JP6123409B2 - 転写シート及び積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、耐摩耗性、耐擦傷性、耐薬品性、密着性等の表面特性に優れた表面保護層を形成することができる転写シートと、この転写シートを用いた表面保護積層体と、その製造方法に関する。
従来、合成樹脂成形品の表面に耐擦傷性保護層を形成する方法としては、成形品の表面に紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂を浸漬又はスプレー等により塗装し、その後、樹脂の硬化方法に従って硬化させる方法が行われていた。しかし、この方法では塗装工程中に異物が混入しやすいという問題があった。また、熱硬化性樹脂を高温で熱硬化させた場合には、高熱により成形品が変形するおそれがあり、一方、低温硬化では硬化に長時間を要するという問題があった。
これらの問題を解決する方法として、活性エネルギー線硬化樹脂を用いた転写シートを金型内面に装着し、成形と同時に成形品の外面に転写する方法、又は金型内面にフィルムを貼り付けておき成形と同時にそのシートを成形品表面に貼り付ける方法が知られている(特許文献1)。
一方、側鎖にアクリロイル基を有するポリマーとコロイダルシリカとの混合物を用いたものも提案されている(特許文献2)。これらは成形前にエネルギー線を照射する必要がなく、硬度も十分なものであるが、接着剤との密着性に乏しいという問題があった。
接着剤との密着性を改善させる目的で、プライマーにポリエステル樹脂やエポキシ樹脂を用いたものも提案されている(特許文献3,4)。
特開平2−53885号公報 特開2001−206925号公報 特開2009−113479号公報 特開2009−113287号公報
しかし、特許文献1に記載の転写シートでは、成形前に硬化性樹脂を硬化させる必要があるために、複雑な形状の成形品に使用した場合には、硬化樹脂層にクラックが発生するという欠点があり、複雑な形状の成形品への応用には適さなかった。
また、特許文献2に記載の転写シートでは、成形前にエネルギー線を照射する必要がなく、硬度も十分なものであるが、接着剤との密着性に乏しいという問題があった。
さらに、特許文献3、4に記載の転写シートでは、密着性が不十分であったり、耐候性が不十分であるといった問題点があった。
本発明の課題は、上記従来の問題点を解決し、耐摩耗性、表面硬度が良好で曲面形状への追従性、タック性、接着性に優れた表面保護層形成用の転写シートを提供することにある。
本発明はまた、この転写シートを用いた表面保護成形品の製造方法と、この転写シートを用いた基材の表面保護方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、少なくとも、離型性シート、特定の活性エネルギー線硬化性樹脂で形成した保護層、プライマー層および接着層を有する転写シートが、上記課題を解決し得ることを見出した。
即ち、本発明は、以下のとおりである。
(1)離型性シート上に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物から形成された保護層を形成し、さらに、プライマー層が積層されてなる転写シートにおいて、
該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が、側鎖に光重合性官能基を有する重量平均分子量3000〜1000000のアクリル(共)重合体(A)を含有し、
該プライマー層が、4級アンモニウム塩構造を含んだアクリル樹脂を含むことを特徴とする転写シート。
(2)前記アクリル樹脂中の4級アンモニウム塩構造の含有量が、0.05mmol/g以上である(1)記載の転写シート。
(3)前記アクリル樹脂が、ホモポリマーを製造した際のガラス転移温度(Tg)が45℃以上となるモノマーを50重量%以上重合されてなる(1)または(2)記載の転写シート。
(4)前記アクリル重合体(A)が、さらにシリカゾル及び/又はシリケート(B)を含んだ有機無機複合樹脂組成物からなる(1)〜(3)のいずれか1項に記載の転写シート。
(5)前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレート(C)を含有する(1)〜(4)のいずれか1項に記載の転写シート。
(6)(1)〜(5)のいずれか1項に記載の転写シートを、射出成形金型の型面に、離型性シート側が接触するように配置した後、該金型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填する射出成形工程と、射出成形により得られた成型物から前記離型性シートを剥離した後、前記保護層に活性エネルギー線を照射する硬化工程とを備える表面保護成形品の製造方法。
(7)(1)〜(5)のいずれか1項に記載の転写シートを、接着層を介して基材に接着させた後、前記離型性シートを剥離し、前記保護層に活性エネルギー線を照射する工程を備える表面保護成形品の製造方法。
(8)基材上に、接着層が積層され、さらに活性エネルギー線硬化性樹脂組成物から形成された保護層を形成されてなる積層体において、
該接着層が、4級アンモニウム塩構造を含んだアクリル樹脂をヒートシールして形成され、
該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が、側鎖に光重合性官能基を有する重量平均分子量3000〜1000000のアクリル(共)重合体(A)を含有することを特徴とする積層体。
(9)前記アクリル樹脂中の4級アンモニウム塩構造の含有量が、0.05mmol/g以上である(8)記載の積層体。
(10)前記アクリル樹脂が、ホモポリマーを製造した際のガラス転移温度(Tg)が45℃以上となるモノマーを50重量%以上重合されてなる(8)または(9)記載の積層体。
(11)前記アクリル重合体(A)が、さらにシリカゾル及び/又はシリケート(B)を含んだ有機無機複合樹脂組成物からなる(8)〜(10)のいずれか1項に記載の積層体。
(12)前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレート(C)を含有する(8)〜(11)のいずれか1項に記載の積層体。
本発明の転写シートによれば、耐摩耗性、耐擦傷性、耐薬品性、密着性等の表面特性に優れた硬化被膜を各種の成形品や基材表面に形成することができる。
このような本発明の転写シートを用いる本発明の表面保護成形品の製造方法によれば、射出成形と同時に転写シートの成形品表面への接着を行うことができ、効率的に表面保護被膜を形成することができる。
また、本発明の転写シートを用いる本発明の基材の表面保護方法によれば、各種の基材に対して、良好な表面保護被膜を効率的に形成することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
なお、本発明において、「(共)重合体」とは「重合体及び/又は共重合体」を意味する。また、「(メタ)アクリル」は「アクリル及び/又はメタクリル」を意味する。「(メタ)アクリレート」についても同様である。
[転写シート]
本発明の転写シートは、離型性シート上に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物から形成された保護層を形成し、さらに、プライマー層が積層されてなる転写シートにおいて、
該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が、側鎖に光重合性官能基を有する重量平均分子量3000〜1000000のアクリル(共)重合体(A)を含有し、
該プライマー層が、4級アンモニウム塩構造を含んだアクリル樹脂を含むことを特徴とする。さらに、必要に応じて、プライマー層と射出成型樹脂との間に接着層、絵柄層、金属蒸着層を有するものであってもよい。
<離型性シート>
本発明の離型性シートの構成材料としては特に制限はないが、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、酢酸セルロース系樹脂、フッ素樹脂等の樹脂シートを使用することができる。
なかでも、耐熱性が高い点でポリエステル系樹脂が好ましい。
離型性シートの厚みは1.0〜100μmが好ましく、さらに好ましくは10〜80μmである。離型性シートの厚みが薄過ぎると強度が不足するために、この上に保護層を形成する際や離型性シートを剥離する際の取り扱い性に劣るものとなり、厚過ぎると射出成形時の金型への追従性が劣る。
なお、離型性シートには、その離型性を向上するために、その離型面に、離型材料を塗布して離型層を形成したものを使用しても良い。離型材料としては、例えば、エポキシ樹脂系離型剤、エポキシメラミン樹脂系離型剤、メラミン樹脂系離型剤、アミノアルキド樹脂系離型剤、シリコーン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロース誘導体系離型剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤等の1種または2種以上を用いることができる。離型層の形成方法としては各種印刷法やコート法を用いることができる。
<保護層>
本発明でいう保護層とは、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物から形成された層である。
保護層を構成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、側鎖に光重合性官能基を有する重量平均分子量3000〜1000000のアクリル(共)重合体(A)を含むことを
特徴としている。また硬化前の耐ブロッキング性と硬化後の耐擦傷性が高いことから、シリカゾル及び/又はシリケート(B)を含んだ有機無機複合樹脂組成物であることが好ましい。さらに、必要に応じて配合される一分子中に2個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレート(C)、光重合開始剤及び各種添加剤を含むこともできる。
<アクリル(共)重合体(A)>
側鎖に光重合性官能基を有する重量平均分子量3000〜1000000のアクリル(共)重合体(A)は、下記特定の官能基を持つ不飽和単量体(1)を1種以上、及び/又は特定の官能基を持つ不飽和単量体(1)と共重合可能な不飽和単量体(2)を1種以上共重合して得られた重合体からなる。
(1)特定の官能基を持つ不飽和単量体は、後述する光重合性官能基を導入するため下記(i)〜(iii)から選ばれる。
(i)エポキシ基を有する単量体
(ii)水酸基を有する単量体
(iii)カルボキシル基を有する単量体
(i)エポキシ基を有する単量体
エポキシ基を有する単量体としたは、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチル(メタ)アクリル酸グリシジル、α−n−プロピル(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシル、ラクトン変性(メタ)アクリル
酸−3,4−エポキシシクロヘキシル、ビニルシクロヘキセンオキシド等が挙げられる。
中でもメタクリル酸グリシジルが好ましい。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
(ii)水酸基を有する単量体
水酸基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリセロール、ラクトン変性(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。中でもメタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルが好ましい。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
(iii)カルボキシル基を有する単量体
カルボキシル基を有する単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2ーアクリロイルオキシエチルコハク酸、2ーアクリロイルオキシエチルフタル酸、2ーアクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸及びこれらのラクトン変性物等エステル結合を有する不飽和モノカルボン酸、マレイン酸等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。中でもメタクリル酸が好ましい。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
(2)特定の官能基を持つ不飽和単量体(1)と共重合可能な不飽和単量体
特定の官能基を持つ不飽和単量体(1)と共重合可能な不飽和単量体としては、耐ブロッキング性を高くする必要があるため、炭素数4〜14のものが好ましく、炭素数4〜6のものが好ましい。また、同様に耐ブロッキング性を高くする必要があるため、メチル基、エチル基をメタクリル酸に導入したものが好ましい。なお、前述した特定の官能基を持つ不飽和単量体(1)と共重合可能な不飽和単量体の炭素数とは、エステル部分だけでなく、(メタ)アクリル部も含めた単量体全体での炭素数のことである。以下、炭素数については、同様に単量体一分子の炭素数を示しているものである。
不飽和単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−へキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、i−ステアリル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(光重合性官能基導入方法)
(i)エポキシ基を有する単量体の(共)重合体にカルボキシル基及び/又は水酸基を有す
る単量体を付加反応させる。
(ii)水酸基を有する単量体の(共)重合体にカルボキシル基を有する単量体を縮合反応させる。
(iii)カルボキシル基を有する単量体の(共)重合体に水酸基を有する単量体を縮合反応
させる、またはエポキシ基を有する単量体を付加反応させる。
(a)エポキシ基を有する単量体の(共)重合体に付加反応させる、もしくは水酸基を有する単量体の(共)重合体に縮合反応させるカルボキシル基を有する単量体。
エポキシ基を有する単量体の(共)重合体に付加反応させる、もしくは水酸基を有する単量体の(共)重合体に縮合反応させるカルボキシル基を有する単量体としては、特に限定されないが、炭素数が少ない方が耐ブロッキング性と耐擦傷性が高いため、炭素数3〜21のものが好ましく、炭素数3〜10のものが好ましい。
単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと無水コハク酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物の付加体、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと無水コハク酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物の付加体等が挙げられる。
(b)エポキシ基を有する単量体の(共)重合体に付加反応させる、もしくはカルボキシル基を有する単量体の(共)重合体に縮合反応させる水酸基を有するカルボキシル基を有する単量体。
エポキシ基を有する単量体の(共)重合体に付加反応させる、もしくはカルボキシル基を有する単量体の(共)重合体に縮合反応させる水酸基を有するカルボキシル基を有する単量体としては、特に限定されないが、炭素数が少ない方が耐ブロッキング性と耐擦傷性が高いため、炭素数5〜16のものが好ましく、炭素数5〜8のものが好ましい。単量体の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、N−メチロールアクリルアミド等が挙げられる。
(c)カルボキシル基を有する単量体の(共)重合体に付加反応させるエポキシ基を有す
る単量体。
カルボキシル基を有する単量体の(共)重合体に付加反応させるエポキシ基を有する単量体としては、特に限定されないが、炭素数が少ない方が耐ブロッキング性と耐擦傷性が高いため、炭素数6〜11のものが好ましい。単量体の具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等が挙げられる。
これらはいずれも1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いるアクリル(共)重合体(A)の重量平均分子量が3000未満では、低分子量成分の含有量が多く乾燥後のタック性が劣る可能性がある。また、アクリル(共)重合体(A)の重量平均分子量が1000000を超えると、合成することが困難になるばかりか、溶剤の乾燥時に溶剤残存量が多くなってしまう可能性がある。これらのことよりアクリル(共)重合体(A)の重量平均分子量は3000〜1000000であり、好ましくは5000〜100000であり、より好ましくは、7000〜50000であり、10000〜30000が特に好ましい。
また、アクリル(共)重合体(A)の側鎖に導入された光重合性官能基の導入量が少な過ぎると、活性エネルギー線での硬化後の硬度、耐擦傷性が不十分である。従って、この光重合性官能基の導入量は、側鎖に光重合性官能基を有するアクリル(共)重合体(A)に対して2.5〜7.5mmol/gであることが好ましい。
<シリカゾル及び/又はシリケート(B)>
シリカゾルとしては例えば、水、メタノール、イソプロパノール(IPA)、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジメチルアセトアミド、キシレン及びこれらの混合溶剤を分散媒とし、粒子径が5〜30nmのシリカを、その固形分として10〜40重量%含有するシリカゾルが好ましい。特に、有機溶剤に分散したシリカゾルを利用すると、塗膜とした場合に、高い透明性を発現するので好ましい。代表的には水酸基を有する溶剤、又はケトン基を有する極性溶媒に分散したオルガノシリカゾルを用いることが好ましい。具体的には、「IPA−ST」(IPA分散オルガノシリカゾル、日産化学)、「MEK−ST」(MEK分散オルガノシリカゾル、日産化学)、「MIBK−ST」(MIBK分散オルガノシリカゾル、日産化学)等、又はこれらを原料に他の水酸基を有する溶剤に溶媒置換したゾル(例えばPGM分散オルガノシリカゾル等)を挙げることができる。
シリケートとしては、以下の一般式(i)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 0006123409
((I)式中、Rはそれぞれ異なっていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を表し、nは0〜11のいずれかの整数を表す。)
上記一般式(I)で表されるシリケートとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロピルシラン、テトラn−ブチルシラン、またこれらテトラアルコキシシランを加水分解縮合することにより得られるポリアルコキシシロキサ
ンが挙げられる。これらの中でも、テトラメトキシシランの20〜80%の加水分解縮合物であるポリメトキシシロキサンが好ましい。ポリメトキシシロキサンの製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、テトラメトキシシランの常法による加水分解縮合物から、モノマー成分を除去して、実質的にモノマー成分を含まないようにするのが毒性の問題からも好ましい。これらのポリメトキシシロキサンは、例えば三菱化学(株)より、「MKCシリケートMS51」(加水分解率40%、n=4)、「MKCシリケートMS56」(加水分解率50%、n=8)の商品名で入手することができる。
前述の側鎖に光重合性官能基を有するアクリル(共)重合体(A)に、シリカゾル及び/又はシリケート(B)をスルフィド結合を介して結合させるためには、前述の不飽和単量体の重合時に1分子中にメルカプト基とアルコキシシリル基とを有する化合物を使用すればよい。1分子中にメルカプト基とアルコキシシリル基を有する化合物としては例えば、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
この場合、メルカプト基がアクリル(共)重合体(A)の生成過程において反応してスルフィド結合が形成し、一方、アルコキシシリル基はシリカゾル及び/又はシリケート(B)と結合する。これにより、アクリル(共)重合体(A)と、シリカゾル及び/又はシリケート(B)とがスルフィド結合を介して結合した有機無機複合樹脂組成物が得られる。
<アクリル(共)重合体(A)とシリカゾル及び/又はシリケート(B)との割合>
有機無機複合樹脂組成物中の、側鎖に光重合性官能基を有するアクリル(共)重合体(A)とシリカゾル及び/又はシリケート(B)の固形分との割合は重量比で90/10〜10/90の範囲が好ましく、80/20〜30/70の範囲がさらに好ましい。
この範囲よりもアクリル(共)重合体(A)の割合が多いと硬度、耐擦傷性が不十分であり、少ないと保護層が脆くなり成形時にクラックが発生する。
なお、アクリル(共)重合体(A)は、1種を単独で用いてもよく、側鎖に導入された光重合性官能基の異なるもの、或いは重量平均分子量の異なるもの、或いは構成する単量体の異なるものを2種以上を混合して用いてもよい。シリカゾル及び/又はシリケート(B)についても同様である。
<1分子中に2個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレート(C)>
本発明に係る活性エネルギー線硬化性組成物には、形成される被膜の耐摩耗性をさらに向上させる目的で、溶剤を乾燥した後の塗膜形成性を阻害しない範囲で、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレート(C)を含有させることができる。この多官能アクリレートとしては、少ない添加量で耐摩耗性を向上するために、1分子中に3個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレートが好ましい。
1分子中に3個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレートとしては、例えば、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の多官能アクリレート(C)の配合量は、少な過ぎると多官能アクリレート(C)を配合したことによる効果を十分に得ることができず、多過ぎると保護層の乾燥後のタック性が不十分となることから、有機無機複合樹脂組成物
及び多官能アクリレート(C)の合計100重量部に対して0.1〜50重量部、特に1〜10重量部とすることが好ましい。
<光重合開始剤>
本発明に係る活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、活性エネルギー線を照射されることによってラジカル等を発生する光重合開始剤を含有させることができる。
活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、好ましい光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ミヒラーズケトン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の光重合開始剤の配合量は、少な過ぎると光重合開始剤を配合したことによる効果を十分に得ることができず、多過ぎると硬度、耐擦傷性が不十分であることから、有機無機複合樹脂組成物及び必要に応じて用いられる多官能アクリレート(C)の合計100重量部に対して0.1〜20重量部、特に1〜10重量部とすることが好ましい。
<その他の添加剤>
本発明に係る活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、硬化被膜物性を改良する目的で、紫外線吸収剤(例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、シアノアクリレート系紫外線吸収剤)、紫外線安定剤(例えば、ヒンダードアミン系紫外線安定剤)、酸化防止剤(例えば、フェノール系、硫黄系、リン系酸化防止剤)、ブロッキング防止剤、レベリング剤等のこの種の組成物に配合される種々の添加剤を、被膜形成成分の全固形分重量に対し、それぞれ0.01〜2重量%の割合で配合することができる。
<保護層の形成方法>
前述の離型性シート上に保護層を形成するには、上述の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を離型性シート上に供給して膜形成すればよい。この場合、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、適度な粘度となるように、適当な有機溶剤を用いて、固形分濃度が0.1〜40重量%程度となるように調製される。
ここで用いられる有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、3−メトキシプロピルアセタート等のエーテルエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;等が挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の離型性シートへの供給は、通常、塗布により行う
。塗布方法については特に制限されず、ディッピング法、フローコート法、スプレー法、スピンコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法及びエアーナイフコート法等のいずれの方法によって塗布することもできる。また、印刷等により画像様に供給することもできる。
なお、塗布量については特に制限されないが、乾燥後の膜厚が、0.1〜50μm、好ましくは1〜20μmとなるように塗工することが好ましい。この膜厚が薄過ぎると表面保護被膜として十分な耐久性を有する被膜を形成し得ず、厚過ぎると溶剤乾燥時の残存溶剤量が多くなり、硬化後の塗膜の硬度、耐擦傷性が不十分となる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を離型性シートに塗布した後は、乾燥して有機溶剤を除去する。本発明に係る活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は被膜形成性に優れているので、この時点で加工可能な被膜となる。乾燥条件は、離型性シートの材質、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の配合、塗布量等によって、好ましい範囲が異なるが、一般的には、30〜120℃で1〜30分間行い、好ましくは50〜100℃で1〜5分間行う。
<プライマー層>
プライマー層は、4級アンモニウム塩を含んだアクリル樹脂を含むことを特徴としている。
本発明のアクリル樹脂の重量平均分子量としては、耐ブロッキング性および塗膜強度の観点から2,000以上、さらに好ましくは5,000以上が好ましい。また粘度が高すぎると塗工性が悪化するため300,000以下であることが好ましく、さらに100,000以下が好ましい。
本発明のアクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、高い方が耐ブロッキング性良好となるため、30〜150℃であることが好ましく、50〜110℃であることが好ましい。
また、本発明のアクリル樹脂は、ガラス転移温度が高くなるため、ホモポリマーになった時のTgが40℃以上となるモノマーを重合したものであることが好ましい。このようなモノマーとしては、メチルメタクリレート(105℃)、エチルメタクリレート(65℃)、メタクリレートイソブチルメタクリレート(48℃)、ターシャリーブチルメタクリレート(107℃)、シクロヘキシルメタクリレート(66℃)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート(60℃)、ベンジルメタクリレート(54℃)、イソボルニルメタクリレート(180℃)、2−ヒドロキシメタクリレート(55℃)、グリシジルメタクリレート(46℃)が挙げられ、ホモポリマーのTgが高いことから、メタクリル酸メチルが好ましく、メタクリル酸メチルが特に好ましい。なお、上記の( )内の温度はホモポリマーになった時のTgを示した。
また、本発明のアクリル樹脂は、上述のモノマーと別のモノマーの共重合体であってもよく、ガラス転移温度が高くなるために、重合体中の50重量%以上が上述のモノマーであることが好ましく、70重量%以上がさらに好ましく、90重量%以上が特に好ましい。
<4級アンモニウム塩>
本願発明のアクリル樹脂は、4級アンモニウム塩構造を含んでいることを特徴としている。
4級アンモニウム塩のカチオンとしては、4級化可能なアミノ基と上記アクリルモノマーと共重合可能な(メタ)アクリル基のどちらも含有するという点で、(メタ)アクリレートの4級アンモニウム塩が好ましく、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートがさらに好ましく、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、が特に好ましい。
4級アンモニウム塩のアニオンとしては、4級化しやすいという点で、塩化メチル、臭
化メチル、沃化メチルが好ましく、塩化メチルが特に好ましい。
上述のような4級アンモニウム塩としては、トリメチルアミノエチル(メタ)アクリレート塩化物、トリメチルアミノエチル(メタ)アクリレート臭化物、トリメチルアミノエチル(メタ)アクリレート沃化物が挙げられ、カチオン性が発現しやすいという点で、トリメチルアミノエチル(メタ)アクリレート塩化物が特に好ましい。
4級アンモニウム塩のアクリル樹脂への配合量としては、密着性を向上させるため、0.05mmol/g以上が好ましく、0.1mmol/g以上がさらに好ましく、0.2mmol/g以上が特に好ましい。上限値としては、特に制限されないが、含有量が多いほど耐水性と溶剤溶解性が悪くなるため、2mmol/g以下が好ましく、1mmol/g以下がさらに好ましく、0.5mmol/g以下が特に好ましい。
プライマー溶液の供給方法としては、通常、塗布法により行う。プライマー溶液の塗布方法については特に制限されず、ディッピング法、フローコート法、スプレー法、スピンコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法及びエアーナイフコート法等のいずれの方法によって塗布することもできる。また、印刷等により画像様に供給することもできる。
なお、塗布量については特に制限されないが、乾燥後の膜厚が、0.1〜20μm、好ましくは0.5〜3μmとなるように塗工することが好ましい。この膜厚が薄過ぎると保護層との密着力が不十分となり、厚過ぎると溶剤乾燥時の残存溶剤量が多くなり密着力が不足する。
プライマー溶液を保護層上に塗布した後は、乾燥して後に詳述する有機溶剤を除去する。この乾燥条件は、プライマー溶液の配合、塗布量等によって、好ましい範囲が異なるが、一般的には、25〜150℃で1〜60分間行い、好ましくは30〜120℃で1〜10分間行う。
<接着層>
接着層は被転写体への接着性を向上するために設けられる層であり、被転写体の材質に合わせて接着層を選定するのが好ましい。
例えば、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ブチラール系樹脂、ゼラチン、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂等の樹脂から適切な軟化温度を有するものが選択される。
この接着層の厚みは0.1〜50μmが好ましく、さらに好ましくは1〜10μmである。接着層が上記範囲より薄い場合には接着層の接着性が劣り、上記範囲を超えると転写成形時の箔切れ性が低下する。
プライマー溶液を保護層上に塗布した後は、基材上にプライマー層を形成し、 易接着基材と成型体を形成するか(当該明細書中では、評価法1「転写簡易評価」に該当)、プライマー溶液を保護層上に塗布した後に、接着剤(ヒートシール材)を塗布して、基材と成型体を形成する(当該明細書中では、評価法2「転写インジェクション射出成型評価」に該当)。
基材と成型体を形成する時の加熱温度条件は、特に限定されないが、100〜350℃で行うことが接着性の点から好ましい。金型を用いてインジェクション射出成型する場合は、樹脂を溶融する必要があるので200〜350℃で行うことがさらに好ましい。
<絵柄層及び/又は金属蒸着層>
本発明の転写シートにおいては、プライマー層と接着層との間に絵柄層及び/又は金属蒸着層を形成してもよい。
絵柄層はインキにより絵柄、図柄、模様等を施したものであり、絵柄層の形成に用いるインキとしては、アゾ系顔料、イソインソリン、キナクリドン、フタロシアニンブルー、アニリンブラック等の有機顔料、コバルトブルー、弁柄、黄鉛、酸化チタン等の無機顔料、各種有機染料を使用することができる。
また、金属蒸着層は、アルミニウム、錫、銀、銅、クロム等の金属を真空蒸着により形成してなるものである。
<有機溶剤>
本発明に係るプライマー層、接着層の形成に用いられる有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、3−メトキシプロピルアセタート等のエーテルエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[転写シートの成形]
本発明の転写シートはその目的、用途により任意の成形法により任意の形状に成形することができる。具体的には、該転写シートを適当な温度、例えば40〜150℃に加熱後、真空成形、真空圧空成形、圧空成形、マット成形、射出成形等の方法を用いて、転写シート全体を所望の形状に成形することができる。また、干渉縞等の凸凹形状をCDやレコードの表面に加工して複製するのと同様の方法で、転写シート上にエンボス成形することもできる。
[転写シートの硬化]
本発明の転写シートは、被転写対象物に転写シートの接着層を介して接着し、その後離型性シートを剥離除去した後、保護層に活性エネルギー線を照射させて硬化させることにより、耐摩耗性等に優れた高硬度の表面保護被膜を形成する用途に用いられる。
具体的には、本発明の転写シートを、射出成形金型の型面に、離型性シート側が接触するように配置した後、該金型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填する射出成形工程と、射出成形により得られた成型物から前記離型性シートを剥離した後、前記保護層に活性エネルギー線を照射する硬化工程とを備えることにより、成形と同時に転写シートの接着を行って、表面保護層を有する成形品を効率的に製造することができる。
<基材>
この場合において、射出成形に供する樹脂、つまり基材としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂等のエンジニアリングプラスチック類、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素樹脂等を用いることができる。
或いは、転写シートを、前記接着層を介して基材に接着させた後、前記離型性シートを剥離し、その後、前記保護層に活性エネルギー線を照射する工程を備えることにより、基材に表面保護層を形成することができる。
このような保護層の形成に供される基材樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂等のスチレン系樹脂
、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂等のエンジニアリングプラスチック類、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素樹脂等を用いることができる。
保護層の硬化に用いられる活性エネルギー線としては、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等の光源から発せられる紫外線、通常20〜2000kVの粒子加速器から取り出される電子線、α線、β線、γ線等を用いることができる。
これらの活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、保護層に含有される有機無機複合樹脂組成物が有する光重合性官能基が単独で、又は所望により多官能アクリレート(C)とともに重合して硬化し、硬化被膜となる。この硬化被膜は、有機成分((共)重合体(A))と無機成分(シリカゾル及び/又はシリケート(B))とを含んでいるので、耐摩耗性に優れている。
なお、本発明の転写シートでは、活性エネルギー線の照射で保護層を硬化させた後、さらに、物品全体又は硬化膜を加工(成形、印刷、転写を含む)することもできる。
<積層体>
本発明の積層体は、基材上に、接着層が積層され、さらに活性エネルギー線硬化性樹脂組成物から形成された保護層を形成されてなる積層体において、
該接着層が、4級アンモニウム塩構造を含んだアクリル樹脂をヒートシールして形成され、
該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が、側鎖に光重合性官能基を有する重量平均分子量3000〜1000000のアクリル(共)重合体(A)を含有することを特徴とする。
<基材>
本発明の積層体に用いる基材としては、上述の基材が同様に用いられる。
<接着層>
本発明の積層体に用いる接着層としては、上述の基材が同様に用いられる。
<保護層>
本発明の保護層に用いる接着層としては、上述の基材が同様に用いられる。
<本願発明が効果を奏する理由>
本願発明が本願発明の効果を奏する理由としては、未だ明らかではないが、以下のように推察される。
すなわち、保護層となる側鎖に光重合性官能基を有するアクリル(共)重合体の官能基と、プライマー層となるアクリル樹脂の4級アンモニウム塩とが反応もしくは相互作用をすることで密着し、かつ4級アンモニウム塩により帯電防止性が発現することにより本願発明の効果を奏するものと推察される。
以下に、合成例、実施例、比較例及び参考例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。以下の合成例及び実施例に記載される成分、割合、手順等は、本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に記載される具体例に制限されるものではない。
(合成例1)
温度計、攪拌機及び還流冷却管を備えたフラスコに、イソプロパノール27.0gとクロロトリメチルアンモニウムエチルメタクリレート(ライトエステルDQ100)1.8gを入れ、75℃に温度を上げ撹拌し溶解させる。その後メチルエチルケトン 55.8
g、メチルメタクリレート(MMA)58.5gを添加させた後、75℃定温にする。
2,2‘−アゾビスイソブチルニトリル0.6gをメチルエチルケトン2.4gに溶解させた溶液を添加し、2時間反応させる。
同様の操作を2時間後、3時間後の2回行い、さらに75℃で6時間反応を続けた。
固形分40wt%、粘度1300mPa・sのメチルメタクリレート/クロロトリメチルアンモニウムエチルメタクリレート重合物(P-1:4級アンモニウム塩のアクリル樹
脂への配合量=0.14mmol/g)を得た。
(合成例2)
クロロトリメチルアンモニウムエチルメタクリレート(ライトエステルDQ100)の量を1.8gから3.0gに、メチルメタクリレート(MMA)58.5gから57.0gに変更した以外はいずれも、合成例1と同様の操作をし、固形分40wt%、粘度1290mPa・sのメチルメタクリレート/クロロトリメチルアンモニウムエチルメタクリレート重合物(P-2:4級アンモニウム塩のアクリル樹脂への配合量=0.24mmo
l/g)を得た。
(合成例3)
クロロトリメチルアンモニウムエチルメタクリレート(ライトエステルDQ100)の量を1.8gから9.0gに、メチルメタクリレート(MMA)58.5gから51.0gに変更した以外はいずれも、合成例1と同様の操作をし、固形分40wt%、粘度1160mPa・sのメチルメタクリレート/クロロトリメチルアンモニウムエチルメタクリレート重合物(P-3:4級アンモニウム塩のアクリル樹脂への配合量=0.72mmo
l/g)を得た。
(合成例4)
クロロトリメチルアンモニウムエチルメタクリレート(ライトエステルDQ100)の量を1.8gから18.0gに、メチルメタクリレート(MMA)58.5gから42.0gに変更した以外はいずれも、合成例1と同様の操作をし、固形分40wt%、メチルメタクリレート/クロロトリメチルアンモニウムエチルメタクリレート重合物(P-4:
4級アンモニウム塩のアクリル樹脂への配合量=1.45mmol/g)を得た。
(合成例5)
温度計、攪拌機及び還流冷却管を備えたフラスコに、イソプロパノール27.0gとジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物(ライトエステルDQ100)1.8gを入れ、75℃に温度を上げ撹拌し溶解させる。その後メチルエチルケトン 55.8g、メ
チルメタクリレート(MMA)54.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を4.2g添加させた後、75℃定温にする。
2,2‘−アゾビスイソブチルニトリル0.6gをメチルエチルケトン2.4gに溶解させた溶液を添加し、2時間反応させる。
同様の操作を2時間後、3時間後の2回行い、さらに75℃で6時間反応を続けた。
固形分40wt%、粘度1500mPa・sのメチルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/クロロトリメチルアンモニウムエチルメタクリレート重合物(P-5:
4級アンモニウム塩のアクリル樹脂への配合量=0.14mmol/g)を得た。
(合成例6)
温度計、攪拌機及び還流冷却管を備えたフラスコに、75℃に温度を上げ撹拌し溶解させる。メチルエチルケトン 90g、メチルメタクリレート(MMA)54.0g、ヒド
ロキシエチルメタクリレート(HEMA)を6.0g添加させた後、75℃に定温にする

2,2‘−アゾビスイソブチルニトリル0.6gをメチルエチルケトン2.4gに溶解させた溶液を添加し、2時間反応させる。
同様の操作を2時間後、3時間後の2回行い、さらに75℃で6時間反応を続けた。
固形分40wt%、粘度1300mPa・sのメチルメタクリレート/ヒドロキシメタクリレート重合物(P-6)を得た。
(合成例7)
メチルメタクリレート(MMA)を48.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を12.0gに変更した以外は、合成例6と同様の操作を行い、固形分40wt%、粘度1170mPa・sのメチルメタクリレート/ヒドロキシメタクリレート重合物(P-7)を得た。
(合成例8)
温度計、攪拌機及び還流冷却管を備えたフラスコに、メチルエチルケトン40g、ポリエステル60g(東洋紡製、バイロン240)を入れ、75℃で3時間撹拌し溶解させ、ポリエステル溶液(P−8)を得た。
(合成例9)
温度計、攪拌機及び還流冷却管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル139.5g、グリシジルメタクリレート90g、メチルメタクリレート1.0g、メルカプトプロピルトリメトキシシラン2.0g、及び2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.93gを入れ、65℃で3時間反応させ、さらに2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.47gを加え3時間反応させた。
次に、アクリル酸45.6g、トリフェニルホスフィン1.45g、p−メトキシフェノール0.36g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル68.4gを添加して、110℃で10時間反応させてアクリロイル基とメトキシシリル基を有する、重量平均分子量20,000でアクリロイル当量(アクリロイル基の導入量)4.57mmol/gの共重合体を得た。得られた共重合体にイソプロピルアルコールを分散媒とするシリカゾル(日産化学社製 商品名:IPA−ST)308.0g(固形分30重量%)、水0.5g、及びアセチルアセトンアルミニウム0.1gを添加して70℃で4時間反応させることにより、共重合体にメトキシシリル基を介してシリカゲルを結合させた。反応終了後、プロピレングリコールモノメチルエーテル115.5gを加えて活性エネルギー線硬化性樹脂液(A−1)(固形分30重量%)を得た。
<評価法1「転写簡易評価」>
(実施例1〜5及び比較例1〜4)
<転写シートの作成>
活性エネルギー線硬化性樹脂液(A−1)100gと、光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン チバ・スペシャリティー・ケミカル製 商品名:イルガキュア184)0.6gを配合して活性エネルギー線硬化性組成物を調製した(A−2)。
厚さ75μmの透明な二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(未処理PET)上に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A−2)を乾燥後の塗膜厚が4μmとなるようにバーコーターを用いて塗布し、80℃で2分間加熱乾燥して、保護層を形成した。
この保護層の上に表1に示すプライマー溶液を乾燥後膜厚が2μmとなるようにバーコーターを用いて塗布し、80℃で2分間加熱乾燥して、プライマー層を形成した。
上記のように本発明の転写シートを形成した。
<転写工程>
125μm易接着ポリエチレンテレフタレートフィルムに、プライマーを同様に乾燥後膜厚が2μmとなるように塗布したシートに、プライマー側から転写シートを重ね加熱ロール(160℃、10mm/sec)で転写した。その後、離型性シートであるポリエチレンテレフタレートフィルム(未処理PET)を剥離し、積算光量500mJ/cmとなるようにUV照射して保護層を硬化させて、厚さ4μmの硬化膜を形成した。
このようにして、転写シートの転写する前後で、以下の評価を行って、結果を表1に示した。
<ホモポリマーになった時のTgが40℃以上となるアクリルモノマーのガラス転移温度(Tg)>
ホモポリマーになった時のTgが40℃以上となるアクリルモノマーのガラス転移温度(Tg)は、アクリルモノマーメーカーが示す値を使用した。
<ノンタック性>
得られた転写シートをアクリル板に熱転写してポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、UV照射前に、指触によりタックの有無を確認し、転写膜に指紋が付着または指に転写膜が付着するものを不良(×)、付着のないものを良(○)とした。
<硬化前密着性>
得られた転写シートをアクリル板に熱転写してポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、UV照射前に、転写膜に2mm幅5×5の25マスの碁盤目の切込みを入れ、ニチバン社製セロハンテープを密着させた後引き剥がし、転写膜の残存マス数/25マスで表した。
<硬化後密着性>
UV照射後に、硬化前密着性と同様に評価し、転写膜の残存マス数/25マスで表した。
<転写前表面抵抗値>
得られた転写シートのプライマー側の帯電防止性を三菱化学インスツルメンツ社製「ハイレスタ」で測定した。
<転写後表面抵抗値>
得られた積層体の保護層側の帯電防止性を三菱化学インスツルメンツ社製「ハイレスタ」で測定した。
Figure 0006123409
<評価法2「転写インジェクション射出成型評価」>
(実施例6)
<転写シートの作成>
厚さ75μmの透明な二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(未処理PET)上に、各活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A−2)を、乾燥後の塗膜厚が4μmとなるようにバーコーターを用いて塗布し、80℃で2分間加熱乾燥して、保護層を形成した。
この保護層の上に合成例5で作成したアクリル溶液(P−2)を乾燥後膜厚が2μmとなるようにバーコーターを用いて塗布し、80℃で2分間加熱乾燥して、プライマー層を形成した。
続いてPC/ABSアロイ基材用ヒートシール材(アクリル系樹脂40%、MEK60%)を乾燥後膜厚が2μmとなるようにバーコーターを用いて塗布し、80℃で2分間加熱乾燥して、ヒートシール層を形成した。
上記のように本発明の転写シートを形成した。
<転写工程>
この転写シートを100mm×100mm×2mmの射出成形金型の型面に、離型性シート側が接触するように張り付けて、金型温度65℃、射出温度(ノズル先端部)260℃、射出速度30mm/sでインジェクション成型を行った。射出樹脂はPC/ABSアロイ樹脂(密度1.29、MFR(260℃、2.16kgf)11g/min)を使用した。インジェクション成型後、最表面のポリエチレンテレフタレートフィルム(未処理PET)を剥がすことによって、積層物が転写された成型物(保護層/プライマー層/ヒートシール層/インジェクション樹脂層)を得た。
(実施例7)
プライマー層として、合成例5のアクリル樹脂溶液の代わりに合成例5の樹脂溶液100重量部に対し、硬化剤A(ヘキサメチレンジイソシアネート三量体溶液(固形分75%、酢酸エチル25%、NCO価 16.6wt%))5.2重量部添加した混合液を用い実施例6と同様に塗布・乾燥し、さらに完全硬化させるため80℃で10時間加熱した。それ以外の操作は実施例6と同様にして評価を行った。
(比較例5)
プライマー層として、合成例5のアクリル樹脂溶液の代わりに合成例8のポリエステル溶液(P−8)を塗布した以外の操作は実施例6と同様にして評価を行った。
(比較例6)
プライマー層として何も使用せず、次の層を塗布・乾燥した以外は実施例6と同様にして評価を行った。
Figure 0006123409
実施例および比較例を対比すると、プライマー層のアクリル樹脂に4級アンモニウム塩を含まない比較例1および2では、密着性に課題があった。
また、プライマー層にポリエステルを用いた比較例3および比較例5でも、密着性に課題があった。
さらに、プライマー層を設けない比較例4および6でも密着性に課題があった。
一方で、本願の実施例では、ノンタック性、表面抵抗値に優れる上に、硬化前後での密着性に優れるものであった。

Claims (11)

  1. 離型性シート上に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物から形成された保護層を形成し、さらに、プライマー層が積層てなる転写シートにおいて、
    該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が、側鎖に光重合性官能基を有する重量平均分子量3000〜1000000のアクリル(共)重合体(A)を含有し、さらにシリカゾル及び/又はシリケート(B)を含み、側鎖に光重合性官能基を有するアクリル(共)重合体(A)とシリカゾル及び/又はシリケート(B)の固形分との割合は重量比で90/10〜10/90の範囲である有機無機複合樹脂組成物であり、
    該プライマー層が、4級アンモニウム塩構造を含んだアクリル樹脂を含む転写シート。
  2. 前記アクリル樹脂中の4級アンモニウム塩構造の含有量が、0.05mmol/g以上である請求項1記載の転写シート。
  3. 前記アクリル樹脂が、ホモポリマーを製造した際のガラス転移温度(Tg)が45℃以上となるモノマーを50重量%以上重合てなる請求項1または2記載の転写シート。
  4. 前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレート(C)を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の転写シート。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の転写シートを、射出成形金型の型面に、離型性シート側が接触するように配置した後、該金型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填する射出成形工程と、射出成形により得られた成型物から前記離型性シートを剥離した後、前記保護層に活性エネルギー線を照射する硬化工程とを備える表面保護成形品の製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の転写シートを、接着層を介して基材に接着させた後、前記離型性シートを剥離し、前記保護層に活性エネルギー線を照射する工程を備える表面保護成形品の製造方法。
  7. 基材上に、接着層が積層され、さらに活性エネルギー線硬化性樹脂組成物から形成された保護層を形成てなる積層体において、
    該接着層が、4級アンモニウム塩構造を含んだアクリル樹脂をヒートシールして形成さ
    れ、
    該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が、側鎖に光重合性官能基を有する重量平均分子量3000〜1000000のアクリル(共)重合体(A)を含有し、さらにシリカゾル及び/又はシリケート(B)を含み、側鎖に光重合性官能基を有するアクリル(共)重合体(A)とシリカゾル及び/又はシリケート(B)の固形分との割合は重量比で90/10〜10/90の範囲である有機無機複合樹脂組成物である積層体。
  8. 前記アクリル樹脂中の4級アンモニウム塩構造の含有量が、0.05mmol/g以上である請求項記載の積層体。
  9. 前記アクリル樹脂が、ホモポリマーを製造した際のガラス転移温度(Tg)が45℃以上となるモノマーを50重量%以上重合てなる請求項8または9記載の積層体。
  10. 前記アクリル重合体(A)が、さらにシリカゾル及び/又はシリケート(B)を含んだ有機無機複合樹脂組成物からなる請求項のいずれか1項に記載の積層体。
  11. 前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレート(C)を含有する請求項10のいずれか1項に記載の積層体。
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