JP2012139725A - スポット溶接自動検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶接部位の検査時間を短縮しつつ、製品の品質のばらつきを抑制するスポット溶接自動検査装置を提供する。
【解決手段】スポット溶接自動検査装置20は、溶接検査機21、リカバリ溶接機22および検査用制御装置23を備えている。スポット溶接自動検査装置20は、第一溶接工程と第二溶接工程との間において、溶接検査機21によりスポット溶接機3により溶接された溶接位置の検査を行い溶接の良否を判定するとともに、判定結果が否である溶接位置に対してリカバリ溶接機22による再溶接を実施する。
【選択図】図1
【解決手段】スポット溶接自動検査装置20は、溶接検査機21、リカバリ溶接機22および検査用制御装置23を備えている。スポット溶接自動検査装置20は、第一溶接工程と第二溶接工程との間において、溶接検査機21によりスポット溶接機3により溶接された溶接位置の検査を行い溶接の良否を判定するとともに、判定結果が否である溶接位置に対してリカバリ溶接機22による再溶接を実施する。
【選択図】図1
Description
本発明は、スポット溶接により溶接された溶接部位を検査するスポット溶接自動検査装置に関する。
従来、例えば自動車の製造ラインなどでは、スポット溶接が広く行われている。スポット溶接された溶接位置は、例えば、検査用のサンプルを作製しそのサンプルを破壊することにより溶接位置の強度を検査する剥離検査や、あるいはタガネやドライバーなどの治具を用いて溶接位置に問題がないかを検査する所謂タガネ検査などが行われている。剥離検査の場合、溶接位置が剥離しないかどうかを検査することから、溶接位置に不具合がない正常品であったとしても検査後には製品として利用することができなくなる。そのため、剥離検査には膨大なコストが掛かってしまい、例えば月に1台などの割合で行われているのが実情である。一方、タガネ検査の場合、ほぼ全数の製品に対して行われるものの、非破壊検査であること、また、作業者の経験に基づいて行われることなどから、溶接位置の強度が基準を満たしているかを確実に判定することが困難であるという事情がある。また、タガネ検査は、製品を破壊しないものの、ストレスを与えるおそれがある。そこで、例えば特許文献1には、溶接位置に対して磁場を印加し、その磁場に基づく磁束密度の変化から溶接位置の強度を検査する非破壊測定装置が開示されている。このような非破壊測定装置による検査の場合、剥離検査のようにサンプルを作製する必要が無く、またタガネ検査のように製品にストレスを与えることも無いなどの利点がある。
しかしながら、例えば自動車の製造ラインの場合、数千箇所程度の溶接部位が存在し、そのうち重要とされる溶接部位だけでも数百箇所程度といわれている。そのため、タガネ検査のように作業者が検査を行う場合、全ての溶接位置について検査をすると、膨大な時間がかかるという問題がある。また、タガネによる検査は作業員により行われることから、溶接の良否の判断即ち製品の品質にばらつきが生じるおそれもある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、溶接部位の検査にかかる時間を短縮しつつ、製品の品質のばらつきを抑制するスポット溶接自動検査装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載した発明は、予め設定された溶接位置において対象物を溶接するスポット溶接手段と、前記溶接位置に磁場を印加し、印加した磁場の磁束密度を測定し、前記溶接位置における磁束密度の分布を検出する検出手段と、前記検出手段により検出した前記磁束密度の分布に基づいて前記溶接位置における溶接の良否を判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果が否である前記溶接位置を再び溶接するリカバリ溶接手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記検出手段および前記リカバリ溶接手段は、前記対象物の製造ラインにインラインで設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記スポット溶接手段により溶接した前記溶接位置のうち、検査対象とする溶接位置を設定する検査位置設定手段をさらに備え、前記検出手段は、前記検査位置設定手段により設定した検出対象となる溶接位置における前記磁束密度の分布を検出することを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記スポット溶接手段により溶接した前記溶接位置のうち、検査対象とする溶接位置を設定する検査位置設定手段をさらに備え、前記検出手段は、前記検査位置設定手段により設定した検出対象となる溶接位置における前記磁束密度の分布を検出することを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記検出手段および前記リカバリ溶接手段は、一台のロボットで構成されていることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記製造ラインでは複数の溶接工程を実施し、前記検出手段は、複数の前記溶接工程の各工程間において、前記溶接位置の前記磁束密度の分布を検出することを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記製造ラインでは複数の溶接工程を実施し、前記検出手段は、複数の前記溶接工程の各工程間において、前記溶接位置の前記磁束密度の分布を検出することを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記スポット溶接手段を前記リカバリ溶接手段として使用することを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、外形が異なる複数種類の前記検出手段が設けられており、前記溶接位置に関する情報を取得する溶接位置情報取得手段と、前記溶接位置情報取得手段により取得された前記溶接位置の情報に基づいて、複数種類の前記検出手段から使用する検出手段を選択する選択手段と、をさらに備えることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、外形が異なる複数種類の前記検出手段が設けられており、前記溶接位置に関する情報を取得する溶接位置情報取得手段と、前記溶接位置情報取得手段により取得された前記溶接位置の情報に基づいて、複数種類の前記検出手段から使用する検出手段を選択する選択手段と、をさらに備えることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、前記溶接位置に対する前記判定手段による判定結果の履歴とその溶接位置を溶接した前記スポット溶接手段とを対応付けしたデータである履歴データを記憶する記憶手段をさらに備え、前記リカバリ溶接手段は、前記記憶手段に記憶されている前記履歴データに基づいて、前記溶接位置に対する判定結果が否であると判定された回数が予め設定されている不良判定回数を越えたとき、前記スポット溶接手段の代わりに溶接を行うことを特徴とする。
請求項9に記載した発明は、前記溶接位置の近傍における前記対象物の表面形状を取得する表面形状取得手段をさらに備え、前記検出手段は、前記表面形状取得手段で取得した前記溶接位置の表面形状に基づいて、前記溶接位置に対して垂直方向から前記溶接位置における磁束密度の分布を検出することを特徴とする。
請求項10に記載した発明は、前記検出手段を保持する保持手段と、前記保持手段に保持された前記検出手段に加わる圧力を検知する圧力検知手段と、をさらに備え、前記保持手段は、前記溶接位置の検出時に、前記圧力検知手段により検知される圧力が予め定められている規定圧で前記検出手段を保持するとともに、前記圧力が予め設定されている上限圧を超えた場合、前記圧力が前記上限圧よりも低くなる待避位置に前記検出手段を移動する。
請求項11に記載した発明は、前記検出手段を支持する支持部材と、弾性部材で形成され、前記支持部材と前記検出手段との間に設けられる関節部材と、をさらに備え、前記関節部材は、前記溶接位置の検出時に、前記検出手段を前記溶接位置に押しつけつつ前記溶接位置に対して垂直になるように弾性変形することを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、検出手段で検出した磁束密度に基づいて溶接の良否を判定している。これにより、溶接の良否の判定に要する作業時間を大幅に短縮することができる。また、判定手段により溶接の良否を判定することにより、溶接の良否の判定を作業員の経験などによらず実施することができ、製品の品質にばらつきが生じるおそれを低減することができる。
また、検出手段により検出される磁束密度に基づいて溶接位置における溶接の良否を判定する非破壊検査を行うので、剥離検査を行う必要が無いことから検査にかかるコストを大幅に削減することができる。
また、判定手段による判定結果が否である溶接位置を再び溶接するリカバリ溶接手段を設けている。このリカバリ溶接手段は、溶接位置あるいは溶接位置の近傍を再び溶接する。これにより、迅速に再溶接を行うことができ、生産効率を向上させることができる。
また、検出手段により検出される磁束密度に基づいて溶接位置における溶接の良否を判定する非破壊検査を行うので、剥離検査を行う必要が無いことから検査にかかるコストを大幅に削減することができる。
また、判定手段による判定結果が否である溶接位置を再び溶接するリカバリ溶接手段を設けている。このリカバリ溶接手段は、溶接位置あるいは溶接位置の近傍を再び溶接する。これにより、迅速に再溶接を行うことができ、生産効率を向上させることができる。
請求項2に記載した発明によれば、検出手段およびリカバリ溶接手段は、製造ラインにインラインで設けられている。これにより、対象物を製造ラインから検査設備が設置されている場所まで移送する必要が無くなり、検査時間の短縮および作業効率の改善を図ることができる。
請求項3に記載した発明によれば、検査対象とする溶接位置を設定する検査位置設定手段を備えているので、例えば全ての溶接位置のうち重要とされる溶接位置を検査対象として設定することにより、製品の品質を維持したまま作業時間の短縮を図ることができる。勿論、全ての溶接位置を検査対象として設定することもでき、その場合には、製品の品質をさらに向上させることができる。
請求項4に記載した発明によれば、検出手段およびリカバリ溶接手段を一台のロボットで構成しているので、機器を設置するためにロボット一台分の空きスペースがあればよい。このため、既存の設備の改造などを抑制することができ、新たにスポット溶接自動検査装置を設置するときの初期コストを低減することができる。
請求項5に記載した発明によれば、製造ラインに複数の溶接工程が実施されている場合、検出手段を溶接工程の各工程間に設けている。これにより、例えば前段の溶接工程において溶接された溶接位置が後段の溶接工程において追加された部品に覆われて検査できなくなるような状態を回避することができる。つまり、前工程で溶接した溶接位置の全てが検査可能な状態で検査を行うことが可能になり、検査の信頼性および製品の品質をさらに向上させることができる。
請求項6に記載した発明によれば、スポット溶接手段をリカバリ溶接手段として使用する。これにより、例えば、スポット溶接手段に検査手段を設けることにより、既設の設備を大幅に変更することなく、溶接および検査を行うことができる。あるいは、複数の溶接工程のうち後段の溶接工程に設けられているスポット溶接手段を前段の溶接工程に対するリカバリ溶接手段として用いることにより、設備投資を抑制することができる。
請求項7に記載した発明によれば、外形が異なる複数種類の検出手段のうち、溶接位置情報取得手段で取得された溶接位置に関する情報に基づいて、使用する検出手段を選択する。例えばスポット溶接手段の溶接チップの太さが異なると、溶接位置の大きさも変化することがある。そのため、溶接位置に関する情報、例えば溶接チップの太さや溶接位置の物理的な配置などに基づいて、大きさの異なる検出手段を切り替える。これにより、例えば検出手段が小さ過ぎて溶接位置の全体の磁束密度の測定ができない、あるいは検出手段が大き過ぎて溶接位置に物理的に届かないといった不具合を抑制することができる。つまり、利便性を向上させることができる。
請求項8に記載した発明によれば、判定手段による判定結果を、溶接を実施したスポット溶接手段と対応付けして履歴データを記憶する。これにより、スポット溶接手段の劣化や消耗度合いなどを把握することができる。また、溶接不良の発生率がどのスポット溶接手段で高いか、あるいは、どの溶接位置において高いかなどの傾向を把握することもでき、品質管理上において有益なデータとなる。
また、スポット溶接手段に異常が生じていると判定した場合、リカバリ溶接手段により溶接を代行するので、整備のためにスポット溶接手段を停止させる必要がある場合であっても、製造ライン全体を停止する必要がない。したがって、生産効率を低下させることがない。
請求項9に記載した発明によれば、検出手段は、表面形状取得手段で取得した溶接位置の表面形状に基づいて、溶接位置に対して垂直方向から磁束密度の分布を検出する。これにより、検出手段の検出方向が溶接位置の表面に対して垂直になり、磁束密度の分布の検出の精度を向上させることができる。この場合、垂直方向とは、対象物の表面に対して正確に90°である状態だけでなく、若干90°からずれた範囲をも含んでいる。
請求項10に記載した発明によれば、保持手段は、検出手段に加わる圧力が規定圧になるように検出手段を保持するとともに、上限圧を超えた場合には圧力が上限圧よりも低くなる待避位置に検出手段を移動する。これにより、検出手段が溶接位置に密着し、検出の精度を向上させることができる。また、保持手段は、圧力が上限値を超えると検出手段を待避するので、検出手段が破損するおそれを低減することができる。
請求項11に記載した発明によれば、関節部材は、検出手段を溶接位置に押しつけつつ、溶接位置に対して垂直になるように弾性変形する。この場合、関節部材は、支持部材と検出手段の検出部との間に設けられている。これにより、検出手段を溶接位置に密着させることができるとともに、溶接位置の表面形状によらず検出手段を溶接位置の表面に対して垂直方向に配置でき、検出の精度を向上させることができる。この場合、垂直方向とは、対象物の表面に対して正確に90°である状態だけでなく、若干90°からずれた範囲をも含んでいる。
以下、本発明によるスポット溶接自動検査装置の複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。また、以下に説明する複数の実施形態では、実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態によるスポット溶接自動検査装置を図1から図5を参照して説明する。
まず、スポット溶接自動検査装置を適用する自動車の製造ラインについて説明する。自動車の製造ラインでは、例えば組み立て工程、溶接工程、塗装工程などの各種の製造工程が実施されている。そのうち、図2に示すように、自動車の製造ライン1の溶接工程では、第一溶接工程、第二溶接工程および第三溶接工程のような複数のサブ溶接工程が実施されている。この製造ライン1には、搬送装置2、複数のスポット溶接機3、溶接用制御装置4が設けられている。搬送装置2は、例えばベルトコンベアなどで構成されており、溶接の対象物である部品を搬送する。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態によるスポット溶接自動検査装置を図1から図5を参照して説明する。
まず、スポット溶接自動検査装置を適用する自動車の製造ラインについて説明する。自動車の製造ラインでは、例えば組み立て工程、溶接工程、塗装工程などの各種の製造工程が実施されている。そのうち、図2に示すように、自動車の製造ライン1の溶接工程では、第一溶接工程、第二溶接工程および第三溶接工程のような複数のサブ溶接工程が実施されている。この製造ライン1には、搬送装置2、複数のスポット溶接機3、溶接用制御装置4が設けられている。搬送装置2は、例えばベルトコンベアなどで構成されており、溶接の対象物である部品を搬送する。
スポット溶接機3は、3次元移動可能な多関節型の溶接用ロボット5と、溶接用ロボット5のアームの先端側に取り付けられている溶接ガン6とを備えている。スポット溶接機3は、各サブ溶接工程に一台または複数台設けられている。なお、溶接用ロボット5および溶接ガン6は周知の構成のものを採用しているため、それらの詳細な説明は省略する。スポット溶接機3は、溶接用制御装置4によって制御されており、搬送装置2によって搬送される各種の部品をスポット溶接により溶接する。具体的には、例えば第一溶接工程のスポット溶接機3は、シャーシ部品7を溶接する。同様に、第二溶接工程のスポット溶接機3はシャーシ部品7に取り付けられたフロント部品8を溶接し、第三溶接工程のスポット溶接機3はシャーシ部品7に取り付けられたドア部品9、ルーフ部品10、リア部品11などを溶接する。つまり、各スポット溶接機3は、各サブ溶接工程において追加された部品を順次溶接する。この場合、第一溶接工程においては点P1および点P2が溶接位置に相当し、第二溶接工程においては点P3が溶接位置に相当し、第三溶接工程においては点P4および点P5が溶接位置に相当する。
溶接用制御装置4は、溶接用ロボット5および溶接ガン6を溶接箇所に移動させる指示を行うとともに、溶接ガン6による溶接作業を制御する。なお、図1に示す製造ライン1や図2に示す溶接工程および溶接位置は模式的なものであり、各製造工程や部品の種類あるいは溶接位置の数などは必ずしも実際の製造ラインにおけるものを示しているわけではない。例えば、図2の場合、数千箇所ある溶接位置のうち、数箇所の溶接位置のみを示している。
さて、自動車の製造ライン1では、前述のように、全ての溶接が終了した後で、作業員によってタガネにより溶接位置の強度を確認する検査や、目視により溶接状態を検査することが行われている。以下、それらの検査を総称してタガネ検査という。しかし、実際の自動車の場合、構造上重要とされる溶接位置だけでも数百箇所程度にのぼるといわれている。そのため、作業員によって行われるタガネ検査には、膨大な時間がかかる。また、例えば、図2に示した第一溶接工程における溶接位置である点P1は、第二溶接工程ではフロント部品8により覆われてしまう。同様に、第二溶接工程における溶接位置である点P3は第三溶接工程ではフロント部品8により覆われてしまい、第三溶接工程では、点P1〜P3の全てがドア部品9やルーフ部品10により覆われてしまうことになる。このように、サブ溶接工程が進行するほど、タガネ検査を行うことが実質的に不可能になるおそれがある。
そこで、本実施形態では、溶接位置を非破壊且つ自動で検査するとともに、追加された部品により覆われてしまう溶接位置をも検査している。図1に示すように、スポット溶接自動検査装置20は、溶接検査機21、リカバリ溶接機22および検査用制御装置23を備えている。これらのうち、溶接検査機21およびリカバリ溶接機22は、サブ溶接工程の工程間、即ち、例えば第一溶接工程と第二溶接工程との間において、製造ライン1にインラインで設けられている。なお、図示は省略するが、溶接検査機21およびリカバリ溶接機22は、第二溶接工程と第三溶接工程との間など、他のサブ溶接工程間にも設けられている。
溶接検査機21は、検査用ロボット24と検出部25とを備えている。検査用ロボット24は、3次元移動可能な多関節型のロボットであり、スポット溶接機3の溶接用ロボット5とほぼ同様の構成のものである。検出部25は、検査用ロボット24のアームの先端側に取り付けられている。検出部25は、詳細な原理の説明は省略するが、前述した特許文献1に開示されているものと同様の構成であり、溶接位置に磁場を印加し、印加した磁場の磁束密度を測定することにより、溶接位置における磁束密度の分布を検出する。
リカバリ溶接機22は、リカバリ用ロボット26と溶接ガン27とを備えている。リカバリ用ロボット26は、3次元移動可能な多関節型のロボットであり、スポット溶接機3の溶接用ロボット5とほぼ同様の構成のものである。溶接ガン27は、リカバリ用ロボット26のアームの先端側に取り付けられており、スポット溶接機3の溶接ガン6と同様に対象物をスポット溶接する。つまり、本実施形態のリカバリ溶接機22は、実質的にスポット溶接機3と同じ構成でもよい。リカバリ溶接機22は、各溶接工程のスポット溶接機3により溶接された溶接位置に対する再溶接を実施するために設けられている。具体的には、図1に示す第一検査工程の場合、リカバリ溶接機22は、第一溶接工程のスポット溶接機3により溶接された溶接位置に対する再溶接を実施する。
検査用制御装置23は、図3に示すように、制御部28、検査位置設定部29、判定部30、記憶部31および通信部32を備えている。制御部28は、図示しないCPU、ROM、RAMなどを備えたコンピュータにより構成されており、例えばROMや記憶部31に記憶されているコンピュータプログラムに従ってスポット溶接自動検査装置20の全体を制御する。具体的には、制御部28は、検査用ロボット24に対する駆動指令、検出部25に対する検査指令、リカバリ用ロボット26に対する駆動指令および溶接ガン27に対する再溶接指令などを出力する。
検査位置設定部29は、通信部32を介して溶接用制御装置4から取得した溶接位置のうち、何れの溶接位置を検査対象とするかを設定する。検査位置設定部29は、例えば、溶接用制御装置4から取得した溶接位置の全数、あるいは上述した重要とされる溶接位置を検査対象として設定する。本実施形態では、検査位置設定部29は、上記した構造上重要とされる溶接位置を検査位置として設定している。検査位置設定部29は、例えば図示しない操作入力手段からの作業者による操作入力、あるいは、予め記憶部31などに記憶されている条件などに基づいて検査対象となる溶接位置を設定する。判定部30は、検出部25により検出された磁束密度に基づいて、検査対象に設定された溶接位置における溶接の品質を判定する。検査位置設定部29および判定部30は、本実施形態では、制御部28のCPUにより実行されるソフトウェアにより実現されている。
記憶部31は、例えばハードディスクドライブやメモリカードなどの記憶媒体で構成されている。記憶部31は、上記したコンピュータプログラムや、検査位置設定部29により設定された検査対象となる溶接位置の座標データなどを記憶する。座標データは、溶接用制御装置4から溶接用ロボット5に出力された駆動指令の内容、即ち、溶接用ロボット5が溶接ガン6を溶接位置に移動させるためのデータに相当する。通信部32は、有線あるいは無線の通信媒体により、溶接用制御装置4との間で溶接位置の座標データなどの情報を送受信する。なお、通信部32と、製造ライン1全体を制御する図示しない中央制御装置とを通信可能に構成し、溶接位置の座標データや搬送装置2で搬送されている部品の位置データなどを中央制御装置から取得するようにしてもよい。
ここで、判定部30による溶接位置の溶接の良否の判定について説明する。スポット溶接は、一般的に、対象物を加圧しつつ電流を流すことにより溶接を行っている。そのため、例えば鋼板を対象物とした場合、溶接位置である点P1は、図4(A)に示すような断面構造になる。溶接位置における鋼板40は、スポット溶接機3の溶接ガン6によって加圧されることにより、その表面がほぼ円形に窪んだ領域であるインデンテーション部41が形成される。そして、このインデンテーション部41の内側に、鋼板40が互いに溶着した領域であるナゲット部42がほぼ円形に形成される。
さて、スポット溶接においては、溶接位置における溶接の品質、特に、溶接位置における溶着の強度は、ナゲット部42の大きさL1によって判断されることが多い。ナゲット部42の大きさL1は、円形に形成されるナゲット部42の径に相当する。本実施形態では、判定部30は、ナゲット部42の大きさL1が基準値よりも大きい場合、溶接位置の品質が良であると判定する。なお、インデンテーション部41では加圧により厚みが薄くなっているため、インデンテーション部41の径に相当する大きさL2も、溶接位置における構造的な強度に影響する。また、ナゲット部42の周辺において、鋼板40同士が圧接された領域である接合部43の径に相当する大きさL3は、ナゲット部42の大きさL1とともに、溶接位置における接合強度に影響する。そのため、判定部30は、溶接位置の構造的な特性値であるナゲット部42の大きさL1、インデンテーション部41の大きさL2および接合部43の大きさL3に基づいて、溶接の良否を判定するようにしてもよい。具体的には、溶接位置の構造的な特性値から求められる強度が予め定められている判定基準値を上回っていれば良であると判定し、下回っていれば否であると判定することなどが考えられる。
ここで、ナゲット部42の大きさL1の算出方法について簡単に説明する。溶接位置の構造的な特性値は、図4(B)に示すように、検出部25により検出される磁束密度の分布により求めることができる。溶接位置における磁束密度は、インデンテーション部41の外側ではほぼ一定値となる一方、インデンテーション部41の内側では減少する。つまり、検出部25により検出される磁束密度は、インデンテーション部41の内側の領域が減少した凹状の分布を示す。そして、この凹状の分布におけるピーク間の面積Saと、インデンテーション部41の大きさL2とは、強い相関を示すことが知られている。このため、面積Saから、インデンテーション部41の大きさL2を精度よく求めることができる。また、磁束密度を検出すると、対象物例えば鋼板40の物性に基づいて、リラクタンスや電気抵抗を算出することができる。
そして、スポット溶接自動検査装置20は、リラクタンスや電気抵抗の分布に基づいて、ナゲット部42の大きさL1および接合部43の大きさL3も求めている。具体的には、図4(B)に示すリラクタンスのグラフにおけるピーク間の面積Sbに相関するナゲット部42の大きさL1を求め、電気抵抗のグラフにおけるピーク間の面積Scに相関する接合部43の大きさL3を求めている。各グラフのピーク間の面積Sa、Sb、Scと、ナゲット部42の大きさL1、インデンテーション部41の大きさL2および接合部43の大きさL3との相関関係は、予め試験することにより関数やテーブルとして記憶部31に記憶されている。そして、スポット溶接自動検査装置20は、これらの構造的な特性値と溶接位置の強度との関係を、予め試験することにより関数やテーブルとして記憶部31に記憶している。このように、スポット溶接自動検査装置20は、磁束密度に基づいて構造的な特性値ひいては溶接位置の強度などを求めている。
次に、上記した構成のスポット溶接自動検査装置20の作用について説明する。なお、以下では、図1に示す第一検査工程を例にして説明する。
検査用制御装置23の制御部28は、図5に示す検査処理において、まず溶接位置を取得する(S1)。制御部28は、第一溶接工程におけるスポット溶接機3によって溶接が行われた溶接位置に関するデータを座標データとして溶接用制御装置4から取得する。溶接位置を取得すると、制御部28は、検査位置を抽出する(S2)。制御部28は、取得した溶接位置のうち、一部を検査位置として抽出する。なお、同一の製品であれば同一の溶接位置が検査対象であることから、検査位置は、予め検査位置設定部29により検査処理の前段階で設定されているものとする。
検査用制御装置23の制御部28は、図5に示す検査処理において、まず溶接位置を取得する(S1)。制御部28は、第一溶接工程におけるスポット溶接機3によって溶接が行われた溶接位置に関するデータを座標データとして溶接用制御装置4から取得する。溶接位置を取得すると、制御部28は、検査位置を抽出する(S2)。制御部28は、取得した溶接位置のうち、一部を検査位置として抽出する。なお、同一の製品であれば同一の溶接位置が検査対象であることから、検査位置は、予め検査位置設定部29により検査処理の前段階で設定されているものとする。
続いて、制御部28は、検出部25を検査位置に移動させた後(S3)、検査を実施する(S4)。制御部28は、取得した座標データに基づいて検査用ロボット24に駆動指令を出力することにより、検出部25を検査位置に移動させる。そして、制御部28は、検出部25に対して磁界を印加する指示および、印加した磁界の磁束密度を検出する指示を出力し、その磁場の磁束密度を検出することにより検査対象となった溶接位置の構造的な特性値であるナゲット部42の大きさL1、インデンテーション部41の大きさL2および接合部43の大きさL3を取得する。
溶接位置の構造的な特性値が取得されると、判定部30は、上記したように検査対象となった溶接位置における溶接の品質の良否を判定する(S5)。続いて、制御部28は、判定部30による判定結果に基づいて、判定結果が良である場合には(S6:YES)、全検査対象を検査したかを判定し(S7)、全検査対象の検査が終了している場合には(S7:YES)、検査処理を終了する。一方、制御部28は、全検査対象の検査が終了していない場合には(S7:NO)、ステップS3に移行し、全検査対象の検査が終了するまで上記した検査および溶接の良否の判定を繰り返す。
これに対し、制御部28は、ステップS6において判定部30による判定結果が否である場合には(S6:NO)、その溶接位置に対してリカバリ溶接機22による再溶接を実施する(S8)。この場合、リカバリ溶接機22は、溶接位置あるいは溶接位置の近傍を再溶接する。これにより、スポット溶接機3による溶接が不充分あるいは不良であった溶接位置は、リカバリ溶接機22により再溶接されることにより、溶接の品質が適切なものになる。具体的には、例えば溶接位置の近傍をリカバリ溶接機22で再溶接することなどにより、溶接位置の溶接強度を増加させることができる。このとき、取得されたナゲット部42の大きさL1に基づいて、スポット溶接時の加圧度合いや電流の大きさなどの条件を変化させることにより、再溶接箇所に形成されるナゲット部42の大きさL1が基準を満たすようにしてもよい。なお、スポット溶接そのものが不可である場合には、アーク溶接を実施可能なリカバリ溶接機22を設けておき、アーク溶接による再溶接を行うようにしてもよい。
その後、制御部28は、ステップS7に移行して、全検査対象の検査が終了した場合には検査処理を終了する一方(S7:YES)、未検査の溶接位置が残っている場合には(S7:NO)、ステップS3に移行して検査を繰り返す。
このように、スポット溶接自動検査装置20は、溶接検査機21を用いて検査対象となった溶接位置の非破壊検査および溶接の良否の判定を繰り返し、判定結果が否である溶接位置に対しては、リカバリ溶接機22による再溶接を実施する。
このように、スポット溶接自動検査装置20は、溶接検査機21を用いて検査対象となった溶接位置の非破壊検査および溶接の良否の判定を繰り返し、判定結果が否である溶接位置に対しては、リカバリ溶接機22による再溶接を実施する。
以上説明したスポット溶接自動検査装置20によれば、次のような効果を得ることができる。
スポット溶接自動検査装置20は、検査用ロボット24に設けられている検出部25を有する溶接検査機21と、第2ロボットに設けられている溶接ガン27を有するリカバリ溶接機22とを検査用制御装置23で制御することにより、スポット溶接機3により溶接された溶接位置の検査を行っている。これにより、溶接位置を自動で検査することが可能になり、検査に要する作業時間を大幅に短縮することができる。
スポット溶接自動検査装置20は、検査用ロボット24に設けられている検出部25を有する溶接検査機21と、第2ロボットに設けられている溶接ガン27を有するリカバリ溶接機22とを検査用制御装置23で制御することにより、スポット溶接機3により溶接された溶接位置の検査を行っている。これにより、溶接位置を自動で検査することが可能になり、検査に要する作業時間を大幅に短縮することができる。
また、自動化および高速化が可能になることから、検査に要する時間との兼ね合いから従来は検査しなかった溶接位置の検査も行うことができるようになる。これにより、製品の品質をさらに向上させることができる。
スポット溶接自動検査装置20は、溶接検査機21により、溶接位置を非破壊で検査する。従来のタガネ検査の場合、検査対象となった製品は、再利用可能であるものの、検査時に溶接位置にストレスが発生しているおそれがあった。しかし、スポット溶接自動検査装置20による検査の場合、非破壊で検査していることから検査時にストレスが掛かることが無く、製品の品質に影響を与えることがない。
スポット溶接自動検査装置20は、溶接検査機21により、溶接位置を非破壊で検査する。従来のタガネ検査の場合、検査対象となった製品は、再利用可能であるものの、検査時に溶接位置にストレスが発生しているおそれがあった。しかし、スポット溶接自動検査装置20による検査の場合、非破壊で検査していることから検査時にストレスが掛かることが無く、製品の品質に影響を与えることがない。
また、従来では、検査用の製品を例えば月に一台などの割合で製作し、完全に各部品を解体することにより溶接位置の状態を確認する剥離検査が行われていた。この場合、破壊することを前提とした製品を品種毎に製作するため、検査を実施するために膨大なコストがかかっていた。さらに、解体作業に要する時間も膨大なものになっていた。しかし、スポット溶接自動検査装置20では非破壊検査を採用していることから、破壊を前提とした製品を製作する必要が無くなる。したがって、検査に要するコストをさらに削減することができる。
スポット溶接自動検査装置20は、検出部25により検出された磁束密度に基づいて、溶接の良否を判定している。これにより、作業員の経験や勘に頼ることなく溶接位置の検査を実施することが可能になり、製品の品質にばらつきが生じるおそれを低減することができる。
検査位置設定部29を設けて構造上重要とされる箇所を検査対象として設定しているので、製品の品質を維持したまま作業時間の短縮を図ることができる。勿論、全ての溶接位置を検査対象として設定することもでき、その場合には、製品の品質をさらに向上させることができる。
スポット溶接自動検査装置20の場合、溶接検査機21およびリカバリ溶接機22は、製造ライン1にインラインで設けられている。これにより、対象物を製造ライン1から他の場所に移送する必要が無くなり、検査時間の短縮および作業効率の改善を図ることができる。
検査位置設定部29を設けて構造上重要とされる箇所を検査対象として設定しているので、製品の品質を維持したまま作業時間の短縮を図ることができる。勿論、全ての溶接位置を検査対象として設定することもでき、その場合には、製品の品質をさらに向上させることができる。
スポット溶接自動検査装置20の場合、溶接検査機21およびリカバリ溶接機22は、製造ライン1にインラインで設けられている。これにより、対象物を製造ライン1から他の場所に移送する必要が無くなり、検査時間の短縮および作業効率の改善を図ることができる。
溶接検査機21およびリカバリ溶接機22は、複数の溶接工程の工程間に設けられている。これにより、前段の溶接工程において溶接された溶接位置が、後段の溶接工程において部品に覆われて検査できなくなるような状態を回避することができる。つまり、前工程で溶接した溶接位置の全てが検査可能な状態で検査を行うことが可能になる。したがって、検査の信頼性をさらに向上させることができる。
さらに、溶接工程間において検査および再溶接を行うことにより、迅速な検査が可能になるとともに、不良品が後段の溶接工程に流れることを防止できる。したがって、製造効率を改善することができる。
さらに、溶接工程間において検査および再溶接を行うことにより、迅速な検査が可能になるとともに、不良品が後段の溶接工程に流れることを防止できる。したがって、製造効率を改善することができる。
(第2実施形態)
次に第2実施形態によるスポット溶接自動検査装置を図6を参照して説明する。第2実施形態では、判定部による判定結果を記憶部に履歴データとして記憶し、判定結果が否である溶接が多いと判定されたスポット溶接機の代わりにリカバリ溶接機により溶接を行う点において第1実施形態と異なっている。なお、スポット溶接自動検査装置の構成は第1実施形態とほぼ同様であるので、図1から図4をも参照しながら説明する。
次に第2実施形態によるスポット溶接自動検査装置を図6を参照して説明する。第2実施形態では、判定部による判定結果を記憶部に履歴データとして記憶し、判定結果が否である溶接が多いと判定されたスポット溶接機の代わりにリカバリ溶接機により溶接を行う点において第1実施形態と異なっている。なお、スポット溶接自動検査装置の構成は第1実施形態とほぼ同様であるので、図1から図4をも参照しながら説明する。
図6に示すように、第2実施形態のスポット溶接自動検査装置50は、第1実施形態の構成に加えて、各スポット溶接機3に対応して設けられている表示ランプ51を備えている。この表示ランプ51は、各スポット溶接機3の状態を作業者に対して報知する報知手段として機能する。具体的には、スポット溶接自動検査装置50は、各スポット溶接機3に何らかの異常が発生していると判定した場合に表示ランプ51を点灯させる。なお、報知手段としては、表示ランプ51以外に、ベルなどの音声により報知する構成であってもよい。
スポット溶接自動検査装置50は、検査用制御装置23の記憶部31に、判定結果に関するデータを時系列的に履歴データとして集計および記憶する。この場合、履歴データとしては、例えば、検査が行われた日時、検査対象とした溶接位置、その溶接位置における溶接位置の構造的な特性値、判定結果である溶接の良否、および判定結果が否である溶接位置を溶接したスポット溶接機3のデータなどが含まれている。なお、履歴データの集計および記憶は、検査用制御装置23だけでなく上記した図示しない中央制御装置などで行ってもよい。
スポット溶接自動検査装置50は、記憶部31に記憶した履歴データに基づいて、スポット溶接機3の状態を判定する。具体的には、スポット溶接自動検査装置50は、同一のスポット溶接機3において、例えば判定部30により否である判定された回数が予め定められている上限検出回数を越えたか否か、あるいは連続して否であると判定された回数が予め定められている上限連続検出回数を越えたか否かを判定する。つまり、スポット溶接自動検査装置50は、判定結果が否である溶接位置の検出回数が不良判定回数に相当する上限検出回数または上限連続検出回数を越えた場合、そのスポット溶接機3に何らかの異常が発生していると判定する。この場合、上限検出回数または上限連続検出回数は、製品ごとに任意に設定すればよい。本来、製造ライン1は、スポット溶接機3などの故障の発生が極力抑制されるように設計されている。そのため、溶接不良の発生は、1回だけでも重大な現象と考えられる。そのため、例えば、上限検出回数または上限連続検出回数をそれぞれ1回に設定してもよい。
スポット溶接自動検査装置50は、スポット溶接機3に異常が発生していると判定すると、対応する表示ランプを点灯させるとともに、溶接用制御装置4に対して該当するスポット溶接機3を特定可能なデータを通知する。そして、異常が発生していることを通知された溶接用制御装置4は、異常が発生しているスポット溶接機3を停止させるか否かを決定する。溶接用制御装置4は、スポット溶接機3を停止させると決定した場合、停止させるスポット溶接機3で溶接する予定であった箇所を検査用制御装置23に通知する。そして、検査用制御装置23は、通知された箇所に対して、スポット溶接機3の代わりにリカバリ溶接機22により溶接を実施する。
このように、第2実施形態のスポット溶接自動検査装置50は、単に溶接位置における溶接の良否の判定を行うだけではなく、判定結果を履歴データとして集計および記憶し、スポット溶接機3の状態をも判定している。これにより、例えば表示ランプ51が点灯したスポット溶接機3に対して迅速なメンテナンスを実施することができる。
スポット溶接機3に異常が生じていると判定した場合にはリカバリ溶接機22により溶接を代行するので、スポット溶接機3を停止させている場合であっても、製造ライン1全体を停止する必要がない。したがって、生産効率を低下させることがない。
スポット溶接機3に異常が生じていると判定した場合にはリカバリ溶接機22により溶接を代行するので、スポット溶接機3を停止させている場合であっても、製造ライン1全体を停止する必要がない。したがって、生産効率を低下させることがない。
リカバリ溶接機22を第一実施形態と同様にサブ溶接工程間に設けているので、溶接位置が追加部品で覆われたり、ロボットの駆動が制限されたりすることが無い。これにより、前段例えば第一溶接工程のスポット溶接機3により溶接されるはずの箇所に対して、リカバリ溶接機22によるスポット溶接を実施することができる。
履歴データを集計および記憶しているので、スポット溶接機3の溶接ガン6の溶接チップの劣化や消耗度合いなどを把握することができる。また、履歴データは、どのスポット溶接機3またはどの位置において不良の発生率が高いかなどの傾向を把握することもできる。つまり、履歴データを品質管理上の有用なデータとして活用できるとともに、スポット溶接機3のメンテナンス時期の工程管理などにも役立てることができる。さらに、後日溶接不良や劣化などの問題が発生した場合に、不良解析のデータとして活用することもできる。
履歴データを集計および記憶しているので、スポット溶接機3の溶接ガン6の溶接チップの劣化や消耗度合いなどを把握することができる。また、履歴データは、どのスポット溶接機3またはどの位置において不良の発生率が高いかなどの傾向を把握することもできる。つまり、履歴データを品質管理上の有用なデータとして活用できるとともに、スポット溶接機3のメンテナンス時期の工程管理などにも役立てることができる。さらに、後日溶接不良や劣化などの問題が発生した場合に、不良解析のデータとして活用することもできる。
(第3実施形態)
次に第3実施形態によるスポット溶接自動検査装置を図7を参照して説明する。第3実施形態では、溶接位置の近傍の対象物の表面形状を取得し、その表面形状に基づいて検出部を溶接位置に対して垂直方向に配置している点において第1実施形態と異なっている。なお、スポット溶接自動検査装置の構成は第1実施形態とほぼ同様であるので、図1なども参照して説明する。
次に第3実施形態によるスポット溶接自動検査装置を図7を参照して説明する。第3実施形態では、溶接位置の近傍の対象物の表面形状を取得し、その表面形状に基づいて検出部を溶接位置に対して垂直方向に配置している点において第1実施形態と異なっている。なお、スポット溶接自動検査装置の構成は第1実施形態とほぼ同様であるので、図1なども参照して説明する。
図7に示すように、第3実施形態によるスポット溶接自動検査装置80は、リカバリ溶接機22のアーム部81の先端側に、検出部25および3Dカメラ82を備えている。この3Dカメラ82は、溶接位置P6の表面画像を撮像する撮像手段として機能する。3Dカメラ82は、溶接位置P6の三次元的な表面形状を撮像する。3Dカメラ82により撮像された溶接位置P6の表面画像は、例えば検査用制御装置23(図3参照)により、溶接位置P6の表面形状の取得に利用される。すなわち、3Dカメラ82は、特許請求の範囲に記載した表面形状取得手段に相当する。この場合、溶接位置P6の近傍をスポット的に照らす光源を設けるとよい。これにより、工場の照明や他のスポット溶接機の火花などの外乱光によらず、一定の条件で溶接位置P6を含むその近傍の表面画像を撮像することができる。
検査用制御装置23は、3Dカメラ82により撮像された溶接位置P6の表面画像に対して画像処理を施すことにより、図8に示すように、溶接位置P6近傍の表面形状を算出する。なお、表面形状を算出する方法は、周知の画像処理により行われるので、詳細な説明は省略する。なお、図8では、スポット溶接された対象物7を模式的に1枚の板状に示している。
溶接位置P6近傍の表面形状を算出すると、スポット溶接自動検査装置80は、図8に示すように、検出部25を溶接位置P6の表面に対して垂直方向に配置する。即ち、検出部25は、溶接位置P6の表面に対して法線L4の方向に配置される。これにより、検出部25の検出方向が溶接位置P6に対して垂直となる。例えば図4に示すような溶接位置P6の大きさL1を、測定する場合、斜め方向から検査すると、溶接位置P6の大きさL1が実際よりも大きく検出されてしまう。これに対して、垂直方向から溶接位置P6を検査することにより、溶接位置P1の大きさL1は、実際の大きさが検出される。すなわち、溶接位置P6を精度よく検出することができる。
なお、表面形状取得手段として3Dカメラ82を例示したが、例えば複数台のカメラを設けたり、一次元を撮像するいわゆるラインセンサにより溶接位置P6を走査したり、レーザ変位計などにより溶接位置P6の表面形状を取得してもよい。即ち、表面形状を取得できれば、どのような方式であってもよい。
(第4実施形態)
次に第4実施形態によるスポット溶接自動検査装置を図9及び図10を参照して説明する。第4実施形態では、検出部に加わる圧力を検出する圧力検出部を備えている点において第1実施形態と異なっている。なお、スポット溶接自動検査装置の構成は第1実施形態とほぼ同様であるので、図1及び図3なども参照して説明する。
次に第4実施形態によるスポット溶接自動検査装置を図9及び図10を参照して説明する。第4実施形態では、検出部に加わる圧力を検出する圧力検出部を備えている点において第1実施形態と異なっている。なお、スポット溶接自動検査装置の構成は第1実施形態とほぼ同様であるので、図1及び図3なども参照して説明する。
図9に示すように、第4実施形態のスポット溶接自動検査装置は、保持部材90と圧力センサ91とを備えている。保持部材90は、検出部25を軸方向に移動可能に保持する。保持部材90は、図示しないロボットのアーム部に取り付けられている。圧力センサ91は、保持部材90に保持された検出部25に加わる圧力を検知する。圧力センサ91は、例えばロードセルなどの圧力センサにより構成されている。圧力センサ91は、検査用制御装置23に接続しており、検知した圧力に応じた信号を検査用制御装置23に出力する。この保持部材90は、特許請求の範囲に記載した保持手段に相当し、圧力センサ91は、特許請求の範囲に記載した圧力検出部に相当する。なお、図9では、信号線や電源線などの記載は省略している。
検出部25は、対象物7を検査するとき、図10に示すように保持部材90に保持された状態で対象物7に押しつけられると、圧力Fが加わる。この場合、検出部25と対象物7との密着性を高めるためには、ある程度の圧力が加わっている方が好ましい。また、検出の信頼性を高めるためには、なるべく同一条件で溶接位置を検査することが好ましい。そこで、検査用制御装置23は、圧力センサ91で検知した圧力Fに基づいて、保持部材90の位置を制御する。具体的には、検査用制御装置23は、圧力Fが予め設定されている規定圧になるように保持部材90の位置を制御する。例えば、対象物7がベルトコンベアなどにより搬送中に検査を行う場合、圧力Fが徐々に変化することが予想される。そのような場合、検査用制御装置23は、保持部材90の位置を制御することにより、検出部25に一定の圧力Fが加わるように制御する。これにより、常に一定の条件で検査を行うことが可能になる。
一方、検査用制御装置23は、圧力Fが予め設定されている上限圧を超えると、検出部25が破損するおそれがあるとして、圧力Fが上限値より低くなる待避位置に保持部材90を移動させる。この場合、待避位置は、圧力Fがなくなる位置、すなわち、検出部25が対象物7から完全に離れる位置まで移動させてもよい。
このように、第4実施形態によるスポット溶接自動検査装置は、保持部材90により保持される検出部25を、加わる圧力が規定圧になる位置に制御するとともに、上限圧を超えた場合には圧力が上限圧よりも低くなる待避位置に移動する。これにより、検出部25と対象物7との位置関係を一定にした状態で検査が可能となり、検出の精度と信頼性とを向上させることができる。また、圧力が上限値を超えた場合には検出部25を待避位置に移動するので、検出部25が破損するおそれを低減することができる。
このように、第4実施形態によるスポット溶接自動検査装置は、保持部材90により保持される検出部25を、加わる圧力が規定圧になる位置に制御するとともに、上限圧を超えた場合には圧力が上限圧よりも低くなる待避位置に移動する。これにより、検出部25と対象物7との位置関係を一定にした状態で検査が可能となり、検出の精度と信頼性とを向上させることができる。また、圧力が上限値を超えた場合には検出部25を待避位置に移動するので、検出部25が破損するおそれを低減することができる。
(第5実施形態)
次に第5実施形態によるスポット溶接自動検査装置を図11及び図12を参照して説明する。第5実施形態では、検出部を関節部材を介して保持している点において第1実施形態と異なっている。なお、スポット溶接自動検査装置の構成は第1実施形態とほぼ同様であるので、図1なども参照して説明する。
次に第5実施形態によるスポット溶接自動検査装置を図11及び図12を参照して説明する。第5実施形態では、検出部を関節部材を介して保持している点において第1実施形態と異なっている。なお、スポット溶接自動検査装置の構成は第1実施形態とほぼ同様であるので、図1なども参照して説明する。
図11に示すように、第5実施形態のスポット溶接自動検査装置は、支持部材100と関節部材101とを備えている。支持部材100は、図示しないロボットのアーム部の千単位儲けられている。なお、アーム部そのものを支持部材100として利用してもよい。なお、図11では、信号線や電源線などの記載は省略している。関節部材101は、例えばポリウレタン樹脂などの弾性材料により形成されている。このため、検出部25が対象物7に接触しているとき、検出部25が対象物7から受ける力は、関節部材101の弾性変形により生じる力と釣り合った状態になる。すなわち、関節部材101は、検出部25を対象物7に押しつけた状態に維持する。また、関節部材101は、伸縮することにより、検出部25に加わる圧力をある程度吸収する。さらに、関節部材101は、図12に示すように、支持部材の軸線L5と、検出部25の軸線L6すなわち対象物7の法線とが一致しない場合、検出部25を対象物7に密着した状態、且つ、検出部25が対象物7の垂直方向に配置された状態になるように弾性変形する。
第5実施形態によるスポット溶接自動検査装置は、上記した関節部材101を設けたことにより、検出部25が対象物7に密着した状態で垂直方向に配置する。これにより、検出部25による検出精度を向上させることができる。
また、関節部材101が弾性変形することにより、検出部25が対象物7に接触する際の衝撃を緩和することができる。さらに、検査時に対象物7が振動あるいは若干移動するような場合であっても、関節部材101がその振動や移動による位置ずれを吸収しつつ、検出部25を対象物7に密着状態に維持する。これにより、検出部25がずれることなどにより再検査が必要となるおそれを低減することができる。
また、関節部材101が弾性変形することにより、検出部25が対象物7に接触する際の衝撃を緩和することができる。さらに、検査時に対象物7が振動あるいは若干移動するような場合であっても、関節部材101がその振動や移動による位置ずれを吸収しつつ、検出部25を対象物7に密着状態に維持する。これにより、検出部25がずれることなどにより再検査が必要となるおそれを低減することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記した各実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲において次のように変形または拡張することができる。
スポット溶接機3やリカバリ溶接機22、検査用ロボット24の設置台数などは、各実施形態に例示した台数などに限定されず、任意に設置することができる。
各実施形態では構造上重要とされる溶接位置を検査位置として設定したが、勿論、全ての溶接位置を検査対象として設定してもよい。即ち、検査にかかる時間と品質とのバランスを考慮して、検査対象を適宜設定すればよい。
本発明は、上記した各実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲において次のように変形または拡張することができる。
スポット溶接機3やリカバリ溶接機22、検査用ロボット24の設置台数などは、各実施形態に例示した台数などに限定されず、任意に設置することができる。
各実施形態では構造上重要とされる溶接位置を検査位置として設定したが、勿論、全ての溶接位置を検査対象として設定してもよい。即ち、検査にかかる時間と品質とのバランスを考慮して、検査対象を適宜設定すればよい。
各実施形態では溶接検査機21に検出部25を設け、リカバリ溶接機22に溶接ガン27を設けた構成を例示したが、例えば図13(A)に示すように、両者を一台の共用ロボット60に設けてもよい。これにより、溶接位置の検査の後に迅速に再溶接を行うことができる。また、設置スペースを削減することができる。この場合、溶接工程に設けられているスポット溶接機3をリカバリ溶接機22として代用する構成としてもよい。
各実施形態では溶接検査機21およびリカバリ溶接機22に3次元移動可能な多関節型のロボットを採用した構成を例示したが、例えば図13(B)に示すように、溶接検査機21およびリカバリ溶接機22に1次元移動可能な一次元ロボット61を採用する構成としてもよい。また、2次元移動可能なロボットを採用する構成であってもよい。勿論、溶接検査機21およびリカバリ溶接機22でそれぞれ移動領域の異なるロボットを採用する構成としてもよい。
各実施形態では溶接検査機21およびリカバリ溶接機22に3次元移動可能な多関節型のロボットを採用した構成を例示したが、例えば図13(B)に示すように、溶接検査機21およびリカバリ溶接機22に1次元移動可能な一次元ロボット61を採用する構成としてもよい。また、2次元移動可能なロボットを採用する構成であってもよい。勿論、溶接検査機21およびリカバリ溶接機22でそれぞれ移動領域の異なるロボットを採用する構成としてもよい。
各実施形態では溶接検査機21およびリカバリ溶接機22にロボットを採用した例を示したが、例えば、図13(C)に示すように溶接検査機21の検出部25を可搬型とし、作業者が溶接位置の検査を行うようにしてもよい。あるいは、図13(D)に示すように、検出部25および溶接ガン27を可搬型とする構成としてもよい。勿論、溶接ガン27だけを可搬型とする構成としてもよい。これにより、各検査工程を設ける設置スペースがない状態であっても、検査および再溶接を実施することができる。なお、検出部25を可搬型とする構成の場合には、検出対象とした溶接位置を特定するための情報を表示する表示手段や検出対象となる溶接位置を入力する入力手段などを設けるとよい。
各実施形態では溶接検査機21およびリカバリ溶接機22を製造ライン1にインラインで設けたが、設置スペースが無い場合などにはオフラインで設けてもよい。その場合、検査対象物を搬送する手間はかかるものの、製品の品質を向上させることができる。
各実施形態ではスポット溶接機3とリカバリ溶接機22を個別に設けたが、例えば図14に示すように、第一溶接工程の溶接位置である点P2が後工程となる第二溶接工程においても再溶接可能な場合などには、リカバリ溶接機22を第二溶接工程に設けられているスポット溶接機3で代用する構成としてもよい。この場合、溶接検査機21のみを設けることによりスポット溶接自動検査装置を構成することができる。従って、設備投資に要するコストを削減することができる。
各実施形態ではスポット溶接機3とリカバリ溶接機22を個別に設けたが、例えば図14に示すように、第一溶接工程の溶接位置である点P2が後工程となる第二溶接工程においても再溶接可能な場合などには、リカバリ溶接機22を第二溶接工程に設けられているスポット溶接機3で代用する構成としてもよい。この場合、溶接検査機21のみを設けることによりスポット溶接自動検査装置を構成することができる。従って、設備投資に要するコストを削減することができる。
また、再溶接をスポット溶接によって行う場合には、各溶接工程のスポット溶接機3に検出部25を一体に設け、スポット溶接と検査とを行う構成としてもよい。即ち、各スポット溶接機3に検出部25を設け、通常の溶接と不良箇所に対する再溶接とを一台の溶接機により行う構成としてもよい。
第2実施形態では溶接用制御装置4により自動でスポット溶接機3を停止させるか否かを決定する構成としたが、表示ランプ51が点灯したことを確認した作業者による判断に基づいてスポット溶接機3を停止させるか否かを決定する構成としてもよい。
第2実施形態では溶接用制御装置4により自動でスポット溶接機3を停止させるか否かを決定する構成としたが、表示ランプ51が点灯したことを確認した作業者による判断に基づいてスポット溶接機3を停止させるか否かを決定する構成としてもよい。
各実施形態ではスポット溶接にて再溶接を行う構成としたが、アーク溶接により再溶接を行う構成としてもよい。
各実施形態では検査位置設定部29および判定部30をソフトウェアにより実現する構成としたが、ハードウェアにより実現する構成としてもよい。
通信部32は、有線あるいは無線の何れか一方で構成してもよいし、それらを混在させてもよい。
リカバリ溶接機22に関する履歴データを集計および記憶する構成としてもよい。
各実施形態では検査位置設定部29および判定部30をソフトウェアにより実現する構成としたが、ハードウェアにより実現する構成としてもよい。
通信部32は、有線あるいは無線の何れか一方で構成してもよいし、それらを混在させてもよい。
リカバリ溶接機22に関する履歴データを集計および記憶する構成としてもよい。
リカバリ溶接機22による再溶接後に、再溶接箇所を再検査する構成としてもよい。
大きさの異なる検出部25を設け、それらを選択するようにしてもよい。例えば、図1に示す点P1のナゲット部42の径が5mm程度であり、点P2のナゲット部42の径が10mm程度である場合、検出部25としては10mmの検出が可能な大きさであればよい。しかし、例えば点P1が部品の奥まった位置にある場合などには、検出部25が大き過ぎると、点P1の測定自体ができないおそれがある。そのため、溶接位置の位置や大きさなどの情報に基づいて検出部25を選択するようにすれば、点P1を小さい検出部25で検出した後、点P2を大きい検出部25で検出することができるようになる。溶接位置に関する情報としては、溶接位置の座標、溶接位置に進入可能な検出部25のサイズ、その溶接位置に形成されると予想されるナゲット部42の大きさL1の予想値などである。具体的には、検査用制御装置23により溶接用制御装置4から溶接位置が5mm程度と予想される情報を取得した場合、検査用ロボット24の近傍に複数の大きさの検出部25を載置する載置台を設けておき、検査用ロボット24に5mmのナゲット部42を検出可能な適切な検出部25をピックアップさせる構成にしてもよい。この場合、検査用ロボット24が選択手段として機能し、検査用制御装置23が溶接位置情報取得手段として機能する。なお、作業者によりその都度検出部25を適切なものに選択するようにしてもよい。
大きさの異なる検出部25を設け、それらを選択するようにしてもよい。例えば、図1に示す点P1のナゲット部42の径が5mm程度であり、点P2のナゲット部42の径が10mm程度である場合、検出部25としては10mmの検出が可能な大きさであればよい。しかし、例えば点P1が部品の奥まった位置にある場合などには、検出部25が大き過ぎると、点P1の測定自体ができないおそれがある。そのため、溶接位置の位置や大きさなどの情報に基づいて検出部25を選択するようにすれば、点P1を小さい検出部25で検出した後、点P2を大きい検出部25で検出することができるようになる。溶接位置に関する情報としては、溶接位置の座標、溶接位置に進入可能な検出部25のサイズ、その溶接位置に形成されると予想されるナゲット部42の大きさL1の予想値などである。具体的には、検査用制御装置23により溶接用制御装置4から溶接位置が5mm程度と予想される情報を取得した場合、検査用ロボット24の近傍に複数の大きさの検出部25を載置する載置台を設けておき、検査用ロボット24に5mmのナゲット部42を検出可能な適切な検出部25をピックアップさせる構成にしてもよい。この場合、検査用ロボット24が選択手段として機能し、検査用制御装置23が溶接位置情報取得手段として機能する。なお、作業者によりその都度検出部25を適切なものに選択するようにしてもよい。
本発明によるスポット溶接自動検査装置は、各実施形態で例示した自動車の製造ライン1だけでなく、例えば自動二輪車の製造ラインなどにも適用することができる。また、スポット溶接自動検査装置は、例えば自動車本体の製造ラインだけでなく、ドア部品9やルーフ部品10あるいはリア部品11などの各部品を製造する製造ラインにおける検査にも適用することができる。
第3実施形態では検出部25と3Dカメラ82とをロボットのアーム部に設けたが、3Dカメラは他の位置に設けてもよい。すなわち、溶接位置P6の表面形状を取得可能であれば、例えばスポット溶接後に表面画像を撮像可能な位置に設けて予め表面形状を算出し、検査時にその結果に基づいて検出部25を当該溶接位置に移動させるなど、どのような位置に設けてもよい。
第3実施形態では検出部25と3Dカメラ82とをロボットのアーム部に設けたが、3Dカメラは他の位置に設けてもよい。すなわち、溶接位置P6の表面形状を取得可能であれば、例えばスポット溶接後に表面画像を撮像可能な位置に設けて予め表面形状を算出し、検査時にその結果に基づいて検出部25を当該溶接位置に移動させるなど、どのような位置に設けてもよい。
図面中、1は製造ライン、3はスポット溶接機(スポット溶接手段)、6は溶接ガン(スポット溶接手段)、7はシャーシ部品(対象物)、8はフロント部品(対象物)、9はドア部品(対象物)、10はルーフ部品(対象物)、11はリア部品(対象物)、20、50、70、80はスポット溶接自動検査装置、21は溶接検査機(検出手段)、22はリカバリ溶接機(リカバリ溶接手段)、24は検査用ロボット(ロボット)、25は検出部(検出手段)、26はリカバリ用ロボット(ロボット)、27は溶接ガン(リカバリ溶接手段)、29は検査位置設定部(検査位置設定手段)、30は判定部(判定手段)、31は記憶部(記憶手段)、40は鋼板(対象物)、82は3Dカメラ(表面形状取得手段)、90は保持部材(保持手段)、91は圧力センサ(圧力検知手段)、100は支持部材、101は関節部材、P1、P2、P3、P4、P5、P6は溶接位置を示す。
Claims (11)
- 予め設定された溶接位置において対象物を溶接するスポット溶接手段と、
前記溶接位置に磁場を印加し、印加した磁場の磁束密度を測定し、前記溶接位置における磁束密度の分布を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出した前記磁束密度の分布に基づいて前記溶接位置における溶接の良否を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果が否である前記溶接位置を再び溶接するリカバリ溶接手段と、
を備えることを特徴とするスポット溶接自動検査装置。 - 前記検出手段および前記リカバリ溶接手段は、前記対象物の製造ラインにインラインで設けられていることを特徴とする請求項1記載のスポット溶接自動検査装置。
- 前記スポット溶接手段により溶接した前記溶接位置のうち、検査対象とする溶接位置を設定する検査位置設定手段をさらに備え、
前記検出手段は、前記検査位置設定手段により設定した検出対象となる溶接位置における前記磁束密度の分布を検出することを特徴とする請求項1または2記載のスポット溶接自動検査装置。 - 前記検出手段および前記リカバリ溶接手段は、一台のロボットで構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載のスポット溶接自動検査装置。
- 前記製造ラインでは複数の溶接工程を実施し、
前記検出手段は、複数の前記溶接工程の各工程間において、前記溶接位置の前記磁束密度の分布を検出することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載のスポット溶接自動検査装置。 - 前記リカバリ溶接手段は、複数の前記溶接工程のうち後段の溶接工程に設けられている前記スポット溶接手段であることを特徴とする請求項5記載のスポット溶接自動検査装置。
- 外形が異なる複数種類の前記検出手段が設けられており、
前記溶接位置に関する情報を取得する溶接位置情報取得手段と、
前記溶接位置情報取得手段により取得された前記溶接位置の情報に基づいて、複数種類の前記検出手段から使用する検出手段を選択する選択手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載のスポット溶接自動検査装置。 - 前記溶接位置に対する前記判定手段による判定結果の履歴とその溶接位置を溶接した前記スポット溶接手段とを対応付けしたデータである履歴データを記憶する記憶手段をさらに備え、
前記リカバリ溶接手段は、前記記憶手段に記憶されている前記履歴データに基づいて、前記溶接位置に対する判定結果が否であると判定された回数が予め設定されている不良判定回数を越えたとき、前記スポット溶接手段の代わりに溶接を行うことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載のスポット溶接自動検査装置。 - 前記溶接位置の近傍における前記対象物の表面形状を取得する表面形状取得手段をさらに備え、
前記検出手段は、前記表面形状取得手段で取得した前記溶接位置の表面形状に基づいて、前記溶接位置に対して垂直方向から前記溶接位置における磁束密度の分布を検出することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項記載のスポット溶接自動検査装置。 - 前記検出手段を保持する保持手段と、
前記保持手段に保持された前記検出手段に加わる圧力を検知する圧力検知手段と、をさらに備え、
前記保持手段は、前記溶接位置の検出時に、前記圧力検知手段により検知される圧力が予め定められている規定圧で前記検出手段を保持するとともに、前記圧力が予め設定されている上限圧を超えた場合、前記圧力が前記上限圧よりも低くなる待避位置に前記検出手段を移動することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項記載のスポット溶接自動検査装置。 - 前記検出手段を支持する支持部材と、
弾性部材で形成され、前記支持部材と前記検出手段との間に設けられる関節部材と、
をさらに備え、
前記関節部材は、前記溶接位置の検出時に、前記検出手段を前記溶接位置に押しつけつつ前記溶接位置に対して垂直になるように弾性変形することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項記載のスポット溶接自動検査装置。
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