュ2に対して異なる二方向から取り付けられることになる。これにより、ガラスラン4を更に外れ難くすることができる。
(6)上述のモール5は、ステンレス鋼をロール成形することによって形成されるため、アルミを押出し成形することによって形成される場合と比べて、モール5を薄肉化することができ、モール5を軽量化することができる。
(7)上述のガラスラン4は、第一固定部41の溝部41cがドアサッシュ2の爪部12cに係合する。これによって、第一固定部41が上側フランジ部2Aに対して車室外側へ変位することが防止されることから、ドアサッシュ2に対するガラスラン4の固定が強化される。つまり、上述のガラスラン4の固定構造によれば、ガラスラン4がドアサッシュ2から外れることをより確実に防止することができる。
また、一様な断面をなすフランジを備えた従来のドアでは、アウタパネルとインナパネルとの接合代を確保するために爪部の車幅方向における位置が制限されてしまう。これに対し、上述のガラスラン4の固定構造では、上側フランジ部2Aの長手方向全体に亘って爪部が形成されるのではなく、複数の爪部12cが上側フランジ部2Aの長手方向に沿って互いに間隔をあけて設けられる。そのため、複数の爪部12cの相互間にアウタパネル12のサッシュ部12Sの上端部12aとインナパネル13のサッシュ部13Sの上端部13aとを接合するための接合代を確保することができる。つまり、上述のガラスラン4の固定構造では、複数の爪部12cの相互間に接合代が確保されることから、爪部12cの車幅方向における配置の自由度を高めることができる。
また、上述の爪部12cは、アウタパネル12の上端部12aの一部を切り起こすことによって形成されるため、製造コストを抑制することができる。
(8)上述のガラスラン4は、第一固定部41がチャンネル部43のリップ43d〜43fよりも高硬度に形成されるため、リップ43d〜43fの変形を許容しつつ、第一固定部41の変形を抑制することができる。つまり、上述の構造によれば、チャンネル部43のリップ43d〜43fによるシール性を確保しながら、第一固定部41を上側フランジ部2Aから外れ難くするとともに、モール5を第一固定部41から外れ難くすることができる。これにより、ガラスラン4及びモール5の外れをより確実に防止することができる。
また、第一固定部41が高硬度に形成されることにより第一固定部41の変形を抑制することができるため、第一固定部41の変形を抑制するための部品(例えば芯金)を設ける必要がなく、ガラスラン4の軽量化を図ることができる。
(9)上述のガラスラン4は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を押出し成形することによって形成される。そのため、ガラスラン4の各部41〜46bにおけるPPとEPDMとのブレンド比を変更することで、各部41〜46bの硬度を容易に調節することができる。また、TPOを押出し成形することにより、ガラスラン4において互いに硬度の異なる複数の部位を一体に(一度の押出し作業で)形成することができる。
(10)上述の爪部12cは、その基端部(曲げ線となる車室外側の一辺側の部分)がドアガラス11の面内方向(図2に示す矢印D参照)においてドアガラス11と重なる位置に設けられる。これにより、ガラスラン4が爪部12cの先端側とドアガラス11の上縁部とに挟まれて損傷することを回避しながら、上側フランジ部2Aの車幅方向長さ(突出長さ)を縮小することができる。また、アウタサッシュ部12Sの縦面部12dをドアガラス11に接近させて板金袋構造の懐を拡大することにより、ドアサッシュ2の断面の剛性を高めることができる。
仮に、爪部12cとドアガラス11との干渉を回避するために爪部12cをドアガラス11の延長線上に配置しないようにすると、上側フランジ部2Aの車幅方向長さを長くする必要がある。一方で、上側フランジ部2Aの車幅方向長さを短くするために爪部12cの先端側をドアガラス11の延長線上に配置すると、爪部12cとドアガラス11とが干渉してガラスラン4が損傷するおそれがある。また、このガラスラン4の損傷を回避するために爪部12cとドアガラス11の上縁部との距離を長く確保すると、ガラスラン4の上下方向長さが長くなるという別の課題が生じる。これらに対し、上述のように、爪部12cの基端部がドアガラス11の面内方向Dにおいてドアガラス11と重なるように爪部12cを配置することで、このような課題が生じることもなく、上述の効果を得ることができる。
(11)上述のガラスラン4の固定構造では、ガラスラン4が下側フランジ部2Bの車室外側に隣接して設けられたトリム固定部44を備える。また、トリム14が、第二固定部42の下方に配置されてトリム固定部44に固定される。そのため、トリム14によって第二固定部42を覆い隠すことができる。また、トリム14によって第二固定部42を下方から支えることができるため、ガラスラン4をより外れ難くすることができる。
(12)上述のモール5の装飾部5Aには、本体部57の下端部に下側返し部58が設けられ、上述のガラスラン4の第一延出部43bには、この下側返し部58が係止される第一凸部46aが設けられる。そして、下側返し部58が第一凸部46aに係止されることにより、モール5の下端部がガラスラン4に固定される。これにより、モール5をガラスラン4から外れ難くすることができることから、ガラスラン4に対するモール5の固定を強化することができる。
なお、上述のモール5は、上側返し部51と下側返し部58との二つが係止される。これにより、モール5の外れや上下方向の位置ずれを防止できる。
(13)上述の固定構造では、モール5の上側当接部52及び下側当接部54がそれぞれ第三面部41d及び第二面部41aに当接することから、モール5の差込部5Bの外れや上下方向の位置ずれを防止できる。
(14)上述のモール5は、第一固定部41の上部に挟み込まれて固定されるため、モール5が上側フランジ部2Aに接触することが防止される。つまり、第一固定部41がモール5を挟み込むことにより、何れも金属である上側フランジ部2A及びモール5の接触を防止しながらモール5を固定することができる。
[3.変形例]
上述した実施形態に関わらず、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。上述した実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
上述の実施形態では、爪部12cが上側フランジ部2Aの長手方向に沿って等間隔に配置される場合を例示したが、複数の爪部12cの配置は上述のものに限られない。例えば、複数の爪部12cが、上側フランジ部2Aの長手方向の曲率が大きいほど小さい間隔で設けられてもよい。すなわち、上側フランジ部2Aの長手方向のカーブが急な位置ほど、爪部12cの個数を増やしてガラスラン4の固定を強化するようにしてもよい。
上側フランジ部2Aの長手方向の曲率が大きいということは、ガラスラン4の長手方向の曲率も大きくなるため、ガラスラン4が上側フランジ部2Aから外れやすくなる虞がある。これに対し、上述のように上側フランジ部2Aの長手方向の曲率が大きいほど複数の爪部12cの配置間隔を小さくすることにより、ガラスラン4の外れを効果的に防止することができる。
上述の実施形態で示したガラスラン4の形状,材料,成形方法は一例であり、上述のものに限定されない。例えば、ガラスラン4にトリム14が取り付けられるものでない場合には、トリム固定部44を省略することができる。また、ガラスラン4の第二固定部42が第一固定部41と同様に高硬度に形成されたものであってもよい。また、第二凸部46bが省略され、第二面部41aが上側フランジ部2Aに直接当接するような構成であってもよい。また、車体のサイドルーフ部31とドアサッシュ2との間をシールするウェザストリップを配置し、リップ45を省略してもよい。
また、ガラスラン4がTPO製でなくてもよく、異なる材質で別体に形成された各部位41〜46bを接着剤等で接合することでガラスラン4としてもよい。少なくともガラスラン4が、第一固定部41でドアサッシュ2に固定されるものであり、チャンネル部43に設けられた複数のリップ43d〜43f等でドアガラス11とドアサッシュ2との間をシールするものであればよい。
なお、上述の実施形態では、ガラスラン4の第一固定部41が他部42〜46bよりも高硬度に形成される場合を例示したが、ガラスラン4は全ての部位の硬度が一様に形成されたものであってもよいし、更に細かい部位ごとに硬度が異なるものであってもよい。例えば、第二固定部42とチャンネル部43とで硬度が異なっていてもよいし、延出部43b,43cとリップ43d〜43fとで硬度が異なっていてもよい。ただし、上述のように、ガラスラン4の第一固定部41がチャンネル部43のリップ43d〜43fよりも高硬度に形成される場合には、ガラスラン4及びモール5の外れをより確実に防止することができるとともに、ガラスラン4の軽量化を図ることができる。
また、上述の実施形態で示した爪部12c及び溝部41cの形状は一例である。すなわち爪部12cは、上述のように車室内側に向かう姿勢で配置されるものに限らず、例えばアウタサッシュ部12Sの上端部12aの一部分を他の部位に対して略直角に切り起こしたものであってもよい。この場合、溝部41cの車室内側の平面が爪部12cの内側の平面と当接することで、溝部41cが爪部12cに係合する。また、溝部41cは、例えば断面U字状や断面矩形状に形成されてもよい。この場合も、対向する二平面のうちの内側の一方が爪部12cと当接することで、溝部41cが爪部12cに係合する。
さらに上述の実施形態では、爪部12cの基端部がドアガラス11の面内方向においてドアガラス11と重なる位置に設けられる場合を例示したが、爪部12cの配置はこれに限らず、基端部がドアガラス11の面内方向においてドアガラス11と重ならない位置に設けられてもよい。爪部12cの車幅方向の位置が何れの位置であっても、本固定構造によれば上述のように爪部12cの相互間にアウタサッシュ部12Sの上端部12aとインナサッシュ部13Sの上端部13aとの接合代を確保することができる。
なお、ガラスラン4は、上述の溝部41c以外の構造でドアサッシュ2に対する固定が強化されてもよい。例えば、ドアサッシュ2に溝部を凹設し、この溝部に係合する爪部をガラスラン4に設けて、ガラスラン4をドアサッシュ2に固定するようにしてもよい。この場合、上述の爪部12c及び溝部41cを省略することが可能である。
また、上述の実施形態で示したモール5の形状,材料,成形方法は一例であり、上述のものに限定されない。例えば、上側返し部51及び下側返し部58の代わりに、断面楔状の係止部を設けてモール5をガラスラン4に固定する構成としてもよい。また、接着剤等を用いて、モール5が差込部5Bを第一固定部41の上部に挟み込まれることによってガラスラン4に固定される構成の場合、モール5の上側返し部51や下側返し部58を省略してもよい。この場合、突起部41f及び第一凸部46aを省略することが可能である。
また、上述の実施形態ではモール5がステンレス鋼のロール成形により形成される場合を例示したが、モール5は例えばアルミや樹脂の押出し成形により形成されるものであってもよい。また、上述の実施形態では、モール5の本体部57が第一壁部41bとの間に隙間を介して配置される場合を例示したが、モール5の本体部57は第一壁部41bに当接した状態に配置されてもよい。また、例えば第一壁部41bから車室外側に突出する図示しない突出部を設け、本体部57がこの突出部に当接した状態で配置されるようにしてもよい。
2 ドアサッシュ
2A 上側フランジ部
2B 下側フランジ部
4 ガラスラン
41 第一固定部
41f 突起部
42 第二固定部
43 チャンネル部
43a 第一面部(上面部)
43d〜43f リップ
5 モール
5A 装飾部
5B 差込部
5D 係止部
52 上側当接部(当接部)
11 ドアガラス
12 アウタパネル
12a 上端部
12b 下端部
13 インナパネル
13a 上端部
13b 下端部

Claims (7)

  1. 車両のドアサッシュと昇降自在なドアガラスとの間をシールするガラスランの固定構造において、
    アウタパネルの車室内側にインナパネルを配して形成された前記ドアサッシュと、
    前記ドアサッシュに沿って設けられる前記ガラスランと、
    前記ガラスランに沿って取り付けられるモールと、を具備し、
    前記ドアサッシュは、前記アウタパネルの上端部と前記インナパネルの上端部とが接合されて車室外側へ向かう姿勢で配置されるとともに前記ドアガラスの上縁部から離隔して前記上縁部に沿って延在する上側フランジ部を備え、
    前記ガラスランは、前記上縁部から離隔して前記上縁部に沿って延在する上面部と前記ドアガラスに当接する複数のリップとを有するとともに前記ドアガラス及び前記ドアサッシュの間をシールするチャンネル部と、下部が車室内側に開放するとともに上部が車室外側に開放した断面S字状に形成され、前記下部の対向する二面のうちの前記ドアガラス側の一方が前記上面部で構成される第一固定部と、を備え、
    前記モールは、前記第一固定部を車室外側から覆う装飾部と、前記装飾部の上部において車室内側へ突設された差込部と、を備え、
    前記差込部は、前記第一固定部の前記上部の対向する二面のうち、一方である上面に当接する上側当接部と、他方である下面に当接するとともに前記上側当接部に対して段差を形成する下側当接部と、前記段差に設けられて前記上側当接部及び前記下側当接部を繋ぐ第一接続部と、を有し、
    前記第一固定部は、前記下部が前記上側フランジ部を挟み込むとともに前記上部が前記上面を前記上側当接部に当接させつつ前記下面を前記下側当接部に当接させることで前記差込部を挟み込む
    ことを特徴とする、ガラスランの固定構造。
  2. 前記差込部が、前記差込部の端部において前記上側当接部から下方に突設されるとともに先端側に行くほど先細りとなる楔状の係止部を有し、
    前記第一固定部は、前記上部の前記下面に上方へ突設されて前記係止部が係止される突起部を有する
    ことを特徴とする、請求項1記載のガラスランの固定構造。
  3. 前記チャンネル部が、前記上面部の車室外側の縁部から下方に延出されて前記ドアガラスの車室外側に位置する第一延出部と、前記上面部の車室内側の縁部から下方に延出されて前記ドアガラスの車室内側に位置する第二延出部と、を有し、
    前記装飾部は、前記第一延出部に当接する
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のガラスランの固定構造。
  4. 前記第一延出部が、前記第一固定部よりも低硬度に形成される
    ことを特徴とする、請求項3記載のガラスランの固定構造。
  5. 前記ドアサッシュは、前記アウタパネルの下端部と前記インナパネルの下端部とが接合され下方に向かう姿勢で配置された下側フランジ部を備え、
    前記ガラスランが、前記チャンネル部よりも下方において上側が開放した断面U字状に形成されて前記下側フランジ部を下方から挟み込む第二固定部を備える
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のガラスランの固定構造。
  6. 前記モールが、ステンレス鋼をロール成形することによって形成される
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載のガラスランの固定構造。
  7. 前記装飾部は、その上縁部から内側へ屈曲形成された横当接部を有し、
    前記差込部は、前記下側当接部が前記上側当接部よりも車室外側に設けられるとともに、前記下側当接部と前記横当接部とを繋ぐ第二接続部を有し、
    前記横当接部の内縁部は、前記上面の車室外側の先端に当接する
    ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載のガラスランの固定構造。
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