JP6209142B2 - 熱電変換素子 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、熱電変換材料としてカーボンナノチューブを使用する旨が開示されている。
本発明者らは、特許文献1に記載されるようなカーボンナノチューブを含む熱電変換層を備える熱電変換素子の熱電変換性能(性能指数ZT)について検討を行ったところ、昨今要求されるレベルを満たしておらず、更なる改良が必要であることを知見した。
より具体的には、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
熱電変換層の一方の主面上に配置された第1の電極と、
熱電変換層の他方の主面上に配置された第2の電極とを有し、
前記微粒子が、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリアクリルアミド、および、これらの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の有機微粒子、を含み
後述する式(1)で表される、熱電変換層中のカーボンナノチューブの配向度Dが6.0より小さい、熱電変換素子。
(2) 有機微粒子が、架橋構造を有する、(1)に記載の熱電変換素子。
(3) 微粒子の平均長径が、1.0μm以下である、(1)または(2)に記載の熱電変換素子。
(4) 微粒子の形状が、球形状である、(1)〜(3)のいずれかに記載の熱電変換素子。
(5) 微粒子の含有量が、熱電変換層全質量に対して、30〜60質量%である、(1)〜(4)のいずれかに記載の熱電変換素子。
(6) カーボンナノチューブの含有量が、熱電変換層全質量に対して、5質量%以上である、(1)〜(5)のいずれかに記載の熱電変換素子。
(7) 式(1)で表される、熱電変換層中のカーボンナノチューブの配向度Dが0.1以上で6.0より小さい、(1)〜(6)のいずれかに記載の熱電変換素子。
本発明の熱電変換素子の特徴点の一つとしては、熱電変換層中に微粒子およびカーボンナノチューブ(以後、単に「CNT」とも称する)を含有させ、CNTの配向状態を制御している点が挙げられる。本発明の効果が得られる詳細は不明だが、以下のように推測される。
一般的に、CNTは、その長い形状のため、熱電変換層の面方向(主面に沿った方向)に沿って配向しやすい。しかし、電極が熱電変換層の上下に配置される場合、上記のようにCNTが面方向に沿って配向すると、面方向での導電率が向上するものの、電極間方向での導電率上昇にはあまり寄与せず、結果として所望の熱電変換特性が得られない。本発明者らは、熱電変換層中に微粒子を含有させることにより、熱電変換層中に含まれるCNTが延びる方向を制御している。つまり、図1に示すように、第1の電極13および第2の電極15で挟まれた熱電変換層14に微粒子10を含有させることにより、CNT11が面内方向に伸びるのを阻害し、その一部を熱電変換層14の厚み方向に配向させている。特に、後述する配向度Dが所定の範囲であれば、所望の効果が得られることを見出している。
図2に示す熱電変換素子1は、第1の基材12上に、第1の電極13および第2の電極15を含む一対の電極と、第1の電極13および第2の電極15間に、微粒子とカーボンナノチューブとを含む熱電変換層14を備えている。つまり、熱電変換層14の互い対向する2つの主面上に、第1の電極13および第2の電極15がそれぞれ配置されている。第2の電極15の他方の表面には第2の基材16が配設されている。第1の電極13および第2の電極15は、熱電変換層14と電気的に接続している。なお、図示しないが、第1の基材12および第2の基材16の外側には、さらに温度を調整するための金属板が配置されていてもよい。
熱電変換層の保護の観点から、熱電変換層の表面は電極または基材により覆われることが好ましい。例えば、図2に示すように、熱電変換層14の一方の表面が第1の電極13を介して第1の基材12で覆われ、他方の表面が第2の電極15を介して第2の基材16で覆われていることが好ましい。なお、本発明の熱電変換素子においては、第1の基材12および第2の基材16は設けなくてもよい。
以下、熱電変換素子を構成する各部材について詳述する。
本発明の熱電変換素子が有する熱電変換層は、2つの互い対向する主面を有し、微粒子とカーボンナノチューブ(CNT)とが少なくとも含まれる。上述したように、微粒子が存在することにより、CNTの一部が熱電変換層の厚み方向に沿って延びやすく、結果として熱電変換特性が向上する。なお、厚み方向とは主面に垂直な方向を意図する。
以下では、まず、熱電変換層に含まれる各主成分について詳述する。
熱電変換層には微粒子が含まれる。
微粒子の種類は特に制限されず、公知の微粒子を使用することができ、有機微粒子および無機微粒子が挙げられる。
有機微粒子とは、有機材料で構成された微粒子であり、例えば、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリアクリルアミド、および、これらの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の有機微粒子が挙げられる。
有機微粒子としては、架橋構造を含まない非架橋有機微粒子であっても、架橋構造を有する架橋有機微粒子であってもよく、熱電変換素子の熱電変換特性がより優れる点(以後、単に「本発明の効果がより優れる点」とも称する)で、架橋構造を有する有機微粒子(架橋有機微粒子)が好ましい。
球形状とは、アスペクト比(長径/短径)が1.5未満のものを意図する。
また、紡錘形状とは、糸を紡ぐ錘に似た形をいい、本明細書においては、紡錘形状には、針状、棒状、柱状、円柱状、多角柱状等と一般にいわれるものを含む。なお、より具体的には、紡錘形状とは、アスペクト比(長径/短径)が1.5以上のものである。
上記アスペクト比の測定方法としては、熱電変換層の厚み方向の断面を顕微鏡(例えば、光学顕微鏡)にて観察し、100個の任意の微粒子の長径と短径とを測定して、それぞれのアスペクト比を算出し、それらを算出平均したものである。
なお、長径とは、観察図において、粒子の一端と他端とを結ぶ線分のうち最大の長さを有する線分の長さを意図し、短径とは、上記長径と直交する線分のうち最大の長さを有する線分の長さを意図する。
微粒子の平均長径の測定方法としては、熱電変換層の厚み方向の断面を顕微鏡(例えば、光学顕微鏡)にて観察し、100個の任意の微粒子の長径を測定して、それらを算出平均したものである。
なお、長径とは、観察図において、粒子の一端と他端とを結ぶ線分のうち最大の長さを有する線分の長さを意図する。
熱電変換層の平均厚みの測定方法は、後段で詳述する。
微粒子は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
熱電変換層にはカーボンナノチューブが含まれる。
本発明で用いるカーボンナノチューブ(CNT)は、1枚の炭素膜(グラフェンシート)が円筒状に巻かれた単層CNT、2枚のグラフェンシートが同心円状に巻かれた2層CNT、および、複数のグラフェンシートが同心円状に巻かれた多層CNTがある。本発明においては、単層CNT、2層CNT、多層CNTを各々単独で用いてもよく、2種以上を併せて用いてもよい。特に、導電性および半導体特性において優れた性質を持つ単層CNTおよび2層CNTを用いることが好ましく、単層CNTを用いることがより好ましい。
本発明で用いる単層CNTは、半導体性のものであっても、金属性のものであってもよく、両者を併せて用いてもよい。また、CNTには金属等が内包されていてもよく、フラーレン等の分子が内包されたもの(特にフラーレンを内包したものをピーポッドという)を用いてもよい。
CNTを製造する際には、同時にフラーレンやグラファイト、非晶性炭素が副生成物として生じることがある。これら副生成物を除去するために精製してもよい。CNTの精製方法は特に限定されないが、洗浄、遠心分離、ろ過、酸化、クロマトグラフ等の方法が挙げられる。その他に、硝酸、硫酸等による酸処理、超音波処理も不純物の除去には有効である。併せて、フィルターによる分離除去を行うことも、純度を向上させる観点からより好ましい。
本発明においては、カットしたCNTだけではなく、あらかじめ短繊維状に作製したCNTも同様に使用できる。
また、CNTの平均直径は特に限定されないが、耐久性、透明性、成膜性、導電性等の観点から、0.4nm以上100nm以下(より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは15nm以下)であることが好ましい。
カーボンナノチューブは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
熱電変換層中におけるカーボンナノチューブと微粒子との質量比(CNTの質量/微粒子の質量)は特に制限されないが、1/20〜1/1の場合が多く、本発明の効果がより優れる点で、1/15〜1/2が好ましく、1/10〜1/3がより好ましい。
熱電変換層には、上記微粒子およびCNT以外の他の成分(例えば、バインダー、分散剤、酸化防止剤、対光安定剤、耐熱安定剤、可塑剤、ドーパントなど)が含まれていてもよい。
熱電変換層にバインダーが含まれることにより、熱電変換層中における微粒子およびCNTの分散性がより一層向上する。また、これらバインダーは、熱電変換層を形成する際に使用される熱電変換層形成用組成物において、CNTを組成物中に分散させる分散剤として機能してもよい。
使用されるバインダーの種類は特に制限されず、例えば、公知の樹脂バインダー(いわゆる高分子材料)が挙げられる。なお、高分子材料としては、例えば、従来公知の絶縁性高分子材料を用いることができる。
また、絶縁性高分子材料は、導電性を示さない高分子材料である。より具体的には、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シロキサン変性ポリイミド樹脂、ポリブタジエン、ポリプロピレン、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ナイロンなどが挙げられる。
また、熱電変換層中におけるバインダーと微粒子との質量比は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、微粒子100質量部に対して、10〜300質量部が好ましく、20〜100質量部がより好ましい。
熱電変換層は、上述した微粒子およびCNTを少なくとも含有する層である。
後述する式(1)で表される、熱電変換層中のCNTの配向度Dは6.0より小さく(6.0未満)、本発明の効果がより優れる点で、5.5以下が好ましく、4.0以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、0.1以上の場合が多く、0.9以上の場合がより多く、1.0以上の場合がさらに多い。
配向度Dが6.0以上である場合、熱電変換性能に劣る。
式(1) 配向度D=強度比Iv/強度比Ip
まず、式(1)中、強度比Ivは、波長532nmの直線偏光のレーザー光を用いるレーザーラマン分光分析において、熱電変換層の厚み方向の断面に、レーザー光の偏光方向が熱電変換層の厚み方向と直交になるようにしてレーザー光を照射して得られるカーボンナノチューブ由来のGバンド強度とDバンド強度との強度比(Gバンド強度/Dバンド強度)を表す。以下、強度比Ivの測定方法に関してより詳述する。
まず、測定には、レーザーラマン分光分析が実施され、ラマン分光装置としてレニショー製のin Via Raman microscopesが使用される。また、測定に使用されるレーザー光としては、波長532nmのレーザー光が使用され、光源としては公知の光源が使用される。なお、レーザー光は直線偏光であり、例えば、偏光子を用いることにより得られる。
強度比Ivの測定に際しては、熱電変換層の厚み方向の断面に対して、波長532nmの直線偏光のレーザー光を照射する。上記熱電変換層の厚み方向の断面(厚み方向に沿った断面)とは、熱電変換層の厚み方向に平行な軸方向に沿って切り取られた面(熱電変換層の厚み方向に平行な断面)であり、言い換えれば、第1の電極、熱電変換層、および、第2の電極が積層する方向に沿って切り取られた面のことである。
強度比Ivを測定する際には、レーザー光の偏光方向が熱電変換層の厚み方向と直交するようにして、熱電変換層の断面にレーザー光を照射して、ラマン分光分析を行う。より具体的には、図3に示すように、熱電変換層14の断面14aに対して、白抜き矢印で示す厚み方向と直交する方向、具体的には、白抜き矢印と直交する黒矢印20の方向と、レーザー光の偏光方向とが平行となるようにレーザー光を照射して、ラマン分光分析(ラマン分光測定)を行う。
Gバンドは、CNTのラマンスペクトルの1590cm−1付近に現れる、グラファイト構造に起因するラマンピーク(ラマン散乱強度)である。Dバンドは、CNTのラマンスペクトルの1339cm−1付近に現れる、CNTの点欠陥や結晶端に起因するラマンピークである。本明細書においては、Gバンド強度とは、波長1590cm−1±50cm−1の範囲に現れるGバンド由来のピークの強度を意図する。また、Dバンド強度とは、波長1339cm−1±50cm−1の範囲に現れるDバンド由来のピークの強度を意図する。
強度比Ivは、上記Gバンド強度を上記Dバンド強度で除した値(Gバンド強度/Dバンド強度)を表す。強度比Ivの値が大きいほど、熱電変換層の厚み方向と直交する方向に配向しているCNTが多いことを表す。
強度比Ipの測定においては、上述した強度比Ivの測定と同様に、ラマン分光装置が使用される。
強度比Ipの測定に際しては、熱電変換層の厚み方向の断面に対して、波長532nmの直線偏光のレーザー光を照射する。強度比Ipを測定する際には、レーザー光の偏光方向が熱電変換層の厚み方向と平行となるようにして、熱電変換層の断面にレーザー光を照射して、ラマン分光分析を行う。より具体的には、図3に示すように、熱電変換層14の断面14aに対して、白抜き矢印で示す厚み方向と平行する方向、具体的には、白抜き矢印と平行となる黒矢印22の方向と、レーザー光の偏光方向とが平行となるようにレーザー光を照射して、ラマン分光分析を行う。
上記強度比Ivの場合と同様に、上記レーザー光の照射を行うことにより得られるラマンスペクトルから観察される、Gバンド強度とDバンドとから、強度比Ip(Gバンド強度/Dバンド強度)を算出する。強度比Ipの値が大きいほど、熱電変換層の厚み方向と平行する方向に配向しているCNTが多いことを表す。
上述したように、強度比Ivの大きさは、熱電変換層の厚み方向と直交する方向に配向しているCNTの量に由来するものであり、強度比Ipの大きさは、熱電変換層の厚み方向と平行する方向に配向しているCNTの量に由来するものである。そのため、配向度D(=強度比Iv/強度比Ip)の値が小さいほど、熱電変換層の厚み方向と平行な方向に配向しているCNTの割合が多いことを表す。よって、配向度Dの値が小さいほど、熱電変換層の厚みの方向での導電率の向上が期待でき、結果として熱電変換素子の熱電変換性能が向上する。
なお、本明細書において、「直交」および「平行」については、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。具体的には、厳密な角度±10°以下の範囲内であることなどを意味し、例えば、「直交」とは90°±10°の範囲を意図し、「平行」とは0°±10°の範囲を意図する。
熱電変換層の平均厚みは、熱電変換層の任意の10点の厚みを測定し、それらを算術平均したものである。
熱電変換素子においては、上記熱電変換層の2つの主面上に2つの電極(第1の電極および第2の電極)が配置される。なお、2つの電極は熱電変換層と電気的に接続されていればよく、熱電変換層と電極(第1の電極または第2の電極)との間に他の層が配置されていてもよい。
電極(第1の電極および第2の電極)に配線を接続することにより、加熱等によって発生した電力(電気エネルギー)が取り出される。
電極(第1の電極および第2の電極)のサイズや厚さは、形成する熱電変換素子の大きさ等に応じて、発生した電力をロスなく確実に取り出せるサイズを、適宜、設定すればよい。
また、高い導電性が得られる点で、電極(第1の電極および第2の電極)の厚さは、50〜2000nmであるのが好ましい。
熱電変換素子の基材(熱電変換素子1における第1の基材12、第2の基材16)は、ガラス、透明セラミックス、金属、プラスチックフィルム等の基材を用いることができる。
熱電変換素子において、基材はフレキシビリティーを有しているのが好ましく、具体的には、ASTM D2176に規定の測定法による耐屈曲回数MITが1万サイクル以上であるフレキシビリティーを有しているのが好ましい。このようなフレキシビリティーを有する基材は、プラスチックフィルムが好ましく、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−フタレンジカルボキシレート、ビスフェノールAとイソおよびテレフタル酸のポリエステルフィルム等のポリエステルフィルム、ゼオノアフィルム(商品名、日本ゼオン社製)、アートンフィルム(商品名、JSR社製)、スミライトFS1700(商品名、住友ベークライト社製)等のポリシクロオレフィンフィルム、カプトン(商品名、東レ・デュポン社製)、アピカル(商品名、カネカ社製)、ユーピレックス(商品名、宇部興産社製)、ポミラン(商品名、荒川化学社製)等のポリイミドフィルム、ピュアエース(商品名、帝人化成社製)、エルメック(商品名、カネカ社製)等のポリカーボネートフィルム、スミライトFS1100(商品名、住友ベークライト社製)等のポリエーテルエーテルケトンフィルム、トレリナ(商品名、東レ社製)等のポリフェニルスルフィドフィルム等が挙げられる。入手の容易性、耐熱性(好ましくは100℃以上)、経済性および効果の観点から、市販のポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、各種ポリイミドやポリカーボネートフィルム等が好ましい。
熱電変換素子の製造方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。
以下、図2に記載の熱電変換素子の製造方法の一例を示す。
まず、第1の基材を用意して、その表面上に第1の電極を形成する。
第1の電極の形成方法は、公知の金属膜等の形成方法が、各種、利用可能である。
具体的には、イオンプレーティング法、スパッタリング法、真空蒸着法、プラズマCVDなどのCVD法等の気相成膜法(気相堆積法)が例示される。また、上記金属を微粒子化し、バインダーと溶剤を添加した金属ペーストを固化することで、形成してもよい。
熱電変換層の形成方法としては、微粒子およびCNTを含む熱電変換層形成用組成物(以後、単に「組成物」とも称する)を用いる方法が挙げられる。より具体的には、上記組成物を第1の電極上に塗布して、必要に応じて、乾燥処理を施して、熱電変換層を形成する方法である。
組成物には、少なくとも微粒子およびCNTが含まれ、上述した熱電変換層に含まれてもよいその他成分が含まれていてもよい。
また、取り扱い性の点から、組成物には溶媒が含まれていてもよい。溶媒は各成分を良好に分散または溶解できればよく、水、有機溶媒、およびこれらの混合溶媒を用いることができる。好ましくは有機溶媒であり、例えば、アルコール系溶媒;クロロホルムなどのハロゲン系溶媒;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性の極性溶媒;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、テトラメチルベンゼン、ピリジンなどの芳香族系溶媒;シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケントンなどのケトン系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、ジグライムなどのエーテル系溶媒などが挙げられる。
組成物中における溶媒の含有量は特に制限されないが、取扱い性に優れる点で、組成物全質量に対して、60〜99.9質量%が好ましく、80〜99.9質量%がより好ましい。
また、塗布後は、必要に応じて乾燥処理を行う。例えば、熱風を吹き付けることにより溶媒を揮発、乾燥させることができる。
その後、第2の電極上に、第2の基材を貼り合せる。第2の基材を貼り合せる際には、必要に応じて、接着層を使用してもよい。
本発明の熱電発電物品は、本発明の熱電変換素子を用いた熱電発電物品である。
ここで、熱電発電物品としては、具体的には、温泉熱発電機、太陽熱発電機、廃熱発電機等の発電機や、腕時計用電源、半導体駆動電源、小型センサー用電源などが挙げられる。
すなわち、上述した本発明の熱電変換素子は、これらの用途に好適に用いることができる。
単層カーボンナノチューブとしてASP−100F(Hanwha nanotech社製、純度95%)150mg(全固形分の15質量%)を用意し、スチレンポリマー(和光純薬製、重合度2000)350mg、o−ジクロロベンゼン(10mL)を用いて分散物10mLを作製した。得られた分散物に積水化成品工業製のポリマー微粒子(SSX−108:平均粒子径8μm、材質:架橋ポリメタクリル酸メチル、形状:球形状)500mg(全固形分の50質量%)を加えて、組成物1を得た。なお、(全固形分の50質量%)とは、組成物1の全固形分におけるポリマー微粒子の含有量(質量%)を示す。全固形分とは、熱電変換層を構成する固形分の合計を意図し、溶媒は含まれない。
次に、ガラス基板(厚み:1.1mm、幅:40mm、長さ:50mm)をアセトン中で超音波洗浄した後、10分間UV−オゾン処理を行った。得られたガラス基板上に組成物1を流し込む枠をつくり、その後、組成物1を枠に流し込んだ後、ホットプレート上で180℃、10時間乾燥することで、熱電変換層(平均厚さ:51μm)を製造した。
実施例1で使用した「積水化成品工業製のポリマー微粒子(SSX−108:平均粒子径8μm、材質:架橋ポリメタクリル酸メチル、形状:球形状)」を、「綜研化学製のポリマー微粒子(SX−130H:平均粒子径1.3μm、材質:架橋ポリスチレン、形状:球形状)」に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、熱電変換層(平均厚さ:51μm)を製造した。
実施例1で使用した「積水化成品工業製のポリマー微粒子(SSX−108:平均粒子径8μm、材質:架橋ポリメタクリル酸メチル、形状:球形状)」を、「積水化成品工業製のポリマー微粒子(SSX−101:平均粒子径1μm、材質:架橋ポリメタクリル酸メチル、形状:球形状)」に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、熱電変換層(平均厚さ:49μm)を製造した。
実施例1で使用した「積水化成品工業製のポリマー微粒子(SSX−108:平均粒子径8μm、材質:架橋ポリメタクリル酸メチル、形状:球形状)」を、「積水化成品工業製のポリマー微粒子(MBX−20:平均粒子径20μm、材質:架橋ポリメタクリル酸メチル、形状:球形状)」に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、熱電変換層(平均厚さ:52μm)を製造した。
実施例1で使用した「積水化成品工業製のポリマー微粒子(SSX−108:平均粒子径8μm、材質:架橋ポリメタクリル酸メチル、形状:球形状)」を「綜研化学製のポリマー微粒子(MP−8000:平均粒子径0.8μm、材質:非架橋アクリル重合体、形状:球形状)」に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、熱電変換層(平均厚さ:50μm)を製造した。
なお、実施例2,3,5で得られた熱電変換層の表面のほうが、実施例4で得られた熱電変換層の表面よりも、粒子起因の凹凸ムラが少なく、より膜質に優れていた。特に、実施例3、5で得られた熱電変換層の表面は凹凸ムラがなく、耐傷性に優れていた。
実施例1で使用した「スチレンポリマー(和光純薬製、重合度2000)」の使用量を350mgから850mgに変更し、「積水化成品工業製のポリマー微粒子(SSX−108:平均粒子径8μm、材質:架橋ポリメタクリル酸メチル、形状:球形状)」を使用しなかった以外は、実施例1と同様の手順に従って、熱電変換層(平均厚さ:48μm)を製造した。
各実施例および比較例にて製造した熱電変換層をガラス基板から剥離して、ポリイミド基板(厚み:200μm)上に配置された幅6mm、長さ30mmの電極上に、銀ペーストを用いて固定化し、さらに固定化されたサンプル上部に金をスパッタすることで電極(金電極部)を形成し、電極で挟持された熱電変換層を有する熱電変換素子を作製した。得られた素子に対し、熱起電力、導電率、熱伝導率の測定を行った。
(熱起電力)
熱電変換素子の上端(金電極部)と、下端(ポリイミド基板の裏部)に最大30℃の温度差をかけて、I−V測定を行い、生じた起電力と温度差の比を算出することで熱起電力(ゼーベック係数 ΔV/ΔT、単位:μV/K)を測定した。
(導電率)
「低抵抗率計:ロレスタGP」(機器名、(株)三菱化学アナリテック製)を用い表面抵抗率(単位:Ω/□)を測定し、熱電変換層の平均厚さ(単位:cm)を用いて、下記式より導電率(S/cm)を算出した。)
(導電率)=1/((表面抵抗率)×(平均厚さ))
(熱伝導率)
熱伝導率測定装置(アルバック理工(株)製:TCN−2ω)を用いて測定した。
得られた熱起電力Sと熱伝導率κを用いて、以下の式(A)に従って、室温におけるZT値を算出し、この値を熱電変換性能とした。
性能指数 ZT=S2・σ・T/κ 式(A)
S(V/K):熱起電力(ゼーベック係数)
σ(S/m):導電率
κ(W/mK):熱伝導率
T(K):絶対温度
各実施例および比較例で製造した熱電変換層を上端(表面)から下端(裏面)に垂直に切削するよう断面加工し、以下の手順に従って、熱電変換層の厚み方向の断面での配向度Dの測定を行った。
ラマン分光装置としてレニショー製in Viaを使用し、励起光として波長532nmのレーザー光を用いた。熱電変換層の厚み方向の断面に対して、熱電変換層の厚み方向と直線偏光のレーザー光の偏光方向とが直交するようにして、レーザー光を照射してカーボンナノチューブ由来のGバンド強度I1およびDバンド強度I2を測定し、強度比Iv(Gバンド強度I1/Dバンド強度I2)を算出した。さらに、熱電変換層の厚み方向の断面に対して、熱電変換層の厚み方向と直線偏光のレーザー光の偏光方向とが平行となるようにして、レーザー光を照射してカーボンナノチューブ由来のGバンド強度I3およびDバンド強度I4を測定し、強度比Ip(Gバンド強度I3/Dバンド強度I4)を算出した。Gバンド強度I1およびI3、並びに、Dバンド強度I2およびI4の定義は、上述の通りである。
算出した強度比Ivおよび強度比Ipから、配向度D(強度比Iv/強度比Ip)を算出した。
配向度Dの値が小さいほどカーボンナノチューブは熱電変換層の表面/裏面に対して垂直に配向している、すなわち熱電変換層の厚み方向に沿った配向性が大きいことを表す。一方、配向度Dの値が大きいほどカーボンナノチューブは表面/裏面に水平に配向しており、熱電変換層の面内方向に沿ってより配向していることを表す。
各実施例および比較例で製造した熱電変換層を用いて作製した熱電変換素子を4つ作製し、導電率を測定して測定値の標準偏差と平均値を求めた。得られた値を用い、以下の式(C)に従って、バラツキの指標となるCV値を算出した。
CV値=(標準偏差)/(平均値) 式(C)
CV値が小さいほど、素子間の導電率のバラツキが小さく、電気特性の均質性に優れる。
なお、表1中、「バラツキCV値」は比較例1との相対値で表す。
また、表1中、使用した微粒子がいずれも球形状である点より、平均粒子径が平均長径に該当する。
さらに、微粒子の材質、微粒子の平均粒子径を変更した場合にも、熱電変換層は優れた熱電変換性能を示すことが確認された。
また、実施例1〜5との比較から分かるように、平均粒子径が小さいほど(特に、実施例3および5)、粒子起因の凹凸ムラが少なく、熱電変換層の取扱い性に優れることが確認された。また、実施例3と5との比較から、非架橋の有機ポリマー微粒子を用いた場合よりも、架橋有機ポリマー微粒子を用いた場合の方が、ZT値に優れることが確認された。
実施例1で使用した「積水化成品工業製のポリマー微粒子(SSX−108:平均粒子径8μm、材質:架橋ポリメタクリル酸メチル、形状:球形状)」を、「石原産業製の無機微粒子(TTO−SS(C):平均粒子径0.03〜0.05μm、材質:酸化チタン、形状:球形状)」に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、熱電変換層(平均厚さ:43μm)を製造した。
実施例1で使用した「積水化成品工業製のポリマー微粒子(SSX−108:平均粒子径8μm、材質:架橋ポリメタクリル酸メチル、形状:球形状)」を、「石原産業製の無機微粒子(TTO−S−2:平均長径0.75μm、材質:酸化チタン、形状:紡錘形状)」に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、熱電変換層(平均厚さ:43μm)を製造した。
実施例1で使用した「積水化成品工業製のポリマー微粒子(SSX−108:平均粒子径8μm、材質:架橋ポリメタクリル酸メチル、形状:球形状)」を、「Aldrich製の無機微粒子(SiO2、fumed:平均長径0.3μm、材質:シリカ、形状:球形状)」に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、熱電変換層(平均厚さ:41μm)を製造した。
なお、表2中、「バラツキCV値」は比較例1との相対値で表す。
特に、実施例6と7との比較から分かるように、球形状の微粒子を用いた実施例6の方が、ZT値に優れていた。
実施例1で使用した「スチレンポリマー(和光純薬製、重合度2000)」の使用量を350mgから550mgに変更し、「積水化成品工業製のポリマー微粒子(SSX−108:平均粒子径8μm、材質:架橋ポリメタクリル酸メチル、形状:球形状)」の使用量を500mg(全固形分の50質量%)から300mg(全固形分の30質量%)に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、熱電変換層(平均厚さ:51μm)を製造した。
実施例1で使用した「スチレンポリマー(和光純薬製、重合度2000)」の使用量を350mgから250mgに変更し、「積水化成品工業製のポリマー微粒子(SSX−108:平均粒子径8μm、材質:架橋ポリメタクリル酸メチル、形状:球形状)」の使用量を500mg(全固形分の50質量%)から600mg(全固形分の60質量%)に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、熱電変換層(平均厚さ:50μm)を製造した。
実施例1で使用した「スチレンポリマー(和光純薬製、重合度2000)」の使用量を350mgから50mgに変更し、「積水化成品工業製のポリマー微粒子(SSX−108:平均粒子径8μm、材質:架橋ポリメタクリル酸メチル、形状:球形状)」の使用量を500mg(全固形分の50質量%)から800mg(全固形分の80質量%)に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、熱電変換層(平均厚さ:53μm)を製造した。
実施例1で使用した「スチレンポリマー(和光純薬製、重合度2000)」の使用量を350mgから600mgに変更し、「積水化成品工業製のポリマー微粒子(SSX−108:平均粒子径8μm、材質:架橋ポリメタクリル酸メチル、形状:球形状)」の使用量を500mg(全固形分の50質量%)から250mg(全固形分の25質量%)に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、熱電変換層(平均厚さ:48μm)を製造した。
なお、実施例9、12で得られた熱電変換層の表面のほうが、実施例10、11で得られた熱電変換層の表面よりも、粒子起因の凹凸ムラが少なく、より膜質に優れていた。実施例11で得られた熱電変換層は、実施例9、10、12で得られた熱電変換層よりも脆く、膜強度にやや劣っていた。
なお、表3中、「バラツキCV値」は比較例1との相対値で表す。
表3中、「固形分比率」は、各成分の熱電変換層中の質量%を表す。
特に、実施例1と実施例9、実施例12の比較から分かるように、ポリマー微粒子の含有量が30質量%以上の場合、ZT値がより優れ、電気的均質性にも優れることが確認された。
また、実施例11と他の実施例との比較から分かるように、ポリマー微粒子の含有量が60質量%以下であれば、膜強度がより優れ、熱電変換層の取扱い性に優れることが確認された。
実施例1で使用した「ASP−100F(Hanwha nanotech社製、純度95%)」の使用量を150mg(全固形分の15質量%)から75mg(全固形分の7.5質量%)に変更し、「スチレンポリマー(和光純薬製、重合度2000)」の使用量を350mgから425mgに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、熱電変換層(平均厚さ:51μm)を製造した。
実施例1で使用した「ASP−100F(Hanwha nanotech社製、純度95%)」の使用量を150mg(全固形分の15質量%)から50mg(全固形分の5質量%)に変更し、「スチレンポリマー(和光純薬製、重合度2000)」の使用量を350mgから450mgに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、熱電変換層(平均厚さ:51μm)を製造した。
実施例1で使用した「ASP−100F(Hanwha nanotech社製、純度95%)」の使用量を150mg(全固形分の15質量%)から180mg(全固形分の18質量%)に変更し、「スチレンポリマー(和光純薬製、重合度2000)」の使用量を350mgから320mgに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、熱電変換層(平均厚さ:49μm)を製造した。
実施例1で使用した「ASP−100F(Hanwha nanotech社製、純度95%)」の使用量を150mg(全固形分の15質量%)から400mg(全固形分の40質量%)に変更し、「スチレンポリマー(和光純薬製、重合度2000)」の使用量を350mgから100mgに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、熱電変換層(平均厚さ:52μm)を製造した。
実施例1で使用した「ASP−100F(Hanwha nanotech社製、純度95%)」の使用量を150mg(全固形分の15質量%)から40mg(全固形分の40質量%)に変更し、「スチレンポリマー(和光純薬製、重合度2000)」の使用量を350mgから460mgに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、熱電変換層(平均厚さ:47μm)を製造した。
なお、実施例13〜15、17で得られた熱電変換層は、実施例16で得られた熱電変換層よりも組成物の分散ムラに伴う表面の凹凸が少なく、膜質に優れていた。
なお、表4中、「バラツキCV値」は比較例1との相対値で表す。
表4中、「固形分比率」は、各成分の熱電変換層中の質量%を表す。
特に、実施例1および実施例13〜17の比較から分かるように、カーボンナノチューブの含有率が大きいと、ZT値が優れることが確認された。また、カーボンナノチューブの固形分比率が、5質量%以上だと、ZT値がより優れることが確認された。
ZT値に優れ、かつ、カーボンナノチューブの含有量がより少ない実施例15と、より多い実施例16とを比較すると、より少ない実施例15のほうが熱電変換層の取扱い性に優れ(表面の凹凸が少ない)、また、電気特性の均質性にも優れることが確認された。
10 微粒子
11 カーボンナノチューブ
12 第1の基材
13 第1の電極
14 熱電変換層
15 第2の電極
16 第2の基材
Claims (7)
- 互いに対向する2つの主面を有する、微粒子およびカーボンナノチューブを含有する熱電変換層と、
前記熱電変換層の一方の主面上に配置された第1の電極と、
前記熱電変換層の他方の主面上に配置された第2の電極とを有し、
前記微粒子が、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリアクリルアミド、および、これらの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の有機微粒子を含み
式(1)で表される、前記熱電変換層中の前記カーボンナノチューブの配向度Dが6.0より小さい、熱電変換素子。
式(1) 配向度D=強度比Iv/強度比Ip
式(1)中、強度比Ivは、波長532nmの直線偏光のレーザー光を用いるレーザーラマン分光分析において、前記熱電変換層の厚み方向の断面に、前記レーザー光の偏光方向が前記熱電変換層の厚み方向と直交になるようにして前記レーザー光を照射して得られる前記カーボンナノチューブ由来のGバンド強度とDバンド強度との強度比を表す。なお、前記Gバンド強度とDバンド強度との強度比とは、Gバンド強度/Dバンド強度で表される比である。
強度比Ipは、波長532nmの直線偏光のレーザー光を用いるレーザーラマン分光分析において、前記熱電変換層の厚み方向の断面に、前記レーザー光の偏光方向が前記熱電変換層の厚み方向と平行になるようにして前記レーザー光を照射して得られる前記カーボンナノチューブ由来のGバンド強度とDバンド強度との強度比を表す。なお、前記Gバンド強度とDバンド強度との強度比とは、Gバンド強度/Dバンド強度で表される比である。 - 前記有機微粒子が、架橋構造を有する、請求項1に記載の熱電変換素子。
- 前記微粒子の平均長径が、1.0μm以下である、請求項1または2に記載の熱電変換素子。
- 前記微粒子の形状が、球形状である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
- 前記微粒子の含有量が、前記熱電変換層全質量に対して、30〜60質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
- 前記カーボンナノチューブの含有量が、前記熱電変換層全質量に対して、5質量%以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
- 前記式(1)で表される、前記熱電変換層中の前記カーボンナノチューブの配向度Dが0.1以上で6.0より小さい、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
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