JP6252202B2 - 口腔内塗布用固形スティック製剤 - Google Patents

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Description

本発明は、成形性と口腔内での使用性とが優れ、スティック形状を維持しつつ唾液によって溶けて歯面、歯肉等の適用部位に滑らかに塗布、使用することができる、水溶性基剤を用いた口腔内用固形スティック製剤に関する。
口腔内の歯面、歯肉等に直接に塗布し、特に高効果を期待して使用する製剤として、液剤や軟膏剤などがあるが、液剤は唾液で流されて短時間で消失してしまうために持続的な効果を得難く、また、軟膏剤は口腔内に滞留しやすいものの、その物性ゆえに目的部位に塗布し難く、塗布後に口腔内で違和感を生じることが多く使用感にも問題があった。
これらの問題を解消するものとして、リップクリームのようなスティック形状の固形製剤が適当であるとは考えられる。
しかし、口腔内での使用に適する水溶性基剤を用いてスティック製剤を調製すると、十分な成形性が得られず、比較的高温の保存条件下で溶解し形状を保持できなくなり、デザインが崩れたり、輸送時にトラブルが生じる問題や、口腔内に塗布時に形状が崩れたり折れてスティック形状を維持できず、連続使用できなくなるという問題があった。また一方、成形性を高めると口腔内に滑らかに塗布することができなくなり、口腔内使用に適さなくなるという問題が生じた。
なお、特許文献1(特開2002−114656号公報)には、非水系口腔用組成物を製造するのに適する基剤がポリエチレングリコール等を含有し、水存在下では不安定な有効成分を安定配合できることが提案され、特許文献2(特開2002−275066号公報)には、ポリエチレングリコール等の水溶性多価アルコールを含有し、フィルム状に調製される粘膜貼付剤、特許文献3(特開2003−55178号公報)には、多価アルコールを含有し歯磨き剤等に調製される半固形状口腔用組成物が提案されている。しかし、これらは口腔内に用いるスティック製剤について言及されていない。
特開2002−114656号公報 特開2002−275066号公報 特開2003−55178号公報
従って、水溶性基剤を用いた固形スティック製剤において、スティック形状を維持し得る適度な成形性を与えつつ口腔内に滑らかに塗布し得る良好な使用性を付与することは技術的に難しく、適度な成形性と口腔内での使用性とを両立し得る技術の開発が望まれた。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、成形性と口腔内での使用性とが優れ、スティック形状を維持しつつ唾液によって溶けて口腔内の適用部位に滑らかに塗布、使用することができる、口腔内用固形スティック製剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、水溶性基剤として組成中に含まれるポリエチレングリコールの平均分子量が1,500〜10,000であり、平均分子量2,600〜25,000のポリエチレングリコール(A)を30〜80質量%含有し、実質的に水を含まないことによって、成形性と口腔内での使用性とが優れ、スティック形状を維持しつつ唾液によって溶けて口腔内の適用部位に滑らかに塗布、使用することができる、口腔内用固形スティック製剤が得られることを知見した。
本発明では、水溶性基剤として含まれるポリエチレングリコールの平均分子量が特定範囲内で、かつ特定平均分子量のポリエチレングリコールの含有量が特定範囲であることで、スティック形状を維持し得る適度な成形性と口腔内での使用性とが両立し、上記特異的かつ格別の作用効果を付与できる。よって、本発明製剤は、使用時の滑らかさ、使用時の成形性、高温安定性が共に優れ、室温では固形状であるが比較的高温下、例えば45℃以上の温度でも溶けず製剤形状を安定に保持し、かつ口腔内、特に歯面、歯肉等の適用部位に塗布時に物理的な力によって製剤形状が崩れたり折れることなくスティック形状を維持し得る適度な成形性を有すると共に唾液で適度に溶けて滑らかに所定部位になじませることができ、良好な使用感、使用性を与え、口腔内への直接塗布使用に適する。また、塗布後は適用部位に適度に滞留しべたつき感もなく、更に、配合した薬効成分等を浸透させてその効果を十分に付与することもでき、連続使用することもできる。
本発明製剤は、更に、平均分子量190〜630のポリエチレングリコール(B)を10〜50質量%含有し、特にポリエチレングリコール(A)/ポリエチレングリコール(B)が質量比として0.5〜5であると、成形性と使用時の滑らかさが向上し、より優れた効果を与えることができる。
更に、グリセリン(C)を配合すると、使用性がより向上する。
また更に、薬効成分等の油溶性薬効成分(D)を配合すると、上記効果が優れると共に(D)成分由来の効果を有効に付与することができる。
従って、本発明は下記の口腔内塗布用固形スティック製剤を提供する。
〔1〕
水溶性基剤として組成中に含まれるポリエチレングリコールの平均分子量が1,500〜10,000であり、平均分子量2,600〜25,000のポリエチレングリコール(A)を30〜80質量%、平均分子量190〜630のポリエチレングリコール(B)を10〜50質量%、及びグリセリン(C)を5〜40質量%含有し、水の含有量が0〜5質量%であることを特徴とする口腔内塗布用固形スティック製剤。
〔2〕
(A)成分のポリエチレングリコールとして、ポリエチレングリコール6000を(A)成分全体に対して50〜100質量%含有する〔1〕に記載の口腔内塗布用固形スティック製剤。
〔3〕
B)成分のポリエチレングリコールとしてポリエチレングリコール400を含有する〔1〕又は〔2〕に記載の口腔内塗布用固形スティック製剤。

(A)成分/(B)成分が質量比として〜5である〔1〕、〔2〕又は〔〕に記載の口腔内塗布用固形スティック製剤。

更に、油溶性薬効成分(D)を含有する〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の口腔内塗布用固形スティック製剤。

円柱状又は四角柱状であり、長さが20〜100mm、かつ両端部の面積がそれぞれ7〜100mm2である〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の口腔内塗布用固形スティック製剤。

歯面又は歯肉への塗布用である〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の口腔内塗布用固形スティック製剤。
本発明によれば、成形性と口腔内での使用性とが優れ、スティック形状を維持しつつ唾液によって溶けて口腔内の適用部位に滑らかに塗布、使用することができる、口腔内用固形スティック製剤を提供できる。また、この製剤は、適用部位に適度に滞留しべたつき感もなく、配合した薬効成分等を適用部位に浸透させてその効果を十分に付与することもでき、連続使用も可能である。
以下、本発明につき更に詳述する。本発明の口腔内用固形スティック製剤は、水溶性基剤として組成中に含まれるポリエチレングリコールの平均分子量が1,500〜10,000であり、平均分子量2,600〜25,000のポリエチレングリコール(A)を適切量含有し、実質的に水を含まないことを特徴とする。
本発明製剤は、水溶性基剤が主成分であり、この水溶性基剤としてポリエチレングリコールを含み、組成中に含まれるポリエチレングリコールの平均分子量が1,500〜10,000、好ましくは2,600〜7,000、より好ましくは5,200〜6,400である。平均分子量が大きいほど成形性は向上し、平均分子量が1,500以上であると、成形性が優れ、使用時に形状を保持でき、良好な高温安定性が得られる。平均分子量が10,000以下であると、固化時間が適度となり滑らかな使用感、使用性を付与でき、また製造に適するもので、上記範囲内において本発明の目的を達成できる。
なお、ポリエチレングリコールの平均分子量は、外原規(医薬部外品原料規格)に収載される測定法による値である。具体的には、所定量のポリエチレングリコールをピリジン溶液中で無水フタル酸と熱時反応させ、フタル酸エステルとし、フェノールフタレインピリジン溶液を指示薬として水酸化ナトリウム液でポリエチレングリコールフタレート及び過剰のフタル酸を滴定し、アルカリの消費量から平均分子量を求めた(以下、同様)。
この場合、本発明では、ポリエチレングリコールとして、平均分子量が2,600〜25,000、好ましくは3,000〜20,000、より好ましくは3,000〜10,000である室温で固形状のポリエチレングリコール(A)を含有する。
組成中に含まれるポリエチレングリコールの平均分子量を上記範囲内にすると共に本発明の効果を与えるには、ポリエチレングリコール(A)を適切量含有することが重要である。
(A)成分のポリエチレングリコールとしては、外原規記載のポリエチレングリコール4000、ポリエチレングリコール6000、ポリエチレングリコール11000、ポリエチレングリコール20000等が挙げられ、1種又は2種以上を使用し得る。中でもポリエチレングリコール4000、ポリエチレングリコール6000、特にポリエチレングリコール6000が好適である。
本発明では、(A)成分としてポリエチレングリコール6000を含有することが、効果発現、特に成形性と滑らかな使用性の両立、製造しやすさの点でより好ましい。この場合、(A)成分中のポリエチレングリコール6000の含有量は好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは80%以上で、上限は100%である。
ポリエチレングリコール(A)の平均分子量は、上述したとおり外原規記載の平均分子量であり、ポリエチレングリコール4000(平均分子量2,600〜3,800)、ポリエチレングリコール6000(平均分子量7,480〜10,200)、ポリエチレングリコール11000(平均分子量9,300〜12,500)、ポリエチレングリコール20000(平均分子量15,500〜25,000)である。
これらのポリエチレングリコールは、例えば三洋化成工業(株)から入手することができる市販品を使用でき、平均分子量が上記範囲内のものを使用できる。
ポリエチレングリコールの市販品は、商品によっては例えばポリエチレングリコール#4000等のように、ポリエチレングリコールと数値の間に#がつく場合がある。
(A)成分のポリエチレングリコールの配合量は、組成全体の30〜80%(質量%、以下同様。)であり、好ましくは40〜60%である。30%以上配合すると、組成中のポリエチレングリコールの平均分子量を上記範囲内にでき、優れた成形性を与えスティック製剤の形状を保持できる。80%以下であることで固化時間が適度となり、滑らかな使用感、使用性が得られ、製造も容易となる。
更に、ポリエチレングリコールとして、ポリエチレングリコール(A)に加え、平均分子量が190〜630であるポリエチレングリコール(B)を含有することが好ましい。ポリエチレングリコール(B)を配合すると、製造しやすさが向上する。また、予め他の配合成分を溶解、配合することもでき、この点でも好適である。
ポリエチレングリコール(B)は、室温で液体状のものであり、平均分子量は好ましくは190〜630、より好ましくは190〜420であることが、製造しやすさの点で好ましい。
(B)成分のポリエチレングリコールとしては、外原規記載のポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600が挙げられ、1種又は2種以上を使用し得るが、中でもポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、特にポリエチレングリコール400が好適である。
(B)成分としてポリエチレングリコール400を含有することが、効果発現の点でより好ましく、(B)成分中のポリエチレングリコール400の含有量は多いほうが望ましく、好ましくは40%以上、特に50%以上、とりわけ100%が好ましい。
これらポリエチレングリコール(B)の平均分子量は、ポリエチレングリコール200(平均分子量190〜210)、ポリエチレングリコール300(平均分子量280〜320)、ポリエチレングリコール400(平均分子量380〜420)、ポリエチレングリコール600(平均分子量570〜630)であり、例えば三洋化成工業(株)から入手することができる市販品を使用でき、平均分子量が上記範囲内のものを使用できる。
(B)成分のポリエチレングリコールを配合する場合、その配合量は、組成全体の10〜50%が好ましく、より好ましくは12〜50%、さらに好ましくは20〜50%である。組成中のポリエチレングリコールの平均分子量を上記範囲内にし、成形性を向上するには、ポリエチレングリコール(B)を10%以上配合することが好ましく、50%以下であることが、滑らかな使用性を付与するには好ましい。
(B)成分のポリエチレングリコールを配合する場合、(A)成分のポリエチレングリコールと(B)成分のポリエチレングリコールとの配合割合は、(A)/(B)が質量比として好ましくは0.5〜5、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは2〜3、特に好ましくは2.5〜3.0である。この範囲内であると、成形性及び使用時の滑らかさがより優れ、高温安定性が向上する。0.5以上であることが、成形性を向上し形状を保持するには好適であり、5以下であることが、成形性を維持しつつ滑らかさを付与し使用性を向上するには好適である。
また、本発明においては、(A)成分としてポリエチレングリコール6000を含み、また、(B)成分としてポリエチレングリコール400を含むことが好ましく、より好ましくは(A)成分がポリエチレングリコール6000、(B)成分がポリエチレングリコール400である。
更にこの場合、(A)成分のポリエチレングリコール6000と、(B)成分のポリエチレングリコール400との含有割合は、ポリエチレングリコール6000/ポリエチレングリコール400が質量比として0.5〜5、特に1〜5、さらには2〜3、とりわけ2.5〜3.0であることが好ましく、この範囲内であると、本発明の効果がさらに優れる。
なお、ポリエチレングリコールとして、組成中に含まれるポリエチレングリコールの平均分子量が上記範囲内において、ポリエチレングリコール(A)、(B)に加えてこれら以外の1種又は2種以上のポリエチレングリコール、例えば外原規記載のポリエチレングリコール1000(平均分子量950〜1,050)などを、本発明の効果を妨げない範囲で含有してもよい。
本発明では、更にグリセリン(C)を含有することが好ましい。水溶性基剤としてグリセリン(C)を配合すると、より滑らかな塗り心地かつ良好な味が得られ、使用性が向上する。
(C)成分のグリセリンを配合する場合、その配合量は、組成全体の5〜40%が好ましく、より好ましくは10〜30%、さらに好ましくは15〜25%である。5%以上配合することが、滑らかな塗り心地かつ良好な味を与えるには好適であり、配合量が40%以下であることが、成形性の低下を防ぐには好適である。
更に、組成中に油溶性薬効成分(D)を配合することができる。本発明では、油溶性薬効成分(D)が組成中に均一に分散し、優れた成形性と使用性を維持しつつ(D)成分由来の効果、例えば殺菌効果、抗炎症効果等を有効に発現させることができる。
油溶性薬効成分としては、口腔用製剤に通常配合される各種薬効成分等を配合できる。具体的には、イソプロピルメチルフェノール等の非イオン性殺菌剤、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム等のカチオン性殺菌剤、酢酸トコフェロール、アスコルビン酸等のビタミン類等が挙げられる。
なお、上記油溶性薬効成分は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量配合できるが、組成全体の10%以下が好ましく、より好ましくは0.01〜1%である。
また更に、任意添加成分として、口腔用製剤に通常用いられる香料、サッカリンナトリウム等の甘味剤、水溶性の薬効成分などを適宜配合してもよい。香料成分としてリモネン、バニリルエチルエーテル等を配合することもできる。
本発明においては、組成中に実質的に水を含まないものであり、非水系の組成であり、かかる組成で成形性及び使用性を両立でき、折れにくく滑らかに塗布できる良好な使用性、使用感を有する固形スティック製剤を得ることができる。ここで、「実質的に水を含まない」とは、組成中の水分量が組成全体に対して好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下のものであり、下限値は0%である。なお、本発明の製剤は、水が無配合であるが、組成中に配合されるグリセリン等の成分中に水が微量含まれる場合があるため(吸湿分など)、これらの理由を考慮したうえで、これら以外に水を含まないものである。
本発明のスティック製剤は、上記成分を混合して通常の方法で調製し、適宜形状に成形できる。
スティック製剤は、口腔内、特に歯面や歯肉に直接塗布することができ、塗布後に唾液によって溶解可能な固形状のものであれば、その形状は特に制限されず、使用目的等に応じて円柱状、四角柱状などの形状に調製できるが、両端部の面積がそれぞれ7〜100mm2、特に7〜30mm2であり、長さ(高さ)が20〜100mm、特に30〜80mmのものが、携帯し易く、口腔内使用に適することから望ましい。なお、円柱状の場合は、両端部がそれぞれ直径3〜10mm、特に3〜5mmの円形であることが好ましい。
また、スティック製剤は、携帯し易い適宜な形態、形状のプラスチック容器に、押し出し可能に収容することが好ましい。適用時には収容容器から塗布可能な適量を押し出し口腔内に使用することができる。具体的には口紅、リップクリーム等と同様の形態に調製できる。
本発明のスティック製剤の使用法は特に限定されず、使用目的などに応じて調整し得る。例えば、口紅やリップクリームなどと同様の方法を採用し、歯面や歯肉に塗布し使用することができる。具体的には、適用する歯面や歯肉の部位に製剤、特にスティックの片端部を押しつけて接触させ、好ましくは密着させながら滑らせ、3〜5回程度往復させて塗布して適用することが好ましく、このように使用すると、唾液で溶解して適用部位に、より滑らかになじませることができ、また適度に滞留、浸透させ効果を向上できる。
以下、実施例及び比較例、処方例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示す。また、PEGはポリエチレングリコールの略記であり、ポリエチレングリコールの平均分子量は、上記と同様、外原規収載の測定法による値である。
[実施例、比較例]
表1〜3に示す組成の口腔内用固形スティック製剤を下記方法で調製した。得られた製剤を試験製剤として下記評価を行った。結果を表に併記する。
口腔内用固形スティックの調製方法;
表に示す組成中、ポリエチレングリコール(PEG)、グリセリン、サッカリンナトリウム、水を予め加熱融解し混合して冷却し、固化する直前で、その他の成分を添加、混合した。この混合物を内径4mm、長さ70mmの円筒状のモールドに流し込んで室温まで冷却し、固化させた。得られたスティック(直径4mm、長さ70mm)をモールドから取り出し、プラスチック製円筒容器に充填した。なお、比較例の製剤は、上記方法に準じて調製した。これを試験製剤として使用した。
使用性(使用時の滑らかさ)の評価方法;
試験製剤を、アプリケーターを用い、被験者の歯面及び歯肉に押しつけ滑らせながら3回往復させて塗布し、塗布した際に滑らかに所定部位になじませることができるかを評価した。「非常に良い」を4点、「良い」を3点、「やや良い」を2点、「悪い」を1点として、10名の被験者の平均点から以下の基準で使用時の滑らかさを評価した。◎、○〜◎、○のものを使用時に滑らかに所定部位になじませることができるものであると判断した。
◎ :3.5点以上
○〜◎:3.0点以上3.5点未満
○ :2.5点以上3.0点未満
△〜○:2.0点以上2.5点未満
△ :1.5点以上2.0点未満
× :1.0点以上1.5点未満
成形性の評価方法;
試験製剤を、アプリケーターを用い、被験者の歯面及び歯肉に押しつけ滑らせながら3回往復させて塗布し、塗布して使用時の形状変化について以下の基準で評価し、成形性を評価した。◎、○のものを適度な硬さで成形性がよいものであると判断した。
◎:使用時に強く適用部位に押し当ててもスティック形状が崩れない。
○:使用時にスティック形状が崩れない。
△:使用時にスティック形状が崩れることがある。
×:モールドから取り出す際にスティック形状が崩れ、使用できない。
高温安定性の評価方法;
試験製剤を試験管に入れ、室温で一晩静置後、恒温槽内に入れ昇温し、製剤が溶解してスティック形状が崩れる温度を目視にて測定した。以下の基準で高温安定性を評価した。◎、○〜◎、○のものを高温安定性がよいものであると判断した。
溶解温度
◎ :60℃以上
○〜◎:55℃以上60℃未満
○ :45℃以上55℃未満
△ :35℃以上45℃未満
× :35℃未満
使用原料の詳細を下記に示す。
(A)PEG4000
PEG−4000S、固体状(フレーク状)、平均分子量3400、
三洋化成工業(株)製
(A)PEG6000
PEG−6000S、固体状(フレーク状)、平均分子量8,300、
三洋化成工業(株)製
(A)PEG20000
PEG−20000、固体状(フレーク状)、平均分子量20,000、
三洋化成工業(株)製
(B)PEG400
PEG−400、液状、平均分子量400、三洋化成工業(株)製
(C)グリセリン
阪本薬品工業(株)製
(D)イソプロピルメチルフェノール(IPMP)
大阪化成(株)製
(D)塩化セチルピリジニウム(CPC)
和光純薬工業(株)製
PEG1000
PEG−1000、パラフィン状、平均分子量1,000、
三洋化成工業(株)製
Figure 0006252202
*;組成中に配合されたグリセリン等の成分に由来する水分の合計含有量(以下、同様。)。
Figure 0006252202
表1、2の固形スティック製剤は、成形性、使用時の滑らかさ、高温安定性が優れ、成形性と口腔内での使用性とが両立し、口腔内の適用部位でスティック形状を維持しつつ唾液によって溶けて滑らかに塗布、使用することができた。また、塗布後に適度に滞留し、べたつき感も抑えられ、使用に適するものであった。更に、(D)成分を配合すると(D)成分由来の効果が有効に発現した。
Figure 0006252202

**;液状になり、スティック製剤を製造することができなかった。
以下に処方例を示す。なお、使用原料は上記と同様である。
<処方例1>
PEG6000 60%
PEG400 20
グリセリン バランス
バニリルブチルエーテル 0.05
サッカリンナトリウム 0.2
香 料 1
合 計 100.0%
組成中に含まれるPEGの平均分子量;6,325
水分含量;0%
<処方例2>
PEG4000 10%
PEG6000 50
PEG400 20
グリセリン バランス
酢酸トコフェロール 0.05
サッカリンナトリウム 0.2
香 料 1
合 計 100.0%
組成中に含まれるPEGの平均分子量;5,713
水分含量;0%

Claims (7)

  1. 水溶性基剤として組成中に含まれるポリエチレングリコールの平均分子量が1,500〜10,000であり、平均分子量2,600〜25,000のポリエチレングリコール(A)を30〜80質量%、平均分子量190〜630のポリエチレングリコール(B)を10〜50質量%、及びグリセリン(C)を5〜40質量%含有し、水の含有量が0〜5質量%であることを特徴とする口腔内塗布用固形スティック製剤。
  2. (A)成分のポリエチレングリコールとして、ポリエチレングリコール6000を(A)成分全体に対して50〜100質量%含有する請求項1記載の口腔内塗布用固形スティック製剤。
  3. (B)成分のポリエチレングリコールとしてポリエチレングリコール400を含有する請求項1又は2記載の口腔内塗布用固形スティック製剤。
  4. (A)成分/(B)成分が質量比として〜5である請求項1、2又は記載の口腔内塗布用固形スティック製剤。
  5. 更に、油溶性薬効成分(D)を含有する請求項1乃至のいずれか1項記載の口腔内塗布用固形スティック製剤。
  6. 円柱状又は四角柱状であり、長さが20〜100mm、かつ両端部の面積がそれぞれ7〜100mm2である請求項1乃至のいずれか1項記載の口腔内塗布用固形スティック製剤。
  7. 歯面又は歯肉への塗布用である請求項1乃至のいずれか1項記載の口腔内塗布用固形スティック製剤。
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