以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置1は、給紙部2、画像形成部3および画像読取部4を有する装置本体1Mと、装置本体1M上に配置された自動原稿搬送部(ADF)5を、備えたデジタル複合機である。画像読取部4および自動原稿搬送部5は、画像読取装置7を構成している。なお、画像形成システムは、画像形成装置1と、フィニッシャー6と、を備えている。
給紙部2は、それぞれカットシート状の記録紙Pを積層状態で収納可能な複数段の給紙カセット21A,21B,21Cを有している。各給紙カセット21A,21B,21Cには、例えば複数のシートサイズから予め選択されたシートサイズの記録紙P(例えば白紙)が、縦又は横の給紙方向に向けて収容されるようになっている。
給紙部2は、給紙カセット21A,21B,21Cに収納された記録紙Pをそれぞれの最上層側から順次ピックアップして分離給紙する給紙装置22A,22B,22Cを有している。給紙部2には、さらに、各種ローラ23等が設けられており、これらによって、各給紙装置22A,22B,22Cから給紙された記録紙Pを画像形成部3の所定の画像形成位置まで搬送する給紙経路24が形成されている。
画像形成部3は、露光装置31と、感光体ドラム32K,32Y,32M,32Cと、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)のトナーが充填された現像装置33K,33Y,33M,33Cとを備えている。また、画像形成部3は、一次転写部34と、二次転写部35と、定着部36とを備えている。
露光装置31は、例えば、画像読取装置7で読み取った画像に基づいて各色の露光用のレーザ光Lを生成するようになっている。また、露光装置31は、レーザ光を各色の感光体ドラム32K,32Y,32M,32Cを露光して、各感光体ドラム32K,32Y,32M,32Cの表層部に読取画像に対応した各色の静電潜像を形成するようになっている。
現像装置33K,33Y,33M,33Cは、それぞれ対応する感光体ドラム32K,32Y,32M,32Cに薄層状のトナーを近接させるように供給して、静電潜像をトナーにより顕像化する現像を行うようになっている。
画像形成部3は、感光体ドラム32K,32Y,32M,32C上に現像されたトナー像を一次転写部34に一次転写し、一次転写部34に近接する二次転写部35でそのトナー像を記録紙Pに二次転写するようになっている。また、画像形成部3は、記録紙Pに二次転写したトナー像を定着部36により加熱・加圧して溶融させ、記録紙Pにカラー画像を定着させて記録するようになっている。
画像形成部3は、給紙部2から給紙経路24を経て搬入された記録紙Pを二次転写部35側に搬送する搬送経路39Aを有している。この搬送経路39Aにおいては、まず、レジストローラ対37において、記録紙Pの搬送タイミングおよび搬送速度が調整されるようになっている。そして、記録紙Pは、一次転写部34および二次転写部35でのベルト速度に同期した状態で二次転写部35および定着部36を通過した後、フィニッシャー6へ送給されるようになっている。
画像形成部3は、手差トレイ25上に載置される記録紙(図示せず)をレジストローラ対37よりも上流側で搬送経路39Aに給紙する手差給紙経路39Bを併有している。
二次転写部35および定着部36の下方には、それぞれ複数の搬送ローラおよび搬送ガイド等からなるスイッチバック搬送路39Cおよび反転搬送路39Dが配設されている。
スイッチバック搬送路39Cは、記録紙Pの両面に画像を形成する場合に、任意の一面に画像定着が済んだ記録紙Pを一端から進入させた後に、後退(進入時とは逆方向に移動)させるスイッチバック搬送を行うようになっている。
反転搬送路39Dは、スイッチバック搬送路39Cによりスイッチバック搬送された記録紙Pの表裏を反転させて、レジストローラ対37に再度給紙するようになっている。
これらスイッチバック搬送路39Cおよび反転搬送路39Dにより、一面に対する画像定着処理を終えた記録紙Pは、その進行方向を逆向きに切り替えられた後に表裏反転されて、再び二次転写ニップに進入する。そして、記録紙Pは、他面にも画像の二次転写処理と定着処理とが施された後、フィニッシャー6へ送給されるようになっている。
画像読取部4は、図示しない光源および図示しないミラー部材を搭載した第1キャリッジ41と、図示しないミラー部材を搭載した第2キャリッジ42と、結像レンズ43と、撮像部44と、第1コンタクトガラス45とを備えている。これらは装置本体1M側に配設され、第1コンタクトガラス45上に搬送される原稿シートSの片側の画像面(例えば表側の画像面)の画像読み取りをする第1面読取部40を構成している。ここにいう第1面とは、自動搬送される原稿シートSの片面、例えば表側の画像面である。
画像読取部4には、原稿シートSが載置される第2コンタクトガラス46と、原稿シートSの一辺の突当ておよび位置決めが可能な突当部材47a等とが併設されている。
第1キャリッジ41は、第1コンタクトガラス45および第2コンタクトガラス46の下方に、図中の左右方向に移動可能におよび位置制御可能に設けられており、光源からの照明光をミラー部材で反射して露光面側に照射することができるようになっている。原稿シートSで反射した反射光は、第1キャリッジ41および第2キャリッジ42に搭載された各ミラー部材を経由して結像レンズ43により結像され、撮像部44にてその結像した画像が読み取られるようになっている。
画像読取部4は、光源点灯状態で第1キャリッジ41および第2キャリッジ42を例えば2:1の速度比で移動させつつ、第2コンタクトガラス46上に置いた原稿シートSの画像面を露光走査することができるようになっている。そして、画像読取部4は、この露光走査時に撮像部44により原稿シートSの画像を読み取ることで、固定原稿読取機能(いわゆるフラットベッドスキャナ機能)を発揮できるようになっている。
画像読取部4は、第1キャリッジ41を第1コンタクトガラス45の直下の定位置に停止させることができるようになっている。そして、画像読取部4は、光源や反射ミラー等からなる光学系を移動させることなく、自動原稿搬送中の原稿シートSの第1面の画像を読み取る移動原稿読取機能(いわゆるDFスキャナ機能)を発揮できるようになっている。
さらに、画像形成装置1は、画像読取部4における第1面読取部40に加えて、自動原稿搬送部5側に内蔵された第2面読取部48を併有している。第2面読取部48は、第1コンタクトガラス45上を通過した後の原稿シートSの第2面、例えば裏側の画像面を走査するようになっている。
自動原稿搬送部5は、画像形成装置1の装置本体1Mの上部にヒンジ機構を介して開閉動作可能に連結されている。自動原稿搬送部5は、画像読取部4における第1コンタクトガラス45および第2コンタクトガラス46を露出させる開放位置と、第1コンタクトガラス45および第2コンタクトガラス46を覆う閉止位置との間で回動操作されるようになっている。
自動原稿搬送部5は、シートスルー方式の自動原稿搬送装置として構成されている。自動原稿搬送部5は、原稿載置台である原稿テーブル51と、各種ローラおよびガイド部材等からなる原稿搬送部52と、画像読み取り後の原稿シートSを集積する原稿排紙トレイ53とを備えている。
フィニッシャー6は、装置本体1Mの側部に装備され、画像形成部3の定着部36から画像定着が完了した記録紙Pが送給されるようになっている。フィニッシャー6は、例えば、記録紙Pの束を綴じるステープラや、記録紙Pに孔を開ける穿孔機や、記録紙Pを丁合する丁合機等として構成され、画像形成部3から送給される記録紙Pに対して後処理を行うようになっている。
図2に示すように、画像形成部3は、露光装置31と、感光体ドラム32K,32Y,32M,32Cと、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)のトナーが充填された現像装置33K,33Y,33M,33Cとを備えている。また、画像形成部3は、一次転写部34と、二次転写部35と、定着部36とを備えている。
感光体ドラム32K,32Y,32M,32Cおよび現像装置33K,33Y,33M,33Cは、ドラムクリーニング装置11K,11Y,11M,11C等とともに、プロセスユニット30K,30Y,30M,30Cを構成している。これらプロセスユニット30K,30Y,30M,30Cは、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっている。
露光装置31は、例えば、画像読取装置7で読み取った画像に基づいて各色の露光用のレーザ光Lを生成するようになっている。露光装置31は、各色の感光体ドラム32K,32Y,32M,32Cを露光し、各感光体ドラム32K,32Y,32M,32Cの表層部に読取画像に対応した各色の静電潜像を形成するようになっている。
現像装置33K,33Y,33M,33Cは、それぞれ対応する感光体ドラム32K,32Y,32M,32Cに薄層状のトナーを供給して、静電潜像をトナーにより顕像化する現像を行うようになっている。
画像形成部3は、感光体ドラム32K,32Y,32M,32C上に現像されたトナー像を一次転写部34に一次転写し、一次転写部34に近接する二次転写部35でそのトナー像を記録紙Pに二次転写するようになっている。また、画像形成部3は、記録紙Pに二次転写したトナー像を定着部36により加熱・加圧して溶融させ、記録紙Pにカラー画像を定着させて記録するようになっている。
一次転写部34は、4つのプロセスユニット30K,30Y,30M,30Cの感光体ドラム32の下方に、それぞれ転写ユニット14を構成している。
各転写ユニット14は、搬送ローラ34c,34dおよび一次転写ローラ34aによって張架した無端状の中間転写ベルト34bを、感光体ドラム32K,32Y,32M,32Cに当接させながら、図中の時計回り方向に周回させるようになっている。これにより、各感光体ドラム32K,32Y,32M,32Cと中間転写ベルト34bとが当接する各色用の一次転写ニップを形成するようになっている。
各一次転写ニップの近傍では、中間転写ベルト34bのループ内に配設された各色の一次転写ローラ34aが、中間転写ベルト34bを対応する感光体ドラム32K,32Y,32M,32Cに向けて押圧している。これら各色の一次転写ローラ34aには、それぞれ図示しない電源によって一次転写バイアスが印加されている。これにより、各色用の一次転写ニップには、感光体ドラム32K,32Y,32M,32C上のトナー像を中間転写ベルト34bに向けて静電移動させる一次転写電界が形成されるようになっている。
図中の時計回り方向の周回に伴って各色用の一次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト34bの外周側の表面(以下、おもて面という)には、各一次転写ニップでトナー像が順次重合されて一次転写されるようになっている。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト34bのおもて面には4色重ね合わせのトナー像(以下、4色トナー像という)が形成されるようになっている。
二次転写部35は、駆動ローラ35aと一次転写部34の搬送ローラ34dに近接する二次転写ローラ35bとの間に無端状の紙搬送ベルト35cを掛け渡して構成されており、駆動ローラ35aの回転に応じて紙搬送ベルト35cが周回するようになっている。
一次転写部34の中間転写ベルト34bおよび二次転写部35の紙搬送ベルト35cは、一次転写部34の搬送ローラ34dと二次転写部35の二次転写ローラ35bとの間で互いに接触する程度に、両ローラ34d,35bの間に挟み込まれている。これにより、中間転写ベルト34bのおもて面と紙搬送ベルト35cのおもて面とが当接する二次転写ニップを形成するようになっている。
二次転写ローラ35bには、図示しない電源によって二次転写バイアスが印加されるようになっている。また、一次転写部34の下部の搬送ローラ34dは、接地されている。これにより、二次転写ニップには、二次転写電界が形成されるようになっている。
そして、この二次転写ニップに対して記録紙Pが、レジストローラ対37により中間転写ベルト34bの周回速度に等しい速度および中間転写ベルト34b上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで送り出されるようになっている。
二次転写ニップ内では、中間転写ベルト34b上の4色トナー像が二次転写電界やニップ圧の影響によって記録紙Pに一括して二次転写され、記録紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。
二次転写ニップを通過した記録紙Pは、中間転写ベルト34bから離間して、紙搬送ベルト35cのおもて面に保持されながら、その周回に伴って定着部36へと搬送されるようになっている。また、二次転写ニップを通過した中間転写ベルト34bのおもて面には、二次転写ニップで記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、中間転写ベルト34bに当接するベルトクリーニング装置16によって掻き取り除去されるようになっている。
定着部36に搬送された記録紙Pは、定着部36内における加圧や加熱によってフルカラー画像が定着された後、定着部36からフィニッシャー6へ送給されるようになっている。
図3に示すように、画像形成部3におけるプロセスユニット30は、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっている。したがって、図中、隣り合う任意の2つのプロセスユニット30の色を区別するK,Y,M,Cの記号表現を省略して図示している。
各プロセスユニット30は、感光体ドラム32、現像装置33、感光体ドラム32の周りに配置されたドラムクリーニング装置11や除電ランプ12、帯電ローラ13等により構成されている。
各プロセスユニット30において、感光体ドラム32は、アルミニウム等の素管に感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものである。
感光体ドラム32には、露光装置31が生成したレーザ光Lが露光され、感光体ドラム32の表層部に読取画像に対応する各色の静電画像が形成されるようになっている。
現像装置33は、現像ケース33c内に図示しない磁性キャリアと非磁性トナーとを含有する二成分現像剤を収容するとともに、その二成分現像剤を攪拌しながら現像スリーブ33aに供給する攪拌スクリュー33bを有している。
現像装置33は、現像スリーブ33aの内方に位置する図示しないマグネット等を有しており、二成分現像剤中のトナーの一部を現像スリーブ33aに薄層状に担持させるようになっている。これにより、現像スリーブ33a上の薄層状のトナーが感光体ドラム32に形成された静電潜像上に転移し得るようになっている。
現像後の残トナーは、現像スリーブ33aの回転に伴って再び現像ケース33c内に戻り、前記マグネットで形成される反発磁界の作用により現像スリーブ33aの表面から離脱するようになっている。さらに、現像ケース33c内のトナー濃度センサ33dによりトナー濃度が検知された結果に基づいて、二成分現像剤に適量のトナーが補給されるようになっている。
ドラムクリーニング装置11は、感光体ドラム32の外周面に押し当てられるポリウレタンゴム製のクリーニングブレード11aと、感光体ドラム32の外周面に接触する接触導電性のファーブラシ11bとを有している。また、ドラムクリーニング装置11は、ファーブラシ11bに接触してカウンタ方向に回転する金属製の電界ローラ11cと、電界ローラ11cに押し当てられるスクレーパ11dと、スクレーパ11dの下側に位置する回収スクリュー11eとを有している。電界ローラ11cは、ファーブラシ11bにバイアスを印加するようになっている。
感光体ドラム32の外周面に残ったトナーは、ファーブラシ11bに付着した後、電界ローラ11cに転位し、スクレーパ11dにより掻き落とされるようになっている。さらに、掻き落とされたトナーは、回収スクリュー11eによりドラムクリーニング装置11内から外部のリサイクル搬送装置に受け渡されるようになっている。
除電ランプ12は、クリーニングされた感光体ドラム32の外周面を光照射によって除電するようになっている。帯電ローラ13は、除電された感光体ドラム32の外周面を一様に帯電するようになっている。一様に帯電された感光体ドラム32の外周面には、露光装置31からのレーザ光Lによって光書込処理が行われるようになっている。
各感光体ドラム32の下側には、無端状の中間転写ベルト34bを、感光体ドラム32に当接させながら周回させるための一次転写ローラ34aが配置されている。
図4に示すように、画像読取部4は、画像形成装置1の装置本体1Mの上部に位置している。画像読取部4は、原稿シートSの搬送経路に位置する第1コンタクトガラス45と、原稿シートSが載置可能な第2コンタクトガラス46と、原稿シートSの一辺の突当ておよび位置決めが可能な突当部材47aとを有している。また、装置本体1Mは、上部前面側に操作部150を設置している。
操作部150は、プリントキー151およびタッチパネル152等を有しており、プリントキー151が押下されると、画像形成装置1に対して複写動作の開始を要求するようになっている。
自動原稿搬送部5は、画像形成装置1の装置本体1Mの上部にヒンジ機構1hを介して開閉動作可能に連結され、下面に原稿押え47bが装着されている。自動原稿搬送部5は、画像読取部4における第1コンタクトガラス45および第2コンタクトガラス46を露出させる開放位置と、第1コンタクトガラス45および第2コンタクトガラス46を覆う閉止位置との間で回動操作されるようになっている。
図5に示すように、自動原稿搬送部5は、シートスルー方式の自動原稿搬送装置として構成されている。そして、自動原稿搬送部5は、原稿載置台である原稿テーブル51と、各種ローラおよびガイド部材等からなる原稿搬送部52と、画像読み取り後の原稿シートSを集積する原稿排紙トレイ53とを備えている。
自動原稿搬送部5は、複数の機能部として、原稿セット部A、分離給送部B、レジスト部C、ターン部D、第1読取搬送部E、第2読取搬送部F、排出部Gおよびスタック部Hを備えている。
原稿セット部Aは、カットシート状の少なくとも1枚の原稿シートS、例えば複数枚の原稿シートSの束を載置可能な台状をなしており、原稿シートSが片面原稿の場合には表面を上向きにした状態で原稿シートSが載置されるようになっている。
分離給送部Bは、原稿セット部Aに載置された原稿シートSの束から最上位のものを分離して、後述する原稿搬送経路56の入口に給送するようになっている。
レジスト部Cは、分離給送部Bから順次給送される原稿シートSを一次突当てにより所要の搬送姿勢に整合する機能と、その整合後の原稿シートSを下流側に引き出し搬送する機能を有している。
ターン部Dは、レジスト部Cにより引き出されて搬送される原稿シートSを表裏面が反転するよう折り返し搬送し、原稿シートSの表面を図中の下向きにする反転搬送機能を有している。
第1読取搬送部Eは、ターン部Dからの折り返し後の原稿シートSを第1コンタクトガラス45上の読取位置を通過させつつ副走査方向(原稿幅方向である主走査方向に対し直交する方向)に所定速度で搬送するようになっている。
第2読取搬送部Fは、原稿シートSが両面原稿である場合に、その表面画像の主走査位置より下流側で図示しないプラテンガラスを通して図中の左斜め上方側から裏面画像を主走査し、原稿シートSを副走査方向に所定速度で搬送するようになっている。
排出部Gは、第1読取搬送部Eおよび第2読取搬送部Fでの画像読み取りが完了した原稿シートSをスタック部H側に排出するようになっている。
スタック部Hは、排出部Gから順次排紙される原稿シートSをその表面を下向きにしつつ順次積載するようになっている。スタック部Hに積載される原稿シートSは、原稿セット部Aに載置したときと同じ頁順序であって、その束全体としては原稿面の向きが上下逆に積み重ねられるようになっている。
これら原稿セット部A、分離給送部B、レジスト部C、ターン部D、第1読取搬送部E、第2読取搬送部F、排出部Gおよびスタック部Hは、後述する自動原稿搬送制御用のコントローラ部によって制御されるようになっている。
自動原稿搬送部5は、原稿テーブル51に載置された原稿シートSの原稿束から最上位の原稿シートSを1枚ずつ分離して、原稿搬送部52により、第1コンタクトガラス45上を通る所定の搬送経路で搬送するようになっている。さらに、自動原稿搬送部5は、第1コンタクトガラス45を通過する際に画像読取部4により原稿シートSの画像を読み取った後、原稿シートSを原稿排紙トレイ53に排紙するようになっている。
原稿シートSが上向きに載置される原稿テーブル51は、原稿搬送部52側を原稿シートSの先端側として、その先端側が下方、その後端側が上方となるように傾斜して配置されている。
原稿テーブル51は、可動原稿テーブル51Aと後端側原稿テーブル51Bとで分割されている。可動原稿テーブル51Aは、軸51Cを回動中心として原稿シートSの束厚に応じて先端が下方に傾くようになっており、後述する底板上昇モータを作動させることにより、図5に矢印a、矢印bで示す上下方向に回動するようになっている。
可動原稿テーブル51Aは、原稿搬送部52に向かう原稿シートSの給紙方向と直交する左右方向を位置決めするサイドガイド板54を有している。サイドガイド板54は、可動原稿テーブル51Aと原稿シートSの幅方向基準位置とを一致させるように、可動原稿テーブル51Aの幅方向に相対的に接近・離間可能に配置された一対のガイド板である。
原稿搬送部52は、少なくともその上方を開閉可能としたカバー55によって覆われている。カバー55は、原稿シートSの先端がカバー内部に臨むように給紙口55aを有している。また、カバー55は、給紙口55aよりも内部に可動原稿テーブル51Aの先端が位置するように、可動原稿テーブル51Aの先端の上方を覆っている。
原稿搬送部52は、給紙口55aから原稿排紙トレイ53の上方の排紙口55bに至る範囲がカバー55等に形成されたリブ55cや他のガイド部材等により覆われ、原稿搬送経路56を形成している。
原稿搬送部52は、原稿シートSの原稿搬送方向を基準として給紙口55a側の上流端である可動原稿テーブル51Aの先端上部に、可動原稿テーブル51Aに載置された原稿シートSにより回動するセットフィラー57を有している。また、原稿搬送部52は、給紙口55aよりも内側の近傍に配置されたピックアップローラ58と、原稿搬送経路56を挟んで対向するように配置された無端状の給紙ベルト59およびリバースローラ60(給紙部)とを有している。
ピックアップローラ58は、後述するピックアップモータにより駆動され、接触位置において原稿テーブル51に積載された原稿シートSのうち、最上位側から数枚(理想的には1枚)の原稿シートSを摩擦搬送してピックアップするようになっている。
給紙ベルト59は、後述する給紙モータにより駆動されて周回し、その片側で原稿給送方向に沿って移動するようになっている。
リバースローラ60は、給紙ベルト59の原稿給送方向と逆方向に回転可能であり、トルクリミッタを内蔵している。リバースローラ60は、給紙ベルト59に対し所定圧で接しており、給紙ベルト59と直接に接しているか、または1枚の原稿シートSを介して接している状態では、給紙ベルト59の回転につられて反時計方向につれ回りするようになっている。
リバースローラ60は、複数枚の原稿シートSが給紙ベルト59とリバースローラ60との間に進入すると、反時計方向への連れ回り力がトルクリミッタの設定トルクに対応した力よりも低くなる。よって、リバースローラ60は、余分な原稿シートSを押し戻して、原稿シートSが重送されるのを防止するようになっている。
原稿搬送部52は、原稿搬送経路56を挟んで対向するように原稿シートSをニップして搬送する複数組の搬送ローラ61〜65を有している。各組の搬送ローラ61〜65は、例えば互いに径方向に近接してニップを形成する各一対のまたは大小のローラを含んで構成されているが、軸方向における各ローラの配設数は任意である。これら搬送ローラ61〜65の配置数や配置場所は、原稿搬送経路56の経路設計や、自動原稿搬送部5が許容する原稿シートSの最小サイズの原稿搬送方向の長さ等に応じて適宜設定される。
給紙ベルト59の下流側に隣接して配置された搬送ローラ61は、プルアウトローラとして機能する。すなわち、搬送ローラ61は、ピックアップローラ58の駆動タイミングに応じて、給紙した原稿シートSの先端を突き当ててスキューを補正するとともに、補正後の原稿シートSを搬送方向に引き出して搬送するようになっている。
搬送ローラ61は、原稿シートSを中間の搬送ローラ62まで搬送するためもので、給紙モータの逆転により駆動されるようになっている。この給紙モータの逆転時には、搬送ローラ61、62は駆動されるが、ピックアップローラ58と給紙ベルト59は、駆動されないようになっている。
また、次位の搬送ローラ62は、引き出し搬送されてきた原稿シートSを原稿搬送経路56の中間のターン部分56aに進入させるターンローラとなっている。
搬送ローラ61,62の駆動によってレジスト部Cからターン部Dに搬送される原稿シートSの搬送速度は、第1読取搬送部Eにおける原稿シートSの搬送速度よりも高くに設定されており、原稿シートSを第1読取搬送部Eへ送り込む処理時間の短縮が図られるようになっている。
原稿搬送経路56のターン部分56aの下流側に配置された搬送ローラ63は、ターン部分56aを通過した原稿シートSを第1コンタクトガラス45上に順次繰り出す読取入口ローラとなっている。第1コンタクトガラス45を通過した原稿シートSは、第1の読取出口ローラである搬送ローラ64によって後述する第2面読取部48側に搬送され、さらに第2の読取出口ローラである下流側の搬送ローラ65によって排紙口55b側に搬送されるようになっている。
原稿搬送部52は、また、第1コンタクトガラス45の上方に対向するように配置された第1読取ローラ66と、排紙口55bの近傍に配置されて原稿シートSを排紙口55bから原稿排紙トレイ53に向けて排出する排紙ローラ67とを有している。
第1読取ローラ66は、図示しないコイルスプリング等の付勢部材を用いて第1コンタクトガラス45に向けて付勢されている。この第1読取ローラ66は、原稿シートSが搬送されるとき、第1コンタクトガラス45上に進入する原稿シートSを第1コンタクトガラス45に密着させつつ下流側に移動させるようになっている。
原稿搬送部52は、第1読取ローラ66よりも下流側であって搬送ローラ64と搬送ローラ65との間に位置する比較的直線的な原稿搬送領域内に、第2面読取部48を配置している。
第2面読取部48は、原稿シートSの裏面画像を読み取る裏面走査ユニット69と、原稿搬送経路56を挟んで裏面走査ユニット69に対向するシェーディングローラ70と、図示しない搬送ギャップ調整手段等を有している。
裏面走査ユニット69は、例えば密着型イメージセンサ(CIS)からなり、原稿シートSの表面(第1面)の画像を画像読取部4の撮像部44で読み取った後の原稿シートSの裏面(第2面)の画像を読み取るようになっている。
シェーディングローラ70は、裏面走査ユニット69における原稿シートSの浮きを抑えると同時に、裏面走査ユニット69におけるシェーディングデータを取得するための基準白部を兼ねている。なお、原稿シートSは、裏面画像の読み取りを行わない場合には、裏面走査ユニット69を素通りするようになっている。
前述の搬送ギャップ調整手段は、例えばシェーディングローラ70を支持する軸受に付加されており、裏面走査ユニット69とシェーディングローラ70の間のギャップを調整できるようになっている。これにより、裏面走査ユニット69の焦点深度を読取画像品質が損なわない状態にすることができる。
原稿テーブル51には、原稿テーブル51に載置した原稿シートSの向きが縦長か横長のいずれであるかを検知する第1原稿長さ検知センサ81Aと第2原稿長さ検知センサ81Bとが、給送方向に沿って離隔して設けられている。
第1原稿長さ検知センサ81Aと第2原稿長さ検知センサ81Bとは、例えば、サイドガイド板54の対向距離を検知する検知センサ(図示せず)と併用することで、原稿テーブル51に載置された原稿シートSのサイズを検知することができる。
原稿テーブル51の先端寄りの底面付近には、セットフィラー57の先端部の移動軌跡上の最下部を検知することによって、原稿テーブル51に原稿シートSが載置されたか否かを検知する原稿セットセンサ82が設けられている。原稿セットセンサ82は、セットフィラー57の先端部の移動軌跡上の最下部を検知するよう構成されている。
可動原稿テーブル51Aの先端の下方には、ホームポジションセンサ83が設けられている。このホームポジションセンサ83は、可動原稿テーブル51Aが下方に回動してホームポジションに達したことを検知するよう構成されている。
原稿搬送部52は、テーブル上昇検知センサ84、突当センサ85、原稿幅センサ86、読取入口センサ87、レジストセンサ88、排紙センサ89を、原稿シートSの搬送方向上流側から下流側へと、この順に配置している。
テーブル上昇検知センサ84は、可動原稿テーブル51A上の原稿束の上面位置を検出するよう構成されている。
突当センサ85は、給紙ベルト59と搬送ローラ61との間に配置されており、原稿シートSの先端および後端を検知するよう構成されている。
原稿幅センサ86は、搬送ローラ61と搬送ローラ62との間に配置されており、原稿シートSの幅方向に沿って複数並べた発光素子と、この発光素子と原稿搬送経路56を挟んで対向位置に配置した受光素子とを備えている。
読取入口センサ87、レジストセンサ88、排紙センサ89は、原稿シートSの搬送距離や搬送速度等の制御並びにジャム検知等に用いられるようになっている。
図6に示すように、画像形成装置1は、自動原稿搬送制御用のコントローラ部100と、本体制御部111と、本体制御部111に付帯する操作部150とを備えている。
コントローラ部100は、原稿セットセンサ82、ホームポジションセンサ83、テーブル上昇センサ84、突当センサ85、原稿幅センサ86、読取入口センサ87、レジストセンサ88および排紙センサ89の検知信号を取り込むようなっている。
コントローラ部100は、ピックアップローラ58を駆動するピックアップモータ101、給紙ベルト59および搬送ローラ61,62を駆動する給紙モータ102および搬送ローラ63〜65を駆動する読取モータ103を作動させるようになっている。また、コントローラ部100は、排紙ローラ67を駆動する排紙モータ104および可動原稿テーブル51Aを昇降させる底板昇降モータ105を作動させるようになっている。
コントローラ部100は、第2面読取部48に対して、原稿シートSの先端が裏面走査ユニット69の読取位置に到達するタイミング(それ以降の画像データが有効データとして扱われる)を通知するタイミング信号等を出力するようになっている。
コントローラ部100と本体制御部111とは、インターフェース107を介して接続されている。本体制御部111は、操作部150のプリントキー151が押下されると、インターフェース107を介してコントローラ部100に原稿給紙信号や読取開始信号を送信するようになっている。
図7に示すように、第2面読取部48は、LEDアレイ、蛍光灯、または冷陰極管等からなる光源部200を有している。光源部200は、コントローラ部100からの点灯信号に基づいて、原稿シートSに光を照射するようになっている。また、第2面読取部48は、コントローラ部100から原稿シートSの先端が裏面走査ユニット69の読取位置に到達するタイミングを通知するタイミング信号や光源部200の電源を得るようになっている。
第2面読取部48は、主走査方向に並ぶ複数のセンサチップ201と、それぞれのセンサチップ201に個別に接続された複数のOPアンプ回路202と、それぞれのOPアンプ回路202に個別に接続された複数のA/Dコンバータ203とを有している。さらに、第2面読取部48は、画像処理部204、フレームメモリ205、出力制御回路206およびインターフェース回路207(図中ではI/F回路と記す)等を併有している。
センサチップ201は、等倍密着イメージセンサと称される光電変換素子と集光レンズとを具備するものである。原稿シートSの第2面で反射した反射光は、複数のセンサチップ201の集光レンズにより光電変換素子に集光され、画像情報として読み取られるようになっている。
それぞれのセンサチップ201で読み取られた画像情報は、OPアンプ回路202によって増幅された後、A/Dコンバータ203によってデジタル画像情報に変換されるようになっている。
これらデジタル画像情報は、画像処理部204に入力されてシェーディング補正などが施された後、フレームメモリ205に一時記憶されるようになっている。さらに、デジタル画像情報は、出力制御回路206によって本体制御部111に受入可能なデータ形式に変換された後、インターフェース回路207を経由して本体制御部111に出力されるようになっている。
図8に示すように、操作部150のタッチパネル152は、用紙サイズ情報、変倍情報、仕上げ情報、コピー品質情報、モノクロ印刷とカラー印刷との選択、文字原稿と写真原稿との選択等に関するメニューを表示するようなっている。また、タッチパネル152は、生産性モードと静音モードとの選択に関するメニューを表示するようなっており、ユーザによって各モードを選択可能になっている。また、タッチパネル152は、コピーモードとスキャナーモードとの選択に関するメニュー表示をするようになっており、各モードを選択可能になっている。
また、タッチパネル152は、例えば、生産性モードが選択された場合に「速」と文字表示し、静音モードが選択された場合に「静」と文字表示するようになっている。これにより、ユーザは、生産性モードと静音モードとのいずかが選択されているのかを確実に認識できる。このように、タッチパネル152(表示部)上にADFの動作モード情報を表示することで、画像形成装置1を使用する前や現在の設定モードを画面遷移することなく確認することが可能になっている。
操作部150は、タッチパネル152の所定部位を押下すると、スキャナーモードに対応する読取モード信号、コピーモードに対応するコピーモード信号、生産性モード信号および静音モード信号等を本体制御部111に送信するようになっている。本体制御部111は、タッチパネル152の所定部位が押下されると、インターフェース107を介してコントローラ部100に生産性モード信号および静音モード信号を含む各制御信号を送信するようになっている。したがって、コントローラ部100は、生産性モードと静音モード信号とのうちいずれかのモードを検出するので、本発明に係る検出部を構成している。
一般にADFの読取生産性(毎分あたりの原稿読取枚数)は、画像形成装置本体の印刷生産性(毎分あたりのコピー枚数、以下単にCPMともいう)よりも高い。したがって、画像形成装置本体がコピー機能を活用する場合に、CPMに影響を与えないようADFにおける原稿シートの搬送速度(給紙速度)を定格値よりも遅くすることが可能である。
本実施の形態に係る画像形成装置1は、上述した自動原稿搬送部5の読取生産性と装置本体1MのCPMとの能力差に着目して、装置本体1Mがコピー機能を活用する場合に、自動原稿搬送部5の原稿シートSの給紙線速を遅くする制御を実行する構成としている。
ただし、原稿読み取り位置においては、読取部に性能に応じた一定の給紙速度で原稿シートを移動させる必要があるため、原稿の読み取りに影響しない搬送部で原稿シートの給紙速度を変更させるようにする。
すなわち、コントローラ部100は、原稿テーブル51(給紙トレイ)から原稿排紙トレイ53(排紙トレイ)までの搬送経路上で、原稿シートSが少なくとも読取位置に存在する区間以外の区間で、第1の搬送部(A〜D)および第2の搬送部(G)の搬送速度を1の搬送速度とこれより遅い第2の搬送速度との間で変更するようになっている。したがって、原稿の読み取りに影響しない。ここで、読取位置とは、第1コンタクトガラス45上の読取位置と、裏面走査ユニット69の読取位置とを含む。
また、コントローラ部100は、読取位置で原稿シートSをニップしているローラ以外のローラの搬送速度を第1の搬送速度とこれより遅い第2の搬送速度との間で変更するようになっている。このため、原稿の読み取りに影響しないばかりか、読取位置に存在する原稿シートSの次原稿に対してその搬送速度を変更できる。ここで、読取位置で原稿シートSをニップしているローラとは、搬送ローラ63、搬送ローラ64および搬送ローラ65を含む。
自動原稿搬送装置は、複数の画像形成装置本体と接続可能であり、共通使用の周辺機器としての自動原稿搬送装置は、各画像形成装置本体が機種毎に印刷生産性が異なるので、各画像形成装置本体に応じて搬送速度は設定されている。また、一般的に自動原稿搬送装置の読取生産性は、最もCPMの高い本体機種のCPMと同等もしくはそれよりも高く設定されている。このように、画像形成装置1がコピー動作時にはCPMに影響を与えずに自動原稿搬装置の搬送速度を遅く設定することが可能であるので、この点を考慮して、各モードに応じて本体機種ごとに給紙速度が設定される。
したがって、コントローラ部100は、複数の画像形成装置本体から各機種情報を受信するようになっており、次に説明するように受信した機種情報に応じて予め設定された搬送速度となるよう、第1の搬送部(A〜D)及び第2の搬送部(G)を制御するようになっている。
図9は、生産性モードと静音モードの各モードに応じて本体機種ごとに定められた給紙速度を表している。
図9に示すように、コントローラ部100のROMには、装置本体の各機種毎に、生産性モードにおける自動原稿搬送部5の原稿シートSの給紙線速の情報および静音モードにおける自動原稿搬送部5の原稿シートSの給紙線速の情報が予め保持されている。静音モードとは、稼働時の騒音を低減する動作状態であり、生産性モードとは、稼働時の騒音を低減せず、読取生産性が向上する動作状態である。
ここで、生産性モードの給紙線速は、本発明における第1の搬送速度である。また、静音モードの給紙線速は、本発明における第2の搬送速度である。図9に示すように、本体機種J〜K毎に印刷生産性(CPM)が異なるので、このCPMに応じて各モードの給紙速度が設定されている。この場合、静音モードの装置本体毎の給紙速度は、画像形成装置本体のCPMを低下させない範囲内で、所望の値に予め設定されている。一方、生産性モードの装置本体毎の給紙速度は、所望の値に予め設定されている。例えば、本体機種Jの場合、生産性モードの給紙線速が600mm/s、静音モードの給紙線速が400mm/sである。なお、これらの給紙線速の情報は、コントローラ部100のROMに保持されているが、本体制御部111に保持されていてもよい。その場合、コントローラ部100は、本体制御部111から各給紙線速を取得する。
本体制御部111は、タッチパネル152における初期設定画面で、生産性モードか静音モードかを選択可能になっており、ユーザによりタッチパネル152の指定部位が押下されて生産性モードが選択されると、選択されたモードをタッチパネル152に文字表示するとともに、生産性モード信号をコントローラ部100に出力する。一方、本体制御部111は、ユーザによりタッチパネル152の指定部位が押下されて静音モードが選択されると、選択されたモードをタッチパネル152に文字表示するとともに、静音モード信号をコントローラ部100に出力する。
コントローラ部100は、本体制御部111から生産性モード信号と静音モード信号のいずれかの信号を受信すると、読取位置の搬送方向上流側における第1の搬送部(A〜D)及び第2の搬送部(G)を予め設定された搬送速度で制御するようになっている。
すなわち、コントローラ部100は、例えば、本体機種Jの場合、生産性モードが検出された場合には、第1の搬送部(A〜D)における搬送速度が第1の搬送速度となるよう第1の搬送部(A〜D)を制御し、静音モードが検出された場合には、第1の搬送部(A〜D)における搬送速度が第1の搬送速度(600mm/s)より遅い第2の搬送速度(400mm/s)となるよう第1の搬送部(A〜D)を制御するようになっている。ここで、原稿セット部A、分離給送部B、レジスト部Cおよびターン部Dは、本発明における第1の搬送部を構成するものである。
一方、コントローラ部100は、例えば、本体機種Jの場合、生産性モードが検出された場合には、第2の搬送部(G)における搬送速度が第1の搬送速度(600mm/s)となるよう第2の搬送部(G)を制御し、静音モードが検出された場合には、第2の搬送部(G)における搬送速度が第1の搬送速度(600mm/s)より遅い第2の搬送速度(400mm/s)となるよう第2の搬送部(G)を制御するようになっている。このように、排紙部Gは、本発明における第2の搬送部を構成するものである。なお、機種情報は、画像形成装置1の電源投入時に、画像形成装置本体から受信するようになっている。
コントローラ部100は、原稿給紙信号および読取開始信号を受信すると、ピックアップモータ101、給紙モータ102、読取モータ103および排紙モータ104を順次作動させる。
コントローラ部100は、生産性モードにおいて原稿給紙信号を受信すると、原稿セット部Aからターン部Dまで範囲において、原稿シートSが生産性モードの給紙線速で搬送されるようピックアップモータ101、給紙モータ102および排紙モータ104を制御する。
コントローラ部100は、図10(a)に示すように、停止状態の原稿シートSの搬送速度を給紙線速v1まで立ち上げ、原稿シートSを一定速度で搬送する。次いで、コントローラ部100は、読取入口センサ87によって原稿の先端が検知されると、原稿シートSの搬送速度を下げて第1読取搬送部Eの上流側の搬送ローラ63のニップに原稿シートSの先端を突入させ、原稿シートSをレジスト停止させる。
コントローラ部100は、読取開始信号を受信すると、第1読取搬送部Eから第2読取搬送部Fまでの範囲において、原稿シートSが読取線速で搬送されるよう読取モータ103を作動させる。
コントローラ部100は、図10(a)に示すように、レジスト停止した原稿シートSの搬送速度を読取線速v0まで立ち上げ、原稿シートSを一定速度で搬送する。さらに、コントローラ部100は、排紙部Gの範囲において、原稿シートSが生産性モードの給紙線速で搬送さるよう排紙モータ104を作動させ、画像読み取り後の原稿シートSをスタック部Hである原稿排紙トレイ53に排紙する。
コントローラ部100は、静音モードにおいて原稿給紙信号を受信すると、原稿セット部Aからターン部Dまで範囲において、原稿シートSが静音モードの給紙線速で搬送されるようピックアップモータ101、給紙モータ102および排紙モータ104を制御する。
コントローラ部100は、図10(b)に示すように、停止状態の原稿シートSの搬送速度を給紙線速v2まで立ち上げ、原稿シートSを一定速度で搬送する。次いで、コントローラ部100は、読取入口センサ87によって原稿の先端が検知されると、原稿シートSの搬送速度を下げて第1読取搬送部Eの上流側の搬送ローラ63のニップに原稿シートSの先端を突入させ、原稿シートSをレジスト停止させる。
コントローラ部100は、読取開始信号を受信すると、第1読取搬送部Eから第2読取搬送部Fまでの範囲において、原稿シートSが読取線速で搬送されるよう読取モータ103を作動させる。
コントローラ部100は、図10(b)に示すように、レジスト停止した原稿シートSの搬送速度を読取線速v0まで立ち上げ、原稿シートSを一定速度で搬送する。さらに、コントローラ部100は、排紙部Gの範囲において、原稿シートSが静音モードの給紙線速で搬送さるよう排紙モータ104を作動させ、画像読み取り後の原稿シートSをスタック部Hである原稿排紙トレイ53に排紙する。
生産性モード時の給紙線速v1と静音モード時の給紙線速v2とは、v1>v2である。また、生産性モード時において原稿シートSの搬送が開始されてからレジスト停止するまでの時間t1と静音モード時において原稿シートSの搬送が開始されてからレジスト停止するまでの時間t2とは、t2>t1である。
よって、コントローラ部100は、生産性モード時の搬送速度×時間で算出される搬送距離Pと静音モード時の搬送速度×時間で算出される搬送距離Qとが等しくなるよう、ピックアップモータ101および給紙モータ102を作動させる必要がある。ここで、排紙モータ104についても同様である。なお、排紙モータ104については、各モードにかかわらず、所定の給紙線速で搬送されるようにしてもよい。
また、コントローラ部100は、裏面操作ユニット69の下流側に設けた図示しない排紙センサにより原稿シートSの後端の通過を検知し、排紙部Gの範囲において原稿シートSが各モードの給紙線速で搬送されるよう排紙モータ104を制御するようになっている。
図11に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置1において、自動原稿搬送部5が原稿シートSを原稿セット部Aからターン部Dまで搬送するときの騒音は、四角形状の印から明らかなように、原稿シートSの搬送速度が速くなるほど大きくなる。この騒音は、ピックアップモータ101および給紙モータ102の機械音や、ピックアップローラ58、給紙ベルト59、リバースローラ60および搬送ローラ61,62と原稿シートSとの摩擦音等に起因する。これは、排紙部Gでも同様である。
本実施の形態に係る画像形成装置1のコントローラ部100は、静音モード信号を検出した場合に、原稿セット部Aからターン部Dまでの範囲において、原稿シートSが静音モードの給紙線速で搬送されるよう自動原稿搬送部5を制御する。また、コントローラ部100は、静音モード信号を検出した場合に、排紙部Gの範囲において、原稿シートSが静音モードに対応した給紙線速で搬送されるよう自動原稿搬送部5を制御する。
本実施の形態に係る画像形成装置1は、生産性モードであるときに比べて、静音モードであるときのほうが原稿シートSの搬送速度が遅くなり、自動原稿搬送部5の機械音や摩擦音等に起因する騒音が小さくなる。このとき、装置本体1Mにおける記録紙Pの搬送速度は遅くならないため、装置本体1Mの印刷生産性は低下しない。
したがって、本実施の形態に係る画像形成装置1は、印刷生産性を低下させない範囲で騒音の低下を図ることができる。
本実施の形態に係る画像形成装置1のコントローラ部100は、生産性モード信号を検出した場合に、原稿セット部Aからターン部Dまでの範囲において、原稿シートSが生産性モードの給紙線速で搬送されるよう自動原稿搬送部5を制御する。また、コントローラ部100は、生産性モード信号を検出した場合に、排紙部Gの範囲において、原稿シートSが生産性モードに対応した給紙線速で搬送されるよう自動原稿搬送部5を制御する。
本実施の形態に係る画像形成装置1は、静音モードであるときに比べて、生産性モードであるときのほうが、自動原稿搬送部5における原稿シートSの搬送速度が速くなる。
したがって、本実施の形態に係る画像形成装置1は、生産性モードでコピー機能を活用する場合や、装置本体1Mのスキャナ機能またはファクシミリ機能の活用する場合に、原稿シートSの画像読み取りを効率よく行うことができる。
コントローラ部100は、自動原稿搬送部5における原稿シートSの搬送速度を、前述した図10に示す例に替えて、図12に示す例のようにレジスト停止させないよう制御することもできる。
コントローラ部100は、生産性モード時に、図12(a)に示すように、停止状態の原稿シートSの搬送速度を給紙線速v1まで立ち上げ、原稿シートSを一定速度で搬送する。次いで、コントローラ部100は、原稿シートSの搬送速度を読取速度v0まで下げて搬送ローラ63のニップに原稿シートSの先端を突入させ、原稿シートSを一定速度で第1読取搬送部Eおよび第2読取搬送部Fに送給する。
コントローラ部100は、静音モード時に、図12(b)に示すように、停止状態の原稿シートSの搬送速度を給紙線速v2まで立ち上げ、原稿シートSを一定速度で搬送する。次いで、コントローラ部100は、原稿シートSの搬送速度を読取速度v0まで下げて搬送ローラ63のニップに原稿シートSの先端を突入させ、原稿シートSを一定速度で第1読取搬送部Eおよび第2読取搬送部Fに送給する。
本実施の形態に係る画像形成装置1は、図12に示すように自動原稿搬送部5における原稿シートSの搬送速度を制御しても、印刷生産性を低下させない範囲で騒音の低下を図ることができる。
また、コントローラ部100は、生産性モードと静音モードとのうち、静音モードを画像形成装置1の工場出荷時の設定、すなわちデフォルトと設定するようになっている。これにより、画像形成装置1は、ユーザが初期設定で特に生産性モードを選択しない限り、画像形成装置1は、印刷生産性を低下させない範囲で騒音の低下を図ることになる。
図13は、本実施の形態におけるコントローラ部100において実行される原稿シート搬送速度設定処理を示している。
自動原稿搬送部5のコントローラ部100には、印刷生産性(CPM/毎分あたりのコピー枚数)が100である本体機種J、CPMが80である本体機種KおよびCPMが60である本体機種Lの合計3台の画像形成装置本体が接続されている。これらの本体機種J,K,Lは、説明の便宜上、1台だけが選択的に電源ON状態に場合について以下説明する。
コントローラ部100は、本体機種J,K,Lの本体制御部から本体機種情報として受信するようになっているが、各本体機種情報に加えて生産性モードの給紙線速の情報および静音モードの給紙線速の情報を受信するようにしてもよい。また、コントローラ部100は、本体機種J,K,Lの本体制御部から送信される生産性モード信号または静音モード信号を検出するようになっている。
図13に示すように、コントローラ部100は、本体機種J,K,Lの1台だけが選択的に電源ON状態になると、電源ON状態になった本体機種から本体機種情報を受信する(ステップS21)。
コントローラ部100は、本体機種Jの本体機種情報を受信すると(ステップS22;Yes)、本体機種Jの本体制御部から生産性モード信号が送信されているか否かを検出する(ステップS23)。
コントローラ部100は、生産性モード信号を検出すると(ステップS23;Yes)、原稿シートの搬送速度を生産性モードの線速J1に設定し(ステップS24)、ADF駆動準備を完了する。
コントローラ部100は、生産性モード信号を検出しないと(ステップS23;No)、本体機種Jの本体制御部から複写モード信号が送信されているか否かを検出する(ステップS23a)。
コントローラ部100は、複写モード信号を検出すると(ステップS23a;Yes)、原稿シートの搬送速度を静音モードの線速J2に設定し(ステップS25)、ADF駆動準備を完了する。
コントローラ部100は、複写モード信号を検出しないと(ステップS23a;No)、原稿シートの搬送速度を静音モードの線速J1に設定し(ステップS25)、ADF駆動準備を完了する。
コントローラ部100は、本体機種Jの本体機種情報が受信されず(ステップS22;No)、本体機種Kの本体機種情報を受信すると(ステップS26;Yes)、本体機種Kの本体制御部から生産性モード信号が送信されているか否かを検出する(ステップS27)。
コントローラ部100は、生産性モード信号を検出すると(ステップS27;Yes)、原稿シートの搬送速度を生産性モードの線速K1に設定し(ステップS28)、ADF駆動準備を完了する。
コントローラ部100は、生産性モード信号を検出しないと(ステップS27;No)、本体機種Kの本体制御部から複写モード信号が送信されているか否かを検出する(ステップS27a)。
コントローラ部100は、複写モード信号を検出すると(ステップS27a;Yes)、原稿シートの搬送速度を静音モードの線速K2に設定し(ステップS29)、ADF駆動準備を完了する。
コントローラ部100は、複写モード信号を検出しないと(ステップS27a;No)、原稿シートの搬送速度を静音モードの線速K1に設定し(ステップS28)、ADF駆動準備を完了する。
コントローラ部100は、本体機種Kの本体機種情報が受信されず(ステップS26;No)、本体機種Lの本体機種情報を受信すると(ステップS30)、本体機種Lの本体制御部から生産性モード信号が送信されているか否かを検出する(ステップS31)。
コントローラ部100は、生産性モード信号を検出すると(ステップS31;Yes)、原稿シートの搬送速度を生産性モードの線速L1に設定し(ステップS32)、ADF駆動準備を完了する。
コントローラ部100は、生産性モード信号を検出しないと(ステップS31;No)、本体機種Lの本体制御部から複写モード信号が送信されているか否かを検出する(ステップS31a)。
コントローラ部100は、複写モード信号を検出すると(ステップS31a;Yes)、原稿シートの搬送速度を静音モードの線速L2に設定し(ステップS33)、ADF駆動準備を完了する。
コントローラ部100は、複写モード信号を検出しないと(ステップS31a;No)、原稿シートの搬送速度を静音モードの線速L1に設定し(ステップS32)、ADF駆動準備を完了する。
このように、使用環境やユーザの嗜好によって生産性よりも静かに動作することが求められてきているが、ユーザの設定により通常の生産性モードの他に、搬送速度を低減して駆動音や原稿の搬送音を低減した静音モードが選択できる。
しかも、自動原稿搬送部5に複数の本体機種J,K,Lを接続した画像形成装置1に対し、図13に示す原稿シート搬送速度設定処理を適用すれば、生産性モードの搬送速度と静音モードの搬送速度とを本体機種ごとに容易に設定することができる。
なお、ステップS23a、ステップS27aおよびステップS31aは、上記各処理がコピーを実行する条件で開始される場合には不要となり、ステップS23、ステップS27、ステップS31においてNOの場合には、ステップS25、ステップS29、ステップS33にそれぞれ移行する。
図14は、本実施の形態におけるコントローラ部100において実行される原稿シート搬送速度設定処理の他の例を示している。
この搬送速度設定処理では、画像形成装置1の周囲の騒音、例えば、画像形成装置1が設置される室内の騒音レベルに基づき、原稿シートの搬送速度を設定するようにしている。具体的には、騒音計により計測した騒音レベルが、閾値以上である場合は、原稿シートの搬送速度を生産性モードの線速に設定する。一方、騒音計により計測した騒音レベルが、閾値未満である場合は、原稿シートの搬送速度を静音モードの線速に設定し、室内の静粛性を損なわないようにする。本体機種毎に各モードと各搬送速度との関係は、上述したものと同様にコントローラ部100のROMに予め保持されている。
騒音レベルが閾値を上回ったか否かの判定は、例えば、数秒ごとに騒音を計測し、装置作動直前の計測値と閾値とを対比する方式や、装置作動前の複数の計測値の平均と閾値とを対比する方式がある。
コントローラ部100には、前述した本体機種J,K,Lが接続されている。これらの本体機種J,K,Lは、説明の便宜上、1台だけが選択的に電源ON状態になる。また、コントローラ部100は、騒音計により計測した騒音レベルが閾値以上であるか否かを検出するようになっている。
図15に示すように、コントローラ部100は、本体機種J,K,Lの1台だけが選択的に電源ON状態になると、電源ON状態になった本体機種から本体機種情報を受信する(ステップS41)。
コントローラ部100は、本体機種Jの本体機種情報を受信すると(ステップS42;Yes)、騒音レベルが閾値以上であるか否かを検出する(ステップS43)。
コントローラ部100は、騒音レベルが閾値以上であると(ステップS43;Yes)、本体機種Jの本体制御部から線速J1の情報を取得して原稿シートの搬送速度を生産性モードの線速J1に設定し(ステップS44)、ADF駆動準備を完了する。
コントローラ部100は、騒音レベルが閾値以上でないと(ステップS43;No)、原稿シートの搬送速度を静音モードの線速J2に設定し(ステップS45)、ADF駆動準備を完了する。
コントローラ部100は、本体機種Jの本体機種情報が受信されず(ステップS42;No)、本体機種Kの本体機種情報を受信すると(ステップS46;Yes)、騒音レベルが閾値以上であるか否かを検出する(ステップS47)。
コントローラ部100は、騒音レベルが閾値以上であると(ステップS47;Yes)、原稿シートの搬送速度を生産性モードの線速K1に設定し(ステップS48)、ADF駆動準備を完了する。
コントローラ部100は、騒音レベルが閾値以上でないと(ステップS47;No)、原稿シートの搬送速度を静音モードの線速K2に設定し(ステップS49)、ADF駆動準備を完了する。
コントローラ部100は、本体機種Kの本体機種情報が受信されず(ステップS46;No)、本体機種Lの本体機種情報を受信すると(ステップS50)、騒音レベルが閾値以上であるか否かを検出する(ステップS51)。
コントローラ部100は、騒音レベルが閾値以上であると(ステップS51;Yes)、原稿シートの搬送速度を生産性モードの線速L1に設定し(ステップS52)、ADF駆動準備を完了する。
コントローラ部100は、騒音レベルが閾値以上でないと(ステップS51;No)、原稿シートの搬送速度を静音モードの線速K2に設定し(ステップS45)、ADF駆動準備を完了する。
このように、自動原稿搬送部5に複数の本体機種J,K,Lを接続した画像形成装置1に対し、図14に示す原稿シート搬送速度設定処理を適用すれば、室内の騒音レベルに基づき、コントローラ部100に生産性モードの搬送速度と静音モードの搬送速度とを本体機種ごとに容易に設定することができる。
本発明に係る自動原稿搬送装置、画像読取装置、画像形成装置および画像形成システムは、上述した実施の形態に限定されるものではない。また、本発明に係る自動原稿搬送装置は、各種の画像形成装置および画像形成システムに適用することができる。