JP5962385B2 - 床材用化粧シート - Google Patents

床材用化粧シート Download PDF

Info

Publication number
JP5962385B2
JP5962385B2 JP2012211955A JP2012211955A JP5962385B2 JP 5962385 B2 JP5962385 B2 JP 5962385B2 JP 2012211955 A JP2012211955 A JP 2012211955A JP 2012211955 A JP2012211955 A JP 2012211955A JP 5962385 B2 JP5962385 B2 JP 5962385B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protective layer
surface protective
resin
layer
decorative sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012211955A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014066065A (ja
Inventor
智美 野口
智美 野口
義明 堀尾
義明 堀尾
洋平 清水
洋平 清水
圭太 豊田
圭太 豊田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2012211955A priority Critical patent/JP5962385B2/ja
Publication of JP2014066065A publication Critical patent/JP2014066065A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5962385B2 publication Critical patent/JP5962385B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Floor Finish (AREA)

Description

本発明は、耐傷性、防滑性、及び水性ワックスの密着性を備え、且つ、カールの発生が抑制された表面保護層を有する床材用化粧シートに関する。
従来、床材用化粧シートとして、耐傷性を付与するために、表面保護層を備えたものが知られている。このような表面保護層は、床材用化粧シートに必要とされる耐傷性を付与するために、厚みを厚くする手法が用いられるが、表面保護増の厚みを厚くすると、床材用化粧シートをロール状にした際のカールが強くなってしまい、ロールラミネート加工を施し難くなるという問題がある。
上記問題を解決するために、表面保護層に、粒径が紫外線硬化型表面保護層の層厚の1/3〜2/3であるガラスビーズを10〜20重量%含有し、かつワックス成分を3〜5重量%含有する床用化粧シートが提案されている(特許文献1参照)。このような床用化粧シートは、表面保護層に特定の粒径のガラスビーズとワックス成分とを含有することにより、耐傷性を示す。
しかしながら、このような床用化粧シートは、表面保護層に用いるワックス成分が十分に検討されておらず、床材用化粧シートに必要とされる耐傷性を示すためには、ワックス成分の含有量を増やす必要がある。十分な耐傷性を示すためにワックス成分の含有量を増やすと、当該床用化粧シートが床面に施工された際に、床材のメンテナンスとして表面に水性ワックスが塗布された場合、水性ワックスの密着性に劣るという問題がある。また、ワックス成分の含有量を増やすと、床面が滑り易くなるという問題がある。
従って、床材用化粧シートに要求される耐傷性、防滑性、及び水性ワックスの密着性を備え、且つ、カールの発生が抑制された表面保護層を有する床材用化粧シートの開発が望まれている。
特開2010−236204号公報
本発明は、耐傷性、防滑性、及び水性ワックスの密着性を備え、且つ、カールの発生が抑制された表面保護層を有する床材用化粧シートを提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、表面保護層を有する床材用化粧シートにおいて、表面保護層が、融点が110℃以下のポリエチレンワックスを、上記表面保護層を形成する樹脂成分100重量部に対して0.2〜0.6重量部含有する構成とし、上記記表面保護層の厚みを、20〜40μmとすることで、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の化粧シートに関する。
1.表面保護層を有する床材用化粧シートであって、
(1)前記表面保護層は、融点が110℃以下のポリエチレンワックスを、前記表面保護層を形成する樹脂成分100重量部に対して0.2〜0.6重量部含有し、
(2)前記表面保護層の厚みは、20〜40μmである、
ことを特徴とする床材用化粧シート。
2.前記ポリエチレンワックスは、酸化変性ポリエチレンワックス、酸変性ポリエチレンワックス、及びモノマー変性ポリエチレンワックスから選択される少なくとも1種を含む、上記項1に記載の床材用化粧シート。
3.前記表面保護層は、硬質フィラーを含有する、上記項1又は2に記載の床材用化粧シート。
4.基材シート上に、絵柄層、透明性樹脂層、及び前記表面保護層を順に積層してなる、上記項1〜3のいずれかに記載の床材用化粧シート。
5.前記透明性樹脂層と、前記表面保護層との間に、更に、表面保護層形成用プライマー層を有する、上記項4に記載の床材用化粧シート。
以下、本発明の床材用化粧シートについて詳細に説明する。
本発明の床材用化粧シートは、表面保護層を有し、(1)上記表面保護層は、融点が110℃以下のポリエチレンワックスを、上記表面保護層を形成する樹脂成分100重量部に対して0.2〜0.6重量部含有し、(2)上記表面保護層の厚みは、20〜40μmであることを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の床材用化粧シートは、特定の厚みの表面保護層を有し、表面保護層中に特定のポリエチレンワックスを特定の含有量で含有するので、耐傷性、防滑性に優れ、床材のメンテナンスとして表面に水性ワックスを塗布された場合に、水性ワックスの密着性に優れている。
また、表面保護層の厚みが特定の範囲であるので、表面保護層を形成する樹脂成分中の上記ポリエチレンワックスの量が十分であり、硬化前の表面保護層の塗膜の表面に上記ワックスが浮上することにより、表面保護層の表面に十分な量のワックスが表出して優れた耐傷性を発揮することが可能となる。
更に、表面保護増の厚みが特定の範囲であることにより、カールの発生が抑制されている。
(表面保護層)
表面保護層は、化粧シートに要求される耐擦傷性、耐摩耗性、耐水性、耐汚染性等の表面物性を付与するために設けられる。この表面保護層を形成する樹脂としては、熱硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂等の硬化型樹脂が好ましい。特に、電離放射線硬化型樹脂は高い表面硬度、生産性等の観点から好ましい。
熱硬化型樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
上記樹脂には、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤を添加することができる。例えば、硬化剤としてはイソシアネート、有機スルホン酸塩等が不飽和ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等に添加でき、有機アミン等がエポキシ樹脂に添加でき、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、アゾイソブチルニトリル等のラジカル開始剤が不飽和ポリエステル樹脂に添加できる。
熱硬化型樹脂で表面保護層を形成する方法としては、例えば、熱硬化型樹脂の溶液をロールコート法、グラビアコート法等の塗布法で塗布し、乾燥・硬化させる方法が挙げられる。溶液の塗布量としては、溶液を乾燥後の固形分で概ね20〜40μm、好ましくは20〜35μm程度である。
電離放射線硬化型樹脂は、電離放射線の照射により架橋重合反応を生じ、3次元の高分子構造に変化する樹脂であれば限定されない。例えば、電離放射線の照射により架橋可能な重合性不飽和結合又はエポキシ基を分子中に有するプレポリマー、オリゴマー及びモノマーの1種以上が使用できる。例えば、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリレート樹脂;シロキサン等のケイ素樹脂;ポリエステル樹脂;エポキシ樹脂などが挙げられる。
電離放射線としては、可視光線、紫外線(近紫外線、真空紫外線等)、X線、電子線、イオン線等があるが、この中でも、紫外線、電子線が望ましい。
紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長としては、190〜380nm程度である。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。電子線のエネルギーとしては、100〜1000keV程度が好ましく、100〜300keV程度がより好ましい。電子線の照射量は、2〜15Mrad程度が好ましい。
電離放射線硬化型樹脂は電子線を照射すれば十分に硬化するが、紫外線を照射して硬化させる場合には、光重合開始剤(増感剤)を添加することが好ましい。
ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合の光重合開始剤は、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾール、イソプロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエート等の少なくとも1種が使用できる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキシスルホキソニウムジアリルヨードシル塩等の少なくとも1種が使用できる。
光重合開始剤の添加量は特に限定されないが、一般に電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部程度である。
電離放射線硬化型樹脂で保護層を形成する方法としては、例えば、電離放射線硬化型樹脂の溶液をグラビアコート法、ロールコート法等の塗布法で塗布すればよい。溶液の塗布量としては、溶液を乾燥後の固形分で概ね20〜40μm、好ましくは20〜35μm程度である。
本発明の床材用化粧シートの表面保護増は、融点が110℃以下のポリエチレンワックスを含有する。上記融点が110℃以下のポリエチレンワックスとしては、変性ポリエチレンワックスを用いて調製したものを用いることができ、例えば、酸化変性ポリエチレンワックス、酸変性ポリエチレンワックス、モノマー変性ポリエチレンワックスの中から適宜選択して混合することにより、融点を110℃に調整したポリエチレンワックスが挙げられる。また、上記変性ワックスと、変性ワックス以外の公知の未変性ポリエチレンワックスを混合して、融点を110℃以下に調整したポリエチレンワックスを用いてもよい。上記融点が110℃以下のポリエチレンワックスは、酸化変性ポリエチレンワックス、酸変性ポリエチレンワックス、及びモノマー変性ポリエチレンワックスから選択される少なくとも1種を含むことにより、融点が110℃以下に調整されていることが好ましい。
表面保護層が、上記融点が110℃以下のポリエチレンワックスを含有することにより、表面保護層と、水性ワックスとの密着性に優れる。上記融点は、105℃以下であることが好ましい。また、上記融点は、103℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましい。なお、本明細書において、上記ポリエチレンワックスの融点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度10℃/minで0℃から200℃まで昇温させる条件により測定される値である。
上記酸化変性ポリエチレンワックスとは、ポリエチレンを酸化処理し、水酸基などの極性基を導入したワックスをいう。酸化変性ポリエチレンワックスは、水酸基などの極性基を有するので、水性ワックスとの密着性に優れた特性を示すことができる。
上記酸変性ポリエチレンワックスとは、ポリエチレンに酸をランダム共重合、交互共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等により重合させたワックス、またはこれらを金属イオンで中和したワックスをいう。酸変性ポリエチレンワックスは、カルボキシル基などの官能基を有するので、水性ワックスとの密着性に優れた特性を示すことができる。
上記モノマー変性ポリエチレンワックスとは、ポリエチレンワックスを重合させる際に、一部のエチレンモノマーを、カルボキシル基、水酸基などの官能基を有するモノマーに置換したワックスをいう。モノマー変性ポリエチレンワックスは、カルボキシル基、水酸基などの官能基を有するので、水性ワックスとの密着性に優れた特性を示すことができる。
上記ポリエチレンワックスの含有量は、上記熱硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂等の硬化型樹脂である、表面保護層を形成する樹脂成分100重量部に対して、0.2〜0.6重量部である。0.2〜0.5重量部であることが好ましい。ポリエチレンワックスの含有量を上述の範囲とすることにより、床材用化粧シートが、耐傷性、防滑性及び水性ワックスの密着性に優れる。
上記表面保護層は、耐傷性を更に向上させることを目的として、硬質フィラーを含有する構成とすることが好ましい。上記硬質フィラーとしては、表面保護層の耐傷性を更に向上させることができれば特に限定されないが、球形の無機微粒子を用いることが好ましい。上記無機微粒子としては、例えば、粉末状の酸化アルミニウム、炭化珪素、二酸化珪素、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、マグネシウムパイロボレート、酸化亜鉛、窒化珪素、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化鉄、窒化硼素、ダイアモンド、金剛砂、ガラス繊維、溶融シリカ等が挙げられる。
上記硬質フィラーの具体例としては、例えば、特許第4834999号公報に記載された球状のシリカ粒子を例示することができる。
上記硬質フィラーの細孔容量は1.0ml/g未満であることが好ましく、0ml/g以上1.0ml/g未満であることがより好ましい。また、硬質フィラーがシリカである場合の見かけ比重は、0.4g/cmを超え、2.2g/cm以下であることが好ましい。
上記硬質フィラーの含有量は、上記熱硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂等の硬化型樹脂である、表面保護層を形成する樹脂成分100重量部に対して、1〜10重量部であることが好ましい。
上記硬質フィラーの平均粒径は、1〜5μmであることが好ましい。
上記表面保護層には、必要に応じて艶消し剤が含まれていてもよい。上記艶消し剤としては、特に限定されないが、例えば、シリカが挙げられる。上記シリカとしては、艶消し効果を十分に発揮することができる点で、不定形の、非球状粒子であることが好ましい。
上記艶消し剤としては、細孔容量が1.8〜3.0ml/gであり、みかけ比重が0.05〜0.22g/mlであり、吸油量が300ml/100g以上であるものを用いることが好ましい。細孔容量が1.9〜2.5ml/gであり、みかけ比重が0.10〜0.20g/mlであり、吸油量が300〜400ml/100gであるものを用いることがより好ましい。1.8〜3.0ml/gの細孔容量を有する艶消し剤を用いることにより、光の乱反射効果が効率的に得られるため、良好な艶消し効果を得ることができる。
上記艶消し剤の含有量は、表面保護層を形成する樹脂成分100重量部に対して、8〜20重量部であることが好ましい。また、上記艶消し剤の平均粒径は、9〜15μmであることが好ましい。
上記表面保護層の厚みは、20〜40μmである。上記表面保護層の厚みが20μmより薄いと、耐傷性に劣る。また、40μmより厚いと、床材用化粧シートのカールが発生し易くなる。上記表面保護層の厚みは、20〜35μmであることが好ましい。
上記表面保護層は、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、安定剤、充填剤、分散剤、染料、顔料等の着色剤、溶剤、抗菌剤等を含んでいてもよい。
本発明の床材用化粧シートの層構成としては、上記表面保護層を有していれば特に限定的ではないが、例えば、基材シート上に、絵柄模様層、透明性樹脂層、及び上記表面保護層を順に積層してなるものが好ましい。また、基材シート上に絵柄模様層、接着剤層、透明性樹脂層、プライマー層及び上記表面保護層を順に積層してなる層構成も好適である。
以下、具体的な層構成の説明として、上記の層構成を例示し、表面保護層以外の層について説明する。また、バッカー層についても説明する。
(基材シート)
基材シートとしては限定的ではないが、樹脂成分としてポリオレフィン系樹脂を含む基材シートが好ましい。実質的には、ポリオレフィン系樹脂からなるシートを用いる。
ポリオレフィン系樹脂としては特に限定されず、化粧シートの分野で通常用いられているものが使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの中でも、特にポリプロピレン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が好ましい。
ポリプロピレンを主成分とする単独重合体又は共重合体も好ましく、例えば、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、及び、ポリプロピレン結晶部を有し、且つプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンが挙げられる。その他、エチレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1又はオクテン−1のコモノマーを15モル%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体等も好ましい。
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントにアイソタクチックポリプロピレン、ソフトセグメントにアタクチックポリプロピレンを重量比80:20で混合したものが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂は、例えば、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等によりフィルム状にすればよい。
基材シートの厚みは特に限定されず、製品特性に応じて設定できるが、通常40〜150μm、好ましくは50〜100μm程度である。
基材シートには、必要に応じて、添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー等の充填剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、着色剤(下記参照)などが挙げられる。添加剤の配合量は、製品特性に応じて適宜設定できる。
着色剤としては特に限定されず、顔料、染料等の公知の着色剤を使用できる。例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料;イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(染料も含む);アルミニウム、真鍮等の金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料などが挙げられる。
基材シートの片面又は両面には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理等の表面処理を施してもよい。例えば、コロナ放電処理を行う場合には、基材シート表面の表面張力が30dyne以上、好ましくは40dyne以上となるようにすればよい。表面処理は、各処理の常法に従って行えばよい。
基材シートの片面又は両面には、必要に応じて、プライマー層を設けてもよい。
プライマー層は、公知のプライマー剤を基材シートの片面又は両面に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、ウレタン−セルロース系樹脂(例えば、ウレタンと硝化綿の混合物にヘキサメチレンジイソシアネートを添加してなる樹脂)からなるプライマー剤等が挙げられる。
プライマー剤の塗布量は特に限定されないが、通常0.1〜20g/m、好ましくは0.5〜10g/m程度である。
(絵柄模様層)
基材シートの上には、絵柄模様層を形成することができる。絵柄模様層は、化粧シートに所望の絵柄による意匠性を付与するものであり、絵柄の種類等は特に限定的ではない。例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
絵柄模様層の形成方法は特に限定されず、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)させて得られる着色インキ、コーティング剤等を用いた印刷法などにより形成すればよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの着色剤には、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等がさらに配合してもよい。
結着材樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等の無機溶剤等が挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
絵柄模様層の形成に用いる印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。また、全面ベタ状の絵柄模様層を形成する場合には、例えば、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等の各種コーティング法が挙げられる。その他、手描き法、墨流し法、写真法、転写法、レーザービーム描画法、電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法、エッチング法等を用いたり、他の形成方法と組み合わせて用いたりしてもよい。
絵柄模様層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、乾燥後の層厚は0.1〜20μm程度である。
(透明性接着剤層)
絵柄模様層の上には、透明性接着剤層が形成されていてもよい。透明性接着剤層は、透明性のものであれば特に限定されず、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含む。透明性接着剤層は、絵柄模様層と透明性樹脂層とを接着するために形成されている。
接着剤としては特に限定されず、化粧シートの分野で公知の接着剤が使用できる。
化粧シートの分野で公知の接着剤としては、例えば、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂等の硬化性樹脂等が挙げられる。また、イソシアネートを硬化剤とする二液硬化型ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂も適用し得る。
接着剤層は、例えば、接着剤を絵柄模様層上に(厳密には絵柄模様層を被覆するように基材シート上に)塗布し、乾燥後、透明性樹脂層を積層した後、硬化させることにより形成できる。乾燥温度・乾燥時間等の条件は特に限定されず、接着剤の種類に応じて適宜設定すればよい。接着剤の塗布方法は特に限定されず、例えば、ロールコート、カーテンフローコート、ワイヤーバーコート、リバースコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、エアーナイフコート、キスコート、ブレードコート、スムースコート、コンマコート等の方法が採用できる。
接着剤層の厚みは特に限定されないが、乾燥後の厚みが0.1〜30μm、好ましくは1〜20μm程度である。
(透明性樹脂層)
透明性樹脂層は透明である限り着色されていてもよく、絵柄模様層が視認できる範囲内で半透明であってもよい。
上記樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリメチルペンテン、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、ポリカーボネート、セルローストリアセテート等が挙げられる。上記の中でも、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。より好ましくは、立体規則性を有するポリオレフィン系樹脂である。ポリオレフィン系樹脂を用いる場合は、溶融ポリオレフィン系樹脂を押し出し法により透明性樹脂層を形成することが望ましい。
透明性樹脂層には、必要に応じて、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えばゴム)等の各種の添加剤が含まれていても良い。
透明性樹脂層の厚みは特に限定されないが、一般的には10〜150μm程度とする。
透明性樹脂層の表面であって、表面保護層を形成する面には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理等の表面処理を施してもよい。表面処理は、各処理の常法に従って行えばよい。
(プライマー層)
透明性樹脂層の上には、表面保護層の形成を容易とするためのプライマー層を設けることができる。
プライマー層は、公知のプライマー剤を透明性樹脂層に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、アクリルとウレタンのブロック共重合体からなる樹脂系プライマー剤等が挙げられる。
プライマー剤の塗布量は特に限定されないが、通常0.1〜20g/m、好ましくは0.5〜10g/m程度である。
(エンボス加工)
上記透明性樹脂層の上に、上記表面保護層を積層した後、表面保護層のおもて面にはエンボス加工を施してもよい。
エンボス加工方法は特に限定されず、例えば、表面保護層のおもて面を加熱軟化させてエンボス版により加圧・賦形後、冷却する方法が好ましい方法として挙げられる。エンボス加工には、公知の枚葉式又は輪転式のエンボス機が用いられる。凹凸形状としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
(バッカー層)
基材シートの裏面(基材シートの裏面に絵柄模様層がある場合には絵柄模様層の裏面)にはバッカー層(耐傷性を高めたり、被着材の影響を緩和したりするための合成樹脂層)を設けてもよい。なお、上記耐傷性は特に部分的に荷重がかかった場合の凹み傷を言い、本発明の化粧シートはバッカー層を設けなくても十分な耐傷性は有しているが、バッカー層を設けることにより耐傷性などの諸性能をより高めることができる。
バッカー層を形成する方法としては、溶融樹脂の押出し成形が好適であり、例えば、Tダイを用いた押出し成形が好適である。
基材シートの裏面とバッカー層とを接着させる方法としては、基材シートと溶融樹脂を押出し成形することによって得られるバッカー層とを熱融着によって接着する方法、基材シートとバッカー層との間に接着剤層(更に必要に応じてプライマー層)を設けることによって接着する方法等が挙げられる。
バッカー層を構成する樹脂としては限定的ではないが、熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリメチレン、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート、アモルファスポリエチレンテレフタレート(A−PET)、耐熱性の高いポリアルキレンテレフタレート〔例えば、エチレングリコールの一部を1,4−シクロヘキサンジメタノールやジエチレングリコール等で置換したポリエチレンテレフタレートである、いわゆる商品名PET−G(イーストマンケミカルカンパニー製)〕、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、ポリイミド、ポリスチレン、ポリアミド、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等が挙げられる。これらの樹脂は単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
バッカー層の厚みは、最終製品の用途、使用方法等により適宜設定できるが、一般には100〜800μmが好ましい。この中でも、400〜600μmがより好ましい。
バッカー層には、必要に応じ、コロナ放電処理、プラズマ処理、脱脂処理、表面粗面化処理等の公知の易接着処理を接着面に施すこともできる。また、被着材との接着性を考慮して裏面にプライマー層を更に設けてもよい。
本発明の床材用化粧シートは、表面保護層が、融点が110℃以下のポリエチレンワックスを、前記表面保護層を形成する樹脂成分100重量部に対して0.2〜0.6重量部含有し、且つ、表面保護層の厚みが20〜40μmであるので、耐傷性、防滑性、及び水性ワックスの密着性を備え、且つ、カールの発生が抑制されている。
本発明の床材用化粧シートの一例を表した断面図である。
以下に実施例及び比較例を示して本発明をより詳しく説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
基材シートとして、着色ポリプロピレンシート(厚さ60μm)を用意した。
上記基材シートの表面及び裏面にコロナ放電処理を施した後、表面及び裏面にそれぞれプライマー剤を塗工してプライマー層(各厚さ2μm)を形成した。プライマー剤は、樹脂組成物100重量部とヘキサメチレンジイソシアネート(硬化剤)5重量部との混合物であり、上記樹脂組成物は、アクリルウレタン共重合体、アクリルポリオール、トリアジン系紫外線吸収剤(5質量%)の混合物とした。
次いで、表面のプライマー層上に絵柄模様層(厚さ2μm)を形成し、その上に透明性接着剤層(厚さ3μm)を形成した。透明性接着剤層上に透明性熱可塑性ポリプロピレン樹脂をTダイ押出し機により加熱溶融押出しし、透明性樹脂層(厚さ80μm)を形成した。
次いで、透明性樹脂層の表面にコロナ放電処理を施し、2液硬化型ウレタン樹脂を塗工することにより、透明性樹脂層上にプライマー層(厚さ2μm)を形成した。
次いで、プライマー層上にグラビアコート法により、25μmの厚さで表面保護層形成用組成物を塗工した。表面保護層形成用組成物は、樹脂成分として2官能ウレタンアクリレートオリゴマーを80重量部(重量平均分子量1500 ガラス転移温度−55℃)、及び6官能脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量1500 ガラス転移温度200℃以上 共栄社化学株式会社製UA306H)を20重量部含み、上記樹脂成分100重量部に対して、滑剤として融点が110℃以下のポリエチレンワックスを0.5重量部含んでいた。更に、艶消し剤として、平均粒径11μmの不定形シリカを14重量部、硬質フィラーとして、平均粒径3μmの球形シリカを5重量部含んでいた。融点が110℃以下のポリエチレンワックスは、融点が116℃の未変性ポリエチレンワックスを50重量部と、融点が104℃の酸化変性ポリエチレンワックス50重量部とを混合することにより調製され、融点は、110℃であった。
次いで、酸素濃度200ppmの雰囲気下において、塗工された表面保護層形成用組成物の塗膜に加速電圧175keV、5Mrad(50kGy)の条件で電子線を照射することにより、塗膜を架橋硬化させて表面保護層を形成した。
最後に、シート温度140℃、圧力10〜40kg/cmの条件で表面保護層のおもて面にエンボス加工を施すことにより床材用化粧シートを作製した。
実施例2〜7、比較例1〜11
用いるワックスの種類、ワックス混合比、ワックス融点、ワックス添加量、及び表面保護層の厚みを表1〜3のように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜7、及び比較例1〜11の床材用化粧シートを製造した。
(評価方法)
耐傷性(ホフマンスクラッチ試験)
米国BYK−GARDNER社製のホフマンスクラッチ試験機を用いて試験を行った。具体的には、床材用化粧シート表面に対して45°の角度で接するようにスクラッチ刃(φ7の円柱形の刃)をセットし、試験機を化粧材上で移動させた。徐々に荷重(錘)を高めていき、床材用化粧シート表面に擦り傷、圧痕等が生じるまで試験を繰り返し行った。
評価基準は、以下の通りである。
1:1500g荷重以上において、傷が見られないもの
2:1400g荷重以上、1500g荷重未満において、傷が見られないもの
3:1300g荷重以上、1400g荷重未満において、傷が見られないもの
4:1300g荷重未満において、傷が発生したもの
水性ワックス密着性
床材用化粧シートの表面にアクリル樹脂系水性ワックス(商品名:オール 株式会社リンレイ製)を均一に塗布し、24時間養生後、ワックスを塗布した表面に水を1mL滴下し、5分間放置した後水を拭き取り直ちにセロハンテープを密着剥離させて評価を行った。評価基準は、以下の通りである。
1:剥離が見られないもの
2:50%未満しか剥離しなかったもの
3:50%以上剥離したもの
4:完全に剥離したもの
滑り性
新東科学株式会社製の摩擦係数測定器(商品名:HEIDONトライボギアミューズTYPE:94i)を使用し、床材用化粧シート表面の摩擦係数を測定した。測定は、測定器の金属の接触子に布等の滑り片を装着せず、金属の接触子で床材用化粧シート表面を擦ることにより行った。なお、本測定において、摩擦係数が0.17以上であれば滑り難く、床材用化粧シートとして適している。
カール強さ
床材用化粧シートを400m作製し、これをロール状に巻き取って1月間保管した。1月間保管後、床材用化粧シートを用いてロールラミネート加工を行い、床材用化粧シートが基材から浮き上がる程度にカールが強い場合をロールラミネート加工が不可能な状態として、以下の評価基準に従って評価した。
1:カールの発生がないもの
2:カールが発生するが、ロールラミネート加工が可能な状態のもの
3:カールが発生し、ロールラミネート加工が不可能な状態のもの
表面保護層が含有するワックスの種類が、耐傷性に及ぼす影響を測定するために、上記耐傷性についての評価を実施例1〜3、及び比較例1〜5について行った。その結果を、表1に示した。
Figure 0005962385
表1の結果から明らかなように、表面保護層が、融点が110℃、及び105℃のポリエチレンワックスを含有する実施例1〜3の床材用化粧シートは、耐傷性に優れていることが分かった。
また、表面保護層が、融点が116℃、及び115℃のポリエチレンワックスを含有する比較例4及び5の床材用化粧シートにおいても、耐傷性は優れていたが、後述する表2についての試験において、水性ワックス密着性が劣っていた。
これに対し、表面保護層が、ワックスを含有しない比較例1、天然ワックスを含有する比較例2、及び変性ポリプロピレンワックスを含有する比較例3の床材用化粧シートは、耐傷性に劣っていた。
上記耐傷性、水性ワックス密着性、及び滑り性についての評価を実施例1〜5、並びに比較例1、及び4〜9について行った。その結果を、表2に示した。
Figure 0005962385
表2の結果から明らかなように、表面保護層が、融点が110℃以下のポリエチレンワックスを、表面保護層を形成する樹脂成分100重量部に対して0.2〜0.6重量部の範囲の含有量で含有し、表面保護層の厚みが、20〜40μmの範囲内である実施例1〜5の床材用化粧シートは、耐傷性、防滑性、及び水性ワックス密着性に優れていた。
これに対し、表面保護層にワックスを含有しない比較例1の床材用化粧シートは、耐傷性に劣っており、ポリエチレンワックスの含有量が少ない比較例6の床材用化粧シートも耐傷性に劣っていた。
また、ポリエチレンワックスの含有量が多い比較例7〜9の床材用化粧シートは、水性ワックス密着性に劣っており、特にポリエチレンワックスの含有量が多い比較例9の床材用化粧シートは、滑り性にも劣っていた。
また、ポリエチレンワックスの融点が高い比較例4及び5の床材用化粧シートは、水性ワックス密着性に劣っていた。
上記耐傷性、水性ワックス密着性、及びカール強さについての評価を実施例1、6及び7、並びに比較例1、10及び11について行った。その結果を、表3に示した。
Figure 0005962385
表3の結果から明らかなように、表面保護層が、融点が110℃以下のポリエチレンワックスを、表面保護層を形成する樹脂成分100重量部に対して0.2〜0.6重量部の範囲の含有量で含有し、表面保護層の厚みが、20〜40μmの範囲内である実施例1、6及び7の床材用化粧シートは、耐傷性、水性ワックス密着性に優れ、カールの発生が抑制されていた。
これに対し、表面保護層の厚みが薄い比較例10の床材用化粧シートは、耐傷性に劣っていた。
また、表面保護層の厚みが20〜40μmの範囲内であるが、表面保護層にワックスを含有しない比較例1の床材用化粧シートも、耐傷性に劣っていた。
更に、表面保護層にワックスを含有せず、表面保護層の厚みが50μmである比較例11の床材用化粧シートは、耐傷性に優れていたが、カールが強く発生し、ロールラミネート加工が不可能な状態であった。
1.プライマー層
2.基材シート
3.木目絵柄模様層
4.透明性接着剤層
5.透明性樹脂層
6.プライマー層
7.表面保護層

Claims (5)

  1. 表面保護層を有する床材用化粧シートであって、
    (1)前記表面保護層は、融点が110℃以下のポリエチレンワックスを、前記表面保護層を形成する樹脂成分100重量部に対して0.2〜0.6重量部含有し、
    (2)前記表面保護層の厚みは、20〜40μmである、
    ことを特徴とする床材用化粧シート。
  2. 前記ポリエチレンワックスは、酸化変性ポリエチレンワックス、酸変性ポリエチレンワックス、及びモノマー変性ポリエチレンワックスから選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の床材用化粧シート。
  3. 前記表面保護層は、硬質フィラーを含有する、請求項1又は2に記載の床材用化粧シート。
  4. 基材シート上に、絵柄模様層、透明性樹脂層、及び前記表面保護層を順に積層してなる、請求項1〜3のいずれかに記載の床材用化粧シート。
  5. 前記透明性樹脂層と、前記表面保護層との間に、更に、プライマー層を有する、請求項4に記載の床材用化粧シート。
JP2012211955A 2012-09-26 2012-09-26 床材用化粧シート Active JP5962385B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012211955A JP5962385B2 (ja) 2012-09-26 2012-09-26 床材用化粧シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012211955A JP5962385B2 (ja) 2012-09-26 2012-09-26 床材用化粧シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014066065A JP2014066065A (ja) 2014-04-17
JP5962385B2 true JP5962385B2 (ja) 2016-08-03

Family

ID=50742710

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012211955A Active JP5962385B2 (ja) 2012-09-26 2012-09-26 床材用化粧シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5962385B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6627768B2 (ja) * 2014-09-26 2020-01-08 大日本印刷株式会社 化粧シート及び化粧板
JP6404093B2 (ja) * 2014-11-14 2018-10-10 株式会社名倉ルーフ 防滑塗布材及び防滑施工方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4272318B2 (ja) * 1999-11-05 2009-06-03 大日本印刷株式会社 建材用化粧シート
JP3687514B2 (ja) * 2000-10-05 2005-08-24 東亞合成株式会社 硬化性組成物
JP4250557B2 (ja) * 2004-04-13 2009-04-08 アイカ工業株式会社 防水用複合被覆体の施工方法
JP5417726B2 (ja) * 2007-03-30 2014-02-19 大日本印刷株式会社 三次元加工用加飾シート及びそれを用いてなる加飾成形品
JP5339069B2 (ja) * 2008-03-31 2013-11-13 大日本印刷株式会社 化粧シート及びそれが積層された化粧材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014066065A (ja) 2014-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6507473B2 (ja) 化粧シート
JP4658749B2 (ja) 耐衝撃性及び耐スクラッチ性に優れた床材用化粧シート
JP6791232B2 (ja) 化粧シート及びそれを用いた化粧板
JP5429129B2 (ja) 耐衝撃性及び耐スクラッチ性に優れた床材用化粧シート
JP6812132B2 (ja) フィラー
JP2009262552A (ja) 化粧シート及びそれが積層された化粧材
JP6650662B2 (ja) 化粧シート及びそれを用いた化粧板
JP2010071004A (ja) 化粧シート及び化粧板
JP5724525B2 (ja) 化粧シート及び化粧材
JP5962385B2 (ja) 床材用化粧シート
JP2014188742A (ja) 化粧シート及びその製造方法
JP2008126409A (ja) 化粧シートおよびそれを用いた化粧板
JP2008036892A (ja) 化粧シートおよびそれを用いた化粧板
JP5699510B2 (ja) 床用化粧材
JP4272318B2 (ja) 建材用化粧シート
JP5332271B2 (ja) 化粧シート
JP6278175B2 (ja) 化粧シート
JP5119639B2 (ja) 床材用化粧シート
JP4268272B2 (ja) 建材用化粧シート
JP2008018579A (ja) 化粧シートおよびそれを用いた化粧板
JP5256601B2 (ja) 化粧シートおよびそれを用いた化粧板
JP4876592B2 (ja) 化粧シートおよびそれを用いた化粧板
JP6146083B2 (ja) 化粧シート
JP5407253B2 (ja) 化粧材及びその製造方法
JP5169694B2 (ja) 化粧シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150730

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160531

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160613

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5962385

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150