JP6165022B2 - 放出制御型ソフトカプセル剤 - Google Patents
放出制御型ソフトカプセル剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6165022B2 JP6165022B2 JP2013225029A JP2013225029A JP6165022B2 JP 6165022 B2 JP6165022 B2 JP 6165022B2 JP 2013225029 A JP2013225029 A JP 2013225029A JP 2013225029 A JP2013225029 A JP 2013225029A JP 6165022 B2 JP6165022 B2 JP 6165022B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- soft capsule
- layer
- coating
- water
- soft
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Description
ゼラチンは、温度変化により可逆的にゾル・ゲル変化すること、皮膜形成能に優れると共に形成された皮膜の機械的強度が高いこと、体内で崩壊又は溶解し易いこと、それ自体が栄養的価値を有し体内に吸収され易いこと等、皮膜基剤としての利点を多く有している。しかし、ゼラチンは胃酸に対して易溶性であるため、胃酸によって効能を失う成分、胃の組織に刺激を与える成分或いは徐放性とすべき成分、等をソフトカプセルの内容物とするためには、胃では崩壊又は溶解せず、あるいは崩壊・溶出時間を遅らせ、腸に到達させる性質(腸溶性)を、ソフトカプセル皮膜に付与する必要がある。
この技術として、カプセルの成形後に多価金属イオンを含有する水溶液に浸漬することにより多糖類をゲル化し、カプセル皮膜の表面に耐酸性の外皮を形成する技術(特許文献2)や、多価金属イオンの非水溶性塩(難水溶性塩)を予めカプセル皮膜に含有させておき、胃酸中で多価金属イオンを解離させて多糖類にゲル化反応を起こさせる技術(特許文献3)が開発されている。
あるいは、シェラックとアルギン酸ポリマーの混合物でコーティングする技術が提案されている(特許文献4)。
1.ソフトカプセル製剤の殻層の表面に難水溶性層を2層設け、内側の難水溶性層がシェラック、外層の難水溶性層がツェインをそれぞれ主成分とするものであることを特徴とするソフトカプセル製剤。
2.ソフトカプセル殻層がカラギナンを主成分とするものである1に記載のソフトカプセル製剤。
3.二層の難水溶性層の層を構成する主成分が異なるソフトカプセル製剤を混在させることにより、ソフトカプセルに内包される成分の作用を長時間持続させたことを特徴とする1または2に記載のソフトカプセル製剤。
4.1〜3のいずれかに記載のソフトカプセル製剤を、難水溶性層を形成しないソフ
トカプセル製剤と混合包装した即放性と徐放性の混合包装ソフトカプセル製剤。
また、皮膜中に多糖類を含むカプセルを成形し、その後に多価金属イオンを含有する水溶液にカプセルを浸漬して皮膜をゲル化する従来技術では、浸漬液からカプセル皮膜に水分が移行し、更には内容物にまで水分が及ぶおそれがあるが、本発明においてはそのような問題は生じない。
さらに、コーティングや表面処理の種類によってカプセルが相互に付着してしまうという問題も発生しない。
またコーティングを施さない製剤とコーティングを施した製剤を同数包装することで、両方のカプセルを一度に服用すると、コーティングを施さない製剤が素早く崩壊し、さらにコーティングを施した製剤が胃内で非崩壊またはゆっくり崩壊し、腸で薬剤を大部分放出するため、即効性と持続性の両方の効果を奏する。
本発明は、常法によって調製された薬液等を内包するカプセル製剤に適用できる。本発明においては、ソフトカプセル殻層の外側に難水溶性層を二層以上形成する。外層の難水溶性層にはツェインが適している。内層の難水溶性層にはシェラックが適している。
ソフトカプセル殻層を形成する被膜は、ゼラチン、アルギン酸、カラギナンなど、通常使用される水溶性被膜物質であればどのようなものであっても良いが、好ましくは、ゼラチンまたはカラギナンである。特に好ましくはカラギナンである。
皮膜形成組成物への薬液または内包溶液の封入は、例えば、ロータリー式、シームレス式又は平板式などの各種の公知の方法を使用して行うことができる。
またシート状に成形した二枚のカプセル皮膜組成物の間に内包溶液を挟持させて積層体を形成し、当該積層体を金型で両面から圧縮して打ち抜く平板法などを必要に応じて適用してもよい。
図1に本発明のソフトカプセル製剤の構造の模式図を示す。
また、ソフトカプセル製剤を密封性容器に収納し、40℃75%R.H.の加速条件で保存試験を行うことで、カプセル相互の付着の有無を確認することができる。
1.ソフトカプセル製剤の調製
表1の規格のカラギナン被膜のソフトカプセル殻を、被膜のヒートシール、カプセル成形、内容液充填を同時に行うロータリーダイ法で調製した。
(1)シェラックコーティング液の調製
下記表2の組成の溶液をシェラックコーティング溶液とした。
下記表3の組成の溶液をツェインコーティング溶液とした。
コーティング操作
パウレック社製 DRIACOATER DRC-200を用いて行った。
1)シェラックコーティング
コーティングパンにソフトカプセル200g(419粒)を入れて、回転数20rpmで、吸気40℃、排気温38℃まで加温した。ついで品温が38℃に到達後、コーティング液を1.5g/分、噴霧圧1.0kg/cm2の条件で噴霧した。コーティング液を噴霧した後、吸気40℃のまま5分間乾燥を行い、コーティングを終了させた。
乾燥終了後、吸気のヒーターを止め、5分間冷却させ、カプセルをコーティングパンから回収した。
コーティングパンに1)と同様にソフトカプセル200g(419粒)をいれて、回転数20rpmで、吸気50℃、排気温40℃まで加温した。次いで品温が40℃に到達後、コーティング液を1.5g/分、噴霧圧1.0kg/cm2の条件で噴霧した。コーティング液を噴霧した後、吸気50℃のまま5分間乾燥を行いコーティングを終了させた。
乾燥終了後、吸気のヒーターを止め、5分間冷却させカプセルをコーティングパンから回収した。
次の3項目について評価をした。
(1)試験品
下記の表4に示すソフトカプセル製剤について試験を行った。
実施例1はカラギナンによりソフトカプセルの外殻を形成しシェラックを2mgコートし、次いで最外層にツェインを2mgコートしたものである。実施例2は同じカプセルにシェラックを5mgコートし次いで最外層にツェインを5mgコートしたものである。比較例1、2は同じカプセルにシェラックを6mg、8mgコートしたものである。比較例3、4は同じカプセルにツェイン5mg、10mgコートしたものである。実施例1、2のソフトカプセルの構造は図1に示す模式図の構造を有している。
日本薬局方に基づいて、ディスクなしの条件で試験液に37℃の水、および崩壊試験第一液を用いて実施した。溶出挙動を確認するため、経時的に崩壊試験液をサンプリングし、吸光度を測定した。レシチンを含むカプセル内容液は崩壊試験液と懸濁することから、660nmの吸光度にて検量線を作成、これを崩壊試験液の濁度として溶出の指標とした。完全に崩壊した時点の吸光度に対する相対値を各時間の溶出量(%)とした。
(3)くっつき試験(付着性試験)
チャック付アルミコーティングポリエチレン製袋(ユニパック)にコーティングしたソフトカプセル製剤を20粒入れ、アルミ密封状態で40℃及び50℃に設定した恒温槽に保管し、カプセル相互の付着性を試験した。
(1)崩壊性、溶出確認試験、付着性試験結果
試験結果を下記表4に示す。
一方第一層にシェラックをコーティングし、第二層(最外表層)にツェインをコーティングした実施例1、2のソフトカプセルは、崩壊時間50分と180分であり、またカプセル同士の付着も発生しなかった。
すなわち第一層にシェラック、第二層にツェインをコーティングすると、崩壊時間は50分以上となり、放出制御性ソフトカプセルとすることができた。さらに、シェラックの6mgコートと比較すると実施例1のコート量は4mgであり、コート層を薄くすることができた。
経時的な溶出率の変化を、実施例1を試験試料、コーティング無を対照として、崩壊液を水で測定した結果を表5及び図2、崩壊液を日本薬局方で定める崩壊試験第一液で測定した結果を表6及び図3に示す。
崩壊液が崩壊試験第一液の場合、図3が示すように対象が2時間で全放出されているのに対し実施例は2時間後においても50%程度しか放出しておらず、腸内放出可能になるよう放出制御が達成されていることが確認できる。
Claims (4)
- ソフトカプセル製剤の殻層の表面に難水溶性層を2層設け、内側の難水溶性層がシェラック、外層の難水溶性層がツェインをそれぞれ主成分とするものであることを特徴とするソフトカプセル製剤。
- ソフトカプセル殻層がカラギナンを主成分とするものである請求項1に記載のソフトカプセル製剤。
- 二層の難水溶性層の層を構成する主成分が異なるソフトカプセル製剤を混在させることにより、ソフトカプセルに内包される成分の作用を長時間持続させたことを特徴とする請
求項1または2に記載のソフトカプセル製剤。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のソフトカプセル製剤を、難水溶性層を形成しないソフ
トカプセル製剤と混合包装した即放性と徐放性の混合包装ソフトカプセル製剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013225029A JP6165022B2 (ja) | 2013-10-30 | 2013-10-30 | 放出制御型ソフトカプセル剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013225029A JP6165022B2 (ja) | 2013-10-30 | 2013-10-30 | 放出制御型ソフトカプセル剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015086158A JP2015086158A (ja) | 2015-05-07 |
JP6165022B2 true JP6165022B2 (ja) | 2017-07-19 |
Family
ID=53049336
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013225029A Active JP6165022B2 (ja) | 2013-10-30 | 2013-10-30 | 放出制御型ソフトカプセル剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6165022B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115154438A (zh) * | 2022-06-29 | 2022-10-11 | 浙江新维士生物科技有限公司 | 一种肠溶软胶囊的制备方法及其压丸模具 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5920219A (ja) * | 1982-07-26 | 1984-02-01 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 腸溶性コ−テイング製剤の製造方法 |
JPS59139317A (ja) * | 1983-01-31 | 1984-08-10 | Teisan Seiyaku Kk | 持続性のニフエジピン製剤 |
US5686105A (en) * | 1993-10-19 | 1997-11-11 | The Procter & Gamble Company | Pharmaceutical dosage form with multiple enteric polymer coatings for colonic delivery |
JPH07179334A (ja) * | 1993-12-22 | 1995-07-18 | Sanei Touka Kk | カプセル及びカプセル剤の製造方法 |
FR2767070B1 (fr) * | 1997-08-08 | 1999-09-17 | Laurence Paris | Composition visqueuses aqueuses, limpides ou non, pour la fabrication de capsules molles et de capsules dures, et procede de fabrication de films pour de telles capsules |
JP3059126U (ja) * | 1998-11-16 | 1999-07-02 | サン・ケン株式会社 | ローヤルゼリー入りカプセル |
WO2003045356A1 (en) * | 2000-11-20 | 2003-06-05 | The Procter & Gamble Company | Pharmaceutical dosage form with multiple coatings |
KR101038696B1 (ko) * | 2009-06-19 | 2011-06-02 | 후지 캡슐 가부시키가이샤 | 소프트 캡슐 및 그 제조 방법 |
-
2013
- 2013-10-30 JP JP2013225029A patent/JP6165022B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015086158A (ja) | 2015-05-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10874619B2 (en) | Acid resistant capsules | |
Kapoor et al. | Coating technologies in pharmaceutical product development | |
JP6911900B2 (ja) | コーティング製剤及びその製造方法 | |
NO327294B1 (no) | Sammensetning for dannelse av et enterisk belegg pa et oralt preparat, preparatet forsynt med et enterisk belegg og fremgangsmate for fremstilling av et slikt preparat. | |
JPH08208458A (ja) | カプセル用皮膜組成物 | |
KR102519593B1 (ko) | 장용성 캡슐 | |
JP2004508321A (ja) | ドライパウダーフィルムコーティング組成物及びその製法 | |
AU2015329445B2 (en) | Method of manufacturing enteric seamless soft capsule | |
WO2009036565A1 (en) | Enteric coatings for orally ingestible compositions | |
WO2016056230A1 (ja) | 腸溶性ソフトカプセルの製造方法 | |
EP3236954A1 (en) | Enteric film coating compositions, method of coating, and coated forms | |
WO2011103436A1 (en) | Rapid-release encapsulation composition | |
JP6165022B2 (ja) | 放出制御型ソフトカプセル剤 | |
WO2004012701A2 (en) | NOVEL pH DEPENDENT ROBUST ENTERIC POLYMERIC CONTAINER, AN IMPROVEMENT OVER EXISTING ENTERIC DOSAGE FORMS. | |
CN110384675A (zh) | 抗酸胶囊壳组合物 | |
JP2016008173A (ja) | 放出制御型ソフトカプセル剤 | |
JP2014152110A (ja) | 徐放性製剤 | |
JP3198089B2 (ja) | 糖衣錠剤状製品及びその製造方法 | |
KR20210139263A (ko) | 코어-쉘 중합체 및 셀룰로오스를 포함하는 캡슐 쉘 | |
JP2020203852A (ja) | pH応答性溶出剤、pH応答性溶出剤被覆造粒物、食品および医薬品 | |
NZ730337B2 (en) | Method of manufacturing enteric seamless soft capsule | |
JPH0384036A (ja) | 球状物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160603 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170224 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170404 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20170530 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170530 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170613 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170620 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6165022 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |