JP6175861B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、耐ハイドロプレーニング性能を改善した空気入りタイヤに関する。
従来、耐ハイドロプレーニング性能を改善した技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された空気入りタイヤには、トレッド面での開口溝幅よりも開口部下方の溝底部の最大溝幅が大であり、かつ、溝底部に両溝壁と間隙を隔てて***する突起を有する、2股主溝が形成されている。
特開平09−150609号公報
しかしながら、特許文献1に開示された空気入りタイヤでは、溝開口部からタイヤ径方向内側に向けて、タイヤ径方向の全ての領域で溝幅が広がっている。このため、開口部から溝に水が流れ込んだ場合、水は溝開口端直下で溝壁から離間したまま溝底に達することとなり、水流の方向を溝深さ方向に速やかに変化させることができず、また、溝開口端付近から効率的に流速を大きくすることができない。
このような事情から、特許文献1に開示された空気入りタイヤでは、特に、溝開口端直下における水流抵抗の低減効果が小さいので、優れた耐ハイドロプレーニング性能を実現することができるか不明である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、溝開口端直下における水流抵抗の低減効果を大きくして、耐ハイドロプレーニング性能を改善した、空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド部の表面に複数の溝が設けられた空気入りタイヤである。溝深さ方向かつ溝幅方向断面視で、上記溝のうちの少なくとも1つの、溝幅方向両側におけるプロファイルラインは、溝開口端から溝深さ方向内側に向かって溝幅方向内側に少なくとも一度延在する。そして、このプロファイルラインは、さらに溝深さ方向内側に向かって溝幅方向外側に延在する。また、溝底には突起が形成されている。
本発明に係る空気入りタイヤでは、溝のプロファイルラインの形状について改良を加えている。その結果、本発明に係る空気入りタイヤによれば、特に、耐ハイドロプレーニング性能が改善される。
図1は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッド部に設けられた溝の例を示す、溝深さ方向かつ溝幅方向断面図である。 図2は、従来の空気入りタイヤのトレッド部に設けられ溝内での水流の継時的変化を示す、溝深さ方向かつ溝幅方向断面図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッド部に設けられた溝の例を示す、溝深さ方向かつ溝幅方向断面図であり、(a)はトレッド表面と溝壁との境界領域が直線状に面取りされている例であり、(b)はトレッド表面と溝壁との境界領域が曲線状に面取りされている例である。 図4は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッド部に設けられた溝の例を示す、溝深さ方向かつ溝幅方向断面図であり、(a)は溝幅方向両側における溝のプロファイルラインが滑らかに延在する曲線と直線とで構成されている例であり、(b)は溝幅方向両側における溝のプロファイルラインが滑らかに延在する曲線のみで構成されている例である。 図5は、実施例において使用した空気入りタイヤのトレッドパターンを示す、平面図である。 図6は、図5に示す周方向主溝32、34、36のタイプを示す、溝深さ方向かつ溝幅方向断面図である。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施の形態(以下に示す、基本形態及び付加的形態1から4)を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施の形態は、本発明を限定するものではない。また、上記実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。さらに、上記実施の形態に含まれる各種形態は、当業者が自明の範囲内で任意に組み合わせることができる。
[基本形態]
以下に、本発明に係る空気入りタイヤについて、その基本形態を説明する。以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤの回転軸と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、上記回転軸を中心軸とする周り方向をいう。さらに、タイヤ幅方向とは、上記回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)に向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面から離れる側をいう。なお、タイヤ赤道面とは、空気入りタイヤの回転軸に直交するとともに、空気入りタイヤのタイヤ幅の中心を通る平面である。加えて、溝深さ方向かつ溝幅方向断面とは、溝深さ方向を縦軸、溝幅方向を横軸とした断面をいう。
図1は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッド部に設けられた溝の例を示す、溝深さ方向かつ溝幅方向断面図である。同図に示す空気入りタイヤ1の溝10は、トレッド部に区画形成される様々なトレッドパターンを規定する、いかなる方向に延在する溝も含む。
即ち、図1に示す溝10は、タイヤ周方向に延在する溝(以下、「周方向溝」と称する場合がある)であってもよいし、或いは、タイヤ周方向に対して傾斜する溝(タイヤ幅方向に延在する溝を含み、以下、「傾斜溝」と称する場合がある)であってもよい。また、溝10が傾斜溝である場合には、少なくともその一端が周方向溝に連通している溝は勿論、連通していない溝も含まれる。
このような前提の下、本実施の形態においては、図1に示すように、トレッド部に設けられた溝10の、溝幅方向両側におけるプロファイルラインLが、溝開口端a1からくびれ部a2まで溝深さ方向内側(溝底側)に向かって溝幅方向内側に延在し、くびれ部a2からさらに溝深さ方向内側に向かって溝幅方向外側に延在する。また、本実施の形態においては、図1に示すように、溝底に突起Xが形成されている。
(作用等)
図2は、従来の空気入りタイヤのトレッド部に設けられた溝内での水流の継時的変化を示す溝深さ方向かつ溝幅方向断面図である。同図中、符号TSはトレッド表面を示し、符号GWは溝壁を示し、符号GBは溝底を示す。
通常、ウェット路面走行時においては、まず、図2(a)に示すように、溝20の溝幅方向両側から水が浸入する。この際、一部の水B1、B1は、衝突して流速が低下し、溝深さ方向内側に流れ込む。また、その他の水B2、B2は、衝突せずに溝深さ方向内側に流れ込む。
次に、図2(a)に示す水B1、B2は、その後、図2(b)に示すように、一体の水B3となり、溝開口部付近での水流は安定する。しかしながら、トレッド表面TSの溝開口端b1近傍で水B3が溝壁GWから離間して生じた空間に、気流Y1が発生し、気流Y1によって水B3の流速が低下する。また、水B3は溝底GBに到達して、溝幅方向内側の水B41と溝幅方向外側の水B42とに分かれ、水B41同士が溝幅方向中央部で衝突するとともに、水B42もそれぞれ溝壁GWに衝突して、水B41、B42の流速がさらに低下する。
さらに、図2(b)に示す水B41、B42は、その後、図2(c)に示すように、一体の水B5となり、溝底GB付近での水流は安定する。しかしながら、水B5が溝底GBから離間して生じた空間に、気流Y2が発生し、気流Y2によって水B5の流速が低下する。また、溝底GBから溝開口部方向に上昇した水B5が水B3と衝突して、水B5の流速がさらに低下する。
このように、従来の溝20においては、開口部から水が流れ込んだ場合、図2(a)における溝開口中央部22、同図(b)における溝底中央部24、及び同図(c)における溝内部26において、水同士が衝突する。このため、水流の方向を溝深さ方向内側や溝深さ方向外側(溝開口側)に速やかに変化させることができず、また、溝開口端付近から効率的に流速を大きくすることができない。
上記事情に鑑み、本実施の形態では、図1に示すように、溝10の、溝幅方向両側におけるプロファイルラインLの一部(ラインL1)を、トレッド表面TSの溝開口端a1から溝深さ方向内側に向かって、くびれ部a2まで溝幅方向内側に一度延在させている。なお、溝開口端a1からくびれ部a2までのラインL1の形状はとくに制限されず、溝開口端a1から溝深さ方向内側に向かって、溝幅方向のいずれに延在しても、最終的にくびれ部a2に辿り着いていればよい。
このように、水が流れ込む溝10の開口端a1から溝深さ方向内側に向かって溝壁間距離を一旦小さくすることで、溝開口部付近で水A1の全てが溝壁から離間することはなく、その一部はラインL1上を伝って溝深さ方向に移動する。このため、ラインL1付近で水A1の流れ込む方向を溝深さ方向内側に速やかに変化させることができ、またラインL1上で水A1の流速を大きくすることができる。これにより、溝10の溝幅方向両側から流れ込んだ水A1は、その速度を増して、図1に示すように一体の水A2となってさらに溝深さ方向内側に流れ込む。
また、本実施の形態では、図1に示すように、溝10の、溝幅方向両側におけるプロファイルラインLの一部(ラインL1から連続するラインL2)を、くびれ部a2から溝深さ方向内側に向かって溝幅方向外側に延在させるととともに、溝底に形成された突起Xの外形線に沿って突起Xの溝幅方向中点a3まで延在させている。
これにより、溝底に流れ込んだ水A2が、溝底に形成された突起Xによって溝幅方向外側に効率的に二分されて水A3となる。そして、水A3は溝幅方向両側において水A4となり、これらの水A4についての流れの方向は、ラインL2に沿って、溝幅方向外側から溝深さ方向外側を介して溝幅方向内側へと、速やかに変化する。
その結果、これら一連の水A1からA4の流れによって、水A2、A3、A4からなる水の流れに整流作用がもたらされ、水A3の溝底における流速を著しく低下させることなく、図1の紙面に垂直な方向、即ち溝10の延在方向、に進行する渦流が生成される。これにより、本実施の形態の空気入りタイヤによれば、特に、耐ハイドロプレーニング性能が改善される。
ここで、図1において、トレッド表面TSの外形線の延長線である仮想線VLからくびれ部a2までの溝深さ方向寸法(くびれ部寸法)H1は、溝深さDの20[%]以上80[%]以下の寸法であることが好ましい。図1において、溝深さDとは、仮想線VLを基準とした溝の溝深さ方向最大寸法をいう。上記くびれ部寸法H1を溝深さDの20[%]以上とすることで、溝深さDに対してラインL1の長さを十分に確保することができる。これにより、ラインL1付近で水A1の流れ込む方向を溝深さ方向内側に十分に変化させることができ、しかもラインL1上で水A1の流速を十分に大きくすることができる。また、上記くびれ部寸法H1を溝深さDの80[%]以下とすることで、溝深さDに対してラインL2の長さを十分に確保することができる。これにより、溝幅方向両側において、水A3についての流れの方向を、ラインL2に沿って、溝幅方向外側から溝深さ方向外側を介して溝幅方向内側に、一層速やかに変化させることができる。
また、図1においては、溝10の溝幅方向両側におけるプロファイルラインLは、突起Xの溝幅方向中点a3を通りかつ溝深さ方向に延在する直線(「溝幅方向中心線」(図示せず)と称する場合がある)に対して線対称であるが、本実施の形態は、これに限られない。例えば、タイヤ周方向に対して傾斜する溝(タイヤ幅方向に延在する溝を含む)や、タイヤ周方向に延在する溝であってもタイヤ赤道面よりもむしろタイヤ接地端に近いトレッド領域に形成される溝については、溝の幅方向両側から流れ込む水の量が著しく異なる。これらの溝については、溝の幅方向各側から流れ込む水の量に基づいて、溝幅方向の各側において溝のプロファイルラインLを適宜設計変更し、溝の形状を溝幅方向中心線に対して非対称とすることが、溝内部における整流作用を効率的に得ることができる点で好ましい。
さらに、突起Xはタイヤ周方向に連続的に形成することもでき、また、断続的に形成することもできる。ただし、より大きな整流作用を得て、極めて高い耐ハイドロプレーニング性能を発揮させるには、突起Xをタイヤ周方向に連続的に形成することが好ましい。
なお、以上に示す本実施形態の空気入りタイヤは、図示しないが、従来の空気入りタイヤと同様の子午断面形状を有する。ここで、空気入りタイヤの子午断面形状とは、タイヤ赤道面と垂直な平面上に現れる空気入りタイヤの断面形状をいう。本実施の形態の空気入りタイヤは、タイヤ子午断面視で、タイヤ径方向内側から外側に向かって、ビード部、サイドウォール部及びトレッド部を有する。そして、この空気入りタイヤは、例えば、タイヤ子午断面視で、トレッド部から両側のビード部まで延在して一対のビードコアの周りで巻回されたカーカス層と、上記カーカス層のタイヤ径方向外側に順次形成された、ベルト層及びベルト補強層とを備える。
また、本実施の形態の空気入りタイヤは、通常の各製造工程、即ち、タイヤ材料の混合工程、タイヤ材料の加工工程、グリーンタイヤの成型工程、加硫工程及び加硫後の検査工程等を経て得られるものである。本実施の形態の空気入りタイヤを製造する場合には、特に、加硫用金型の内壁に、図1に示す溝10に対応する凸部を形成し、この金型を用いて加硫を行う。
[付加的形態]
次に、本発明に係る空気入りタイヤの上記基本形態に対して、任意選択的に実施可能な、付加的形態1から4を説明する。
(付加的形態1)
基本形態においては、図1に示す突起Xが頂点を有するとともに、突起Xの、溝幅方向両側におけるプロファイルラインL2が、上記頂点から溝壁側に向かって、溝開口側が凹となる円弧状に延在すること(付加的形態1)が好ましい。
突起Xが頂点を設けたこと、即ち、図1において、突起Xの溝深さ方向最外位置を一点のみとしたことにより、溝底に流れ込んだ水A2を、溝底に形成された突起Xによって溝幅方向外側にさらに効率的に二分することができる。また、突起Xの、溝幅方向両側におけるプロファイルラインL2を、頂点から溝壁側に向かって、溝開口側が凹となる円弧状に延在させたことにより、図1に示す溝幅方向両側において、これらの水A4についての流れの方向を、ラインL2に沿って、溝幅方向外側から溝深さ方向外側を介して溝幅方向内側に、さらに速やかに変化させることができる。そして、これらの作用が相まって、図1において、水A2、A3、A4からなる水の流れにさらに大きな整流作用がもたらされ、水A3の溝底における流速を著しく低下させることなく、溝10の延在方向に進行する渦流が生成され、ひいては、耐ハイドロプレーニング性能がさらに改善される。
(付加的形態2)
基本形態及び基本形態に付加的形態1を付加した形態においては、図1に示すトレッド表面TSと溝壁との境界が、直線状又は円弧状に面取りされていること(付加的形態2)が好ましい。
図3は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッド部に設けられた溝の例を示す、溝深さ方向かつ溝幅方向断面図である。図3(a)に示す例では、溝101について、トレッド表面TSと溝壁GWとの境界領域に、直線状面取部C1が形成されている。また、図3(b)に示す例では、溝102について、トレッド表面TSと溝壁GWとの境界領域に、円弧状面取部C2が形成されている。トレッド表面TSと溝壁GWとの境界領域に、これら面取り部C1、C2を形成することで、溝101、102への水の浸入時に、溝開口部付近で水が溝壁から離間する程度をさらに小さくすることができる。このため、面取り部C1、C2において、水の流れ込む方向をさらに速やかに溝深さ方向内側に近づけることができるとともに、水がこれら面取り部C1、C2上を伝わることで、流速をさらに大きくすることができる。
なお、図3(a)、(b)に示すように、トレッド表面TSと溝壁GWとの境界領域に面取部C1、C2を形成する場合には、図3(b)に示すように、面取部C2を円弧状とすることが、溝開口部付近における局所的なクラックの発生を抑制することができ、ひいては、耐久性能を向上させることができる点で好ましい。
(付加的形態3)
基本形態及び基本形態に付加的形態1又は2の少なくともいずれかを付加した形態においては、図1に示す溝幅方向両側において、溝10のプロファイルラインLが、滑らかに延在する曲線を含むこと(付加的形態3)が好ましい。ここで、滑らかな曲線とは、いわゆる可微分曲線、即ち任意の点で微分可能な曲線をいう。
図4は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッド部に設けられた溝の例を示す、溝深さ方向かつ溝幅方向断面図である。図4(a)に示す例では、溝幅方向両側で、溝103のプロファイルラインLが、滑らかに延在する曲線α1、α2を含んでおり、残りの部分は直線βとなっている。図4(a)に示すプロファイルラインLによれば、溝開口端付近の曲線α1によって、水の流れ込む方向を溝深さ方向内側に速やかに変化させる効果と、水の流速を大きくする効果とがより大きくなる。また、溝底付近の曲線α2によって、溝底で二分された水についての流れの方向が、溝幅方向外側から溝深さ方向外側を介して溝幅方向内側に、より速やかに変化する。
図4(b)に示す例では、溝幅方向両側で、溝104のプロファイルラインLが、滑らかに延在する曲線α3のみから構成されている。図4(b)に示すプロファイルラインLによっても、図4(a)に示すプロファイルラインLの曲線α1、α2に起因する上記効果が奏される。また、図4(b)に示すプロファイルラインLには直線が含まれないことから、図4(a)に示すプロファイルラインLのような、直線と曲線との境界点が存在しない。このため、図4(b)に示す例では、上記境界点付近における局所的なクラックが発生することはなく、図4(a)に示す例と比較して、高い耐久性能を発揮することができる。
(付加的形態4)
基本形態及び基本形態に付加的形態1から3の少なくともいずれかを付加した形態においては、図1に示す突起Xの高さH2は、溝深さDの5[%]以上40[%]以下であること(付加的形態4)が好ましい。ここで、突起Xの高さH2とは、溝10の溝深さ方向最内位置を基準とした突起Xの溝深さ方向最外位置までの寸法をいう。
突起Xの高さH2を溝深さDの5[%]以上とすることで、図1に示す突起Xの溝幅方向中点a3と溝の最深点との、溝深さ方向寸法差を十分に確保して、溝底に流れ込んで二分された水A3の流速を、溝底に到達するまでに十分に高めることができる。これにより、水A2、A3、A4からなる水の流れによる渦流の生成を促進し、ひいては耐ハイドロプレーニング性能をさらに高めることができる。
また、突起Xの高さH2を溝深さDの40[%]以下とすることで、溝10の容積を十分に確保し、より多量の水に対して、優れた耐ハイドロプレーニング性能を発揮することができる。
なお、突起Xの高さH2を溝深さDの20[%]以上30[%]以下とすることで、上記作用効果を、それぞれ、より高いレベルで奏することができる。
図5は、実施例において使用した空気入りタイヤのトレッドパターンを示す、平面図である。図5に示すトレッド表面には、タイヤ周方向に延在する3本の周方向主溝32、34、36が設けられている。図6は、図5の周方向主溝32、34、36のタイプを示す、溝深さ方向かつ溝幅方向断面図である。なお、図6に示す各溝の溝深さは9[mm]であり、溝断面幅(溝開口部における溝幅方向寸法)は6[mm]から13[mm]である。
タイヤサイズを205/55R16とし、図5に示すトレッドパターンを有するとともに、図5に示す周方向主溝32、34、36として、図6のいずれかのタイプの溝であって、表1の諸条件(溝幅方向のプロファイルラインが、溝開口端から溝深さ方向内側に向かって溝幅方向内側に一度延在し、さらに溝深さ方向内側に向かって溝幅方向外側に延在するか否か(くびれの有無)、溝底に突起が形成されているか否か(溝底突起の有無)、突起が頂点を有するとともに、プロファイルラインが、頂点から溝壁側に向かって、溝開口側が凹となる円弧状に延在するか否か(頂点及び円弧の有無)、トレッド表面と溝壁との境界における面取り状況(面取り状況)、プロファイルラインが、滑らかに延在する曲線を含むか否か(滑らかな曲線の有無)、並びに溝深さに対する突起の高さ(突起の高さ[%]))に従う溝が設けられた、従来例、比較例1、2、及び実施例1から7の空気入りタイヤ(試験タイヤ)をそれぞれ作製した。
このように作製した、各試験タイヤを16x7Jのリムに空気圧230kPaで組み付け、排気量1300CCであってフロントエンジン・リアドライブ方式のクーペ型国産乗用車に装着し、水深10mmのプールに、速度を変えて進入して、テストドライバ−によるハイドロプレーニング発生速度を計測した。そして、この計測結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価を行った。この評価は、指数が大きいほど、耐ハイドロプレーニング性能が高いことを示す。この結果を表1に併記する。
Figure 0006175861
表1によれば、本発明の技術的範囲に属する(上記くびれが有り、かつ溝底突起が有る)実施例1から実施例7の空気入りタイヤについては、いずれも、本発明の技術的範囲に属しない、従来例及び比較例1、2の空気入りタイヤよりも、耐ハイドロプレーニング性能が高いことが判る。
本発明は以下の態様を包含する。
(1)トレッド部の表面に複数の溝が設けられた空気入りタイヤにおいて、溝深さ方向かつ溝幅方向断面視で、上記溝のうちの少なくとも1つの、溝幅方向両側におけるプロファイルラインが、溝開口端から溝深さ方向内側に向かって溝幅方向内側に少なくとも一度延在し、さらに溝深さ方向内側に向かって溝幅方向外側に延在し、溝底には突起が形成されている空気入りタイヤ。
(2)上記突起が頂点を有するとともに、上記突起の、溝幅方向両側におけるプロファイルラインが、頂点から溝壁側に向かって、溝開口側が凹となる円弧状に延在する、上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(3)トレッド表面と溝壁との境界が、直線状又は円弧状に面取りされている、上記(1)又は(2)に記載の空気入りタイヤ。
(4)溝幅方向両側において、上記溝のプロファイルラインが、滑らかに延在する曲線を含む、上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
(5)上記突起の高さは、溝深さの5[%]以上40[%]以下である、上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
1 空気入りタイヤ
10、20、101、102、103、104 溝
22 溝開口部の溝幅方向中央部
24 溝底中央部
26 溝内部
32、34、36 周方向主溝
A1、A2、A3、A4 水
a1 溝開口端
a2 くびれ部
a3 突起Xの溝幅方向中点
B1、B2、B3、B41、B42、B5 水
C1、C2 面取部
D 溝深さ
GB 溝底
GW 溝壁
L プロファイルライン
L1、L2 ライン
H1 仮想線VLからくびれ部a2までの溝深さ方向寸法(くびれ部寸法)
H2 突起Xの高さ
TS トレッド表面
VL 仮想線
X 突起
Y1、Y2 気流
α1、α2、α3 曲線
β 直線

Claims (5)

  1. トレッド部の表面に複数の溝が設けられた空気入りタイヤにおいて、
    溝深さ方向かつ溝幅方向断面視で、
    前記溝のうちの少なくとも1つの、溝幅方向両側におけるプロファイルラインが、溝開口端から溝深さ方向内側に向かって溝幅方向内側に少なくとも一度延在し、さらに溝深さ方向内側に向かって溝幅方向外側に延在し、
    溝底には突起が形成されており、
    前記突起が頂点を有するとともに、前記突起の、溝幅方向両側におけるプロファイルラインが、頂点から溝壁側に向かって、溝開口側が凹となる円弧状に延在する
    空気入りタイヤ。
  2. トレッド表面と溝壁との境界が、直線状又は円弧状に面取りされている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 溝幅方向両側において、前記溝のプロファイルラインが、滑らかに延在する曲線を含む、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記突起の高さは、溝深さの5[%]以上40[%]以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記円弧状に存在するプロファイルラインと、当該プロファイルラインの溝幅方向外側に連なるプロファイルラインと、の連続部分が滑らかに延在する、請求項1から4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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