JP6520128B2 - 化粧シート及び化粧板 - Google Patents
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Description
1. 基材シート上に、少なくとも絵柄模様層、透明性樹脂層及び表面保護層がこの順に積層された化粧シートであって、
(1)前記表面保護層は、厚みが7〜30μmであり、且つ前記表面保護層の厚み以下の粒子径の微粒子A、及び前記表面保護層の厚みより大きい粒子径の微粒子Bを含有し、
(2)前記微粒子Aの含有量及び前記微粒子Bの含有量は、前記表面保護層の樹脂成分100質量部に対して、それぞれ5〜30質量部であり、且つ前記微粒子Aの含有量及び前記微粒子Bの含有量の合計は、前記表面保護層の樹脂成分100質量部に対して15〜35質量部であり、
(3)前記基材シート及び前記透明性樹脂層は、非ハロゲン系熱可塑性樹脂を含有し、
(4)前記基材シートは、厚みが180〜350μmであり、且つマルテンス硬さが50N/mm2以上の領域が、前記基材シートの前記絵柄模様層側の面とは反対側の面から120μm以上の厚みで存在し、
(5)前記表面保護層側からエンボス加工されている、
ことを特徴とする化粧シート。
2. 前記化粧シートの表面の十点平均粗さRzjisが60μm以上である、上記項1に記載の化粧シート。
3. 前記化粧シートの表面の60°グロスが14以下である、上記項1又は2に記載の化粧シート。
4. 前記微粒子A及び前記微粒子Bがシリカ微粒子である、上記項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
5. 前記透明性樹脂層上に艶調整層が形成されており、且つ、前記艶調整層は、前記表面保護層と隣接して形成されている、上記項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
6. 前記非ハロゲン系熱可塑性樹脂は、オレフィン系熱可塑性樹脂である、上記項1〜5のいずれかに記載の化粧シート。
7. 前記表面保護層は電離放射線硬化型樹脂層を含む、上記項1〜6のいずれかに記載の化粧シート。
8. 上記項1〜7のいずれかに記載の化粧シートを被着材に貼着してなる化粧板。
9. 前記被着材が、チップボード、又はチップボードが積層された複合基材である、上記項8に記載の化粧板。
基材シートは、その表面(おもて面)には絵柄模様層等が順次積層される層である。基材シートは、非ハロゲン系熱可塑性樹脂を含有する。
絵柄模様層は、化粧シートに所望の絵柄(意匠)を付与する層であり、絵柄の種類等は限定的ではない。例えば、木目模様、レザー模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
透明性樹脂層は、透明性のものであれば特に限定されず、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含む。上記透明性樹脂層は、非ハロゲン系熱可塑性樹脂を含有する。
本発明の化粧シートは、表面に表面保護層が形成されている。本発明の化粧シートの表面保護層の厚みは7〜30μmである。表面保護層の厚みが7μmより薄いと、エンボス形状を賦形することが困難となり、意匠性に劣る。また、表面保護層の厚みが7μmより薄いと、エンボス形状が十分に賦形されないので、化粧シートの表面が擦れる際の荷重が分散され難く、耐傷性に劣る。また、表面保護層の厚みが30μmを超えると、化粧シートをロール状態で保存した際に巻きぐせが付き、ロールラミネートが困難になる。上記表面保護層の厚みは、10〜20μmが好ましい。
表面保護層の艶値は、表面保護層に含まれる樹脂成分、添加剤等の各物質の種類を選定する方法;上記各物質の含有量を適宜設定する方法;などによって、調整することができる。
本発明の化粧シートは、基材シート上に、少なくとも絵柄模様層、透明性樹脂層及び表面保護層がこの順に積層されていれば、その具体的構成(層構成)については限定されない。例えば、基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層、プライマー層、及び表面保護層を順に積層してなる化粧シートが挙げられる。本明細書では、基材シートから見て表面保護層が積層されている方向を「上」又は「おもて面」と称し、基材シートから見て裏面プライマー層が積層されている方向を「下」又は「裏面」と称する。化粧シート又は化粧板の「おもて面(側)」又は「表面保護層(側)の面」とは、化粧シート又は化粧板の施工後に視認される面を意味する。
透明性樹脂層と絵柄模様層との密着性を高めるため、絵柄模様層上に透明性接着剤層を形成してもよい。透明性接着剤層は、透明性のものであれば特に限定されず、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含む。
透明性樹脂層の上には、プライマー層を設けてもよい。プライマー層は、公知のプライマー剤を透明性樹脂層の表面に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂(アクリルウレタン系樹脂)等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、ウレタン−セルロース系樹脂(例えば、ウレタンと硝化綿の混合物にヘキサメチレンジイソシアネートを添加してなる樹脂)からなるプライマー剤、アクリルとウレタンのブロック共重合体からなる樹脂系プライマー剤等が挙げられる。プライマー剤には、必要に応じて、添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー等の充填剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤などが挙げられる。添加剤の配合量は、製品特性に応じて適宜設定できる。
本発明の化粧シートには、艶調整層が形成されていてもよい。艶調整層が形成されている化粧シートの形態としては、例えば、図3〜図5の形態が挙げられる。
図3の形態では、艶調整層がおもて面側の面の一部分に形成されており、且つ、表面保護層がおもて面側の全面に形成されている(上記(1)の(b)の形態)。図4の形態では、艶調整層がおもて面側の面の一部分に形成されており、且つ、表面保護層がおもて面側の面の一部分に形成されている(上記(1)の(a)の形態)。
また、艶調整層を形成するためのインキに体質顔料を配合してもよい。体質顔料を配合する場合、光の散乱を助長し、前記凹凸形状(ダク)消し効果を一層高めることができる。体質顔料としては特に限定されるものではないが、たとえば、シリカ、タルク、クレー、硫酸バリウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等から適宜選択される。これらの中で、吸油度、粒径、細孔容積等の材料設計の自由度が高く、意匠性、白さ、インキとしての塗布安定性に優れた材料であるシリカが好ましく、特に微粉末のシリカが好ましい。なお、体質顔料を使用する場合、その含有量は、体質顔料以外のインキ(インキ組成物)100質量部に対して5〜15質量部が好ましい。
基材シートの裏面(絵柄模様層が積層される面と反対側の面)には、必要に応じて、裏面プライマー層を設けてもよい。例えば、基材シートと被着材とを接着して化粧板を作製する際に効果的である。
本発明の化粧シートは、表面保護層側からエンボス加工が施されている。エンボス加工方法は特に限定されず、例えば、表面保護層のおもて面を加熱軟化させてエンボス版により加圧・賦形後、冷却する方法が好ましい方法として挙げられるが、最終製品である化粧シート又は表面保護層の材質によっては、例えば、透明性樹脂層若しくは艶調整層のおもて面を加熱軟化させてエンボス版により加圧・賦形後、その上に表面保護層を形成してもよい。
本発明の化粧シートを被着材上に積層することにより、化粧板とすることができる。本発明の化粧板は、本発明の化粧シートの表面保護層が最表面層となるように、前記本発明の化粧シートを被着材上に積層することにより得られる。
基材シート1として、60μm厚のポリプロピレンフィルム(三菱樹脂株式会社製:アートプライ)を用意し、当該ポリプロピレンフィルムのおもて面に、厚さ2μmの絵柄模様層をグラビア印刷により形成した。絵柄模様層上にウレタン系樹脂(大日精化工業株式会社製:セイカボンド E−263/C−75N)からなる2μm厚さの接着剤層を形成した。接着剤層上に、厚さ100μmの透明ポリプロピレン系樹脂のシート(日本ポリプロ株式会社製:ノバテック PP)を押し出しラミネート方式で積層し、透明性樹脂層を形成した。
・2官能ウレタンアクリレート(Tg=25(℃)、分子量1500)80質量部
・6官能ウレタンアクリレート(Tg=200(℃)以上、分子量1500)20質量部
上述のようにして形成された表面保護層を、赤外線非接触方式のヒーターで加熱することにより、基材シート1及び透明性樹脂層を軟化させて、直ちに熱圧によるエンボス加工を行い、表面保護層上に木目模様の凹凸模様(木目1)を形成した。
表面保護層、微粒子A及びBの含有量、透明性樹脂層、基材シートの構成、エンボス形状を表1〜5のように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜10及び比較例1〜12の化粧シートを調製した。
基材シート2としてのバッカー層を形成せず、表面保護層、微粒子A及びBの含有量、透明性樹脂層、基材シートの構成、エンボス形状を表5のように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例11及び12、比較例13〜16の化粧シートを調製した。
まず、基材シート、絵柄模様層、接着剤層、透明性樹脂層及びプライマー層を形成した。前記各層は、それぞれ、実施例1と同様の方法により形成した。
次いで、前記プライマー層のおもて面に対して、化粧シートの表面保護層側の面1cm2当たりに占める艶調整層の面積の割合が50%となるように(最終的に作製される化粧シートのおもて面から見たときの艶調整層の占有面積割合が50%となるように)パターン状の艶調整層を形成した。なお、前記艶調整層は、マットインキ(数平均分子量3000、ガラス転移温度(Tg)−62.8℃のポリエステルウレタン系印刷インキ100質量部に対して、シリカ粒子10質量部を配合した印刷インキ組成物)を用いて、グラビア印刷法にて乾燥後の艶調整層の厚さが2μmとなるように木目導管柄を塗布することによって形成した。
次に、前記艶調整層の上に、表面保護層を全面に形成した後、さらに前記表面保護層側に対してエンボス模様を形成した。前記表面保護層、及び前記エンボス模様は、それぞれ、実施例1と同様の方法により形成した。
次に、基材シート裏面に基材シート2としてのバッカー層を形成した後、さらに前記バッカー層の裏面に裏面プライマー層を形成した。前記バッカー層、及び前記裏面プライマー層は、それぞれ、実施例1と同様の方法により形成した。
以上により、実施例13の化粧シートを得た。
なお、前記表面保護層形成用樹脂組成物を塗布する前に、艶調整層に対して入射角60°で光を入射した時の艶値を測定したところ、前記艶値(GA)は2であった。また、前記化粧シートとは別に、艶調整層を形成しない以外は実施例13の化粧シートと同様の化粧シートを、表面保護層の艶値測定用として作製した。当該測定用化粧シートの表面保護層に対して入射角60°で光を入射した時の艶値を測定したところ、前記艶値(GP)は13であった。実施例13の化粧シートにおける艶調整層及び表面保護層の艶値(入射角60°)は、それぞれ上記艶値をもって決定した。艶値(入射角60°)は、日本電色工業株式会社製PG−3Dを使用して測定した。
まず、基材シート、絵柄模様層、接着剤層、透明性樹脂層及びプライマー層を形成した。前記各層は、それぞれ、実施例1と同様の方法により形成した。
次いで、前記プライマー層のおもて面の全面に対して艶調整層(乾燥後の厚さ:2μm)を形成した。なお、前記艶調整層の形成に際には、実施例13で使用したマットインキと同様のインキを使用した。
次に、前記艶調整層の上に、化粧シートの表面保護層側の面1cm2当たりに占める表面保護層の面積の割合が30%となるように(艶調整層が露出している領域の面積の割合(低艶の層の露出面積割合)が70%となるように)パターン状の表面保護層を形成した。なお、前記表面保護層の形成の際には、実施例1で使用した表面保護層形成樹脂組成物と同様の樹脂組成物を使用した。また、電子線硬化型樹脂の硬化についても実施例1と同様の方法により行った。
次に、前記表面保護層側に対してエンボス模様を形成した。前記エンボス模様は、実施例1と同様の方法により形成した。
次に、基材シート裏面に基材シート2としてのバッカー層を形成した後、さらに前記バッカー層の裏面に裏面プライマー層を形成した。前記バッカー層、及び前記裏面プライマー層は、それぞれ、実施例1と同様の方法により形成した。
以上により、実施例14の化粧シートを得た。
なお、前記表面保護層形成用樹脂組成物を塗布する前に、艶調整層に対して入射角60°で光を入射した時の艶値を測定したところ、前記艶値(GA)は2であった。また、前記化粧シートとは別に、艶調整層を形成しない以外は実施例14の化粧シートと同様の化粧シートを、表面保護層の艶値測定用として作製した。当該測定用化粧シートの表面保護層に対して入射角60°で光を入射した時の艶値を測定したところ、前記艶値(GP)は13であった。実施例14の化粧シートにおける艶調整層及び表面保護層の艶値(入射角60°)は、それぞれ上記艶値をもって決定した。艶値(入射角60°)は、日本電色工業株式会社製PG−3Dを使用して測定した。
表面保護層に用いる微粒子として、表10に示す微粒子1〜6を用いた。また、エンボス形状のエンボス模様を表11に示す木目1〜5とした。表面保護層、微粒子の含有量、エンボス形状を表7〜9のように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例15〜21の化粧シートを調製した。
化粧板の表面状態その1(被着材の表面凹凸表出抑制評価)
コルクボード上に水性エマルジョン接着剤(中央理化工業株式会社製リカボンドBA−10L (主剤):BA−11B (硬化剤))を6〜7g/尺角塗布し、化粧シートをラミネートして、室温で3日間養生することにより化粧板を作製した。化粧板の表面状態を目視により観察し、以下の評価基準に従って評価した。なお、下記評価基準において、A以上の評価であれば実際の使用状況において問題がない表面状態である。
A:被着材の凹凸形状が表出していない
B:被着材の凹凸形状が若干表出している
C:被着材の凹凸形状が明らかに表出している
化粧シートのエンボス模様の状態を目視により観察し、以下の評価基準に従って評価した。なお、下記評価基準において、A以上の評価であれば実際の使用状況において問題がないエンボス状態である。
A:エンボス模様が明確に残っている
B:エンボス模様が若干消失している
C:エンボス模様が殆ど消失している
化粧板のエンボス状態、すなわち、化粧シートを被着材にラミネートした後のエンボスつぶれを評価した。具体的には、パーティクルボード上に水性エマルジョン接着剤(中央理化工業株式会社製リカボンドBA−10L (主剤):BA−11B (硬化剤))を6〜7g/尺角塗布し、化粧シートをラミネートして、室温で3日間養生することにより化粧板を作製した。化粧板のエンボス状態を目視により観察し、以下の評価基準に従って評価した。なお、下記評価基準において、B以上の評価であれば実際の使用状況において問題がないエンボス状態である。
A:エンボス模様がつぶれていない
B:エンボス模様が若干つぶれている
C:エンボス模様が殆どつぶれている
化粧シートを直径3インチの紙管に巻き付け、室温で1週間放置した。化粧シートを巻き出し、カールの状態を目視により観察し、以下の評価基準に従って評価した。なお、下記評価基準において、A以上の評価であれば実際の使用状況において問題がない耐カール性を備えている。
A:化粧シートのカールが殆ど生じていない
B:化粧シートが若干カールしている
C:化粧シートが明らかにカールしている
4cm×4cmのMDF基材上に水性エマルジョン接着剤(中央理化工業株式会社製リカボンドBA−10L (主剤):BA−11B (硬化剤))を6〜7g/尺角塗布し、化粧シートをラミネートして、室温で3日間養生することにより化粧板を作製した。化粧板表面(化粧シート側)に、5kg/cm2(4cm×4cmに80kg)の荷重を24時間かけた後、化粧板表面の艶変化を目視により観察し、以下の評価基準に従って評価した。なお、下記評価基準において、B以上の評価であれば実際の使用状況において問題がない耐静圧荷重性を備え、静圧荷重がかかる条件下で使用しても艶上がりが抑制できている。
A:艶が変化していない
B:艶が若干変化している
C:艶が明らかに変化している
JamesHeal社製マーチンデール試験機を用いて下記試験を実施した。
[艶試験(A試験)]
化粧シート表面を研磨材料(住友スリーエム株式会社製 スコッチブライトフリース SB7447)を用いて研磨した。具体的には、化粧シート表面を、直径9cmの円形のスコッチブライトに6Nの荷重をかけて(荷重9g/cm2)、回転数80回(5リサージュ軌跡)の条件で研磨して試験を行い、試験前後の60°グロス値の変化率を測定して、以下の評価基準に従って評価した。なお、下記評価基準において、B以上の評価であれば実際の使用状況において問題がない結果を示している。
A:グロス値の変化率が20%未満である
B:グロス値の変化率が20%以上30%未満である
C:グロス値の変化率が30%以上である
化粧シート表面を研磨材料(住友スリーエム株式会社製 スコッチブライトフリース SB7440)を用いて研磨した。具体的には、化粧シート表面を、直径9cmの円形のスコッチブライトに4Nの荷重をかけて(荷重6g/cm2)、回転数160回(10リサージュ軌跡)の条件で研磨して試験を行い、試験後の化粧シート表面の傷を目視により観察し、以下の評価基準に従って評価した。なお、下記評価基準において、B以上の評価であれば実際の使用状況において問題がない耐傷性を備えている。
A+:化粧シート表面の傷が見られない
A:化粧シート表面の傷がわずかである
B:化粧シート表面に多くの傷がある
C:化粧シート表面に非常に多くの傷がある
コルクボードよりも表面粗さの粗い被着材(表面粗さRzが通常の被着材の2倍以上である被着材)を用意した。次に、前記被着材の上に水性エマルジョン接着剤(中央理化工業株式会社製リカボンドBA−10L (主剤):BA−11B (硬化剤))を6〜7g/尺角塗布した後、実施例1、13及び14の各化粧シートをラミネートし、さらに室温で3日間養生することにより各化粧板を作製した。各化粧板の表面状態を目視により観察し、以下の評価基準に従って評価した。なお、下記評価基準において、B以上の評価であれば実際の使用状況において問題がない表面状態である。
A+:被着材の凹凸形状が表出していない
A:被着材の凹凸形状が僅かに表出している
B:被着材の凹凸形状が若干表出している
C:被着材の凹凸形状が前記B評価の場合よりも表出している
まず、上述の「化粧板の表面状態その2」に記載の方法と同様の方法により、各化粧板を作製した。次いで、成人男女20人が前記各化粧板の外観を観察し、木の質感が表現できているか否かを、以下の評価基準で評価した。なお、下記評価基準において、B以上の評価であれば実際の使用状況において問題がない表面状態である。
A+:木の質感が表現できていると判断した成人男女が9割以上
A:木の質感が表現できていると判断した成人男女が7割以上
B:木の質感が表現できていると判断した成人男女が5割以上
C:木の質感が表現できていると判断した成人男女が5割未満
米国BYK−GARDNER社製のホフマンスクラッチ試験機を用いて試験を行った。具体的には、化粧シート表面に対して45°の角度で接するようにスクラッチ刃(φ7の円柱形の刃)をセットし、試験機を化粧材上で移動させた。徐々に荷重(錘)を高めていき、床用化粧シート表面に擦り傷、圧痕等が生じるまで試験を繰り返し行った。以下の評価基準に従って評価した。なお、下記評価基準において、B以上の評価であれば実際の使用状況において問題がない軽荷重耐傷性を備えている。
A+:500g荷重以上において、傷が見られないもの
A:400g荷重以上、500g荷重未満において、傷が見られないもの
B:300g荷重以上、400g荷重未満において、傷が見られないもの
C:300g荷重未満において、傷が発生したもの
2.基材シート
3.絵柄模様層
4.透明性樹脂層
5.表面保護層
6.微粒子A
7.微粒子B
8.艶調整層
Claims (9)
- 基材シート上に、少なくとも絵柄模様層、透明性樹脂層及び表面保護層がこの順に積層された化粧シートであって、
(1)前記表面保護層は、厚みが7〜30μmであり、且つ前記表面保護層の厚み以下の粒子径の微粒子A、及び前記表面保護層の厚みより大きい粒子径の微粒子Bを含有し、
(2)前記微粒子Aの含有量及び前記微粒子Bの含有量は、前記表面保護層の樹脂成分100質量部に対して、それぞれ5〜30質量部であり、且つ前記微粒子Aの含有量及び前記微粒子Bの含有量の合計は、前記表面保護層の樹脂成分100質量部に対して15〜35質量部であり、
(3)前記基材シート及び前記透明性樹脂層は、非ハロゲン系熱可塑性樹脂を含有し、
(4)前記基材シートは、厚みが180〜350μmであり、且つマルテンス硬さが50N/mm2以上の領域が、前記基材シートの前記絵柄模様層側の面とは反対側の面から120μm以上の厚みで存在し、
(5)前記表面保護層側からエンボス加工されている、
ことを特徴とする化粧シート。 - 前記化粧シートの表面の十点平均粗さRzjisが60μm以上である、請求項1に記載の化粧シート。
- 前記化粧シートの表面の60°グロスが14以下である、請求項1又は2に記載の化粧シート。
- 前記微粒子A及び前記微粒子Bがシリカ微粒子である、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
- 前記透明性樹脂層上に艶調整層が形成されており、且つ、前記艶調整層は、前記表面保護層と隣接して形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
- 前記非ハロゲン系熱可塑性樹脂は、オレフィン系熱可塑性樹脂である、請求項1〜5のいずれかに記載の化粧シート。
- 前記表面保護層は電離放射線硬化型樹脂層を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の化粧シート。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の化粧シートを被着材に貼着してなる化粧板。
- 前記被着材が、チップボード、又はチップボードが積層された複合基材である、請求項8に記載の化粧板。
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