JP6507473B2 - 化粧シート - Google Patents

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Description

本発明は、床材用化粧シートとして有用な化粧シートに関する。
従来、床材用化粧シートの耐衝撃性や耐キャスター性を向上させるために、化粧シート全体の厚みを厚くする方法が知られている。このような化粧シートは、全体の厚みを厚くし過ぎると、エンボス賦形性が甘くなる、ロールが太巻きになる、ロールにした際のカールが強くなるためロールラミネートできない等の工程上の問題がある。
上述の問題を解決した床材用化粧シートとして、化粧シートの裏面側にバッカー層を有する化粧シートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上述の化粧シートは、裏面側にバッカー層を設ける必要があるため製造コストが割高になり、製造上の工程ロスが生じるという問題がある。また、バッカー層を溶融樹脂の押出しによって形成する場合は溶融樹脂が高温であるため化粧シート表面のエンボス形状が消失するのでエンボス賦形性に劣り、且つ消失せずに残ったエンボス形状も実使用において消失し易くなり、エンボス堅牢度に劣るという問題がある。
上述の問題を解決する手法として、バッカー層を設けずに基材シートの厚みを厚くする手法が用いられているが、基材シートの厚みを厚くし過ぎると、化粧シート全体の厚みが厚くなり、上述の化粧シート全体の厚みを厚くした際の問題を生じることとなる。
また、バッカー層を設けずに透明性樹脂層の厚みを厚くする手法が用いられているが、透明性樹脂層の厚みを厚くし過ぎると、エンボス工程において吸熱が足りずエンボス賦形性及びエンボス堅牢度が低下し、床材加工した後の熱収縮により基材シートの反りや割れが生じるという問題がある。
従って、バッカー層を必要とせず、床材用化粧シートに要求される耐衝撃性、耐キャスター性、エンボス賦形性及びエンボス堅牢度に優れ、且つ熱収縮による反りが抑制された床材用化粧シートの開発が望まれている。
2007―98855号公報
本発明は、耐衝撃性、耐キャスター性、エンボス賦形性及びエンボス堅牢度に優れ、且つ熱収縮による反りが抑制されており、床材用化粧シートとして有用な化粧シートを提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、基材シート上に、少なくとも透明性樹脂層を有する床材用化粧シートにおいて、基材シートの厚みと透明性樹脂層の厚みとの厚み比を特定の範囲とし、且つ透明性樹脂層の厚みと基材シートの厚みとの合計を特定の範囲とすることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の化粧シートに関する。
1.基材シート上に、少なくとも透明性樹脂層を有する化粧シートであって、(1)前記透明性樹脂層の厚み(t1)と前記基材シートの厚み(t2)との厚み比(t1)/(t2)が1.5/1.0〜1.0/1.5であり、(2)前記透明性樹脂層の厚み(t1)と前記基材シートの厚み(t2)との合計(t1)+(t2)が300〜600μmである、
ことを特徴とする化粧シート。
2.前記透明性樹脂層は厚みが150μm以上である、上記項1に記載の化粧シート。
3.前記透明性樹脂層はオレフィン樹脂層である、上記項1又は2に記載の化粧シート。
4.前記基材シートは、ポリオレフィン樹脂及びポリエステル樹脂の少なくとも1種を含む、上記項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
5.前記基材シートと前記透明性樹脂層との間に、更に絵柄模様層を有する、上記項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
6.前記透明性樹脂層の上に表面保護層が積層されている、上記項1〜5のいずれかに記載の化粧シート。
7.前記表面保護層は電離放射線硬化型樹脂層である、上記項6に記載の化粧シート。
8.前記透明性樹脂層と前記表面保護層との間に、更にプライマー層を有する、上記項6又は7に記載の化粧シート。
9.前記透明性樹脂層側からエンボス加工されている、上記項1〜8のいずれかに記載の化粧シート。
10.床材用である、上記項1〜9のいずれかに記載の化粧シート。
11.上記項1〜10のいずれかに記載の化粧シートを被着材に積層してなる化粧板。
以下、本発明の床材用化粧シートについて詳細に説明する。
本発明の床材用化粧シートは、基材シート上に、少なくとも透明性樹脂層及び表面保護層を順に有し、(1)上記透明性樹脂層の厚み(t1)と上記基材シートの厚み(t2)との厚み比(t1)/(t2)が1.5/1.0〜1.0/1.5であり、(2)上記透明性樹脂層の厚み(t1)と上記基材シートの厚み(t2)との合計(t1)+(t2)が300〜600μmであることを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の床材用化粧シートは、透明性樹脂層の厚みと基材シートの厚みとの合計が特定の範囲であり、且つ透明性樹脂層と基材シートとの厚み比が適当な範囲であるので、耐衝撃性及び耐キャスター性に優れている。このため、バッカー層を必要とせず、上記厚み比と上記厚みの合計とを特定の範囲としたこととあいまって、エンボス賦形性及びエンボス堅牢度に優れている。
更に、上記厚み比と上記厚みの合計とを規定したことにより、透明性樹脂層の厚みが厚過ぎず、床材用化粧シートの熱収縮による反りが抑制されている。
本発明の床材用化粧シートは、透明性樹脂層の厚み(t1)と基材シートの厚み(t2)との合計(t1)+(t2)が300〜600μmである。(t1)+(t2)が300μm未満であると、耐衝撃性及び耐キャスター性に劣る。また、(t1)+(t2)が600μmを超えると、エンボス賦形性及びエンボス堅牢度に劣る。(t1)+(t2)は300〜500μmが好ましく、300〜400μmがより好ましい。(t1)+(t2)が厚過ぎると、ロールにした際に巻きずれが生じロール化が困難となるおそれがある。
本発明の床材用化粧シートは、透明性樹脂層の厚み(t1)と基材シートの厚み(t2)との厚み比(t1)/(t2)が1.5/1.0〜1.0/1.5である。(t1)/(t2)が1.0/1.5より小さいと、透明性樹脂層の厚みが薄くなるため耐衝撃性に劣る。また、(t1)/(t2)が1.0/1.5より小さいと、耐摩耗性が劣り、柄の奥行き感も低下する。
また、(t1)/(t2)が1.5/1.0より大きいと、透明性樹脂層の厚みが厚くなるため、エンボス工程において吸熱が足りず、エンボス賦形性及びエンボス堅牢度に劣る。また、透明性樹脂層の厚みが厚くなると、透明性樹脂層の熱収縮による反り量が大きくなるので、床材用化粧シートの反り量も大きくなる。
なお、上記(t1)/(t2)が1.0/1.5よりも小さいとは、厚み比(t1)/(t2)が1.0/1.5の状態よりも、(t1)の比率が小さく、(t2)の比率が大きいことを示す。また、(t1)/(t2)が1.5/1.0よりも大きいとは、厚み比(t1)/(t2)が1.5/1.0の状態よりも、(t1)の比率が大きく、(t2)の比率が小さいことを示す。以下、本明細書中においても同様である。
上記厚み比(t1)/(t2)は、1.2/1.0〜1.0/1.0が好ましい。
(基材シート)
基材シートとしては限定的ではないが、樹脂成分としてポリオレフィン樹脂を含む基材シートが好ましい。実質的には、ポリオレフィン樹脂からなるシートを用いる。
ポリオレフィン樹脂としては特に限定されず、化粧シートの分野で通常用いられているものが使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの中でも、特にポリプロピレン、ポリオレフィン熱可塑性エラストマー等が好ましい。
ポリプロピレンを主成分とする単独重合体又は共重合体も好ましく、例えば、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、及び、ポリプロピレン結晶部を有し、且つプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンが挙げられる。その他、エチレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1又はオクテン−1のコモノマーを15モル%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体等も好ましい。
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントにアイソタクチックポリプロピレン、ソフトセグメントにアタクチックポリプロピレンを重量比80:20で混合したものが好ましい。
ポリオレフィン樹脂は、例えば、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等によりフィルム状にすればよい。
基材シートは、また、樹脂成分としてポリエステル樹脂を含む基材シートであってもよい。この場合、実質的にはポリエステル樹脂からなるシートを用いる。
ポリエステル樹脂としては特に限定されず、化粧シートの分野で通常用いられているものが使用できる。例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が挙げられる。これらの中でも、特にポリブチレンテレフタレートが好ましい。
また、基材シートは、ポリオレフィン樹脂及びポリエステル樹脂の少なくとも1種を含んでいてもよい。なお、基材シートがポリオレフィン樹脂及びポリエステル樹脂を含む場合は、一層からなる基材シートが、ポリオレフィン樹脂とポリエステル樹脂とを混合した樹脂により形成されていてもよいし、複数の層からなる基材シートが、ポリオレフィン樹脂を含むシートとポリエステル樹脂を含むシートとを積層することにより形成されていてもよい。
また、基材シートは、ポリオレフィン樹脂を含む層を複数層積層することにより形成されていてもよい。この場合、基材シートを形成するそれぞれの層は、含まれるポリオレフィン樹脂の種類及び配合量が異なっていてもよく、添加剤の種類及び配合量が異なっていてもよい。このような基材シートの例としては、例えば、(i)層中のポリオレフィンのブロック共重合体及びランダム共重合体の配合比率が異なる層同士を複数層積層した基材シート、(ii)顔料、フィラー等を含む層と、含まない層とを積層した基材シート、(iii)層中の顔料、フィラー等の配合量が、互いに異なる層を複数層積層した基材シート等が挙げられる。
同様に、基材シートは、ポリエステル樹脂を含む層を複数層積層することにより形成されていてもよい。この場合においても、基材シートを形成するそれぞれの層は、用いるポリエステル樹脂の種類及び配合量や、添加剤の種類及び配合量が異なっていてもよい。
これらの基材シートの構成は、化粧シートを被着材に積層して化粧板とする際に用いられる、木質基材等の被着材の厚み、硬さ等に応じて適宜選択すればよい。
基材シートの厚みは特に限定されず、製品特性に応じて設定できるが、好ましくは150〜300μm、より好ましくは160〜240μm、更に好ましくは180〜200μm程度である。
基材シートには、必要に応じて、添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー等の充填剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、着色剤(下記参照)などが挙げられる。添加剤の配合量は、製品特性に応じて適宜設定できる。
着色剤としては特に限定されず、顔料、染料等の公知の着色剤を使用できる。例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料;イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(染料も含む);アルミニウム、真鍮等の金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料などが挙げられる。
基材シートの片面又は両面には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理等の表面処理を施してもよい。例えば、コロナ放電処理を行う場合には、基材シート表面の表面張力が30dyne以上、好ましくは40dyne以上となるようにすればよい。表面処理は、各処理の常法に従って行えばよい。
基材シートの片面又は両面には、必要に応じて、プライマー層を設けてもよい。
プライマー層は、公知のプライマー剤を基材シートの片面又は両面に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、ウレタン−セルロース系樹脂(例えば、ウレタンと硝化綿の混合物にヘキサメチレンジイソシアネートを添加してなる樹脂)からなるプライマー剤等が挙げられる。
プライマー剤の塗布量は特に限定されないが、通常0.1〜20g/m、好ましくは0.5〜10g/m程度である。
(透明性樹脂層)
透明性樹脂層は透明である限り着色されていてもよく、絵柄模様層が視認できる範囲内で半透明であってもよい。
透明性樹脂層を形成する樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリメチルペンテン、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、ポリカーボネート、セルローストリアセテート等が挙げられる。上記の中でも、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂が好ましい。より好ましくは、立体規則性を有するポリオレフィン樹脂である。ポリオレフィン樹脂を用いる場合は、溶融ポリオレフィン樹脂を押し出し法により透明性樹脂層を形成することが望ましい。
透明性樹脂層には、必要に応じて、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えばゴム)等の各種の添加剤が含まれていても良い。
透明性樹脂層の厚みは特に限定されないが、150μm以上が好ましい。透明性樹脂層の厚みを150μmとすることにより、下層に絵柄模様層を積層した場合に、絵柄の奥行き感が増加して意匠性が向上し、また、床材用化粧シートの耐摩耗性が向上する。透明性樹脂層の厚みは、150〜300μm程度が好ましく、160〜240μm程度がより好ましく、200〜220μm程度が更に好ましい。上記厚みが薄過ぎると、耐衝撃性及び耐キャスター性に劣るおそれがある。厚過ぎると、エンボス賦形性及びエンボス堅牢度に劣るおそれがあり、また、透明性樹脂層の熱収縮による反り量が大きくなるおそれがあり、これに追従して床材用化粧シートの反り量も大きくなるおそれがある。
透明性樹脂層の表面であって、表面保護層を形成する面には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理等の表面処理を施してもよい。表面処理は、各処理の常法に従って行えばよい。
本発明の床材用化粧シートの層構成としては、上記基材シート及び透明性樹脂層を有していれば特に限定的ではないが、例えば、基材シート上に、絵柄模様層、透明性樹脂層、及び表面保護層を順に積層してなるものが好ましい。また、基材シート上に絵柄模様層、接着剤層、透明性樹脂層、プライマー層及び表面保護層を順に積層してなる層構成も好適である。
以下、具体的な層構成の説明として、上記の層構成を例示し、表面保護層以外の層について説明する。
(絵柄模様層)
基材シートの上には、絵柄模様層を形成することができる。絵柄模様層は、床材用化粧シートに所望の絵柄による意匠性を付与するものであり、絵柄の種類等は特に限定的ではない。例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
絵柄模様層の形成方法は特に限定されず、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)させて得られる着色インキ、コーティング剤等を用いた印刷法などにより形成すればよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの着色剤には、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等をさらに配合してもよい。
結着材樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等の無機溶剤等が挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
絵柄模様層の形成に用いる印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。また、全面ベタ状の絵柄模様層を形成する場合には、例えば、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等の各種コーティング法が挙げられる。その他、手描き法、墨流し法、写真法、転写法、レーザービーム描画法、電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法、エッチング法等を用いたり、他の形成方法と組み合わせて用いたりしてもよい。
絵柄模様層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、乾燥後の層厚は0.1〜20μm程度である。
(プライマー層)
透明性樹脂層の上には、表面保護層の形成を容易とするためのプライマー層を設けることができる。
プライマー層は、公知のプライマー剤を透明性樹脂層に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、アクリルとウレタンのブロック共重合体からなる樹脂系プライマー剤等が挙げられる。
プライマー剤の塗布量は特に限定されないが、通常0.1〜20g/m、好ましくは0.5〜10g/m程度である。
(表面保護層)
床材用化粧シートのおもて面には、耐擦傷性、耐摩耗性、耐水性、耐汚染性等の表面物性を付与するために、表面保護層を設けることができる。この表面保護層を形成する樹脂としては、熱硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂等の硬化型樹脂が好ましい。特に、電離放射線硬化型樹脂は高い表面硬度、生産性等の観点から好ましい。
熱硬化型樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
上記樹脂には、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤を添加することができる。
例えば、硬化剤としてはイソシアネート、有機スルホン酸塩等が不飽和ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等に添加でき、有機アミン等がエポキシ樹脂に添加でき、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、アゾイソブチルニトリル等のラジカル開始剤が不飽和ポリエステル樹脂に添加できる。
熱硬化型樹脂で表面保護層を形成する方法としては、例えば、熱硬化型樹脂の溶液をロールコート法、グラビアコート法等の塗布法で塗布し、乾燥・硬化させる方法が挙げられる。溶液の塗布量としては、溶液を乾燥後の固形分で概ね5〜30μm、好ましくは10〜20μm程度である。
電離放射線硬化型樹脂は、電離放射線の照射により架橋重合反応を生じ、3次元の高分子構造に変化する樹脂であれば限定されない。例えば、電離放射線の照射により架橋可能な重合性不飽和結合又はエポキシ基を分子中に有するプレポリマー、オリゴマー及びモノマーの1種以上が使用できる。例えば、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリレート樹脂;シロキサン等のケイ素樹脂;ポリエステル樹脂;エポキシ樹脂などが挙げられる。
電離放射線としては、可視光線、紫外線(近紫外線、真空紫外線等)、X線、電子線、イオン線等があるが、この中でも、紫外線、電子線が望ましい。
紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長としては、190〜380nm程度である。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。電子線のエネルギーとしては、100〜1000keV程度が好ましく、100〜300keV程度がより好ましい。電子線の照射量は、2〜15Mrad程度が好ましい。
電離放射線硬化型樹脂は電子線を照射すれば十分に硬化するが、紫外線を照射して硬化させる場合には、光重合開始剤(増感剤)を添加することが好ましい。
ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合の光重合開始剤は、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾール、イソプロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエート等の少なくとも1種が使用できる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキシスルホキソニウムジアリルヨードシル塩等の少なくとも1種が使用できる。
光重合開始剤の添加量は特に限定されないが、一般に電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部程度である。
電離放射線硬化型樹脂で表面保護層を形成する方法としては、例えば、電離放射線硬化型樹脂の溶液をグラビアコート法、ロールコート法等の塗布法で塗布すればよい。溶液の塗布量としては、溶液を乾燥後の固形分で概ね5〜30μm、好ましくは10〜20μm程度である。
上記表面保護層は、耐傷性を更に向上させることを目的として、硬質フィラーを含有する構成とすることが好ましい。上記硬質フィラーとしては、表面保護層の耐傷性を更に向上させることができれば特に限定されないが、球形の無機微粒子を用いることが好ましい。上記無機微粒子としては、例えば、粉末状の酸化アルミニウム、炭化珪素、二酸化珪素、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、マグネシウムパイロボレート、酸化亜鉛、窒化珪素、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化鉄、窒化硼素、ダイアモンド、金剛砂、ガラス繊維、溶融シリカ等が挙げられる。
上記硬質フィラーの具体例としては、例えば、特許第4834999号公報に記載された球状のシリカ粒子を例示することができる。
上記硬質フィラーの細孔容量は1.0ml/g未満であることが好ましく、0ml/g以上1.0ml/g未満であることがより好ましい。また、硬質フィラーがシリカである場合の見かけ比重は、0.4g/cmを超え、2.2g/cm以下であることが好ましい。
上記硬質フィラーの含有量は、上記熱硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂等の硬化型樹脂である、表面保護層を形成する樹脂成分100重量部に対して、1〜10重量部であることが好ましい。
上記硬質フィラーの平均粒径は、1〜5μmであることが好ましい。
上記表面保護層には、必要に応じて艶消し剤が含まれていてもよい。上記艶消し剤としては、特に限定されないが、例えば、シリカが挙げられる。上記シリカとしては、艶消し効果を十分に発揮することができる点で、不定形の、非球状粒子であることが好ましい。
上記艶消し剤としては、細孔容量が1.8〜3.0ml/gであり、みかけ比重が0.05〜0.22g/mlであり、吸油量が300ml/100g以上であるものを用いることが好ましい。細孔容量が1.9〜2.5ml/gであり、みかけ比重が0.10〜0.20g/mlであり、吸油量が300〜400ml/100gであるものを用いることがより好ましい。1.8〜3.0ml/gの細孔容量を有する艶消し剤を用いることにより、光の乱反射効果が効率的に得られるため、良好な艶消し効果を得ることができる。
上記艶消し剤の含有量は、表面保護層を形成する樹脂成分100重量部に対して、8〜20重量部であることが好ましい。また、上記艶消し剤の平均粒径は、9〜15μmであることが好ましい。
上記表面保護層の厚みは、5〜30μmであることが好ましい。上記表面保護層の厚みが5μmより薄いと、耐傷性に劣るおそれがある。また、30μmより厚いと、床材用化粧シートのカールが発生し易くなるおそれがある。上記表面保護層の厚みは、10〜20μmであることがより好ましい。
上記表面保護層は、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、安定剤、充填剤、分散剤、染料、顔料等の着色剤、溶剤、抗菌剤等を含んでいてもよい。
(エンボス加工)
本発明の床材用化粧シートは、上記透明性樹脂層を形成した後、透明性樹脂層側からエンボス加工が施されていてもよい。また、透明性樹脂層の上に表面保護層が形成される場合は、上記透明性樹脂層の上に上記表面保護層を積層した後、表面保護層側からエンボス加工が施されていてもよい。
エンボス加工方法は特に限定されず、例えば、透明性樹脂層又は表面保護層のおもて面を加熱軟化させてエンボス版により加圧・賦形後、冷却する方法が好ましい方法として挙げられる。エンボス加工には、公知の枚葉式又は輪転式のエンボス機が用いられる。凹凸形状としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
本発明の化粧シートは、被着材に積層することで、化粧板とすることができる。被着材は限定的ではなく、公知の化粧板に用いられるものと同様のものを用いることができる。
上記被着材としては、例えば、木質基材、金属、セラミックス、プラスチックス、ガラス等が挙げられる。特に本発明の化粧シートは、木質基材に好適に使用することができる。木質基材としては、杉、檜、欅、松、楠、楓、樺、ラワン、チーク、メラピー等の各種素材から作られた突板、木材単板、木材合板、木質繊維板(MDF、HDF等)、硬質チップボード(パーチクルボード等)、軟質チップボード(コルク等)、又は、チップボードが積層された複合基材等が挙げられる。上記木質基材の中でも、木質繊維板、軟質チップボード、又は、軟質チップボードが積層された複合基材が好ましく、更に、コスト及び堅牢性の観点では木質繊維板を好適に用いることができ、温感性及び歩行感の観点では軟質チップボード、又は軟質チップボードと木質繊維板とが積層された複合基材を好適に用いることができる。
本発明の化粧シートは、基材シート上に少なくとも透明性樹脂層を有し、透明性樹脂層の厚み(t1)と基材シートの厚み(t2)との厚み比(t1)/(t2)が1.5/1.0〜1.0/1.5であり、透明性樹脂層の厚み(t1)と基材シートの厚み(t2)との合計(t1)+(t2)が300〜600μmであるので、耐衝撃性、耐キャスター性、エンボス賦形性及びエンボス堅牢度に優れ、熱収縮による反りが抑制されている。
本発明の床材用化粧シートの一例を表した断面図である。
以下に実施例及び比較例を示して本発明をより詳しく説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
(床材用化粧シートの作製)
実施例1
基材シートとして、着色ポリプロピレンシート(厚さ160μm)を用意した。上記基材シートの表面及び裏面にコロナ放電処理を施した後、表面及び裏面にそれぞれプライマー剤を塗工してプライマー層(各厚さ2μm)を形成した。プライマー剤は、樹脂組成物100重量部とヘキサメチレンジイソシアネート(硬化剤)5重量部との混合物であり、上記樹脂組成物は、アクリルウレタン共重合体、アクリルポリオール、トリアジン系紫外線吸収剤(5質量%)の混合物とした。
次いで、表面のプライマー層上に絵柄模様層(厚さ2μm)を形成し、その上に透明性接着剤層(厚さ3μm)を形成した。透明性接着剤層上に透明性熱可塑性ポリプロピレン樹脂をTダイ押出し機により加熱溶融押出しし、透明性樹脂層(厚さ240μm)を形成した。
次いで、透明性樹脂層の表面にコロナ放電処理を施し、2液硬化型ウレタン樹脂を塗工することにより、透明性樹脂層上にプライマー層(厚さ2μm)を形成した。
次いで、プライマー層上にグラビアコート法により、15μmの厚さで表面保護層形成用組成物を塗工した。表面保護層形成用組成物は、樹脂成分として2官能ウレタンアクリレートオリゴマーを80重量部(重量平均分子量1500 ガラス転移温度−55℃)、及び6官能脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量1500 ガラス転移温度200℃以上 共栄社化学株式会社製UA306H)を20重量部含み、上記樹脂成分100重量部に対して、艶消し剤として平均粒径11μmの不定形シリカを14重量部含んでいた。
次いで、酸素濃度200ppmの雰囲気下において、塗工された表面保護層形成用組成物の塗膜に加速電圧175keV、5Mrad(50kGy)の条件で電子線を照射することにより、塗膜を架橋硬化させて表面保護層を形成した。
最後に、シート温度140℃、圧力10〜40kg/cmの条件で表面保護層側からエンボス加工を施すことにより床材用化粧シートを作製した。透明性樹脂層の厚み(t1)と基材シートの厚み(t2)との厚み比(t1)/(t2)は1.5/1.0であり、厚みの合計(t1)+(t2)は400μmであった。
実施例2〜7、比較例1〜7
透明性樹脂層の厚み(t1)、基材シートの厚み(t2)、厚み比(t1)/(t2)、厚みの合計(t1)+(t2)、及び基材シートを形成する樹脂を表1のように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜7及び比較例1〜7の床材用化粧シートを作製した。
(床用化粧材の作製)
実施例1〜7、比較例1〜7
上述のようにして作製した実施例1〜7及び比較例1〜7の床材用化粧シートの裏面プライマー層側が木質基材(MDF)と接するようにして、床材用化粧シートを水系接着剤(BA−10L/BA−11B 中央理化工業株式会社製、塗布量7g/尺角)を用いて木質基材に貼り合わせることにより、実施例1〜7及び比較例1〜7の床用化粧材を作製した。
実施例8
木質基材をコルク材に変更した以外は実施例3と同様にして、実施例8の床用化粧材を作製した。
(評価方法)
耐衝撃性(デュポン衝撃試験)
JISK5600のデュポン衝撃試験に従って、上述のようにして作製した床用化粧材表面上に、半径6.3mmの半球形状の先端を有した撃ち型を静置させ、上記撃ち型上に500g荷重のおもりを高さ30cmから落下させることにより評価した。評価は、凹み量により以下の評価基準に基づいて行った。
なお、以下の評価基準は、一般的なカラーフロアの凹み量が500〜600μmであることを参考にして設定した基準である。ここで、一般的なカラーフロアとは、合板(厚さ11.8mm)上に突き板(厚さ0.25mm)が積層され、更に突き板上にUV塗装(厚さ0.02mm)が施されているカラーフロアを意味する。
◎:300μm以下
○:300μmを超え、500μm以下
△:500μmを超え、600μm以下
×:600μmを超える
耐キャスター性
床材疲労試験機No.159−S(株)安田精機製作所を使用して評価した。具体的には、上述のようにして作製した床用化粧材を5cm×20cmの大きさに切断して試料とし、試料を固定台に固定した。加重部に15kgの重りを乗せて、調節ハンドルにより床用化粧材の表面に1個のキャスターを接触させ(総荷重25kg)、キャスター固定台を稼働し、10m/minの速度で25000往復させた。評価は、凹み量により以下の評価基準に基づいて行った。
◎:50μm以下
○:50μmを超え、80μm以下
△:80μmを超え、100μm以下
×:100μmを超え、120μm以下
××:120μmを超える
エンボス賦形性
床材用化粧シートの最表面のグロス値を測定した。グロス値の測定は、日本電色工業株式会社製グロス計PG−3Dを使用した。グロス値の測定値をGとし、比較例1の床材用化粧シートの測定値を基準値Gとして、以下の評価基準に従って評価した。なお、エンボス加工に用いるエンボス版は各実施例及び比較例で同一のものを使用し、エンボス加工速度も同一の速度とした。
◎:Gが、G±G×10%の範囲内である
○:Gが、G±G×10%の範囲外であり、G±G×20%の範囲内である
×:Gが、G±G×20%の範囲外である
エンボス堅牢度
各床材用化粧シートにおける最表面のグロス値を測定した。次いで、各床材用化粧シートを130℃に加熱したグリセリン中に30秒間浸漬させた後、再度床材用化粧シートにおける最表面のグロス値を測定した。グロス値の測定では、日本電色工業株式会社製グロス計PG−3Dを使用した。評価基準は以下の通りとした。なお、以下の評価基準において、浸漬前の化粧シートのグロス値をGとし、浸漬後の化粧シートのグロス値をGとする。GがGと近ければ近いほど、凹凸模様の消失が少ないのでエンボス堅牢度に優れるといえる。
◎:Gが、G±G×10%の範囲内である
○:Gが、G±G×10%の範囲外であり、G±G×20%の範囲内である
△:Gが、G±G×20%の範囲外であり、G±G×30%の範囲内である
×:Gが、G±G×30%の範囲外である
熱収縮による反り
MDF表面に床材用化粧シートを貼付し、1×6尺サイズ(幅313mm×長さ1840mm)の床用化粧材を作製した。得られた床用化粧材を「80℃で2時間放置した後、−20℃で2時間放置」を1サイクルとするサイクルを10サイクル行う試験に供した後、床用化粧材の反り量を測定した。評価基準は以下の通りとした。
○:長さ1840mmの辺方向の反り量が5mm以下
△:長さ1840mmの辺方向の反り量が5mmを超え、10mm以下
×:長さ1840mmの辺方向の反り量が10mmを超え、20mm以下
××:長さ1840mmの辺方向の反り量が20mmを超える
柄の奥行き感
透明性樹脂層の厚みが200μmの化粧シートの奥行き感を基準として目視による対比観察を行い、以下の評価基準に従って評価した。
◎:基準よりも奥行き感に優れる
○:基準と同等の奥行き感有り
△:基準よりも奥行き感が劣る
ロール化試験
作製した床材用化粧シートの巻取りが可能かを調べた。評価基準は以下の通りとした。
なお、以下の評価基準において、ロール化した際の巻ずれ巾が3cm以内ならば巻取り可能、巻ずれ巾が3cmより大きい場合はロール化不可とした。
○:巻ずれ巾0cm
△:巻ずれ巾が0cmを超え、3cm以内で、ロール化可能
×:巻ずれ巾が3cmを超え、ロール化不可
耐摩耗性
JASフローリング摩耗A試験に準拠して試験を行った。具体的には、上述のようにして作製した床用化粧材に対してテーバー摩耗試験機を使用し、各床用化粧材の柄が取られ始めた時の回転数を測定した。評価基準は以下の通りとした。なお、上記試験では、研磨紙S−42、荷重1000g(片輪荷重500g×2個、ゴム製円盤の荷重を含む)という条件で回転を行った。
◎:柄が取られ始めた時の回転数が、2000回より多い
○:柄が取られ始めた時の回転数が、1500回より多く、2000回以下
△:柄が取られ始めた時の回転数が、1000回より多く、1500回以下
×:柄が取られ始めた時の回転数が、500回より多く、1000回以下
××:柄が取られ始めた時の回転数が、500回以下
歩行感
実施例3及び8により作製した床用化粧材の上を歩行し、一般的な突板フロアと比較することにより歩き易さ(踏み込みに対する床材の人への反応)を評価した。評価は、無作為に選んだ10人により行った。
なお、一般的な突板フロアとは、合板(厚さ11.6mm)上に突き板(厚さ0.30mm)が積層され、更に突き板上にUV塗装(厚さ0.05mm)が施されている突板フロアを意味する。
○:突板フロアよりも歩き易いと感じた者が8名以上
△:突板フロアよりも歩き易いと感じた者が6名以上
Figure 0006507473
表1の結果から明らかなように、透明性樹脂層の厚み(t1)と基材シートの厚み(t2)との厚み比(t1)/(t2)が1.5/1.0〜1.0/1.5の範囲内であり、透明性樹脂層の厚み(t1)と基材シートの厚み(t2)との合計(t1)+(t2)が300〜600μmの範囲内である実施例1〜7の床材用化粧シートは、耐衝撃性、耐キャスター性、エンボス賦形性及びエンボス堅牢度に優れ、且つ熱収縮による反りが抑制されていた。
更に、実施例1〜7の床材用化粧シートは、絵柄模様層の上に積層される透明性樹脂層の厚みが適切であるので、柄の奥行き感が増加して意匠性に優れ、且つ耐摩耗性も優れていた。また、(t1)+(t2)が適切な範囲であるので、ロール化試験においても優れた結果を示し、ロール化製造工程においてロール化が可能であることが分かった。
これに対し、(t1)+(t2)が250μmと薄い比較例1では、耐キャスター性に劣っており、700μmと厚い比較例2では、エンボス賦形性に劣り、ロール化も困難であることが分かった。
透明性樹脂層の厚み(t1)と基材シートの厚み(t2)の厚み比(t1)/(t2)について、(t1)の比率が大きい比較例3〜5では、透明性樹脂層が厚過ぎるので、熱収縮による反り量が大きかった。特に(t1)の比率が大きい比較例3では、エンボス賦形性及びエンボス堅牢度も劣っていた。また、(t2)の比率が大きい比較例6では、基材シートの厚みが厚過ぎるので、相対的に透明性樹脂層が薄くなり、耐衝撃性に劣っていた。
(t1)+(t2)が700μmと厚く、且つ、厚み比(t1)/(t2)において(t1)の比率が大きい比較例7では、耐衝撃性及び耐キャスター性に優れるものの、エンボス賦形性及びエンボス堅牢度に劣り、熱収縮による反り量も大きく、ロール化も困難であることが分かった。
1.プライマー層
2.基材シート
3.絵柄模様層
4.透明性接着剤層
5.透明性樹脂層
6.プライマー層
7.表面保護層

Claims (9)

  1. 基材シート上に、少なくとも透明性樹脂層を有する化粧シートであって、
    (1)前記透明性樹脂層の厚み(t1)と前記基材シートの厚み(t2)との厚み比(t1)/(t2)が1.0/1.0〜1.0/1.5であり、
    (2)前記透明性樹脂層の厚み(t1)と前記基材シートの厚み(t2)との合計(t1)+(t2)が300〜600μmであり、
    (3)前記透明性樹脂層は透明性熱可塑性ポリプロピレン樹脂層であり、
    (4)前記基材シートは、ポリプロピレン樹脂を含む、
    ことを特徴とする化粧シート。
  2. 前記透明性樹脂層は厚みが150μm以上である、請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記基材シートと前記透明性樹脂層との間に、更に絵柄模様層を有する、請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 前記透明性樹脂層の上に表面保護層が積層されている、請求項1〜のいずれかに記載の化粧シート。
  5. 前記表面保護層は電離放射線硬化型樹脂層である、請求項に記載の化粧シート。
  6. 前記透明性樹脂層と前記表面保護層との間に、更にプライマー層を有する、請求項又はに記載の化粧シート。
  7. 前記透明性樹脂層側からエンボス加工されている、請求項1〜のいずれかに記載の化粧シート。
  8. 床材用である、請求項1〜のいずれかに記載の化粧シート。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の化粧シートを被着材に積層してなる化粧板。
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