JP2014152110A - 徐放性製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】薬剤の放出を制御できる徐放性の製剤を提供することを課題とする。また内包する薬剤の徐放性を有するカプセル製剤の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】加熱した精製水に寒天を加え溶解した溶液にグリセリンを添加し混合し、次いで該溶液を40℃に冷却させた後、生理活性成分または薬剤成分を添加し、撹拌混合したのち、HPMCカプセルに充填カプセル製剤を調製する。
【選択図】図2

Description

本発明は、徐放性製剤に関する。
固体の製剤の体内吸収速度に影響を与える要因の1つは、体液中における薬物の溶解速度である。
薬物の溶解速度は、製剤の放出性もしくは徐放性、遅延放出性、持続放出性または長期持続性といった製剤特性の基本である。徐放性製剤の利点は、通常の製剤と比較して、薬物投与回数の減少(これによりしばしば患者コンプライアンスの改善をもたらす)、所定時間にわたる治療効果の維持、ならびに即時放出性剤型の投与後に起こりがちな血漿濃度の急激な立ち上がりを消失させることによって、薬物の有害な副作用の出現を低下させることができる。
従来、徐放化が最もよく用いられているのが、経口投与製剤である。これは日本薬学会の分類では、その形態からシングルユニット型とマルチプルユニット型に分類されている。
シングルユニット型の多くは、消化管内で投与剤形が保たれたまま徐々に薬物を放出する。ワックスマトリックス型、グラデュメット型、レペタブ型、ロンタブ型、スパンタブ型などがある。
マルチプルユニット型では、投与された錠剤やカプセル剤が速やかに崩壊して顆粒を放出し、放出された顆粒が徐放性を示す。スパスタブ型、スパンスル型(薬物を含有する顆粒を高分子皮膜でコーティングし、これをカプセル剤に充てんした製剤。)、顆粒型などがある。
また、放出制御機構からは、リザーバー型とマトリックス型に分けられる。リザーバー型は薬物を含有する錠剤または顆粒を高分子皮膜でコーティングしたものであり、薬物の放出速度はこの皮膜の性質や厚さで決まる。レペタブ型、スパスタブ型、スパンスル型、顆粒型がこれに属する。
マトリックス型は、薬物を高分子やワックスなどの基剤中に分散させたもので、薬物分子のマトリックス内の拡散速度により放出速度が決まる。ワックスマトリックス型、グラデュメット型(多孔性の不溶性プラスチックマトリックスの格子間隙に薬物分子を分散させた製剤で、消化液が格子間隙に浸入すると、薬物が溶解、拡散し、徐々に放出される。)、ロンタブ型(内核錠に腸溶性コーティングを施し,さらに速放性の外層を組み合わせた有核錠の一種。)、スパンタブ型(速放性顆粒と徐放性皮膜でコーティングされた数種の徐放性顆粒を打錠した錠剤。)などが属する。薬物放出を徐放化するための多くのマトリックスが提案されている。例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンアミド、エチルセルロース、シリコーンおよびポリヒドロキシメチルメタクリレートなどのポリマー材料は、薬物の遅延放出性用ビヒクルとして提案されている(特許文献1、2)。
特許文献3には高アミロース含有デンプンを糊化した後、架橋したものが錠剤やペレット剤の遅延放出性賦形剤として有効であることが記載されている。さらに特許文献4には、高アミロース含有デンプンを架橋または化学修飾した後、糊化し、次いでこれを乾燥粉末化したものが錠剤の徐放性賦形剤として有効であることが記載されている。さらにまた特許文献5には非晶性寒天を薬剤と打錠成型することで徐放性を付与できることが記載されている。
また特許文献6にはチオクト酸と滑沢剤からなる顆粒剤に油脂皮膜を施し、これをヒドロキシプロピルメチルセルロース製の硬質カプセルに充填した徐放性製剤が開示されている。
しかしこれらの製剤は、いずれも特殊な製剤技術を必要としており、製剤によっては専用の製造装置を必要とする。特にカプセル製剤とする場合には、カプセルに徐放機能を発揮させるか、あるいは内包する顆粒剤に特殊な徐放コーティングをすることが必須であった。また徐放化のコーティング処理によっては、含有する薬剤の一部が放出されなくなる問題があった。
米国特許第3,087,860号公報 米国特許第2,987,445号公報 国際公開WO98/35992号公報 特表2004−501957号公報 国際公開WO95/11043号公報 特開2007−302570号公報
本発明は薬剤の放出を制御できる徐放性製剤を提供することを課題とする。
本発明は、マトリックス型の徐放性のカプセル剤を検討する過程で見出されたものである。すなわち従来のマトリックス型の徐放性製剤は、いわゆるドライタイプのマトリックスをカプセル内に内包するものである。これはカプセルが水によって分解、変形するため、水を含むマトリックスを内包させることができなかったためである。
一方本発明は、カプセルに内包させるマトリックスを検討した結果、内包する薬剤を特殊な条件で顆粒剤としたり、あるいは顆粒のコーティング処理を必要としない簡便な徐放性のマトリックスを内包するカプセル製剤を製造する技術的発見を行い、本発明を完成させた。
すなわち本発明は以下の構成である。
(1)多糖類ゲル及び薬理活性成分を含有する徐放性製剤。
(2)さらにグリセリンを含有する(1)記載の徐放性製剤。
(3)多糖類ゲルが寒天ゲルである(1)または(2)記載の徐放性製剤。
(4)グリセリンを70%以上含有する(1)〜(3)のいずれかに記載の徐放性製剤。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の徐放性製剤を充填したカプセル製剤。
(6)カプセル製剤のカプセルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を構成成分とするものである(5)記載のカプセル製剤。
(7)薬理活性成分が、水難溶解性である(5)または(6)に記載のカプセル製剤。
(8)薬理活性成分がコエンザイムQ10またはチオクト酸である(5)〜(7)のいずれかに記載のカプセル製剤。
(9)水分含量が20質量%以下である(5)〜(8)のいずれかに記載のカプセル製剤。
(10)90℃以上に加熱した水に寒天を加えて溶解した溶液にグリセリンを添加し撹拌混合して溶解させ、次いで該溶液を45℃以下に冷却させた後、生理活性成分または薬理活性成分を添加し、撹拌混合したのち、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセルに充填することを特徴とするカプセル製剤の製造方法。
本発明により、生理活性成分や薬理活性成分を含有する徐放性カプセル製剤およびその製造方法が提供される。発明のカプセル製剤は、生理活性成分または薬剤成分の溶出が徐放化される。また本製造方法は簡便で、特殊な製造装置を必要としない。
各種カプセルの耐水性を試験した図である。 チオクト酸を本発明の方法で徐放化した実施例1の製剤、チオクト酸を造粒コーティングし、カプセルに充填した比較例1〜3の製剤を日本薬局方の試験法で実施した溶出試験(4日間)の結果を示すグラフである。 実施例1〜3、対照品のチオクト酸の溶出を20日間観察した試験結果を示すグラフである。
本発明に適用される多糖類は、可食性のゲルを形成するものであれば特に制限はない。複数の多糖類を併用することもできる。植物から得られる多糖類が好ましく、その具体例としては寒天、アガロース、アガロペクチン、デンプン、アミロース、アミロペクチン、イソリケナン、ラミナラン、リケナン、グルカン、イヌリン、レバン、フルクタン、ガラクタン、マンナン、キシラン、アラビナン、ペントザン、アルギン酸、ペクチン酸、フコイダン、アスコフィラン、カラギナン、ペクチン、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガム、アラビアガムなどが挙げられる。なかでも海草から得られる多糖類である寒天、アガロース、アガロペクチン、ラミナラン、フルクタン、ガラクタン、ペントザン、アルギン酸、フコイダン、アスコフィラン、カラギナンなどが好ましい。さらに好ましくは寒天、アガロース、アガロペクチンである。特に好ましくは、寒天である。
寒天は、既に食品等に広く利用されており、日本薬局方に掲載されていることからも安全性が高い。また、寒天は、水分の蒸発を抑制する保水作用を有することから、医薬品・食品・化粧品などの保水剤として有用であることが知られている。
寒天(agar)は、テングサやオゴノリなど各種の紅藻の細胞壁マトリックスに含まれる多糖であり、熱水で抽出して得られる。寒天は均一な物質ではなく、硫酸基を含まないアガロース(agarose)と硫酸基などを含むアガロペクチン(agaropectin)とに大きく分けられる。アガロースの割合は紅藻の種類によって異なり、例えばテングサ寒天ではアガロースが約70%を占める。
寒天はどのような製法によるものでも良いが、安定供給という点から工業的製法による寒天が好ましい。用いる寒天の重量平均分子量は5千〜120万のものが好ましく、より好ましくは3万〜80万、さらに好ましくは5万〜50万のものである。本発明に用いる寒天は、粉末寒天、フレーク寒天、固形寒天、角寒天、糸寒天等、種々の形態のものがあるが、ゲルの形成しやすさや溶解性の点から粉末寒天が特に好ましい。
多糖類のゲル中に配合する薬理活性成分は特に限定されるものではない。実際に臨床使用されているもの、あるいは臨床使用が期待されているもの等幅広く利用できる。また健康食品やサプリメントとして使用されているものであってもよい。好ましくは、非水溶性粒子や、水分散性の粒子として加工されているものが徐放性を制御する上で好ましい。たとえば、クルクミノイド、コエンザイムQ10、αリポ酸(チオクト酸)など水に非水溶解性の成分が好ましい。あるいはこれらの成分を含む顆粒やマイクロカプセルが好ましい。
本発明の徐放性製剤は、上記多糖類や寒天を適量の水に加熱溶解して調製した溶液に、グリセリンを特定量添加し混合し、さらに徐放化を目的とする薬理活性成分を添加した後、この溶液を45℃に冷却後、硬質カプセルに充填し、さらに冷却させてカプセル内で多糖類や寒天をゲル化させ、薬理成分を含むゲルマトリックスを調製する。多糖類の濃度は、個々の多糖のゲル形成濃度にする必要がある。
本発明の徐放性基材は、使用する多糖類のゲル形成能によって使用濃度が異なるが、通常0.5〜2質量%の濃度とすることが良好な徐放性をもたらす。寒天を用いた場合には0.5〜2質量%とすることが徐放性を制御する上で好ましい。多糖類ゲル中には、水分を10〜20質量%含有する。
本発明のカプセル製剤内のゲルは、必要に応じて容認し得る緩衝剤、pH調節剤、可溶化剤、安定化剤、保存剤等を適宜配合することができる。
薬理活性成分や他の添加物が水難溶性の場合などに添加される可溶化剤としては、例えばポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、マクロゴール4000等を挙げることができる。
安定化剤としては、例えばエデト酸、エデト酸ナトリウム等を挙げることができる。
保存剤としては、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クロロブタノール等を挙げることができ、これらの保存剤を組み合わせて使用することもできる。
可溶化剤としては、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油およびシクロデキストリンなどがあげられ、これらを用いる場合には0.001〜15重量%の範囲で用いることが好ましい。
本発明の重要な特徴は、多糖類のゲルマトリックス中にグリセリンを70〜90質量%配合することである。通常、医薬品やサプリメント製剤に用いる硬質カプセルは、カプセル内の水分と反応して、カプセルが変形し、あるいは破壊される。特にプルラン製カプセルやゼラチン製カプセルは本発明においては使用困難である。しかし、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)製カプセルは耐水性を有しており、さらにカプセル内のゲルマトリックスがグリセリンを70質量%以上含有することで、このようなカプセルの変形や破壊がさらに抑制され、製剤として長期間保存が可能となる。ヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下「HPMC」)カプセルは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを基材として調製される。一例として、特開平03−279325公報に製造方法が記載されており、クオリカプス株式会社やカプスゲルジャパンから市販されている。HPMC製カプセル以外のカプセルであっても、HPMCカプセルと同程度の耐水性を有するものであれば本発明において使用可能である。
以下、本発明実施例、比較例、試験例を示し、さらに説明する。
1.耐水性カプセルの選定
以下の試験を実施して、耐水性を有するカプセルを選定した。
評価用の試料として表1に示す組成のクルクミノイド液状組成物を調製した
ガティガム(ガティガムSD:三栄源エフ・エフ・アイ(株))を水に加え、さらにグリセリンを添加して水溶液を調製した。
次いで、その水溶液中に、クルクミノイドの粉末(粉末クルクミンNo.3705:三栄源エフ・エフ・アイ(株)、平均粒子径(d50):13.81μm、結晶状)を添加し分散混合した後、水で質量調整を行った。
クルクミノイドの粉末を分散させた混合液を湿式摩砕機ダイノミル(WAB社製ダイノミルKDL)に供して湿式粉砕を行った後、ホモジナイザー(APV GAULIN社製高圧ホモジナイザー15MR-8TA)にて分散均一化処理して、液状のクルクミノイド(クルクミノイド液状組成物)を得た。
得られたクルクミノイド液状組成物の平均粒子径を、メジアン径(d50)を測定することで評価した。メジアン径(d50)は、レーザー回折式粒度分布測定装置マイクロトラックMT-3000II(Microtorac INC.製)(湿式)(測定条件;屈折率:1.81、測定範囲:0.021-2000μm、粒度分布:体積基準)を用いて測定した。粒子径は0.19μmであった。
表1に示すクルクミノイド液状組成物を用いて、これにグリセリンを添加して以下の表2に示す組成の組成物を調製し、これを各種硬質カプセルに充填した。
試料1〜試料4をプルラン製カプセル、ゼラチン製カプセル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース製カプセル(いずれもカプスゲルジャパン社製 2号カプセル)に400mgずつ充填し、クルクミノイドを内包するカプセル製剤を製造した。
各カプセルを室温、相対湿度40〜50%の室内に7日間静置して状態を観察した。
観察結果を図1に示す。
各試料の観察結果から、試料3試料4をヒドロキシプロピルメチルセルロースカプセルに充填した製剤だけが安定であった。したがってヒドロキシプロピルメチルセルロース製カプセルを以下の実施例、試験例に用いた。またこのヒドロキシプロピルメチルセルロースカプセルは、充填する液体のグリセリン含量約70%以上、水分含量20%以下にした場合に製剤が安定性を維持できることが明らかとなった。
2.ゲルマトリックスの組成例
薬理活性成分としてαリポ酸(チオクト酸)を含むゲルの組成として表3を示す。
3.カプセル製剤の調製
(1)90℃以上に加熱した精製水に寒天を加え寒天を溶解させる。
(2)あらかじめ80℃に加熱しておいたグリセリンと、(1)の寒天溶液と混合して均一に溶解するまで撹拌する。
(3)(2)で得られた溶液を自然冷却し、液温度が45℃以下になったら薬剤成分としてαリポ酸(チオクト酸)を投入し、撹拌混合してチオクト酸を一様に分散させる。
(4)次いで(3)で得られた液をHPMCカプセル(カプスゲルジャパン社製)に400mg充填し、24時間以上室温に放置して寒天マトリックスを形成させる。
4.油脂コーティング徐放性カプセル製剤の製造(比較例)
特許文献6(特開2007−302570号公報)に開示の徐放化を目的として油脂コーティングされたチオクト酸顆粒を内包するカプセル製剤を調製した。
チオクト酸を50%含有する油脂コーティングマイクロカプセル(日油株式会社製 チオクト酸50F)、セルロース、ステアリン酸カルシウムを表4の組成で、V型混合機で混合し、混合粉末を調製した。この混合粉末を1カプセル当りチオクト酸が5.1mgとなるように充填して実施例と同様にヒドロキシプロピルメチルセルロース製カプセルに充填して徐放性カプセル製剤とした。
5.徐放性能評価試験
(1)実施例1のカプセル製剤と比較例1〜3のカプセル製剤の溶出試験
実施例1の製剤、比較例1、比較例2、比較例3の製剤並びに、日本薬局方一般試験法6.10 溶出試験法に定められた溶出試験法に従って評価を実施した。溶出試験液として日本薬局方に定める溶出試験第1液(食塩2.0gを塩酸7.0mlに溶かして水で1000mlとしたもの)に、日本製薬団体連合会の通知に従って0.1質量%のポリオキシエチレンソルビタンモノオレートを添加した溶液900mlを用いた。なお溶出装置と方法は回転バスケット法の装置を用いて実施した。
またチオクト酸の溶出量の測定はあらかじめ上記の溶出液にチオクト酸を34mg/900mlになるように溶解した溶液を調製し、この溶液の333nmにおける吸光度を測定し、この数値を溶出率1とし、各測定値を相対比率で算出した。なお陽性の対照品としてチオクト酸33.3mgを同様にヒドロキシプロピルメチルセルロース製カプセルに充填したものを用いた。
(2)溶出試験結果
試験結果を図2に示す。
実施例1の製剤はチオクト酸を緩やかに放出していることが確認できた。一方比較例1〜3の製剤は実施例1に比して3〜4時間までは緩やかに放出しているが、4時間以降は放出がとまりプラトーに達した(図示せず)。これはコーティングによってチオクト酸の一部が不溶化したものと考えられた。
(3)徐放性制御の効果確認
上記(1)の試験と同様の条件設定で、実施例1、実施例2、実施例3、対照品について20時間連続の溶出試験をおこなった。溶出量は1時間ごとに測定した。測定結果を図3に示す。
実施例1の製剤は、試験開始後4時間で約80%が溶出し、8時間でチオクト酸の全量が溶出した。一方、実施例2、実施例3の製剤は、試験開始1時間で約30%が溶出したが、その後は緩やかな溶出曲線を描き、20時間経過まで持続的に一定の時間あたりの溶出量を維持していた。また比較例とは異なり、溶出開始時の急な立ち上がりがない。また溶出がプラトーになることはなかった。
以上の結果から、寒天ゲルマトリックスの形成を高める(ゲル強度を上げる)ことで溶出速度を制御できること明らかとなった。したがって、血中濃度の急激な上昇を起こさないで、薬剤を長時間一定の血中濃度に保つことが可能となる。

Claims (10)

  1. 多糖類ゲル及び薬理活性成分を含有する徐放性製剤。
  2. さらにグリセリンを含有する請求項1記載の徐放性製剤。
  3. 多糖類ゲルが寒天ゲルである請求項1または請求項2記載の徐放性製剤。
  4. グリセリンを70%以上含有する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の徐放性製剤。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の徐放性製剤を充填したカプセル製剤。
  6. カプセル製剤のカプセルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を構成成分とするものである請求項5記載のカプセル製剤。
  7. 薬理活性成分が、水難溶解性である請求項5または請求項6に記載のカプセル製剤。
  8. 薬理活性成分がコエンザイムQ10またはチオクト酸である請求項5〜請求項7のいずれかに記載のカプセル製剤。
  9. 水分含量が20質量%以下である請求項5〜請求項8のいずれかに記載のカプセル製剤。
  10. 90℃以上に加熱した水に寒天を加えて溶解した溶液にグリセリンを添加し撹拌混合して溶解させ、次いで該溶液を45℃以下に冷却させた後、生理活性成分または薬理活性成分を添加し、撹拌混合したのち、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセルに充填することを特徴とするカプセル製剤の製造方法。
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JP2014101315A (ja) * 2012-11-20 2014-06-05 Fancl Corp クルクミン含有製剤

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