JP6402249B2 - 車体後部構造 - Google Patents
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Description
この車体後部構造は、ダンパ取付部の板厚寸法を大きく確保することにより、ダンパから入力する荷重を支えるように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
ダンパ取付部を箱体で補強することにより、ダンパ取付部の剛性を高めることが可能である(例えば、特許文献2参照。)。
よって、ダンパからダンパベースに入力する荷重を、剛性の高い袋状のダンパ支持部で好適に支えることができる。これにより、ダンパベースの板厚寸法を大きくして剛性を高める必要がなく、車両重量の増加を抑えることができる。
ここで、ハウス角稜部は、その角稜形状により剛性が高く形成される。また、リヤバルクヘッドは、車体後部構造の骨格部材として用いられ、剛性を確保するために閉断面にハウス稜線部が形成される。さらに、リヤフレームは、車体後部構造の骨格部材として用いられ、剛性を確保するために閉断面に形成される。
このように、剛性の高いリヤバルクヘッドやハウス角稜部を側面視で逆V字形状に形成した。これにより、リヤバルクヘッドやハウス角稜部でダンパ支持部を安定させた状態に支持できる。
よって、上コーナ部や下コーナ部の剛性をフランジ接合部で高く確保することができる。これにより、上コーナ部や下コーナ部に伝えられる荷重を、フランジ接合部で支えることができる。したがって、前板部や後板部の板厚寸法を必要以上に大きくする必要がなく、車両重量の増加を一層良好に抑えることができる。
そこで、ホイールハウスの外側からハウス角稜部を跨ぐように補強脚部を設けた。さらに、補強脚部の下端部をリヤフレームの張出部に接合させ、補強脚部の上端部をリヤバルクヘッドに接合させた。
さらに、バルクヘッドの下端部をダンパの締結部で締結させた。よって、ダンパからダンパ取付部に入力する荷重を締結部を経てバルクヘッドに伝えることができる。これにより、ダンパからダンパ取付部に入力する荷重をバルクヘッドをへてダンパ支持部で好適に支えることができ、ダンパ取付部の変形を抑制できる。
ここで、リヤフレームは車体前後方向に延びる剛性の高い骨格部材であり、伝えられた引張荷重をリヤフレームで好適に支えることができる。
リヤフレームは車体前後方向に延びる剛性の高い骨格部材であり、伝えられた引張荷重をリヤフレームで好適に支えることができる。
そこで、三角枠部をリヤフレーム、補強脚部および脚部で車幅方向両側に形成した。また、車幅方向両側の三角枠部の上部、前部および後部を上クロスメンバ、下クロスメンバおよび後クロスメンバで連結して三角柱枠体を形成した。さらに、車幅方向両側の三角枠部の上部に袋状のダンパ支持部を設けた。
さらに、剛性の高いダンパ支持部で三角柱枠体を補強することにより、重量増加を抑えた状態で車体後部構造の剛性を高く確保することができる。
なお、車体後部構造10は略左右対称の部材であり、車体後部構造10を構成する各構成部材の左側部材および右側部材に同じ符号を付して説明する。
ホイールハウス13の内部14は、ホイールハウス13の車外29側におけるダンパ16の収納部である。以下、ホイールハウス13の内部14を「ハウス空間14」と称する。
一対のホイールハウス13が車幅方向両側に設けられることにより、ダンパベース15、ダンパ16、補強脚部17が車幅方向両側に設けられる。
すなわち、車体後部構造10の車幅方向両側に三角枠部31が設けられる。
さらに、左側の三角枠部31の後部34および右側の三角枠部31の後部34が後クロスメンバ25で連結される。
これにより、左側の三角枠部31、右側の三角枠部31、リヤバルクヘッド24の上クロスメンバ46、リヤバルクヘッド24の下クロスメンバ48、および後クロスメンバ25で三角柱枠体35が形成される。
リヤフレーム21は、車体後部構造10の骨格部材であり、剛性を確保するために閉断面に形成される(図16も参照)。リヤフレーム21が車体前後方向に延び、この状態において、リヤフレーム21がホイールハウス13のハウス周壁74に沿って設けられる。
一対のリヤフレーム21間にフロアパネル22が設けられ、フロアパネル22で車室27の床部が形成される。このフロアパネル22より上方に張出部38が張り出されている。
左側のダンパ16は、上端部の取付ブラケット41がダンパ支持部18(後述する)に取り付けられ、下端部に左側の後輪42が支持される。
右側のダンパ16は、左側のダンパ16と同様に、上端部の取付ブラケットがダンパ支持部18(図示せず)に取り付けられ、下端部に右側の後輪42が支持される。
さらに、リヤバルクヘッド24が一対のリヤフレーム21に向けるとともに車体前方へ向けて下り勾配に傾斜される。この状態において、リヤバルクヘッド24で車室27と後部荷室28とに仕切られる。
脚部45の上端部45aは三角枠部31の上部32に含まれる部位である。また、脚部45の下端部45bは三角枠部31の前部33に含まれる部位である。
下クロスメンバ48は、一対の脚部45の下端部45b(すなわち、一対の三角枠部31の前部33)に連結される。この状態において、下クロスメンバ48が上クロスメンバ46の下方で、かつ、上クロスメンバ46より車体前方側に設けられる。
リヤバルクヘッド24が環状に形成されることにより、リヤバルクヘッド24の内部にバルクヘッド開口部(開口部)51が形成される。
また、左側の脚部45の下端部45b(すなわち、三角枠部31の前部33)が下クロスメンバ48の左端部49に交差することにより左側の下コーナ部54が形成される。同様に、右側の脚部45の下端部45b(すなわち、三角枠部31の前部33)が下クロスメンバ48の右端部49に交差することにより右側の下コーナ部54が形成される。
このため、左側の上コーナ部53、左側の下コーナ部54、右側の上コーナ部53や右側の下コーナ部54に応力が集中することが考えられる。
そこで、左側の上コーナ部53や左側の下コーナ部54に左側のフランジ接合部56を張り出すようにした。同様に、右側の上コーナ部53や右側の下コーナ部54に右側のフランジ接合部56を張り出すようにした。
また、左側の脚部45、左側の上コーナ部53、左側の下コーナ部54や左側のフランジ接合部56を、脚部45、上コーナ部53、下コーナ部54やフランジ接合部56として説明する。
前板部58は、中央の板材、上側の板材および下側の板材の3部材で略平坦状に形成された板材である。前板部58は、車体前方に臨む前脚壁61と、前脚壁61から車幅方向外側に張り出される外側接合部62と、前脚壁61からバルクヘッド開口部51に張り出される前フランジ63とを有する。
前板部58の外側接合部62がホイールハウス13(具体的には、ハウス周壁74)に接合されることにより前脚壁61が車体前方に臨むように配置される。
上湾曲部位63bは、上コーナ部53(図4参照)に相当する部位であり、凹状の湾曲に形成される。下湾曲部位63cは、下コーナ部54(図4参照)に相当する部位であり、凹状の湾曲に形成される。
中央部位63a、上湾曲部位63bおよび下湾曲部位63cで前フランジ63が略U字状に形成される。
さらに、内側脚壁65が、ホイールハウス13(具体的には、ハウス周壁74)の車幅方向内側に間隔をおいて配置され、かつ、前フランジ63に沿って略U字状に延出される。
中央部位63a、上湾曲部位63bおよび下湾曲部位63cで後フランジ68が、前フランジ63に沿って略U字状に形成される。前フランジ63および後フランジ68が接合されることにより、前フランジ63および後フランジ68でフランジ接合部56が形成される。
したがって、上コーナ部53や下コーナ部54の剛性を確保するために、前板部58や後板部59の板厚寸法を必要以上に大きくする必要がなく、車両重量の増加が抑えられる。
脚部45の下端部45bおよび接合部71は三角枠部31の前部33に含まれる部位である。
よって、脚部45の下端部45bがリヤフレーム21に強固に連結される。これにより、脚部45に伝えられる引張荷重F3が、リヤフレーム21に伝えられ、リヤフレーム21で好適に支えられる。
このため、脚部45の下端部45bに作用する引張荷重F3が、フランジ接合部56および前板部58の下端部58aを経てフロアパネル22側に伝えられる。
そこで、前板部58の下端部58aをフロアパネル22に接合部72で接合させた。これにより、脚部45に伝えられる引張荷重F2をリヤフレーム21に伝え、リヤフレーム21で好適に支えることができる。
よって、前脚壁61、内側脚壁65、後脚壁66およびホイールハウス13のハウス周壁74で閉断面が形成される。すなわち、脚部45およびハウス周壁74で閉断面が形成され、脚部45の剛性が高められる。
後クロスメンバ25は、左側の下端部17aおよび右側の下端部17a間において車幅方向に延出され、左側のリヤフレーム21および右側のリヤフレーム21に架け渡される。
これにより、後クロスメンバ25の左端部25aが左側のリヤフレーム21を介して左側の補強脚部17の下端部17aに連結される。また、後クロスメンバ25の右端部25aが右側のリヤフレーム21を介して右側の補強脚部17の下端部17aに連結される。
左側のホイールハウス13のハウス空間14側に左側のダンパ16(図3参照)が配置される。左側のダンパ16で左側の後輪42が支持され、左側の後輪42が左側のホイールハウス13で覆われる。
右側のダンパ16で右側の後輪42が支持され、右側の後輪42が右側のホイールハウス13で覆われる。
左側のホイールハウス13および右側のホイールハウス13は左右対称の部位であり、以下、左側のホイールハウス13について説明し、右側のホイールハウス13の説明を省略する。
また、左側のホイールハウス13は、車幅方向外側に向けて開口部77(図6も参照)が開口される。
ハウス後壁82は、左側の後輪42の後面42b側に設けられ、表面が車体後方に臨むように配置される。このハウス後壁82は、上端部82aから左側のリヤフレーム21に向けて下端部82bまで車体後方へ下り勾配に傾斜される(図8も参照)。
ハウス側壁83の後端部およびハウス後壁82の外側部が交差する部位にハウス後角稜部85が形成される。ハウス後角稜部85は、車幅方向内側へ突出することにより剛性が高い稜線状に形成される。ハウス後角稜部85は、ハウス頂部75側の上端部85aから左側のリヤフレーム21に向けて下端部85bまで車体後方へ下り勾配に傾斜するように延出される。
ハウス前壁81、ハウス前角稜部84、ハウス側壁83、ハウス後角稜部85およびハウス後壁82でハウス周壁74が断面略U字状に形成される(図10も参照)。ハウス周壁74の上端部74bにハウス頂部75が形成される。
ハウス頂部75は、略水平に形成される水平頂部87と、水平頂部87の外側部87aから車幅方向外側に向けて上り勾配に延びる傾斜頂部88とを有する。
ダンパ取付部91が第1平坦部95、第2平坦部96および傾斜部97で段差状に形成され、ダンパ取付部91の剛性が確保される。
さらに、第1平坦部95は、ダンパ嵌合口98の周縁近傍に前取付孔101および後取付孔102が形成される。前取付孔101は、車体前方で、かつ車幅方向内側に位置する。後取付孔102は、車体後方で、かつ車幅方向外側に位置する。
ダンパ取付部91の外側部91aから支持壁部92が上向きに立ち上げられることにより、ダンパ取付部91および支持壁部92でダンパベース15が断面略L字状に形成される。これにより、ダンパ取付部91が支持壁部92で補強され、ダンパ取付部91の剛性が一層確保される。
これにより、ダンパベース15、ハウス周壁74の上端部74b、およびハウス頂部75でダンパ支持部18が形成される。ここで、周縁フランジ93がハウス周壁74の上端部74bの内面、ハウス頂部75の内面に接合されることにより、ダンパベース15の全周が閉塞状態に保たれる。
このように、ダンパベース15の周縁フランジ93をホイールハウス13の内面に接合するだけで、剛性の高いダンパ支持部18を容易に形成することができ、構成の簡素化が図れる。
このように、ダンパ支持部18の内部19にバルクヘッド105が設けられることにより、ダンパ支持部18の剛性がバルクヘッド105で一層高く確保される。
同様に、取付ブラケット41の後取付孔114および第1平坦部95の後取付孔102にボルト116が差し込まれ、ボルト116にナット117がねじ結合される。ボルト116、ナット117は締結部である。
ダンパ支持部18にダンパ16が連結されることにより、ダンパ16からダンパ取付部91に入力する荷重F1を、剛性の高い袋状のダンパ支持部18で好適に支えることができる。これにより、ダンパベース15の板厚寸法を大きくして剛性を高める必要がなく、車両重量の増加を抑えることができる。
すなわち、取付ブラケット41にダンパ16を取り付けるボルト116、ナット117でダンパ取付部91にバルクヘッド105の下フランジ107が共締めされる。よって、ダンパ16からダンパ取付部91に入力する荷重F1がボルト116、ナット117を経てバルクヘッド105に伝えられる。
これにより、ダンパ16からダンパ取付部91(すなわち、ダンパベース15)に入力する荷重がバルクヘッド105を経て支持壁部92やハウス頂部75に伝えられる。したがって、ダンパ16からダンパベース15に入力する荷重F1をダンパ支持部18で好適に支えることが可能になり、ダンパ取付部91の変形を抑制できる。
これにより、多種のダンパ16にダンパ支持部18を対応させることが可能になり、ダンパ支持部18の用途の拡大が図れる。
ここで、ダンパ支持部18が、ダンパベース15、ハウス周壁74の上端部74b、およびハウス頂部75で形成されている。また、ハウス周壁74の上端部74bに脚部45の上端部45a(すなわち、前板部58の上端部および後板部59の上端部)が接合されている。よって、ダンパベース15がハウス周壁74の上端部74bを介して脚部45の上端部45aに接合される。
また、ハウス周壁74の上端部74bにハウス後角稜部85の上端部85aが含まれる。よって、ダンパベース15がハウス後角稜部85の上端部85aに接合される。
よって、ハウス後角稜部85および脚部45がダンパ支持部18からリヤフレーム21に向かうにつれて車体前後方向の間隔が徐々に広がるように延出される。すなわち、ハウス後角稜部85および脚部45が側面視で逆V字形状に設けられる。
また、ハウス後角稜部85の下端部85bがリヤフレーム21の張出部38に連結されている。ダンパ支持部18がハウス後角稜部85を介してリヤフレーム21に連結される。
加えて、ハウス後角稜部85、脚部45、リヤフレーム21は、剛性が高く確保されている。これにより、ハウス後角稜部85、脚部45およびリヤフレーム21でダンパ支持部18が安定状態に支持される。
内壁122は、頂部121の内端からハウス側壁83に向けて張り出される。外壁123は、頂部121の外端からハウス後壁82に向けて張り出される。内フランジ124は、内壁122の側端からハウス側壁83に沿って車体前方に向けて張り出される。外フランジ125は、外壁123の側端からハウス後壁82に沿って車幅方向外側に張り出される。
ハウス後角稜部85に頂部121が対向した状態において、内フランジ124がハウス側壁83に接合され、外フランジ125がハウス後壁82に接合される。また、補強脚部17の上端部17bがハウス周壁74の上端部74bに接合される。さらに、補強脚部17の下端部17aがハウス周壁74の下端部74cに接合される。
前ブラケット131および後ブラケット132で上クロスメンバ46の左端部47が断面略逆U字形の箱状に形成される。
前壁134の下端部がハウス前壁81の上端部81aに接合され、前壁134のフランジ134aがホイールハウス13のハウス張出部76に接合される。また、頂部135のフランジ135aがハウス張出部76に接合される。
頂部135の後端部135bが後ブラケット132の上端部132aに接合される。
後壁137の下端部がハウス後壁82の上端部82aに接合され、後壁137のフランジ137aがホイールハウス13のハウス張出部76に接合される。また、側壁138の下端部がハウス側壁83の上端部83aに接合され、側壁138の前端部が脚部45の上端部45aおよび上クロスメンバ46の後メンバ128に接合される。
前ブラケット131および後ブラケット132が断面略逆U字状に形成され、ハウス周壁74の上端部74bに接合される。ハウス周壁74の上端部74bは、ダンパ支持部18を形成する部位である。これにより、前ブラケット131および後ブラケット132でダンパ支持部18が補強される。
ここで、複数の板材を重ね合わせて溶接(具体的には、スポット溶接)する際に、通常、重ね合わせる板材が3枚を超えないように抑えることが好ましい。
これにより、周縁フランジ93、ハウス周壁74の上端部74b、および後ブラケット132の下端部132bの3部材を重ね合わせて溶接する接合作業を容易にできる。
よって、ダンパベース15がリヤバルクヘッド24の上端部24aにハウス周壁74の上端部74bを介して接合される。
また、後ブラケット132(具体的には、側壁138の前端部)が脚部45の上端部45aおよび上クロスメンバ46(具体的には、後メンバ128)の左端部128aに接合される。
よって、ダンパベース15が、ハウス周壁74の上端部74b、後ブラケット132の下端部132b(すなわち、リヤバルクヘッド24の上端部24a)を介して補強脚部17に接合される。
これにより、ダンパベース15を補強脚部17に接合する接合作業を容易にできる。
また、補強脚部17の上端部17bがハウス周壁74の上端部74bに接合される。さらに、補強脚部17の上端部17bが後ブラケット132の側壁138を介して脚部45の上端部45aに接合される。
これにより、例えば、ホイールハウス13の板厚寸法を必要以上に大きくすることなく、比較的大きな荷重を支えることが可能になり、車両重量の増加を良好に抑えることができる。
ハウス後角稜部85および脚部45が側面視で逆V字形状に設けられることにより、後脚部86および脚部45も側面視で逆V字形状に設けられる。
よって、後脚部86、脚部45およびリヤフレーム21でダンパ支持部18が安定された状態に支持される。この状態において、ダンパ16の取付ブラケット41(図3参照)が、車体前後方向において、後脚部86および脚部45間に配置される。
ダンパ支持部18に伝えられた荷重F1が、後脚部86および脚部45を経てリヤフレーム21に引張荷重として好適に伝えられる。リヤフレーム21に伝えられる引張荷重がリヤフレーム21で支えられる。
これにより、逆V字形状を形成する専用の部材を備える必要がなく、車両重量の増加を良好に抑えることができる。
よって、脚部45に伝えられる荷重を、矩形枠状のリヤバルクヘッド24(特に、稜線状の部位)に伝え、リヤバルクヘッド24で荷重を支えることができる。これにより、ダンパ支持部18にダンパ16(図3参照)から入力した荷重F1により、車体後部構造10に捩れ変形(特に、車体後部構造10の上下方向への捩れ変形)などが発生することを抑制でき、操縦安定性の向上が図れる。
これにより、ダンパ16からダンパ支持部18に荷重F1が伝えられた場合、伝えられる荷重F1が上クロスメンバ46の左端部47および連結ブレース141を経てリヤピラー26に伝えられる。
これにより、ダンパ支持部18(特に、ダンパベース15)の板厚寸法を抑えた状態で、ダンパ16からダンパ支持部18に伝えられる荷重F1を支えることができる。
同様に、右側のリヤフレーム21の前取付部144にサブフレーム23の右側部の前取付部147がボルト151で連結される。また、右側のリヤフレーム21の後取付部145にサブフレーム23の右側部の後取付部148がボルト151で連結される。
左側のダンパ16からサブフレーム23の左側部に入力した荷重が、左側のリヤフレーム21の前取付部144および後取付部145に荷重F4、荷重F5として伝えられる。同様に、右側のダンパ16からサブフレーム23の右側部に入力した荷重が、右側のリヤフレーム21の前取付部144および後取付部145に荷重F6、荷重F7として伝えられる。
さらに、左側の三角枠部31および右側の三角枠部31がリヤバルクヘッド24の上クロスメンバ46、リヤバルクヘッド24の下クロスメンバ48、後クロスメンバ25で連結されることにより三角柱枠体35が形成されている。三角柱枠体35は剛性の高い部位である。
左側のダンパ支持部18および右側のダンパ支持部18は、袋状に形成された剛性の高い部位である。よって、左側のダンパ支持部18および右側のダンパ支持部18で三角柱枠体35が補強されている。
左側のダンパ支持部18および右側のダンパ支持部18で三角柱枠体35が補強されることにより、車体後部構造10の重量増加を抑えた状態で剛性を高く確保できる。
同様に、サブフレーム23の右側部から右側のリヤフレーム21の前取付部144および後取付部145に伝えられる荷重F6,F7を、右側の三角枠部31や三角柱枠体35で支えることができる。
これにより、左側のダンパ16から左側のダンパ支持部18に伝えられた荷重F1(図3参照)や、右側のダンパ16から右側のダンパ支持部18に伝えられた荷重F1を三角柱枠体35で良好に支えることができる。
図17(a)に示すように、ホイールハウス13のハウス空間14にダンパベース15が設けられ、ダンパベース15にダンパ16の取付ブラケット41が取り付けられる。
よって、例えば車両走行の状態において、ダンパ16からダンパ取付部91に荷重F8が入力する。
これにより、ダンパ16からダンパベース15に入力する荷重F8をダンパ支持部18で好適に支えることができる。
ここで、脚部45のフランジ接合部56が上コーナ部53から下コーナ部54まで延出され、上コーナ部53や下コーナ部54の剛性がフランジ接合部56で確保されている。
これにより、上コーナ部53に伝えられる圧縮荷重F11を上コーナ部53のフランジ接合部56で支えることができる。また、下コーナ部54に伝えられる引張荷重F12を下コーナ部54のフランジ接合部で支えることができる。
リヤフレーム21は車体前後方向に延びる剛性の高い骨格部材であり、伝えられた引張荷重がリヤフレーム21で好適に支えられる。
図19(a)に示すように、左側の三角枠部31の上部32が左側のダンパ支持部18で補強され、右側の三角枠部31の上部32が右側のダンパ支持部18で補強されている。よって、左側のダンパ支持部18および右側のダンパ支持部18で三角柱枠体35が補強される。
また、サブフレーム23の左側部の後取付部148から左側のリヤフレーム21の後取付部145に荷重F12が伝えられる。
また、サブフレーム23の右側部の後取付部148から右側のリヤフレーム21の後取付部145に荷重F14が伝えられる。
これにより、サブフレーム23から伝えられる荷重F11〜F14で、車体後部構造10に捩れ変形(特に、車体後部構造10の上下方向への捩れ変形)などが生じることを抑えることが可能になり、操縦安定性の向上が図れる。
同様に、右側のダンパ16から右側のダンパ支持部18に伝えられた荷重F8を三角柱枠体35(特に、右側の三角枠部31)で良好に支えることができる。
例えば、前記実施例では、ホイールハウス13のハウス後角稜部85を跨ぐように補強脚部17を設ける例について説明したが、これに限らないで、補強脚部17を設けない構成とすることも可能である。
これにより、実施例と同様に、ダンパ16からダンパ支持部18に伝えられる荷重が、ハウス後角稜部85および脚部45を経てリヤフレーム21に引張荷重として伝えられる。リヤフレーム21に伝えられた引張荷重がリヤフレーム21で好適に支えられる。
例えば、ダンパ16の取付ブラケット41およびダンパベース15を締結するボルト116、ナット117の近傍にバルクヘッド105を設けることで同様の効果を得ることが可能である。
例えば、リヤフレーム21の前取付部144および後取付部145を三角枠部31の前部33および後部34に対して上下方向に一致させることも可能である。
13 ホイールハウス(一対のホイールハウス)
14 ホイールハウスのハウス空間(内部)
15 ダンパベース
16 ダンパ
17 補強脚部
17a 補強脚部の下端部
17b 補強脚部の上端部
18 ダンパ支持部
19 ダンパ支持部の内部
21 リヤフレーム(一対のリヤフレーム)
22 フロアパネル
24 リヤバルクヘッド
24a リヤバルクヘッドの上端部(上クロスメンバの左端部47)
25 後クロスメンバ
27 車室
28 後部荷室
31 三角枠部(一対の三角枠部)
32 三角枠部の上部(脚部の上端部45a)
33 三角枠部の前部(脚部の下端部45b)
34 三角枠部の後部(補強脚部の下端部17a)
35 三角柱枠体
38 張出部
42 後輪
45 脚部(一対の脚部)
45a 脚部の上端部
45b 脚部の下端部
46 上クロスメンバ
48 下クロスメンバ
51 バルクヘッド開口部(開口部)
53 上コーナ部
54 下コーナ部
56 フランジ接合部
58 前板部
59 後板部
61 前脚壁
63 前フランジ
65 内側脚壁
66 後脚壁
68 後フランジ
74 ハウス周壁
74b ハウス周壁の上端部
75 ハウス頂部
85 ハウス後角稜部(ハウス角稜部)
91 ダンパ取付部
91a ダンパ取付部の外側部
91b ダンパ取付部の外周
92 支持壁部
92a 支持壁部の外周
93 周縁フランジ
105 バルクヘッド
107 バルクヘッドの下フランジ(下端部)
109 バルクヘッドの上フランジ(上端部)
116,117 ボルト、ナット(締結部)
Claims (4)
- 車体前後方向に延びるリヤフレームと、該リヤフレームに設けられるホイールハウスと、前記ホイールハウスの車外側に配置されるダンパと、を備え、該ダンパで後輪が支持される車体後部構造において、
前記ホイールハウスに接合されて車室と後部荷室を仕切り、前記リヤフレームに向けて車体前方へ下り勾配に傾斜するリヤバルクヘッドと、
該リヤバルクヘッドに前記ホイールハウスを介して接合されることにより前記ホイールハウスの車外側に配置され、前記ダンパが連結されるダンパベースと、を備え、
前記ホイールハウスは、
前記後輪を車室側から覆い、前記リヤフレームに向けて車体後方へ下り勾配に傾斜するハウス角稜部を有するハウス周壁と、
該ハウス周壁の上端部に形成されるハウス頂部と、を備え、
前記ホイールハウスの車外側に前記ダンパベースが接合されることにより、前記ダンパベースおよび前記ホイールハウスでダンパ支持部が袋状に形成され、
該ダンパ支持部が、前記リヤバルクヘッドを介して前記リヤフレームに連結され、かつ、前記ハウス角稜部を介して前記リヤフレームに連結され、
前記リヤバルクヘッドおよび前記ハウス角稜部が、前記ダンパ支持部から前記リヤフレームに向かうにつれて間隔が徐々に広がるように側面視で逆V字形状に形成され、
前記ホイールハウスは、前記リヤバルクヘッドの車幅方向両側に設けられ、
前記リヤバルクヘッドは、
前記車幅方向両側のホイールハウスにそれぞれ接合される一対の脚部と、
前記一対の脚部の各上端部を連結する上クロスメンバと、
該上クロスメンバの下方に配置され、前記一対の脚部の各下端部を連結する下クロスメンバと、を備え、
前記一対の脚部、前記上クロスメンバおよび前記下クロスメンバで前記リヤバルクヘッドが環状に形成されることにより、前記リヤバルクヘッドに開口部が形成され、
前記脚部が前記上クロスメンバに交差することにより上コーナ部が形成され、前記脚部が前記下クロスメンバに交差することにより下コーナ部が形成され、
前記脚部は、
前記ホイールハウスに接合されて前記脚部の前脚壁を形成し、前記開口部側に張り出される前フランジを有する前板部と、
前記ホイールハウスに接合されて前記脚部の内側脚壁および後脚壁を形成し、前記前フランジに車体後方側から接合される後フランジを有する後板部と、を備え、
前記前フランジおよび前記後フランジが接合されたフランジ接合部が前記開口部側に張り出され、かつ、前記フランジ接合部が前記上コーナ部から前記下コーナ部まで延出されることを特徴とする車体後部構造。 - 前記ダンパベースが前記ホイールハウスを介して前記リヤバルクヘッドの前記脚部に接合され、
前記脚部が前記リヤフレームに接合される請求項1記載の車体後部構造。 - 前記ダンパベースは、
前記ハウス頂部の下方において前記ホイールハウスの車外側に配置され、前記ダンパが取り付けられるダンパ取付部と、
該ダンパ取付部から上向きに立ち上げられる支持壁部と、
前記ダンパ取付部および前記支持壁部の各外周に沿って形成され、前記ホイールハウスに接合される周縁フランジと、を有し、
前記周縁フランジが前記ホイールハウスに接合されることにより前記ダンパ支持部が袋状に形成され、
前記ダンパ支持部の内部にバルクヘッドが設けられ、
該バルクヘッドの下端部が前記ダンパ取付部に接合され、前記バルクヘッドの上端部が前記ハウス頂部に接合され、
前記バルクヘッドの下端部が、前記ダンパ支持部に前記ダンパを取り付ける締結部で締結される請求項1記載の車体後部構造。 - 前記車体後部構造は、
前記リヤフレームから前記ハウス角稜部に沿って上向きに延出され、前記ハウス角稜部を跨ぐように前記ホイールハウスに設けられる補強脚部を備え、
前記リヤフレームは、
前記ホイールハウスに沿って上方に張り出される張出部を備え、
前記補強脚部は、
該補強脚部の下端部が前記張出部に接合され、かつ、前記補強脚部の上端部が前記リヤバルクヘッドに接合され、
前記リヤバルクヘッドは、
車幅方向両側のホイールハウスにそれぞれ接合される一対の脚部と、
前記一対の脚部の各上端部を連結する上クロスメンバと、
該上クロスメンバの下方に配置され、前記一対の脚部の各下端部を連結する下クロスメンバと、を備え、
前記一対の脚部、前記上クロスメンバおよび前記下クロスメンバで環状に形成され、
前記車体後部構造は、
前記ホイールハウスが前記リヤバルクヘッドの車幅方向両側に設けられることにより、前記補強脚部が車幅方向両側に設けられ、さらに、前記リヤフレームが車幅方向両側に設けられ、
前記車幅方向両側の前記リヤフレームに架け渡され、前記補強脚部の下端部に連結される後クロスメンバを備え、
前記リヤフレーム、前記補強脚部、および前記リヤバルクヘッドの脚部で側面視略三角形の三角枠部が形成されることにより該三角枠部が車幅方向両側に設けられ、
前記車幅方向両側の三角枠部の上部、前部および後部が前記上クロスメンバ、前記下クロスメンバおよび前記後クロスメンバでそれぞれ連結されることにより三角柱枠体が形成され、
前記車幅方向両側の三角枠部の上部に前記ダンパ支持部が設けられる請求項1記載の車体後部構造。
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