JP6278175B2 - 化粧シート - Google Patents

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Description

本発明は、化粧シートに関する。
従来、建築物の床材や建具等の内装材に意匠性を付与するために、内装材の表面に意匠性を有する化粧シートが積層されて用いられている。このような意匠性を有する化粧シートが表現する意匠としては、メタリック性等の光輝性を示す意匠が挙げられ、内装材等に広く用いられている。
メタリック性を示す意匠を表現した化粧シートとして、高輝性顔料を含有する着色層を有する化粧シートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この化粧シートは、基材、接着層、着色層及び透明樹脂層を有しており、耐候性を付与して変色を抑制するために透明性樹脂層の紫外線透過率が8%となっている。
しかしながら、上述の化粧シートは、着色層に光輝性顔料が含有されており、着色層中で着色剤により光輝性顔料が隠蔽され易く、光輝性が十分でないという問題がある。また、表面に表面保護層を有しておらず、耐擦傷性が劣るという問題がある。
上述の問題を解決した化粧シートとして、基材上に隠蔽層、メタリック層及び表面保護層を積層してなる化粧シートが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この化粧シートは、メタリック層の光輝性顔料の含有量を特定の範囲とすることにより剥離強度の低下を抑制し、また、耐擦傷性を向上させるために表面保護層が設けられている。
しかしながら、上述の化粧シートは、表面保護層が設けられており耐擦傷性が向上しているものの、透明性樹脂層が設けられていないため床材や建具等の内装材に要求される耐摩耗性が十分でないという問題がある。また、表面保護層の光学特性が十分に検討されておらず、下層であるメタリック層が示す光輝性を十分に発揮できないため意匠性に劣るという問題がある。
従って、床材や建具等の内装材に用いられる化粧シートに要求される耐擦傷性、耐摩耗性及び光輝性に優れた化粧シートの開発が望まれている。
特開2007-261143号公報 特開2010-100051号公報
本発明は、床材や建具等の内装材に要求される耐擦傷性及び耐摩耗性に優れ、且つ、高い光輝性を有し、優れた意匠性を示す化粧シートを提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、基材シート上に、少なくとも着色隠蔽層、光輝性顔料含有層、透明性樹脂層及び表面保護層を順に有する化粧シートにおいて、透明性樹脂層と表面保護層とを積層した積層体のヘイズ、化粧シート表面の60°グロスを特定の範囲とし、且つ光輝性顔料含有層中の光輝性顔料の含有量を特定の範囲とすることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の化粧シートに関する。
1.基材シート上に、少なくとも着色隠蔽層、光輝性顔料含有層、透明性樹脂層及び表面保護層を順に有する化粧シートであって、
(1)前記透明性樹脂層と前記表面保護層との2層を積層した積層体のヘイズが20%以下であり、
(2)前記化粧シート表面の60°グロスが2以上であり、
(3)前記光輝性顔料含有層は、樹脂固形分100質量部に対して光輝性顔料を50質量部以上含有
(4)前記透明性樹脂層は、立体規則性を有するポリオレフィン系樹脂を含有する、
ことを特徴とする化粧シート。
2.前記光輝性顔料含有層は、樹脂固形分100質量部に対して光輝性顔料を60質量部以下含有する、上記項1に記載の化粧シート。
3.前記表面保護層は電離放射線硬化型樹脂層である、上記項1又は2に記載の化粧シート。
4.前記光輝性顔料含有層と前記透明性樹脂層との間に、更に絵柄模様層を有する、上記項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
5.前記透明性樹脂層と前記表面保護層との間に、更にプライマー層を有する、上記項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
6.前記表面保護層側からエンボス加工されている、上記項1〜5のいずれかに記載の化粧シート。
7.前記表面保護層は艶消し剤を含有する、上記項1〜6のいずれかに記載の化粧シート。
8.前記透明性樹脂層と前記表面保護層との2層を積層した積層体の厚みが70μm以下である、上記項1〜7のいずれかに記載の化粧シート。
以下、本発明の化粧シートについて詳細に説明する。なお、本発明の化粧シートは、表面保護層がいわゆる「おもて面」(施工後に視認される面)である。よって、本明細書では、基材シートに対して表面保護層が存在する方向を「おもて」又は「上」と称し、その反対側を「裏」又は「下」と称する。
本発明の化粧シートは、基材シート上に、少なくとも着色隠蔽層、光輝性顔料含有層、透明性樹脂層及び表面保護層を順に有する化粧シートであって、(1)上記透明性樹脂層と前記表面保護層との2層を積層した積層体のヘイズが20%以下であり、(2)上記化粧シート表面の60°グロスが2以上であり、(3)上記光輝性顔料含有層は、樹脂固形分100質量部に対して光輝性顔料を20質量部以上含有することを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の化粧シートは、着色隠蔽層上に、別途光輝性顔料含有層が設けられているので、着色隠蔽層中に光輝性顔料を含有する場合のように光輝性顔料が隠蔽され難く、光輝性顔料含有層が光輝性に優れるため優れた意匠性を示す。また、透明性樹脂層及び表面保護層を備えるので、耐擦傷性及び耐摩耗性に優れる。更に、透明性樹脂層と表面保護層との2層を積層した積層体のヘイズが特定の範囲であり、且つ化粧シート表面の60°グロスが特定の範囲であるので、上層に透明性樹脂層及び表面保護層が設けられていても、光輝性顔料含有層が示す光輝性の低下が抑制される。
(基材シート)
基材シートとしては限定的ではないが、樹脂成分としてポリオレフィン系樹脂を含む基材シートが好ましい。実質的には、ポリオレフィン系樹脂からなるシートを用いる。
ポリオレフィン系樹脂としては特に限定されず、化粧シートの分野で通常用いられているものが使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの中でも、特にポリプロピレン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が好ましい。
ポリプロピレンを主成分とする単独重合体又は共重合体も好ましく、例えば、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、及び、ポリプロピレン結晶部を有し、且つプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンが挙げられる。その他、エチレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1又はオクテン−1のコモノマーを15モル%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体等も好ましい。
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントにアイソタクチックポリプロピレン、ソフトセグメントにアタクチックポリプロピレンを重量比80:20で混合したものが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂は、例えば、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等によりフィルム状にすればよい。
基材シートの厚みは特に限定されず、製品特性に応じて設定できるが、通常40〜150μm、好ましくは50〜100μm程度である。
基材シートには、必要に応じて、添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー等の充填剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、着色剤(下記参照)などが挙げられる。添加剤の配合量は、製品特性に応じて適宜設定できる。
着色剤としては特に限定されず、顔料、染料等の公知の着色剤を使用できる。例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料;イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(染料も含む);アルミニウム、真鍮等の金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料などが挙げられる。
基材シートの片面又は両面には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理等の表面処理を施してもよい。例えば、コロナ放電処理を行う場合には、基材シート表面の表面張力が30dyne以上、好ましくは40dyne以上となるようにすればよい。表面処理は、各処理の常法に従って行えばよい。
基材シートの片面又は両面には、必要に応じて、プライマー層を設けてもよい。
プライマー層は、公知のプライマー剤を基材シートの片面又は両面に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、ウレタン−セルロース系樹脂(例えば、ウレタンと硝化綿の混合物にヘキサメチレンジイソシアネートを添加してなる樹脂)からなるプライマー剤等が挙げられる。
プライマー剤の塗布量は特に限定されないが、通常0.1〜20g/m2、好ましくは0.5〜10g/m2程度である。
(着色隠蔽層)
着色隠蔽層は、化粧シートのおもて面から被着材の地色を隠蔽するための層である。また、着色隠蔽層の色合いを適宜選択することにより、着色隠蔽層上に積層される光輝性顔料含有層の光輝性をより際立たせることが可能となり、意匠性を更に向上させることができる。
着色隠蔽層としては、隠蔽着色が可能な公知のインクを用いて形成された層が挙げられる。上記インクとしては、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)させて得られる着色インクが挙げられる。
着色剤としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの着色剤には、中和剤、界面活性剤等がさらに配合されていてもよい。
結着材樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等の無機溶剤等が挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
着色隠蔽層の形成方法は、基材シート全体を被覆(全面ベタ状)するように形成できる方法が好ましい。例えば、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等が好ましいものとして挙げられる。
着色隠蔽層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、塗工時の層厚は0.1〜10μm程度、乾燥後の層厚は0.1〜5μm程度である。
(光輝性顔料含有層)
光輝性顔料含有層は、例えば、公知の光輝性顔料を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)させて得られる光輝性顔料含有インキ、コーティング剤等を用いた印刷法などにより形成することができる。
光輝性顔料としては、例えば、次のものが挙げられる。
(i)パール顔料:具体的には、貝殻の内側の部分や真珠を粉砕したもの;マイカ;マイカの微粒子にTiO2や酸化鉄を焼き付けたもの、
(ii)金属粉:具体的には、銅、アルミニウム、真ちゅう、青銅、金、銀等の微粒子(好ましくは1〜120μmの微粒子)、
(iii)蒸着されたプラスチックフィルムの砕片:具体的には、ポリエチレンテレフタレートフィルムに上記金属(通常はアルミニウム)を蒸着、粉砕したもの(銀色粉);蒸着後に透明な黄色塗装を行って粉砕したもの(金色粉)。
光輝性顔料含有層中の光輝性顔料の含有量は、樹脂固形分100質量部に対して20質量部以上である。光輝性顔料含有層が、このような含有量で光輝性顔料を含有することにより、光輝性顔料含有層の光輝性が十分となり、化粧シートが優れた意匠性を示す。上記光輝性顔料の含有量は、50質量部以上であることが好ましい。
また、上記光輝性顔料の含有量は、樹脂固形分100質量部に対して70質量部以下であることが好ましく、60質量部以下であることがより好ましい。光輝性顔料の含有量が多過ぎると、上記光輝性顔料含有インキを均一に塗布できず、光輝性顔料含有層の形成が困難となるおそれがある。
結着材樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
上記結着材樹脂は、透明であることが好ましい。結着材樹脂が透明であることにより、光輝性顔料含有層中での光輝性顔料の結着材樹脂による隠蔽が抑制され、光輝性顔料が示す光輝性が発揮され易くなることにより光輝性顔料含有層が光輝性に優れるため、化粧シートがより優れた意匠性を示すことが可能となる。結着材樹脂が透明である場合は、透明である限り着色されていてもよく、光輝性顔料が示す光輝性が視認できる範囲内で半透明であってもよい。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等の無機溶剤等が挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
光輝性顔料含有層は、基材シート上に全面ベタ状に設ければよい。例えば、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等の各種コーティング法によって形成する。光輝性顔料含有層は、上記方法を1回行うことにより基材シート上に1層形成してもよいし、上記方法を複数回行うことにより複数層の積層体として形成してもよい。
光輝性顔料含有層の厚さは限定的ではないが、塗工時の層厚は1〜50μm程度、乾燥後の層厚は0.1〜20μm程度が好ましく、より好ましくは塗工時の層厚は1〜20μm程度、乾燥後の層厚は0.1〜10μm程度である。また、光輝性顔料含有層を複数層の積層体として形成する場合には、積層体としての厚さが上記厚さの範囲内であることが好ましい。
(透明性樹脂層)
透明性樹脂層は透明である限り着色されていてもよく、着色隠蔽層、光輝性顔料含有層、及び必要に応じて形成する後述の絵柄模様層が視認できる範囲内で半透明であってもよい。
透明性樹脂層を形成する樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリメチルペンテン、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、ポリカーボネート、セルローストリアセテート等が挙げられる。上記の中でも、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂が好ましい。より好ましくは、立体規則性を有するポリオレフィン樹脂である。ポリオレフィン樹脂を用いる場合は、溶融ポリオレフィン樹脂を押し出し法により透明性樹脂層を形成することが望ましい。
透明性樹脂層には、必要に応じて、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えばゴム)等の各種の添加剤が含まれていても良い。
透明性樹脂層の厚みは特に限定されないが、一般的には10〜150μm程度とする。
透明性樹脂層の表面であって、表面保護層を形成する面には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理等の表面処理を施してもよい。表面処理は、各処理の常法に従って行えばよい。
(表面保護層)
表面保護層は、化粧シートに要求される耐擦傷性、耐水性、耐汚染性等の表面物性を付与するために設けられる。この表面保護層を形成する樹脂としては、熱硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂等の硬化型樹脂が好ましい。特に、電離放射線硬化型樹脂は高い表面硬度、生産性等の観点から好ましい。
熱硬化型樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
上記樹脂には、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤を添加することができる。例えば、硬化剤としてはイソシアネート、有機スルホン酸塩等が不飽和ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等に添加でき、有機アミン等がエポキシ樹脂に添加でき、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、アゾイソブチルニトリル等のラジカル開始剤が不飽和ポリエステル樹脂に添加できる。
熱硬化型樹脂で表面保護層を形成する方法としては、例えば、熱硬化型樹脂の溶液をロールコート法、グラビアコート法等の塗布法で塗布し、乾燥・硬化させる方法が挙げられる。溶液の塗布量としては、固形分で概ね1〜30μm、好ましくは1〜20μm程度である。
電離放射線硬化型樹脂は、電離放射線の照射により架橋重合反応を生じ、3次元の高分子構造に変化する樹脂であれば限定されない。例えば、電離放射線の照射により架橋可能な重合性不飽和結合又はエポキシ基を分子中に有するプレポリマー、オリゴマー及びモノマーの1種以上が使用できる。例えば、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリレート樹脂;シロキサン等のケイ素樹脂;ポリエステル樹脂;エポキシ樹脂などが挙げられる。
電離放射線としては、可視光線、紫外線(近紫外線、真空紫外線等)、X線、電子線、イオン線等があるが、この中でも、紫外線、電子線が望ましい。
紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長としては、190〜380nm程度である。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。電子線のエネルギーとしては、100〜1000keV程度が好ましく、100〜300keV程度がより好ましい。電子線の照射量は、2〜15Mrad程度が好ましい。
電離放射線硬化型樹脂は電子線を照射すれば十分に硬化するが、紫外線を照射して硬化させる場合には、光重合開始剤(増感剤)を添加することが好ましい。
ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合の光重合開始剤は、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾール、イソプロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエート等の少なくとも1種が使用できる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキシスルホキソニウムジアリルヨードシル塩等の少なくとも1種が使用できる。
光重合開始剤の添加量は特に限定されないが、一般に電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部程度である。
電離放射線硬化型樹脂で保護層を形成する方法としては、例えば、電離放射線硬化型樹脂の溶液をグラビアコート法、ロールコート法等の塗布法で塗布すればよい。溶液の塗布量としては、固形分として概ね1〜30μm、好ましくは1〜20μm程度である。
電離放射線硬化型樹脂から形成された表面保護層に、耐擦傷性をさらに付与する場合には、無機充填材を配合すればよい。無機充填材としては、例えば、粉末状の酸化アルミニウム、炭化珪素、二酸化珪素、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、マグネシウムパイロボレート、酸化亜鉛、窒化珪素、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化鉄、窒化硼素、ダイアモンド、金剛砂、ガラス繊維等が挙げられる。
無機充填材の添加量としては、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して1〜80質量部程度である。
上記透明性樹脂層と上記表面保護層との2層を積層した積層体は、ヘイズが20%以下である。15%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。また、上記ヘイズは、小さい程光輝性を発現することが可能となるので、上記へイズの下限は特に限定されず、0%であってもよい。なお、上記ヘイズは、東洋精機製直読グロスメーターを用いて、表面粗さの影響を受けないように積層体表面をシリコーンオイルで濡らして測定することにより得られる値である。
上記ヘイズは、表面保護層及び透明性樹脂層の少なくとも一層に艶消し剤や、かさ増し剤等を添加することにより調整することができる。具体的には、例えば艶消し剤の含有量を増加させることによりヘイズを上げることができ、艶消し剤の含有量を減少させることによりヘイズを下げることができる。艶消し剤としては特に限定されず、例えば、シリカ、アクリルビーズ、酸化チタン等を用いることができる。
上記ヘイズは、また、透明性樹脂層と表面保護層との2層を積層した積層体の厚みを調整することにより調整することができる。具体的には、上記積層体の厚みを厚くすることによりヘイズを上げることができ、厚みを薄くすることによりヘイズを下げることができる。上記積層体の厚みは40〜200μmが好ましく、50〜70μmがより好ましい。
本発明の化粧シートは、表面の60°グロスが2以上である。上記60°グロスは、6以上が好ましい。また、上記60°グロスは、大きい程光輝性を発現することが可能となるので、上記60°グロスの上限は特に限定されず、100であってもよい。なお、上記60°グロスは、JIS Z-8741に準拠した方法により、光沢計((株)村上色彩技術研究所製 商品名:GMX-202)を用いて化粧シートの流れ方向に沿って測定することにより得られる値である。
上記60°グロスは、表面保護層に艶消し剤を添加することにより調整することができる。具体的には、表面保護層中の艶消し剤の含有量を増加させることにより60°グロスを下げることができ、含有量を減少させることにより60°グロスを上げることができる。艶消し剤としては特に限定されず、例えば、シリカ、アクリルビーズ等を用いることができる。
以上説明した各層の積層は、例えば、基材シートの一方の面に公知の方法により着色隠蔽層及び光輝性顔料含有層を順に形成後、2液硬化型ウレタン樹脂等の公知のドライラミネーション用接着剤を介して透明性樹脂層をドライラミネーション法、Tダイ押出し法等で積層し、さらに表面保護層を形成する方法により行うことができる。
本発明の化粧シートの層構成としては、上記基材シート、着色隠蔽層、光輝性顔料含有層、透明性樹脂層及び表面保護層を有していれば特に限定的ではないが、例えば、基材シート上に、着色隠蔽層、光輝性顔料含有層、絵柄模様層、透明性樹脂層、及び表面保護層を順に積層してなるものが好ましい。また、基材シート上に、着色隠蔽層、光輝性顔料含有層、絵柄模様層、透明性樹脂層、プライマー層及び表面保護層を順に積層してなる層構成も好適である。
以下、具体的な層構成の説明として、上記の層構成を例示し、既に説明した層以外の層について説明する。
(絵柄模様層)
光輝性顔料含有層の上には、絵柄模様層を形成することができる。絵柄模様層は、化粧シートに所望の絵柄による意匠性を付与するものであり、絵柄の種類等は特に限定的ではない。例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
絵柄模様層の形成方法は特に限定されず、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)させて得られる着色インキ、コーティング剤等を用いた印刷法などにより形成すればよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの着色剤には、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等をさらに配合してもよい。
結着材樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等の無機溶剤等が挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
絵柄模様層の形成に用いる印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。また、全面ベタ状の絵柄模様層を形成する場合には、例えば、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等の各種コーティング法が挙げられる。その他、手描き法、墨流し法、写真法、転写法、レーザービーム描画法、電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法、エッチング法等を用いたり、他の形成方法と組み合わせて用いたりしてもよい。
絵柄模様層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、乾燥後の層厚は0.1〜20μm程度である。
(プライマー層)
透明性樹脂層の上には、表面保護層の形成を容易とするためのプライマー層を設けることができる。
プライマー層は、公知のプライマー剤を透明性樹脂層に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、アクリルとウレタンのブロック共重合体からなる樹脂系プライマー剤等が挙げられる。
プライマー剤の塗布量は特に限定されないが、通常0.1〜20g/m2、好ましくは0.5〜10g/m2程度である。
(裏面プライマー層)
基材シートの裏面(着色隠蔽層が積層される面と反対側の面)には、必要に応じて、裏面プライマー層を設けてもよい。例えば、基材シートと被着材とを接着して化粧材を作製する際に効果的である。
裏面プライマー層は、公知のプライマー剤を基材シートの片面又は両面に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂(アクリルウレタン系樹脂)等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、ウレタン−セルロース系樹脂(例えば、ウレタンと硝化綿の混合物にヘキサメチレンジイソシアネートを添加してなる樹脂)からなるプライマー剤、アクリルとウレタンのブロック共重合体からなる樹脂系プライマー剤等が挙げられる。プライマー剤には、必要に応じて、添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー等の充填剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤などが挙げられる。添加剤の配合量は、製品特性に応じて適宜設定できる。
プライマー剤の塗布量は特に限定されないが、通常通常0.1〜20g/m2、好ましくは0.5〜10g/m2程度である。
(バッカー層)
本発明の化粧シートは、最下層(被着材と接着する層)に厚さ10〜500μmの合成樹脂層(いわゆるバッカー層)を有していてもよい。なお、バッカー層は、化粧シートを木質基材上に積層して形成した化粧材において、衝撃吸収等を目的とした緩衝層を意味する。バッカー層を構成する材料としては、例えば、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリメチレン、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート、耐熱性の高いポリアルキレンテレフタレート〔例えば、エチレングリコールの一部を1,4-シクロヘキサンジメタノールやジエチレングリコール等で置換したポリエチレンテレフタレートである、いわゆる商品名PET-G(イーストマンケミカルカンパニー製)〕、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド、ポリスチレン、ポリアミド、ABS等が挙げられる。これらの樹脂は単独又は2種以上で使用できる。
(エンボス加工)
本発明の化粧シートは、上記透明性樹脂層を形成した後、透明性樹脂層側からエンボス加工が施されていてもよい。また、透明性樹脂層の上に表面保護層が形成される場合は、上記透明性樹脂層の上に上記表面保護層を積層した後、表面保護層側からエンボス加工が施されていてもよい。
エンボス加工方法は特に限定されず、例えば、表面保護層のおもて面を加熱軟化させてエンボス版により加圧・賦形後、冷却する方法が好ましい方法として挙げられる。エンボス加工には、公知の枚葉式又は輪転式のエンボス機が用いられる。凹凸形状としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
本発明の化粧シートは、着色隠蔽層上に、別途光輝性顔料含有層が設けられているので、着色隠蔽層中に光輝性顔料を含有する場合のように光輝性顔料が隠蔽されず、光輝性顔料含有層が光輝性に優れるため優れた意匠性を示す。また、透明性樹脂層及び表面保護層を備えるので、耐擦傷性及び耐摩耗性に優れる。更に、透明性樹脂層と表面保護層との2層を積層した積層体のヘイズが特定の範囲であり、且つ化粧シート表面の60°グロスが特定の範囲であるので、上層に透明性樹脂層及び表面保護層が設けられていても、光輝性顔料含有層による光輝性の低下が抑制される。
このため、本発明によれば、床材や建具等の内装材に要求される耐擦傷性及び耐摩耗性に優れ、且つ、高い光輝性を有し、優れた意匠性を示す化粧シートを得ることができる。
本発明の化粧シートの一例を表した断面図である。
以下に実施例及び比較例を示して本発明をより詳しく説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
基材シートとして、着色ポリプロピレンシート(厚さ60μm)を用意した。上記基材シートの表面及び裏面にコロナ放電処理を施した後、裏面にプライマー剤を塗工してプライマー層(各厚さ2μm)を形成した。プライマー剤は、樹脂組成物100質量部とヘキサメチレンジイソシアネート(硬化剤)5質量部との混合物であり、上記樹脂組成物は、アクリルウレタン共重合体、アクリルポリオール、トリアジン系紫外線吸収剤(5質量%)の混合物とした。
表面のプライマー層上に着色隠蔽層を形成するための着色インクを塗工して着色隠蔽層(厚さ2μm)を形成した。着色隠蔽層を形成するための着色インクは、着色剤としての酸化チタンを、結着材樹脂としてのポリエステル樹脂中に分散させることにより調製した。
着色隠蔽層上に光輝性顔料を含有する結着材樹脂を含む光輝性顔料含有インキを塗工して、光輝性顔料含有層(厚さ2μm)を形成した。光輝性顔料含有インキは、結着材樹脂としてポリエステル樹脂及びアクリル樹脂を含有し、光輝性顔料として、マイカの微粒子にTiO2を焼き付けたパール顔料を含有していた。また、光輝性顔料含有層は、樹脂固形分100質量部に対してパール顔料を20質量部含有していた。
光輝性顔料含有層上に絵柄模様層(厚さ2μm)を形成し、その上に透明性接着剤層(厚さ3μm)を形成した。透明性接着剤層上に透明性熱可塑性ポリプロピレン樹脂をTダイ押出し機により加熱溶融押出しし、押出しラミネート方式で積層することにより透明性樹脂層(厚さ60μm)を形成した。
透明性樹脂層の表面にコロナ放電処理を施し、2液硬化型ウレタン樹脂を塗工することにより、透明性樹脂層上にプライマー層(厚さ2μm)を形成した。
プライマー層上にグラビアコート法により、電離放射線硬化型樹脂を5μmの厚さで塗工し、酸素濃度200ppm以下の雰囲気下において加速電圧175keV、5Mrad(50kGy)の条件で電子線を照射することにより、塗膜を架橋硬化させて表面保護層を形成した。表面保護層は、艶消し剤としてシリカを含有し、その含有量は樹脂固形分100質量部に対して10質量部であった。
最後に、化粧シートを表面保護層側から赤外線非接触方式のヒーターを用いて加熱し、表面保護層側からエンボス加工を施すことにより化粧シートを作製した。
実施例2
光輝性顔料含有層中の光輝性顔料の含有量を表1のように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2の化粧シートを調製した。
実施例3
表面保護層中の艶消し剤の含有量を変更することにより、化粧シート表面の60°グロスを表1のように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例3の化粧シートを調製した。
実施例4、5
表面保護層及び透明性樹脂層中の艶消し剤及びかさ増し剤の含有量、並びに透明性樹脂層と表面保護層との2層を積層した積層体の厚みを変更することにより、ヘイズを表1のように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例4の化粧シートを調製した。
比較例1
光輝性顔料含有層中の光輝性顔料の含有量を表1のように変更した以外は実施例1と同様にして、比較例1の化粧シートを調製した。
比較例2
表面保護層中の艶消し剤の含有量を変更することにより、化粧シート表面の60°グロスを表1のように変更した以外は実施例1と同様にして、比較例2の化粧シートを調製した。
比較例3
表面保護層及び透明性樹脂層中の艶消し剤及びかさ増し剤の含有量、並びに透明性樹脂層と表面保護層との2層を積層した積層体の厚みを変更することにより、ヘイズを表1のように変更した以外は実施例1と同様にして、比較例3の化粧シートを調製した。
比較例4
光輝性顔料含有層上に表面保護層を積層した(透明性樹脂層を形成しなかった)以外は実施例1と同様にして、比較例4の化粧シートを調製した。
比較例5
表面保護層を形成しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例5の化粧シートを調製した。
(評価方法)
60°グロス
JIS Z-8741に準拠した方法により、化粧シートの表面の60°グロスを測定した。60°グロスの測定は、光沢度測定器((株)村上色彩技術研究所製 商品名:GMX-202)を用いて化粧シートの流れ方向に沿って行った。
ヘイズ
透明性樹脂層と表面保護層との2層を積層した積層体のヘイズを、東洋精機製直読グロスメーターにより、表面粗さの影響を受けないように積層体表面をシリコーンオイルで濡らして測定した。
耐擦傷性
300g/cm2の荷重となるように調整した重りにスチールウール(#0000)を取り付けた。化粧シートの表面を重りで10往復擦り、化粧シート表面の傷の有無と艶変化を目視で評価した。評価は、以下の判定基準に基づいて行なった。
+:傷が発生せず、艶も変化しなかった
−:傷又は大きな艶変化が発生した
耐摩耗性
JAS合板摩耗A試験に準拠して試験を行った。評価は、以下の判定基準に基づいて行なった。
+:100回転で柄取られが発生しなかった
−:100回転で全柄取られが発生した
光輝性
得られた化粧シートの光輝性を目視により下記の基準に基づいて評価した。
++:化粧シート表面全体にメタリック調の光輝がまんべんなく確認できた
+:化粧シート表面の一部にメタリック調の光輝が確認できた
−:化粧シート表面にメタリック調の光輝が確認できなかった
結果を表1に示す。
Figure 0006278175
表1の結果から明らかなように、基材シート上に、少なくとも着色隠蔽層、光輝性顔料含有層、透明性樹脂層及び表面保護層がこの順に形成され、透明性樹脂層と表面保護層との2層を積層した積層体のヘイズが20%以下であり、化粧シート表面の60°グロスが2以上であり、光輝性顔料含有層は、樹脂固形分100質量部に対して光輝性顔料を20質量部以上含有する実施例1〜5の化粧シートは、耐擦傷性、耐摩耗性に優れ、且つ光輝性にも優れていた。
これに対し、光輝性顔料含有層の光輝性顔料含有量が15質量部であり少ない比較例1の化粧シートは、耐擦傷性、耐摩耗性を示したが、化粧シート表面にメタリック調の光輝が確認できず、光輝性に劣っていた。
また、化粧シート表面のグロスが1であり小さい比較例2の化粧シートでは、光輝性顔料含有層の光輝が化粧シート表面から視認し難く、光輝性に劣っていた。
同様に、透明性樹脂層と表面保護層との2層を積層した積層体のヘイズが25%であり大きい比較例3の化粧シートでも、積層体より下層に積層された光輝性顔料含有層の光輝が化粧シート表面から視認し難く、光輝性に劣っていた。
透明性樹脂層が形成されていない比較例4の化粧シートでは、表面保護層が形成されているので耐擦傷性を示したが、耐摩耗性に劣っていた。
表面保護層が形成されていない比較例5の化粧シートでは、透明性樹脂層が形成されているので耐摩耗性を示したが、耐擦傷性に劣っていた。
1.化粧シート
2.裏面プライマー層
3.基材シート
4.着色隠蔽層
5.光輝性顔料含有層
6.絵柄模様層
7.透明性樹脂層
8.プライマー層
9.表面保護層

Claims (8)

  1. 基材シート上に、少なくとも着色隠蔽層、光輝性顔料含有層、透明性樹脂層及び表面保護層を順に有する化粧シートであって、
    (1)前記透明性樹脂層と前記表面保護層との2層を積層した積層体のヘイズが20%以下であり、
    (2)前記化粧シート表面の60°グロスが2以上であり、
    (3)前記光輝性顔料含有層は、樹脂固形分100質量部に対して光輝性顔料を50質量部以上含有
    (4)前記透明性樹脂層は、立体規則性を有するポリオレフィン系樹脂を含有する、
    ことを特徴とする化粧シート。
  2. 前記光輝性顔料含有層は、樹脂固形分100質量部に対して光輝性顔料を60質量部以下含有する、請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記表面保護層は電離放射線硬化型樹脂層である、請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 前記光輝性顔料含有層と前記透明性樹脂層との間に、更に絵柄模様層を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
  5. 前記透明性樹脂層と前記表面保護層との間に、更にプライマー層を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
  6. 前記表面保護層側からエンボス加工されている、請求項1〜5のいずれかに記載の化粧シート。
  7. 前記表面保護層は艶消し剤を含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の化粧シート。
  8. 前記透明性樹脂層と前記表面保護層との2層を積層した積層体の厚みが70μm以下である、請求項1〜7のいずれかに記載の化粧シート。
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