JP6151586B2 - 溶接ボルト検査ユニット及び溶接ボルト検査装置 - Google Patents

溶接ボルト検査ユニット及び溶接ボルト検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、溶接ボルト検査ユニット及び溶接ボルト検査装置に関する。
従来、例えば自動車等の構造部品には、他の部品と締結固定するために必要な複数のボルトが溶接されたものがある。このように部品に溶接される溶接ボルトは、所定の位置にロボットによって自動溶接されるのが一般的である。このように自動化された工程においても、溶接ボルトの取付け位置や溶接の良否(外観、強度)を判断するための検査工程は、作業者による目視確認や検査器具(打検用ハンマー)を用いた手動の作業により行われていた。このため、作業者の熟練度合い等によって検査精度が異なること等に起因する品質面のバラツキや生産性等において問題を有していた。
このような状況を改善するために、例えば特許文献1に記載の技術が開示されている。本技術は、作業者により従来から行われていた溶接ボルトに対する強度検査を自動化するものである。具体的には、打検用ハンマーによって溶接ボルトを所定の力で叩く作業を、エアシリンダのピストンロッドの伸縮動作を利用して機械的に行うものである。これにより、生産性に対して一定の改善を図ることが可能となった。
特許2783062号公報
しかしながら、特許文献1に開示された溶接検査装置は、溶接強度の検査のみを行うものであり、溶接ボルトの有無の検査は、最初に別途の検査装置によって行われことになるため、煩雑な処理を必要とし、検査に対する処理時間も増加することになる。
また、溶接強度の検査においては、検査結果として溶接ボルトが外れたか否かを判断しているが、その判断は、エアシリンダに取り付けられたリミットスイッチ等、ピストンロッドの移動量を検出することで行っている。従って、仮に溶接ボルトが規定の位置からずれた状態で溶接された場合であっても、溶接ボルトの位置ずれに関わらず検査が実施されることになる。この場合、ピストンロッドの移動量が溶接ボルトの存在を示す範囲内であって溶接ボルトが脱落等せずに存在していれば、溶接ボルトの位置がずれていても検査に合格することになるため、溶接ボルトの位置ずれを正確に検出することができない。
また、特許文献1の溶接検査装置によれば、複数の溶接ボルトに対応した個々の箇所に、エアシリンダ等を備えた検査機構を複数配設しているため、溶接ボルトの位置が異なる他の品種に柔軟に対応することができない。
更に、溶接ボルトが複数密集しているようなワークに対しては、検査対象とする溶接ボルトを押圧する際に、直動シリンダ等の構成部品が他の溶接ボルトと干渉してしまうため、ワーク上での溶接ボルトの形成位置によっては検査できないものが発生してしまう。
また、溶接ボルトへの押圧力の設定は、エアシリンダに供給するエアの圧力をレギュレータによって調圧することで行っている。このため、例えば、エアシリンダの損傷によるエアリークが発生したり、ピストンロッド先端に連設する検査用押圧部材の接触部分の変形・脱落等が発生したりすると、正確な押圧力を溶接ボルトに与えることができなくなる場合がある。このような場合、正確な検査が実施されないか、あるいは溶接ボルトに損傷が与えられた品質異常が疑われる部品が良品として次工程に払い出されるといった事態が生じ、自動化により未検査品や欠陥品が大量に生産される可能性がある。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、溶接ボルトの溶接検査を高精度に行うことを可能にすると共に、常に正常な検査体制が維持された溶接ボルト検査ユニット及び溶接ボルト検査装置を提供することにある。
以上のような目的を達成するために、本発明は以下のようなものを提供する。
請求項1に係る発明は、ロボットのアーム先端に取り付けられ、ワークの所定の箇所に溶接された複数の溶接ボルトの有無、及び溶接強度を順次自動で検査する溶接ボルト検査ユニットであって、前記溶接ボルトの有無を検出可能な在席センサと、前記溶接ボルトを押圧する押圧部と、前記押圧部を進退させるシリンダ機構と、を備え、前記押圧部は、前記シリンダ機構の軸線位置に対して前記シリンダ機構の径方向にずれた位置に配設された押圧先端を有し、前記シリンダ機構及び前記押圧部を、前記在席センサを介して前記シリンダ機構の軸線方向に互いに対向するように一対の対称な構成として備え、前記押圧先端により前記溶接ボルトを前記溶接ボルトの径方向から押圧することで、前記溶接強度を検査することを特徴とするものである
請求項2に係る発明は請求項1に記載の溶接ボルト検査ユニットにおいて、前記溶接ボルトの位置を越えて移動した位置にある前記押圧先端の位置を検出可能な押圧先端検出センサを有することを特徴とするものである
請求項に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の溶接ボルト検査ユニットを備えた溶接ボルト検査装置であって、前記溶接ボルト検査ユニットを連設して移動自在とするロボットと、前記ワークを載置可能な検査台と、を備え、前記ロボットにより前記溶接ボルト検査ユニットを移動させ、前記検査台に載置された前記ワークの所定の箇所に溶接された複数の溶接ボルトの有無と溶接強度を順次自動で検査することを特徴とするものである
請求項に係る発明はロボットのアーム先端に取り付けられ、ワークの所定の箇所に溶接された複数の溶接ボルトの有無、及び溶接強度を順次自動で検査する溶接ボルト検査ユニットを備えた溶接ボルト検査装置であって、前記溶接ボルト検査ユニットを連設して移動自在とするロボットと、前記ワークを載置可能な検査台と、前記溶接ボルト検査ユニットの動作を疑似的に確認するための疑似検査部と、を備え、前記ロボットにより前記溶接ボルト検査ユニットを移動させ、前記検査台に載置された前記ワークの所定の箇所に溶接された複数の溶接ボルトの有無と溶接強度を順次自動で検査するものであり、前記溶接ボルト検査ユニットは、前記溶接ボルトの有無を検出可能な在席センサと、前記溶接ボルトを押圧する押圧部と、前記押圧部を進退させるシリンダ機構と、を備え、前記押圧部は、前記シリンダ機構の軸線位置に対して前記シリンダ機構の径方向にずれた位置に配設された押圧先端を有し、前記押圧先端により前記溶接ボルトを前記溶接ボルトの径方向から押圧することで、前記溶接強度を検査するものであることを特徴とするものである
本発明による溶接ボルト検査ユニット及び溶接ボルト検査装置によれば、溶接ボルトに対する溶接検査を高精度に行うことを可能にすると共に、常に正常な検査体制を維持することができる。
本発明の一実施形態に係る溶接ボルト検査装置の外観図である。 (a)スタッドボルトと(b)ウエルドボルトを示す図である。 本発明の一実施形態に係る溶接ボルト検査ユニットの斜視図である。 本発明の一実施形態に係る溶接ボルト検査ユニットの平面図である。 本発明の一実施形態に係る溶接ボルト検査ユニットの正面図である。 溶接ボルトに対する強度検査等の状況を説明する概略図である。 溶接ボルトに対する強度検査等の状況を説明する概略図である。 本発明の一実施形態に係る溶接ボルト検査ユニットの斜視図である。 複数の溶接ボルトと溶接ボルト検査ユニットとの関係を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る溶接ボルト検査装置の一使用例の処理の流れを示す図である。
本発明の要旨は、ワークの所定の箇所に溶接された複数の溶接ボルトの有無、位置ずれ、及び溶接強度を順次自動で検査可能とするものであり、検査精度の向上と正常な検査体制の維持を図ろうとするものである。
以下、本発明に係る溶接ボルト検査ユニット2を備えた溶接ボルト検査装置1の一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本説明中の溶接ボルト検査ユニット2における前後左右の関係は、図5において、紙面と直交する方向の奥側を後方、手前側を前方とし、同図中における左右側を同様に左右とする。
また、本説明中において、左右同一又は左右対称の構造や部品については、原則として同一の符号を付し、左右何れか一方のみを説明して、他方については説明を適宜省略する。
[実施形態]
溶接ボルト検査装置1は、図1に示すように、溶接ボルト検査ユニット2とロボット3と検査台4と疑似検査部5とで構成されている。溶接ボルト検査ユニット2は、ロボット3のアーム先端に取り付けられ、ワーク101を載置可能な検査台4にセットされたワーク101の所定の箇所に溶接された複数の溶接ボルト102に対して在席(所定の箇所に存在すること)と位置ずれの検査と押圧検査を順次行うことができるように構成されている。つまり、溶接ボルト検査ユニット2は、ワーク101に溶接された複数の溶接ボルト102の有無、位置ずれ、及び溶接強度を順次自動で検査するためのものである。なお、疑似検査部5は、定期的に溶接ボルト検査ユニット2の各部の動作等を確認するものであり、検査精度の向上を目的としたものである。
溶接ボルト検査ユニット2は、検査対象とする溶接ボルト102に対して所定の押圧力を作用させることができると共に、溶接ボルト102の有無を検出可能に構成されている。溶接ボルト検査ユニット2により、ワーク101に対する溶接ボルト102の溶接強度、溶接ボルト102の在席、及び位置ずれが自動で検査される。
本実施形態における被検査物であるワーク101は、自動車の運転席側とエンジンルーム側とを分離して仕切るための部材であり、略板状で平面視略長方形状とし、所定の曲げ加工が施されたものである。また、ワーク101における所定の面には複数の溶接ボルト102が溶接によって固定されており、当該溶接ボルト102によって電装部品等の各種部品がワーク101に締結固定される。
また、本実施形態の溶接ボルト検査装置1は、二種類の溶接ボルト102を検査対象とする。具体的には、溶接ボルト検査装置1は、図2(a)に示すように、ワーク101の表面(検査対象面104)にアーク溶接によって接合されるスタッドボルト102Aと、図2(b)に示すように、ワーク101に形成されたボルト孔103に挿通しつつ抵抗溶接によってワーク101と接合されるウエルドボルト102Bの二種類を検査対象とする。いずれの種類のボルトであっても、ワーク101に溶接された溶接ボルト102は、ワーク101に対してボルト頭部側を基部側として検査対象面104に対して略垂直方向に立設した態様となる。言い換えると、溶接ボルト102は、ネジ部の先端側を突出側の先端側としてワーク101の検査対象面104に対して略垂直方向に突出した状態となる。
ワーク101は、別途のロボット(図示せず)により、図1に示すように、溶接ボルト102が溶接された検査対象面104を略上方に向けた状態で検査台4に載置される。検査台4は、ワーク101を所定の箇所に所定の姿勢で位置決めした状態で支持するように構成されている。検査台4上においては、溶接ボルト検査装置1による検査時においてもワーク101の動きが最小となるようにワーク101が略固定された状態で支持される。
また、検査台4は、複数のワーク検出センサ(図示せず)を備え、ワーク101が検査台4の所定の位置に載置されたか否かを検出可能に構成されている。なお、検査台4に設けられるワーク検出センサは、例えば、ワーク101との接触によって作動するマイクロスイッチや、非接触の光電センサ等、ワーク101の有無を検出可能なセンサであれば適宜選択して用いることができる。
ロボット3は、溶接ボルト検査ユニット2を連設して移動自在とする。つまり、ロボット3は、その先端部に溶接ボルト検査ユニット2を支持し、関節運動等の動作によって溶接ボルト検査ユニット2を任意の場所に移動させる。ロボット3は、基台6と、第一回動部7と、第一アーム9と、第二アーム10と、ハンド部11とを有する。基台6は、ロボット3の基端部を構成する部分であり、略円筒状の外形を有し、筒軸方向を上下方向として所定の設置面上に固定されロボット3の本体部分を支持する。
第一回動部7は、基台6上に設けられ、ロボット3の本体部分を回動自在とする。第一回動部7は、略円筒状の外形を有し、筒軸方向を上下方向として基台6に対して同心配置され筒軸方向を回動軸方向として設けられる。第一アーム9は、第一回動部7の上端部に設けられた第一枢支軸8を介して第一回動部7に枢支連結されている。第二アーム10は、第一アーム9の先端部近傍に設けられた第二枢支軸(図示せず)を介して第一アーム9に枢支連結されている。ハンド部11は、第二アーム10先端部近傍に設けられた第三枢支軸(図示せず)を介して第二アーム10に枢支連結されている。ハンド部11は、第二アーム10の先端側から突出する部分として略円柱状の部分を有し、この略円柱状の部分の先端に、溶接ボルト検査ユニット2がボルト(図示せず)によって締結固定される。
ロボット3の本体部分において各部を枢支連結する第一枢支軸8、第二枢支軸、及び第三枢支軸は、回動軸方向を互いに略平行な所定の水平方向とする。また、溶接ボルト検査ユニット2と連結されるハンド部11の先端部には、略上下方向を回動軸方向として回動自在の第二回動部12がハンド部11と一体に設けられている。つまり、第二回動部12は、ハンド部11の第二アーム10からの突出部分である略円柱状の部分の突出側の端部を構成する部分であり、第二回動部12により、ハンド部11の先端部が部分的に回動可能に構成されている。
また、第一回動部7、第一アーム9、第二アーム10、ハンド部11、第二回動部12は、各々に別途のモータ(図示せず)や油圧機構(図示せず)によって、回動、傾斜自在に構成されている。従って、ロボット3は、ハンド部11が上面視で第一回動部7の軸線方向(垂直方向)までの最大距離を半径とする所定の円周の範囲内において3次元的に任意の位置に移動することができるように構成されている。
なお、ロボット3の構成は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の構成を用いることができる。
このように構成されたロボット3のハンド部11の先端に溶接ボルト検査ユニット2を連結することで、ワーク101に配設された複数の溶接ボルト102の検査が行われる。溶接ボルト検査ユニット2による溶接ボルト102の検査は、溶接ボルト検査ユニット2が、上述したようにワーク101の検査対象面104に対して立設した態様の溶接ボルト102に対して、その溶接ボルト102の軸線方向とハンド部11の第二アーム10からの突出方向(第二回動部12の回動軸方向)とが略一致するような向きに近付けられた状態で行われる。
溶接ボルト102の検査に際して、溶接ボルト検査ユニット2は、溶接ボルト102に対して、図4、図5に示すように、溶接ボルト102の軸線方向の延長上(図5においては上方)に、後述する在席センサ23を所定の距離を隔てて位置させると共に、左右の押圧先端40の間に溶接ボルト102を囲繞するように位置決めされる。このように溶接ボルト102に対して溶接ボルト検査ユニット2が位置決めされた状態で、在席センサ23によって溶接ボルト102の有無、若しくは検査対象面104に対する傾きの有無が検知されると共に、押圧先端40が溶接ボルト102を横側方から押圧することで溶接ボルト102が所定の溶接強度を有しているか否かが検査される。
なお、疑似検査部5の詳細については後述する。
次に、溶接ボルト検査ユニット2の各部について詳説する。なお、以下では、便宜上、ロボット3の先端部を構成するハンド部11の第二アーム10からの突出部分である略円柱状の部分の中心軸方向、つまりハンド部11の先端部を構成する第二回動部12の回動軸方向(以下「ハンド部軸方向」という。)を上下方向(鉛直方向)として説明する。
図3、図4、図5に示すように、溶接ボルト検査ユニット2は、主に本体部15と付勢機構部16とで構成されている。本体部15は、略矩形板状のベース板18を有する。ベース板18は、その板面がハンド部軸方向に対して略垂直となるように、ハンド部11に対して固定支持される。つまり、ベース板18は、その上側の板面を、ハンド部11の先端の第二回動部12の下面側に接触させた状態で、ハンド部11に固定支持される。ベース板18は、その略矩形板状の外形における長手方向(図4において左右方向)の一側の端部を、ロボット3のアーム先端、つまりハンド部11と連結される連結部17とする。
連結部17は、略矩形板状のベース板18の幅寸法(短手方向の寸法)を他の部分に対して大きくする部分である(図4参照)。連結部17には、ベース板18を貫通するボルト孔19が四箇所に形成されており、このボルト孔19が用いられてベース板18の上面側にロボット3のアーム先端の下面側が当接した状態で、ボルト(図示せず)によってハンド部11とベース板18とが互いに締結固定される。このように連結部17によってハンド部11に固定されたベース板18の下側に、付勢機構部16が設けられる。
ベース板18の下面には、後述する付勢機構部16をベース板18の長手方向(左右方向)の両側から囲繞するように二つの支持板20,20が垂設されている。具体的には、一方の支持板20は、ベース板18の連結部17側と反対側の端部に設けられ、他方の支持板20は、ベース板18における連結部17と連結部17以外の本体部分との境界部分に設けられている。二つの支持板20,20は、それぞれベース板18の本体部分と略同じ幅を有する矩形板状の部材であって、長手方向を上下方向として、互いの板面を左右方向に対向させた状態でベース板18の下側に垂設される。各支持板20は、ベース板18の上側からベース板18を貫通する二個のボルト21によってベース板18に締結固定されている。
また、ベース板18の本体部分の左右方向の略中央部の下方に、在席センサブラケット22を介して、溶接ボルト102の有無を検出するための在席センサ23が設けられている。在席センサブラケット22は、略矩形板状の外形を有し、その板面を前後方向に向けて上端部をベース板18の後側面に固定させた状態で、ベース板18に垂設される。この在席センサブラケット22の下端部に、在席センサ23が配設される。
具体的には、在席センサブラケット22の下端部においては、左右方向の一側(図5において左側)から、左右方向に板面を向けるとともに前側に突出する板状の支持片が設けられており、この支持片の内側(図5において右側)に、在席センサ23がボルト等によって固定支持された状態で設けられている。なお、在席センサブラケット22の下端部における支持片側と反対側は、在席センサブラケット22を下側にかけて徐々に幅狭とする斜辺部となっている。
このようにベース板18から下方に延設される在席センサブラケット22の下端部に設けられた在席センサ23は、ワーク101の検査対象面104に立設した態様の溶接ボルト102に対して上方に位置して溶接ボルト102の有無を検出する。溶接ボルト102の有無を検出可能な在席センサ23としては、例えば、光電センサを用いることができる。在席センサ23として光電センサを用いた場合、光電センサの投光部から発した光が溶接ボルト102の上端面で反射して戻る光を受光部で感知して溶接ボルト102の有無を検出したり、反射光の光量から所定の位置とのずれの有無を検出することができる。また、このような溶接ボルト102の有無や位置ずれの検出機能を有するものであれば、在席センサ23としては光電センサ以外のセンサ等を適宜選択して用いることができる。
また、ベース板18の本体部分の左右方向の略中央部の前方には、押圧先端検出センサブラケット24を介して押圧先端検出センサ25が設けられている。押圧先端検出センサブラケット24は、略矩形板状の部材であり、後側をベース板18の下面側に固定させるとともにベース板18から前方に突出した状態で設けられる。押圧先端検出センサブラケット24は、その突出側の先端部の二箇所の角部をC面取り加工した矩形板状とし、面方向を上下方向として後部の上面をベース板18の下面に接触させた状態でベース板18に固定されている。
このようにベース板18から前側に突出する押圧先端検出センサブラケット24の突出部分に、押圧先端検出センサ25が設けられる。押圧先端検出センサ25は、その検出方向を鉛直下方とするように、押圧先端検出センサブラケット24に支持される。押圧先端検出センサ25は、全体として棒状ないしは筒状の外形を有し、その大部分を押圧先端検出センサブラケット24の上面に立設させるとともに押圧先端検出センサブラケット24の下面側に検出部(検出面)を臨ませた状態で設けられる。
具体的には、押圧先端検出センサブラケット24のC面取り加工側である前方の端縁部の略中央部において、押圧先端検出センサ25の検出面が視認できる窓(図示せず)を貫通して形成し、窓と連通した状態で該ブラケット24の上面にてナット58が溶接される。押圧先端検出センサ25の先端に形成されたネジ部(図示せず)によって押圧先端検出センサ25がナット58に螺着されることで、押圧先端検出センサ25が押圧先端検出センサブラケット24に固定支持される。このように構成することで、後述する押圧先端40の左右方向の位置を、押圧先端40と連結され押圧先端40と一体的に移動する押圧継手37を押圧先端検出センサ25で検出することで間接的に確認することができる。
押圧先端検出センサ25としては、例えば、光電センサを用いることができる。押圧先端検出センサ25として光電センサを用いた場合、光電センサの投光部から発した光が、後述する押圧継手37の検出部47の検出面48で反射して戻る光を受光部で感知して押圧先端40の位置を検出することができる。また、押圧先端40の位置の検出機能を有するものであれば、押圧先端検出センサ25として光電センサ以外のセンサ等を適宜選択して用いることができる。
また、ベース板18の上面には、圧力スイッチ26が設けられている。圧力スイッチ26は、矩形ブロック状の筐体を有し、圧力を設定・確認等するための表示部27と複数のスイッチ28とを備える。表示部27及び複数のスイッチ28は、圧力スイッチ26の筐体の一側の面部に配設されており、圧力スイッチ26は、ベース板18上において、表示部27等が配設された面部側が前側となるように設けられる。圧力スイッチ26は、表示部27等が配設された側と反対側、つまり後側の面部において、L型ブラケット29によってベース板18の上面に対して固定支持される。圧力スイッチ26は、後述する付勢機構部16のシリンダ機構33の圧力を制御するものであり、スイッチ28によって設定した所定の圧力で溶接ボルト102を押圧可能とするものである。本実施形態では、二つの圧力スイッチ26が、左右方向について一対の支持板20,20の間であってベース板18の在席センサブラケット22及び押圧先端検出センサブラケット24が設けられる中央部の左右両側に配設されている。
以上のように、溶接ボルト検査ユニット2の本体部15は構成されているが、各部の形状や構造等は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
次に、溶接ボルト検査ユニット2の付勢機構部16について説明する。付勢機構部16は、図3、図4、図5に示すように、本体部15に垂設する左右二つの支持板20,20の間に配設され、ベース板18の本体部分の左右方向の略中央位置を中心として左右対称に構成される一対の付勢機構32を備えている。各付勢機構32は、それぞれ対向する相手方の付勢機構32側と反対側に位置する支持板20に支持された状態で設けられる。以下の説明においては、付勢機構32について、対向する相手方の付勢機構32側(ベース板18の左右方向の中央部側)を「内側」とし、その反対側(支持を受ける支持板20側)を「外側」とする。
付勢機構32は、主に溶接ボルト102を押圧する押圧部36と、押圧部36を所定の方向に沿って進退させるシリンダ機構33と、二本のシャフト34,34とベアリング部35とによって構成されている。付勢機構32は、シリンダ機構33の往復動作によって横方から溶接ボルト102を押圧する。
各部の具体的構造については、シリンダ機構33は、シリンダチューブ41(外筒)と、シリンダチューブ41に挿入された状態で設けられるピストンロッド39とを備える。シリンダ機構33は、シリンダチューブ41の周面に給気ポート42及び排気ポート43を備えたエアシリンダであり、複動片ロッドシリンダとして構成されている。本実施形態では、給気ポート42及び排気ポート43は、いずれもシリンダチューブ41の前側に設けられ、給気ポート42は外側に、排気ポート43は内側に設けられている。シリンダ機構33は、給・排気ポート42,43に対してエアの送排気制御を行うことで、ピストンロッド39をシリンダチューブ41から出没させ、略左右方向に伸縮動作する。給気ポート42にエアが送られることで、シリンダチューブ41からのピストンロッド39の突出量が増加し、シリンダ機構33が伸長する。一方、シリンダチューブ41からのピストンロッド39の突出量を減少させてシリンダ機構33を短縮させる場合は、排気ポート43にエアが供給される。
シリンダ機構33は、ピストンロッド39をシリンダチューブ41から出没させる側を内側とする向きで支持板20に支持された状態で設けられる。したがって、例えば左側のシリンダ機構33は、左側の支持板20の内側(右側)の壁面の下部にシリンダチューブ41の左側面を当接させてボルト等(図示せず)で固定された状態で設けられる。
二本のシャフト34,34は、シリンダ機構33の上方において、左右方向を延設方向(軸方向)として、前後方向に所定の間隔を隔てて互いに平行に配設されている。シャフト34は、シリンダ機構33の伸縮動作にともなってシリンダ機構33の軸線方向(伸縮方向)と平行な方向に移動可能に支持板20に支持される。シャフト34は、支持板20を貫通して外側の端部を支持板20の外側から突出させるとともに、内側については端部をシリンダ機構33のシリンダチューブ41の内側端の位置よりも内側に位置させるように配されている。なお、支持板20は、二本のシャフト34のそれぞれを貫通させるためのシャフト孔44を二箇所に有する。
ベアリング部35は、支持板20とともにシャフト34を貫通させ、上述したように左右方向に移動するシャフト34の軸受部として機能する。ベアリング部35は、例えば、内部においてシャフト34の外周縁が当接しつつ軸方向に摺動可能な「すべり軸受け」や「ころがり軸受」等のベアリング(図示せず)である。ベアリング部35は、シリンダ機構33のシリンダチューブ41の上面外側において載置固定されると共に、支持板20の内側壁面の上部において、支持板20に形成された二つのシャフト孔44とベアリング部35に形成された二つのシャフト挿通孔45を連通させた状態で、ベアリング部35の外側面を支持板20の内側面に当接させてボルト等(図示せず)で支持板20に固定された状態で設けられる。このように、シャフト34は、ベアリング部35のシャフト挿通孔45、及び支持板20のシャフト孔44に挿通される。
押圧部36は、押圧継手37と押圧先端40によって構成されている。押圧継手37は、上下方向に延設される略柱状の部材であり、シリンダ機構33の内側に配置される。押圧継手37の上部には、シリンダ機構33のピストンロッド39の先端側およびシャフト34の内側端が固定される。ここで、ピストンロッド39及びシャフト34は、例えば、押圧継手37側に固定される側の端部に雌ネジ部が形成されることでボルト等によって押圧継手37の外側面に締結固定される。このように、シリンダ機構33のピストンロッド39と二本のシャフト34,34とは、押圧継手37を介して互いに連結されている。また、押圧継手37の下端部に、押圧先端40が設けられている。
また、押圧継手37は、上述したようにピストンロッド39およびシャフト34が固定される部分であって長手方向に延設される略角柱状の部分として継手部46を有し、更に、継手部46の上端部から前方に向けて突出する略角柱状の検出部47を有する。押圧継手37は、継手部46と検出部47とにより、側面視(シャフト34の軸方向視)で全体として略L字状に構成されている。検出部47は、左右方向について、継手部46が下方に向けて延出する位置よりも若干内側にオフセットした位置にて前方に突出する。更に、検出部47の前方先端部には、上方に略直角に突出した凸部が形成され、その凸部の上面が検出面48として用いられる。つまり、検出部47は、継手部46から前方に突出する部分と、その突出部分の先端部から上方に向けて突出する凸部とにより、側面視で略L字状をなし、凸部の先端面(上端面)が検出面48となる。
押圧先端40は、押圧継手37から内側に向けて突出する態様で設けられており、その突出側の先端面を、溶接ボルト102に対して押圧接触させる押圧面49とする。押圧先端40は、継手部46の内側面の下側の部分において、外側(継手部46側)から内側(押圧面49側)にかけて徐々に上下方向の寸法が小さくなるように先細りの形状を有するブロック状の部分として設けられている。詳細には、押圧先端40は、押圧面49を前後方向を長手方向とする長方形状とし、継手部46との当接面側から押圧面49に向けて上下で対称的に上下方向の寸法が小さくなるように形成されている。すなわち、押圧面49を先端とした場合に、外側から内側にかけて水平方向に略先端先鋭状としている。
以上のように、本実施形態の溶接ボルト検査ユニット2は、シリンダ機構33のピストンロッド39の進退動作によって、ピストンロッド39の先端に連結した押圧部36を左右方向に進退自在に移動させるものであり、押圧継手37の先端部に配設した押圧先端40により、横方から溶接ボルト102を押圧するものである。また、押圧継手37には、シリンダ機構33の軸線方向と平行に摺動する二本のシャフト34,34が連結されており、シリンダ機構33の上面外側に、シャフト34,34を支持するベアリング部35が配設され、シャフト34と共に押圧継手37の曲げモーメントを緩和する役割を果たしている。
以上のような構成により、シリンダ機構33のピストンロッド39の進退動作によって、ピストンロッド39と、押圧継手37と、押圧先端40と、二本のシャフト34,34とが一体的に左右方向に移動する。従って、シリンダ機構33のピストンロッド39の伸縮動作に伴い押圧継手37が左右に移動可能となる。そして、押圧継手37と一体として構成する押圧先端40と検出部47も同時に移動することになり、押圧先端40の移動は、溶接ボルト102への押圧を可能とし、検出部47の移動は、押圧先端40の押圧面49が所定の溶接ボルト102の位置を越えて移動した場合(溶接ボルト102が外れた場合)にそれを検出することが可能となる。
押圧継手37において、検出部47が継手部46に対して内側にオフセットさせて構成するのは、検出部47の検出面48を押圧先端検出センサ25で検出すること、すなわち、押圧先端40の先端面(押圧面49)の水平方向(左右方向)の位置を、検出面48を検出することで間接的に検出するためである。本実施形態において、押圧先端40及び検出部47は、継手部46とともに一体的に設けられた部分、つまり相対的な位置関係が一定の部分であり、シリンダ機構33の伸縮動作にともなって左右方向に一体的に移動する。
このため、押圧先端検出センサ25によって、検出部47に設けられた検出面48の左右方向の位置を検出することで、その検出面48の位置から押圧先端40の左右方向の位置が導かれる。本実施形態の押圧部36は、左右方向について、検出面48の内側端の位置となる検出部47の内側壁面の位置がそのまま押圧先端40の押圧面49の位置となるように構成されている。従って、検出部47の内側壁面は、その下方に位置する押圧先端40の先端面(押圧面49)と垂直方向に沿う同一面上に位置することになる。
このように、本実施形態の溶接ボルト検査ユニット2は、溶接ボルト102に接触する部分である押圧先端40の押圧面49の左右方向の位置に関し、押圧先端検出センサ25によって押圧面49の位置を直接検出するのではなく、押圧面49の上方かつベース板18よりも前方に位置し、継手部46から押圧面49と同じ位置の面を形成するように延設された検出面48を押圧先端検出センサ25による検出対象とする構成を採用している。
また、押圧先端40の押圧面49の左右方向の位置は、ピストンロッド39がシリンダチューブ41から最大限に突出することで、押圧先端40によって溶接ボルト102が完全に外れた状態となる位置に設定されている。そして、この溶接ボルト102が完全に外れた状態が、押圧先端検出センサ25によって検出される。このようなシリンダ機構33の動作に連動する押圧面49の位置に合わせて、検出部47と継手部46との左右方向のオフセット量が規定されている。
なお、上述したように構成すると、図7(a)に示すように、溶接ボルト102がワーク101から完全には外れていない状態の場合には、押圧先端検出センサ25が検出面48を検出しないこととなるが、この状態では溶接ボルト102の直上に位置する在席センサ23が溶接ボルト102を検出しないため、溶接ボルト102が所定の位置に存在しないという不具合を検出することができる。
更に、図7(a)に示す場合であっても、押圧先端検出センサ25による受光感度を調整することで、溶接ボルト102が完全に外れた状態となっていなくても、これを検出することができる。
また、図7(b)に示すように、検出部47と継手部46とのオフセット量については、検出部47の内側壁面の位置を押圧先端40の押圧面49よりも内側となるように形成すれば、ピストンロッド39が最大限に突出していなくても、溶接ボルト102の所定の位置を過ぎて押圧先端40が移動したことが検出できる。これにより、ワーク101から完全には外れていない状態の溶接ボルト102を検出することができると共に、溶接ボルト102の直上に位置する在席センサ23が溶接ボルト102を検出しないため、溶接ボルト102の不具合を二重で検出することができる。
更に、検出部47と継手部46を互いに別部材として構成することで、検出部47と継手部46とのオフセット量を調整可能とすることができる。具体的には、図8に示すように、変形例としての溶接ボルト検査ユニット2´においては、検出部47と継手部46を互いに別部材として構成されている。そして、検出部47の継手部46に対する固定部分に、左右方向を長手方向とする長孔52が形成され、この長孔52を貫通するボルト53によって検出部47が継手部46に締結固定される。このような構成により、検出部47と継手部46とのオフセット量を調整自在とすることができる。このように構成すれば、上述した、溶接ボルト102が完全に外れた状態、もしくは完全には外れていない状態の何れかの検出を自在に調整できると共に、押圧先端検出センサ25と検出面との微妙な位置調整も容易に行うことができる。
なお、本実施形態に係る溶接ボルト検査ユニット2は、ベース板18の本体部分の左右方向の略中央位置を中心として一対の付勢機構32を左右対称に構成している。従って、溶接ボルト検査ユニット2は、シリンダ機構33及び押圧部36を、在席センサ23を介してシリンダ機構33の軸線方向に互いに対向するように一対の対称な構成として備える。このような構成により、同一の押圧先端検出センサ25を、互いの付勢機構32の検出部47との関係で共通して使用できるように構成されている。
これに対し、例えば、押圧先端検出センサ25を各付勢機構32,32に対して個別に設ける構成にすれば、検出部47の継手部46に対するオフセットを行うことなく、押圧先端検出センサ25を移動自在とすることで溶接ボルト102の状態に関わらず、検出したい押圧先端40の任意の位置の検出に対応することができる。
以上のような本実施形態に係る溶接ボルト検査ユニット2及び溶接ボルト検査装置1によれば、溶接ボルト102に対する溶接検査を高精度に行うことを可能にすると共に、常に正常な検査体制を維持することができる。具体的には、一本の溶接ボルト102に対する一回の検査で、溶接ボルト102の有無、位置ずれ、及び溶接強度を確実に検査することができるため、検査時間の短縮と検査精度の向上を図ることができる。
また、本実施形態に係る溶接ボルト検査ユニット2は、在席センサ23による検出と押圧部36による押圧検査とによって溶接ボルト102の位置ずれを検出することから、溶接ボルト102の位置がずれた状態を看過することなく、溶接ボルト102の位置ずれを正確に検出することができる。
また、本実施形態に係る溶接ボルト検査ユニット2は、ロボット3に取り付けられてロボット3の動作によって3次元的に移動させられて各溶接ボルト102の検査を行うものである。このため、例えば複数の溶接ボルト102ごとにシリンダ機構等を備えた検査機構が設けられる構成と比べて、溶接ボルト102の配置位置が異なる複数種類のワークに柔軟に対応することができ、高い汎用性が得られる。
また、ワーク101に形成された複数の溶接ボルト102に対して、ロボット3の動作によって溶接ボルト検査ユニット2を移動させることで、一台の溶接ボルト検査装置1で全ての溶接ボルト102を検査できるため、装置構成を簡易化することができると共に、装置のメンテナンス等も容易に行うことができる。
また、本実施形態の溶接ボルト検査ユニット2においては、押圧部36は、シリンダ機構33の軸線位置に対してシリンダ機構33の径方向にずれた位置に配設された押圧先端40を有する。本実施形態では、溶接ボルト検査ユニット2において、押圧継手37の継手部46を、シリンダ機構33の下端位置(詳細にはシリンダチューブ41の下端位置)よりも下方に突出するように配設している。これにより、押圧先端40は、シリンダ機構33の下端位置よりも下方に突出た部分に位置するようにシリンダ機構33の軸線方向に対してシリンダ機構33の径方向に間隔を隔てて配設されている。
詳細には、押圧継手37の継手部46は、シリンダ機構33よりも下方であって、ベース板18の中央部から下方に延設された在席センサブラケット22の先端に設けられて溶接ボルト102を上方から検出する在席センサ23の位置よりも下方の位置まで延出され、その先端部に押圧先端40を配置する。これにより、シリンダ機構33自体が溶接ボルト102と干渉することはない。
また、在席センサ23によって溶接ボルト102の有無等を検出しながら、押圧先端40によって溶接ボルト102を押圧して溶接ボルト102の溶接強度等を検出することが可能となる。つまり、本実施形態に係る溶接ボルト検査ユニット2は、溶接ボルト102に対して在席センサ23によって溶接ボルト102の有無等を検出可能な位置にある状態で、押圧先端40により溶接ボルト102を溶接ボルト102の径方向から押圧することで、溶接ボルト102の溶接強度を検査する。
また、図9に示すような、溶接ボルト102が複数密集した状況においても、他の溶接ボルト102に干渉することなく検査対象とする溶接ボルト102に対して検査を行うことができる。例えば、仮に溶接ボルト102に対する押圧部である押圧先端40が、シリンダ機構33の可動部であるピストンロッド39の延長上に設けられている場合、ワーク101の検査対象面104に立設した状態の溶接ボルト102を押圧先端40によって横から押圧しようとすると、シリンダ機構33を検査対象面104に対して溶接ボルト102と略同じ高さに位置させる必要が生じる。このような場合、図9に示すように複数の溶接ボルト102が密集した状況においては、シリンダ機構33が押圧対象以外の溶接ボルト102に干渉することになる。
そこで、本実施形態に係る溶接ボルト検査ユニット2のように、シリンダ機構33の動作によって移動する押圧先端40を、シリンダ機構33のピストンロッド39の位置からシリンダ機構33の径方向の外側(本実施形態では下方)に延出させた押圧継手37の先端部に設け、押圧先端40の移動位置をピストンロッド39の位置からずらすことで、上述したようなシリンダ機構33の溶接ボルト102への干渉を生じさせることなく、溶接ボルト102を押圧することが可能となる。
また、本実施形態の溶接ボルト検査ユニット2は、付勢機構32を対向して左右に備えるため、一本の溶接ボルト102に対して溶接ボルト検査ユニット2の位置を移動させずに、時間差を設けて正反対の押圧力を印加することができるため、処理時間を最短として検査精度を向上させることができる。
更に、ロボット3のハンド部11を回動させるだけで、一本の溶接ボルト102に対して複数方向からの検査を行うことができる。
また、本実施形態に係る溶接ボルト検査装置1には、図1に示すように、溶接ボルト検査ユニット2の各機構が正常動作するか否かを定期的に確認するための疑似検査部5を備えている。疑似検査部5は、床に固定された金属等の重量物で形成された矩形状ブロック54の上に、被検査対象物である溶接ボルト102と略同形状の疑似ボルト55が固定されている。
疑似ボルト55に対しては、ロボット3のハンド部11等を移動させ、溶接ボルト102の検査を行う要領で溶接ボルト検査ユニット2を位置決めする。この状態で在席センサ23が疑似ボルト55を検出し、更に、押圧先端40が疑似ボルト55を押圧しても押圧先端検出センサ25が押圧先端40を検出しないことが確認できる。すなわち、在席センサ23が疑似ボルト55を検出しない場合には、在席センサ23の故障等、もしくはロボット3による位置決めのズレ等が発生していることになり、また、押圧先端検出センサ25が押圧先端40を検出した場合には、押圧先端40の形状が変形しているか、押圧先端40が継手部46から脱落している状態等を確認できることになる。
なお、シリンダ機構33により押圧先端40から疑似ボルト55に印加される押圧力が所定の圧力を出力できているか否かを確認する手段として、疑似ボルト55にロードセル(図示せず)を連結することもできる。これにより、上記の確認と共に、意図した正常な圧力が押圧先端40を介して疑似ボルト55(溶接ボルト102)に作用されているか否かを確認できる。
このように、疑似検査部5を構成することで、シリンダ機構33に供給されるエア圧が正常であっても、シリンダ機構33内部の損傷等によるエアリークやピストンロッド39の引っかかりが発生していても、押圧先端40から出力される押圧力を確認することで、検査精度を一定の水準で維持することができる。
また、疑似検査部5を用いた疑似検査を、一のワーク101の検査開始前に都度実施するようにすれば、溶接ボルト検査装置1側の不具合による本来ならば検査不適合となる溶接ボルト102を有したワーク101を、次工程に払い出してしまうことを防止できる。従って、信頼性の高い製品を確実に出荷できることになる。
次に、本実施形態に係る溶接ボルト検査装置1の使用手順について図10を参照しながら説明する。
まず、図10に示すように、検査を行うワーク101の品種を決定する(ステップS1)。これにより、予め記録された品種データに基づいて、溶接ボルト検査装置1が検査するワーク101品種に応じた溶接ボルト102の位置データ等が溶接ボルト検査装置1に転送される。
次に、溶接ボルト検査装置1が予め設定された原点位置に移動する(ステップS2)。原点位置は、他の搬送ロボット(図示せず)等と干渉しない位置を任意に設定する。
次に、搬送ロボットが対象品種のワーク101を把持して検査台4へ載置する(ステップS3)。
検査台4が有する複数のワーク検出センサによって、ワーク101が正常に検査台4にセットされたか否かを確認する(ステップS4)。
所定時間経過後にワーク101の検出が認められない場合は、全ての動作を停止させ、エラーを放置する(ステップS5)。
検査台4へのワーク101のセットが正常に行われた場合には、溶接ボルト検査装置1の各アームが可動して溶接ボルト検査ユニット2によって疑似検査部5に形成された疑似ボルト55に対して疑似検査を行う(ステップS6)。
疑似検査において、在席センサ23が疑似ボルト55を検出しない場合や、押圧検査で押圧先端40が押圧先端検出センサ25で検出された場合や、疑似ボルト55に連結したロードセルが所定の圧力の範囲内でない場合には、全ての動作を停止させ、エラーを報知する(ステップS7,S8)。
疑似検査において、上述した不具合が検出されなかった場合は、ワーク101に形成された最初に予定された溶接ボルト102の上方へ溶接ボルト検査ユニット2が移動する(ステップS7,S9)。
溶接ボルト102の有無、又は傾きによって在席センサ23が溶接ボルト102を検出しなかった場合は、全ての動作を停止させ、エラーを報知する(ステップS10,S11)。
在席センサ23が溶接ボルト102を検出した場合は、溶接ボルト検査ユニット2による押圧検査を実施する(ステップS10,S12)。
押圧検査によって、押圧先端40を押圧先端検出センサ25が検出した場合は、全ての動作を停止させ、エラーを報知する(ステップS13,S14)。
押圧検査によって、押圧先端40を押圧先端検出センサ25が検出しなかった場合は(ステップS13)、在席センサ23による溶接ボルト102の検出を行う(ステップS15)。押圧検査によって、溶接ボルト102の傾きが発生し、溶接ボルト102を検出しなかった場合は、全ての動作を停止させ、エラーを報知する(ステップS15,S16)。
次に、同一ワーク101上に他の検査対象となる溶接ボルト102がある場合は(ステップS17)、ステップS9に戻って上述した処理をステップS17まで繰り返す。
ワーク101上の全検査対象となる溶接ボルト102の検査が終了したら(ステップS17)、次に検査すべき別のワーク101があるかを確認する(ステップS18)。
この場合、ワーク101品種の変更が無ければ(ステップS20)、ステップS2に戻って上述した処理をステップS18まで繰り返す。
また、ワーク101品種の変更が有る場合は(ステップS20)、ステップS1に戻って上述した処理をステップS18まで繰り返す。
次に検査すべきワーク101が無い場合は(ステップS18)、溶接ボルト検査装置1を原点位置に移動させ(ステップS19)、全ての処理を終了する。
以上、説明したように本実施形態に係る溶接ボルト検査装置1の使用手順は、溶接ボルト検査ユニット2等、各構成部の構造をより理解し易くするための一使用手順例を説明したものであり、本発明は本使用手順に限定されるものではい。
なお、本実施形態に係る溶接ボルト検査ユニット2は、付勢機構32を二個備えているが、付勢機構32を少なくとも一個備えていれば本発明の要旨の範囲内である。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 溶接ボルト検査装置
2 溶接ボルト検査ユニット
3 ロボット
4 検査台
5 疑似検査部
11 ハンド部
23 在席センサ
25 押圧先端検出センサ
33 シリンダ機構
36 押圧部
40 押圧先端
101 ワーク
102 溶接ボルト
102A スタッドボルト
102B ウエルドボルト

Claims (4)

  1. ロボットのアーム先端に取り付けられ、ワークの所定の箇所に溶接された複数の溶接ボルトの有無、及び溶接強度を順次自動で検査する溶接ボルト検査ユニットであって、
    前記溶接ボルトの有無を検出可能な在席センサと、
    前記溶接ボルトを押圧する押圧部と、
    前記押圧部を進退させるシリンダ機構と、を備え、
    前記押圧部は、前記シリンダ機構の軸線位置に対して前記シリンダ機構の径方向にずれた位置に配設された押圧先端を有し、
    前記シリンダ機構及び前記押圧部を、前記在席センサを介して前記シリンダ機構の軸線方向に互いに対向するように一対の対称な構成として備え、
    前記押圧先端により前記溶接ボルトを前記溶接ボルトの径方向から押圧することで、前記溶接強度を検査することを特徴とする溶接ボルト検査ユニット。
  2. 前記溶接ボルトの位置を越えて移動した位置にある前記押圧先端の位置を検出可能な押圧先端検出センサを有することを特徴とする請求項1に記載の溶接ボルト検査ユニット。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の溶接ボルト検査ユニットを備えた溶接ボルト検査装置であって、
    前記溶接ボルト検査ユニットを連設して移動自在とするロボットと、
    前記ワークを載置可能な検査台と、を備え、
    前記ロボットにより前記溶接ボルト検査ユニットを移動させ、前記検査台に載置された前記ワークの所定の箇所に溶接された複数の溶接ボルトの有無と溶接強度を順次自動で検査することを特徴とする溶接ボルト検査装置。
  4. ロボットのアーム先端に取り付けられ、ワークの所定の箇所に溶接された複数の溶接ボルトの有無、及び溶接強度を順次自動で検査する溶接ボルト検査ユニットを備えた溶接ボルト検査装置であって、
    前記溶接ボルト検査ユニットを連設して移動自在とするロボットと、
    前記ワークを載置可能な検査台と、
    前記溶接ボルト検査ユニットの動作を疑似的に確認するための疑似検査部と、を備え
    前記ロボットにより前記溶接ボルト検査ユニットを移動させ、前記検査台に載置された前記ワークの所定の箇所に溶接された複数の溶接ボルトの有無と溶接強度を順次自動で検査するものであり、
    前記溶接ボルト検査ユニットは、
    前記溶接ボルトの有無を検出可能な在席センサと、
    前記溶接ボルトを押圧する押圧部と、
    前記押圧部を進退させるシリンダ機構と、を備え、
    前記押圧部は、前記シリンダ機構の軸線位置に対して前記シリンダ機構の径方向にずれた位置に配設された押圧先端を有し、
    前記押圧先端により前記溶接ボルトを前記溶接ボルトの径方向から押圧することで、前記溶接強度を検査するものである
    ことを特徴とする溶接ボルト検査装置。
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