JP6408521B2 - 積層シート - Google Patents

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Description

本発明は、偏光性を有する積層シート、及び、かかる積層シートの製造方法に関する。
従来、太陽光が水面や雪等に反射した光を遮るために、偏光性を備えた偏光サングラスが知られている。偏光サングラスの部材としては、偏光性膜の両面に、透明性の樹脂シートを、接着剤を介して積層させた積層シートが使用されており、上記樹脂シートとしては、一般的に、トリアセチルセルロース、ポリメチルメタクリレート等からなる樹脂シートが用いられ、また、耐衝撃性や耐熱性を向上させるためにポリカーボネートからなる樹脂シートが用いられている。
ここで、ポリカーボネートからなる樹脂シートと偏光性膜とを接着させるときに使用される接着剤に、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒等の有機溶媒が含まれている場合、ポリカーボネートは耐溶剤性が低いために、有機溶媒がポリカーボネートに浸食し、白化を引き起こす。この白化は、積層シートの透明性低下の原因となり、外観を劣化させる。そこで、ポリカーボネートからなる樹脂シートと偏光性膜とを接着させるときに、白化を防ぐことのできる接着剤の検討がなされている。
例えば、特許文献1には、この白化による透明性の低下を防ぐために、ポリカーボネート板と偏光膜との間に、紫外線硬化型樹脂のアルコール溶液から形成されるアルコール可溶性紫外線硬化型接着剤層を設け、ポリカーボネート板への有機溶媒の浸食を防ぐ方法が提案されている。
また、有機溶媒により引き起こされる白化を防ぐ方法としては、溶媒量を抑えた接着シートを予め調製し、当該接着シートとポリカーボネートシートとを接着する方法がある。
特開平2−99055号公報
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に記載の方法では、有機溶媒により引き起こされる白化を防ぐことができるものの、かかる方法により得られた積層シートは、曲げ加工等の成型加工をしたときに、接着シート層とポリカーボネートとの界面におけるポリカーボネートの内部に、加工時に発生する力によりクラックが生じるという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、有機溶媒により引き起こされる白化がなく、且つ、成型加工によるクラックが生じない、加工性に優れた積層シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、ポリカーボネート層、接着剤層、偏光膜層をこの順に含む積層シートにおいて、当該ポリカーボネート層と当該接着剤層との間に、有機溶媒によりポリカーボネートを膨潤させることによって生成する膨潤層を存在させることにより、有機溶媒により引き起こされる白化がなく、且つ、成型加工によるクラックが生じない、加工性に優れた積層シートが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
第一のポリカーボネート層、第一の接着剤層、偏光膜層、第二の接着剤層、及び、第二のポリカーボネート層を含み、
前記偏光膜層の第一の面に前記第一の接着剤層が積層され、第二の面に第二の接着剤層が積層され、
前記第一の接着剤層において前記偏光膜層が積層された面とは反対側の面に第一のポリカーボネート層が積層され、前記第二の接着剤層において前記偏光膜層が積層された面とは反対側の面に第二のポリカーボネート層が積層された、積層シートであって、
前記第一のポリカーボネート層と前記第一の接着剤層との間、及び/又は、前記第二の接着剤層と前記第二のポリカーボネート層との間に、膨潤層が存在する、前記積層シート。
[2]
前記偏光膜層が、ポリビニルアルコール及びオレフィン−ビニルアルコール共重合体からなる群から選択される1種以上を含む、[1]に記載の積層シート。
[3]
前記膨潤層の厚さが、1〜30μmである、[1]又は[2]に記載の積層シート。
[4]
サングラス、ゴーグル、又は、矯正レンズに用いるための、[1]〜[3]のいずれかに記載の積層シート。
[5]
(1)ポリカーボネートフィルムの表面に、ポリカーボネートを膨潤させる有機溶媒と接着剤を含むワニスを塗工する工程;
(2)前記(1)の工程の後に、前記ポリカーボネートフィルムの表面に塗工されたワニスを乾燥して接着剤層を形成する工程;
(3)前記(2)の工程の後に、偏光膜と、前記接着剤層とを貼り合せる工程;
を含む、積層シートの製造方法。
[6]
前記ワニス中の固形分濃度が20.0〜70.0質量%である、[5]に記載の積層シートの製造方法。
[7]
前記乾燥の条件が、70〜130℃で3〜5分である、[5]又は[6]に記載の積層シートの製造方法。
[8]
前記ワニスを乾燥する工程後の前記接着剤層の厚さが、5〜30μmである、[5]〜[7]のいずれかに記載の積層シートの製造方法。
[9]
(1)ポリカーボネートフィルムの表面に、ポリカーボネートを膨潤させる有機溶媒を塗工する工程;
(2)前記(1)の工程の後に、前記ポリカーボネートフィルムの前記有機溶媒を塗工した面に、接着フィルムを積層して接着剤層を形成する工程;
(3)前記(2)の工程の後に、偏光膜と、前記接着剤層とを貼り合せる工程;
を含む、積層シートの製造方法。
[10]
前記ポリカーボネートを膨潤させる有機溶媒が、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、及び芳香族炭化水素系溶媒からなる群から選択される1種以上である、[5]〜[9]のいずれかに記載の積層シートの製造方法。
本発明により、有機溶媒により引き起こされる白化がなく、且つ、成型加工によるクラックが生じない、加工性に優れた、偏光性を有する積層シートを提供することができる。
本実施形態の積層シートの各層の構成を示す概略図である。 本実施形態の積層シートの断面を示す写真である。 キスロール法による、ポリカーボネートを膨潤させる有機溶媒の塗工と接着フィルムの積層方法を示す概略図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<積層シート>
本実施形態の積層シートは、第一のポリカーボネート層、第一の接着剤層、偏光膜層、第二の接着剤層、及び、第二のポリカーボネート層を含み、
前記偏光膜層の第一の面に前記第一の接着剤層が積層され、第二の面に第二の接着剤層が積層され、
前記第一の接着剤層において前記偏光膜層が積層された面とは反対側の面に第一のポリカーボネート層が積層され、前記第二の接着剤層において前記偏光膜層が積層された面とは反対側の面に第二のポリカーボネート層が積層された、積層シートであって、
前記第一のポリカーボネート層と前記第一の接着剤層との間、及び/又は、前記第二の接着剤層と前記第二のポリカーボネート層との間に、膨潤層が存在する、前記積層シートである。
本実施形態の積層シートは、例えば、図1に示された層構成を有する積層シートである。
本実施形態の積層シートは、前記第一のポリカーボネート層と前記第一の接着剤層との間、及び/又は、前記第二の接着剤層と前記第二のポリカーボネート層との間に、膨潤層を設けることにより、有機溶媒により引き起こされる白化がなく、また、該シートを曲げる等して成型加工するときにクラックが発生せず、加工性に優れるという効果を奏する。
本実施形態の積層シートは、例えば、サングラス、ゴーグル、矯正レンズ等の材料として有用である。
(偏光膜層)
本実施形態における偏光膜層は、光を特定方向に偏光したり、偏波した光のみを通過させたりする偏光性を有する層であり、偏光性のポリマー樹脂を含む。偏光性のポリマー樹脂としては、具体的には、ポリビニルアルコール、オレフィン−ビニルアルコール共重合体、ポリエン、ポリハロゲン化ビニル等を挙げることができ、これらは1種以上を組み合わせることもできる。上記偏光性のポリマー樹脂の中でも、透明性、配向性の観点から、ポリビニルアルコール及びオレフィン−ビニルアルコール共重合体が好ましい。
また、上記偏光膜層は、偏光膜から得ることもできる。偏光膜としては、ポリヨウ素や二色性有機染料等の二色性色素が上記のポリマー樹脂フィルムに吸着配向されたものであり、具体的には、ポリビニルアルコール/ポリヨウ素系、オレフィン−ビニルアルコール共重合体/ポリヨウ素系、ポリビニルアルコール/二色性有機染料系、オレフィン−ビニルアルコール共重合体/二色性有機染料系等の偏光膜が挙げられる。これらの偏光膜としては、市販品を用いることもできる。市販品の具体例としては、例えば、ポラテクノ社製、「Grey−15」等が挙げられる。
偏光膜層の厚さは、用途によって異なるため特に制限されるものではないが、10〜100μmであることが好ましく、10〜60μmであることがより好ましく、20〜40μmであることがさらに好ましい。
(接着剤層)
本実施形態における接着剤層は、ポリカーボネートフィルムと偏光膜とを、接着剤で貼り合せることにより形成される層である。上記接着剤は、ポリカーボネートフィルムと偏光膜とを接着させるものであれば特に制限されない。
接着剤層を構成する接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル及びアクリル酸2−エチルヘキシルエステル等のホモポリマーや、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等の共重合体等を含むポリアクリル酸エステル系接着剤;シアノアクリレート系接着剤;エチレンと、酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸及びメタクリル酸等のモノマーとの共重合体を含むエチレン共重合体系接着剤;セルロース系接着剤;ポリエステル系接着剤;ポリアミド系接着剤;ポリイミド系接着剤;尿素樹脂またはメラミン樹脂等を含むアミノ樹脂系接着剤;フェノール樹脂系接着剤;エポキシ系接着剤;ポリカーボネートブロックを含んでいてもよいポリウレタン系接着剤;反応型(メタ)アクリル系接着剤;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等を含むゴム系接着剤;シリコーン系接着剤;アルカリ金属シリケート、低融点ガラス等を含む無機系接着剤;等を使用することができる。
上記接着剤は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの形態でもよい。また、上記接着剤の性状は、フィルム状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよい。そしてまた、上記接着機構は、特に制限されず、熱硬化型、光硬化型、溶剤揮発型、湿気硬化型等が挙げられる。
本実施形態における接着剤層は、ポリカーボネート層に浸食して白化を起こさない範囲で有機溶媒を含んでいてもよい。接着剤層中の有機溶媒は、白化を防ぐ観点から、接着剤層の全量に対して、5質量%以下の含有量であることが好ましく、3質量%以下の含有量であることがより好ましく、1質量%以下の含有量であることがさらに好ましく、全く含まないことが特に好ましい。
(ポリカーボネート層)
本実施形態におけるポリカーボネート層は、ポリカーボネートを含む層であり、例えば、ポリカーボネートフィルムから形成される層である。ポリカーボネートフィルムとしては、有機溶媒が浸透して膨潤層が形成されるものであれば特に制限されず、例えば、帝人化成社製ピュアエースシリーズ(上記ピュアエースシリーズとして、例えば、KL−3000、KJ−3000等のタイプが挙げられる)、カネカ社製エルメックシリーズ、日本GEプラスチックス社製イルミネックスシリーズ等の市販のポリカーボネートフィルムを使用することができる。
本実施形態におけるポリカーボネート層の厚さは、用途によって異なるため特に制限されるものではないが、10〜300μmであることが好ましく、30〜200μmであることがより好ましく、50〜150μmであることがさらに好ましい。
本実施形態の積層シートは、少なくとも2つのポリカーボネート層を含む。上記積層シートのポリカーボネート層を形成する各々のポリカーボネートフィルムは、かかるフィルムの厚さや、シリーズや、タイプ等が同一であっても異なっていてもよい。また、本実施形態の積層シートにおける各々のポリカーボネート層は、2以上のポリカーボネートフィルムが積層されたポリカーボネートフィルムから形成されていてもよい。
(膨潤層)
本実施形態における膨潤層は、前記第一のポリカーボネート層と前記第一の接着剤層との間、及び/又は、前記第二の接着剤層と前記第二のポリカーボネート層との間に存在する。例えば、膨潤層は、図2に示されるように存在する。膨潤層を設ける方法としては、第一の接着剤層及び前記第二の接着剤層と接着する該第一のポリカーボネート層及び該第二のポリカーボネート層の表面に、例えば、該接着剤層を構成する接着剤に有機溶媒を混合したワニスを塗工することや、有機溶媒を直接塗工すること等によって、かかる有機溶媒をポリカーボネート層に浸透させ、ポリカーボネート層を膨潤させる方法が好適である。上記膨潤層は、ポリカーボネート層の表面に存在するポリカーボネート樹脂が有機溶媒に溶け、変質した該ポリカーボネート樹脂を含む層である。
ポリカーボネートと有機溶媒とを接触させることは、一般的に、有機溶媒がポリカーボネート層に浸食してポリカーボネート層が白化し、積層シートの透明性低下や外観の劣化の原因となる。しかし、ポリカーボネート層に有機溶媒で一定の浸食をさせ、膨潤層を設けることは、白化を起こすことなく、さらに、曲げ加工等の成型加工をしたときに、接着シート層とポリカーボネートとの界面におけるポリカーボネートの内部に発生するクラックを防ぐことが、予想外に見出された。
前記膨潤層の厚さは、1〜30μmであることが好ましく、3〜15μmであることが好ましく、5〜10μmであることが好ましい。膨潤層の厚さが1μm未満であると、接着シート層とポリカーボネートとの界面におけるポリカーボネートの内部にクラックが発生しやすくなる傾向にあり、30μmを超えると、積層シート作製時におけるポリカーボネートと有機溶媒とが過度に浸食することとなり白化の原因となる傾向にある。
本実施形態は、第一のポリカーボネート層、膨潤層、第一の接着剤層、偏光膜層、第二の接着剤層、膨潤層、及び、第二のポリカーボネート層がこの順に積層された積層シート(以下、「積層シート1」とも称す)であることが好ましい。
本実施形態の積層シートは、積層シート1を基本構造として含んでいればよい。上記積層シート1に、さらに、接着剤層を介して又は介さずに、1層以上の樹脂フィルムが積層された積層シートも本実施形態に含まれる。上記樹脂フィルムとしては、特に制限されず、ポリカーボネートフィルム;セルロースエステル樹脂フィルム;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂フィルム;ポリエチレン系樹脂フィルム;ポリプロピレン系樹脂フィルム;ノルボルネン系樹脂フィルム;フッ素樹脂フィルム等を挙げることができる。
好ましい実施形態として、例えば、積層シート1の外側にさらにポリカーボネート層が接着剤を介して積層した積層シート、すなわち、第三のポリカーボネート層、第三の接着剤層、第一のポリカーボネート層、膨潤層、第一の接着剤層、偏光膜層、第二の接着剤層、膨潤層、第二のポリカーボネート層、第四の接着剤層、第四のポリカーボネート層がこの順に積層された積層シート(以下、「積層シート2」とも称す)を挙げることができる。
上記積層シート2は、前記偏光膜層の第一の面に前記第一の接着剤層が積層され、第二の面に第二の接着剤層が積層され、
前記第一の接着剤層において前記偏光膜層が積層された面とは反対側の面に第一のポリカーボネート層が積層され、前記第二の接着剤層において前記偏光膜層が積層された面とは反対側の面に第二のポリカーボネート層が積層され、
前記第一のポリカーボネート層において第一の接着剤層が積層された面とは反対側の面に第三の接着剤層が積層され、前記第二のポリカーボネート層において第二の接着剤層が積層された面とは反対側の面に第四の接着剤層が積層され、
前記第三の接着剤層において前記第一のポリカーボネート層が積層された面とは反対側の面に第三のポリカーボネート層が積層され、前記第四の接着剤層において前記第二のポリカーボネート層が積層された面とは反対側の面に第四のポリカーボネート層が積層された、積層シートである。
また、上記積層シート2は、前記第一のポリカーボネート層と前記第一の接着剤層との間、及び/又は、前記第二の接着剤層と前記第二のポリカーボネート層との間に、膨潤層が存在し、
前記第三のポリカーボネート層と前記第三の接着剤層との間、及び/又は、前記第四の接着剤層と前記第四のポリカーボネート層との間に、膨潤層が存在していてもよい、積層シートである。
<積層シートの製造方法>
本実施形態の積層シートの製造方法としては、前記第一のポリカーボネート層と前記第一の接着剤層との間、及び/又は、前記第二の接着剤層と前記第二のポリカーボネート層との間に膨潤層を形成できる製造方法であれば特に制限されず、例えば、以下の(製造方法1)及び(製造方法2)を好適に挙げることができる。
(製造方法1)
(1)ポリカーボネートフィルムの表面に、ポリカーボネートを膨潤させる有機溶媒と接着剤を含むワニスを塗工する工程;
(2)前記(1)の工程の後に、前記ポリカーボネートフィルムの表面に塗工されたワニスを乾燥して接着剤層を形成する工程;
(3)前記(2)の工程の後に、偏光膜と、前記接着剤層とを貼り合せる工程;
を含む、積層シートの製造方法。
上記ワニスはポリカーボネートを膨潤させる有機溶媒と接着剤を含む。上記ワニス中の固形分濃度は、十分に膨潤層を形成させ、且つ、ポリカーボネートの白化を防ぐ観点から、20.0〜70.0質量%であることが好ましく、30.0〜60.0質量%であることがより好ましく、40.0〜50.0質量%であることがさらに好ましい。ここでワニス中の固形分とは、ポリカーボネートを膨潤させる有機溶媒以外のワニス中に含まれる成分を指す。
上記ワニスは、ポリカーボネートを膨潤させる有機溶媒と、前記接着剤とを混合することにより調製することができる。具体的には、接着剤が例えば熱硬化型接着剤である場合、熱硬化型接着剤は、一般に熱重合性プレポリマーを基本成分とし、必要に応じて熱重合性モノマーを添加し、加熱によりカチオンまたはラジカルを発生する重合開始剤等を含有する。熱硬化型接着剤を含むワニスは、熱硬化性プレポリマー、熱硬化触媒、有機溶媒、及び必要に応じて熱重合性モノマーを配合して撹拌し、調製される。
上記熱重合性プレポリマーは、接着剤に使用できるものであれば特に制限されず、ラジカル重合型でもカチオン重合型でもよい。熱重合性プレポリマーとしては、例えば、カルボン酸基を含有する、ポリカーボネートとポリウレタンとの共重合体プレポリマー(以下、「COOH基含有ポリカーボネート系ポリウレタン」とも称する)、エポキシ系樹脂プレポリマー、アクリル系樹脂プレポリマー、シリコン系樹脂プレポリマー、酢酸ビニル樹脂プレポリマー、ポリスチレン系樹脂プレポリマー、ポリビニルアルコール系樹脂プレポリマー、セルロース系樹脂プレポリマー等が挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記熱重合性プレポリマーの中でも、密着性、耐熱性、透明性の観点から、COOH基含有ポリカーボネート系ポリウレタンが好ましい。
熱重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート共重合体等のグリシジル基含有化合物;3,4−エポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート等の脂環式エポキシ化合物;スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、ビニルエーテル、アクロレイン、ジビニルベンゼン等のビニル系化合物;エチレン、ブタジエン等のα−オレフィン化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリレート化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート化合物;等が挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記熱重合性プレポリマーの中でも、密着性、耐熱性、透明性の観点から、脂環式エポキシ化合物が好ましい。
また、上記グリシジル基含有化合物や脂環式エポキシ化合物のエポキシ当量は、100g/eq以上であることが好ましく、150g/eq以上であることがより好ましい。
熱重合開始剤としては、例えば、加熱によりラジカルを発生するものや、カチオンが発生するもの等が挙げられる。上記重合開始剤としては、具体的には、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、シクロヘキシルジメチルアミン、トリエタノールアミン等の3級アミン;2−メチルイミダゾール、2−n−ヘプチルイミダゾール、2−n−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物;ジフェニルフォスフィン、トリフェニルフォスフィン、亜リン酸トリフェニル等の有機リン化合物;ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド、メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド等の4級ホスホニウム塩;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7やその有機酸塩等のジアザビシクロアルケン;オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、アルミニウムアセチルアセトン錯体等の有機金属化合物;テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩;三フッ化ホウ素、ホウ酸トリフェニル等のホウ素化合物;塩化亜鉛、塩化第二錫等の金属ハロゲン化合物;等が挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記重合開始剤の中でも、硬化性、密着性、耐熱性の観点から、イミダゾール化合物が好ましく、2−メチルイミダゾールがより好ましい。
また、上記ワニスには、シリカ、アルミナ、水和アルミナ等の各種フィラー、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、レベリング剤、消泡剤、着色顔料等の、通常接着剤に添加されることがある添加剤を含んでいてもよい。
ワニスを塗工する工程は、例えば、ロールコート法、グラビアロールコート法、キスロールコート法、ダイコート法、コンマコート法、ダイレクトグラビアコーター等によるダイレクトコート法等によって施すことができ、これらの中でも、膜厚均一性の観点から、ダイコート法が好ましい。
乾燥の条件は、ポリカーボネート層に膨潤層を形成でき、且つ、ポリカーボネート層の白化が起こらない条件であれば特に制限されないが、70〜130℃で3〜5分であることが好ましく、100〜130℃で3〜5分であることがより好ましい。
ワニスを乾燥する工程後の接着剤層の厚さは、用途によって異なるため特に制限されないが、5〜30μmであることが好ましく、10〜20μmであることがより好ましい。
(製造方法2)
(1)ポリカーボネートフィルムの表面に、ポリカーボネートを膨潤させる有機溶媒を塗工する工程;
(2)前記(1)の工程の後に、前記ポリカーボネートフィルムの前記有機溶媒を塗工した面に、接着フィルムを積層して接着剤層を形成する工程;
(3)前記(2)の工程の後に、偏光膜と、前記接着剤層とを貼り合せる工程;
を含む、積層シートの製造方法。
(1)ポリカーボネートフィルムの表面に、ポリカーボネートを膨潤させる有機溶媒を塗工する工程と、接着フィルムの積層は、同時に行うことができ、例えば、ロールコート法、グラビアロールコート法、キスロール法等によって施すことができ、これらの中でも、基材全体に有機溶媒を均一な塗布量で塗布することができ、結果として膨潤層の厚さ制御が容易になるという観点から、キスロール法が好ましい。上記キスロール法による、ポリカーボネートを膨潤させる有機溶媒の塗工と接着フィルムの積層方法は、図3に概略を示す。
前記(1)ポリカーボネートフィルムの表面に、ポリカーボネートを膨潤させる有機溶媒を塗工する工程において、該有機溶媒の付着量としては、ポリカーボネート層に膨潤層を形成でき、且つ、ポリカーボネート層の白化が起こらない量であれば特に制限されないが、1〜100g/m2となるように付着させることが好ましい。
また、有機溶媒を付着させたポリカーボネートフィルムは該有機溶媒を乾燥させることが好ましい。乾燥の条件は、ポリカーボネート層に膨潤層を形成でき、且つ、ポリカーボネート層の白化が起こらない条件であれば特に制限されないが、70〜130℃で3〜5分であることが好ましく、100〜130℃で3〜5分であることがより好ましい。
有機溶媒の塗工と乾燥の後、接着フィルムをラミネートすることにより、接着剤層を形成することができる。
接着フィルムはフィルム状の接着剤であり、接着フィルムとしては、例えば、ウレタンアクリレートなどを主剤とした市販品を用いることができる。また、接着フィルムは、接着フィルムの一般的な製造方法により調製したものを用いることもできる。上記接着フィルムの一般的な製造方法としては、例えば、前述の接着剤に適宜有機溶媒を加え、ワニスを調製し、基材フィルム上に、該ワニスの層を形成させ、加熱乾燥した後、基材フィルムを除去する方法等が挙げられる。基材フィルムとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルム等のプラスチックフィルムが挙げられる。
(製造方法1)及び(製造方法2)におけるポリカーボネートを膨潤させる有機溶媒は、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、及び芳香族炭化水素系溶媒からなる群から選択される1種以上であることが好ましい。
上記エステル系溶媒としては、例えば、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、γ−ブチロラクトン、炭酸ジメチル等が挙げられる。
上記ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキシルベンゼン等が挙げられる。
上記有機溶媒の中でも、最適な膨潤層形成の観点から、ケトン系溶媒が好ましく、メチルエチルケトンがより好ましい。
(製造方法1)及び(製造方法2)における(3)の工程は、偏光膜と、接着剤層とを貼り合せる方法であれば特に制限されないが、ラミネートによる方法が好適である。偏光膜と接着剤層とを貼り合せた後に、必要に応じて、加熱等によりさらに接着剤を硬化させてもよい。
本実施形態の積層シートが、第一のポリカーボネート層、膨潤層、第一の接着剤層、偏光膜層、第二の接着剤層、膨潤層、及び、第二のポリカーボネート層からなる、積層シート(前記積層シート1)に、さらに接着剤層を介して又は介さずに、樹脂フィルムが積層される場合、かかる樹脂フィルムの積層は公知の方法で行うことができる。
例えば、第三のポリカーボネート層、第三の接着剤層、第一のポリカーボネート層、膨潤層、第一の接着剤層、偏光膜層、第二の接着剤層、膨潤層、第二のポリカーボネート層、第四の接着剤層、第四のポリカーボネート層を含む積層シート(前記積層シート2)は、(製造方法1)及び(製造方法2)における(3)の偏光膜を前記積層シート1に代えることにより、(製造方法1)及び(製造方法2)と同様の製造方法で得ることができる。
本実施形態の積層フィルムは、例えば、サングラス、ゴーグル、又は、矯正レンズ等に用いることができる。
以下に実施例を示して、本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下に記載の実施例によって制限されるものではない。なお、実施例及び比較例中の用語、並びに特性の測定方法は以下のとおりである。
ポリカーボネートフィルム:ピュアエースKL−3000(帝人社製)
偏光膜:Grey−15(ポラテクノ社製)
熱硬化性プレポリマー(A):COOH基含有ポリカーボネート系ポリウレタン(Mw:30,000〜60,000、酸価5〜25mgKOH/g)
熱重合性モノマー(B):脂環式エポキシ(エポキシ当量175g/eq、EHPE3150(ダイセル社製))
熱硬化触媒(C):2−メチルイミダゾール(2MZ−H)
(曲げ加工性)
後述の実施例1〜7及び比較例1〜6にて作製した積層シートを金型温度135℃のプレス機にて曲率半径50mmに成型後、断面観察によるクラック有無を観察した。表1及び表2中、クラックがなかったものは「○」、クラックが観察されたものは「×」として示した。
(ポリカーボネート白化)
厚さが125μmのポリカーボネートフィルム上にワニス又は有機溶媒を塗布し、130℃で5分間乾燥させた後のポリカーボネートフィルムの外観を目視で観察した。表1及び表2中、白化の発生がなかったものは「○」、白化の発生が観察されたものは「×」として示した。
[実施例1〜6、比較例1〜6]
(1)ワニスの作製
熱硬化性プレポリマー(A)100質量部に対し、熱重合性モノマー(B)10質量部と、熱硬化触媒(C)0.1質量部と、表1及び表2に示す有機溶媒(D)とを、表1及び表2に示す配合比で加えて撹拌し、表1及び表2に示す固形分濃度(ワニス全量に対する、(A)、(B)及び(C)の合計質量部の質量パーセント濃度(%))のワニスを作製した。なお、(A)、(B)、(C)、(D)の質量部数は、固形分換算した質量部数である。
(2)接着剤層の形成
上記(1)で得たワニスを、乾燥後の厚さが15μmとなるように、厚さが125μmのポリカーボネートフィルム上にダイコーターにより塗布し、130℃で5分間乾燥させワニスを半硬化状態としたサンプルを得た。
(3)積層シートの作製
偏光膜に対し、上記(2)で得たサンプルのワニス塗工面を両側からラミネートにより貼り合わせ、70℃で48時間、硬化させ、積層シートのサンプルを得た。
[実施例7]
図3に示されるように、キスロール法によって、積層シートの作製を行った。
具体的には、まず、厚さが125μmのポリカーボネートフィルム上に、メチルエチルケトン(MEK)が10g/m2の付着量となるように、キスロールにて付着させた後、130℃で5分乾燥させた。次に、接着フィルムをラミネートすることにより、接着剤層が形成されたポリカーボネートフィルムを得た。さらに、上述の実施例1〜6における「(3)積層シートの作製」と同様の操作により、積層シートを得た。
なお、上記接着フィルムは、実施例1の組成の接着剤、すなわち、熱硬化性プレポリマー(A)100質量部に対し、熱重合性モノマー(B)10質量部と、熱硬化触媒(C)0.1質量部の組成である接着剤に、有機溶剤としてMEKを50質量部加え、ワニスを調製し、該ワニスを離型処理が施されたPETフィルムに塗布し、130℃で5分乾燥させたものを用いた。
実施例7の積層シートは、曲げ加工性の評価においてクラックがなかった。また、実施例7の積層シートは、ポリカーボネート白化の評価において白化の発生がなかった。
実施例1〜7の積層シートでは、有機溶媒により引き起こされる白化がなく、且つ、成型加工によるクラックが生じない、加工性に優れた積層シートであることが確認された。
本発明の積層フィルムは、例えば、サングラス、ゴーグル、又は、矯正レンズ等として利用できる。
1:積層シート
2:第一のポリカーボネート層
3:膨潤層
4:第一の接着剤層
5:偏光膜層
6:第二の接着剤層
7:膨潤層
8:第二のポリカーボネート層
9:接着剤
10:ラミロール
11:ポリカーボネートフィルム
12:キスロール
13:有機溶媒

Claims (8)

  1. 第一のポリカーボネート層、第一の接着剤層、偏光膜層、第二の接着剤層、及び、第二のポリカーボネート層を含み、
    前記偏光膜層の第一の面に前記第一の接着剤層が積層され、第二の面に第二の接着剤層が積層され、
    前記第一の接着剤層において前記偏光膜層が積層された面とは反対側の面に第一のポリカーボネート層が積層され、前記第二の接着剤層において前記偏光膜層が積層された面とは反対側の面に第二のポリカーボネート層が積層された、積層シートであって、
    前記第一のポリカーボネート層と前記第一の接着剤層との間、及び/又は、前記第二の接着剤層と前記第二のポリカーボネート層との間に、膨潤層が存在
    前記膨潤層の厚さが、1〜30μmである、前記積層シート。
  2. 前記偏光膜層が、ポリビニルアルコール及びオレフィン−ビニルアルコール共重合体からなる群から選択される1種以上を含む、請求項1に記載の積層シート。
  3. サングラス、ゴーグル、又は、矯正レンズに用いるための、請求項1又は2に記載の積層シート。
  4. (1)ポリカーボネートフィルムの表面に、ポリカーボネートを膨潤させる有機溶媒と接着剤を含むワニスを塗工する工程;
    (2)前記(1)の工程の後に、前記ポリカーボネートフィルムの表面に塗工されたワニスを乾燥して接着剤層を形成する工程;
    (3)前記(2)の工程の後に、偏光膜と、前記接着剤層とを貼り合せる工程;
    を含
    前記乾燥の条件が、70〜130℃で3〜5分である、積層シートの製造方法。
  5. 前記ワニス中の固形分濃度が20.0〜70.0質量%である、請求項に記載の積層シートの製造方法。
  6. 前記ワニスを乾燥する工程後の前記接着剤層の厚さが、5〜30μmである、請求項4又は5に記載の積層シートの製造方法。
  7. (1)ポリカーボネートフィルムの表面に、ポリカーボネートを膨潤させる有機溶媒を塗工する工程;
    (2)前記(1)の工程の後に、前記ポリカーボネートフィルムの前記有機溶媒を塗工した面に、接着フィルムを積層して接着剤層を形成する工程;
    (3)前記(2)の工程の後に、偏光膜と、前記接着剤層とを貼り合せる工程;
    を含む、積層シートの製造方法。
  8. 前記ポリカーボネートを膨潤させる有機溶媒が、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、及び芳香族炭化水素系溶媒からなる群から選択される1種以上である、請求項のいずれか1項に記載の積層シートの製造方法。
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