JP6199195B2 - 経編地で形成されたストッキング - Google Patents
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Description
このようなストッキングは、通常、いわゆる丸編み(丸編み機または靴下丸編み機などを用いた丸編み)で製造されている。しかしながら、薄物のストッキングを形成している繊維糸が1本でも切れると、1本の糸で連続して編成された丸編品ではランが走るために(伝線するために)ダメージを受け易いという欠点がある。さらに、丸編み機では、円周状に編み針が並んでいるので、1つの丸編み機でその円周の直径を自由に変えることができず、製造されるストッキングのサイズを自由に変更することが難しく、異なるサイズのストッキングを製造しようとすると、異なる丸編み機を用意しなければならないという問題点があったり、丸編み機では横に並列に複数個のソックスやストッキングを同時に編むことができず生産性が高くないという問題点があったりする。
特開2007−077544号公報(特許文献1)は、このようなダブルラッシェル編みなどの経編品のパンティストッキングであって、足指袋が形成されている指付きパンティストッキングを開示する。この特許文献1に開示されたパンティストッキングは、非弾性糸と弾性糸とが編みこまれているダブルラッシェル編みからなり、爪先部からウェスト履き口用開口部に至る長さを有し、爪先部が二股以上に分かれて指袋が形成されている指付きパンティストッキングであって、パンティストッキングはダブルラッシェル編みでシームレスに一体に形成されており、ダブルラッシェル編みのフロント側基布とバック側基布の両脇側がフロント側とバック側を連結する連結編みで、足甲部と足底部並びに踵部、前側脚部と後側脚部、前側パンティ部と後側パンティ部、前側履き口用開口部と後側履き口用開口部、がそれぞれ連結され、指袋部は、指袋部間の区画部が、上側指袋部のフロント側基布と下側指袋部のバック側基布の脇側がフロント側とバック側を連結する連結編みで連結されており、指袋の先端部は、上側指袋部のフロント側基布と下側指袋部のバック側基布をフロント側とバック側並びに左右側を連結する連結編みでフロント側基布とバック側基布が連結して編まれて形成され、履き口用開口部に編みこまれている弾性糸は、パンティストッキング本体基布の弾性糸の編み組織よりウェール方向の振りが大きくされた編み組織で形成されていることを特徴とする(特許文献1の請求項7)。
すなわち、本発明に係るストッキングは、ダブルラッシェル編みのフロント側基布とバック側基布との両脇側がフロント側とバック側とを連結する連結編みにより一体的に形成されたストッキングであって、前記基布の地編み部分は、チュール編みにおいて所定の編み目間隔で挿入糸が挿入されていない編み組織であって、前記連結編みは、前記挿入糸が挿入されていない編目により編成されていることを特徴とする。
さらに好ましくは、前記基布の地編み部分は、チュール編みにおいて2イン2アウトで挿入糸が挿入されていない編み組織であるように構成することができる。
みの境界が目立たないプレーンライクなストッキングを提供することができる。
[パンティストッキングの全体構成]
図1に本実施の形態に係るパンティストッキング100の概略正面図(着用していない状態)を、図2にこのパンティストッキング100を着用した状態の斜視図を、図3に図1のA部拡大図であって着用した状態において目視により認識できる編み目を示す図を、それぞれ示す。なお、図2(A)は斜め前方からの斜視図であって、図2(B)は斜め後方からの斜視図である。さらに、図3(A)は編み目の理想的な形状であって、図3(B)は編み目の現実の形状を示す。
ング100の販売者等の当業者であっても、地編み部分がプレーンライクな編地であっても目視で確認することが困難であることを示している。
本実施の形態に係るパンティストッキング100を構成する編地について説明する。まず、地編み部分の編地編成について説明して、その後、連結編みの編地編成について説明する。
・地編み部分の編成
上述したようにこのパンティストッキング100の地編み部分は、チュール編み(all-in)において所定の編み目間隔で挿入糸を抜いたプレーンライクの変形チュール編み組織である。このような変形チュール編み(およびチュール編みであっても)は、基布の網目を大きくしたような経編地であって涼しいにもかかわらず、プレーンライクな編地を形成できる点で好ましい。この編み組織を説明するにあたり、図4(A)を参照して挿入糸が挿入されていない編み組織(チュール編みにおいて全ての挿入糸を抜いた編み組織でall-outと称する)について説明し、図4(B)を参照してチュール編みの編み組織(本発明で定義したチュール編みであってall-inと称する)について説明する。すなわち、図4(A)に示す編み目の全てに挿入糸を挿入した編み組織が、図4(B)に示すチュール編み(3ステッチチュール)の編み組織となる。なお、パンティストッキング100において、フロント側の基布とバック側の基布とを(挿入糸を抜いた)地編みと同じ変形チュール編みで連結した点については後述する。
目立つ(タテすじが見える)場合があるという問題がある。なお、図4(A)に示すように、地編みをチュール編みの全ての編み目から挿入糸210を全て抜いたall-outの編み組織で編成して、連結編み部160における連結編みの編成も地編みと同じ編成であるall-outの編み組織にしても、後述するように、境界が目立つ(タテすじが見える)場合があるという問題がある。
(1)挿入糸が抜かれていない部分は、六角形の形状が維持されやすく、地編みの編み目が大きく維持されて涼しく、プレーンライクな編地であるように見えやすいパンティストッキングを実現でき、
(2)挿入糸が抜かれた部分は、シンカーループ1本になるので、六角形が大きく伸びやすくなり、地編みの編み目が大きく維持されてさらに涼しいパンティストッキングを実現でき、
(3)挿入糸が抜かれた部分は、編地の厚みが薄くなりさらに涼しいパンティストッキングを実現でき、
(4)挿入糸が抜かれた部分があるので、タテ方向にもヨコ方向にもよく伸縮してサイズ展開を少なくすることができるパンティストッキングを実現できる。
図7に、本発明の実施の形態に係るパンティストッキング100の連結編みを説明するための斜視図を、図8に、このパンティストッキング100の連結編み部160を説明するための編み組織の拡大図を示す。なお、図8(A)がこのパンティストッキング100の連結編み部160を含む編み組織(2イン2アウト)を示し、図8(B)が図4(B)に示したチュール編み(all-in)で連結編み部を含む全体を編成した、本発明とは異なるパンティストッキングの編み組織を示す。なお、図8に示す編み組織は、図7の白抜き矢印の方向からパンティストッキング100の肌側を見た図であって、図7に示す矢示の方向が図8に示されている。
(1)部分とB(2)部分とを含めて全く同じ編み組織となっている(なお、連結編み部160近傍以外においても、B(1)部分とB(2)部分とは同じ編み組織)。このため、連結編み部160において境界が目立つ(タテすじが見える)場合がなく、パンティストッキング100の全体を見ても境界が目立つ(タテすじが見える)場合がない。
以上のようにして、本実施の形態に係るパンティストッキングは、ダブルラッシェル編みのフロント側基布とバック側基布との両脇側がフロント側とバック側とを連結する連結編みにより一体的に形成され、基布の地編み部分は、チュール編みにおいて所定の編み目間隔(1イン1アウト、2イン2アウト等)で挿入糸の一部を抜いて編成し、連結編みは挿入糸が抜かれた編目により編成した。これにより、
(1)挿入糸が抜かれていない部分は、六角形の形状が維持されやすく、地編みの編み目が大きく維持されて涼しく、プレーンライクな編地であるように見えやすいパンティストッキングを実現でき、
(2)挿入糸が抜かれた部分は、シンカーループ1本になるので、六角形が大きく伸びやすくなり、地編みの編み目が大きく維持されてさらに涼しいパンティストッキングを実現でき、
(3)挿入糸が抜かれた部分は、編地の厚みが薄くなりさらに涼しいパンティストッキングを実現でき、
(4)挿入糸が抜かれた部分があるので、タテ方向にもヨコ方向にもよく伸縮してサイズ展開を少なくすることができるパンティストッキングを実現でき、
(5)連結編み部を挿入糸が抜かれた編み組織で編成するので、挿入糸がある場合に地編みの部分と連結編みの部分とで差異が発生することがなくなり、連結編み部が目視で認識できない程度まで目立たなくすることができるパンティストッキングを実現できる。
110 フット部
110F フロント側フット部
110B バック側フット部
120 レッグ部
120F フロント側レッグ部
120B バック側レッグ部
130 パンティ部
130F フロント側パンティ部
130B バック側パンティ部
140 ウエスト部
150 股部縫着線
160 連結編み部(想像線)
200 編糸
210 挿入糸
Claims (3)
- ダブルラッシェル編み機により一体的に編成された経編地で形成されたストッキングであって、
フロント側基布およびバック側基布が変形チュール編みにより編成されるとともに、前記フロント側基布と前記バック側基布とが連結編みにより編成されることにより筒状に一体的に形成され、
前記変形チュール編みは、ループ用の編糸により編成された六角形の全ての編み目に挿入糸が挿入されたチュール編みにおいて所定の編み目間隔で挿入糸が挿入されていない編み組織であって、
前記連結編みは、ループ用の編糸により編成された六角形の全ての編み目に挿入糸が挿入されたチュール編みにおいて挿入糸が挿入されていない六角形の編目により編成されていることを特徴とするストッキング。 - 前記ストッキングは、フロント側パンティ部とバック側パンティ部とが、フロント側レッグ部とバック側レッグ部とが、それぞれ連結編みにより連結され、パンティ部とレッグ部とが一体的に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のストッキング。
- 前記変形チュール編みは、チュール編みにおいて2イン2アウトで挿入糸が挿入されていない編み組織であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のストッキング。
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