JP6219083B2 - 耐熱性および寸法精度に優れる硬化物を形成する光硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
より詳細には、本発明は、(メタ)アクリロイルオキシ基を3個以上有する新規なウレタン化アクリル化合物を含有する光硬化性樹脂組成物、当該光硬化性樹脂組成物に用いる新規なウレタン化アクリル化合物およびその製造方法に関するものであり、本発明の光硬化性樹脂組成物は常温で液状を呈し取り扱い性に優れ、光硬化時の収縮が小さくて寸法精度に優れる光硬化物を形成することができ、しかも本発明の光硬化性樹脂組成物を光硬化して得られる硬化物は、耐熱性、硬度、力学的特性などに優れていて種々の用途に有効に用いることができる。
ウレタン化アクリル化合物は、代表的な光硬化性樹脂の1つであり、用途の拡大などに伴って、ウレタン化アクリル化合物を含有する光硬化性樹脂組成物に対しても、光硬化時の収縮が小さいこと、光硬化して得られる硬化物が耐熱性、硬度、力学的特性などに優れることなどが求められている。
これらの従来技術による場合は、光硬化物の耐熱性は向上するが、光硬化時の収縮が大きくなり易く、特に光硬化性樹脂組成物中の二重結合濃度を高くして架橋密度を大きくすることによって耐熱性を向上させた場合には、光硬化時の収縮が大きくなって生成する光硬化物の寸法精度の低下、光硬化物が皮膜である場合には基材との接着不良などが生じ易いものであった。
そして、本発明の目的は、当該光硬化性樹脂組成物の調製に有効なウレタン化アクリル化合物およびその製造方法を提供することである。
(1) 下記の一般式(I);
で表されるウレタン化アクリル化合物(I)および光ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物である。
(2) 前記ウレタン化アクリル化合物(I)以外のラジカル重合性化合物(II)を更に含有する前記(1)の光硬化性樹脂組成物である。
(3) 上記の一般式(I)におけるAが、脂肪族ジオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ジオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールヘキサグリシジルエーテルの6個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体から選ばれるエポキシ(メタ)アクリレート体から、グリシジル基と(メタ)アクリル酸との反応により生成した構造部分およびイソシアネート基と反応した水酸基部分を除いた残基である前記(1)または(2)の光硬化性樹脂組成物である。
また、本発明は、
(4) Dが、ジイソシアネート化合物の3量体であるイソシアヌレート体残基である前記(1)〜(3)のいずれかの光硬化性樹脂組成物;および、
(5) イソシアヌレート体残基が、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体残基、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体残基、またはメチレンビス(シクロヘキサンジイル)ジイソシアネートのイソシアヌレート体残基である前記(4)の光硬化性樹脂組成物;
である。
(6) 下記の一般式(I)
で表されるウレタン化アクリル化合物(I)である。
(7) 下記の一般式(i−a);
で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(i−a)と、下記の一般式(i−b);
で表されるイソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)をつくり、当該イソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)を、1個以上のグリシジルエーテル基を有し、水酸基を有するかまたは有しないグリシジルエーテル型エポキシ化合物にアクリル酸および/またはメタクリル酸を反応させて得られた下記の一般式(i−d);
で表されるエポキシ(メタ)アクリレート(i−d)と反応させて、下記の一般式(I);
で表されるウレタン化アクリル化合物(I)を製造する方法。
方法である。
そのため、ウレタン化アクリル化合物(I)を含有する本発明の光硬化性樹脂組成物を光硬化させると、硬化物全体に架橋点が均一またはほぼ均一に分布した架橋構造(重合構造)が形成されるため、光硬化時の収縮が小さくて寸法精度に優れる光硬化物(光硬化膜、成形品、立体造形物など)を形成することができ、しかもそれにより得られる光硬化物は局部的な欠陥がなくて光硬化物全体での物性の均一性に優れており、それに伴って高い熱変形温度を有し耐熱性に優れ、硬度が高くて耐傷つき性に優れ、しかも力学的特性などにも優れている。
ウレタン化アクリル化合物(I)を含有する本発明の光硬化性樹脂組成物から形成した硬化膜は、各種基材との接着性に優れていて各種基材に強固に接着し、しかも硬度が高くて耐傷つき性に優れており、耐候性に優れていて黄変などの変色を生じにくい。
本発明の光硬化性樹脂組成物に用いるウレタン化アクリル化合物(I)は、下記の一般式(I)で表され、アクリロイルオキシ基および/またはメタクリロイルオキシ基を両者の合計で1分子当り3個以上有する。
ウレタン化アクリル化合物(I)では、下記の一般式(I)にみるように、3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基のうちの一部の(メタ)アクリロイルオキシ基はウレタン結合を介してウレタン化アクリル化合物(I)の分子末端に結合し、残りの(メタ)アクリロイルオキシ基はウレタン結合を介さずにグリシジル基と(メタ)アクリル酸との反応により生成した構造部分の形態をなして酸素原子を介して残基Aに直接結合している。
上記の一般式(I)において、R3は水素原子または炭素数1〜4(具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)であり、水素原子、メチル基、エチル基であることが、合成の容易さの点から好ましい。
なお、上記の一般式(I)において、エポキシ(メタ)アクリレート体における前記した「グリシジル基と(メタ)アクリル酸との反応により生成した構造部分」とは、上記の一般式(I)において、残基Aに結合している3種類の基(上段、中段および下段の基)のうちの上段の基[ウレタン結合を介して末端に(メタ)アクリロイルオキシ基が結合している基]中の、残基Aに隣接する式「−O−CH2−CH{−CH2−O−CO−C(R2)=CH2}−O−」で表される構造部分および下段の基[すなわち、残基Aに直接結合している式「−O−CH2−CH(OH)−CH2−O−CO−C(R2)=CH2で表される構造部分」をいう。
また、上記の一般式(I)において、エポキシ(メタ)アクリレート体における前記した「イソシアネート基と反応した水酸基部分」とは、上記の一般式(I)において、中段の基「A−O−CO−NH−D−・・・」においてアンダーラインで示した酸素原子部分(イソシアネート基と反応してウレタン結合を形成している、上記の一般式(I)において向かって左側の酸素原子部分)をいう。
(G)g−A’−(OH)e (i−e)
(式中、A’はエポキシ化合物中のグリシジル基などのエポキシ基部分を除いた残基、Gはグリシジルオキシ基、eは0、1、2、3または4、gは1〜8の整数を示す。)
で表される1〜8個のグリシジル基を有し、0〜4個の水酸基を有するグリシジルエーテル型エポキシ化合物の全てのグリシジル基(g個のグリシジル基)が(メタ)アクリル酸と反応して(メタ)アクリル酸エステル結合を形成しているエポキシ(メタ)アクリレート体の残基A’であることが好ましい。
また、エポキシ(メタ)アクリレート体を形成するための上記の一般式(i−e)で表されるグリシジルエーテル型エポキシ化合物は、常温で液状を呈するウレタン化アクリル化合物(I)を得るために、脂肪族ポリオールのモノグリシジルエーテルまたはポリグリシジルエーテルであることが好ましい。
芳香族ポリオールのグリシジルエーテルから形成したエポキシ(メタ)アクリレート体を用いて得られるウレタン化アクリル化合物は、粘度が高すぎたり、常温で固体状を呈し、取り扱い性に劣る。
残基Dが由来するジイソシアネート化合物、トリイソシアネート化合物の種類は特に制限されず、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂肪族トリイソシアネート、芳香族トリイソシアネートのいずれであってもよい。
残基Dの具体例としては、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−フェニルメタンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、トリフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物から2個のイソシアネート基を除いた残基を挙げることができる。
また、残基Dは、ジイソシアネート化合物の3量体である下記の一般式(α−i);
そのため、残基Dがイソシアヌレート環を有する上記の一般式(α)で表される基である場合には、一般式(α)における基R4、R5およびR6は、ヘキサメチレン基であるか(残基Dがヘキサメチレンジイソシアネートの3量体に由来する基である場合)、メチレンビスシクロヘキシル基であるか[残基Dがメチレンビス(シクロヘキサンジイル)ジイソシアネートの3量体に由来する基である場合]、下記の式(β)で表される基である(残基Dがイソホロンジイソシアネートの3量体に由来する基である場合)ことが好ましい。下記の式(β)で表される基では、向かって左側の結合手(シクロヘキサン環に直接結合した結合手)および向かって右側の結合手(メチレン基を介してシクロヘキサン環に結合した結合手)のうち、向かって左側の結合手がイソシアヌレート環を形成している窒素原子に結合していてもよいし、または向かって右側の結合手がイソシアヌレート環を形成している窒素原子に結合していてもよい。
Eが2価の脂肪族炭化水素基である場合の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキサメチレン基などの炭素数1〜6のアルキレン基などを挙げることができる。Eが炭素数3〜6のアルキレン基である場合は直鎖状のアルキレン基であってもまたは分岐鎖状のアルキレン基であってもいずれでもよい。
そのうちでも、Eは、直接結合、メチレン基、エチレン基、直鎖状または分岐状のプロピレン基であることが、ウレタン化アクリル化合物(I)の製造の容易性、反応性、硬化膜の硬度などの点から好ましい。
また、上記の一般式(I)において、dは0、1、2、3または4、eは0、1、2、3または4、fは0、1、2、3または4であって、且つdとeの合計が2、3または4で、dとfの合計が1以上の整数である。
ウレタン化アクリル化合物(I)は、分子の末端にウレタン結合を介して式「−E−C(R3)3-a−CH2−O−CO−C(R1)=CH2」(式中、R1、R3、Eおよびaは前記と同じ)で表される基を2個以上有し、しかも分子の中心に近い部分に残基Aに結合した1個以上の式「−O−CH2−CH(−)−CH2−O−CO−C(R2)=CH2」(式中、R2は前記と同じ)で表される基および/または式「−O−CH2−CH(OH)−CH2−O−CO−C(R2)=CH2」(式中、R2は前記と同じ)で表される基を有し、重合性(架橋性)の(メタ)アクリロイルオキシ基がウレタン化アクリル化合物(I)分子の全体に分布している。
そのため、ウレタン化アクリル化合物(I)を含有する本発明の光硬化性樹脂組成物を光硬化させると、硬化物全体に架橋点が均一またはほぼ均一に分布した架橋構造(重合構造)が形成されるため、光硬化時の収縮が小さくて寸法精度に優れる光硬化物(光硬化膜、成形品、立体造形物など)を形成することができ、しかもそれにより得られる光硬化物は局部的な欠陥がなくて光硬化物全体での物性の均一性に優れており、それに伴って高い熱変形温度を有し耐熱性に優れ、硬度が高くて耐傷つき性に優れ、しかも力学的特性などにも優れている。
限定されるものではないが、ウレタン化アクリル化合物(I)の代表例として、以下の式《1》〜《24》で表されるウレタン化アクリル化合物を挙げることができる。
下記の式中、A、E、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびaは上記と同じであり、R7はジイソシアネート残基である。
で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(i−a)と、下記の一般式(i−b);
で表されるイソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)をつくり、当該イソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)を、1個以上のグリシジルエーテル基を有し、水酸基を有するかまたは水酸基を持たないグリシジルエーテル型エポキシ化合物にアクリル酸およびメタクリル酸の一方または両方を反応させて得られた下記の一般式(i−d);
で表されるエポキシ(メタ)アクリレート(i−d)と反応させて、下記の一般式(I);
で表されるウレタン化アクリル化合物(I)を製造する本発明の製造方法が好ましく採用される。
そのうちでも、ポリイソシアネート化合物(i−b)としては、光硬化性樹脂組成物を光硬化したときの収縮がより小さくなり、しかも耐熱性、取り扱いの容易さ、硬化膜の硬度などにより優れる光硬化物が得られる点から、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートの3量体(イソシアヌレート体)、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(イソシアヌレート体)が好ましく用いられる。
水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(i−a)とポリイソシアネート化合物(i−b)の反応に当たっては、一般に50〜150℃、特に70〜120℃の温度が好ましく採用される。
エポキシ(メタ)アクリレート(i−d)の製造に当たっては、グリシジルエーテル型エポキシ化合物中のグリシジル基の全てをアクリル酸および/またはメタクリル酸によってエステル化することが好ましく、そのために、一般的にはグリシジルエーテル型エポキシ化合物中のエポキシ基(グリシジル基)1個(1当量)に対して、アクリル酸および/またはメタクリル酸を1個(1モル)またはほぼ1個(1モル)の割合で反応させることが好ましい。
そのうちでも、本発明では、エポキシ(メタ)アクリレート(i−d)として、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基の全てに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレートなどが、エポキシ(メタ)アクリレート(i−d)の入手が容易であり、しかもウレタン化アクリル化合物(I)を含有する光硬化性樹脂組成物が寸法精度に優れ、硬化膜の耐溶剤性が良好なことから好ましく用いられる。
また、エポキシ(メタ)アクリレート(i−d)の製造反応を重合禁止剤(例えば、メチルイドロキノン、ヒドロキノン など)の存在下で行うことが好ましい。
また、エポキシ(メタ)アクリレート(i−d)の製造反応を反応液中に空気を吹き込みながら行うと、ポリマー成分の生成を抑制することができ好ましい。
一般的には、[エポキシ(メタ)アクリレート(i−d)が有するイソシアネート反応性水酸基の合計]:[イソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)中のイソシアネート基]のモル比(当量比)が、1:0.1〜1であることが好ましく、1:0.1〜1であることがより好ましく、1:0.1〜0.3であることが更に好ましい。
前記範囲から外れてイソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)の使用割合が多すぎると、未反応のイソシアネート基が残り、ウレタン化アクリル化合物(I)の安定性の低下、硬化物の濁りなどが生ずる。一方、前記範囲から外れてイソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)の使用割合が少なすぎると、硬化物の強度不足になり易い。
イソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)とエポキシ(メタ)アクリレート(i−d)の反応は、ウレタン化触媒の存在下で行うことが好ましく、また反応温度としては一般に50〜150℃、特に70〜120℃の温度が好ましく採用される。
本発明の光硬化性樹脂組成物がウレタン化アクリル化合物(I)と共に他のラジカル重合性化合物(II)を含有する場合は、他のラジカル重合性化合物(II)として、光照射を行った際にウレタン化アクリル化合物(I)と反応するかおよび/またはラジカル重合性化合物(II)同士が反応して硬化物を形成することのできる炭素―炭素間不飽和結合を有するラジカル重合性化合物であればいずれも用いることができ、そのうちでも(メタ)アクリル化合物および/またはアリル系化合物が好ましく用いられる。
他のラジカル重合性化合物(II)は、単官能性化合物のみを使用しても、多官能性化合物のみを使用しても、または単官能性化合物と多官能性化合物を併用してもよい。
また、他のラジカル重合性化合物(II)は、低分子量のモノマー、オリゴマーまたはある程度分子量の大きな化合物であってもよい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、他のラジカル重合性化合物(II)として、1種類のラジカル重合性化合物のみを含有していてもよいし、または2種類以上のラジカル重合性化合物を含有していてもよい。
本発明の光硬化性樹脂組成物がウレタン化アクリル化合物(I)と共に他のラジカル重合性化合物(II)を含有する場合は、他のラジカル重合性化合物(II)として、モノホリン(メタ)アクリルアミドおよび/またはジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレートが、光で硬化した際に体積収縮がより小さくて寸法安定性により優れるようになり、しかも光硬化して得られる硬化物の耐熱性および力学的特性がより良好になることから好ましく用いられる。
ウレタン化アクリル化合物(I)と他のラジカル重合性化合物(II)を前記した重量比で含有することによって、光硬化して得られる硬化物の耐熱性、硬度、力学的特性などが優れたものとなる。
ウレタン化アクリル化合物(I)の含有割合が前記した範囲よりも少ないと[他のラジカル重合性化合物(II)の含有割合が前記範囲よりも多いと]、光硬化して得られる硬化物の耐熱性、硬度、力学的特性などが低下し易くなり、また硬化物の収縮が大きくなることがある。
光重合開始剤(III)としては、ラジカル重合性化合物を含有する光硬化性樹脂組成物において従来から用いられている光ラジカル重合開始剤であればいずれも使用でき特に制限されない。
特定されるものではないが、本発明の光硬化性樹脂組成物で用い得る光ラジカル重合開始剤の具体例としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、アセトフェノン、3−メチルアセトフェノン、2−ヒドロキシメチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−プロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトノ、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラースケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾールなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
光ラジカル重合開始剤の使用量は、光硬化性樹脂組成物に含まれるラジカル重合性化合物の合計質量に基づいて、0.1〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物が溶媒型光硬化性樹脂組成物である場合には、光硬化性樹脂組成物の光硬化特性、得られる光硬化物の物性などを損なわない有機溶媒であればいずれも使用でき、本発明の光硬化性樹脂組成物で用い得る有機溶媒の例としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
有機溶媒を使用する場合の使用量は、光硬化性樹脂組成物に含まれる重合性化合物の合計質量に基づいて、0.1〜90質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましい。
前記した有機固体微粒子の例としては、架橋ポリスチレン系微粒子、架橋型ポリメタクリレート系微粒子、ポリエチレン系微粒子、ポリプロピオン系微粒子などを挙げることができ、また無機固体微粒子の例としてはガラスビーズ、タルク微粒子、酸化ケイ素微粒子などを挙げることができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物に有機固体微粒子および/または無機固体微粒子を含有させる場合は、アミノシラン、エポキシシラン、アクリルシランなどのシラン系カップリング剤で処理したものを用いると、光硬化して得られる硬化物の機械的強度が向上することが多く好ましい。シラン系カップリング剤処理を施したポリエチレン系固体微粒子および/またはポリプロピレン系固体微粒子を含有させる場合は、アクリル酸系化合物を1〜10質量%程度共重合させたポリエチレン系固体微粒子および/またはポリプロピレン系固体微粒子を用いると、シラン系カップリング剤との親和性が高くなるので好ましい。
例えば、本発明の光硬化性樹脂組成物を光学的立体造形に用いる場合は、上記した常温(25℃)における粘度を300〜10000mPa・sの範囲にすると、光学的に立体造形物を製造する際の取り扱い性が良好になり、しかも目的とする立体造形物を高い寸法精度で円滑に製造することができる。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物を光硬化膜の製造に用いる場合は、上記した常温(25℃)における粘度を10〜100000mPa・sの範囲にすると、光硬化膜を形成する際の塗工性、平滑性、ハンドリングなどが良好になる。
光硬化性樹脂組成物の粘度は、ウレタン化アクリル化合物(I)および他のラジカル重合性化合物(II)の種類の選択、両者の配合割合の調整、有機溶媒の使用の有無や使用量などを調整することによって調整することができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて光学的立体造形物や立体造形物を製造した場合には、光硬化時の収縮が小さくて寸法精度に優れ、しかも熱変形温度が高くて耐熱性に優れ、更に硬度が高く、力学的特性に優れる立体造形物や成形体を良好な作業性で円滑に製造することができる。
耐傷つき性の向上などのために本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて各種プラスチックからなるフィルム、シート、成形品などの表面に硬化膜を形成するに当たっては、従来既知の光硬化性樹脂組成物の塗装方法であるロールコート法、ディップコート法、スプレーコート法、カーテンコート法など公知の方法が適用できる。
基材上に形成させる硬化膜の厚さ(硬化後の膜厚)は、表面硬度の向上、活性エネルギー線を照射して形成される硬化膜の反り防止(カール防止)、充分な膜強度、生産コストなどの観点から、0.5〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましく、1〜20μmであることが更に好ましい。
以下の例中、ウレタン化アクリル化合物および光硬化性樹脂組成物の粘度の測定、光硬化時の体積収縮率の測定、光硬化して得られた硬化物の耐熱性の評価(熱変形温度の測定)、硬度および力学的特性(引っ張り特性)の測定、光硬化して得られた硬化膜の硬度(鉛筆硬度)の測定および耐傷つき性の評価は、次のようにして行った。
JIS K7117−2に準じて、測定試料(ウレタン化アクリル化合物または光硬化性樹脂組成物)の温度制御が可能な恒温水槽を付属した円錐−平板型回転粘度計(コーン・プレート型粘度計)を使用して、25℃における粘度を測定し、3回測定の平均値を採って粘度の値とした。
光硬化させる前の光硬化性樹脂組成物の比重(d0)と、光硬化して得られた光硬化物を紫外線(高圧水銀灯)(波長365nm;強度3.0mW/cm2)を20分間照射して後硬化(ポストキュア)したものの比重(d1)から、下記の数式(1)により収縮率を求めた。
収縮率(%)={(d1−d0)/d1}×100 (1)
以下の実施例で作製した光硬化物(JIS K−7171に準拠したバー形状の試験片)に紫外線(高圧水銀灯)(波長365nm;強度3.0mW/cm2)を20分間照射して後硬化(ポストキュア)したものを用い、東洋精機社製「HDTテスタ6M−2」を使用して、試験片に1.81MPaの荷重を加えるJIS K−7207(A法)および試験片に0.45MPaの荷重を加えるJIS K−7207(A法)に準拠して、試験片の熱変形温度を測定した。
以下の実施例で作製した光硬化物(JIS K−7113に準拠したダンベル形状の試験片)を紫外線(高圧水銀灯)(波長365nm;強度3.0mW/cm2)を20分間照射して後硬化(ポストキュア)したものの硬度(ショアD硬度)を、高分子計器社製の「アスカーD型硬度計」を使用して、JIS K−6253に準拠して、デュロメーター法により測定した。
以下の実施例で作製した光硬化物(JIS K−7113に準拠したダンベル形状の試験片)を紫外線(高圧水銀灯)(波長365nm;強度3.0mW/cm2)を20分間照射して後硬化(ポストキュア)したものを用いて、JIS K−7113にしたがって、試験片の引張破断強度(引張強度)、引張破断伸度(引張伸度)および引張弾性率を測定した。
JIS K5600−5−4に準じ、芯の硬度が2B〜4Hの鉛筆を使用し、鉛筆を45度の角度に傾けて、鉛筆の上から750gの荷重をかけて、30mm/分の速度で、試験片(硬化膜を形成したポリエステルフィルム、縦×横=10cm×15cm)上の硬化膜を10mm程度引っ掻き(鉛筆を硬化膜上で10mm程度走行させ)、傷のつき具合を目視により確認した。同じ硬化膜に対して同じ硬さの鉛筆を使用して同じ試験を5回行って、5回のうち、1回も傷がつかないかまたは1回のみで傷がついた時の鉛筆芯の硬さを、その硬化膜の鉛筆硬度とした。硬化膜の鉛筆硬度はF以上であることが好ましく、H以上であることがより好ましく、2H以上であることが更に好ましい。
試験片(硬化膜を形成したポリエチレンテレフタレートフィルム、縦×横=10cm×15cm)の硬化膜上に2cm2のスチールウール#0000(日本スチールウール株式会社製「ボンスター」)を載せ、スチールウールを、1cm2あたり500gの荷重をかけた状態で600cm/分の移動速度で硬化膜上を100往復させ、硬化膜の中央部の縦×横=1cm×1cmの面積部分に生じた傷の本数を目視によって数えて、下記の評価基準に従って耐傷つき性を評価した。
[硬化膜の耐傷つき性の評価基準]
◎:傷の本数が10本以下である。
○:傷の本数が11〜20本である。
△:傷の本数が21〜30本である。
×:傷の本数が31本以上である。
(1) トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(阪本薬品工業株式会社製「SR−TMP」、エポキシ当量=137;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル約50モル%、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル約40モル%およびトリメチロールプロパンモノグリシジルエーテル約10モル%からなる混合物)137.0g(1当量)を攪拌機、温度調節器、気体導入管、温度計および還流冷却管を備えた内容量500mLの四つ口フラスコに仕込み、触媒としてトリフェニルホスフィン0.627g(0.0024モル)、重合禁止剤としてメチルヒドロキノン0.21gを添加し、液面下部の気体導入管から空気を、還流冷却管からの排気ガス中の酸素濃度が20〜21%となるように吹き込んだ。アクリル酸72.0g(1.0モル)を側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を70〜80℃に保温した前記の四つ口フラスコに攪拌しながら1時間かけて滴下し、滴下終了後100〜110℃に反応温度を上げ10時間反応を行って、酸価1.0mgKOH/gの、下記の化学式(i−da)で表されるトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート(i−da)約50質量%、下記の化学式(i−db)で表されるトリメチロールプロパンジグリシジルエーテルジアクリレート(i−db)約40質量%および下記の化学式(i−dc)で表されるトリメチロールプロパンモノグリシジルエーテルモノアクリレート(i−dcを約10質量%からなるエポキシアクリレート体(OH当量209)を得た。
(ii) 2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレート(OH当量=214)428.0g(2.0当量)にメチルヒドロキノン0.43gを均一に混合溶解させた液を、予め50℃に保温しておいた側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を、上記(i)の四つ口フラスコ内に、当該フラスコの内温が60℃になった時点から攪拌下に滴下して混合し、当該フラスコ内に窒素ガスを導入しながら窒素雰囲気下にフラスコの内容物の温度を70〜80℃保ちながら同温度で24時間攪拌して、下記の化学式(i−ca)で表されるイソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−ca)を調製した。
(1) 実施例1の(1)と同じ操作を行って、酸価1.0mgKOH/gの、上記の化学式(i−da)で表されるトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート(i−da)約50質量%、上記の化学式(i−db)で表されるトリメチロールプロパンジグリシジルエーテルジアクリレート(i−db)約40質量%および上記の化学式(i−dc)で表されるトリメチロールプロパンモノグリシジルエーテルモノアクリレート(i−dc)約10質量%からなるエポキシアクリレート体(OH当量209)を得た。
(ii) ペンタエリスリトールポリアクリレート(ペンタエリスリトールトリアクリレート57質量%およびペンタエリスリトールテトラアクリレート43質量%からなる混合物:OH当量=523)1046.0g(2.0当量)にメチルヒドロキノン1.0gを均一に混合溶解させた液を、予め50℃に保温しておいた側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を、上記(i)の四つ口フラスコ内に、当該フラスコの内温が60℃になった時点から攪拌下に滴下して混合し、当該フラスコ内に窒素ガスを導入しながら窒素雰囲気下にフラスコの内容物の温度を70〜80℃保ちながら同温度で2時間攪拌して、下記の化学式(i−cb)で表されるイソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−cb)とペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物を得た。
(1) 実施例1で得られたウレタン化アクリル化合物(I−A)、(I−B)および(I−C)からなる液体100質量部、メチルイソブチルケトンおよびイルガキュア184(ラジカル重合開始剤)5質量部をよく混合して光硬化性樹脂組成物を調製した。この光造形用樹脂組成物の粘度を上記した方法で測定したところ150000mPa・s(50℃)であった。
(2) 上記(1)で得られ光硬化性樹脂組成物を用いて、160W 70mW/cm2×500mJ/cm2の条件下で光硬化を行って、縦×横×高さ=200mm×100mm×10mmの寸法を有する直方体形の光硬化物をつくり、その光硬化物を紫外線(高圧水銀灯)(波長365nm;強度3.0mW/cm2)を20分間照射して後硬化(ポストキュア)してその比重を測定して、上記した数式(1)により収縮率を求めたところ下記の表1に示すとおりであった。
(3) 上記(1)で得られ光硬化性樹脂組成物を用いて、160W 70mW/cm2×500mJ/cm2の条件下で光硬化を行って、JIS K−7171に準拠したバー形状の試験片をつくり、それに紫外線(高圧水銀灯)(波長365nm;強度3.0mW/cm2)を20分間照射して後硬化(ポストキュア)したものを用いて、東洋精機社製「HDTテスタ6M−2」を使用して、試験片に1.81MPaの荷重を加えるJIS K−7207(A法)および試験片に0.45MPaの荷重を加えるJIS K−7207(A法)に準拠して、試験片の熱変形温度を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(5) 上記(1)で得られた光硬化性樹脂組成物を用いて、160W 70mW/cm2×500mJ/cm2の条件下で光硬化を行って、JIS K−7113に準拠したダンベル形状の試験片(光硬化物)をつくり、それに紫外線(高圧水銀灯)(波長365nm;強度3.0mW/cm2)を20分間照射して後硬化(ポストキュア)したものを用いて、JIS K−7113にしたがって、試験片の引張破断強度(引張強度)、引張破断伸度(引張伸度)および引張弾性率を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(6) 厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に上記(1)で得られた光硬化性樹脂組成物を塗布した後160W 70mW/cm2×500mJ/cm2の条件下で光硬化させて厚さ約4μmの硬化膜を形成し、この硬化膜の鉛筆硬度を上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(7) 上記(6)で形成した硬化膜の耐傷つき性を上記した方法で評価したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(1) 実施例2で得られたウレタン化アクリル化合物(I−D)、(I−E)および(I−F)からなる液体73質量部、とペンタエリスリトールテトラアクリレート(他のラジカル重合性化合物)27質量部およびイルガキュア184(ラジカル重合開始剤)5質量部をよく混合して光硬化性樹脂組成物を調製した。この光造形用樹脂組成物の粘度を上記した方法で測定したところ300000mPa・s(25℃)であった。
(2) 上記(1)で得られ光硬化性樹脂組成物を用いて、実施例3の(2)〜(7)と同様にして、光硬化時の収縮率、光硬化物の熱変形温度、硬度(ショアD硬度)、引張破断強度(引張強度)、引張破断伸度(引張伸度)および引張弾性率を測定し、また光硬化膜の鉛筆硬度および耐傷つき性を調べたところ、下記の表1に示すとおりであった。
Claims (6)
- 下記の一般式(I);
[式中、R1およびR2は、それぞれ独立して水素原子またはメチル基であり、
R3は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、
Aは、脂肪族ジオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ジオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;および、脂肪族ヘキサオールヘキサグリシジルエーテルの6個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体から選ばれる脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート体から、グリシジル基と(メタ)アクリル酸との反応により生成した構造部分およびイソシアネート基と反応した水酸基部分を除いた残基であり、
Dは、ジイソシアネート残基またはトリイソシアネート残基であり、
Eは、直接結合または2価の脂肪族炭化水素基であり、
aは1、2または3、bは1または2、dは0、1、2、3または4、eは0、1、2、3または4、fは0、1、2、3または4であって且つdとeの合計が2、3または4であり、dとfの合計が1以上の整数である。]
で表されるウレタン化アクリル化合物(I)および光ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物。 - 前記ウレタン化アクリル化合物(I)以外のラジカル重合性化合物(II)を更に含有する請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
- Dが、ジイソシアネート化合物の3量体であるイソシアヌレート体残基である請求項1または2に記載の光硬化性樹脂組成物。
- イソシアヌレート体残基が、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体残基、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体残基、またはメチレンビス(シクロヘキサンジイル)ジイソシアネートのイソシアヌレート体残基である請求項3に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 下記の一般式(I)
[式中、R1およびR2は、それぞれ独立して水素原子またはメチル基であり、
R3は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、
Aは、脂肪族ジオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ジオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;および、脂肪族ヘキサオールヘキサグリシジルエーテルの6個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体から選ばれる脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート体からグリシジル基と(メタ)アクリル酸との反応により生成した構造部分およびイソシアネート基と反応した水酸基部分を除いた残基であり、
Dは、ジイソシアネート残基またはトリイソシアネート残基であり、
Eは、直接結合または2価の脂肪族炭化水素基であり、
aは1、2または3、bは1または2、dは0、1、2、3または4、eは0、1、2、3または4、fは0、1、2、3または4であって且つdとeの合計が2、3または4であり、dとfの合計が1以上の整数である。]
で表されるウレタン化アクリル化合物(I)。 - 下記の一般式(i−a);
(式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R3は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、Eは直接結合また2価の脂肪族炭化水素基であり、aは1、2または3である。]
で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(i−a)と、下記の一般式(i−b);
(式中、Dはジイソシアネート残基またはトリイソシアネート残基であり、bは1または2である。)
で表されるポリイソシアネート化合物(i−b)を反応させて、下記の一般式(i−c);
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R3は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Dはジイソシアネート残基またはトリイソシアネート残基、Eは直接結合または2価の脂肪族炭化水素基であり、aは1、2または3、bは1または2である。)
で表されるイソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)をつくり;
当該イソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)を、脂肪族ジオールモノグリシジルエーテル;脂肪族ジオールジグリシジルエーテル;脂肪族トリオールモノグリシジルエーテル;脂肪族トリオールジグリシジルエーテル;脂肪族トリオールトリグリシジルエーテル;脂肪族テトラオールモノグリシジルエーテル;脂肪族テトラオールジグリシジルエーテル;脂肪族テトラオールトリグリシジルエーテル;脂肪族テトラオールテトラグリシジルエーテル;脂肪族ペンタオールモノグリシジルエーテル;脂肪族ペンタオールジグリシジルエーテル;脂肪族ペンタオールトリグリシジルエーテル;脂肪族ペンタオールテトラグリシジルエーテル;脂肪族ペンタオールペンタグリシジルエーテル;脂肪族ヘキサオールモノグリシジルエーテル;脂肪族ヘキサオールジグリシジルエーテル;脂肪族ヘキサオールトリグリシジルエーテル;脂肪族ヘキサオールテトラグリシジルエーテル;脂肪族ヘキサオールペンタグリシジルエーテル;および脂肪族ヘキサオールヘキサグリシジルエーテルから選ばれる脂肪族グリシジルエーテル型エポキシ化合物中の全てのグリシジル基にアクリル酸および/またはメタクリル酸を反応させて得られた下記の一般式(i−d);
[式中、R2は、水素原子またはメチル基であり、
Aは、脂肪族ジオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ジオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;および、脂肪族ヘキサオールヘキサグリシジルエーテルの6個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体から選ばれる脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート体からグリシジル基と(メタ)アクリル酸との反応により生成した構造部分および水酸基部分を除いた残基であり、
hは0、1、2、3、4または5、gは1〜6の整数である。]
で表されるエポキシ(メタ)アクリレート(i−d)と反応させて、下記の一般式(I);
[式中、R1およびR2は、それぞれ独立して水素原子またはメチル基であり、
R3は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、
Aは、脂肪族ジオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ジオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;および、脂肪族ヘキサオールヘキサグリシジルエーテルの6個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体から選ばれる脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート体からグリシジル基と(メタ)アクリル酸との反応により生成した構造部分およびイソシアネート基と反応した水酸基部分を除いた残基であり、
Dは、ジイソシアネート残基またはトリイソシアネート残基であり、
Eは、直接結合または2価の脂肪族炭化水素基であり、
aは1、2または3、bは1または2、dは0、1、2、3または4、eは0、1、2、3または4、fは0、1、2、3または4であって且つdとeの合計が2、3または4であり、dとfの合計が1以上の整数である。]
で表されるウレタン化アクリル化合物(I)を製造する方法。
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